JP2890756B2 - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP2890756B2
JP2890756B2 JP2233864A JP23386490A JP2890756B2 JP 2890756 B2 JP2890756 B2 JP 2890756B2 JP 2233864 A JP2233864 A JP 2233864A JP 23386490 A JP23386490 A JP 23386490A JP 2890756 B2 JP2890756 B2 JP 2890756B2
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ethylene
cyclic olefin
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英雄 山岡
光之 黒岩
浩 南部
昭 藤堂
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光ディスク等として使用される情報記録媒
体、特に2枚のディスク基板を直接またはリング状スペ
ーサを介して接着剤で貼合わせた光学的情報記録媒体に
関するものである。
〔従来の技術〕
レーザ光等の光を記録層に集光して情報の書込、読取
を行うプラスチック製の情報記録媒体の一つに、リング
状スペーサを介して2枚のディスク基板を貼合わせたい
わゆるエアーサンドイッチ構造のディスクがある。
このようなエアーサンドイッチ構造あるいはディスク
基板を直接貼合わせた構造のディスクに使用される接着
剤としては、UV硬化型接着剤、両面テープ、常温硬化型
接着剤およびホットメルト接着剤がある。一般的にUV硬
化型接着剤および両面テープは、ソリ等の変形が大き
く、外観上ひび割れ、孔食等がみられ、接着強度は小さ
いという欠点があり、さらに両面テープは記録媒体層と
の間に空気が入るという問題点もある。それに対して常
温硬化型接着剤は、外観上良好で接着強度が大きいが、
ソリ等の変形が大きいという欠点がある。
一方ロールコータ、ノズル吐出等により塗布されるホ
ットメルト接着剤は、外観上良好で接着強度が大きく、
ソリ等の変形も前述の接着剤等に比べて小さいため、今
後発展性のある接着剤として注目されている。しかし高
温高湿の条件(例えば温度80℃、湿度85%)で長時間
(例えば300時間)に及ぶ試験では、貼合わせた2枚の
ディスク基板の間にズレが発生し、ソリ等の変形も大き
くなるという問題点がある。ズレの発生やソリ等の変形
を抑制するためには、通常溶融粘度の大きいホットメル
ト接着剤が使用されるが、この場合ホットメルト接着剤
は常温において固くなりすぎて、常温以下の低温下で接
着能力が低下するという問題点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記問題点を解決するため、高温高
湿の条件で長時間暴露されても、貼合わされた2枚のデ
ィスク基板の間にズレが発生せず、ソリ等の変形が小さ
く、しかも常温以下の低温下でも大きな接着能力を有し
ている情報記録媒体を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、少なくとも1枚の透明樹脂基板の片面に記
録層を形成した2枚のディスク基板を、直接またはリン
グ状スペーサを介して接着剤で貼合わせた情報記録媒体
において、前記接着剤が (A)ポリα−オレフィン、 (B)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、 (C)スチレン系ポリマー、および (D)粘着付与剤 からなり、 前記ポリα−オレフィン(A)が (A−1)エチレン・プロピレン共重合体、 (A−2)ポリプロピレン、および (A−3)ポリイソブチレン の混合物であり、 前記(A)〜(D)の成分のうち少なくとも1成分が
不飽和カルボン酸またはその誘導体により変性され、か
つ溶融粘度が170℃で20000〜200000であるホットメルト
接着剤であることを特徴とする情報記録媒体 本発明において、ディスク基板は少なくとも1枚の透
明樹脂基板の片面に記録層を形成した構造であり、2枚
のディスク基板は記録層を内側にして、直接またはリン
グ状スペーサを介して接着剤で貼合わされ、情報記録媒
体が形成される。ディスク基板を形成するための透明樹
脂基板の材質としては、ポリカーボネート、ポリメチル
メタクリレート、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が使
用できる。これらの中で本発明において、接着剤との接
着力の面から特に好ましい樹脂としては、エチレンと下
記一般式〔1〕で表わされる環状オレフィンとの共重合
体からなる環状オレフィン系ランダム共重合体(a)、
下記一般式〔1〕で表わされる環状オレフィン成分の開
環重合体もしくはその水素添加物(b)がある。
(式中、R1〜R12は水素原子、炭化水素基またはハロ
ゲン原子であって、それぞれ同一でも異なっていてもよ
い。またR9とR10、またはR11とR12とは一体化して2価
の炭化水素基を形成してもよく、R9またはR10とR11また
はR12とは互いに環を形成していてもよい。nは0また
は正の整数であって、R5〜R8が複数回繰り返される場合
には、これらはそれぞれ同一でも異なっていてもよ
い。) 本発明で使用する透明樹脂基板の材質を構成する環状
オレフィン系ランダム共重合体(a)の構成成分の環状
オレフィンは、前記一般式〔1〕で表わされる不飽和単
量体からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレ
フィンである。
環状オレフィン系ランダム共重合体(a)中において
は、前記一般式〔1〕で表わされる環状オレフィンは、
下記一般式〔1−a〕で表わされる構造の繰り返し単位
を主といて形成している。
(式中、nおよびR1ないしR12は前記一般式〔1〕と
同じである。) 前記一般式〔1〕におけるR1〜R12は、水素原子、ハ
ロゲン原子および炭化水素基からなる群から選ばれる原
子または基である。
前記一般式〔1〕におけるR1〜R8としては、例えば水
素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル
基などを例示することができ、これらはそれぞれ異なっ
ていてもよく、部分的に異なっていてもよく、全部が同
一であってもよい。
前記一般式〔1〕におけるR9〜R12としては、例えば
水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、ヘキシル基、ステアリル基等のアル
キル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェ
ニル基、トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフ
ェニル基、ナフチル基、アントリル基等の置換または無
置換の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、
その他アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基
などを例示することができ、これらそれぞれ異なってい
てもよく、全部が同一であってもよい。またR9とR10
またはR11とR12とは一体化して2価の炭化水素基を形成
してもよく、R9またはR10とR11またはR12とは互いに環
を形成していてもよい。
R9とR10、またはR11とR12とが一体化して形成される
2価の炭化水素基としては、例えばエチリデン基、プロ
ピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基な
どをあげることができる。
R9またはR10とR11またはR12とから形成される環は単
環でも多環であってもよく、架橋を有する多環であって
もよく、二重結合を有する環であってもよく、またこれ
らの環の組合せからなる環であってもよい。このような
環として具体的には、例えば などをあげることができる。これらの環はメチル基など
の置換基を有していてもよい。なお上記化学式において
1または2を付した炭素原子は前記一般式〔1〕におい
てR9〜R12が結合している炭素原子を表わしている。
前記一般式〔1〕において、R9またはR10とR11または
R12とから環が形成されたオレフィンの具体的なものと
しては、下記一般式〔2〕 (式中、p、q、rおよびsは0または1であり、t
は0または正の整数である。) で表わされる環状オレフィンがあげられる。
この環状オレフィンから導かれる繰返し単位を有する
エチレン・環状オレフィンランダム共重合体およびその
製造方法は、例えば国際公開番号第WO 89/01950号に開
示されている。
上記エチレン・環状オレフィンランダム共重合体中に
おいては、エチレンと共重合されている前記一般式
〔2〕で表わされる環状オレフィンは、主として下記一
般式〔2−a〕 (式中、p、q、r、sおよびtは前記一般式〔2〕
と同じである。) で表わされる構造の繰り返し単位を形成しており、下記
一般式〔2−b〕 (式中、p、q、r、sおよびtは前記一般式〔2〕
と同じである。) で表わされる開環重合に起因する構造の繰り返し単位は
実質的に有していないか、たとえ有していても非常に少
量である。このため、エチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体は化学的に安定である。
前記一般式〔2〕で表わされる環状オレフィンの代表
的な例として、下記一般式〔3〕 (式中、p、q、およびsは前記一般式〔2〕と同じ
である。) で表わされる1,4,5,8,−ジメタノ−1,2,3,4,4a,4b,5,8,
8a,9a−デカヒドロフルオレン類をあげることができ
る。
この環状オレフィンから導かれる繰り返し単位は、エ
チレン・環状オレフィンランダム共重合体においては、
主として下記一般式〔3−a〕 (式中、p、q、およびsは前記一般式〔2〕と同じ
である。) で表わされる構造の繰り返し単位を形成しており、開環
重合に起因する構造は実質的に有していないか、有して
いても非常に少量である。
前記一般式〔1〕で表わされる環状オレフィンはシク
ロペンタジエン類と、相応するオレフィン類または環状
オレフィン類とを、ディールス・アルダー反応によって
縮合させることにより、容易に製造することができる。
前記一般式〔1〕で表わされる環状オレフィンとして
は、例えばビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エンまたは
その誘導体、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−3
−ドデセンまたはその誘導体、ヘキサシクロ〔6.6.1.1
3,6.110,13.02,7.09,14〕−4−ヘプタデセンまたは
その誘導体、オクタシクロ〔8.8.0.12,9.14,7
111,18.113,16.03,8.012,17)−5−ドコセンまたは
その誘導体、ペンタシクロ〔6.6.1.13,6.02,7
09,14〕−4−ヘキサデセンまたはその誘導体、ペンタ
シクロ〔6.5.1.13,6.02,7.09,13〕−4−ペンタデセ
ンまたはその誘導体、ヘプタシクロ〔8.7.0.12,9
14,7.111,17.03,8.012,16〕−5−エイコセンまたは
その誘導体、ヘプタシクロ〔8.8.0.1.12,9.14,7.1
11,18.03,8.012,17〕−5−ヘンエイコセンまたはそ
の誘導体、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕−3−デセンまた
はその誘導体、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕−3−ウンデ
センまたはその誘導体、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6.0
2,7.09,13〕−4,10−ペンタデカジエンまたはその誘導
体、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6.02,7.09,13〕−4,11
−ペンタデカジエンまたはその誘導体、ペンタシクロ
〔4.7.0.12,5.08,13.19,12〕−3−ペンタデセンまた
はその誘導体、ペンタシクロ〔4.7.0.12,5.08,13.1
9,12〕−3,10−ペンタデカジエンまたはその誘導体、ヘ
プタシクロ〔7.8.0.13,6.02,7.110,17.011,16.1
12,15〕−4−エイコセンまたはその誘導体、ノナシク
ロ〔9.10.1.14,7.03,8.02,10.012,21.113,20.0
14,19.115,18−5−ペンタコセンまたはその誘導体な
どをあげることができる。
さらに前記一般式〔1〕で表わされる環状オレフィン
として、下記一般式〔4〕で表わされる化合物が例示で
きる。
(式中、pは0または1以上の整数、qおよびrは
0、1または2、R1〜R4およびR10〜R12は前記一般式
〔1〕と同じものを示し、R13〜R21はそれぞれ独立に水
素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化
水素基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる原子
または基を示し、R10〜R12とR13〜R21とは、直接または
炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合して環を形成
