JP2888169B2 - 誘導電動機の制御方法及び装置 - Google Patents

誘導電動機の制御方法及び装置

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JP2888169B2
JP2888169B2 JP7155217A JP15521795A JP2888169B2 JP 2888169 B2 JP2888169 B2 JP 2888169B2 JP 7155217 A JP7155217 A JP 7155217A JP 15521795 A JP15521795 A JP 15521795A JP 2888169 B2 JP2888169 B2 JP 2888169B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、任意の出力電圧及び出
力周波数を得ることができるインバータによって誘導電
動機を制御する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】PWM制御インバータを用いて三相誘導
電動機を加速させる場合、加速勾配(単位時間当りの周
波数増加幅)が大きい場合や負荷側の慣性が電動機回転
子の慣性に比べて非常に大きい場合、電動機に過大な電
流が流れる。この電流がPWMインバータの許容範囲外
になるとインバータの過電流保護機能が働き、インバー
タが停止状態となり、電動機が加速不可能となる。即
ち、従来の方式では、電動機電流の相電流(二相又は三
相)を検出して、この三相全波整流電流値、又はその平
均電流値等を過電流レベルと比較し、過電流レベルを越
えた時点で、PWM制御インバータの出力を遮断(全ア
ームのスイッチをオフ)とし、検出電流が過電流レベル
を下回ったら再びインバータを動作させた。過電流保護
の別の従来方法として、検出電流が過電流レベルを越え
たら、インバータの出力周波数の加速勾配を緩やかにす
るか、又は加速勾配をゼロにし、過電流レベルを下回っ
たらもとの加速勾配で加速する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のイン
バータを停止する方法では、電流は抑制されるが、電動
機の無制御状態が瞬時的に生じ、トルクが出なくなる。
従って、過電流状態が解除された後に再びインバータを
所定の加速勾配に従って駆動しても電動機の速度の上昇
に遅れが生じ、十分な加速が不可能になり、目標速度に
達するまでの所要時間が長くなる。また、インバータの
出力を瞬時的に遮断することによって、等価的にインバ
ータの平均スイッチング周波数が低下し、それに伴い電
動機電流にもその周波数が重畳され、電動機から耳ざわ
りな騒音が発生すると言った欠点がある。また、従来の
過電流時に加速勾配を緩やかにするか、又はゼロにする
方法では、インバータの出力電流を直ぐに低下させるこ
とができず、電流が過電流レベルを大幅に越えたままに
なることがある。更に、電動機電流(相電流)のピーク
レベルが一定にならず、トルクも振動的に変化する。ま
た、慣性が小さい場合には、加速勾配の変化中に電動機
の実速度が指令速度を上回ることがある。この場合には
減速トルクが発生してしまい、円滑な加速が困難にな
る。
【0004】そこで、本発明の目的は、加速制御時に過
電流状態が生じても円滑な加速を行うことができる誘導
電動機の制御方法及び装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本願の方法の発明は、任意の出力電圧及び出力周波数
を得ることができるインバータによって誘導電動機を制
御する方法であって、前記インバータの目標出力周波数
F0よりも実際の出力周波数Fnが低い時に両者の差を
解消するために実際の出力周波数Fnを勾配を有して増
大させるための所定の加速勾配ΔF0を設定するステッ
プと、前記目標出力周波数F0と前記実際の出力周波数
Fnとの差を解消するために前記所定の加速勾配ΔF0
に従って前記実際の出力周波数Fnを上昇させるステッ
プと、前記所定の加速勾配ΔF0による前記実際の出力
周波数Fnの上昇中の前記インバータの出力電流が所定
の過電流レベルを越えたか否かを判断するステップと、
