JP2886253B2 - Nc加工機における駆動系等の誤差補正に用いるスケール装置 - Google Patents

Nc加工機における駆動系等の誤差補正に用いるスケール装置

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JP2886253B2 JP9415290A JP9415290A JP2886253B2 JP 2886253 B2 JP2886253 B2 JP 2886253B2 JP 9415290 A JP9415290 A JP 9415290A JP 9415290 A JP9415290 A JP 9415290A JP 2886253 B2 JP2886253 B2 JP 2886253B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、熱的影響で加工誤差を生ずる工作機械に用
いて有用なNC加工機における駆動系等の誤差補正に用い
るスケール装置に関する。
(従来の技術) 従来のNC加工機における駆動系としてはセミクローズ
ドループ制御系によるものとフルクローズドループ制御
系によるものの例がある。
周知の通り、前者は、サーボモータにロータリエンコ
ーダやレゾルバなど位置検出器を設け、ボールねじやラ
ック・ピニオンによる動力伝達機構を介して移動体を駆
動するものである。また、後者は移動体の実際移動位置
をいわゆる光学スケールの如き高精度の位置検出器によ
り検出するようにしたものである。
ところが、セミクローズドループによる制御系では減
速機構やボールねじないしラック・ピニオンを含めた動
力伝達機械の熱的歪、フレームの熱的歪が影響し、加工
誤差が生じるという問題がある。
ボールねじとラック・ピニオンとを比較すると、熱的
影響はボールねじの方が大きいが、本来ラック・ピニオ
ンの方が位置決め精度が悪いのでラック・ピニオンの方
が優れているとは言い難い。
また、前記フルクローズドループの制御を用いると動
力伝達機構の熱的歪は除去されるが、光学スケールは非
常に高価であり、かつ加工時の振動による物理的破損が
生じ易く、スケール信号の脱調が生じる等の問題があ
る。また、常にサーボ系にフィードバック信号を与えて
いるため、応答速度に限界があり、モータ速度が制限さ
れる。さらに、駆動系の剛性によりサーボ系が不安定と
なりハンチングを生じる等の問題点もあり、セミクロー
ズドループに対して一長一短である。特に、低速度の制
御であっても、ワークやフレームの熱的歪による誤差は
除去できない。
(発明が解決しようとする課題) 上記の如く従来のNC加工機における駆動系にあって
は、セミクローズドループ及びフルクローズドループ共
にそれぞれの問題点があった。
そこで、本発明は、両クローズドループにおいて、セ
ミクローズドループにおいては動力伝達機構の熱的歪を
補正でき、しかも両クローズドループにおいてワークの
伸縮など環境温度の変化に応じて生じる動力伝達機構以
外の熱的影響をも補正することができるNC加工機におけ
る駆動系等の誤差補正に用いるスケール装置を提供する
ことを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 前述のごとき問題に鑑みて、本発明は、クローズドル
ープ制御系で位置決め制御される移動体を有し、この移
動体に取付けられたワーク又は工具を所定位置に位置決
めしつつ所定の加工を行うNC加工機における駆動系等の
誤差補正に用いるスケール装置において、熱膨脹率が一
様な材質で構成され、その長手方向に沿って複数の被検
出マークを有し、前記移動体の原点位置に合わせて一端
を固定すると共に他端を環境温度変化に応じて伸縮自在
としたマスタスケールと、前記移動体の移動動作に伴っ
て前記マスタスケールの被検出マークを検出するセンサ
とを備え、上記センサのオンで被検出マークの座標値を
取出しかつ上記センサのオン時のパルス幅により移動体
の速度を演算し、予め求められている速度と誤差との対
応表に上記演算結果の速度を対応せしめて求めた誤差に
よって測定データの補正を行う構成としてなるものであ
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を説明する。
第1図は、本発明をパンチプレス機に実施した位置決
め装置の一例を示す説明図である。駆動系はセミクロー
ズドループの例で示す。
図において、左右方向(X方向)に移動自在とされる
テーブル1はテーブルブラケット2に固定されている。
このテーブルブラケット2は、その上方に埋め込まれた
ナット3に前記X方向に延伸されたボールねじ4を螺合
させることにより、ボールねじ4の回転に応じX方向に
移動自在とされる。
前記ボールねじ4の両端は軸受5に回転自在に支承さ
れている。また、ボールねじ4の一端は減速ギヤ6を介
してサーボモータ7と接続されている。
サーボモータ7にはタコジェネレータ8及びインクリ
メンタル方式のロータリエンコーダ9が設けられてい
る。
前記テーブル1上には前記X方向と直交するY方向
(図において紙面と直交する方法)に移動自在とされる
ワーククランプ装置10が設けられ、該ワーククランプ装
置10は把持したワークWをテーブル1上でY方向に移動
可能とされている。しがって、サーボモータ7のX方向
の駆動及びワーククランプ装置10のY方向の駆動によ
り、ワークWはX,Y平面内で移動自在である。
前記テーブル1の下方で固定のフレーム部分には原点
位置でピン11によって1点支持され、X方向に伸縮自在
とされるX軸用のマスタスケール12が取付けられてい
る。
該マスタスケール12は熱膨脹率が既知で均質な材質を
用いて帯状に形成され、前記ピン11に対して一定ピッチ
(例えば100mmピッチ)で形成された複数の光学センサ
用ドグ穴Pn(P1,P2,P3,…,PN)が設けられている。ピッ
チは、後述するようにレーザ距離計で高精度に計測され
てのち使用されるので、必ずしも高精度に製作する必要
はない。
また、前記テーブル1の下面には、該テーブル1の移
動に伴って前記ドグ穴Pnを検出する光学式近接センサ13
が設けられている。
本例では、前記テーブル1の上方にクランク軸13が設
けられ、このクランク軸13に取付けられたラム(図示せ
ず)を昇降駆動することによりワークWの上下に設けた
金型を押圧してパンチ加工するようになっている。クラ
ンク軸13の一位置には上死点を示すドグ14が設けられ、
これを近接センサ15で検出することにより、上死点すな
わち非パンチ状態を識別できるようになっている。
前記フレームには、環境温度の代表値としてその温度
を検出するための温度センサTSが設けられている。
一方、上記構成のパンチプレスを制御する制御装置は
NC装置及びこれと接続されるプログラマブルコントロー
ラを主体として構成され、この制御装置の例えばプログ
ラマブルコントローラ内にはカウンタ回路16が設けら
れ、このカウンタ回路16は、送受信演算処理装置17及び
サーボパラメータ記憶部18を備えたサーボシステム19と
接続されている。一般的なサーボシステム19は、位置ル
ープ及び速度ループを有し、前記NC装置が出力した位置
決め目標値を入力して、この目標値に移動体、すなわち
前記テーブル1を指令の速度で制御するようなものであ
る。
カウンタ回路16は、所定のタイミングで前記マスタス
ケール12のドグ穴Pnの検出信号を入力し、そのときの前
記エンコーダ9より検出される位置信号をラッチし、こ
の値を送受信演算装置17に送信する。
送受信演算処理装置17は、その内部にバッファを有
し、前記ドグ穴Pnの検出データを入力し、サーボパラメ
ータ記憶部18にサーボパラメータを設定し、また書き換
えするものである。
上記構成の装置において、以下、初期設定、補正原
理、加工中のサーボパラメータの変更処理、材料対応方
式、ドグ穴検出方式の順で説明する。
組立時においては、テーブル1のブラケット等にレー
ザ用ミラーを取り付け、レーザ距離計によりNCの指令値
に対する実際動作の差分δを記憶する。
例えば、100mmの指令値に対し、レーザ検出による実
際の移動量が100.05mmであったとすると、差分100.05−
100=0.05を記録し、その値を演算処理装置17に与え
る。
よって、レーザ距離計で正確に計測された差分δによ
り、エンコーダの計測値を正確なものにしたのち、ピッ
チ間隔が計測され、これが20℃換算されて、進のピッチ
間隔T(n,f4)とされて、これがサーボパラメータ記憶
部18に記憶される。
具体的に示すと、ここでマスタスケール12のドグ穴
(ゲージ)の加工精度がミクロン代に於いて既知でない
こと、光学センサの応答速度によりラッチ遅れが発生す
ること、軸の速度設定値により測定ラッチデータが異な
ることを認識し、ゲージの初期値を求めなければならな
い。
まずゲージ単体を測定器で計って求めることができる
が、取り付け位置(摺動面との状態及び取り付け基準穴
位置)によって左右されるのでこの手段を使ってゲージ
の基準値を求めることは考えない。
よって、マスタスケールは図面通りに取り付けてしま
う。また、金型をセットし加工準備をする。
軸速をオーバライド値F4にセットし、NCコンソールか
ら指令値C1mm(測定器の測定可能ストロークでできるだ
け大きい値となるように)を入力し加工する。
続いて、C2mm(ワークの原点近くで10mm付近)を入力
し加工する。
このとき、加工板を20℃の管理下で一昼夜寝かし、測
定器で測定し、このときの測定値がそれぞれM1mm、M2mm
だったとする。
また、過去に続いて(加工と同一環境下で)軸速F4で
測定を行いそのカウンタラッチ座標Lnmm(x1,x2,…,xN
とする)をすべてのピッチ点で記憶する。
同様に軸速F3、F2、F1に対してもそれぞれ上記の測定
を繰り返しラッチ座標を記憶する。これらから、第2図
に示すようなラッチ座標テーブルを作成する。
ここでF4と比較してF3時での遅れの平均D(4−3)
を求める。
D(4−3) =Σ(L(n,f3)−L(n,f4))/N 同様にF4と比較してF2,F1時での遅れの平均D(4−
2)、D(4−1)を求める。
D(4−2) =Σ(L(n,f2)−L(n,f4))/N D(4−1) =Σ(L(n,f1)−L(n,f4))/N 平均値を求めた理由は管理するデータをできるだけ少
なく抑える為であり、実際にソフト上で管理するのはT
(n,f4)とD(4−3)、D(4−2)、D(4−1)
である。速度f4に対する誤差の関係を第3図に示した。
次に求めるべき寸法のT(n,f4)を求める。
T(n,f3)=T(n,f4)+D(4−3) T(n,f2)=T(n,f4)+D(4−2) T(n,f1)=T(n,f4)+D(4−1) 以上により得られる値を20℃換算値として、送受信演
算処理装置17内のバッファに予め記憶し、環境温度に応
じて、各ピッチの値を求め、これをサーボポラメータと
して、サーボシステム19に与え、周知のピッチ誤差補正
を与えるわけである。
<補正原理> 以上により、マスタースケール12の各ドク穴Pn位置は
20℃換算されてその位置が管理される。言い換えれば、
環境温度が如何に変化しようとも、マスタスケール12の
ドク穴Pn位置を検出することにより実際の加工ずれを検
出することができ、その差分に応じて適格な補正値を与
えることができる。
基本動作を示すと材質が鉄の加工板が仮に25℃の環境
におかれているとすると、20℃に対し1mに付き11.7μm/
℃・m×(25−20)=58.5μm伸びている。この板の高
剛性とし理論値通りに加工し、この板を20℃に冷却する
と、逆に58.5μm小さく加工されたことになる。
そこで、このようにしないために、マスタスケール12
のドク穴Pnのラッチ点で加工機の位置決めを補正すれば
良い。
注意すべきは、この補正値は、実際加工位置を温度補
正機能をもって正確なスケールで検出したものであるの
で、動力伝達機の機械歪、温度歪は勿論のこと、ワーク
及びフレームの温度による影響をも打ち消すものであ
り、マスタスケール12及びその測定システムの測定精度
でもって加工できるということである。
具体例を示すと、今、動力伝達機能たるボールねじ4
がワーク温度Fwより少し高かったとし、ボールねじの歪
が△1,ワークWの膨脹による誤差が△2、その他フレー
ムの歪などが△3であったとすると、これら値△1,△2,
△3がどうであろうと、関係ないということである。
よって、条件変化、特に温度変化に応じて、適宜サー
ボパラメータの補正をすれば、ほとんど誤差のない加工
を永久的に持続できることになる なお、このセミクローズドループの効果をフルクロー
ズドループのものと比較すると、高速加工が可能である
点、脱調の心配が無い点、加えて安価に設計できる点な
どの、実用上の観点からむしろセミクローズドループの
方が優れていると言えるものである。温度による誤差に
ついては、基本的には同等である。
また、本例ではボールねじ4の例で示しているが、こ
れはラック・ピニオンとしてもよい。ただし、バックラ
ッシュなどによる本来の精度から見て、加工精度はボー
ルねじの方がより良好である。
第4図にサーボパラメータの設定方式を示した。加工
開始に際し、ステップ401で原点復帰すると、ステップ4
02で、まずNCへスタートの禁止をする。
次いで、ステップ403で現在値カウンタにリセット信
号を送出し、ステップ404で補正機能オンの信号を送出
する。
次いでステップ405で温度センサTSのデータを送信
し、ステップ406でその温度でのフレーム伸びを算出し
てからステップ407でNCへスタートを許可する。
ステップ406では20℃換算の値T(n・f4)に基い
て、温度θに応じたサーボパラメータ値を設定する。な
お、本例では、補正作業をサーボシステム19で行ってい
るとするが、元の目標値を変更するように補正すること
も可能である。
<補正パラメータの変更処理> サーボパラメータの変更は第5図及び第6図の処理に
より実行される。第5図は変更要求の手続き、第6図は
変更要求があった場合の変更手続きを示す。
第5図において、加工中ステップ501で第1図に示す
近接センサ15によりパンチ中か否かが判別され、パンチ
中でなければステップ502へ移行して、ここで移動方向
が予め定めた測定方向であるか否かを判別する。
予め定めた方向であれば、ステップ503へ移行して、
ドグ穴Pnのラッチ座標を送出し、ステップ504で、その
ラッチ座標がどのドグ穴Pnのものであるかに応じそのド
グ穴Pnについてのラッチ値をメモリにロードする。
そこで、ステップ505では、ステップ504でロードした
値を、基準の値、すなわち20℃換算された値に基いて前
に検出された温度にて検出されるべき値と比較し、許容
値内でないならば、ステップ506へ移行してパラメータ
変更要求のビットをオンとする。なお、ステップ507で
はフレーム温度を受信している。
このようにパラメータ変更要求が出されるのは、主に
温度変化、すなわち環境温度の変化、あるいは負荷の変
動にてボールねじ4の温度が変化したような場合であ
る。
次に、第6図において、ステップ601でパラメータ変
更要求がオンすると、ステップ602で原点位置へ戻るの
を待ち、ステップ603でNCへスタートの禁止を出力す
る。
次いで、ステップ604でワークWの材質が前と同じく
鉄であれば、ステップ606へサーボパラメータの変更値
を計算し、ステップ607で設定し、ステップ608でNCへス
タートを許可する。ステップ606での計算は、実際計測
されたラッチデータを用いて現在状況に応じたサーボパ
ラメータを算出するものである。ステップ605について
は後述する。計測されたラツチデータは、そのときの速
度に応じて補正される。
<材料対応方式> 材料対応方式には次の2通りがある。
一つは、各材料の膨脹率、例えば、 鉄…11.7μm/m・℃ 銅…16.7μm/m・℃ アルミ…23μm/m・℃ に応じ、現在使用されているマスタスケール12の材質に
対して、適宜補正を与える方式である。
この場合には、例えば、NCが原点へ戻されたとき、第
6図のステップ604で材料変更を識別し、ステップ605で
材料毎に20℃についての計算をし、計算された値を記憶
するようにすればよい。
また、他の一つは、第7図(a)及び第7図(b)
に示すような材質毎のカートリッジタイプのマスタスケ
ール20を作成し、ピン11及びガイド部材21に対して交換
設定する方式である。
ガイド21に取付けられているボルト22は移動方向と直
交する方向へのずれを防止するためのものである。この
ボルト22の先端は球状に形成され、カートリッジスケー
ル20を、移動方向に摺動可能の態様でガイド21に対して
軽く押圧するものである。なお、固定点を原点に一致さ
せるためピン11の支持点も球状に形成されている。固定
点が原点よりずらされている場合には、所定のずれ補正
を行う必要がある。
<ドグ穴検出方式(その1)> 本項目は、ドグ穴Pnの検出において、検出データの良
否を識別できるようにしたものである。
第8図に検出回路の具体例を示す。
図において、ドグ穴Pnの検出回路は、エンコーダ9が
出力するA、B2相を入力するバッファ(差動TTL)23
と、光学式センサ13の検出信号を入力するカウンタラッ
チ制御部24を有し、両回路23,24は、前記カウンタ回路1
6に入力されている。該カウンタ回路16には内部クロッ
ク信号CLKが入力されている。
前記カウンタ回路16にはセンサオン用バッファ25とク
ロックカウンタ26が接続され、両回路25,26の出力はデ
ータの良否制御部27に接続され、該制御部27はデータバ
ス28と接続されている。前記クロックカウンタ26にも、
前記内部クロック信号CLKが入力される。
上記の構成において、第9図に示すように、今センサ
13が一方向に移動し、一つのドグ穴Pnに対して信号29を
得たとする。この信号29は、あるしきい値をもってオン
となり、次いでオフとなるパルス状の信号である。指令
の軸速をb0mm/Sであるとする。ドグ穴Pnの幅は既知でa
mmとする。
信号処理方式を第10図に示した。
ステップ1001でセンサオンでのラッチデータをバッフ
ァ25に仮にストアし、ステップ1002でクロックカウンタ
26によりセンサオンに次いでのオフまでの時間tを得
る。
そこで、ステップ1003により、データの良否制御部27
で、b0t=aを判別し、すなわち現在速度値hが予定の
速度b0に対し許容値内にあるか否かを判別し、許容値内
ならステップ1004でセンサオン時のラッチデータを有効
とし、これをデータバス28に流す。一方、速度bが許容
値外ならステップ1005でラッチデータを無効とする。
よって、本例では、センサ13で検出されるラッチデー
タの信頼性が向上し、ひいては加工精度そのものを向上
することができる。
本例では、ドグ穴Pnの検出について示したがマスタス
ケール12のマークはこれに限られず、例えば異なる色を
印刷したようなものであってもよく、この場合にも同様
にラッチデータの良否を判別できるものである。
<ドグ穴検出方式(その2)> 本項は、速度に応じてラッチデータを補正する例を示
すものである。
第11図において、本例の検出回路では、前記カウンタ
回路16に、波形検出による速度演算部30と、ラッチ座標
取出し部31が接続されている。うち速度演算部30には平
均遅れのパラメータ値演算部32が接続され、この演算部
32とラッチ座標取出し部31とは測定結果出力部33に接続
されている。
平均遅れのパラメータ値演算部32は、第12図に示すよ
うな速度及び信号遅れによって発生する誤差εの対応表
を有し、速度演算部30によって波形値より演算された速
度に応じて誤差εを算出する。誤差はバラつくので、平
均値を採用している。
測定結果出力部33は、演算部32が演算した誤差εをラ
ッチ座標取出し部31が取り出したラッチ座標に適用し、
真の値に近い測定値を出力するものである。測定値は同
一ドグ穴に対する複数データを平均化して用いるように
してもよい。
第13図に示すように、ステップ1301でセンサオンでの
座標値を取出し、ステップ1302でセンサオン時のパルス
幅より速度値を演算し、ステップ1303で誤差εを演算
し、ステップ1304で補正された測定値を出力する。
よって、スケール等の波形から速度相当値を演算し、
それに対応した遅れのパラメータを測定データに引算す
ることで測定精度、ひいては加工精度を向上することが
できる。
本例では、任意の軸速度で測定することができる。ま
た、一定速度とすれば、さらに精度向上を図ることがで
きる。なお、本例では速度値を波形検出により求めた
が、速度が安定していることを条件としてNC指令値を用
いることもできる。
以上、詳細に説明したように、本実施例によれば、セ
ミクローズドループで制御されるテーブル1をマスタス
ケール12で定まる精度で移動させることができる。
また、このときマスタスケール12を温度補正可能に構
成してあると共に、実際加工位置を検出するよう構成し
てあるので、動力伝達機構の歪はもとより、ワーク及び
フレームの熱的影響をも取り除くことができ、従来困難
であった0.01mm以上の高精度を全ての環境条件に対して
容易にクリアすることができ、超精密加工が可能とな
る。フルクローズドループのように脱調や破損の心配も
ない。
上記実施例では、パンチプレスの例で示したが、レー
ザ加工機、パンチ・レーザ複合加工機、旋盤など他のNC
工作機械であっても同様である。
また、上記実施例では、ワークが移動する例で示した
が、工具を移動させる工作機械であっても同様である。
さらに、上記実施例では、セミクローズドループを主
体として示したが、本発明はフルクローズドループであ
っても実施でき、これにより、ワークやフレームの熱的
歪により生ずる誤差を取り除くことができるものであ
る。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、適宜
の設計的変更を行うことにより、この他適宜態様で実施
し得るものである。
[発明の効果] 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、本
発明においては、長手方向に沿って複数の被検出マーク
を備えたマスタスケールは移動体の原点位置に合わせて
一端を固定し、他端は温度変化に応じて伸縮自在に設け
てあるから、駆動系等の熱歪みによる誤差の補正が容易
に行い得るものである。そして、本発明においては移動
体に備えたセンサによって被検出マークを検出したとき
の座標値を取出しかつセンサのオン時のパルス幅により
移動体の速度を演算し、予め求められている速度と誤差
との対応表に上記演算結果の速度を対応せしめて求めた
誤差によって測定データの補正を行う構成であるから、
測定精度を向上して加工精度を向上することができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るスケール位置を用いた
位置決め装置の構成を示す説明図、第2図は各速度毎の
ラッチデータの説明図、第3図は速度による誤差状況を
示す説明図、第4図はサーボパラメータの設定方式を示
すフローチャート、第5図はパラメータ変更要求の出力
方式を示すフローチャート、第6図はパラメータ変更方
式のフローチャート、第7図(a)は材質毎に作成した
カートリッジ方式のマスタスケールを示す正面図、第7
図(b)はその右側面図、第8図はラッチデータの検出
回路の一例を示すブロック図、第9図はその検出作用を
示す説明図、第10図はデータの良否判別を行う方式を示
すフローチャート、第11図はラッチデータの検出回路の
他の例を示すブロック図、第12図はその回路が用いるデ
ータの説明図、第13図はラッチデータの測定値補正方式
を示すフローチャートである。 1……テーブル、3……ナット 4……ボールねじ、7……サーボモータ 9……エンコーダ、11……ピン 12……マスタスケール 13……光学式センサ 16……カウンタ回路 17……送受信演算処理装置 18……サーボパラメータ記憶部 19……サーボシステム 20……カートリッジ式のマスタスケール Pn……ドグ穴、TS……温度センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クローズドループ制御系で位置決め制御さ
    れる移動体を有し、この移動体に取付けられたワーク又
    は工具を所定位置に位置決めしつつ所定の加工を行うNC
    加工機における駆動系等の誤差補正に用いるスケール装
    置において、熱膨脹率が一様な材質で構成され、その長
    手方向に沿って複数の被検出マークを有し、前記移動体
    の原点位置に合わせて一端を固定すると共に他端を環境
    温度変化に応じて伸縮自在としたマスタスケールと、前
    記移動体の移動動作に伴って前記マスタスケールの被検
    出マークを検出するセンサとを備え、上記センサのオン
    で被検出マークの座標値を取出しかつ上記センサのオン
    時のパルス幅により移動体の速度を演算し、予め求めら
    れている速度と誤差との対応表に上記演算結果の速度を
    対応せしめて求めた誤差によって測定データの補正を行
    う構成としてなることを特徴とするNC加工機における駆
    動系等の誤差補正に用いるスケール装置。
JP9415290A 1990-04-11 1990-04-11 Nc加工機における駆動系等の誤差補正に用いるスケール装置 Expired - Lifetime JP2886253B2 (ja)

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