していてもよい。) 前記一般式〔4〕におけるR13〜R21の具体的なものと
しては、例えば水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロ
ゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ステア
リル基等の脂肪族炭化水素基;シクロヘキシル基等のシ
クロアルキル基;フェニル基、トリル基、エチルフェニ
ル基、イソプロピルフェニル基、ナフチル基、アントリ
ル基等の置換または無置換の芳香族炭化水素基;ベンジ
ル基、フェネチル基等のアラルキル基;メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基などをあげる
ことができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部
分的に異なっていてもよく、全部が同一であってもよ
い。
前記一般式〔4〕で表わされる化合物としては、pが
0〜3のものが好ましい。
前記一般式〔1〕で表わされる化合物の具体的なもの
としては、表1に記載したものなどをあげることができ
る。
環状オレフィン系ランダム共重合体(a)は、前記環
状オレフィン成分およびエチレン成分を必須成分とする
ものであるが、これらの必須の二成分の他に本発明の目
的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な
不飽和単量体成分を含有していてもよい。任意に共重合
されていてもよい不飽和単量体としては、例えば炭素数
3〜20のα−オレフィン、炭素と炭素の二重結合を1分
子内に2個以上含む炭化水素系単量体などをあげること
ができる。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、具
体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−
メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネ
ン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1
−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンな
どをあげることができる。炭素と炭素の二重結合を1分
子内に2個以上含む炭化水素系単量体としては、具体的
には1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチ
ル−1,5−ヘキサジエン、4−メチル−1,5−ヘキサジエ
ン、5−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5
−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の
鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペン
タジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニル−
2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピ
リデン−2−ノルボンネン、6−クロロメチル−5−イ
ソプロペニル−2−ノルボルネン、4,9,5,8−ジメタノ
−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾイ
ンデン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン
−5−ノルボルネン;2−エチリデン−3−イソプロピリ
デン−5−ノルボルネン;2−プロペニル−2,2−ノルボ
ルナジエンなどを例示することができる。これらのうち
では、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、および
環状非共役ジエン、とりわけジシクロペンタジエン、5
−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノ
ルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,4−
ヘキサジエン、1,6−オクタジエンが好ましい。
環状オレフィン系ランダム共重合体(a)において、
エチレン成分に由来する構造単位は40〜85モル%、好ま
しくは50〜75モル%の範囲、環状オレフィン成分に由来
する構造単位は15〜60モル%、好ましくは25〜50モル%
の範囲が適当であり、エチレン成分に由来する構造単位
および環状オレフィン成分に由来する構造単位はランダ
ムに配列した実質上線状の環状オレフィン系ランダム共
重合体を形成している。上記環状オレフィン形成ランダ
ム共重合体(a)が実質上線状であり、ゲル状架橋構造
を有していないことは、この共重合体が135℃のデカリ
ン中に完全に溶解することによって確認できる。
環状オレフィン系ランダム共重合体(a)の135℃の
デカリン中で測定した極限粘度〔η〕は0.01〜10dl/g、
好ましくは0.05〜5dl/gの範囲である。
さらに環状オレフィン系ランダム共重合体(a)とし
ては、サーマル・メカニカル・アナライザーで測定した
軟化温度(TMA)が70℃以上、好ましくは90〜250℃、さ
らに好ましくは100〜200℃、ガラス転移温度(Tg)が通
常50〜230℃、好ましくは70〜210℃、X線回折方によっ
て測定した結晶化度が0〜10%、好ましくは0〜7%、
特に好ましくは0〜5%の範囲のものが好ましい。
上記環状オレフィン系ランダム共重合体(a)として
は、上記範囲の物性を有する1種類の共重合体を用いて
もよいが、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
〔η〕が0.05〜10dl/gの範囲にあり、かつ軟化温度(TM
A)が70℃以上、好ましくは90〜250℃である環状オレフ
ィン系ランダム共重合体100重量部に、135℃のデカリン
中で測定した極限粘度〔η〕が0.01〜5dl/gの範囲にあ
り、かつ軟化温度(TMA)が70℃未満、好ましくは−10
〜60℃である環状オレフィン系ランダム共重量0.1〜10
重量部をブレンドした組成物を使用することもできる。
環状オレフィン系ランダム共重量(a)は、エチレン
成分、前記一般式〔1〕で表わされる環状オレフィン成
分および必要により共重合される他のモノマー成分を、
周知のチーグラー系触媒の存在下に重合することにより
製造することができる。
上記チーグラー系触媒としては、例えば(ア)少なく
ともマグネシウム、チタンおよびハロゲンを含有する複
合体と有機アルミニウム化合物とからなる触媒、(イ)
バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる
触媒などをあげることができる。これらの中では後者
(イ)の触媒が好ましく、特に可溶性バナジウム化合物
と有機アルミニウム化合物とからなる触媒が好ましい。
環状オレフィン系ランダム共重合体(a)の具体的な
製造方法は、特開昭60-168708号公報、特開昭61-120816
号公報、特開昭61-115912号公報、特開昭61-115916号公
報、特開昭61-271308号公報、特開昭61-272216号公報、
特開昭62-252406号公報、特開昭62-252407号公報などに
開示されている。
ディスク基板を形成するための透明樹脂基板の材質と
して好ましい樹脂としては、前記環状オレフィン系ラン
ダム共重合体(a)の他にも、前記一般式〔1〕で表わ
される環状オレフィンから選ばれる1種以上の環状オレ
フィン成分からなる開環重合体またはこの水素添加物
(b)(以下、環状オレフィン系開環重合体という)を
使用することもできる。このような環状オレフィン系開
環重合体は、例えば特開昭60-26024号公報に開示されて
いる。
環状オレフィン系開環重合体(b)を構成する環状オ
レフィンは、前記一般式〔1〕で表わされる不飽和単量
体からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフ
ィンである。
環状オレフィン系開環重合体の水素添加物の水素添加
を行う前の開環重合体中においては、前記一般式〔1〕
で表わされる環状オレフィン成分は下記一般式〔1−
b〕で表わされる構造の繰り返し単位を主として形成
し、水素添加後の開環重合体中においては、下記一般式
〔1−c〕で表わされる構造の繰り返し単位を主として
形成している。
(式中、nおよびR1〜R12は一般式〔1〕と同じであ
る。) 環状オレフィン系開環重合体(b)は、前記環状オレ
フィンを必須成分とするものであるが、本発明の目的を
損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽
和単量体成分を含有していてもよい。任意に共重合され
ていてもよい不飽和単量体としては、例えば下記一般式
〔5〕で表わされる環状オレフィンなどをあげることが
できる。
(式中、R22、R23は水素原子、炭化水素基またはハロ
ゲン原子であって、それぞれ同一でも異なっていてもよ
い。lは2以上の整数であって、R22、R23が複数回繰り
返される場合には、これらはそれぞれ同一でも異なって
いてもよい。) 前記一般式〔5〕で示されるモノマー成分としては、
例えばシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテ
ン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、メ
チルシクロペンテン、メチルシクロヘプテン、メチルシ
クロオクテン、メチルシクロノネン、メチルシクロデセ
ン、エチルシクロペンテン、エチルシクロヘプテン、エ
チルシクロオクテン、エチルシクロノネン、エチルシク
ロデセン、ジメチルシクロペンテン、ジメチルシウロヘ
プテン、ジメチルシクロオクテン、トリメチルシクロデ
センなどがあげられる。
さらに前記一般式〔5〕で表わされる環状オレフィン
以外のモノマー成分としては、例えばシクロオクタジエ
ン、シクロデカジエンなどをあげることができる。
環状オレフィン系開環重合体(b)の135℃のデカリ
ン中で装置した極限粘度〔η〕は0.01〜10dl/g、好まし
くは0.05〜5dl/gである。
さらに、環状オレフィン系開環重合体(b)として
は、軟化温度(TMA)が70℃以上、好ましくは90〜200
℃、X線回折法によって測定した結晶化度が0〜10%、
好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%のものが
好ましい。
環状オレフィン系開環重合体(b)としては、前記範
囲の物性を有するもののみからなる重合体を用いてもよ
いが、上記範囲外の物性を有する重合体が一部含まれて
いてもよく、この場合全体の物性値が上記範囲に含まれ
ていればよい。
前記一般式〔1〕で表わされる環状オレフィン成分の
開環重合体を製造するには、前記一般式〔1〕から選ば
れるモノマー成分を原料とし、通常の環状オレフィンの
開環重合法により開環重合させることができる。この場
合、重合触媒としては、例えば、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、モリ
ブデン、タングステン等のハロゲン化物、硝酸塩もしく
はアセチルアセトン化合物と有機スズ化合物、アルコー
ル等の還元剤からなる系、またはチタン、バナジウム、
ジルコニウム、タングステン、モリブデン等のハロゲン
化物もしくはアセチルアセトン化合物と有機アルミニウ
ム等とからなる系などを用いることができる。
生成する開環重合体の分子量は、開環重合時にオレフ
ィンなどを添加して調節することができる。
上記により得られる開環重合体を水素添加する場合、
通常の水素添加方法を用いることができる。水素添加触
媒としては、オレフィン化合物の水素添加に際して使用
されているものが一般に使用可能である。具体的には不
均一系触媒としてはニッケル、パラジウム、白金等、ま
たはこれらの金属をカーボン、シリカ、ケイソウ土、ア
ルミナ、酸化チタン等の担体に担持させた固体触媒など
があり、例えばニッケル/シリカ、ニッケル/ケイソウ
土、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラ
ジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナなどがあげ
られる。また均一系触媒としては、周期律表第VIII族の
金属を基体とするものがあり、例えばナフテン酸ニッケ
ル/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−
ブチルリチウム、ニッケルアセチルアセトネート/トリ
エチルアルミニウムなどのNi、Co化合物と周期律表第I
〜III族金属の有機金属化合物からなるもの、あるいはP
h化合物などがあげられる。
前記開環重合体の水素添加は、触媒の種類に応じて均
一系または不均一系において、1〜150気圧の水素圧下
に、0〜180℃、好ましくは20〜100℃の温度範囲で行わ
れる。水素添加率は、水素圧、反応温度、反応時間、触
媒濃度などにより調節できる。
これらの樹脂は、1種単独で、または2種以上をブレ
ンドして使用することができる。
透明樹脂基板の材質となる樹脂から透明樹脂基板を成
形するには、射出成形等の一般的な方法を採用でき、所
望とする形状の透明樹脂基板を得ることができる。
本発明において、このような透明樹脂基板間に介在さ
