JP2885058B2 - 搬送波再生回路 - Google Patents

搬送波再生回路

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JP2885058B2
JP2885058B2 JP6068008A JP6800894A JP2885058B2 JP 2885058 B2 JP2885058 B2 JP 2885058B2 JP 6068008 A JP6068008 A JP 6068008A JP 6800894 A JP6800894 A JP 6800894A JP 2885058 B2 JP2885058 B2 JP 2885058B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は搬送波再生回路に係り、
特にBPSK、QPSK等の位相変調方式のディジタル
信号通信システムの復調器に用いられる搬送波再生回路
に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル信号を伝送する場合、送信側
ではベースバンド帯のディジタル信号を変調信号とし
て、搬送波に種々の変調方式のうち所定の変調方式の変
調を施して変調波を生成し、伝送系へ出力する。受信側
ではこの伝送系を通して受信した変調波に対して、復調
器により搬送波再生及びクロック再生を行い、伝送され
たベースバンド帯のディジタル信号を復調信号として再
生する。
【0003】このようなディジタル信号通信システムに
おいて用いられる変調方式として、BPSK(Bina
ry Phase Shift Keying)方式や
QPSK(Quadrature Phase Shi
ft Keying)方式などの位相変調方式が知られ
ている。この位相変調方式を用いたディジタル信号通信
システムの復調器に用いられる搬送波再生回路の一つと
して、コスタスループにより搬送波同期を行うものがあ
る。
【0004】この搬送波再生回路においては、受信変調
波と電圧制御発振器の出力発振周波数とを位相比較器で
位相比較し、それらの位相誤差信号をループフィルタを
介して上記の電圧制御発振器に制御電圧として入力する
ことにより、電圧制御発振器の出力発振周波数を上記の
位相誤差信号の平均値に応じて制御する位相同期ループ
(PLL)を形成するようにしたものである。しかし、
この搬送波再生回路では、 fC ±{1/(2n)}×R (ただし、nは1以上の自然数、fC は搬送波周波数
[Hz]、Rは伝送レート[Hz])の周波数に擬似同
期する、つまり搬送波周波数と異なる周波数で電圧制御
発振器が発振している状態で同期してしまう現象が生じ
る可能性があることが一般的に知られている。
【0005】具体的には、例えば伝送レート64kHz
のQPSK方式の場合、fC ±8kHz(R=64、n
=4の場合)は擬似同期を起こす可能性のある周波数で
あり、このときの同相成分と直交成分の再生データの信
号点はX−Y表示すると図5に示す如くになり、本来4
つの信号点からなるべきところ更に4つの信号点が生じ
る。
【0006】このとき、搬送波オフセット量が−5.5
kHzの場合、電圧制御発振器により−5.5kHz補
正されると、搬送波再生回路は受信変調波の搬送波周波
数fC に正しく同期した状態となる((−5.5)−
(−5.5)=0)。しかし、例えば上記の場合にオフ
セットと反対方向に+2.5kHz補正されたときに
は、搬送波再生回路は受信変調波の搬送波周波数fC
対して−8kHz(=(−5.5)−(+2.5))離
れた周波数に擬似同期してしまい、再生データの信号点
は上記の図5に示したものとなる。
【0007】そこで、従来よりこのような擬似同期を防
止するために、搬送波捕捉範囲をある程度制限する方法
やその他種々の提案がされている(特開平4−2705
07号、特開平3−177112号、特開平2−246
519号各公報など)。例えば、特開平4−27050
7号公報記載の従来回路では、擬似同期状態になった時
はループを一旦外し、正規の搬送波周波数と等しい周波
