JP2888685B2 - 密封容器入り食品の製造方法及びそれに用いる装置 - Google Patents

密封容器入り食品の製造方法及びそれに用いる装置

Info

Publication number
JP2888685B2
JP2888685B2 JP33257491A JP33257491A JP2888685B2 JP 2888685 B2 JP2888685 B2 JP 2888685B2 JP 33257491 A JP33257491 A JP 33257491A JP 33257491 A JP33257491 A JP 33257491A JP 2888685 B2 JP2888685 B2 JP 2888685B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
gas
container
mixed gas
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33257491A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05147614A (ja
Inventor
健治 峯
茂康 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP33257491A priority Critical patent/JP2888685B2/ja
Publication of JPH05147614A publication Critical patent/JPH05147614A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2888685B2 publication Critical patent/JP2888685B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vacuum Packaging (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、密封容器入り食品の
容器内空寸部、いわゆるヘッドスペース内の空気を置換
するための不活性ガスと蒸気とからなる混合ガスの供給
量を精度良く制御でき、一定の品質の製品を製造し得る
密封容器入り食品の製造方法及びそれに用いる装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、密封容器入り食品の風味、色調
等の経日変化を防止、或は、抑制する方法として、密封
容器入り食品のヘッドスペース中の空気を除去する、或
は、低減させることにより、主に酸素に起因して起こる
前述の劣化を防止する方法が知られている。
【0003】このような方法としては、例えば、(1)
飲料を高温(90〜95℃)で充填し、その状態で蓋を
する方法、いわゆる熱間充填法(ホットパック)や、
(2)飲料を容器に充填後、その容器のヘッドスペース
に窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガス、或は、不活性ガ
スと蒸気とからなる混合ガスを噴射し、そのヘッドスペ
ース中の空気を除去、置換しながら蓋を封止するアンダ
ーカバーガッシング法がある。また、その他にも、
(3)最初に(飲料を容器に充填する前に)容器内の空
気を吸引し、その代わりに不活性ガス等を噴射してから
中味飲料を充填し、蓋の封止を行う方法(以下、予備置
換法と称する)や、(4)薄肉缶入り飲料の場合で容器
に強度をもたせる(陽圧缶とする)目的で、中味飲料の
充填後に液体窒素を滴下し、液体窒素が中味飲料の熱に
より蒸発し、容器のヘッドスペースで窒素ガスとなった
状態で蓋の封止を行い、結果的にヘッドスペース中の空
気を窒素ガスで置換する方法(以下、液体窒素滴下法と
称する)等もある。
【0004】これらの方法の中で、最も一般的に用いら
れているのは、(2)のアンダーカバーガッシング法で
ある。その理由としては、まず第一に、熱間充填法より
もヘッドスペースの空気除去率(一般に、蓋封止後の容
器内のヘッドスペース中の酸素量を測定して算出してお
り、置換率と呼んでいる。以下、置換率と称する)が良
いことが挙げられる。また、第二の理由として、予備置
換法は、充填機構の複雑な、且つ高額な改造が必要とな
る、或は、特定された容器の充填専用機の一機能として
実施することが必要となるが、アンダーカバーガッシン
