JP2889616B2 - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP2889616B2
JP2889616B2 JP27114189A JP27114189A JP2889616B2 JP 2889616 B2 JP2889616 B2 JP 2889616B2 JP 27114189 A JP27114189 A JP 27114189A JP 27114189 A JP27114189 A JP 27114189A JP 2889616 B2 JP2889616 B2 JP 2889616B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、潜像担持体に形成される静電潜像に一成分
現像剤を供給して現像を行なわせる現像剤担持体を備え
てなる現像装置に関する。
[従来の技術] 一般に、複写機、プリンター、ファクシミリなどの各
種画像形成装置においては、感光体などの潜像担持体に
対して画像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜
像に対して現像装置内に設けられている現像剤担持体か
ら一成分現像剤(以下トナーという。)が供給されて現
像が行なわれ、これにより可視像が得られるようになっ
ている。
上記現像剤担持体は、ローラー状などに形成されてな
るものであり、この現像剤担持体に対しては、同じくロ
ーラー状などに形成されてなる現像剤補給手段が現像剤
補給領域に接触状態で付設されている。さらに上記現像
剤補給領域の下流側に形成されている現像剤薄層化領域
にはブレード状あるいはローラー状などに形成されてな
る現像剤薄層化規制手段が接触状態で付設されている。
そして現像剤補給領域においてトナー蓄積部内に蓄えら
れている新規トナーが上記現像剤補給手段の作用によっ
て現像剤担持体に補給され、これにより現像剤担持体の
表面上にトナーが付着される。現像剤担持体の表面上に
付着されたトナーは前記薄層化規制手段の均し作用によ
って現像剤薄層化領域にて均一に薄層化される。この均
一薄層化された現像剤は、上記現像剤薄層化領域の下流
側に形成されている現像領域に送り込まれて静電潜像に
現像剤が選択的に供給され現像動作が行なわれるように
なっている。
上述した現像剤担持体としては、導電性の基体上に現
像電界調整用の誘導体層を備えるようにしたものが一般
に用いられている。またこれらの現像剤担持体は、感光
体に対し圧接されて現像装置の位置精度管理を不要とす
る目的で用いられることがあり、この場合には弾性を有
する材料、例えばポリエステルウレタンなどのウレタン
系の材料が採用されている。
[発明が解決しようとする課題] ところが上記従来装置では、感光体など潜像担持体の
移動速度と現像剤担持体の移動速度との相対関係で定ま
る現像線速度によって現像特性が変動してしまうという
問題がある。
すなわち一般の現像装置においては、潜像担持体と現
像剤担持体とに挾まれる現像領域に所定の現像電界が形
成され、現像領域に存在するトナー粒子に保持されてい
る電荷に力作用される。そしてこの力の大小によってト
ナー粒子が現像に供せられるか否かが定められる。現像
領域に形成されている電界は、現像剤担持体の構成材質
特に誘電体層の材質に大きく影響を受ける。
誘電体を集中定数型にモデル化すると第12図に示され
るようになる。第12図中C0は瞬時に充電される容量成分
であるとともに、R0は無限大時間経過後に測定される抵
抗成分であり、さらにR1,C1(i=1,2,・・・)は緩和
成分である。このような誘電体層を備える現像剤担持体
を用いた場合において、第13図に示されるような静電潜
像が現像領域に進入したとすると、現像電界は第14図に
示されるように形成される。第14図中のE0は、第12図中
のC0が瞬時に充電されることに対応される現像電界であ
るとともに、このE0以降の変化は、第12図中のC1R1,C2R
2,・・・が時定数の小さい順に充電されていくことに対
応している。
現像時間(現像領域を現像剤担持体が通過するのに要
する時間)と同程度の時定数を持つ緩和項の影響が上記
C0に比較して無視できないような材料が採用される場合
には、現像線速度の変化によって現像時間がt1,t2,・・
・と変化されていくと、それにしたがって現像電界は
E1,E2・・・のように変化されていく。これは現像線速
度に現像特性が影響を受けることを意味している。従来
現像剤担持体の誘電体として用いられているポリエステ
ルウレタンなどのウレタン系材料はこのような場合に相
当する。ウレタン系材料以外の材料であっても誘電緩和
特性の不良な材料を用いる場合には同様な問題を生じ
る。
そこで本発明は現像線速度の変動によっても現像特性
が影響を受けることなく、良好な現像動作を維持させる
ことができるようにした現像装置を提供することを目的
とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明は、現像電界形成用の
誘電体層を備えてなる現像剤担持体を現像領域において
潜像担持体の表面に接触するように配置し、この現像体
担持体の表面上に現像剤を保持させながら上記現像領域
に送り込み、静電潜像に現像剤を供給して現像を行なう
現像装置であって、上記現像剤担持体は、弾性を有する
基体上に上記誘電体層が形成された構成を有し上記現像
領域において上記潜像担持体の表面に弾性的に接触され
ており、上記誘電体層は50mHzないし1KHzの周波数間に
おける最大比誘電率と最小比誘電率との比が2以下とな
