JP2890663B2 - 小型滑走艇のジェットポンプ装置 - Google Patents

小型滑走艇のジェットポンプ装置

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JP2890663B2
JP2890663B2 JP11031190A JP11031190A JP2890663B2 JP 2890663 B2 JP2890663 B2 JP 2890663B2 JP 11031190 A JP11031190 A JP 11031190A JP 11031190 A JP11031190 A JP 11031190A JP 2890663 B2 JP2890663 B2 JP 2890663B2
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正夫 小林
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Suzuki Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は小型滑走艇を推進させるジェットポンプ装
置に関する。
(従来の技術) 小型滑走艇の推進機として、第6図に示すように小型
滑走艇の艇体1に搭載されたエンジン2によりドライブ
シャフト3を通じてインペラ4を回転駆動し、このイン
ペラ4の回転でインテークダクト8から水を吸引してノ
ズル6から後方へ押出し、ラダー7から出る水の反力に
より艇体1を推進させるようにしたジェットポンプが用
いられている(特開昭61−169390号公報参照)。
この種のジェットポンプは、従来エンジン2とドライ
ブシャフト3とがカップリング10を介して直結される
か、あるいはエンジン2のパワーを上げるためエンジン
2に減速機を付設したもの(特開昭61−67695号公報参
照)がある。
(発明が解決しようとする課題) 前記いずれの従来技術も、インペラ4の逆転およびニ
ュートラルポジションがないので、エンジン2を始動す
ると同時に艇体1が動き出してしまい、エンジン2を回
転させたままで係留することが難しかった。またインペ
ラ4に海草やビニール、フィルム等の浮遊物が絡み付い
たときこれを手で取り除くほかはなかった。
一方、この種のジェットポンプは、エンジン冷却水を
このジェットポンプから取込むようにしているので、中
立状態を得ようとすると別に冷却水ポンプを設けなけれ
ばならず、コストアップを招くという問題点がある。
この発明は上記事情を考慮してなされたものであり、
インペラに海草等が絡み付いた場合、自動的にこれを排
除することができ、ニュートラルポジションを設けても
エンジン冷却水ポンプを別に設ける必要がない小型滑走
艇のジェットポンプ装置を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) この発明は上述した課題を解決するため、インペラを
回転駆動してインテークダクトから吸入した水をノズル
を通じて後方へ押出し、その反力で推力を得る小型滑走
艇のジェットポンプ装置において、インテークダクトと
一体あるいは一体的にギヤケースを形成し、このギヤケ
ースにエンジンにより回転されるドライブシャフトとイ
ンペラに連結されるドリブンシャフトとを並列に挿通
し、これらドライブシャフトおよびドリブンシャフト上
に、それぞれエンジンの回転をドリブンシャフトに正転
または逆転の回転方向として伝達する正転および逆転用
ドライブギヤと正転および逆転用ドリブンギヤを設ける
とともに、これらドライブギヤおよびドリブンギヤに対
して前記回転方向により選択して噛合うクラッチを設
け、前記ギヤケースには冷却水ポンプを付設してこれに
前記ドライブシャフトを挿入し、このドライブシャフト
に冷却水ポンプインペラを設けてその吐出側水路をエン
ジンの冷却水ジャケットに接続したものである。
(作用) エンジンの回転はドライブシャフトのドライブギヤと
これにクラッチで選択されて噛合うドリブンギヤを通じ
てドリブンシャフトが正転または逆転し、インペラが正
転または逆転駆動される。またいずれのギヤにも噛合わ
ないニュートラル位置では、エンジンが回転していても
