JP2891023B2 - ランチオニン含有物の製造方法 - Google Patents

ランチオニン含有物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はランチオニン含有物の製
造方法に関し、詳しくはランチオニン、メチルランチオ
ニンを含むランチオニン含有ペプチドの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ランチオニン(S-(2-アミノ-2-カルホ゛キシエチル)-
L-システイン)やメチルランチオニンを含むランチオニン含
有ペプチドは、微生物による発酵生産物として産生さ
れ、抗菌活性、抗ウイルス活性、免疫増強作用、酵素阻
害活性等、多様な生物活性を持つものが多く、“Lantib
iotic ”の名で総称される有用物質である。
【0003】このようなランチオニン含有物質として、
ストレプトコッカス ラクティス(Streptococcus lact
is)の生産する抗生物質ナイシンが知られている。ナイ
シンは、最初に発見され、構造決定されたランチオニン
含有抗生物質であり、構造食品保存剤等としてヨーロッ
パなどで広く用いられている。
【0004】このように、ランチオニン含有ペプチド
は、その有用性のため注目を集めているが、多くのもの
は微生物の発酵生産性の低さから大量供給は難しい。ま
た、化学合成によるランチオニン含有ペプチドの製造方
法の検討も、ナイシンでなされているが(Bulletin of
the Chemical Society of Japan, Vol.65 pp2227, 199
2、 Tetrahedron Letters Vol.29 pp.795, 1988)、そ
の工程の複雑さと収量において満足できるものとはいえ
ない。さらに他のペプチドについては合成された報告は
ない。その理由は、ランチオニン環形成反応、もしくは
これらのペプチドの中によく認められるデヒドロアミノ
酸を含むペプチドの合成には困難な点が多く、固相合成
法はもちろんのこと、液相での合成でも多くの制限があ
り、化学合成がきわめて難しいためである。
【0005】一方、ナイシンについてはその生合成機構
が推定されている(The Journal of Biological Chemist
ry Vol.263 pp.16260, 1988)。これは、ナイシンを分
泌生産する微生物菌体中に、リーダー部が結合したナイ
シンのプロペプチドが生成された後、多機能酵素でまず
脱水反応がおこり、セリンもしくはスレオニン残基がデ
ヒドロアミノ酸になり、次に生成したデヒドロアミノ酸
へ分子内のシステイン残基のチオール基が付加して分子
内スルフィド結合すなわちランチオニン残基が形成さ
れ、最後にリーダーペプチドがプロセッシングを受けて
目的のランチオニンペプチドとなるというものである
(図1参照)。
【0006】しかしながら、このランチオニン生成反応
は、ナイシンのプロペプチドに限られたものであり、汎
用性のあるランチオニン含有ペプチドの製造方法として
応用できるものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであり、特定のペプチドに限らず、広い範
囲のランチオニン含有ペプチドを得ることを目的とし、
汎用性の高いランチオニン含有物の製造方法を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ペプチド鎖内
のシステイン残基とセリン残基からランチオニンを、又
はシステイン残基とスレオニン残基からメチルランチオ
ニンを、ランチオニン環形成反応により生成する能力を
有する微生物を検索し、その微生物の培養物、あるいは
その微生物より分離した微生物菌体又は菌体の処理物
を、ペプチド又はポリペプチドに作用させると、ペプチ
ド鎖内にランチオニンやメチルランチオニンが生成し、
ランチオニン含有物が得られることを見出し、本発明を
完成させるに至った。
【0009】すなわち本発明は、ペプチド鎖内のシステ
イン残基とセリン残基からランチオニンを、またはシス
テイン残基とスレオニン残基からメチルランチオニン
を、各々ランチオニン環形成反応により生成させる能力
を有し、ミコバクテリウム(Mycobacterim)属、ノカル
ディア(Nocardia)属、ノカルディオイデス(Nocardio
ides)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、ストレプ
トマイセス(Streptomyces)属、またはストレプトバー
ティシラム(Streptoverticillium)属に属する微生物
の培養物又はこの培養物より分離した微生物菌体もしく
はその菌体の処理物を、システイン残基とセリン残基、
又はシステイン残基とスレオニン残基を有するペプチド
と共存させ、前記ペプチド鎖内にランチオニンもしくは
メチルランチオニン、またはランチオニン及びメチルラ
