JP2886074B2 - キャップにより孔を開放可能に閉止する構造 - Google Patents

キャップにより孔を開放可能に閉止する構造

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JP2886074B2
JP2886074B2 JP2430094A JP2430094A JP2886074B2 JP 2886074 B2 JP2886074 B2 JP 2886074B2 JP 2430094 A JP2430094 A JP 2430094A JP 2430094 A JP2430094 A JP 2430094A JP 2886074 B2 JP2886074 B2 JP 2886074B2
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宏暁 岩澤
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Hino Motors Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のボデーの車室側、
特にトリムやアームレスト等に形成された孔をキャップ
により開放可能に閉止する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両のサイドドアにアームレスト
やポケット等の付属部品を固定するために上記付属部品
の表面に形成された孔を開放可能に閉止するオーナメン
ト用キャップが開示されている(実開平1−15404
7)。このキャップでは、孔の周縁に複数の切欠きが形
成され、キャップ本体の裏面に孔の周縁に係合する爪と
切欠きに挿入されるガイド用リブとが一体的に形成され
る。ガイド用リブはその先端が爪の先端が孔の周縁に当
接するより先に切欠きに挿入される長さに形成される。
また爪は脚を介してキャップ本体の裏面に設けられる。
このように構成されたキャップでは、ガイドリブを切欠
きに挿入した後に、係止爪が孔の周縁に係合するので、
爪の位置決めを容易に行うことができ、爪の損傷を防止
できる。この結果、キャップの取付作業性及び耐久性を
向上できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記オーナメントキャ
ップにより閉止される孔が例えば跳上げ可能なバックド
アのドアトリムに形成された場合を考える。この孔は緊
急時にバックドアを車内から開くためのレバーを臨む位
置に形成される。上記キャップの場合、爪の孔の周縁裏
面に対する接触面積が小さいときにはキャップを孔から
容易に外すことができるが、バックドアを勢いよく閉じ
たときにその衝撃によりキャップが孔から外れてしまう
恐れがある。この点を改善するために、爪の孔の周縁裏
面に対する接触面積を大きくすると、バックドアを勢い
よく閉じても外れなくなる。しかし車内からバックドア
を開くためにキャップを孔から外すときに、ドライバ等
の工具を使用しないと外すことができない不具合が発生
し、また孔の周縁やキャップを上記工具により損傷する
恐れもある。
【0004】本発明の目的は、部品点数を増大させず、
孔の周縁やキャップを損傷せず、大きな衝撃がキャップ
に作用してもキャップが孔から外れず、かつ必要なとき
にはキャップを孔から容易に外すことができるキャップ
により孔を開放可能に閉止する構造を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の構成を、実施例に対応する図1、図3、図6
及び図7を用いて説明する。本発明は、車内の露出する
部位に形成された略円形の孔18と、孔18を開放可能
に閉止するキャップ本体21と、キャップ本体21の裏
面に突設された複数の脚22〜24と、脚22〜24の
先端にそれぞれ設けられ孔18の周縁裏面に当接してキ
ャップ本体21とともに孔18の周縁を挟持する複数の
爪26〜28とを備えたキャップ19により孔18を開
放可能に閉止する構造の改良である。その特徴ある構成
は、孔18の周縁に脚22〜24及び爪26〜28を遊
挿可能な切欠部31〜33が形成され、脚22〜24及
び爪26〜28の遊挿状態で脚22〜24が切欠部31
〜33の一方の側縁に沿うように配設され、脚22〜2
4及び爪26〜28の遊挿状態で爪26〜28が脚22
〜24の先端から切欠部31〜33の他方の側縁に向っ
て突設され、キャップ本体21を脚22〜24及び爪2
6〜28とともに回動させるつまみ37がキャップ本体
21の表面に設けられ、爪26〜28のキャップ本体2