前記出力電流が前記過電流レベルを越えている時間(T
a)を計測するステップと、前記出力電流が前記所定の
過電流レベルを越えていない時には前記所定の加速勾配
ΔF0に従って前記実際の出力周波数Fnを上昇させる
が、前記出力電流が前記所定の過電流レベルを越えてい
る時には負の加速勾配−ΔFaによって前記実際の出力
周波数Fnを下げるステップと、前記出力電流が前記過
電流レベルよりも低いレベルに復帰した時点を検出する
ステップと、前記出力電流が前記過電流レベルよりも低
いレベルに復帰した時点の直後に、前記出力電流が過電
流レベルになる直前の加速勾配よりも傾きの緩い新しい
加速勾配ΔFnを、ΔFn=(ΔFn−1)−{(Ta
×ΔFn−1)/(Fn−1×K)}(但し、ΔFn−
1は過電流状態になる直前の加速勾配、Fn−1は新加
速勾配計算直前の出力周波数、Taは出力電流が過電流
レベルを越えている時間幅、Kは定数である。)によっ
て決定し、この新しい加速勾配によって前記実際の出力
周波数(Fn)を上昇させるステップとを備えているこ
とを特徴とする誘導電動機の制御方法に係わるものであ
る。本願の装置の発明は、任意の出力電圧及び出力周波
数を得ることができるインバータによって誘導電動機を
制御する装置であって、前記インバータの目標出力周波
数F0を設定する出力周波数設定手段と、前記インバー
タの目標出力周波数F0よりも実際の出力周波数Fnが
低い時に両者の差を解消するために実際の出力周波数F
nを勾配を有して増大させるための所定の加速勾配ΔF
0を設定する加速勾配設定手段と、前記インバータの出
力電流を検出するための電流検出器と、前記電流検出器
で検出された出力電流が所定の過電流レベルを越えてい
るか否かを検出するための過電流検出器と、前記出力電
流が前記過電流レベルを越えている時間幅(Ta)を計
測する過電流時間計測器と、前記目標出力周波数F0と
前記実際の出力周波数Fnとの差に基づいて前記加速勾
配による加速の必要性を判断し、加速の必要性のある時
には前記所定の加速勾配ΔF0に従って前記実際の出力
周波数Fnを上昇させ、前記所定の加速勾配ΔF0によ
る前記実際の出力周波数Fnの上昇中に前記インバータ
の出力電流が所定の過電流レベルを越えた時には、負の
加速勾配−ΔFaによって前記実際の出力周波数Fnを
下げるように前記インバータを制御する加速勾配制御回
路と、前記出力電流が前記過電流レベルよりも低いレベ
ルに復帰した時点を検出する過電流復帰検出器と、前記
出力電流が前記過電流レベルよりも低いレベルに復帰し
た時点の直後に、前記出力電流が過電流レベルになる直
前の加速勾配よりも傾きの緩い新しい加速勾配ΔFn
を、ΔFn=(ΔFn−1)−{(Ta×ΔFn−1)
/(Fn−1×K)}(但し、ΔFn−1は過電流状態
になる直前の加速勾配、Fn−1は新加速勾配計算直前
の出力周波数、Taは出力電流が過電流レベルを越えて
いる時間幅、Kは定数である。)によって決定し、この
新しい加速勾配によって前記実際の出力周波数(Fn)
を上昇させる手段とを備えていることを特徴とする誘導
電動機の制御装置に係わるものである。
【0006】
【発明の作用及び効果】各請求項の発明によれば、加速
勾配制御即ちインバータの出力周波数を時間と共に高め
る制御を実行している時に過電流状態が発生すると、負
の加速勾配の制御を行う。このために、インバータの動
作を継続させつつ出力電流の抑制を行うことができる。
これにより、過電流解消後における加速が比較的迅速に
達成され、円滑な加速が達成される。また、過電流解消
後には過電流発生直前の加速勾配よりも緩い加速勾配
過電流レベルを越えている時間幅(Ta)を考慮して決
定し、この加速勾配によって出力周波数を制御するの
で、再び過電流状態が生じることを抑制しつつ円滑に加
速を進めることができる。
【0007】
【実施例】次に、図1〜図6を参照して本発明の実施例
に係わる誘導電動機の制御方法及び装置を説明する。図
1に示すように誘導電動機の制御装置は、3相交流電源
端子1に接続された3相整流平滑回路2と、この一対の
直流出力端子2a、2b間に接続された3相インバータ
回路3と、インバータ回路3に接続された3相誘導電動