ンチオニンを生成させることを特徴とするランチオニン
含有物の製造方法である。
【0010】尚、本明細書において、「ペプチド」とは
ペプチド又はポリペプチドをいい、タンパクを含むこと
があり、さらに、これらを「基質」ということがある。
また、「ランチオニン」とは、ランチオニンもしくは
チルランチオニン、またはランチオニン及びメチルラン
チオニンの両方をいうことがある。また、ランチオニン
もしくはメチルランチオニン、またはランチオニン及び
メチルランチオニンの両方を鎖内に有するペプチド、ポ
リペプチド、又はタンパクをランチオニン含有物とい
う。以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】<1>本発明に用いる微生物 本発明に使用する微生物としては、ペプチド鎖内のシス
テイン残基とセリン残基からランチオニンを、又はシス
テイン残基とスレオニン残基からメチルランチオニン
、それぞれランチオニン環形成反応により生成する能
力を有する微生物であればいずれでもよい。また、ラン
チオニン及びメチルランチオニンの両方を生成する能力
を有するものであってもよい。本発明の微生物として具
体的にはミコバクテリウム(Mycobacterim)属、ノカル
ディア(Nocardia)属、ノカルディオイデス(Nocardio
ides)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、ストレプ
トマイセス(Streptomyces)属、またはストレプトバー
ティシラム(Streptoverticillium)属に属する微生物
が挙げられる。より具体的には、例えば以下のような細
菌が挙げられる。尚、下記菌株は例示であり、他の保存
菌株等も使用することができる。
【0012】ミコハ゛クテリウム フィレイ (Mycobacterium phlei) IFO3158ノカルテ゛ィア アステオイテ゛ス (Nocardia asteroides) IFO3384ノカルテ゛ィオイテ゛ス アルフ゛ス (Nocardioides albus) IFO13917ロト゛コッカス エリスロホ゜リス (Rhodococcus erythropolis) IFO12
538ストレフ゜トマイセス ク゛リセオラス (Streptomyces griseolus) IFO34
15ストレフ゜トハ゛ーティシラム ケンタッケンス (Streptoverticillium kentu
ckense) IFO12880ストレフ゜トマイセス イェレハ゛ネンシス (Streptomyces yerevanensis)
IFO12517ストレフ゜トマイセス スカヒ゛ース (Streptomyces scabies) IFO3111
【0013】本発明に用いる微生物を培養するための培
地は、その微生物が増殖し得るものであれば特に制限は
ない。例えば、炭素源、窒素源、無機塩類、有機栄養素
等を含有する通常の培地を使用することができる。
【0014】上記炭素源としては、上記微生物利用可
能であればいずれも使用でき、例えばグルコース、フル
クトース、シュークロース、デキストリン等の糖類、ソ
ルビトール、エタノール、グリセロール等のアルコール
類、フマール酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸等の有
機酸類及びその塩類、パラフィン等の炭化水素類が挙げ
られ、これらの任意の混合物も使用することができる。
【0015】また、上記窒素源としては、例えば硫酸ア
ンモニウム、塩化アンモニウム等の無機塩のアンモニウ
ム塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等
の有機酸のアンモニウム塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリ
ウム等の硝酸塩、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コ
ーンスティープリカー等の有機窒素化合物が挙げられ、
これらの任意の混合物も使用することができる。
【0016】他に無機塩、微量金属塩、ビタミン類等、
通常の培養に用いられる栄養源を適宜、混合して用いる
ことができる。また必要に応じて微生物の増殖を促進す
る因子、本発明の目的化合物の生成能力を高める因子、
あるいは培地のpH保持に有効な物質も添加できる。
【0017】培養条件としては、培地のpHは3.0〜
9.5、好ましくは4〜8、培養温度は20〜45℃、
好ましくは25〜37℃で、嫌気的あるいは好気的に、
その微生物の生育に適した条件下で5〜120時間、好
ましくは12〜72時間程度培養する。
【0018】 <2>本発明のランチオニン含有物の製造方法 本発明のランチオニン含有物の製造方法は、上記微生物
の培養物、該微生物より分離した微生物菌体又は該微生