1に対向する面に突起26a〜28a又は凹部が形成さ
れ、脚22〜24及び爪26〜28を切欠部31〜33
に遊挿しつまみ37を回転させてキャップ本体21及び
爪26〜28により孔18の周縁を挟持した状態で突起
26a〜28a又は凹部が係止可能な凹部31a〜33
a又は突起が孔18の周縁に形成されたところにある。
【0006】
【作用】キャップ19により孔18を閉止するときに
は、脚22〜24及び爪26〜28を切欠部31〜33
にそれぞれ遊挿し、この状態でつまみ37をつかんでキ
ャップ19を回転させてキャップ本体21及び爪26〜
28により孔18の周縁を挟持する。このとき爪26〜
28の突起26a〜28a又は凹部が孔18の周縁の凹
部31a〜33a又は突起に係止するので、キャップ1
9に大きな衝撃が作用してもキャップ19は孔18から
外れない。また孔18からキャップ19を外すときに
は、上記手順の逆の手順で行うことにより、キャップ1
9を孔18から容易に外すことができる。
【0007】
【実施例】次に本発明の一実施例を図面に基づいて詳し
く説明する。図9に示すように、ワンボックス型自動車
10の背面に形成された開口部11は後方に跳上げ可能
なバックドア12により開放可能に閉止される。このバ
ックドア12は開口部11下縁に固着されたストライカ
(図示せず)にバックドア12の下縁に設けられたロッ
ク(図示せず)が係合することにより開口部11を閉止
した状態に保持する。このバックドア12の外面中央に
はロックをストライカから外すハンドル(図示せず)が
リンク(図示せず)を介して設けられる。
【0008】また図1〜図9に示すように、バックドア
12のドアインナパネル13(図6)の車内側にはドア
トリム14が取付けられ、ドアインナパネル13とドア
トリム14との間には緊急時に車内からこのドア12を
開くためのレバー16が設けられる。このレバー16は
ピン17によりドアインナパネル13に回動可能に保持
され、レバー16の下端はリンク(図示せず)を介して
ロックに連結される。レバー16に対向するトリム14
には略円形の孔18が形成され、この孔18はキャップ
19により開放可能に閉止される。
【0009】キャップ19は円形のキャップ本体21
と、キャップ本体21の裏面に突設された複数の脚22
〜24と、脚22〜24の先端にそれぞれ設けられ孔1
8の周縁裏面に当接してキャップ本体21とともに孔1
8の周縁を挟持する複数の爪26〜28とを備える。脚
22〜24及び爪26〜28はキャップ本体21と一体
的に樹脂により形成され、この例ではキャップ本体21
の軸心を中心として円周方向に等間隔に3つずつ設けら
れる(図4及び図5)。また孔18の周縁には3つの脚
22〜24及び3つの爪26〜28をそれぞれ遊挿可能
な3つの切欠部31〜33が等間隔に形成される(図3
〜図5)。3つの切欠部31〜33のうち2つの切欠部
31,32は同一形状に形成され、残りの1つの切欠部
33はその深さが上記2つの切欠部31,32より大き
く形成される。キャップ本体21は孔18及び切欠部3
1〜33を覆う外径を有する(図4及び図5)。
【0010】脚22〜24及び爪26〜28を切欠部3
1〜33にそれぞれ遊挿した状態で、脚22〜24は切
欠部31〜33の一方の側縁に沿うように配設され、爪
26〜28は脚22〜24の先端から切欠部31〜33
の他方の側縁に向ってそれぞれ突設される(図1及び図
5)。3つの脚22〜24のうち上記同一形状の2つの
切欠部31,32にそれぞれ遊挿される2つの脚22,
23は同一形状に形成される。残りの1つの脚24はキ
ャップ本体21の半径方向の長さが上記2つの脚22,
23より大きく形成され、この脚24は深さの大きい切
欠部33に遊挿される(図4及び図5)。長さの大きい
脚24は深さの大きい切欠部33にのみ遊挿可能に形成
され、他の2つの切欠部31,32には遊挿不能に形成
される。
【0011】爪26〜28の先端はキャップ本体21か
ら離れる方向にそれぞれ折曲され、脚22〜24の両面
のうち爪26〜28が突設された側とは反対側の面には
脚22〜24を補強するリブがそれぞれ突設される(図
1、図2及び図8)。またキャップ本体21の表面には
2つの略三日月状のへこみ36,36を互いに対向して
形成することによりこれらのへこみ36,36の間につ
まみ37が設けられる(図4〜図7)。上記2つのへこ
み36,36によりキャップ本体21の裏面には孔18
に遊挿可能な2つの凸部38,38が形成され、これら
の凸部38,38は円弧状のリブ39,39により連結
される(図6及び図8)。脚22〜24及び爪26〜2