せるリング状スペーサの材質としては、前記透明樹脂基
板の材質と同様にポリカーボネート、ポリメチルメタク
リレート、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が使用でき
る。このスペーサを形成する樹脂には、TiO2、SiO2等の
フィラーを添加してもよい。
また、ディスク基板を形成するための記録層は、Te等
の低融点金属材料、もしくはTe・C・H、Te・Cr、Te・
Cr・C・H膜等の低融点金属材料を主成分とする記録材
料、または有機色素材料など本発明の情報記録媒体に適
したヒートモード用記録材料、あるいはTb・Fe・Co、Tb
・Fe・CoにPtまたはPdを加えたもの等の希土類元素と3d
遷移金属を含む光磁気記録材料、ならびに必要に応じて
これらの記録材料層の上および/または下に積層される
下地層、反射防止層、反射層、干渉層、保護層、エンハ
ンス層等から構成されるものなど、本発明の情報記録媒
体に適したものが用いられる。
本発明の情報記録媒体では、ディスク基板同士、また
はディスク基板とスペーサを接着する接着剤として、ポ
リα−オレフィン(A)、エチレン・(メタ)アクリル
酸エステル共重合体(B)、スチレン系ポリマー(C)
および粘着付与剤(D)からなり、しかも(A)〜
(D)の成分のうち少なくとも1成分が不飽和カルボン
酸またはその誘導体による変性されているポリオレフィ
ン系のホットメルト接着剤を使用する。このようなホッ
トメルト接着剤は、高温で溶融された状態でコーティン
グされ、冷却することにより硬化する。
ポリオレフィン系のホットメルト接着剤を構成する不
飽和カルボン酸またはその誘導体で変性する前の未変性
のポリα−オレフィン(A)としては、エチレン・プロ
ピレン共重合体(A−1)、ポリプロピレン(A−2)
およびポリイソブチレン(A−3)の混合物を使用す
る。(A−1)、(A−2)および(A−3)の混合物
中の(A−1)ないし(A−3)の混合割合は、(A−
1)、(A−2)および(A−3)の混合物に対して
(A−1)が1〜98重量部、好ましくは5〜90重量部、
(A−2)が1〜98重量部、好ましくは5〜90重量部、
(A−3)が1〜49重量部、好ましくは5〜45重量部が
望ましい。不飽和カルボン酸またはその誘導体により変
性されている(A)成分を使用する場合は、(A−1)
ないし(A−3)のうち少なくとも1成分が変性されて
いればよい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性する前の未
変性のエチレン・プロピレン共重合体(A−1)は、エ
チレン成分およびプロピレン成分からなるエチレン・プ
ロピレンランダム共重合体である。このような未変性の
エチレン・プロピレン共重合体(A−1)中のエチレン
含有量は5〜80重量%、特に5〜50重量%の範囲にある
ことが好ましい。またこのエチレン・プロピレン共重合
体(A−1)の190℃、荷重2.16kgでのメルトフローレ
ート値(ASTM D 1238)は0.1〜100g/10分が好ましく、
0.5〜50g/10分がより好ましい。またエチレン・プロピ
レン共重合体(A−1)の好ましい極限粘度〔η〕(デ
カリン中、135℃で測定)は0.1〜6.0dl/gであり、より
好ましい極限粘度〔η〕は0.2〜4.5dl/gである。
不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性する前の未
変性のポリプロピレン(A−2)としては、プロピレン
の単独重合体、プロピレンと他のコモノマー、例えばエ
チレン、1−ブテン、イソブチレン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−
ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の
炭素数2または4〜20のα−オレフィンとの共重合体な
ど、プロピレンを主体とするポリプロピレンであればど
のようなものも使用できるが、230℃、荷重2.16kgでメ
ルトフローレート(ASTM D 1238)が1〜100g/10分、好
ましくは1〜50g/10分のランダムタイプのポリプロピレ
ンが好ましく、コモードとしてエチレンまたはα−オレ
フィン成分を20重量%未満の割合で含むエチレン・プロ
ピレンランダム共重合体でもよい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性する前の未
変性のポリイソブチレン(A−3)は、イソブチレンの
ホモポリマーまたはイソブチレンとα−オレフィン等の
他のコモノマーとの共重合体であり、数平均分子量が50
0000以下のもの、特に2000〜300000のものが好ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性する前の未
変性のエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体
(B)における(メタ)アクリル酸エステルは、アクリ
ル酸またはメタアクリル酸と炭素数1〜12のアルコール
とのエステルである。
エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体
(B)の具体的なものとしては、エチレン・アクリル酸
エチル共重合体(エチレン・エチルアクリレート共重合
体)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(エチレン
・メチルアクリレート共重合体)、エチレン・メタアク
リル酸メチル共重合体(エチレン・メチルメタアクリレ
ート共重合体)、エチレン・メタアクリル酸エチル共重
合体(エチレン・エチルメタアクリレート共重合体)な
どがあげられるが、本発明ではエチレン・アクリル酸エ
チル共重合体が最も好ましい。
未変性のエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重
合体(B)としては、共重合体中のエチレン含有量が99
〜50重量%、好ましくは95〜70重量%、(メタ)アクリ
ル酸エステルの含有量が1〜50重量%、好ましくは5〜
30重量%のものが望ましい。また温度190℃、荷重2.16k
gでのメルトフローレート(JIS K 6730)が0.1〜300dg/
分、好ましくは1〜100dg/分のものが望ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性する前の未
変性のスチレン系ポリマー(C)は、少なくともスチレ
ンまたはその誘導体を構造単位の1成分として含有する
重合体であり、具体的にはポリスチレン、スチレン、ブ
タジエンゴム(SBR)、スチレン・ブタジエン・スチレ
ンブロック共重合体(SBSブロック共重合体)、SBRまた
はSBSブロック共重合体の水素添加物であるSEBS共重合