グ法は、蓋封止装置のわずかな改造により実施でき、充
填機構を大幅に改造する、或は特定容器の充填専用機を
購入すること等に比較すると設備コストが非常に少額で
済むということが挙げられる。また、予備置換法は、予
備置換後、蓋を封止するまでの間に容器のヘッドスペー
ス部分が空気中にさらされてしまい空気が混入するの
で、それほど置換率は良くない。
【0005】その他、液体窒素滴下法は、容器が陽圧と
なるので、例えば、中味の飲料がコーヒー等のように高
温高圧のレトルト殺菌工程が必要な場合、その工程中に
容器が高圧となり、破裂してしまう等の問題があり、中
味飲料の種類が限定される。
【0006】以上の理由により、アンダーカバーガッシ
ング法が最も効率のよい方法として利用されているが、
この方法においても、単なる不活性ガスを容器のヘッド
スペースに噴射する方法では、容器内の真空度(陰圧
度、または減圧度)が下がってしまうので、中味飲料が
前述したような高温高圧の殺菌工程を必要とする場合
は、殺菌中に容器が破裂とまではいかないものの、蓋が
膨張、変形してしまい、外観上及び密封性の点で不良品
となるだけでなく、例えば、缶飲料の製造工程で一般的
に使用されている密封性検査装置(打検機と称し、打検
時の品温で(打検時点で)10cmHg以上の減圧状態
でなければ検査できない)が使用できないということが
ある。
【0007】そこで、不活性ガスと蒸気とを混合し、そ
の混合ガスを容器のヘッドスペースに噴射し、ヘッドス
ペース中の空気をその混合ガスで置換した後、蓋の封止
を行い、混合ガス中の蒸気が凝縮し、中味の飲料に溶解
して適度な真空度と同時に置換率が得られる方法が行わ
れている。
【0008】この方法に於いて、容器のヘッドスペース
に噴射する混合ガスの状態制御は、ガス混合機に供給す
る不活性ガスの量と供給蒸気圧力の調整により行われて
いる。不活性ガスの量は、流量計付き流量調整弁を介し
てガス混合機へ供給し、一方、蒸気量は、ガス混合機に
接続されている蒸気配管中に設けた圧力計の値により、
減圧弁等で供給蒸気圧力を調整している。そして、実際
には、不活性ガスの供給量は安定させることが容易であ
り、最初の設定でほぼ安定するので、混合ガスをつくる
ための調整の主となっているのは供給蒸気圧力である。
【0009】しかしながら、調整の主となっている蒸気
の圧力は、通常の圧力計(単位Kg/cm2 )に於いて
は、粗いレベル、例えば、小数第1位ぐらいまでが、検
出及び制御目標値としての分解能の限界である場合が多
く、結果的に、混合ガスの状態を精度良くコントロール
できないという問題点がある。また、混合ガスは、連続
的につくり、噴射するので、内容物の充填スピードを変
更する際には(同じ置換率、真空度を得ることを前提と
して)、不活性ガスの量及び蒸気圧力もそれに合わせて
都度変更してやらなければならない。こういったとき
も、通常の圧力計では分解能に限界があるので粗い調整
しかできないという問題もある。
【0010】また、通常の生産現場に於いては、蒸気の
供給源が、ガス混合機から遠く離れていたり、或は、一
つの蒸気源からの供給先が多岐に渡っている等、供給蒸
気圧を不安定にさせる要因が多く、前述のように圧力計
の分解能が低いので、圧力の変動があっても圧力計で読
み取れずに、混合ガスの状態が変わってしまい、結果的
に、目標から大きく外れた製品を作ってしまうという問
題点がある。
【0011】そこで、検出に使用する圧力計を高分解能
のものに変えてやる、或は、蒸気供給源を、専用に設け
る等により改善する可能性はあるが、大がかりな設備改
造になり、アンダーカバーガッシング法の大きなメリッ
トの一つである実施の簡易性が失われてしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、飲料を容器に充填し、蒸気と不活性ガスとからな
る混合ガスを噴射し、ヘッドスペース中の空気をその混
合ガスで置換した後、蓋の封止を行うに際し、混合ガス
の供給量を精度良く制御でき、蓋封止後の容器内の置換
率と真空度を所望の値に容易にコントロールし、一定の
品質の製品を得ることができる密封容器入り食品の製造
方法及びそれに用いる装置を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、容器に内
容物を充填し、不活性ガスと蒸気とからなる混合ガスを
噴射して、この容器のヘッドスペース中の空気を上記混
合ガスで置換しながら蓋の封止を行う密封容器入り食品