機4と、インバータ制御回路5と、第1及び第2の電流
検出器6a、6bと、加速勾配制御回路7と、電動機の
速度設定器としての働きを有するインバータ出力周波数
設定器8と、出力周波数生成器9とから成る。
【0008】インバータ回路3は周知の3相ブリッジ型
インバータ回路であって、6個のIGBT即ち絶縁ゲー
ト・バイポーラ・トランジスタから成る第1〜第6のス
イッチQ1 〜Q6 を3相ブリッジ接続し、各スイッチQ
1 〜Q6 に逆並列に帰還用ダイオードD1 〜D6 を接続
したものである。即ち、第1及び第2のスイッチQ1、
Q2 の直列回路から成る第1相アームと、第3及び第4
のスイッチQ3 、Q4の直列回路から成る第2相アーム
と、第5及び第6のスイッチQ5 、Q6 の直列回路から
成る第3相アームを直流電源端子としての整流平滑回路
2の出力端子2a、2bにそれぞれ接続し、各相アーム
の中点から出力ライン3a、3b、3cを導出したもの
である。
【0009】誘導電動機4は、1次巻線4a、4b、4
cから成る固定子の他に回転子(図示せず)を有し、こ
の回転子に負荷が結合されているものである。なお、こ
の実施例では1次巻線4a、4b、4cがY結線され、
インバータ回路3の出力ライン3a、3b、3cに接続
されている。
【0010】インバータ制御回路5は、インバータ回路
3のスイッチQ1 〜Q6 を3相PWM制御すると共にV
/f=一定(但しVはインバータ出力電圧、fはインバ
ータ出力周波数)となるように制御するものである。
【0011】電流検出器6a、6bはインバータ回路3
の出力ライン3a、3cに結合され、インバータ出力電
流即ち電動機入力電流を検出する。この電流検出器6
a、6bは加速勾配制御回路7に接続され、過電流時の
加速勾配の制御に利用されている。なお、この電流検出
器6a、6bは加速時以外の電流検出にも勿論使用され
る。
【0012】加速勾配制御回路7は、加速勾配制御を実
行すると共に、この加速勾配制御中において過電流状態
が発生した時に新しい加速勾配制御を実行するものであ
る。
【0013】出力周波数設定器8は、電動機4の目標回
転速度に対応するインバータの目標出力周波数を示すア
ナログ値(例えば電圧値)又はディジタル値を設定する
ものである。
【0014】出力周波数生成器9は、加速勾配制御回路
7から与えられた加速勾配指令と出力周波数設定器8か
ら与えられたインバータの目標出力周波数とに基づいて
インバータの出力周波数指令を示すアナログ値又はディ
ジタル値をインバータ制御回路5に与えるものである。
【0015】図2は図1のインバータ制御回路5の詳細
を示すものである。このインバータ制御回路5は例えば
特開昭57−40369号公報で周知のV/f=一定の
制御を行うと共にPWM制御を行うものであって、出力
周波数指令ライン11と、電圧決定回路12と、三相正
弦波発生器13と、三角波キャリア発生器14と、3つ
の比較器15、16、17と、ゲートドライブ回路18
とから成る。出力周波数指令ライン11は図1の出力周
波数指令生成器9に接続され、インバータの目標周波数
指令値を電圧決定回路12及び三相正弦波発生回路13
に与える。電圧決定回路12は、ライン11の周波数指
令値Fn に応答してVn /Fn =一定の条件に従う出力
電圧Vn を特性線12aで示すように発生する。三相正
弦波発生器13は、ライン11の周波数指令値Fn で指
定された周波数の三相正弦波電圧Vsu、Vsv、Vswを図
4(A)に示すように発生する。この電圧Vsu、Vsv、
Vswの振幅は電圧決定回路12の電圧Vn に比例するよ
うに制御される。三角波キャリア発振器14は図4に示
すように正弦波電圧Vsu、Vsv、Vswの周波数(例えば
0〜50Hz)よりも十分に高い周波数(例えば20kHz
)の三角波電圧Vtを発生する。比較器15、16、1
7は正弦波電圧Vsu、Vsv、Vswと三角波電圧Vt とを
比較して図4(B)(C)(D)のPWMパルスを出力
する。ゲートドライブ回路18は比較器15、16、1
7から得られた図4(B)(C)(D)のPWM信号を
第1、第3及び第5のスイッチQ1 、Q3 、Q5 のゲー
ト(制御電極)に与えると共に、図4(B)(C)
(D)と逆相のPWM信号を第2、第4及び第6のスイ
ッチQ2 、Q4 、Q6 に与える。なお、この実施例では
三相正弦波発生器13がメモリとD/A変換器で構成さ
れている。このメモリには多数の電圧レベルの正弦波デ
ータが格納されており、電圧決定回路12の電圧Vnに
相当する正弦波データがライン11の周波数Fn に対応
するクロックで読み出され、これがD/A変換されて正
弦波となる。
【0016】図3は図1の加速勾配制御回路7を詳しく
示すものである。この加速勾配制御回路7は、正常加速
時における加速勾配指令をアナログ又はディジタル値で
与える加速勾配設定器21の他に、過電流時における加
速勾配指令を形成するために過電流検出器22、過電流
レベル設定器23、カウンタ24、過電流復帰検出器2
5、及び加速勾配生成器26を有する。なお、加速勾配
設定器21、加速勾配生成器26は出力周波数生成器9
と共にマイクロコンピュータ即ちマイクロプロセッサで
構成されている。
【0017】過電流検出器22は、電流検出器6a、6
bで検出されたインバータ出力電流に対応した電圧と過
電流レベル設定器23で設定された過電流レベルImax
に対応した電圧とを電圧コンパレータで比較し、過電流
期間を示す信号を出力するものである。この過電流検出
器22からは例えば図6(A)のように出力電流が過電
流レベルImax 以上の期間t2 〜t3 において高レベル
出力を発生し、その他で低レベル出力を発生する。
【0018】過電流検出器22に接続されたカウンタ2
4は、出力電流が過電流レベルImax 以上になる時間幅
Ta を計測するものであり、計測結果をディジタル値で
加速勾配生成器26に送る。
【0019】過電流検出器22に接続された過電流復帰
検出器25は、インバータ出力電流が過電流レベルIma
x よりも下回る時点即ち図6の過電流復帰時点t3 を検
出し、これを加速勾配生成器26に与えるものである。
【0020】加速勾配生成器26は、加速動作(負の加
速動作も含む)に必要な加速勾配指令ΔFを示すデータ
を発生するものである。電動機4の加速勾配はインバー
タの出力周波数の単位時間当りの増加幅に相当する。こ
の実施例では加速勾配生成器26がマイクロコンピュー
タで構成されており、一定の演算周期(例えば数msec
)で加速勾配指令データを発生するように構成されて
いる。従って、各周期毎にインバータの周波数を変化さ
せると加速勾配が変化する。加速勾配指令としての周波
数値が大きくなるに従って加速勾配が大きくなり、この
周波数を負の値にすると出力周波数が低下し、減速勾配
になる。インバータの出力電流が過電流状態にならない
場合には、加速勾配設定器21で設定された定常時の加
速勾配ΔFn がそのまま加速勾配生成器26の出力とな
って出力周波数指令生成器9に送られる。また、過電流
状態になった時には、加速勾配設定器21で設定した定
常時加速勾配ΔFn とは異なる新しい加速勾配−ΔFa
を与える。
【0021】図5は図1のマイクロコンピュータで構成
された出力周波数指令生成器9及び図3の加速勾配生成
器26の動作を示す簡易フローチャートである。図5に
おいて出力周波数生成器9に対応する部分と加速勾配生
成器26に対応する部分が点線で囲んだ領域で区別され
ている。まず、ステップS0 でインバータの出力周波数
指令を与えるためのプログラムがスタートすると、次の
ステップS1 に示すように加速勾配設定器21によって
初期加速勾配即ち正常時加速勾配ΔF0 が設定される。
次に、ステップS2 において、出力周波数設定器8で設
定した最終目標出力周波数F0 よりも出力周波数生成器
9が発生している現在の出力周波数Fnが小さいか否か
を判定する。この判定結果が小さくないことを示さない
NOの出力の時には加速が不要であるので、ステップS
11に進み、加速動作は発生しない。一方、ステップS2
の判定結果がFn がF0 よりも小さいことを示すYES
の出力の時には、加速勾配制御に移り、まずステップS
3 で過電流検出器22で過電流が検出されているか否か
が判定される。過電流が検出されていないNOの出力の
時にはステップS4 で過電流復帰検出器25から過電流
復帰信号Iccが発生した後か否かが判定される。この判
定結果が過電流復帰信号Iccが発生していないことを示
すNOの出力の場合にはステップS7 に移り、加速勾配
信号ΔFn としてステップS1 で設定した加速勾配設定
器21の正常時加速勾配信号ΔF0 を出力する。この正
常時加速勾配信号ΔF0 は既に説明したように所定時間
(単位時間)に変化させる周波数値で与えられ、次のス
テップS8 において1つ前の出力周波数Fn-1 に加算さ
れる。次に、ステップS9 で1つ前の出力周波数Fn-1
がステップS8 で決定された新しい出力周波数Fn に更
新される。次に、ステップS10において現在の出力周波
数Fn が目標出力周波数F0 以上か否かが判断される。
この判定結果がFn がF0 以上を示すYESの時には加
速が不要であるので、ステップS11に移る。ステップS
11では、出力周波数Fn が目標出力周波数F0 以上の時
に目標出力周波数F0 に制限してこの値をインバータ制
御回路5に送り、ステップS13で加速動作を終了させ
る。ステップS10でFn がF0 以上でないことを示すN
Oの出力が得られた時にステップS3 に戻り、加速動作
を繰返す。上述の正常加速時の出力電流及び出力周波数
は図6のt1 〜t2 区間で示されている。即ち、過電流
が検出されていない時には出力周波数がt1 〜t2 のΔ
F0 の傾きで変化する。
【0022】
【過電流区間動作】ステップS3 で過電流の検出を示す
YESの出力が得られた時にはステップS12に移る。こ
のステップS12では加速勾配ΔFとして負の極性の加速
勾配−ΔFa を発生させ、これを出力周波数生成器9に
送る。この負の加速勾配−ΔFa とは図6(B)のt2
〜t3 区間に示す減速勾配である。この負の加速勾配−
ΔFa はステップS8 において前の出力周波数Fn-1 に
加算される。負の極性の加速勾配を加算するということ
は図6(B)のt2 〜t3 区間に示すように出力周波数
を下げることを意味する。次に、ステップS9 において
1つ前の出力周波数Fn-1 が新しい出力周波数Fn に更
新される。次に、ステップS10で現在の出力周波数Fn
が目標出力周波数F0 に達したか否かが判定され、達し
ている時には前述したステップS11の動作を経て加速制
御が終了し、達していない時にはステップS3 に戻って
加速動作を続ける。次のサイクルにおいても過電流中で
あればステップS12の動作が再び生じる。ステップS12
に従って負極性の加速勾配を与えると、過電流状態は比
較的短時間の内に解消する。なお、過電流期間中におい
ては、この時間幅Ta の計測がカウンタ24で実行さ
れ、また過電流復帰時点の検出が過電流復帰検出器25
で行われている。
【0023】
【過電流後の動作】図6のt3 で過電流が解消される
と、ステップS3 の出力がNOになり、ステップS4 に
移る。ステップS4 では図6のt3 時点に同期して過電
流復帰信号Iccが得られたことを示すYESの出力が発
生する。これにより、次のステップS5 に移り、 ΔFn =ΔFn-1 −{(Ta ×ΔFn-1 )/(Fn-1 ×
K)} の演算が実行される。但し、ここで、ΔFn は新しい加
速勾配、ΔFn-1 は過電流状態になる直前(t2 の直
前)の加速勾配、Fn-1 は新加速勾配計算直前(t3 )
の出力周波数、Ta は出力電流が過電流レベルを越えて
いる時間即ちカウンタ24の出力、Kは定数である。な
お、ステップS5 のΔFn の演算はステップS4 で過電
流復帰信号Iccが得られた後の1回目のサイクルのみで
実行される。2回目以後はステップS4 の出力がNOと
なる。次に、ステップS6 において、過電流復帰信号I
ccがクリア即ちオフにされ、且つカウンタ24の計測時
間幅Ta がクリアされ、且つ直前の加速勾配ΔFn-1が
新しい加速勾配ΔFn に更新される。次に、新しい加速
勾配ΔFn はステップS8 で直前の出力周波数Fn-1 に
加速される。次に、ステップS9 において1つ前の出力
周波数Fn-1 が新しい出力周波数Fn に更新される。次
に、ステップS10において出力周波数Fn が目標出力周
波数F0 以上か否かが判定される。以上でない時にはス
テップS3 に戻る。以上の時には周波数F0 が出力され