物菌体の処理物とランチオニンを導入しようとするペプ
チドとを共存させることを特徴とする。こうすることに
より、上記微生物が生産するランチオニン生成を触媒す
る酵素がペプチドに作用し、ランチオニン環形成反応に
よりランチオニン生成反応が起きる。すなわち、ペプチ
ド鎖内のシステイン残基とセリン残基からランチオニン
が、システイン残基とスレオニン残基からメチルランチ
オニンが生成する。
【0019】本発明の方法として、具体的には上記微生
物の培養物にそのまま、基質であるペプチドを添加して
反応させる方法、遠心分離や濾過等により菌体を分離
し、これをそのままもしくは洗浄した後、緩衝液、水等
に再懸濁したものにペプチドを添加して反応させる方法
が挙げられる。
【0020】また、ランチオニン生成反応は、菌体内の
酵素によって触媒されると考えられるので、菌体にアセ
トン処理等の処理をほどこしたもの、あるいは菌体破砕
物を用いることが好ましい。さらに、これらの菌体、あ
るいは菌体処理物から、公知の方法を組み合わせて精製
取得した酵素を使用してもよい。
【0021】上記反応は、pH3〜9、好ましくはpH
5〜8、温度は通常10〜60℃、好ましくは20〜4
0℃の範囲で、培養液、緩衝液あるいは水中で、撹拌下
あるいは静置下で、1〜120時間程度行う。基質の使
用濃度は特に制限されないが、0.1〜10%程度が好
ましい。また、反応液中にリン酸ピリドキシンを添加す
ることによって、反応がさらに効率良く進行する場合が
ある。
【0022】また、上記のように菌体等あるいは酵素を
溶液に懸濁あるいは溶解した状態で反応を行うことがで
きるが、菌体等あるいは酵素を不溶性担体に固定化した
ものを使用することも可能である。この固定化は、ポリ
アクリルアミドゲル等に包括する方法、イオン交換樹脂
に吸着させる方法等一般に菌体や酵素の固定化に使用さ
れる方法により行うことができる。
【0023】基質は、ペプチド鎖内にシステイン残基
セリン残基、またはシステイン残基とスレオニン残基
含むものであればどのようなものも利用できる。また、
鎖内にシステイン残基とセリン残基、またはシステイン
残基とスレオニン残基を含むものであればタンパクを用
いても差し支えない。
【0024】得られたランチオニン含有物は、イオン交
換クロマトグラフィーもしくは逆相クロマトグラフィー
等により精製することができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。始めに、
後記実施例で使用した微生物(菌体破砕物)と基質の調
製、ランチオニン生成反応とその分析法について説明す
る。
【0026】<1> ミコバクテリウム フィレイ(Mycobacterium phlei)
IFO3158、ノカルディア アステオイデス(Noca
rdia asteoides)IFO3384、ノカルディオイデス
アルブス(Nocardioides albus)IFO13917、
ロドコッカスエリスロポリス(Rhodococcus erythropol
is)IFO12538、ストレプトマイセス グリセオ
ラス(Streptomyces griseolus)IFO3415、スト
レプトバーティシラム ケンタッケンス(Streptoverti
cullium kentuckense)IFO12880、ストレプト
マイセス イェレバネンシス(Streptomyces yerevanen
sis)IFO12517、ストレプトマイセス スカビ
ース(Streptomyces scabies)IFO3111を、表2
の組成の培地で培養し、菌体破砕物を調製した。
【0027】上記の各細菌を、B培地(7ml/試験
管)で28℃、48時間振盪培養し、各培養液をA培地
100ml(500ml容坂口フラスコ)に各々接種
し、28℃で48時間振盪培養した。培養後、培養液を
遠心分離(4℃、8000rpm、20分)により菌体
を集め、40mlの生理食塩水で洗浄した。洗浄菌体を
再び遠心により集菌し、菌体に50mMリン酸カリウム
緩衝液(pH7.0、0.1mMジチオスレイトール含
有)を4ml加え、菌体懸濁液とした。
【0028】次に、菌体懸濁液を、超音波破砕装置(Ku
bota Insonator 201M型)によって、菌体を破砕した
(4℃、200W、30min.)。破砕後、遠心分離
(4℃、12000rpm、20min.)により上清
を得、これを菌体破砕処理物(酵素抽出液)とした。
【0029】
【表1】
【0030】<2>基質の調製 ペプチド鎖内にシステイン残基と、セリン残基及び/又
はスレオニン残基を有するペプチドを、t-Boc(tert−
ブトキシカルボニル基)法による固相合成により合成し
た。Applied Biosystem社製430A型ペプチド自動合
成装置を用い、合成機に組み込まれているソフトウエア
の合成手順(C端末から始めてN端末に向けて行なわれ
る)に従って、ペプチド研究所製Bocアミノ酸誘導体を
原料に用い、保護ペプチド−樹脂結合体として基質を調
