JP2889891B2 - 塩類、温度によりリリースコントロールされるw/o/w型複合エマルション - Google Patents

塩類、温度によりリリースコントロールされるw/o/w型複合エマルション

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JP2889891B2 JP1262916A JP26291689A JP2889891B2 JP 2889891 B2 JP2889891 B2 JP 2889891B2 JP 1262916 A JP1262916 A JP 1262916A JP 26291689 A JP26291689 A JP 26291689A JP 2889891 B2 JP2889891 B2 JP 2889891B2
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decaglycerin
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はW/O/W型複合エマルションに関するものであ
るが、更に詳細には、内水相のリリースをコントロール
することのできる新規な複合エマルションに関するもの
である。
本発明によれば内水相の各種物質(フレーバー、色
素、薬効物質、呈味成分等)のリリースを微妙にコント
ロールすることができるので、本発明は、飲食品の技術
分野のほか、医薬品、化粧品、化学工業品、サニタリー
製品等の技術分野においても広く重用されるものであ
る。
(従来の技術及び問題点) 揮散しやすいフレーバー、酸化しやすいビタミン、抗
菌性物質等経時変化する物質にあっては、これを経時変
化せしめることなく保持しておき、必要なときに且つ必
要量をリリースする必要がある。また、徐放性医薬や化
粧品等にあっては、有効成分を少しずつリリースして薬
効を持続せしめる必要がある。
このように、飲食品、医薬品、化粧品のみならず他の
物質においても、目的物質ないし有効成分をコントロー
ルしながら放出する必要性が、近年特に高まってきてい
る。
しかしながら、現在のところ、リリースの時期及びそ
の程度をコントロールするのに完全に成功した例は知ら
れていない。
本発明は、W/O/W型複合エマルションの内水相にフレ
ーバー類、抗菌物質等を封入しておき、これらの物質の
リリースコントロールに成功したものであるが、このよ
うなことは従来知られておらず新規である。
(問題点を解決するための手段) 本発明は上記した業界のニーズに応える目的でなされ
たものであって、各方面から検討の結果、リリースコン
トロールを実現しうる工業的な物質として、塩類存在下
で高温としたときに内水相を放出するW/O/W型複合エマ
ルションが好適であるとの知見を得た。
しかしながら、塩類濃度が高い(例えば0.5〜1.0%以
上)ときには、脂肪球の凝集が発生しやすく、乳化状態
の悪いものとなる場合が多い。
そこでこの点を改良して目的とする複合エマルション
を開発するために、下記する試験例をはじめとして更に
研究した結果、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エス
テル、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸
エステルを併用することで、低温では高塩類濃度でも凝
集等が起き難く安定な乳化を保ちながら、高温とするこ
とで内水相を放出するため温度によってリリース状態を
コントロールすることのできる新規なW/O/W型複合エマ
ルションを得ることに成功したのである。
本発明を実施するには、先ず原料として油脂を使用す
る。原料油脂としては動物油脂及び植物油脂が適宜広範
に使用されるが、各種の硬化油、例えば大豆硬化油等が
好適である。次いでこの原料油脂にポリグリセリン縮合
リシノレイン酸エステルを加えて混合、加温、溶解して
油相を調製する。
この油相に、内封すべき物質(つまりリリースすべき
物質)の水溶液ないしは乳化液ないしは水懸濁液等水系
液(内水相形成)を加えてホモミキサーで乳化し、W/O
組成物を得る。
内水相に封入する物質としては、リリースコントロー
ルを行うことによって効果の高まる物質が広く用いら
れ、次のものが例挙される:フレーバー、抗菌物質、色
素、香辛料、ビタミン、脂肪酸、調味料、飲食品成分、
医薬品成分、化粧品成分、洗浄剤その他。本発明におい
てはこれら例挙した物質に限定されることなく、揮発し
やすい物質、分解されやすい物質、経時変化を受け易い
物質のほか、一定時間経過後に放出する物質ないしは当
初から少しずつ必要量を徐放する物質等が適宜使用され
る。
そして、水、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルを混合、加温、溶解しておき、これ