の製造方法に於いて、上記混合ガスの温度を検出するこ
とにより蒸気量を制御することを特徴とする密封容器入
り食品の製造方法、並びに、不活性ガスを供給する手段
と、蒸気を供給する手段と、供給される不活性ガスと蒸
気とを混合する手段と、この混合ガスの温度を検出し、
蒸気量を制御する手段と、混合ガスを噴射して、内容物
が充填された容器のヘッドスペース中の空気を混合ガス
で置換しながら蓋の封止を行う手段とからなることを特
徴とする密封容器入り食品の製造に用いる装置によって
達成される。
【0014】即ち、本発明者らは、従来、容器のヘッド
スペースに噴射する混合ガスの状態を一定に保つ為に、
主としてガス混合機に供給する蒸気圧力を検出し調整し
ていたが、実際に噴射する混合ガスの温度に着目し、そ
の温度を検出し、その温度値により蒸気の供給量を調整
するというフィードバック制御を行うことにより、容易
に分解能の高い検出、制御ができ、それにより得られる
混合ガスの状態は精度良く安定するので、そのガスを噴
射してできた容器内の真空度及び置換率も、精度良く安
定することを見いだし本発明に到達した。
【0015】次に、本発明を図面に基づき詳説する。図
1は、本発明に係る装置を缶飲料で実施する場合の一実
施態様を示す概要説明図である。図に於いて、1は、不
活性ガス量を調整するための不活性ガス圧力調整弁、2
は、不活性ガス圧力計、3は、不活性ガスの流量を調整
する流量計付き不活性ガス流量調整弁、4は、不活性ガ
ス逆止弁である。また、8は、蒸気量を調整するための
蒸気圧力調整弁、9は、蒸気量を調整する自動蒸気量調
整弁、10は、蒸気圧力計、11は、蒸気逆止弁であ
る。
【0016】5は、不活性ガスと蒸気とを混合するガス
混合機である。6は、混合されてできた混合ガスの温度
を測定する温度センサー、7は、温度センサーで得られ
た情報を制御信号に変換し、自動蒸気量調整弁9を制御
する制御装置である。また、14は、中味飲料を缶に充
填する充填機、15は、中味飲料が充填された缶のヘッ
ドスペース部分に、移送されてきた混合ガスを噴射する
手段を有した蓋封止装置である。
【0017】図1に示す装置は、まず、不活性ガスを供
給する手段として、高圧の不活性ガス供給源(図示せ
ず)から移送されてくる不活性ガスを、不活性ガス圧力
調整弁1で減圧し、不活性ガス圧力計2により不活性ガ
スの減圧状態を監視しながら、流量計付き不活性ガス流
量調整弁3により混合される不活性ガスの流量を調整
し、ガス混合機5へ不活性ガスを供給するよう構成され
ている。また、この手段には、ガス混合機5へ不活性ガ
スを供給する際の逆流を防止する不活性ガス逆止弁4が
備えられている。
【0018】また、蒸気を供給する手段として、高圧の
蒸気源(図示せず)から移送されてきた蒸気を、蒸気圧
力調整弁8で減圧し、自動蒸気量調整弁9により蒸気の
量を調整して、ガス混合機5へ蒸気を供給するよう構成
されている。また、この手段には、蒸気の減圧状態を監
視する蒸気圧力計10及びガス混合機5へ蒸気を供給す
る際の逆流を防止する蒸気逆止弁11が備えられてい
る。
【0019】そして、上記供給手段から供給される不活
性ガスと蒸気とを混合する手段として、ガス混合機5が
設けられている。更に、この混合ガスの温度を検出し、
蒸気量を制御する手段として、混合ガスの温度を測定す
る温度センサー6がガス混合機5から蓋封止装置15ま
での混合ガス流路に備えられ、この温度センサー6で得
られた情報が制御装置7に送られて制御信号に変換さ
れ、この制御信号により自動蒸気量調整弁9が制御され
るようになっている。なお、制御装置7は、一般に用い
られている装置でよい。
【0020】また、蓋封止装置15は、例えば、本発明
者が先に出願した特願平3−102101号明細書に記
載したように、調整された混合ガスを噴射し、容器のヘ
ッドスペース中の空気を除去し、蓋封止を行うようにな
っている。また、この蓋封止装置15は、容器として缶
を用いる場合、缶蓋マガジンから供給される蓋と、充填
機により飲料が充填されて搬送されてきた缶本体とを、
噴射するガスが通る間隙を有して近接させ、同時に搬送
しながらヘッドスペース中の空気を置換し、その直後に
蓋の封止をする型式のものが好適である。このような蓋
封止装置15としては、例えば、図2に示すようなアン
ダーカバーガッシング装置が挙げられる。この装置は、
図3に示すように、ガッシングターレット35の各ポジ
ション(へこみ部分)に、飲料が充填された缶本体12
が供給され、ガッシングターレット35が回転する間