る。なお、出力周波数Fn が目標出力周波数F0 よりも
高い時にはステップS11で目標出力周波数F0 に制限し
てこれをインバータ制御回路5に送る。過電流後の加速
勾配ΔFn は図6のt3 〜t4 区間に示すように、t1
〜t2の正常時の加速勾配ΔF0 よりも緩い。また、t3
〜t4 区間の加速勾配ΔFnは過電流時間幅Ta を考慮
して決定しているので、再び過電流状態を生じることを
防ぎ且つ出来るだけ短時間で目標出力周波数F0 に達す
るための最適値である。
【0024】t4 時点で出力周波数Fn が目標周波数F
0 に達した後はFn =F0 の制御が行われる。なお、イ
ンバータ出力電圧Vは図6(B)の出力周波数Fn と同
様の傾きを有するように変化させる。即ち前述したよう
にV/f=V/Fn =一定の条件を満足するように出力
電圧Vを制御する。
【0025】上述の実施例の装置では、電動機4の起動
スイッチ(図示せず)の操作又は速度切替スイッチ(図
示せず)の操作に応答して加速勾配生成器26が動作を
開始し、これによる加速制御中において、過電流状態が
生じても、インバータの駆動を遮断させないで負の極性
の加速勾配を与えるので、加速中の失速を防止すること
ができ、またインバータ遮断による騒音の発生の問題を
解決することができる。また、電動機4の滑りを小さく
して電動機電流を一定に保つことができる。また、過電
流復帰後には過電流時間幅Ta を考慮して過電流発生直
前よりも緩い新しい加速勾配を決定し、これにて加速制
御するので、電動機4の負荷が未知のものであっても、
その慣性の大きさに見合った最適の加速勾配による制御
が可能になり、インバータの加速時間の設定や調整が不
要になるばかりでなく、短時間且つ円滑に目標出力周波
数即ち目標回転数に到達させることができる。また、電
動機4の電流検出のために高速サンプリングすることが
不要であり、また、加速勾配の演算周期を数msec とす
ることができるため、制御装置を比較的安価に構成し得
る。
【0026】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 図2の電圧決定回路12及び三相正弦波発生器
13をアナログ回路とすることができる。 (2) 三相正弦波発生器13からディジタル値で正弦
波データを発生させ、三角波キャリア発振器14からデ
ィジタル値で三角波データを発生させ、比較器15、1
6、17をディジタル比較器とすることができる。 (3) 出力周波数設定器8、出力周波数生成器9、加
速勾配設定器21、加速勾配生成器26をアナログ回路
で形成することができる。 (4) 図5のステップS5 で時間幅Ta の代りに所定
の係数を使用し、過電流直前の加速勾配ΔF0 よりも緩
い所定の加速勾配を発生させ、図6のt3 〜t4 区間の
出力周波数を得ることができる。 (5) スイッチQ1 〜Q6 をIGBT以外のMOSF
ET等の種々の半導体スイッチとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の誘導電動機の制御装置を示す回路図で
ある。
【図2】図1のインバータ制御回路を詳しく示すブロッ
ク図である。
【図3】図1の加速勾配制御回路を詳しく示すブロック
図である。
【図4】図2のインバータ制御回路の各部の状態を示す
波形図である。
【図5】図1の加速勾配制御回路及び出力周波数生成器
の動作を示す流れ図である。
【図6】加速時における図1のインバータの出力電流及
び出力周波数の変化を示す図である。
【符号の説明】
3 インバータ回路 4 誘導電動機 5 インバータ制御回路 7 加速勾配制御回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02P 3/00 - 3/26 H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の出力電圧及び出力周波数を得るこ
    とができるインバータによって誘導電動機を制御する方
    法であって、 前記インバータの目標出力周波数(F0)よりも実際の
    出力周波数(Fn)が低い時に両者の差を解消するため
    に実際の出力周波数(Fn)を勾配を有して増大させる