に、先に調製したW/O組成物を加温して加え、混合、撹
拌した後均質化し、冷却してW/O/W型複合エマルション
を得るのである。
このようにして調製したW/O/W型複合エマルション
は、塩類存在下で温度を上げたり、高温で塩類を添加す
ることにより、内水相のリリースをコントロールするこ
とができる。また塩類濃度、温度条件を微妙に変化させ
ることにより、リリースの程度もデリケートにコントロ
ールすることもできる。
以下に、本発明を試験例について説明する。
試験例1 大豆硬化油20.0%、内水10.0%、デカグリセリンモノ
ステアレート1.0%、ナトリウムカゼイン1.0%で、ポリ
グリセリン縮合リシノレイン酸エステルとクエン酸モノ
グリセライドの配合量(いずれも%で表わす)を変化さ
せた場合の結果を表−1に示す。
耐塩水性の評価は、10℃の15%(w/v)の食塩水100ml
にクリーム5mlを投入し、凝集性、破壊程度を観察して
行った。
高温での破壊性は、80℃に加温した15%(w/v)の食
塩水100mlにクリーム5mlを投入し、破壊程度を観察し
た。
上記の結果からも明らかなように、本発明に係るエマ
ルションは、上記配合により、低温でのすぐれた耐塩水
性、乳化安定性、封入度を示し、そしてこれを加温する
ことにより卓越した破壊性すなわち良好なリリース性が
得られることが判る。
試験例2 試験例1のNo.6の配合で有機酸モノグリセライドの種
類とポリグリセリン脂肪酸エステルの種類を変化させた
結果を表−2に示す。なお、添加量は%で示す。
ただし表−2において、使用した有機酸モノグリセラ
イドの種類は次のとおりである。
A…酢酸モノグリセライド B…乳酸モノグリセライド C…クエン酸モノグリセライド D…コハク酸モノグリセライド E…ジアセチル酒石酸モノグリセライド 同じく使用したポリグリセリン脂肪酸エステルの種類
は次のとおりである。
イ…デカグリセリンモノステアレート ロ…デカグリセリンモノミリステート ハ…デカグリセリンモノオレート ニ…ヘキサグリセリンモノステアレート ホ…テトラグリセリンモノステアレート 上記の結果からも明らかなように、本発明によるエマ
ルションはいずれもすぐれた成績を示し、特に、クエン
酸モノグリセライド、コハク酸モノグリセライド、ジア
セチル酒石酸モノグリセライド及びデカグリセリンモノ
ステアレート、デカグリセリンモノミリステート使用区
がすぐれていることが判る。
これらの試験例を基礎として更に研究した結果、本発
明において、有機酸モノグリセライドとしては、酢酸、
乳酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、ジアセチル酒石
酸、リンゴ酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸等各種
有機酸モノグリセライドが単用ないし併用される。また
例えば工業薬品等に使用する場合は、他の有機酸も自由
に使用することができる。これら有機酸モノグリセライ
ドの使用量は、その種類によっても相違するが0.1〜2.0
%の範囲が好適である。
本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルとして
は、各種のエステルが適宜広範に使用することができる
が、好適には、高級脂肪酸エステル例えば炭素数16〜18
の脂肪酸のモノ又はジエステルが使用され、その具体例
としては次のものが挙げられる:デカグリセリンモノオ
レート、デカグリセリンモノミリステート、デカグリセ
リンモノパルミテート、デカグリセリンモノステアレー
ト、デカグリセリンジミリステート、デカグリセリンジ
パルミテート、デカグリセリンジステアレート、ヘキサ
グリセリンモノステアレート及び/又はテトラグリセリ
ンモノステアレート。
そしてこれらエステルの使用量は、その種類によって
も相違するが、0.1〜3.0%の範囲が好適である。
次に本発明の実施例について述べるが、本発明はこれ
らの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 上記の表−3配合比で、大豆硬化油にポリグリセリン
縮合リシノレイン酸エステルを混合、加温溶解した油相
に、脱脂粉乳の溶液を混合後ホモミキサー(商品名:特
殊機化工業(株))で、回転数10,000rpmで10分間乳化
してW/O組成物を得た。
水にクエン酸モノグリセライド、デカグリセリンモノ
ステアレート、ナトリウムカゼインを混合したものを70
℃に加温溶解したものに、前述のW/O組成物を70℃に加
温して加え、混合、撹拌後、均質化圧100kg/cm2で均質
化後5℃に冷却してW/O/W型エマルションを得た。
得られたW/O/W型エマルションは内水の封入率が60%
で粒径がよく揃っており、10℃の15%(w/v)の食塩水
溶液に投入しても、凝集等なく均一に分散し内水は十分