る周波数特性を備える材料を以って形成されていること
とした。
[作用] このような構成を備える手段においては、緩和時間特
性と密接に関係する現像特性の変動が小さくなり、現像
特性は現像線速度にかかわらずほぼ一定に維持されるよ
うによっている。
[実 施 例] 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第2図には高抵抗の1成分現像剤(トナー)を用いる
現像装置1が表わされている。この現像装置1は、潜像
担持体としての感光体ドラム2の近傍に付設されてい
る。上記感光体ドラム2は、所定極性に帯電される有機
感光体(OPC)などから形成されており、所定極性に帯
電されるトナーにより現像が行なわれるようになってい
る。
現像装置1の現像ユニット3内には後述する現像剤担
持体としての現像ローラー4が軸支されており、この現
像ローラー4は現像領域において上記感光体ドラム2の
表面に弾性的に接触するように配置されている。感光体
ドラム2および現像ローラー4は各矢印で示されるよう
に互いに逆の方向すなわち両者の接触部分において同一
の方向にそれぞれ回転駆動されており、両者の接触部分
に現像動作が行なわれる現像領域が上述のように形成さ
れている。
上記現像ユニット3には、トナー蓄積部としてのトナ
ーホッパー5が設けられているとともに、このトナーホ
ッパー5内に蓄えられている新規トナーを上記現像ロー
ラー4の表面に補給する現像剤補給手段としてのトナー
補強ローラー6、現像ローラー4の表面に補給され付着
されたトナーを薄層化する薄層化規制手段としてのトナ
ー層規制ローラー7、現像後現像ローラー4の表面上に
残留しているトナーを掻き落すクリーニングローラー
8、上記トナーホッパー5内に蓄えられているトナーを
撹拌しながトナー補強ローラー6側に搬送させるアジテ
ーター9などが、各矢印でそれぞれ示される方向に回転
駆動されるようにして現像ユニット3内に軸支されてい
る。上記トナー補給ローラー6、トナー層規制ローラー
7およびクリーニングローラー8は現像ローラー4の表
面上に接触されるようにしてそれぞれ配置されており、
現像ローラー4の回転方向上流側からクリーニングロー
ラー8、トナー補強ローラー6、トナー層規制ローラー
7の順に所定の間隔を持ってそれぞれ配置されている。
上記トナー補給ローラー6およびトナー層規制ローラー
7の現像ローラー4に対する接触部分には現像剤補給領
域および現像剤薄層化領域がそれぞれ形成されることと
なっている。
また上記トナー層規制ローラー7およびクリーニング
ローラー8の表面上にはトナー掻き落しブレード10およ
び11の先端縁部がそれぞれ圧接されており、このトナー
掻き落しブレード10,11の摺擦力によってトナー層規制
ローラー7およびクリーニングローラー8の表面上に付
着されたトナーが良好に掻き落されクリーニングされる
ようになっている。
一方上記現像ローラー4においては、第1図に示され
るように、ローラー状の金属芯材からなる支持体41の外
周部に、弾性を有する導電性材料からなる基体42が装着
されているとともに、上記基体42の外周部には弾性を有
するフッ素系樹脂からなる誘電体層43が被着されてお
り、さらにこの誘電体層43の外側に、弾性を有するフッ
素系樹脂中に導電性粒子を互いに非接触状態で嶋状に分
散配置してなる電極層44が設置されている。上記電極層
44中の導電性粒子の一部は外表面に露出されている。
さらに上記誘電体層43は、その比誘電率が所定の値を
備える材料が採用されている。すなわち第3図,第4図
および第5図に示されるように、50mHz〜1kHzの周波数
間における最大比誘電率と最小比誘電率との比が2以下
となる周波数特性を備える材料から上記誘電体層43は形
成されている。
このような実施例における現像装置1では、まず一様
帯電された感光体ドラム2の表面に対して露光書き込み
が行なわれ画像に対応する静電潜像が形成される。この
静電潜像に対して現像装置1の現像ローラー4から現像
領域においてトナーが選択的に供給され、これにより上
記静電潜像の現像が行なわれて可視像が得られるように
なっている。現像ローラー4に対しては、現像剤補強領
域においてトナー補強ローラー6によりトナーホッパー
5内の新規トナーが補給されるとともに、この現像ロー
ラー4の表面上に付着されたトナーは現像剤薄層化領域
においてトナー層規制ローラー7により均一に薄層化さ
れ現像領域に送り込まれるようになっている。
この場合現像ローラー4を構成する誘電体層43が、複
素比誘電率の周波数特性の平坦な材料で構成され、これ
によって現像特性の変動が現像線速度の変化にかかわら
ずほぼ一定に維持されるようになっている。これについ
て以下説明する。
まず誘電体をモデル化した第12図に示される緩和成分
の影響が小さい材料を現像ローラー4を構成する誘電体
層43に採用する場合には、第13図に示されるような静電
潜像に対して第15図に示される現像電界が形成される。
このような現像電界が形成されれば、現像線速度が変動
しても現像特性は一定に維持されることとなる。このよ
うな応答特性は、連続分布する緩和時定数に対しての積
分として表現されるものであり、単一の時定数で表現す
ることは困難である。これに対し、緩和時間特性のフー
リエ変換となる複素比誘電率の実数部の周波数特性は、
各周波数成分ごとの値として正確に測定することが可能
である。発明者らはこの点に注目し、複素比誘電率の実
数部の周波数特性すなわち比誘電率の周波数特性と現像
特性の変動とが密接に関係していることを確認した。