製した。
【0031】合成された保護ペプチド−樹脂結合体にp
−クレゾールを加え、フッ化水素(HF)処理装置にセ
ットした後、−2〜−5℃、60分の処理を行い、固相
樹脂からのペプチドの切り出しと同時に各アミノ酸の全
保護基の除去操作を行なった。反応後、HFを減圧下に
留去した後、トリフルオロ酢酸(TFA)を用いて粗ペ
プチドを抽出し、この抽出液から樹脂を濾別した後、濃
縮し、さらにエーテルを加えて粉末とした。
【0032】得られたチオール遊離の粗ペプチドを酢酸
アンモニウム緩衝液に溶解し、ジチオスレイトールを加
えてペプチド中のチオールを遊離させ、チオールが完全
に遊離されていることを確認後、高速液体クロマトグラ
フィー(カラム:YMC SH−363−5 s−5
120A ODS、溶離条件:0.1%TFA含有10
%アセトニトリル水溶液から0.1%TFA含有60%
アセトニトリル水溶液の直線濃度勾配法による溶出、流
速:20ml/min、検出:波長220nmにおける
紫外部吸収を測定)により、目的とするペプチドを精製
分取した。
【0033】このようにして調製した5種類の基質をペ
プチド1〜5とし、アミノ酸配列を各々配列表配列番号
1〜5に示す。
【0034】<3>ランチオニン生成反応とその分析法 上記で得られたペプチドを基質として、表2に示す組成
の反応液中で37℃、10時間、振盪することにより、
ランチオニン又はメチルランチオニン生成反応を行なっ
た。
【0035】
【表2】
【0036】反応終了後、95℃、2分の加熱処理によ
り反応を停止させ、反応液を12000rpmで5分間
遠心分離し、上清と沈殿とに分離させた。この沈殿に、
200μlの0.5Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.
0)を添加した後、再び遠心分離によって上清(洗滌
液)と沈殿とを分離し、得られた上清を凍結乾燥した。
【0037】乾燥物に6N塩酸(200μl)を加え
て、封管中110℃、48時間加水分解を行ない、これ
を高速液体クロマトグラフィーによるアミノ酸分析に供
することによってランチオニン並びにメチルランチオニ
ンの生成量を定量した。アミノ酸分析の条件は表3の通
りである。
【0038】
【表3】
【0039】
【実施例1】前記<1>で得られた菌体破砕処理物を用
い、合成ペプチドを基質として上記方法でランチオニン
又はメチルランチオニン生成反応を行ない、生成したラ
ンチオニン並びにメチルランチオニンを定量した。基質
はノカルディア アステオイデスについてはペプチド2
を、ストレプトマイセス イェレバネンシスについては
ペプチド4を、その他の菌株についてはペプチド1を用
いた。結果を表4に示す。尚、基質を加えずに反応を行
った場合は、ランチオニン及びメチルランチオニンの生
成は認められなかった。
【0040】
【表4】
【0041】この結果から明らかなように、表4に示し
た微生物の菌体破砕物を用いると、システイン残基と、
セリン残基あるいはスレオニン残基から、ランチオニン
あるいはメチルランチオニンが生成し、ランチオニン含
有ペプチドが得られる。
【0042】また、ストレプトコッカス ラクティスI
FO12546、ストレプトマイセス アウレウス(St
reptomyces aureus)IFO3175、アクチノマイセ
スアルボシアネウス(Actinomyces albocyaneus)IF
O12832等で同様の実験を行ったところ、いずれの
ペプチドを基質とした場合にも、ランチオニン及びメチ
ルランチオニンの生成は認められなかった。
【0043】
【実施例2】前記で得られたストレプトバーティシラム
ケンタッケンスIFO12880の菌体破砕処理物を
用い、ペプチド2〜4を基質として、ランチオニン又は
メチルランチオニン生成反応を行ない、生成したランチ
オニン並びにメチルランチオニンを定量した。その結果
を表5に示した。
【0044】
【表5】
【0045】この結果から、ストレプトバーティシラム
ケンタッケンスの菌体破砕物を用いると、ランチオニ
ン及びメチルランチオニンを生成させることができるこ
とがわかる。尚、この菌は、元々菌体タンパク中にラン
チオニンを含まないものであるが、ランチオニン生成反
応を行うことが可能であることが本発明で初めて示され
た。
【0046】
【実施例3】前記で得られたストレプトマイセス イェ
レバネンシスIFO12517の菌体破砕処理物を用
い、ペプチド5を基質として、メチルランチオニン生成
反応を行なった。その結果、基質100nmolあたり
0.4nmolのメチルランチオニンを生成した。
【0047】この結果から、ストレプトマイセス イェ
レバネンシスは、システインとスレオニン残基からメチ
ルランチオニンを生成する酵素を生産し、これを利用す
ることによりメチオランチオニン含有ペプチドが得られ
ることがわかった。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法により、ペプチド又はポリ
ペプチド中のペプチド鎖内に、容易にランチオニン、メ
チルランチオニンを生成させることができ、ランチオニ
ン含有物を製造することが可能となる。
【0049】
【配列表】
【0050】配列番号:1 配列の長さ:34 配列の形:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ile Thr Ser Ile Ser Leu Cys Thr Pro Gly Cys Lys Thr Gly Ala Leu 5 10 15 Met Gly Cys Asn Met Lys Thr Ala Thr Cys His Cys Ser Ile His Val 20 25 30 Ser Lys
【0051】配列番号:2 配列の長さ:19 配列の形:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Cys Val Gln Ser Cys Ser Phe Gly Pro Leu Thr Trp Ser Cys Asp Gly 5 10 15 Asn Thr Lys
【0052】配列番号:3 配列の長さ:5 配列の形:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0053】配列番号:4 配列の長さ:5 配列の形:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0054】配列番号:5 配列の長さ:4 配列の形:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Pro Gly Cys
【図面の簡単な説明】
【図1】 ランチオニン生成反応を示す図
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 21/04 C12R 1:01) (C12P 21/04 C12R 1:465) (C12P 21/04 C12R 1:625) (72)発明者 清水 昌 京都府京都市左京区北白川追分町(番地 なし)京都大学農学部内 (72)発明者 山田 秀明 京都府京都市左京区北白川追分町(番地 なし)京都大学農学部内 (72)発明者 芝 哲夫 大阪府箕面市稲4−1−2財団法人 蛋 白質研究奨励会 ペプチド研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 21/00 - 21/06 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペプチド鎖内のシステイン残基とセリン
    残基からランチオニンを、またはシステイン残基とスレ
    オニン残基からメチルランチオニンを、各々ランチオニ
    ン環形成反応により生成させる能力を有し、ミコバクテ
    リウム(Mycobacterim)属、ノカルディア(Nocardia)
    属、ノカルディオイデス(Nocardioides)属、ロドコッ
    カス(Rhodococcus)属、ストレプトマイセス(Strepto
    myces)属、またはストレプトバーティシラム(Strepto
    verticillium)属に属する微生物の培養物又はこの培養
    物より分離した微生物菌体もしくはその菌体の処理物
    を、システイン残基とセリン残基、又はシステイン残基
    とスレオニン残基を有するペプチドと共存させ、前記ペ
    プチド鎖内にランチオニンもしくはメチルランチオニ
    ン、またはランチオニン及びメチルランチオニンを生成
    させることを特徴とするランチオニン含有物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記微生物が、ミコバクテリウム フィ
    レイ(Mycobacterium phlei)、ノカルディア アステ
    オイデス(Nocardia asteoides)、ノカルディオイデス
    アルブス(Nocardioides albus)、ロドコッカス エ
    リスロポリス(Rhodococcus erythropolis)、ストレプ
    トマイセス グリセオラス(Streptomyces griseolu
    s)、ストレプトバーティシラム ケンタッケンス(Str
    eptoverticillium kentuckense)、ストレプトマイセ
    ス イェレバネンシス(Streptomyces yerevanensis)、
    ストレプトマイセス スカビース(Streptomyces scabi
    es)から選ばれることを特徴とする請求項1記載のラン
    チオニン含有物の製造方法。
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