数を電圧制御発振器に発生させるように電圧制御発振器
を制御した後、ループの引き込み動作を始めるようにし
たものである。
【0008】また、特開平3−177112号公報記載
の従来回路では、受信データと受信クロックの位相比較
をする位相比較器を有するPLL回路において、受信ク
ロックと送信クロックの周波数比較結果に基づき擬似同
期状態を検出し、擬似同期状態になった時には上記位相
比較器の動作を中断し、PLL回路内の低域フィルタ、
電圧制御発振器などを駆動して受信クロックと送信クロ
ックの周波数が近付くように制御を行うようにしたもの
である。
【0009】更に、特開平2−246519号公報記載
の従来回路では、擬似同期状態が検出された時には位相
同期ループに対して外乱信号を加えることにより、誤同
期状態から解放するようにしたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の搬送
波捕捉範囲を制限する従来回路は、位相同期ループのル
ープ帯域幅を狭くせざるを得ないため、受信変調波を広
い周波数範囲に亘って位相同期することができない。ま
た、従来回路は、例えば信号点配置図の座標平面を細か
な領域に分け、再生データが不適当な領域に存在したと
き異常と見做すようにして擬似同期を検出するようにし
ているため、ノイズ成分が多いときには擬似同期検出が
難しく、また領域分け等の構成も容易ではなく、小規模
な構成で、かつ、ビット当たりのエネルギー対雑音電力
密度比(Eb/No)が低い状態で確実に擬似同期を防
止することができないという問題がある。更に、上記の
各公報記載の従来回路はいずれも位相誤差情報がほぼ0
となってしまう、正常引き込み状態と区別がつかない擬
似同期の防止については考慮されていなかった。
【0011】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
小規模の構成で従来に比べ搬送波捕捉範囲を拡大でき、
各種の擬似同期を防止し得る搬送波再生回路を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、位相変調方式で変調された変調波の復調デ
ータに対し、位相回転制御を行って搬送波同期をとる位
相回転制御手段と、位相回転制御手段より取り出された
第1及び第2の再生データの位相誤差情報を検出する位
相検波回路と、位相検波回路の出力位相誤差情報を第1
及び第2の乗算器で第1及び第2の乗算係数と別々に乗
算し、第1の乗算器の乗算結果は第1の加算器及び第1
の遅延器を通して第1の加算器にフィードバックし、第
1の加算器の出力信号と第2の乗算器の乗算結果とを加
算した信号を出力するループフィルタと、ループフィル
タの出力信号を第2の加算器及び第2の遅延器を通して
第2の加算器にフィードバックする構成により、ループ
フィルタの出力信号により可変制御される発振周波数を
第2の加算器より取り出して、出力発振周波数を位相回
転制御手段へ位相補正情報として供給する電圧制御発振
器とを有し、ループフィルタ及び電圧制御発振器の少な
くともいずれか一方のフィードバック経路中に、入力値
リミッタ値以下の時は入力値をそのまま出力し、入力
値がリミッタ値より大となったときは最小レベルの初期
値を出力するリミッタを設けた構成としたものである。
【0013】また、前記リミッタのリミッタ値は、搬送
波捕捉範囲の目標値で同期引き込み状態にあるときの値
に設定されていることが、搬送波捕捉範囲を狭めること
がない点で好ましい。
【0014】また、本発明では前記位相検波回路の出力
位相誤差情報の絶対値を算出する演算手段と、演算手段
の出力値を積分するフィルタ回路と、フィルタ回路の出
力値と予め設定されている閾値とをレベル比較し、出力
値が閾値を越えたときにフィルタ回路、前記ループフィ
ルタ及び電圧制御発振器をそれぞれリセット状態とする
比較器とを有する構成としたものである。
【0015】前記比較器は、前記フィルタ回路の出力値
が前記閾値を越えたときに、前記ループフィルタ、前記
電圧制御発振器及びフィルタ回路のそれぞれのフィード
バック経路中に設けられた1サンプル遅延器の出力値を
0にするように制御することが、フィルタ回路、ループ
フィルタ及び電圧制御発振器をそれぞれ確実にリセット
状態とすることができ、好ましい。
【0016】
【作用】本発明では、ループフィルタ及び電圧制御発振
器の少なくともいずれか一方のフィードバック経路中
に、入力値がリミッタ値以下の時は入力値をそのまま出
力し、入力値がリミッタ値より大となったときは最小レ
ベルの初期値を出力するリミッタを設けているため、同
期引き込み状態においてリミッタの入力値がリミッタ値
に達すると、そのリミッタが設けられているループフィ
ルタ及び/又は電圧制御発振器がリセット状態となり、
搬送波再生回路を再び同期引き込み動作を最初から開始
させる。
【0017】また、本発明では、比較器によりフィルタ
回路の出力値が閾値を越えたときにフィルタ回路、ルー
プフィルタ及び電圧制御発振器をそれぞれリセット状態
とするようにしたため、フィルタ回路の出力値が上記閾
値を越えるような擬似同期状態にあるときには、搬送波
再生回路が再び同期引き込み動作を最初から開始するこ
ととなる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。図
1は本発明の一実施例の構成図を示す。同図において、
入力端子11a、11bは位相変調方式(ここではQP
SK方式とする)の受信変調波の復調データが入力され
る。演算器12は入力端子11a、11bの入力復調デ
ータとリード・オンリ・メモリ(ROM)テーブル13
からのデータとの乗算を行う乗算器121a、121
b、122a、122b、減算器123及び加算器12
4よりなり、ROMテーブル13と共に、前記位相回転
制御手段を構成している。
【0019】演算器12の出力端は出力端子20a、2
0bに接続される一方、位相検波回路14、ループフィ
ルタ15、電圧制御発振器(VCO)16及びROMテ
ーブル13を介して演算器12に帰還接続される。
【0020】ループフィルタ15は位相検波回路14の
出力位相誤差信号と乗算係数α、βとを乗算する乗算器
151及び152、乗算器151の出力信号が入力され
る加算器153、加算器153の出力信号を1サンプル
遅延する遅延器154及び遅延器154の出力信号が入
力されるリミッタ155からなる。また、VCO16は
加算器161の出力を1サンプル遅延器162を介して
加算器161に帰還接続する構成とされている。
【0021】なお、リミッタ155は入力信号がリミッ
タ値以下の時は入力信号をそのまま出力し、入力信号が
リミッタ値より大となったときは初期値(最小レベル)
を出力する回路で、リミッタ値は本実施例回路の入力端
子11a及び11bから出力端子20a及び20bまで
の回路の補正量の絶対値(単位Hz)が所定値になった
時の遅延器154の出力レベルに設定されている。
【0022】このフィードバックループに、本実施例で
は位相検波回路14の出力位相誤差信号を2乗演算器1
7及びローパスフィルタ18を介して比較器19に入力
し、比較器19の出力信号によりループフィルタ15内
の遅延器154、VCO16内の遅延器162、ローパ
スフィルタ18内の遅延器183を制御する構成とされ
ている。
【0023】ローパスフィルタ18は2乗演算器17の
出力信号と乗算係数ηとの乗算を行う乗算器181、乗
算器181の出力信号が入力される加算器182、加算
器182の出力信号を1サンプル遅延する遅延器18
3、遅延器183の出力信号と乗算係数を乗算し、その
乗算結果を加算器182に入力する乗算器184とより
構成されている。また、比較器19はローパスフィルタ
18の出力信号が予め定めた閾値より大であるかどうか
を比較検出し、閾値より大の時に上記の遅延器154、
162及び183をそれぞれリセットする。
【0024】次に、本実施例の動作について、図1乃至
図4と共に説明する。入力端子11aを介して入力され
たQPSK方式の受信変調波の同相成分の復調データ
は、乗算器121a及び122aに入力され、ここでR
OMテーブル13よりのsinθ、cosθの回転角情
報と乗算され、また、入力端子11bを介して入力され
た直交成分の復調データは乗算器121b及び122b
に入力され、ここでROMテーブル13よりのsin
θ、cosθの回転角情報と乗算される。
【0025】乗算器122a及び121bの出力信号は
それぞれ加算器124により加算されて同相成分の再生
データPとして出力される。一方、乗算器121a及び
122bの出力信号はそれぞれ減算器123に入力され
て直交成分の再生データQとして出力される。すなわ
ち、入力端子11a、11bの入力復調データは演算器
12によりROMテーブル13よりの回転角情報に応じ
て位相回転制御され、搬送波同期をとられる。
【0026】上記の再生データP及びQは出力端子20
a、20bへ出力される一方、位相検波回路14に入力
される。この再生データP及びQは搬送波同期がとれて
いない時は(引き込み過程途中の時は)、X−Y表示す
ると図2(A)に示すように円を描く。これに対し、搬
送波同期が正しく行われると、図2(B)に示すように
再生データP及びQは4つの信号点のいずれかに収束す
る。
【0027】演算器12の回転角制御情報は、通常、再
生データP及びQに基づいて位相検波回路14により求
められた位相誤差信号を基に求められる。演算器12の
回転角制御情報θは、正確には再生データP及びQを基
にtan-1(Q/P)を演算で求められれば良いが、一
般にDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)等で
構成されている場合、除算演算ができない場合も多い。
また、P≒0の場合の処理も考慮が必要である。このよ
うな理由から、以下に示すように、簡易的に再生データ
P,Qの再生値から位相誤差情報θを求める場合が多
い。
【0028】θ=−sgn(P)・sgn(Q)・(|
Q|−|P|) (ただし、sgn(A)はAの符号、|A|はAの絶対
値を示す。) 再生データの正規化レベルを”1”としたとき(再生デ
ータをX−Y表示したとき単位円上に再生データが存
在)、例えば再生データの信号点が図2(B)の正常時
に比し、45°ずれているときは信号点が図2(B)の
第1象限にあるときはP=cos0=1、Q=sin0
=0であり、同様に信号点が他の象限にあるときもいず
れもθ=1である。また、−30°ずれているときは信
号点が図2(B)の第1象限にあるときはP=cos1
5°、Q=sin15°で、θ≒0.37となり、同様
に信号点が他の象限にあるときもいずれもθ≒0.37
である。
【0029】なお、BPSK方式の再生データの位相誤
差θは次式 θ=−sgn(P)・Q で近似的に与えられる。
【0030】この位相誤差情報(位相誤差信号)θはル
ープフィルタ15により積分された後VCO16に入力
され、ここで搬送波の位相補正情報とされる。演算器1
2で行われる位相回転操作の回転角(補正量)は、前記
したようにROMテーブル13により与えられる。この
ROMテーブル13はsinθ(若しくはcosθ)の
値がある刻み幅(例えば0.5°間隔)で保存されてお
り、ループフィルタ15を通過しVCO16に制御電圧
として入力された位相誤差情報を基にした、VCO16
の出力位相回転角情報をアドレス情報として受け、これ
により(sinθ,cosθ)の回転角情報を取り出し
て演算器12に入力し、演算器12による位相回転操作
により、搬送波周波数補正(引き込み)を行わせる。
【0031】さて、擬似同期であるが、これは2つのタ
イプに分類できる。一つは位相誤差情報θがほぼ0とな
ってしまうタイプ(これを以下、タイプAという)であ
り、もう一つは位相誤差情報θがほぼ0とはならない
が、釣り合ってしまうタイプ(これを以下、タイプBと
いう)である。
【0032】 まず、タイプAについて説明するに、例
えばBPSK方式の場合では f ±(1/2)×R (ただし、f は搬送波周波数[Hz]、Rは伝送レー
ト[Hz])に擬似同期した場合であり、また、QPS
K方式の場合では f ±(1/2)×R または f ±(1/4)×R に擬似同期した場合である。
【0033】このタイプAの擬似同期状態にあるときの
出力端子20a、20bへ出力される再生データの信号
点をX−Y表示すると、BPSK方式では図3(A)
に、QPSK方式では同図(B)に示すように図2
(B)に示した正規の同期状態のときの信号点配置図と
同様となり、位相誤差情報は0となるため、正常引き込
み状態と区別がつかない。
【0034】具体例を示すと、例えば伝送レート64k
HzのQPSK方式の場合、搬送波オフセット量が−
8.5kHzの際、+7.5kHz補正されたときはf
C −16kHz(=fC −(1/4)×64[kH
z])に擬似同期した状態となる。このときは再生デー
タの信号点配置は図3(B)に示すようになり、一見正
常同期状態との区別はつかないが、再生データは交互に
位相反転(π)を生じており、エラー状態となる。
【0035】この擬似同期状態を回避する手段として、
本実施例では図1に示したようにループフィルタ15の
遅延器154から加算器153へのフィードバック経路
中にリミッタ155を設け、遅延器154の出力信号が
リミッタ155のリミッタ値を越えたときに両者の値を
リセット(初期オフセット値0の代入)し、正常な同期
状態となるまで再引き込み動作を繰り返させるものであ
る。リミッタ155のリミッタ値としては、後述するよ
うにQPSK方式の場合は(1/8)×Rにするのが適
当であると思われる(因に、BPSK方式の場合は、
(1/4)×R)。
【0036】リミッタ155を設けると、この搬送波再
生回路の搬送波捕捉範囲(キャプチャレンジ)はこのリ
ミッタ値以下に制限されてしまうが、通常PLLによる
方法での搬送波捕捉範囲の値としては、QPSK方式の
場合約(1/8)×R(伝送レートの12.5%)あた
りが目標値とされる値であるため、リミッタ155を設
けたことにより、搬送波捕捉範囲が制約を受けるという
ことはないと考えられる。因に、BPSK方式の搬送波
捕捉範囲の目標値は約(1/4)×R(伝送レートの2
0%)であり、同様に搬送波捕捉範囲が制約を受けると
いうことはないと考えられる。
【0037】具体的に説明するに、伝送レート64kH
zのQPSK方式の場合、搬送波オフセット量が+7.
5kHzのとき、+7.5kHz補正が働いたときは正
常な同期引き込み状態となるが、従来は上記の場合−
8.5kHz補正された時に、fC +16kHz(=f
C +(1/4)×R)で擬似引き込み状態となる可能性
があった。
【0038】ここで、本実施例ではリミッタ155のリ
ミッタ値(絶対値)を8kHz(=(1/8)×64
[kHz])に設定しているため、−8.5kHz補正
が働こうとすると、補正量が0からリミッタ値の−8k
Hzに至った時点でリミッタ155の出力が初期値の
0、すなわちリセット状態となる。このため、本実施例
では再び同期引き込みを開始する。このようにして、本
実施例ではリミッタ155の設定により、補正量がリミ
ッタ値に至る度にリセットがかかり再引き込み開始が繰
り返されるため、最終的には正常な同期状態になり、よ
ってQPSK方式の場合fC ±(1/2)×R、fC ±
(1/4)×R(BPSK方式の場合fC ±(1/2)
×R)に対するタイプAの擬似同期を防ぐことができ
る。
【0039】なお、上記の例で搬送波オフセット量が例
えば+10kHzのとき、−6kHzの補正が働いた時
にfC +16kHz(=fC +(1/4)×R)で擬似
同期を生じる可能性があるが、搬送波オフセット量の値
+10kHzというのは、搬送波捕捉範囲の範囲外の値
であり、また、このオフセット量が連続的に変化して、
+8kHz以内のオフセット量に変化した時(+10k
Hz→+8kHz→・・・)、補正量は16kHz(=
+(1/4)×R)を維持して追従変化するため、オフ
セット量がリミッタ値の+8kHzになった時点(−6
kHz→−8kHz)で追従できなくなり、リセット動
作が行われる。
【0040】このため、本実施例では搬送波捕捉範囲内
の搬送波オフセット量になった時点で改めて引き込み動
作が行われ、正常な同期状態になるまで、引き込み動作
が繰り返される。
【0041】次に、タイプBの擬似同期について説明す
る。これはBPSK方式の場合では fC ±(1/2m)×R (ただし、mは2以上の自然数、fC は搬送波周波数
[Hz]、Rは伝送レート[Hz])に擬似同期した場
合であり、また、QPSK方式の場合では fC ±(1/2k)×R (ただし、kは3以上の自然数)に擬似同期した場合で
ある。
【0042】このタイプBの擬似同期状態にあるときの
出力端子20a、20bへ出力される再生データの信号
点をX−Y表示すると、BPSK方式では図4(A)
に、QPSK方式では同図(B)に示すように、正常な
同期状態の信号点に比し信号点が多く表示される。この
ときは、位相検波回路14の出力位相誤差情報は絶対値
が同じで制御方向が反対方向の値が交互に繰り返され、
その結果、VCO16の出力発振周波数は正しい値をと
らず、ある違った値付近で微妙に振動しつつ、この擬似
同期状態で安定してしまう現象が生じるのである。
【0043】具体例について説明すると、例えば伝送レ
ート64kHzのQPSK方式の場合、搬送波オフセッ
ト量が−3.5kHzのとき、+4.5kHz補正され
た時に、fC −8kHz(=fC −(1/8)×64
[kHz])に擬似同期した状態となる。
【0044】このタイプBの擬似同期状態を回避するた
め、本実施例では図1の2乗演算器17、ローパスフィ
ルタ18及び比較器19を設けたものである。これによ
り、位相検波回路14の出力位相誤差信号は2乗演算器
17により2乗され(あるいは絶対値を求める)、この
2乗値がローパスフィルタ18内の乗算器181で乗算
係数ηと乗算された後加算器182で乗算器184の出
力と加算されて出力される一方、遅延器183を介して
乗算器184へ供給されて乗算係数(1−η)と乗算さ
れる。
【0045】このローパスフィルタ18内の加算器18
2より取り出された出力信号は、正しい搬送波引き込み
が行われている場合は、ほぼ0の値をとるが、擬似同期
を起こしている場合、ある程度の値を持つ。そこで、ノ
イズの影響も考慮した閾値を設定し、加算器182の出
力信号がこの閾値を越えるかどうかを比較器19で比較
検出し、閾値を越えた時は遅延器154、162及び1
83それぞれの出力値が0となるように、これらをリセ
ット制御する。
【0046】遅延器154の出力周波数成分値、遅延器
162の出力電圧制御発振部の値、遅延器183の出力
2乗和積算値をそれぞれ0にリセットすると、実施例回
路は再度引き込み動作を開始する。このようにして、正
常な引き込み状態となるまで、上記の引き込み再開始制
御が繰り返される。
【0047】搬送波成分が存在しない場合は、再生デー
タはランダムな値をとるが小さな値であるため、ローパ
スフィルタ18の出力値が比較器19の閾値を越えるこ
とはなく、また、搬送波引き込み状態時(信号点が図2
(A)のような状態時)にも、ローパスフィルタ18に
よりローパスフィルタ18の出力値が比較器19の閾値
を越えることはない。
【0048】このことについて更に詳細に説明するに、
図2(A)のような搬送波引き込み状態は、同期引き込
み過程であり、通常は信号(搬送波)が入力され、図2
(B)に示した信号点配置の正常な同期状態に落ち着く
までにかかる時間は、せいぜい100×R〜200×R
(ただし、Rは伝送レート[Hz])、つまり100シ
ンボル〜200シンボルと考えられるため、図1のロー
パスフィルタ18の時定数を大きく(具体的には乗算器
23の乗算係数ηを小さく)することにより、正常な同
期引き込み過程でローパスフィルタ18の出力値が図1
の比較器19の閾値を超え、リセットされてしまうとい
うことは避けられる。
【0049】なお、時定数を大きくしても、例えば図4
(B)に示した信号点配置の状態が数千〜1万シンボル
程度続いて初めて比較器19の閾値を越えるという状況
でも、1秒以内のことと考えられるため、問題ない。
【0050】他方、図2(A)に示した搬送波引き込み
状態が、100×R〜200×R程度以上続いたとき、
比較器19の閾値を越えてしまうと考えられるが、引き
込みに異常に時間がかかるのは、搬送波捕捉範囲外のオ
フセットを持った搬送波が入力されたとき、あるいはV
CO16が正常な周波数方向に追従していないときと考
えられ、リセットがかかってしまうことに関しては問題
がなく、むしろリセットがかかることが望ましい。
【0051】このようにして定常状態になった際に、正
常な同期状態でない時、初めてローパスフィルタ18の
出力値が比較器19の閾値を越え、遅延器154の出力
周波数成分値、遅延器162の出力電圧制御発振部の
値、遅延器183の出力2乗和積算値がそれぞれ0にリ
セットされる。
【0052】このように、本実施例によれば、リミッタ
155を設けることでタイプAの擬似同期状態を防止す
ることができ、また、2乗演算器17、ローパスフィル
タ18及び比較器19を設けることでタイプBの擬似同
期状態を防止することができる。また、本実施例では、
再生データがX−Y座標平面上(信号点配置図上)どの
領域、どの象限に存在するかの認識は不要であり、前記
数式に再生データの条件をあてはめるだけで擬似同期状
態を容易に判別することができ、また、大きな時定数の
ローパスフィルタ18によりノイズによる影響を軽減す
ることもできる。
【0053】なお、本発明は以上の実施例に限定される
ものではなく、例えばリミッタ155に代えて、あるい
はリミッタ155と共に、VCO16内の遅延器162
から加算器161のフィードバック経路中に、リミッタ
155と同様の特性のリミッタ163を設けるようにし
てもよい。
【0054】また、本発明は上記のQPSK方式あるい
はBPSK方式に限らず、オフセットQPSK、あるい
はπ/4シフトQPSKなどの他の位相変調方式の復調
データに対しても、位相誤差検出の数式を若干変更する
だけで同様に本発明を適用することができることは勿論
である。更に、上記の実施例では、二つのタイプの擬似
同期をそれぞれ防止する手段を設けているが、一方のタ
イプの擬似同期の発生確率がかなり低いような場合は、
他方のタイプの擬似同期だけを防止する手段だけを設け
るようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
同期引き込み状態においてリミッタの入力値がリミッタ
値に達すると、そのリミッタが設けられているループフ
ィルタ及び/又は電圧制御発振器がリセット状態とな
り、搬送波再生回路を再び同期引き込み動作を最初から
開始させるようにしたため、リミッタの入力値がリミッ
タ値に達するような擬似同期状態時には、再引き込み動
作が繰り返され、最終的には正常な同期状態に引き込む
ようにすることができる。
【0056】また、本発明によれば、フィルタ回路の出
力値が比較器の閾値を越えるような擬似同期状態にある
ときには、比較器の出力により搬送波再生回路が再び同
期引き込み動作を最初から開始するようにしたため、フ
ィルタ回路の出力値が比較器の閾値を越えるような擬似
同期状態にあるときにも、再引き込み動作が繰り返さ
れ、最終的には正常な同期状態に引き込むようにするこ
とができる。
【0057】従って、本発明によれば、擬似同期を懸念
することなく、ループフィルタの帯域を従来より拡大す
ることができるため、搬送波捕捉範囲を従来よりも拡大
することができる。また、本発明によれば、再生データ
の信号点が信号点配置図上どの領域、どの象限に存在す
るかの認識を不要にできるため、簡易な構成で実現可能
であり、また一方細かな領域に分けて考える必要がない
ため、ノイズの影響をあまり受けることなく、確実に擬
似同期を検出できるため、擬似同期防止の信頼性を向上
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図である。
【図2】同期が引き込み中と同期引き込み状態時のQP
SK方式の再生データのX−Y表示図である。
【図3】擬似同期時の再生データの一例のX−Y表示図