に保持されていたが、80℃の温水中で加温したところ、
80℃達温後10分間で脂肪球の内水の多くは放出され当初
の目的を十分に満足するものであった。
実施例2 実施例1のクエン酸モノグリセライド0.5%をジアセ
チル酒石酸モノグリセライド0.5%に置き換え、同様にW
/O/W型エマルションを得た。
得られたW/O/W型エマルションは、内水の封入率が55
%で粒径がよく揃っており10℃の15%(w/v)の食塩水
溶液に投入しても凝集等なく均一に分散し、内水は十分
に保持されていた。これを80℃の温水中で加温したとこ
ろ、80℃達温後10分間で脂肪球の内水の多くは放出され
当初の目的を十分に満足するものであった。
(発明の効果) 本発明に係るW/O/W型複合エマルションは、塩類存在
下で温度を上げるか、あるいは高温条件下において塩類
を添加することにより、先ず、内水相のリリース時をコ
ントロールすることができ、また次に、塩類濃度又は温
度条件を変化させることによってリリースの程度ないし
はリリース量もコントロールすることができる。
つまり本発明は単に内水相をリリースできるのみでな
く、その時期及びその量までも微妙にコントロールでき
るという著効が奏される。
そのうえ本発明においては、内水相に各種の物質を内
封せしめることができるので、本発明によれば各種の物
質を自由にリリースコントロールできるという著効が奏
されるのである。
したがって本発明によれば、加熱中に失われ易いフレ
ーバー類、あるいは分解され易い成分、抗菌物質等の保
持、次いで必要時での必要量の放出を自由にコントロー
ルすることができる。したがって、例えば食品の工業的
加工中ないし調理中に、必要なところで香辛料や調味料
あるいは着色料等その他の成分を放出せしめることがで
き、工程の省略化が達成される。また、各種の製品に防
腐剤ないし殺菌剤内封エマルションを添加しておき、一
定の日数が経過して腐敗が開始されようとするとき、こ
れらの薬剤をリリースして更に保存性を高めることもで
きる。
このように、本発明は飲食品、医薬品、化粧品、工業
薬品等各種の技術分野において、様々な用途に利用する
ことができるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/00 - 1/035

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料油脂とポリグリセリン縮合リシノレイ
    ン酸エステルからなる油相にリリースすべき物質の水性
    液を加えこれを乳化してW/O型組成物を調製しておき、
    これを水、有機酸モノグリセライド及びポリグリセリン
    脂肪酸エステルの溶解物に加えて均質化してなる、リリ
    ースコントロールW/O/W型複合エマルション。
  2. 【請求項2】リリースコントロールが塩類、温度によっ
    て行われるものであることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項に記載のエマルション。
  3. 【請求項3】有機酸モノグリセライドが、酢酸モノグリ
    セライド、乳酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセ
    ライド、コハク酸モノグリセライド、ジアセチル酒石酸
    モノグリセライド、酒石酸モノグリセライド、リンゴ酸
    モノグリセライド、マレイン酸モノグリセライド、シュ
    ウ酸モノグリセライド及び/又はフマル酸モノグリセラ
    イドである特許請求の範囲第1項又は第2項に記載のエ
    マルション。
  4. 【請求項4】ポリグリセリン脂肪酸エステルが、デカグ
    リセリンモノオレート、デカグリセリンモノミリステー
    ト、デカグリセリンモノパルミテート、デカグリセリン
    モノステアレート、デカグリセリンジミリステート、デ
    カグリセリンジパルミテート、デカグリセリンジステア
    レート、ヘキサグリセリンモノステアレート及び/又は
    テトラグリセリンモノステアレートである特許請求の範
    囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載のエマルショ
    ン。
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CN1482900A (zh) 2000-11-29 2004-03-17 ������ҩ��ʽ���� W/o/w型复合乳液
AU2002218497A1 (en) * 2000-11-29 2002-06-11 Taisho Pharmaceutical Co. Ltd. W/o/w composite emulsion
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