実際の結果、第7図に示されるように緩和成分の影響
が大きい樹脂材料を現像ローラーの誘電体層に採用する
場合(従来の場合)には、第10図に示されるように、現
像線速度の小(実線)、中(一点鎖線)、大(破線)に
対応して静電潜像に対するトナー付着量(縦軸)が大幅
に変動することが判明するとともに、第3図ないし第5
図に示されるように緩和成分の影響が小さい樹脂材料を
現像ローラーの誘電体層に採用する場合(上記実施例)
では、第8図に示されるように、現像線速度の小(実
線)、中(一点鎖線)、大(破線)にかかわらず静電潜
像に対するトナー付着量(縦軸)は大幅に変動すること
はないことが判明した。
複素比誘電率を規定している周波数帯域の50mHz〜1kH
zは、実際に使用される場合におけるライン画像やベタ
画像の静電潜像が現像剤担持体と相対速度をもって移動
するために生ずる電界の時間的変動のフーリエ成分を考
慮して決定したものである。
第6図は周波数特性が非常に安定なシリコン系の樹脂
を現像ローラーの誘電体層に採用する場合であり、この
場合には第9図に示されるように、現像線速度の小(実
線)、中(一点鎖線)、大(破線)にかかわらず静電潜
像に対するトナー付着量(縦軸)はほとんど変動される
ことがなくほぼ一定に維持される。
第11図は現像剤担持体の他の構成例であり、第1図に
示される現像剤担持体の構成物と同一構成物を同一符号
で示している。なお第1図に示される現像剤担持体4に
おいて誘電体層43および電極層44をそれぞれ構成する誘
電体材料は同一の材料でも良くまた異なる材料でも良
い。これらの両誘電体材料はライマーやプラズマなどの
処理によって強固に接着することが可能である。また電
極層44、誘電体層43および基体42は弾性部材、硬質部材
のいずれをも採用することができる。
上述した電気的緩和現象は、分子鎖の変形、回転、配
向と電界の強さとの関係で定まり、これらは極性基の有
無、分子の対称性などと強い関係を持っている。したが
って周波数特性が平坦でないものは、温度、水分などに
よっても周波数特性が大きく変化する。これらの特性に
ついても、上記変動幅内に比誘電率の変化が収まってい
るものについては現像特性の環境変動は許容される副に
収まる。
[発明の効果] 以上述べたように本発明は、現像特性の変動に密接に
関係する現像剤担持体の誘電体層の周波数特性が一定範
囲内に設定される構成を採用してなるから、現像剤担持
体の応答特性を実際に求めることなく、現像線速度の変
動に対応する現像特性の変動を一定範囲内に小さく抑え
ることができ、良好な現像動作を維持させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における現像剤担持体の構成
を表わした縦断面説明図、第2図は本発明の一実施例に
おける1成分トナーを用いる現像装置を表わした縦断面
説明図、第3図,第4図,第5図,第6図および第7図
は比誘電率の周波数特性を表わした線図、第8図,第9
図および第10図は現像特性の変動状態を表わした線図、
第11図は本発明の他の実施例における現像剤担持体の構
成を表わした縦断面説明図、第12図は誘電体をモデル化
した回路図、第13図は静電潜像がの電位状態を表わした
線図、第14図および第15図は現像領域に形成される現像
電界の時間経緯を表わした線図である。 1……現像装置、2……感光体ドラム、4……現像ロー
ラー、43……誘電体層、44……電極層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 岳雄 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭60−237457(JP,A) 特開 昭61−87177(JP,A) 特開 昭62−99771(JP,A) 特開 昭62−99772(JP,A) 特開 昭62−143074(JP,A) 特開 昭64−581(JP,A) 特開 平1−102485(JP,A) 特開 平2−24676(JP,A) 特開 平2−201470(JP,A) 特開 平2−221978(JP,A) 特開 平2−311871(JP,A) 特開 平2−311872(JP,A) 実開 平2−83551(JP,U) 実開 平2−87244(JP,U) 特公 平7−99443(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 15/08 - 15/095

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】現像電界形成用の誘電体層を備えてなる現
    像剤担持体を現像領域において潜像担持体の表面に接触
    するように配置し、この現像体担持体の表面上に現像剤
    を保持させながら上記現像領域に送り込み、静電潜像に
    現像剤を供給して現像を行なう現像装置であって、 上記現像剤担持体は、弾性を有する基体上に上記誘電体
    層が形成された構成を有し上記現像領域において上記潜
    像担持体の表面に弾性的に接触されており、 上記誘電体層は50mHzないし1KHzの周波数間における最
    大比誘電率と最小比誘電率との比が2以下となる周波数
    特性を備える材料を以って形成されていることを特徴と
    する現像装置。
JP27114189A 1989-01-17 1989-10-18 現像装置 Expired - Lifetime JP2889616B2 (ja)

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