    ための所定の加速勾配(ΔF0)を設定するステップ
    と、 前記目標出力周波数(F0)と前記実際の出力周波数
    (Fn)との差を解消するために前記所定の加速勾配
    (ΔF0)に従って前記実際の出力周波数(Fn)を上
    昇させるステップと、 前記所定の加速勾配(ΔF0)による前記実際の出力周
    波数(Fn)の上昇中の前記インバータの出力電流が所
    定の過電流レベルを越えたか否かを判断するステップ
    と、前記出力電流が前記過電流レベルを越えている時間(T
    a)を計測するステップと、 前記出力電流が前記所定の過電流レベルを越えていない
    時には前記所定の加速勾配(ΔF0)に従って前記実際
    の出力周波数(Fn)を上昇させるが、前記出力電流が
    前記所定の過電流レベルを越えている時には負の加速勾
    配(−ΔFa)によって前記実際の出力周波数(Fn)
    を下げるステップと、 前記出力電流が前記過電流レベルよりも低いレベルに復
    帰した時点を検出するステップと、 前記出力電流が前記過電流レベルよりも低いレベルに復
    帰した時点の直後に、前記出力電流が過電流レベルにな
    る直前の加速勾配よりも傾きの緩い新しい加速勾配ΔF
    nを、 ΔFn=(ΔFn−1)−{(Ta×ΔFn−1)/(Fn−1×K)} (但し、ΔFn−1は過電流状態になる直前の加速勾
    配、 Fn−1は新加速勾配計算直前の出力周波数、 Taは出力電流が過電流レベルを越えている時間幅、 Kは定数である。)によって決定し、この 新しい加速勾
    配によって前記実際の出力周波数(Fn)を上昇させる
    ステップとを備えていることを特徴とする誘導電動機の
    制御方法。
  2. 【請求項2】 任意の出力電圧及び出力周波数を得るこ
    とができるインバータによって誘導電動機を制御する装
    置であって、 前記インバータの目標出力周波数(F0)を設定する出
    力周波数設定手段と、 前記インバータの目標出力周波数(F0)よりも実際の
    出力周波数(Fn)が低い時に両者の差を解消するため
    に実際の出力周波数(Fn)を勾配を有して増大させる
    ための所定の加速勾配(ΔF0)を設定する加速勾配設
    定手段と、 前記インバータの出力電流を検出するための電流検出器
    と、 前記電流検出器で検出された出力電流が所定の過電流レ
    ベルを越えているか否かを検出するための過電流検出器
    と、前記出力電流が前記過電流レベルを越えている時間幅
    (Ta)を計測する過電流時間計測器と、 前記目標出力周波数(F0)と前記実際の出力周波数
    (Fn)との差に基づいて前記加速勾配による加速の必
    要性を判断し、加速の必要性のある時には前記所定の加
    速勾配(ΔF0)に従って前記実際の出力周波数(F
    n)を上昇させ、前記所定の加速勾配(ΔF0)による
    前記実際の出力周波数(Fn)の上昇中に前記インバー
    タの出力電流が所定の過電流レベルを越えた時には、負
    の加速勾配(−ΔFa)によって前記実際の出力周波数
    (Fn)を下げるように前記インバータを制御する加速
    勾配制御回路と、 前記出力電流が前記過電流レベルよりも低いレベルに復
    帰した時点を検出する過電流復帰検出器と、 前記出力電流が前記過電流レベルよりも低いレベルに復
    帰した時点の直後に、前記出力電流が過電流レベルにな
    る直前の加速勾配よりも傾きの緩い新しい加速勾配ΔF
    nを、 ΔFn=(ΔFn−1)−{(Ta×ΔFn−1)/(Fn−1×K)} (但し、ΔFn−1は過電流状態になる直前の加速勾
    配、 Fn−1は新加速勾配計算直前の出力周波数、 Taは出力電流が過電流レベルを越えている時間幅、 Kは定数 である。)によって決定し、この新しい加速勾
    配によって前記実際の出力周波数(Fn)を上昇させる
    手段とを備えていることを特徴とする誘導電動機の制御
    装置。
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