体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・
α−メチルスチレン共重合体、スチレン・無水マレイン
酸共重合体、スチレン・メタアクリル酸メチル共重合
体、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体、スチ
レン・α−メチルスチレン・アクリロニトリル三元共重
合体、スチレン・アクリロニトリル・メタアクリル酸メ
チル三元共重合体、スチレン・無水マレイン酸・アクリ
ロニトリル三元共重合体、スチレン・無水マレイン酸・
N−フェニルマレイミド三元共重合体等の他、上記の樹
脂にゴム成分としてポリブタジエン、エチレン・プロピ
レン共重合ゴム、アクリルゴム等をブレンドしたいわゆ
るABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂などが例示できる。
このような未変性のスチレン系ポリマー(C)として
は、ガラス転移温度(Tg)が50〜200℃、好ましくは70
〜150℃で、230℃、荷重2.16kgでのメルトフトーレート
(ASTM D 1238)が0.05〜100g/10分、好ましくは0.1〜5
0g/10分のものが好ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性する前の未
変性の粘着付与剤(D)としては、例えばロジンおよび
その誘導体、テルペン含有樹脂(テルペン樹脂)、芳香
族系石油樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、ジシクロペ
ンタジエン系樹脂、ポリマー構造中に炭素環を有する脂
肪族系炭化水素樹脂のような脂肪族系環化樹脂などがあ
げられる。この粘着付与剤(D)は前記(A)、(B)
または(C)成分とは異なるものである。
ロジン誘導体の好ましい例としては、ロジンの水素化
物またはエステル化物などがあげられる。
シクロペンタジエン系樹脂の好ましい例としては、シ
クロペンタジエンのホモポリマーおよびシクロペンタジ
エン成分を主成分とするコポリマーなどがあげられる。
ジシクロペンタジエン系樹脂の好ましい例としては、
ジシクロペンタジエンのホモポリマー、ジシクロペンタ
ジエン成分を主成分とするコポリマーなどがあげられ
る。
ポリマー構造中に炭素環を有する脂肪族系炭化水素樹
脂の好ましい例としては、シクロペンタジエンおよび/
またはジシクロペンタジエンと炭素数4および/または
5のオレフィンまたはジオレフィンとを共重合して得た
樹脂、または石油類の分解等によって得られる炭素数5
の脂肪族オレフィン(例えば2−メチル−1−ブテンお
よび/または2−メチル−2−ブテン)および/または
炭素数5の脂肪族ジオレフィン(例えばイソプレンおよ
び/またはピペリレン)を含む留分(C5留分)を、フリ
ーデルクラフツ触媒のようなカチオン触媒の存在下で重
合して得た、いわゆる脂肪族系石油樹脂、あるいはC4
たはC4〜C5留分をカチオン触媒の存在下で重合して得た
石油樹脂などがあげられる。
これらの中で本発明における粘着付与剤(D)として
は、脂肪族系環化樹脂が最も好ましく、脂肪族系環化樹
脂の中ではポリマー構造中に炭素環を有する脂肪族系炭
化水素樹脂、とりわけ脂肪族系石油樹脂が好ましい。
脂肪族系環化樹脂は、好ましくは5000以下の数平均分
子量、より好ましくは50〜3000、特に好ましくは300〜3
000の数平均分子量を有し、また好ましくは30〜120℃、
より好ましくは70〜120℃の軟化点(環球法)を有して
いる。
最も好ましい脂肪族系環化樹脂である脂肪族系石油樹
脂は、好ましくは300〜2000の数平均分子量を有し、ま
た好ましくは30〜120℃、特に好ましくは70〜100℃の軟
化点(環球法)を有している。
本発明で使用するホットメルト接着剤は上記(A)〜
(D)の成分からなり、しかも(A)〜(D)の成分の
うち少なくとも1成分が不飽和カルボン酸またはその誘
導体によりグラフト変性または共重合変性されている必
要がある。本発明ではグラフト変性物が特に好ましい。
変性する不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、
例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸 (エン
ド−シス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボン酸)等の不飽和カルボン酸;塩化マレニル、
マレイミド、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水シ
トラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチ
ル、グリシジルマレエート等の酸ハライド、アミド、イ
ミド、無水物、エステルなどがあげられる。これらの中
では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好まし
く、特にマレイン酸または無水マレイン酸が好ましく用
いられる。変性量としては共重合体中の不飽和カルボン
酸またはその誘導体成分の量が0.01〜5重量%であるこ
とが好ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体を(A)〜(D)
成分の重合体にグラフト重合する方法としては公知の種
々の方法を採用することができる。例えば重合体とこれ
に対して必要量の不飽和カルボン酸またはその誘導体を
適当な溶剤、例えばトルエン、キシレン等に溶解し、こ
の溶液に過酸化バンゾイル、過酸化ラウリル、過酸化ジ
クミル等の有機過酸化物やアゾビスニトリルなどのラジ
カル開始剤を加え、ラジカル開始剤の分解温度以上、通
常50〜300℃で1分〜5時間加熱することによってグラ
フトすることができる。またグラフト反応は溶融状態の
重合体に直接不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラ
フトモノマーおよびラジカル開始剤を加え、重合体の溶
融温度以上の温度で通常1分〜5時間加熱混練すること
により行うこともできる。
不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性する場合、
重合体中の未反応の不飽和カルボン酸またはその誘導体
の濃度は50ppm以下にすることが好ましい。
本発明では、(A)〜(D)成分の少なくとも1成分
を不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性することに
より、ホットメルト接着剤はガラス転移温度を保持した
まま極性が上昇するため、低温での高い接着力を損なう
ことなく、高温でも高い接着力を保持するようになる。