に、混合ガスが噴射されて、缶本体12のヘッドスペー
ス中の空気が置換され、蓋40が供給されて蓋巻き締め
が行われる。また、液体充填装置14は、一般に使用さ
れているものでよい。
【0021】このような装置を用いて、本発明の密封缶
入り飲料の製造は、例えば、次のようにして行う。すな
わち、容器である缶本体12(蓋が封止されていない空
の状態)を、搬送コンベア13により一定の間隔で連続
に液体充填装置14に搬送する。液体充填装置14に
は、常法により得られたミルクコーヒーの調合液が所定
の温度に昇温された状態で、密閉式のホッパーに貯液さ
れており、その調合液を供給されてくる缶12に同期さ
せて充填していく。充填後は、搬送コンベア13により
ガス噴射手段を備えた蓋封止装置15に搬送する。ここ
で、ガス混合機5によりつくられた混合ガスを噴射し、
ヘッドスペースの空気をそのガスで置換しながら、蓋の
封止を行い製品を得る。
【0022】噴射される混合ガスは、まず、ヘッドスペ
ースに噴射する混合ガスに必要な不活性ガスを、高圧の
ガス供給源から移送し、不活性ガス圧力調整弁1によ
り、所定の圧力に減圧し、次に、流量計付き不活性ガス
流量調整弁3により所定の流量に調整した後、不活性ガ
ス逆止弁4を通してガス混合機5に送る。このとき、不
活性ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガス等もしくはこれ
らの混合物を用いる。一方、蒸気を、高圧の蒸気供給源
から移送し、蒸気圧力調整弁8により所定の圧力に減圧
した後、自動蒸気量調整弁9及び蒸気逆止弁11を通し
てガス混合機5に送る。
【0023】ガス混合機5で、不活性ガスと蒸気とを混
合し、混合ガスをつくる。つくった混合ガスは、ガス噴
射装置を備えた蓋封止装置15へ送るが、その途中で温
度センサー6により温度を測定する。制御装置7は、温
度センサー6に得られた情報と、目標値との差を演算
し、その結果により自動蒸気量調整弁9を制御する。即
ち、温度調整された混合ガスができあがる。
【0024】混合ガスの供給量は、蓋封止後の容器内の
真空度及び置換率に合せて設定する。すなわち、目的と
する真空度及び置換率に基づいて供給する混合ガスの温
度を設定し、制御装置7に登録しておく。そして、実際
に検出した温度との差を演算し、自動蒸気量調整弁9を
調整し、蒸気量の制御を行う。
【0025】また、本発明に於いて使用する容器は、缶
に限定されず、ガラス、プラスチック等を素材とする瓶
等でもよい。また、充填する内容物は、果汁、コーヒ
ー、乳飲料等の飲料の他、缶詰めにされる固形食品等で
ある。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、密封容
器入り食品を製造する際、内容物が充填された容器のヘ
ッドスペース中の空気を除去するのに使用する不活性ガ
スと蒸気とからなる混合ガスの供給量を精度良く制御で
き、これにより、一定の品質の製品を製造することが可
能となった。
【0027】また、本発明によれば、充填スピードの変
更による不活性ガス流量の変更に対しても、混合ガスの
状態を温度で検出して制御するので、従来のように、変
更の度に、適正な供給蒸気圧力を検索することなく、容
器内の真空度及び置換率を容易に所望の値にコントロー
ルすることができる。
【0028】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。 〔実施例〕前述の図1並びに図1の要部拡大図である図
2及び図3に示す装置を用い、容器として、満量260
ccのスチール缶(3ピース)を使用した。充填する液
は、常法により調合された一般的なミルクコーヒー液を
使用し、充填時の液温は80〜85℃で、充填液量は2
40〜250ccの範囲となるようにした。また、液の
充填スピードは毎分450缶で、このスピードは蓋封止
装置と同期させた。そして、ヘッドスペースに噴射する
混合ガスは、真空度の目標値を25cmHg、置換率の
目標を95%として設定した。すなわち、不活性ガス
は、窒素ガスを毎分200NL/分とし、混合ガスの温
度は、中心値で75℃となる様に設定して蒸気量の制御
を行うこととした。また、通常、缶コーヒーの製造の場
合は、蓋封止後、レトルト殺菌を行う必要があるので、
本実施例に於いてもそれを実施した。以上の方法により
実施した結果を表1に示す。
【0029】〔比較例〕図4に示すような従来の装置を
