JP2889864B2 - 結晶態のビタミンd誘導体 - Google Patents

結晶態のビタミンd誘導体

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JP2889864B2 JP4465497A JP4465497A JP2889864B2 JP 2889864 B2 JP2889864 B2 JP 2889864B2 JP 4465497 A JP4465497 A JP 4465497A JP 4465497 A JP4465497 A JP 4465497A JP 2889864 B2 JP2889864 B2 JP 2889864B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシウムの吸
収、輸送または代謝異常に起因する疾患の治療剤もしく
は予防薬として有用な結晶態のビタミンD誘導体、その
製造方法、その用途およびそのビタミンD誘導体を含有
する安定な医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
式(2)
【化3】 で表されるビタミンD誘導体〔(5Z,7E,23S)
−26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオ
ロ−9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−
トリエン−1α,3β,23,25−テトラオール〕
は、カルシウムの吸収、輸送あるいは代謝異常に起因す
る種々の疾患、例えばくる病、骨軟化症、骨粗しょう症
などの骨の疾患、腫瘍および乾癬等に対する治療剤もし
くは予防剤として知られている(特開昭63−4524
9号公報)。特開昭63−45249号公報において、
式(2)で表されるビタミンD誘導体として実施例に具
体的に記載されているものは、非結晶態(アモルファス
状または非結晶態の粉末状)である。活性型ビタミンD
類を乾癬を始めとする難治性の皮膚疾患治療に応用する
ために、外用剤として局所適用する技術が知られている
(特公平3−68009号公報、特開昭63−1835
34号公報、特表昭62−501073号公報、EP1
29003)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】式(2)で表される非
結晶態のビタミンD誘導体は、保存安定性が低く、製
造、製剤等の際の取り扱い等に問題を有していた。ま
た、活性型ビタミンD類は、化学的に、特に光に対して
不安定であるため、外用製剤として使用する場合は不安
定な環境下におかれる。そこで、患部へ適用した後の光
に対して安定な活性型ビタミンD類の医薬組成物の提供
が重要な課題であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意検討を行い、式(1)
【化4】 で表される結晶態のビタミンD誘導体が、保存安定性が
非常に優れていること等を見出し、また、かかるビタミ
ンD誘導体を含有する安定な医薬組成物を見いだして、
本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は〔1〕 式(1)
【化5】 で表される結晶態のビタミンD誘導体、〔2〕 表1に
記載された粉末X線による面間隔dと相対強度の平均値
を示す〔1〕記載の結晶態のビタミンD誘導体、
【表2】 表1 ──────────────────────────────────── d値 相対強度 d値 相対強度 d値 相対強度 ──────────────────────────────────── 15.77 100 4.78 25 3.31 15 10.80 10 4.54 29 3.18 8 9.58 6 4.32 13 2.96 7 8.37 15 4.23 18 2.92 6 7.89 13 4.17 13 2.76 5 7.46 8 3.92 7 2.70 5 6.65 51 3.77 10 2.66 6 6.34 31 3.73 8 2.63 7 5.96 23 3.67 5 2.54 5 5.79 29 3.60 7 2.48 5 5.34 54 3.55 6 4.88 18 3.46 8 ────────────────────────────────────
【0006】〔3〕 式(2)
【化6】 で表される非結晶態のビタミンD誘導体に対し、水分を
添加した有機溶媒中で結晶化処理を施すことによる
〔1〕または〔2〕に記載の結晶態のビタミンD誘導体
の製造方法、 〔4〕 〔1〕または〔2〕に記載のビタミンD誘導体
からなる医薬、 〔5〕 〔1〕または〔2〕に記載のビタミンD誘導体
を含有するカルシウムの吸収、輸送または代謝異常に起
因する疾患、腫瘍または乾癬の治療剤、 〔6〕 〔1〕または〔2〕に記載のビタミンD誘導体
を含有する乾癬治療剤、 〔7〕 〔1〕または〔2〕に記載のビタミンD誘導
体、および薬学上許容される物質を含有する医薬組成
物、 〔8〕 外用製剤である〔7〕に記載の医薬組成物、
〔9〕 紫外線吸収剤を含有する〔7〕または〔8〕に
記載の医薬組成物、 〔10〕 紫外線吸収剤がベンゾフエノン類、4−アミ
ノ安息香酸類、ケイ皮酸類、サリチル酸類、アントラニ
ル酸類、ビタミンE類、1−(4−メトキシフェニル)
−3−(4−t−ブチルフェニル)プロパン−1,3−
ジオン、ウロカニン酸類、またはカンファーである
〔9〕記載の医薬組成物、および 〔11〕 〔1〕または〔2〕に記載のビタミンD誘導
体、および薬学上許容される物質を混合することによる
医薬組成物の製造方法に関する。
【0007】式(1)で表される結晶態のビタミンD誘
導体の製造方法を、以下に説明する。本結晶態のビタミ
ンD誘導体は、式(2)で表される非結晶態のビタミン
D誘導体に対し、水分を添加した有機溶媒中で結晶化処
理を施すことで製造することができる。有機溶媒として
は、例えば脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル
類、ケトン類、エステル類等、またはこれらの混合溶媒
が挙げられる。脂肪族炭化水素としては、具体的には例
えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等が
挙げられる。芳香族炭化水素としては、具体的には例え
ばトルエン、ベンゼン等が挙げられる。エーテル類とし
ては、具体的には例えばジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、t−ブチルメチルエーテル等が挙げられる。
ケトン類としては、具体的には例えばアセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ
る。エステル類としては、具体的には例えば酢酸エチル
等が挙げられる。好ましい有機溶媒としては、脂肪族炭
化水素、芳香族炭化水素、およびこれらの有機溶媒とエ
ーテル類との混合溶媒等が挙げられる。
【0008】結晶化処理は、例えば、非結晶態のビタミ
ンD誘導体を有機溶媒に10〜35℃の範囲の温度で溶
解させ、必要に応じて有機溶媒を一部留去した後、水分
を添加し、結晶化させることで実施できる。結晶化を0
〜10℃の範囲の温度で実施してもよい。特に、有機溶
媒として、脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素と、脂
肪族炭化水素または芳香族炭化水素の沸点より低い沸点
を持つエーテル類、ケトン類またはエステル類等の有機
溶媒との混合溶媒を用いて、非結晶態のビタミンD誘導
体を溶解させ、エーテル類、ケトン類またはエステル類
等を留去した後、水分を添加して結晶化するのが好まし
い。さらに、収率を上げるために脂肪族炭化水素または
芳香族炭化水素の一部をも留去して結晶化することもで
きる。有機溶媒を留去した後の有機溶媒の量としては、
例えば、非結晶態のビタミンD誘導体に対して5〜20
0重量倍の範囲が挙げられ、好適には8〜100重量倍
の範囲が挙げられる。非結晶態のビタミンD誘導体を有
機溶媒に溶解させる以前に、水分の添加を行ってもよ
い。また、結晶化の際、種晶を加えることもできる。添
加する水分量としては、例えば、非結晶態のビタミンD
誘導体に対して0.1重量倍以上用いることが好まし
く、好適には1〜20重量倍の範囲が挙げられる。
【0009】結晶化時間は結晶の析出する速さにより異
なるが、30分から24時間の範囲である。結晶化した
結晶態のビタミンD誘導体は、濾過することによって単
離できる。この際、必要に応じて用いた有機溶媒で洗浄
を行ってもよい。本結晶態のビタミンD誘導体は、減圧
下で脱水し、対応する無水物である結晶態のビタミンD
誘導体を製造することもできる。
【0010】式(1)で表される結晶態のビタミンD誘
導体は、医薬として使用することができる。医薬として
は、例えばカルシウムの吸収、輸送または代謝異常に起
因する疾患の治療剤等として使用でき、具体的には、例
えばくる病、骨軟化症、骨粗しょう症などの骨の疾患や
乾癬等に対する治療剤もしくは予防薬として使用できる
(特開昭63−45249号公報)。
【0011】式(1)で表される結晶態のビタミンD誘
導体は、薬学上許容される物質を混合することで医薬組
成物を製造することができる。かかる医薬組成物は、局
所的または全身的に投与される形態をとることができ
る。局所的には外用製剤として、ローション剤、エキス
剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、油脂性軟膏剤、乳剤性軟膏
剤、水溶性軟膏剤等の半固形剤を挙げることができる。
全身的には、錠剤、顆粒剤、液剤、カプセル剤、ソフト
カプセル剤等の経口剤、注射剤、坐剤、経鼻剤等を挙げ
ることができる。局所的な外用製剤の場合は、式(1)
で表される結晶態のビタミンD誘導体の配合量は、適宜
増減できるが、医薬組成物1gあたり1ng〜1mgの
範囲が好ましく、さらに50ng〜50μgの範囲がよ
り好ましい。全身的に投与する場合は、式(1)で表さ
れる結晶態のビタミンD誘導体の投与量は、適宜増減で
きるが、成人1日あたり、2ng〜100μgの範囲が
好ましく、さらに10ng〜20μgの範囲がより好ま
しい。これらの製剤は通常行われる一般的製法に従って
製造することができる。
【0012】外用製剤を製造する際に使用する薬学上許
容される物質としては、一般的に使用される基剤、保存
剤、酸化防止剤等が挙げられる。基剤としては、例えば
鉱油、固形パラフィン、白色ワセリン、流動パラフィ
ン、ゲル化炭化水素、ジメチルポリシロキサン、オリー
ブ油、ごま油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の炭化水素
類、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロ
ピル、セバシン酸ジエチル等の脂肪酸エステル類、ステ
アリルアルコール、セチルアルコール等の高級アルコー
ル類、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン等の水溶性多価アルコール類、エタノー
ル、イソプロパノール等の低級アルコール類、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面
活性剤、水等が挙げられる。保存剤としては、例えば4
−ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。酸化防
止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェニ
ル等が挙げられる。
【0013】その医薬組成物には、紫外線吸収剤を添加
するのが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えばベン
ゾフェノン類、4−アミノ安息香酸類、ケイ皮酸類、サ
リチル酸類、アントラニル酸類、ビタミンE類、1−
(4−メトキシフェニル)−3−(4−t−ブチルフェ
ニル)プロパン−1,3−ジオン、ウロカニン酸類、お
よびカンファー等が挙げられる。ベンゾフェノン類とし
ては、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−
5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒ
ドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェ
ノン−5,5’−ジスルホン酸ジナトリウム、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テ
トラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。4−ア
ミノ安息香酸類としては、例えば4−アミノ安息香酸、
4−アミノ安息香酸エチル、4−アミノ安息香酸グリセ
リル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチ
ルアミノ安息香酸オクチル等が挙げられる。ケイ皮酸類
としては、例えば4−メトキシケイ皮酸イソプロピル、
4−メトキシケイ皮酸エチル、4−メトキシケイ皮酸2
−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸2−エトキシ
エチル、4−メトキシケイ皮酸カリウム、4−メトキシ
ケイ皮酸ナトリウム等が挙げられる。サリチル酸類とし
ては、例えばサリチル酸オクチル、サリチル酸フェニ
ル、サリチル酸メチル等が挙げられる。アントラニル酸
類としては、例えばアントラニル酸メチル、ホモメンチ
ルN−アセチルアントラニル酸等が挙げられる。天然ビ
タミンE類としては、例えば天然ビタミンE、酢酸トコ
フェロール、dl−α−トコフェロール等が挙げられ
る。ウロカニン酸類としては、例えばウロカニン酸、ウ
ロカニン酸エチル等が挙げられる。これらの紫外線吸収
剤は、単独または2種類以上を混合して用いることがで
きる。特に好ましい紫外線吸収剤としては、4−メトキ
シケイ皮酸2−エチルヘキシル、酢酸トコフェロール等
が挙げられる。紫外線吸収剤の添加量は、用いられる基
剤の種類等により適当な量を選択すればよいが、医薬組
成物に対して0.01〜2重量%が好ましい。
【0014】
【実施例】次に、実施例、参考例をあげて本発明をさら
に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれらによっ
てなんら限定されるものではない。 実施例1式(1)で表される結晶態のビタミンD誘導体の製造 式(2)で表される非結晶態のビタミンD誘導体10m
gをジエチルエーテル0.2mlに溶解し、そこへトル
エン1.34mlを加え、均一になるまで撹拌した。次
に、溶液を半分量になるまで減圧濃縮したのち、精製水
3滴(約100mg)を滴下し、室温で15時間以上撹
拌した。約5℃まで冷却後、析出した結晶を濾取し、結
晶態のビタミンD誘導体7mgを得た。得られたビタミ
ンD誘導体は、表1に記載された粉末X線による面間隔
dと相対強度の平均値を示した。
【0015】実施例2式(1)で表される結晶態のビタミンD誘導体の製造 式(2)で表される非結晶態のビタミンD誘導体10m
gをジエチルエーテル0.3mlに溶解し、そこへn−
ヘプタン0.5mlを加え、均一になるまで撹拌した。
次に、精製水3滴を滴下し、室温で15時間以上撹拌し
た。析出した結晶を濾取し、結晶態のビタミンD誘導体
6.5mgを得た。
【0016】実施例3式(1)で表される結晶態のビタミンD誘導体の製造 式(2)で表される非結晶態のビタミンD誘導体10m
gをジエチルエーテル0.3mlに溶解し、そこへn−
ヘキサン0.5mlを加え、均一になるまで撹拌した。
次に、精製水3滴を滴下し、室温で15時間以上撹拌し
た。析出した結晶を濾取し、結晶態のビタミンD誘導体
7mgを得た。
【0017】実施例4式(1)で表される結晶態のビタミンD誘導体の製造 式(2)で表される非結晶態のビタミンD誘導体1.5
6gをジエチルエーテル14.4mlに溶解し、そこへ
トルエン15.6mlを加え、均一になるまで撹拌し
た。次に、液量が約半分になるまで溶液を減圧下濃縮し
た後、精製水5.23mlを加え、種晶5mgを加え、
室温で15時間以上撹拌した。析出した結晶を濾取し、
結晶態のビタミンD誘導体1.33gを得た。
【0018】実施例5式(1)で表される結晶態のビタミンD誘導体の製造 式(2)で表される非結晶態のビタミンD誘導体10m
gをアセトン0.5mlに溶解し、そこへトルエン1.
0mlを加え、均一になるまで撹拌した。次に、液量が
約半分になるまで溶液を減圧下濃縮した後、精製水3滴
を滴下し、室温で15時間以上撹拌した。析出した結晶
を濾取し、結晶態のビタミンD誘導体7mgを得た。
【0019】実施例6式(1)で表される結晶態のビタミンD誘導体の製造 式(2)で表される非結晶態のビタミンD誘導体10m
gを酢酸エチル0.2mlに溶解し、そこへトルエン
1.0mlを加え、均一になるまで撹拌した。次に、液
量が約半分になるまで溶液を減圧下濃縮した後、精製水
3滴を滴下し、室温で15時間以上撹拌した。析出した
結晶を濾取し、結晶態のビタミンD誘導体5mgを得
た。
【0020】実施例7式(1)で表される結晶態のビタミンD誘導体の製造 式(2)で表される非結晶態のビタミンD誘導体10m
gを酢酸エチル0.2mlに溶解し、そこへn−ヘキサ
ン1.0mlを加え、均一になるまで撹拌した。次に、
液量が約半分になるまで溶液を減圧下濃縮した後、精製
水3滴を滴下し、室温で15時間以上撹拌した。析出し
た結晶を濾取し、結晶態のビタミンD誘導体を得た。
【0021】実施例8式(1)で表される結晶態のビタミンD誘導体と、式
(2)で表される非結晶態のビタミンD誘導体の保存安
定性 実施例4で得られた式(1)で表される結晶態のビタミ
ンD誘導体と、式(2)で表される非結晶態のビタミン
D誘導体を、それぞれ一定量(約1〜1.5mg)を正
確に秤量し、空気中、室温で、非遮光条件で1〜5週間
保存した。高速液体クロマトグラフィーを用いた絶対検
量線法によって、その中に存在するビタミンD誘導体の
残存量を分析した。その結果を図1に示す。この図から
わかるとおり、式(1)で表される結晶態のビタミンD
誘導体は、ほとんど分解しないのに対し、式(2)で表
される非結晶態のビタミンD誘導体はかなりの分解が進
行した。
【0022】実施例9軟膏剤の製造 実施例4で得られた式(1)で表される結晶態のビタミ
ンD誘導体8.27mg、2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノール0.498g、4−メトキシケイ皮
酸2−エチルヘキシル1g、エタノール0.2gに、ミ
リスチン酸イソプロピルを加えて全量を51gとし、攪
拌した後、白色ワセリン949gに40℃で溶融混和
し、攪拌しながら室温まで冷却することで軟膏剤である
医薬組成物1000gを得た。
【0023】実施例10外用液剤の製造 実施例4で得られた式(1)で表される結晶態のビタミ
ンD誘導体2.07mg、2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノール0.498g、4−メトキシケイ皮
酸2−エチルヘキシル1g、エタノール0.2gに、ミ
リスチン酸イソプロピルを加えて全量を51gとし、攪
拌した後、エタノールを加え全量を1000mlとする
ことで外用液剤である医薬組成物を得た。
【0024】実施例11医薬組成物の安定性 実施例9で得られた軟膏剤をアルミニウムチューブに充
填し、室温で1年間保存し、その医薬組成物中に存在す
る式(1)で表される結晶態のビタミンD誘導体の残存
量を、高速液体クロマトグラフィーを用いた内標準法に
よって測定したところ、100%であった。
【0025】
【発明の効果】本発明の式(1)で表される結晶態のビ
タミンD誘導体は、式(2)で表される非結晶態のビタ
ミンD誘導体に比べ、保存安定性が優れており、製造、
製剤等の際の取り扱いが容易である。さらに、結晶化操
作を行うことで、高純度の本発明のビタミンD誘導体を
得ることもできる。また、本発明の医薬組成物は極めて
安定であり、特に紫外線吸収剤を添加した外用製剤で
は、1000ルックス程度の光にさらされた条件下にお
いても、治療上充分な時間にわたってビタミンD誘導体
が安定に保たれる。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】式(1)で表される結晶態のビタミンD誘導体
と、式(2)で表される非結晶態のビタミンD誘導体の
空気中、室温、非遮光の条件での安定性を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 401/00 A61K 31/59 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 で表される結晶態のビタミンD誘導体。
  2. 【請求項2】 表1に記載された粉末X線による面間隔
    dと相対強度の平均値を示す請求項1記載の結晶態のビ
    タミンD誘導体。 【表1】 表1 ──────────────────────────────────── d値 相対強度 d値 相対強度 d値 相対強度 ──────────────────────────────────── 15.77 100 4.78 25 3.31 15 10.80 10 4.54 29 3.18 8 9.58 6 4.32 13 2.96 7 8.37 15 4.23 18 2.92 6 7.89 13 4.17 13 2.76 5 7.46 8 3.92 7 2.70 5 6.65 51 3.77 10 2.66 6 6.34 31 3.73 8 2.63 7 5.96 23 3.67 5 2.54 5 5.79 29 3.60 7 2.48 5 5.34 54 3.55 6 4.88 18 3.46 8 ────────────────────────────────────
  3. 【請求項3】 式(2) 【化2】 で表される非結晶態のビタミンD誘導体に対し、水分を
    添加した有機溶媒中で結晶化処理を施すことによる請求
    項1または2に記載の結晶態のビタミンD誘導体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のビタミンD誘
    導体からなる医薬。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載のビタミンD誘
    導体を含有するカルシウムの吸収、輸送または代謝異常
    に起因する疾患、腫瘍または乾癬の治療剤。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載のビタミンD誘
    導体を含有する乾癬治療剤。
  7. 【請求項7】 請求項1または2に記載のビタミンD誘
    導体、および薬学上許容される物質を含有する医薬組成
    物。
  8. 【請求項8】 外用製剤である請求項7に記載の医薬組
    成物。
  9. 【請求項9】 紫外線吸収剤を含有する請求項7または
    8記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 紫外線吸収剤がベンゾフェノン類、4
    −アミノ安息香酸類、ケイ皮酸類、サリチル酸類、アン
    トラニル酸類、ビタミンE類、1−(4−メトキシフェ
    ニル)−3−(4−t−ブチルフェニル)プロパン−
    1,3−ジオン、ウロカニン酸類、またはカンファー
    ある請求項9記載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1または2に記載のビタミンD
    誘導体、および薬学上許容される物質を混合することに
    よる医薬組成物の製造方法。
JP4465497A 1996-02-28 1997-02-12 結晶態のビタミンd誘導体 Expired - Lifetime JP2889864B2 (ja)

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