前記ポリオレフィン系のホットメルト接着剤を構成す
る各成分の配合量は、(A)成分が1〜68重量%、好ま
しくは1〜60重量%、最も好ましくは5〜50重量%であ
り、(B)成分が1〜30重量%、好ましくは5〜20重量
%であり、(C)成分が1〜30重量%、好ましくは5〜
20重量%であり、(D)成分が30〜95重量%、好ましく
は35〜70重量%である。
このようなホットメルト接着剤は溶融粘度(エラミー
粘度計を用い、せん断速度17.6sec-1で測定)が170℃で
20000〜200000cPsのものを用いる。溶融粘度が170℃で2
00000cPsを超えるものは、ノズル吐出またはロールコー
タにおける操作性が低下する傾向がある。また本発明で
使用するホットメルト接着剤の軟化点は好ましくは120
℃以上、最も好ましくは140〜200℃である。
前記ポリオレフィン系のホットメルト接着剤には、上
記(A)〜(D)成分のほかに、フィラー等の他の成分
を添加してもよい。
ホットメルト接着剤に添加できるフィラーとしては無
機、有機いずれのものでもよく、例えばクレー、シリ
カ、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化
チタン、カーボンブラック、グラファイトなど、通常の
プラスチック用のフィラーとして使用されているものを
添加してもよい。フィラーの粒径は特に制限はないが、
100μm以下、特に10μm以下が好ましい。フィラーは
ホットメルト接着剤100重量部に対して通常1〜100重量
部添加できる。フィラーはホットメルト接着剤中に均一
に分散するように添加される。
本発明の情報記録媒体は、前記ディスク基板にフィラ
ーを添加したホットメルト接着剤をロールコータまたは
ノズル吐出により塗布し、貼合わせたものである。リン
グ状スペーサを介在させる場合は、硬化前にリング状ス
ペーサを貼合わせた後、硬化させて接着し、リング状ス
ペーサ上に前記ホットメルト接着剤を同様な方法で塗布
し、もう一方のディスク基板を貼合わせて硬化させ接着
する。一般にはさらにハブを挿入して貼合わせたものが
使用される。
本発明において情報記録媒体とは、光ディスク、フレ
キシブル光ディスクなど、情報を記録層に記録するすべ
ての媒体を含む。
〔作用〕
本発明の情報記録媒体は、記録層を形成したディスク
基板の記録層側を内側にして、直接またはリング状スペ
ーサを介在させて接着剤を塗布した状態で、もう一方の
ディスク基板の記録層を内側にして接着して製造され
る。
こうして製造された情報記録媒体は、ディスク基板同
士、またはディスク基板とリング状スペーサ間の貼合わ
せに使用する接着剤として、前記(A)〜(D)成分か
らなり、しかも(A)〜(D)成分の少なくとも1成分
が不飽和カルボン酸またはその誘導体により変性されて
いるホットメルト接着剤を用いたため、耐熱性とともに
常温以下の低温における接着強度が高くなって、高温高
湿の条件および低温環境で長時間使用しても2枚のディ
スク基板の間にズレおよびはがれが発生せず、ソリ等の
変形が小さくなる。
〔実施例〕
以下、本発明を図面の実施例により説明する。第1図
は実施例による情報記録媒体を示す断面図である。図に
おいて、1は情報記録媒体で、2枚のディスク基板2a、
2bを記録層3a、3bが内側になるように、リング状スペー
サ4a、4bを介して接着剤層5により貼合わされ、中央に
センター穴6が設けられた構造となっている。
第2図(a)、(b)はディスペンサー装置を用い、
ノズル吐出により記録層側のディスク基板上にホットメ
ルト接着剤を塗布する工程を示し、第3図(a)、
(b)は常温プレス装置により、ホットメルト接着剤が
塗布されたディスク基板を圧縮して貼合わせる工程を示
している。
第2図(a)において、11はホットメルト接着剤であ
り、接着剤11を加熱溶融させて貯留するバレル12が設け
られている。バレル12の吐出口部分に針13を配し、その
下部に回転ステージ14が設けられている。回転ステージ
14は、ディスク基板2a、2bを真空チャックにより吸着し
てA方向に回転し、このときバレル12内の接着剤11が針
13から吐出されて接着剤層5が形成される。回転ステー
ジ14は回転によるズレを防止する構造になっている。ま
た本発明において接着剤層の厚さは10〜300μmが好ま
しい。塗布した接着剤層5の厚さの調整は、上下動可能
なバレル12に設けられた針13ディスク基板2a、2b間の距
離hおよび回転ステージ14の回転数Rにより行うことで
き、接着剤11の吐出はガスによる圧送、ポンプによる機
械的送付等により行うことができるが、本実施例ではガ
スとして窒素を用いた場合を示した。第2図(a)で
は、外周のリング状スペーサ4a部分と、内周のリング状
スペーサ4b部分を独立に接着するように独立に接着剤11
を塗布する場合を示しているが、この場合、バレル12は
ディスク径方向へも移動可能な機構を有している。第2
図(b)は、内外周のリング状スペーサ4a、4b部分を同
時に接着するため接着剤11を同時に塗布できるように、
バレル12の構造を改良したものである。
以上のように接着剤層5が形成されたディスク基板2a
は、リング状スペーサ4a、4bを配した第3図(a)の常
温プレス装置の固定下型21の位置決めピン23にセットさ
れる。次にディスク基板2aとリング状スペーサ4a、4b
を、可動上型22をB方向に移動させることにより圧縮し
て貼合わせる。接着剤11の溶融温度以下まで冷却されて
接着剤層5が硬化することにより、ディスク基板2aとリ
ング状スペーサ4a、4bは接着する。次に同様にして、デ
ィスク基板2aのリング状スペーサ4a、4b上に、第2図で
示される方法で接着剤11を再び塗布する。その後、第3
図(b)に示すように、ディスク基板2aを固定下型21に
セットし、その上に記録層3bがディスク基板2a側に向く
ようにディスク基板2bをセットして、可動上型22をB方
向に移動させ圧縮して貼合わせる。
この結果、情報記録媒体1が製造される。
なお、情報記録媒体1としては、リング状スペーサ4
a、4bを介在させることなく、ディスク基板2a、2bを直
接ホットメルト接着剤11により接着したものでもよい。
〔試験例〕
以下、本発明の実施例に基づいて各種の接着剤につい
て、温度80℃、湿度85%の条件で環境テストを行い、50
0時間後のソリ(mrad)の変化分(テスト後/テスト
前)を以下の式により算出し、評価した。
さらに低温接着性について、0℃において情報記録媒
体を76cmの高さから30回落下させて接着部のはがれをみ
る落下テストにより評価した。なお溶融粘度はエミラー
粘度計を用い、170℃においてせん断速度17.6sec-1で測
定した。
試験例1 接着剤としては、エチレン含有量35重量%、プロピレ
ン含有量65重量%のエチレン・プロピレン共重合体の無
水マレイン酸グラフト変性物(無水マレイン酸含有量1.
5重量%)24.4重量%、エチレンコモノマーを5重量%
含有するランダムポリプロピレン8重量%、数平均分子
量約80000のポリイソブチレン9.6重量%、エチルアクリ
レート含有量25重量%のエチレン・エチルアクリレート
共重量体10重量%、スチレン含有量38重量%のSEBS共重
合体(スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体の水素
添加物)9.6重量%、および数平均分子量約500の脂肪族
系環化樹脂(脂肪族系石油樹脂)38.4重量%を含有する
ホットメルト接着剤を用いた。
透明樹脂基板としては、13C-NMRで測定したエチレン
含有量62モル%、MFR(260℃)35g/10分、135℃デカリ
ン中で測定した極限粘度〔η〕0.47dl/g、TMA148℃のエ
チレンと1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレンを共重合して得た樹脂を用いた。リ
ング状スペーサとしては、厚さ0.5mmのポリカーボネー
ト樹脂製のものを用いた。光メモリ層としてはTe膜を用
いた。
これらを用いて前述の製造方法により情報記録媒体1
を作成し、前記環境テストを行った。なおホットメルト
接着剤層の厚さは約120μmであった。結果を表2に示
す。
試験例2 接着剤として、エチレン含有量35重量%、プロピレン
含有量65重量%のエチレン・プロピレン共重合体の無水
マレイン酸グラフト変性物(無水マレイン酸含有量1.5
重量%)14.4重量%、エチレンコモノマーを5重量%含
有するランダムポリプロピレン8重量%、数平均分子量
約80000のポリイソブチレン9.6重量%、エチルアクリレ
ート含有量25重量%のエチレン・エチルアクリレート共
重合体10重量%、スチレン含有量38重量%のSEBS共重合
体(SBSコポリマーの水素添加物)の無水マレイン酸グ
ラフト変性物(無水マレイン酸含有量1.0重量%)19.6
重量%、および数平均分子量約500の脂肪族系環化樹脂
(脂肪族系石油樹脂)38.4重量%を含有するホットメル
ト接着剤を用いた以外は試験例1と同様に行った。結果
を表2に示す。
〔発明の効果〕 以上の通り、本発明の情報記録媒体は、ディスク基板
を貼合わせる接着剤として、特定のポリα−オレフィン
(A)、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合
体(B)、スチレン系ポリマー(C)および粘着付与剤
(D)からなり、前記(A)〜(D)成分のうち少なく
とも1世分が不飽和カルボン酸またはその誘導体により
変性されているホットメルト接着剤を用いるようにした
ため、接着剤の塗布が容易であり、また高温高湿の条件
および低温下の条件で長時間暴露されても、貼合わされ
た2枚のディスク基板の間にズレおよびはがれが発生せ
ず、ソリ等の変形が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例の情報記録媒体の断面図、第2図
(a)、(b)は接着剤の塗布工程を示す断面図、第3
図(a)、(b)は貼合わせ工程を示す断面図である。 各図中、同一符号は同一または相当部分を示し、1は情
報記録媒体、2a、2bはディスク基板、3a、3bは記録層、
4a、4bはリング状スペーサ、5は接着剤層、11はホット
メルト接着剤、12はバレル、14は回転ステージ、21は固
定下型、22は可動上型、23は位置決めピンである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 123/26 C09J 123/26 (72)発明者 藤堂 昭 千葉県君津郡袖ケ浦町長浦字拓二号580 番32 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−26841(JP,A) 特開 昭59−45343(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/24 C09J 123/00 - 123/36 C09J 109/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1枚の透明樹脂基板の片面に記
    録層を形成した2枚のディスク基板を、直接またはリン
    グ状スペーサを介して接着剤で貼合わせた情報記録媒体
    において、前記接着剤が (A)ポリα−オレフィン、 (B)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合
    体、 (C)スチレン系ポリマー、および (D)粘着付与剤 からなり、 前記ポリα−オレフィン(A)が (A−1)エチレン・プロピレン共重合体、 (A−2)ポリプロピレン、および (A−3)ポリイソブチレン の混合物であり、 前記(A)〜(D)の成分のうち少なくとも1成分が不
    飽和カルボン酸またはその誘導体により変性され、かつ
    溶融粘度が170℃で20000〜200000であるホットメルト接
    着剤であることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】不飽和カルボン酸またはその誘導体がマレ
    イン酸または無水マレイン酸である請求項第1項記載の
    情報記録媒体。
  3. 【請求項3】情報記録媒体が光学的情報記録媒体である
    請求項第1項または第2項記載の情報記録媒体。
  4. 【請求項4】透明樹脂基板が、135℃のデカリン中で測
    定した極限粘度〔η〕が0.01〜10dl/gである (a)エチレン成分と、下記一般式〔1〕で表わされる
    環状オレフィン成分とからなる環状オレフィン系ランダ
    ム共重合体、または (b)下記一般式〔1〕で表わされる環状オレフィン成
    分の開環重合体もしくはその水素添加物 からなるものである請求項第1項ないし第3項のいずれ
    かに記載の情報記録媒体。 (式中、R1〜R12は水素原子、炭化水素基またはハロゲ
    ン原子であって、それぞれ同一でも異なっていてもよ
    い。またR9とR10、またはR11とR12とは一体化して2価
    の炭化水素基を形成してもよく、R9またはR10とR11また
    はR12とは互いに環を形成していてもよい。nは0また
    は正の整数であって、R5〜R8が複数回繰り返される場合
    には、これらはそれぞれ同一でも異なっていてもよ
    い。)
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