用いて実施した。尚、容器の種類、内容液、充填温度、
充填量、窒素ガス流量、充填スピード、及び目標とする
容器内の真空度等は、すべて実施例と同一条件、同一目
標にて実施した。まず、ヘッドスペースに噴射する混合
ガスに必要な不活性ガスは、高圧のガス供給源(図示せ
ず)から移送し、不活性ガス減圧弁21により所定の圧
力に減圧し、流量計付き不活性ガス流量調整弁23によ
り所定の流量に調整した後、不活性ガス逆止弁24を通
してガス混合機26に送った。一方、蒸気は、高圧の蒸
気供給源(図示せず)から移送し、蒸気減圧弁18で所
定の圧力に初期減圧(1段階目)し、更に2段階目の減
圧を、減圧弁19により行い、蒸気逆止弁25を通して
ガス混合機26に送った。
【0030】ガス混合機26で、蒸気と不活性ガスが混
合されて混合ガスができあがった。混合ガスの調整は、
2段階目の蒸気減圧弁19の調整を主とした。できあが
った混合ガスを、ガス噴射手段を備えた蓋封止装置へ移
送した。一方、容器である缶27を空缶(蓋が封止され
ていない空の状態)の状態で搬送コンベア28により一
定の間隔で液体充填装置30に搬送した。液体充填装置
30には、常法により得られたミルクコーヒーの調合液
が所定の温度に昇温された状態で、密閉式のホッパーに
貯液されており、その調合液を、供給されてくる空缶2
7に同期させて充填した。充填後は、搬送コンベア28
によりガス噴射手段を備えた蓋封止装置に搬送し、ここ
で、前述のガス混合機26によりつくった混合ガスを噴
射し、ヘッドスペースの空気をそのガスで置換しながら
蓋の封止を行い、製品を得た。尚、実施例と同様、蓋封
止後は、レトルト殺菌を実施した。以上の方法により実
施した結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】以上の結果より、比較例に比べて実施例
は、真空度及び置換率のばらつきが目標値に対して非常
に小さいことがわかる。
【0033】また、実施例に於いて供給蒸気圧は、圧力
計での読み取り値としては変化していないが、混合ガス
温度が74〜76℃の範囲に制御された結果から、熱量
計算により、微圧変化の程度を算出すると以下の通りと
なる。算出の条件は、以下の2種のガスが混合されて7
0℃の混合ガスになったと仮定する。
【0034】
【表2】
【0035】更に、窒素ガスと空気は、熱量計算上、そ
の比熱の差は微差であるので、湿り空気の定数を使用す
る。ここで、30℃の空気が70℃になるために必要な
熱量は、その定圧比熱を0.24(cal/g)とし
て、 200(NL/Min)×28.96×(70−30
℃)×0.24=2.482(Kcal)となる。 一方、湿り空気表より、30℃及び70℃の飽和蒸気量
(湿り空気の中に蒸気として存在できる量)は、1Kg
当り70℃で0.2763Kg、30℃で0.0271
8Kgである。空気量は258.571gであるから、
混合する蒸気が湿り空気の中に存在できる量は、 258.571÷1000×(0.2763−0.02
718)=0.064Kgとなる。
【0036】また、100℃及び70℃の飽和蒸気エン
タルピーは、それぞれ 100℃で639.2(Kcal/Kg) 70℃で627.4(Kcal/Kg) であるので、100℃の飽和蒸気が70℃になったとき
に失われる熱量は、 0.064(Kg)×(639.2−627.4)=0.7552(Kcal )……(1) となり、凝縮により失われる熱量は、 (X−0.064)Kg×539……(2) となる。従って、求める熱量は(1)+(2)=2.4
82Kcalより、X=0.067Kgとなる。
【0037】次に、表2に示す2種のガスが混合されて
80℃の混合ガスになったと仮定する。ここで、30℃
の空気が80℃になるために必要な熱量は、その定圧比
熱を0.24(cal/g)として、 200(NL/Min)×28.96×(80−30
℃)×0.24=3.103(Kcal)となる。 一方、湿り空気表より、30℃及び80℃の飽和蒸気量
(湿り空気の中に蒸気として存在できる量)は、1Kg
当り80℃で0.546Kg、30℃で0.02718
Kgである。空気量は258.571gであるから、混
合する蒸気が湿り空気の中に存在できる量は、 258.571÷1000×(0.546−0.027
18)=0.1342Kgとなる。
【0038】また、100℃及び80℃の飽和蒸気エン
タルピーは、それぞれ 100℃で639.2(Kcal/Kg) 80℃で631.5(Kcal/Kg) であるので、100℃の飽和蒸気が80℃になったとき
