JP2890706B2 - 自動車用日射センサ - Google Patents

自動車用日射センサ

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秀夫 浅野
孝昌 河合
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、自動車空調に用いられる日射センサに関す
る。
[従来の技術] 特開昭62−71713号公報は、光導電センサの上方にス
リットを有する遮光板を設けて太陽光をスリットから光
導電センサに入射させ、光導電センサ上の受光位置変化
による出力電圧変動により太陽光の入射迎角を検出して
いる。
特開平1−218913号公報は、光電素子の上方にその受
光面より小さい遮光板を配設して斜光感度を相対的に改
善する自動車用日射センサを開示している。
[発明が解決しようとする課題] 前述した自動車用日射センサによれば、確かに入射迎
角(以下、単に入射角という)−出力電流(出力電圧)
特性(以下、単に入射角感度特性という)を改良するこ
とができ、所定の斜め入射角値での受熱量が最も大きく
なる自動車空調制御用途に好ましい。しかしながら、こ
の従来の自動車用日射センサでは、斜光板の全周辺の入
射窓部から光を入射させるために大型のパッケージを採
用する必要がある。例えば車両のダッシュボードなどに
この自動車用日射センサを埋設する場合、ダッシュボー
ドに開ける穴または凹部はできるだけ小さくすることが
美観上、特に好ましいが、上記した従来の自動車用日射
センサでは入射窓部面積が大きいために、どうしても上
記穴または凹部を小さくできない不具合がある。
また、上記した従来の自動車用日射センサでは、遮光
板の全周辺の入射窓部から光を入射させるために太陽光
の入射方位が変化すると光電素子に実際に入射する光は
入射窓部の異なる部分から入射することとなる。したが
って、もし入射窓部のガラス面が不均一に汚れると、太
陽光の入射方位の変化により光電流がばらつき、信号誤
差を生じる欠点がある。
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、
所望の感度特性を得るとともに入射窓部の小形化と上記
信号誤差の低減が可能な自動車用日射センサを提供する
ことをその解決すべき課題としている。
[課題を解決するための手段] 本発明の自動車用日射センサは、自動車は配設され太
陽光を光電変換する光電変換部と、該光電変換部の上方
に設けられ前記太陽光を遮光する遮光部と、該光電変換
部の中央部に設けられる不感領域と、前記遮光部の中央
部に貫孔され前記不感領域の直上に位置する入射窓とを
備えることを特徴としている。
[作用及び発明の効果] 上記したように本発明の自動車用日射センサは、遮光
部の中央部を貫孔して入射窓を設けるとともに、入射窓
の直下に不感領域を設けている。
したがって、太陽光の入射角が大きいときには入射窓
を通過した太陽光の多くが不感領域に入射するので感度
が低下し、太陽光の入射角が適当な斜光範囲では入射窓
を通過した太陽光の多くが光電変換部に入射するので感
度が向上する。太陽光の入射角が更に小さい範囲ではも
ともと入射窓を通過する光量自体が少なくかつ通過光が
光電変換部の外側に飛出す場合もあり感度は低下する。
結局、所定の入射角度で感度ピークをもつ単峰形の感度
特性を得ることができる。車両の空調負荷(太陽光受熱
量)は、自動車に入射する太陽光の入射角に対してある
入射角値でピークとなる単峰形の特性を有するので、本
発明の自動車用日射センサによれば、信号出力を実際の
受熱量にほぼ追従する特性をもつことができる。
また、この自動車用日射センサは遮光部の中央部を貫
孔して入射窓を設けているので、上述した従来の自動車
用日射センサのように遮光板外側全周に入射窓を設ける
場合よりも、装置全体特に入射窓を小形化することがで
き、美観上及び装着上において格段に有利となる。
更にこの自動車用日射センサでは、入射窓が不均一に
汚れても太陽光の入射方位変化による感度のばらつきが
生じることがないという利点も奏することができる。
[実施例] 第1実施例 本発明の自動車用日射センサの一実施例を、第1図〜
第3図を参照して説明する。
本発明の自動車用日射センサは、自動車のダッシュボ
ードに配設されるものであって、短軸円筒缶形状のケー
ス1と、ケース1の底部表面に配設された太陽電池(本
発明でいう光電変換部)2とを備えている(第1図参
照)。
ケース1は樹脂製であって、缶部11と、缶部11の上端
開口を塞ぐ蓋部(本発明でいう遮光部)12とからなり、
蓋部12の中央部には円形の入射窓3が貫孔されている。
太陽電池2は、第2図及び第3図に示すように、正方
形にカットされた単結晶シリコンチップに形成されたPN
接合タイプの太陽電池であって、N型基板22の表面部に
P型領域23を形成し、P型基板23の表面にITO(インジ
ウム−ティン−オキサイド)膜24を設け、その上にポリ
イミド製のパッシベーション膜25を設けてなる。
有効な光電感度をもつP型基板23は円形に形成されて
おり、更にこのP型基板23の中央部にはPN接合が設けら
れておらず、本発明でいう不感領域26を構成している。
もちろん、ことチップ表面の内、P形領域23を除く領域
にパッシベーション膜25を介して遮光用のアルミ蒸着膜
を設けてもよい。
缶部11の底部表面には導電層(図示せず)が設けられ
ており、N型基板22は導電性の接着剤によりこの導電層
に接着されている。この導電層は缶部11に設けられたピ
ン(図示せず)に接続されており、信号電極の一方を構
成している。一方、ITO膜24は缶部11に設けられた他の
ピン(図示せず)に接続されており、信号電極の他方を
構成している。
チップ21を缶部11に接着した後で、蓋部12を缶部11に