インペラには回転が伝わらず、中立状態におかれる。し
たがって、インペラに海草等が絡み付いたときはインペ
ラを逆転させることで自動的に取除くことができる。エ
ンジンを駆動したまま中立状態においてもドライブシャ
フトの回転で冷却水のポンプインペラが常時回転してい
るので冷却水をエンジンの冷却水ジャケットに供給され
てエンジンが冷却される。
(実施例) 以下この発明の実施例を第1図ないし第5図により第
6図と共通の部材は同図を参照して説明する。
第1図および第2図において、符号8はインテークダ
クトを示しており、このインテークダクト8の内側にこ
れと一体あるいは一体的にギヤケース9が形成され、こ
のギヤケース9内に、エンジン2にカップリング10を介
して接続されたドライブシャフト11と、インペラ4に接
続されるドリブンシャフト12の各端部がそれぞれ反対方
向から挿入されて軸受13,14により互いに平行に配設さ
れている。
ドライブシャフト11とドリブンシャフト12には、エン
ジン2の回転をドリブンシャフト12に正転または逆転の
回転方向を選択して伝達する正転用ドライブギヤ15と逆
転用ドライブギヤ16、および正転用ドリブンギヤ17と逆
転用ドリブンギヤ18がそれぞれ設けられ、ドライブギヤ
15,16はドライブシャフト11に遊嵌され、ドリブンギヤ1
7,18はドライブシャフト12のスプラインに噛合して一体
回転するようになっている。
前記ドライブギヤ15,16の間にはシフター19がドライ
ブシャフト11のスプラインに回転一体で軸方向にスライ
ド自在に嵌合して設けられ、ドライブギヤ15,16とシフ
ター19の各対向面にはドッグ20,21および22,23が設けら
れており、シフター19のドッグ20,22はドライブギヤ15,
16のドッグ21,23に選択的に噛合わせることができるよ
うになっている。
したがって、ドライブギヤ15,16とシフター19の各対
向面に設けられたドッグ20,21および22,23によりクラッ
チが構成されている。
前記シフタ−19は、第3図のようにシフターシャフト
24に支持されたシフタープレート25の二又部26が係合さ
れ、このシフターシャフト24の端部に固定されたレバー
27をケーブル28(第3図)を通じて揺動させることによ
りシフター19が第1図において左右方向へ揺動され、そ
のドッグ20,22がドライブギヤ15,16のいずれかのドッグ
21,23に噛合うか、あるいは噛合わないニュートラル位
置(第1図の状態)に置くことができるようになってい
る。
前記正転用ドライブギヤ15は第3図のようにアイドラ
ーギヤ29を介して正転用ドリブンギヤ17に常時噛合わさ
れており、逆転用ドライブギヤ16は逆転用ドリブンギヤ
18に直接噛合わされている。
前記ギヤケース9の一側にはポンプケース30が付設さ
れ、このポンプケース30内にドライブシャフト11がオイ
ルシール31,31を介して挿通され、このポンプケース30
内のドライブシャフト11にキー32により固定されたポン
プインペラ33が取付けられてエンジン2に冷却水を送る
冷却水ポンプを構成している。
このポンプケース30には、冷却水を吸入する吸入口34
と吐出口35が設けられており、吸入口34にはインテーク
ダクト8の下面の開口部に連通するパイプ等から成る吸
水路36が接続され、吐出口35にはエンジン2の冷却水ジ
ャケットに図示しないホース等によって接続されてい
る。
なお、このポンプケース30は、第5図のようにギヤケ
ース9の反対側、すなわちドライブシャフト11の端部側
に設け、吸水路36をインテークダクト8に一体あるいは
一体的に成形するようにしてもよい。第5図において他
の構成は第1図と同じであるから、これと同一符号を付
すに留めて説明は省略する。
次に作用を説明する。
エンジン2を回転駆動すると、ドライブシャフト11が
回転する。このときシフター19が第1図および第2図の
ようにそのドッグ20,22がいずれのドライブギヤ15,16の
ドッグ21,23に噛合っていないニュートラル状態ではド
リブンシャフト12には回転が伝達されない。しかしポン
プインペラ33は常時回転するので、冷却水は吸水路36か
ら吸込まれ、吐出口35から吐出されてエンジン2の冷却
ジャケットへ送られ、エンジンが冷却される。