8の内側面は上記凸部38,38又はリブ39,39の
外周面に接続される(図8)。脚22〜24及び爪26
〜28はそれぞれ所定の切欠部31〜33にのみ遊挿可
能に構成したのは、孔18をキャップ19により閉止し
たときにキャップ本体21の裏面の2つの凸部38,3
8がレバー16に接触するのを防止するためと(図4〜
図6)、キャップ本体21及び爪26〜28により孔1
8の周縁を挟持したときにつまみ37が鉛直方向に向く
ようにするためである(図4及び図9)。
【0012】爪26〜28のキャップ本体21に対向す
る面には突起26a〜28aがそれぞれ形成され、突起
26a〜28aはキャップ本体21の略半径方向に延び
て形成される(図1、図2、図5、図6及び図8)。脚
22〜24及び爪26〜28を切欠部31〜33にそれ
ぞれ遊挿し、つまみ37をつかんでキャップ19を回転
させてキャップ本体21及び爪26〜28により孔18
の周縁を挟持した状態で、突起26a〜28aが係止可
能な凹部31a〜33aが孔18の周縁にそれぞれ形成
される。凹部31a〜33aは孔18の周縁裏面のうち
切欠部31〜33の他方の側縁近傍に、孔18の略半径
方向に延びてそれぞれ形成される(図1〜図3、図6及
び図8)。
【0013】このように構成されたキャップ19により
孔18を閉止するときには、先ず脚22〜4及び爪26
〜28を切欠部31〜33にそれぞれ遊挿する(図1及
び図5)。この状態でつまみ37をつかんでキャップ1
9を図1及び図5の実線矢印の方向に回転させると、爪
26〜28が切欠部31〜33の他方の側縁から孔18
の周縁裏面にそれぞれ潜り込むことによりキャップ本体
21及び爪26〜28により孔18の周縁が挟持される
(図2及び図4)。このとき爪26〜28の突起26a
〜28aが孔18の周縁の凹部31a〜33aにそれぞ
れ係止し、同時に脚22〜24が切欠部31〜33の他
方の側縁にそれぞれ当接する。この結果、バックドア1
2を勢いよく閉止することによりキャップ19に大きな
衝撃が作用しても、キャップ19は孔18から外れるこ
とはない。
【0014】また緊急時にバックドア12を車内から開
くときには、つまみ37をつかんでキャップ19を図2
及び図4の破線矢印の方向に回転させ、脚22〜24及
び爪26〜28を切欠部31〜33内にそれぞれ位置さ
せた状態で引抜いて孔18を開放する。孔18から臨む
レバー16を図3の二点鎖線で示す位置まで回転させる
と、バックドア12を閉止状態で保持するストライカ
(図示せず)がラッチ(図示せず)から外れるので、バ
ックドア12を開いて自動車10の背面の開口部11を
開放できる。この結果、この開口部11から速やかに脱
出することができる。
【0015】図10〜図12は本発明の第2実施例を示
す。図10〜図12において図1及び図2の符号と同一
符号は同一部品を示す。この例の特徴ある構成は、孔
(図示せず)の周縁裏面に形成された凹部31a,33
aと切欠部31,33の他方の側縁との間に、凹部31
a,33aから切欠部31,33の他方の側縁に向うに
従ってキャップ本体21から離れる方向に傾斜する傾斜
面61,63がそれぞれ形成されたところにある。この
ように構成されたキャップにより孔を開放可能に閉止す
る構造では、キャップ19が衝撃等により図12のよう
な状態になっても、脚22,24及び爪26,28の樹
脂弾性により突起26a,28aが傾斜面61,63に
沿って破線矢印で示す方向に案内され、突起26a,2
8aが凹部31a,33aにそれぞれ係止するので、キ
ャップ19が孔から外れることはない。
【0016】なお、上記第1及び第2実施例では爪のキ
ャップ本体に対向する面に突起を形成し、キャップ本体
及び爪により孔の周縁を挟持した状態で突起が係止可能
な凹部を孔の周縁に形成したが、これは一例であって爪
のキャップ本体に対向する面に凹部を形成し、キャップ
本体及び爪により孔の周縁を挟持した状態で凹部が係止
可能な突起を孔の周縁に形成してもよい。また、上記第
1実施例ではバックドアのトリムのうちこのドアを車内
から開くためのレバーを臨む位置に円形の孔を形成し、
キャップによりこの孔を開放可能に閉止する構造を挙げ
たが、これに限らずアームレストやポケット等の付属部
品をサイドドアの内側に取付けるボルトを挿入するため
の孔が上記付属部品の表面に形成され、キャップにより
これらの孔を開放可能に閉止する構造に適用してもよ
い。また、上記第1実施例では脚、爪及び切欠部をそれ
ぞれ3つずつ設けたが、2つ又は4つ以上でもよい。更
に、上記第1実施例では車両としてワンボックス型自動
車を挙げたが、車内の露出する部位に形成されたキャッ
プにより孔を開放可能に閉止する構造を有する車両であ
ればこれに限定されるものではない。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、孔
の周縁に脚及び爪を遊挿可能な切欠部を形成し、脚及び
爪の遊挿状態で脚を切欠部の一方の側縁に沿うように配
設し、脚及び爪の遊挿状態で爪を脚の先端から切欠部の
他方の側縁に向って突設し、キャップ本体の表面につま
みを設け、爪のキャップ本体に対向する面に突起又は凹
部を形成し、脚及び爪を切欠部に遊挿しつまみを回転さ
せてキャップ本体及び爪により孔の周縁を挟持した状態
で突起又は凹部が係止可能な凹部又は突起を孔の周縁に
形成したので、大きな衝撃がキャップに作用してもキャ
ップが孔から外れず、かつ必要なときにはキャップを孔
から容易に外すことができる。また部品点数を増大させ
ずに済むので、製造コストを押上げることはなく、ドラ
イバ等の工具を用いずにキャップを孔から外すことがで
きるので、孔の周縁やキャップを損傷することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のキャップにより孔を開放
可能に閉止する構造を示す図5のA−A線断面図。
【図2】図4のB−B線断面図。
【図3】キャップを外した孔を示す図9のC部拡大正面
図。
【図4】キャップ本体及び爪により孔の周縁を挟持した
状態を示す図3に対応する正面図。
【図5】キャップの脚及び爪を孔の切欠部に遊挿した状
態を示す図3に対応する正面図。
【図6】図4のD−D線断面図。
【図7】キャップを表面から見た斜視図。
【図8】キャップを裏面から見た斜視図。
【図9】そのキャップを含む自動車の車室の後部斜視
図。
【図10】本発明の第2実施例を示す図1に対応する断
面図。
【図11】図2に対応する断面図。
【図12】爪の突起が孔の周縁の凹部から離脱した状態
を示す図2に対応する断面図。
【符号の説明】
18 孔 19 キャップ 21 キャップ本体 22〜24 脚 26〜28 爪 26a〜28a 突起 31〜33 切欠部 31a〜33a 凹部 37 つまみ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 13/04 F16B 21/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車内の露出する部位に形成された略円形
    の孔(18)と、前記孔(18)を開放可能に閉止するキャップ
    本体(21)と、前記キャップ本体(21)の裏面に突設された
    複数の脚(22〜24)と、前記脚(22〜24)の先端にそれぞれ
    設けられ前記孔(18)の周縁裏面に当接して前記キャップ
    本体(21)とともに前記孔(18)の周縁を挟持する複数の爪
    (26〜28)とを備えたキャップ(19)により孔(18)を開放可
    能に閉止する構造において、 前記孔(18)の周縁に前記脚(22〜24)及び爪(26〜28)を遊
    挿可能な切欠部(31〜33)が形成され、 前記脚(22〜24)及び爪(26〜28)の遊挿状態で前記脚(22
    〜24)が前記切欠部(31〜33)の一方の側縁に沿うように
    配設され、 前記脚(22〜24)及び爪(26〜28)の遊挿状態で前記爪(26
    〜28)が前記脚(22〜24)の先端から前記切欠部(31〜33)
    の他方の側縁に向って突設され、 前記キャップ本体(21)を前記脚(22〜24)及び爪(26〜28)
    とともに回動させるつまみ(37)が前記キャップ本体(21)
    の表面に設けられ、 前記爪(26〜28)の前記キャップ本体(21)に対向する面に
    突起(26a〜28a)又は凹部が形成され、 前記脚(22〜24)及び爪(26〜28)を前記切欠部(31〜33)に
    遊挿し前記つまみ(37)を回転させて前記キャップ本体(2
    1)及び爪(26〜28)により前記孔(18)の周縁を挟持した状
    態で前記突起(26a〜28a)又は凹部が係止可能な凹部(31a
    〜33a)又は突起が前記孔(18)の周縁に形成されたことを
    特徴とするキャップにより孔を開放可能に閉止する構
    造。
JP2430094A 1994-02-22 1994-02-22 キャップにより孔を開放可能に閉止する構造 Expired - Lifetime JP2886074B2 (ja)

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