に失われる熱量は、 0.1342(Kg)×(639.2−631.5)=1.033(Kcal )……(3) となり、凝縮により失われる熱量は、 (X−0.1342)Kg×539……(4) となる。従って、求める熱量は(3)+(4)=3.1
02Kcalより、X=0.138Kgとなる。
【0039】以上により、1時間当りでは、混合ガスが
80℃になったときは、8.28Kg/H、70℃にな
ったときは、4.02Kg/Hの蒸気量になっていると
考えられる。ここで、温度の分解能が、圧力の分解能に
対して、どの程度であるかを算出するために、仮に口径
5mmの配管に同一時間で8.28Kg/Hと4.02
Kg/Hの蒸気をそれぞれ流したとすると、80℃では
0.4Kg/cm2 G、70℃では0.1Kg/cm2
Gとなる。従って、その数字から混合ガス74〜76℃
の温度変化に対する圧力の変化は概数で、0.22〜
0.28Kg/cm2 Gとなり、1/100Kg/cm
2 Gオーダーの微圧変化であることがわかる。即ち、従
来の圧力計の分解能で検出困難であった混合ガスの供給
量変化を、温度を検出することで容易に制御できること
になったわけである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の一実施態様を示す概要説明
図。
【図2】図1の要部拡大説明図。
【図3】図2の装置の使用状態説明図。
【図4】従来技術を示す説明図。
【符号の説明】
1 不活性ガス圧力調整弁 2 不活性ガス圧力計 3 流量計付き不活性ガス流量調整弁 4 不活性ガス逆止弁 5 ガス混合機 6 温度センサー 7 制御装置 8 蒸気圧力調整弁 9 自動蒸気量調整弁 10 蒸気圧力計 11 蒸気逆止弁 12 缶本体 13 搬送コンベア 14 液体充填装置 15 ガス噴射装置を備えた缶蓋封止装置 16 製品 17 搬送コンベア 35 ガッシングターレット 36 混合ガス噴射ノズル 40 蓋

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器に内容物を充填し、不活性ガスと蒸
    気とからなる混合ガスを噴射して、この容器のヘッドス
    ペース中の空気を上記混合ガスで置換しながら蓋の封止
    を行う密封容器入り食品の製造方法に於いて、上記混合
    ガスの温度を検出することにより蒸気量を制御すること
    を特徴とする密封容器入り食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 不活性ガスを供給する手段と、蒸気を供
    給する手段と、供給される不活性ガスと蒸気とを混合す
    る手段と、この混合ガスの温度を検出し、蒸気量を制御
    する手段と、混合ガスを噴出して、内容物が充填された
    容器のヘッドスペース中の空気を混合ガスで置換しなが
    ら蓋の封止を行う手段とからなることを特徴とする密封
    容器入り食品の製造に用いる装置。
JP33257491A 1991-11-20 1991-11-20 密封容器入り食品の製造方法及びそれに用いる装置 Expired - Fee Related JP2888685B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33257491A JP2888685B2 (ja) 1991-11-20 1991-11-20 密封容器入り食品の製造方法及びそれに用いる装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33257491A JP2888685B2 (ja) 1991-11-20 1991-11-20 密封容器入り食品の製造方法及びそれに用いる装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05147614A JPH05147614A (ja) 1993-06-15
JP2888685B2 true JP2888685B2 (ja) 1999-05-10

Family