被せ、入射窓3から透明樹脂液を注入して固化させて樹
脂封止部4を形成し、組立てを完了する。
なお、樹脂封止部4は太陽光の全波長スペクトルを通
過する必要はなく、その適当な波長スペクトル例えば赤
外〜赤色領域を通過させるものでもよい。
この自動車用日射センサの作用を説明する。
センサ表面の反射率を一定と仮定し、入射角(入射迎
角)を、受光面積をSとし、かつ、入射窓3から入射
した太陽光は不感領域26に当たらない(全量、P型領域
23付近に入射する)と仮定すると、Sは一定であるか
ら、受光量はsinに比例する。
そして、更にが増加して入射窓3から入射した太陽
光が不感領域26に当たるとすると、当たった分だけ有効
な受光量が減少する。すなわち、この領域では有効な受
光量はの増加に応じて受光量が減少する。結局、この
自動車用日射センサは、太陽光が不感領域26に当り始め
る入射角値近傍をピークとする単峰特性を持っている。
この自動車用日射センサにおいて、入射窓3及び不感
領域26の直径d1、d2、入射窓3からチップ21表面までの
高さHを変更することにより種々変更することができ
る。高さHを種々変更した場合の入射角感度特性を第4
図に、不感領域26の直径d2を変更した場合の入射角感度
特性を第5図に、太陽電池の径方向距離(P型領域半径
−不感領域半径)Bを変更した場合の入射角感度特性を
第6図に示す。
なお、第4図〜第6図において、パラメータを変更し
ない場合、Hは1mm、d1は1mm、d2は0.4mm、Bは10mmに
設定される。
第4図ではHの変化とともに立上り及び立下り特性及
びピーク値が共に変化し、第5図ではd2の変化とともに
立下り特性及びピーク値が変化し、第6図ではBの変化
とともにピーク値が一定で立上り特性が主として変化す
る。すなわち、本実施例では、入射角感度特性を自由自
在に設定することができる。
一方、入射角に対する空調負荷(受熱量)は第7図に
示すように所定の入射角度値でピークを持つ単峰特性を
持っているので、この実施例の自動車用日射センサの感
度特性とうまくマッチすることがわかる。
また、この実施例ではP型領域23、入射窓3及び不感
領域26がいずれも円形に形成されているので、例えば車
両の方向変化により入射方位が変化しても、入射感度が
影響されない利点がある。
実施例2 本発明の自動車用日射センサの他の実施例を、第8図
に示す。
この自動車用日射センサも、自動車のダッシュボード
に配設されるものであって、ガラス基板5と、ガラス基
板5の表面に設けられた遮光層6と、遮光層6の中央部
に設けられた入射窓7と、ガラス基板5の背面に設けら
れたアモルファスシリコン電池8と、アモルファスシリ
コン電池8の表面に被着されるポリイミド樹脂製のパッ
シベーション膜9とからなる。
アモルファスシリコン電池8の詳細構造、作動及び製
造方法自体については周知であり、その説明を省略す
る。ただ、アモルファスシリコン電池8は円形に形成さ
れており、かつ、アモルファスシリコン電池8の中央部
には円形の不感領域(アモルファスシリコン電池8が形
成されていない領域)10が設けられているので、この実
施例の自動車用日射センサも入射方位による感度のばら
つきをもたない。
実施例3 本発明の自動車用日射センサの他の実施例を第9図に
示す。
この自動車用日射センサは、実施例2のアモルファス
シリコン電池8を放射状に4分割し、分割された各アモ
ルファスシリコン電池8a〜8dからそれぞれ出力電流を取
出す構成としたものである。
このようにすれば、各アモルファスシリコン電池8a〜
8dの出力電流状態から入射方位を検出することができ
る。すなわち、アモルファスシリコン電池8aの出力電流
が極端に大きい場合には、車両進行方向Zに対して後方
斜右方向Mから太陽光が入射することがわかり、アモル
ファスシリコン電池8c、8dの出力電流がほぼ等しく、か
つ、他の電池8a、8bの出力電流より大巾に大きい場合に
は車両前方から入射することがわかる。
したがって、この実施例によれば入射角による車両の
受熱量に応じた出力電流を出力できるとともに入射方位
の検出も可能となる。自動車においては入射方位によっ
て受熱量が異なるので、検出した入射方位に基づいて光
電流を補正することにより、更に実際の受熱量に対する
センサ出力の追従性を改善することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の自動車用日射センサの第1実施例を示
す断面図、第2図はその太陽電池の平面図、第3図は太
陽電池の一部断面図、第4図、第5図、第6図はその入
射角感度特性図、第7図は入射角受熱量特性図、第8図
及び第9図はそれぞれ他の実施例を示す断面図及び平面
図である。 2……太陽電池(光電変換部) 3……入射窓 26……不感領域 12……遮光部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−108925(JP,A) 特開 平2−87027(JP,A) 特開 昭62−71713(JP,A) 特開 昭63−161679(JP,A) 実開 昭59−151126(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60H 1/00 101

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車に配設され太陽光を光電変換する光
    電変換部と、 該光電変換部の上方に設けられ前記太陽光を遮光する遮
    光部と、 該光電変換部の中央部に設けられる不感領域と、 前記遮光部の中央部に貫孔され前記不感領域の直上に位
    置する入射窓と、 を備えることを特徴とする自動車用日射センサ。
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