艇体の前進させるには、ケーブル28を介してシフター
19を前進側(第1図において左側)へ移動させると、シ
フター19のドッグ20と正転用ドライブギヤ15のドッグ21
とが噛合い、ドライブシャフト11の回転がドライブギヤ
15、アイドラーギヤ29、ドリブンギヤ17に伝わってドリ
ブンシャフト12が回転し、インペラ4が正転して艇体を
前進させる。
シフター19を後進側に移動させると、シフター19のド
ッグ22が逆転用ドライブギヤ16のドッグ23に噛合い、こ
のドライブギヤ16に噛合っているドリブンギヤ18を通じ
てドリブンシャフト12が逆転し、インペラ4が逆転す
る。
したがって、インペラ4に海草類が絡み付いたときに
インペラ4を適時逆転させることにより海草類を自動的
に排除することができる。またエンジン2を駆動したま
ま艇体を係留するときは、シフター19をニュートラル位
置におけば艇体が動くことなく、係留することができ
る。
〔発明の効果〕
エンジンにより回転するドライブシャフトとインペラ
に連結されるドリブンシャフトとの間に、ドライブシャ
フトの回転をドリブンシャフトに正逆転方向を伝達する
正転および逆転用ドライブギヤと正転および逆転用ドリ
ブンギヤを設け、これらをクラッチにより切換可能とし
たので、インペラに海草等の浮遊物が絡み付いたときイ
ンペラを逆転させることにより、これを自動的に取り除
くことができ、手で取り除く手数を無くすことができ
る。
また、前記ギヤにクラッチが噛合わないようにすれば
ニュートラル位置となり、エンジンを駆動したままで係
留させることができる。
そして、ドライブシャフトに冷却水ポンプインペラを
設けたので、エンジンを駆動したままのニュートラル状
態でも、冷却水ポンプが常時駆動しており、別途ポンプ
を設置することなく、エンジンを冷却することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る小型滑走艇のジェットポンプ装
置の一実施例を示す断面図、第2図は上記ジェットポン
プ装置全体を示す図、第3図は第1図A−A線視断面
図、第4図は第3図の左側面図、第5図は冷却水ポンプ
の設置位置の変形例を示す断面図、第6図は従来のジェ
ットポンプ装置を示す説明図である。 1…艇体、2…エンジン、4…インペラ、8…インテー
クダクト、9…ギヤケース、11…ドライブシャフト、12
…ドリブンシャフト、15…正転用ドライブギヤ、16…逆
転用ドライブギヤ、17…正転用ドリブンギヤ、16…逆転
用ドリブンキヤ、19…シフター、20,21,22,23…ドッ
グ、25…シフタープレート、29…アイドラーギヤ、30…
ポンプケース、33…ポンプインペラ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インペラを回転駆動してインテークダクト
    から吸入した水をノズルを通じて後方へ押出し、その反
    力で推力を得る小型滑走艇のジェットポンプ装置におい
    て、インテークダクトと一体あるいは一体的にギヤケー
    スを形成し、このギヤケースにエンジンにより回転され
    るドライブシャフトとインペラに連結されるドリブンシ
    ャフトとを並列に挿通し、これらドライブシャフトおよ
    びドリブンシャフト上に、それぞれエンジンの回転をド
    リブンシャフトに正転または逆転の回転方向として伝達
    する正転および逆転用ドライブギヤと正転および逆転用
    ドリブンギヤを設けるとともに、これらドライブギヤお
    よびドリブンギヤに対して前記回転方向により選択して
    噛合うクラッチを設け、前記ギヤケースには冷却水ポン
    プを付設してこれに前記ドライブシャフトを挿入し、こ
    のドライブシャフトに冷却水ポンプインペラを設けてそ
    の吐出側水路をエンジンの冷却水ジャケットに接続した
    ことを特徴とする小型滑走艇のジェットポンプ装置。
JP11031190A 1990-04-27 1990-04-27 小型滑走艇のジェットポンプ装置 Expired - Lifetime JP2890663B2 (ja)

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