ID=18256446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33257491A Expired - Fee Related JP2888685B2 (ja) 1991-11-20 1991-11-20 密封容器入り食品の製造方法及びそれに用いる装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2888685B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4669101B2 (ja) * 2000-02-23 2011-04-13 昭和炭酸株式会社 炭酸飲料缶のヘッドスペースの気体の置換装置
JP4429008B2 (ja) * 2003-12-22 2010-03-10 サントリーホールディングス株式会社 ガス置換装置およびガス置換方法
JP4503308B2 (ja) * 2004-02-13 2010-07-14 日本クラウンコルク株式会社 金属薄板製容器のための容器蓋
CN110329590A (zh) * 2019-08-12 2019-10-15 温州市途麦机械有限公司 一种在线灌装充氮气装置
JPWO2021221083A1 (ja) * 2020-04-30 2021-11-04
CN111483956A (zh) * 2020-05-18 2020-08-04 楚天科技股份有限公司 瓶体加塞充气板及瓶体加塞机构

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05147614A (ja) 1993-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5033254A (en) Head-space calibrated liquified gas dispensing system
JP2001261096A (ja) 容器を流動状充填材料で充填するための装置ならびに方法
JP2888685B2 (ja) 密封容器入り食品の製造方法及びそれに用いる装置
US20220289546A1 (en) Method of filling and closing containers, such as bottles and similar containers, for containing products, such as beverages and similar products
EP0655610A3 (en) Dynamic fluid level and bubble inspection for quality and process control
AU609616B2 (en) Sublimation method
JPH0314719B2 (ja)
JPS6366736B2 (ja)
JPH05277348A (ja) 液体への気体溶解方法
CN113795455B (zh) 用于以液态灌装物灌装容器的灌装机和方法
JP2023101635A (ja) 充填方法および充填装置
US20060162808A1 (en) Method and device for filling a drinks container with a drink produced from an initial liquid, and corresponding drink container
JPH0413989B2 (ja)
CN214693241U (zh) 用于包装碳酸饮料的灌装线
US20040107839A1 (en) Method of serving heated beverages
US11999605B2 (en) Method for filling and closing containers
US20230146359A1 (en) Method for monitoring a container treatment installation
TW483854B (en) Input control for rotary sealing turret
JP7304779B2 (ja) 充填方法および充填装置
GB2203417A (en) Filling containers
AU2003238967A1 (en) Method of serving heated beverages
WO1994019614A1 (en) Gas mixtures
WO2023112991A1 (ja) 粉体缶詰、粉体缶詰の製造方法及び製造装置
JP6767910B2 (ja) 容器入り飲料の製造方法及び製造装置
JP2021167208A (ja) 充填方法および充填装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees