JP2885886B2 - 耐熱基材への金属薄膜形成方法 - Google Patents

耐熱基材への金属薄膜形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、工業材料として特に耐熱材料として有用な
タングステンとモリブデンの金属基材上に金属の薄膜を
形成する方法に関するものである。
(従来技術とその問題点) タングステンとモリブデンの高温強度に優れる耐熱材
料は抵抗体や発熱体等に利用されているが、高温の酸化
雰囲気中で用いると、酸化して上記の抵抗体や発熱体と
しての性能が低下するだけでなく、該耐熱材料が薄い板
状や細い線状の場合では亀裂や断線等の原因となるた
め、酸化雰囲気中で高温で使用する材料では貴金属が用
いられているが、該貴金属は高価であるためその改良と
して、各種の複合材料が用いられている。
その複合材料の製法としては耐酸化性に優れた貴金属
の板状のものを張り合わせるものや、薄膜層を形成する
方法として、スパッタリング法、蒸着法、電気メッキ
法、ペースト法等があるが、薄膜(1μ以下)を形成す
る方法となるとスパッタリング法、蒸着法、電気メッキ
法、が行えるものであるが、スパッタリング法、蒸着法
は装置が高価であることと工業的な量産性に欠ける点が
あり、電気メッキ法では細部へのメッキが困難であるの
と密着性に欠けることや電着させる金属を任意に選択す
るにはメッキ液の種類が十分ではなく、開発をする必要
とする等の問題がある。
(発明の目的) 本発明は上記従来法の欠点を解決するために成された
もので、高温強度に優れる耐熱材料で抵抗体や発熱体に
利用されているタングステンとモリブデンの基材上に耐
酸化性を向上させるための金属薄膜を形成する方法を提
供するものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、タングステンやモリブデンの金属基材に耐
酸化性の金属または金属合金の薄膜を形成する方法にお
いて、金属レジネートと有機溶媒の混合物を該金属基材
に塗布、乾燥したのち、300〜400℃大気中で焼成し、次
いで還元性ガスまたは還元性ガスを含む不活性ガス雰囲
気中で500〜900℃焼成することを特徴とする耐熱基材へ
の金属薄膜形成方法である。
本発明の詳細について説明する。
耐酸化性の金属または金属合金の薄膜を形成する方法
は、金属として耐酸化性に優れた性能を持つ貴金属を基
とするもので、白金、金、銀、パラジウム、ロジウム、
イリジウム、ルテニウム、銅およびニッケルより選ばれ
た金属のレジネートを用いるものである。
該金属レジネートは350℃以下で熱分解して金属とな
るものでなくてはならない。
上記の350℃以下で熱分解する金属レジネートであれ
ば市販品を用いても良いが、有機酸をアンモニアまたは
トリエチルアミンで中和した溶液に、数%程度の金属の
塩化物または硝酸塩の水溶液を撹拌下でゆっくり加えて
油状のレジネートを生成させ、ついで、クロロホルムに
該油状のレジネートを抽出し水洗浄したのち、エバポレ
ーションすると金属のレジネートが得られる。
前記の有機酸には、ネオペンタン酸、ネオヘプタン
酸、ネオノナン酸、ネオデカン酸、n−ヘプタン酸、2
−エチルヘキサン酸のうちから選んで用いられる。
上記で得られた金属レジネートであれば350℃以下の
熱分解で金属となるものが得られるばかりでなく、形成
した薄膜に有害となるような不純物が残らないのでより
好ましいものである。
有機溶媒としてはターピネオール等で良く、その加え
る量は薄膜形成の厚みと塗布操作等を考慮して変えるこ
とができるが、一回の塗布、乾燥、焼成して0.1〜0.5μ
m程度の厚みが得られ均一な薄膜を得やすいのは金属レ
ジネートに対して5〜30%である。
以上で調製した金属レジネートと有機溶媒の混合した
ものを耐熱基材上に塗布する方法は、筆塗り法、スクリ
ーン印刷法、スタンプ法、スプレー法、ディッピング
法、スピンコーティング法から基材の形状や薄膜形成の
させかた(部分的部か全体的か等)により選択できる。
該塗布したのち室温で約10分間乾燥したのち、350℃
で約10分間焼成する。
ついで、水素等の還元性ガス雰囲気中で500〜900℃で
約10分間加熱して完全に金属化させると目的とする耐酸
化性金属薄膜層が基材上に密着力の優れたもので得られ
る。
以下、本発明に係わる実施例を記載するが、該実施例
は本発明を限定するものではない。
(実施例1) タングステン基板(25.4mm×25.4mm×厚さ1.2mm)上
に2−エチルヘキサン酸とトリエチルアミンの中和した
溶液に塩化白金酸カリウム溶液を40℃でゆっくり反応さ
せてクロロホルムに抽出したのち、水洗浄し、エバポレ
ーションして得た白金レジネートに対し7%のターピネ
オールを加えて混合したものを、スクリーン印刷法で塗
布し、室温(20℃)で10分間乾燥したのち、350℃大気
中で10分間焼成し、ついで水素ガス雰囲気中の電気炉で
700℃10分間焼成したところ、タングステン基板上に白
金の0.5μmの厚さの均一な薄膜を形成できた。
ここで得た、タングステン基板上に形成した白金薄膜
をテーピング法により密着強度を確認したところ全く剥
がれることがなかった。
また、大気中で1000℃30分間加熱したところ、白金の
薄膜を形成させた面は酸化することがなかったが、白金
の薄膜を形成させなかった面はタングステンが酸化して
しまった。
(実施例2) タングステン基板に変えてモリブデン基板(25.4mm×
25.4mm×厚さ1.2mm)を用いたほかは実施例1と同様に
操作して白金の薄膜を形成させたところ、実施例1と同
様の結果が得られた。
(実施例3) ネオデカン酸をトリエチルアミンまたはアンモニアで
中和した溶液にそれぞれの金属の塩化物または硝酸塩溶
液として塩化金酸カリウム溶液、塩化金(III)溶液、
硝酸銀溶液、塩化パラジウム酸カリウム溶液、塩化パラ
ジウム溶液、塩化ロジウム酸カリウム溶液、硝酸ロジウ
ム溶液、塩化ロジウム溶液、塩化イリジウム酸カリウム
溶液、塩化イリジウム溶液、塩化ルテニウム酸カリウム
溶液、塩化ルテニウム溶液、硝酸銅溶液、塩化銅溶液、
硝酸ニッケル溶液、塩化ニッケル溶液をそれぞれ40℃で
ゆっくり反応させクロロホルムに抽出したのち、水洗浄
し、エバポレーションして、金レジネート、銀レジネー
ト、パラジウムレジネート、ロジウムレジネート、イリ
ジウムレジネート、ルテニウムレジネート、銅レジネー
ト、ニッケルレジネートを得た。
上記で得たそれぞれの金属レジネートを熱分析して分
解温度を測定したところ下記表−1のような結果であっ
た。
また、上記の金属レジネートを有機溶媒としてターピ
ネオール、メンタノール、ジブチルカルビトールを用い
てそれぞれ溶解したところ均一な溶液状となった。
(実施例4) タングステン基板(25.4mm×25.4mm×厚さ1.2mm)上
に実施例3で得た金レジネート、銀レジネートおよび銅
レジネートを重量比で92:5:3のものに対し10%のターピ
ネオールを加えて混合したものを、スクリーン印刷法で
塗布し、室温(20℃)で10分間乾燥したのち、350℃大
気中で10分間焼成し、ついで水素ガス(窒素ガス50%含
む)雰囲気中の電気炉で600℃10分間焼成したところ、
タングステン基板上に金、銀、銅の合金の0.5μmの厚
さの均一な薄膜を形成できた。
ここで得た、タングステン基板上に形成した金、銀、
銅の合金薄膜をテーピング法により密着強度を確認した
ところ全く剥がれることがなかった。
また、大気中で600℃30分間加熱したところ、金、
銀、銅の合金の薄膜を形成させた面は酸化することがな
かったが、金、銀、銅の合金の薄膜を形成させなかった
面はタングステンが酸化してしまった。
(実施例5) タングステン基板に変えてモリブデン基板(25.4mm×
25.4mm×厚さ1.2mm)を用いたほかは実施例4と同様に
操作して金、銀、銅の合金の薄膜を形成させたところ、
実施例4と同様の結果が得られた。
(実施例6) 実施例1と同様に金属レジネートを下記のような割合
としたものを用いて塗布、乾燥、焼成したところ実施例
1と同様の結果であった。
なお、密着強度、耐酸化温度試験も下記表−2のよう
な結果であった。
〔金属レジネートの種類と割合〕 白金レジネート90wt%−ロジウムレジネート10wt% 白金レジネート85wt%−金レジネート15wt% 白金レジネート90wt%−パラジウムレジネート10wt% 白金レジネート90wt%−イリジウムレジネート10wt% 白金レジネート85wt%−パラジウムレジネート10wt%
−ルテニウムレジネート5wt% 金レジネート90wt%−ニッケルレジネート10wt% 金レジネート90wt%−パラジウムレジネート10wt% 白金レジネート85wt%−パラジウムレジネート10wt%
−銅レジネート5wt% 白金レジネート90wt%−ニッケルレジネート10wt% (実施例7) アルミナ基板上にタングステン1.0μmの膜が形成さ
れている基板(25.4mm×25.4mm×厚さ1.2mm)に変えた
ほかは実施例1と同様に白金レジネートを塗布、乾燥、
焼成して白金の薄膜を形成して密着試験と耐酸化性試験
として酸素雰囲気中900℃で30分間加熱したところ、密
着性も良く耐酸化性試験でもまったく異常は見られなか
った。
(発明の効果) 本発明は、上記結果からも明確のように耐酸化性の金
属または金属合金である貴金属を基とする金属レジネー
トを用いて、少量の有機溶媒で酸化しやすい金属上に塗
布、乾燥、焼成するという極めて簡便な方法で耐酸化性
に優れた薄膜を形成することができ、従来高温の還元性
雰囲気においてのみ使用されてきた比較的酸化しやすい
タングステンやモリブデンを酸化から保護するという目
的から、技術の発展と信頼性の向上に大いに貢献するも
のである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タングステンまたはモリブデンの金属基材
    に耐酸化性の金属または金属合金の薄膜を形成する方法
    において、金属レジネートと有機溶媒の混合物を該金属
    基材に塗布、乾燥したのち、300〜400℃の大気中で焼成
    し、次いで還元性ガスまたは還元性ガスを含む不活性ガ
    ス雰囲気中で500〜900℃焼成することを特徴とする耐熱
    基材への金属薄膜形成方法。
JP14933190A 1990-06-07 1990-06-07 耐熱基材への金属薄膜形成方法 Expired - Lifetime JP2885886B2 (ja)

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