である。
【図4】擬似同期時の再生データの他の例のX−Y表示
図である。
【図5】擬似同期時のQPSK方式の再生データの一例
のX−Y表示図である。
【符号の説明】
11a、11b 入力端子 12 演算器 13 ROM(リード・オンリ・メモリ)テーブル 14 位相検波回路 15 ループフィルタ 16 電圧制御発振器(VCO) 17 2乗演算器 18 ローパスフィルタ 19 比較器 154、162、183 1サンプル遅延器 155、163 リミッタ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相変調方式で変調された変調波の復調
    データに対し、位相回転制御を行って搬送波同期をとる
    位相回転制御手段と、 該位相回転制御手段より取り出された第1及び第2の再
    生データの位相誤差情報を検出する位相検波回路と、 該位相検波回路の出力位相誤差情報を第1及び第2の乗
    算器で第1及び第2の乗算係数と別々に乗算し、該第1
    の乗算器の乗算結果は第1の加算器及び第1の遅延器を
    通して該第1の加算器にフィードバックし、該第1の加
    算器の出力信号と該第2の乗算器の乗算結果とを加算し
    た信号を出力するループフィルタと、該ループフィルタの出力信号を第2の加算器及び第2の
    遅延器を通して該第2の加算器にフィードバックする構
    成により、 該ループフィルタの出力信号により可変制御
    される発振周波数を該第2の加算器より取り出して、
    出力発振周波数を前記位相回転制御手段へ位相補正情報
    として供給する電圧制御発振器とを有し、 前記ループフィルタ及び前記電圧制御発振器の少なくと
    もいずれか一方のフィードバック経路中に、入力値が
    ミッタ値以下の時は入力値をそのまま出力し、該入力値
    が該リミッタ値より大となったときは最小レベルの初期
    値を出力するリミッタを設けたことを特徴とする搬送波
    再生回路。
  2. 【請求項2】 前記リミッタのリミッタ値は、搬送波捕
    捉範囲の目標値で同期引き込み状態にあるときの値に設
    定されていることを特徴とする請求項1記載の搬送波再
    生回路。
  3. 【請求項3】 位相変調方式で変調された変調波の復調
    データに対し、位相回転制御を行って搬送波同期をとる
    位相回転制御手段と、 該位相回転制御手段より取り出された第1及び第2の再
    生データの位相誤差情報を検出する位相検波回路と、 該位相検波回路の出力位相誤差情報を積分するループフ
    ィルタと、 該ループフィルタの出力信号により出力発振周波数が可
    変制御されるとともに、該出力発振周波数を前記位相回
    転制御手段へ位相補正情報として供給する電圧制御発振
    器と、 前記位相検波回路の出力位相誤差情報の絶対値を算出す
    る演算手段と、 該演算手段の出力値を積分するフィルタ回路と、 該フィルタ回路の出力値と予め設定されている閾値とを
    レベル比較し、該出力値が該閾値を越えたときに該フィ
    ルタ回路、前記ループフィルタ及び電圧制御発振器をそ
    れぞれリセット状態とする比較器とを有することを特徴
    とする搬送波再生回路。
  4. 【請求項4】 前記ループフィルタ及び前記電圧制御発
    振器の少なくともいずれか一方のフィードバック経路中
    に、入力値がリミッタ値に達したときにリセット状態と
    するリミッタを設けたことを特徴とする請求項3記載の
    搬送波再生回路。
  5. 【請求項5】 前記比較器は、前記フィルタ回路の出力
    値が前記閾値を越えたときに、前記ループフィルタ、前
    記電圧制御発振器及びフィルタ回路のそれぞれのフィー
    ドバック経路中に設けられた1サンプル遅延器の出力値
    を0にするように制御することを特徴とする請求項3又
    は4記載の搬送波再生回路。
  6. 【請求項6】 前記リミッタのリミッタ値は、搬送波捕
    捉範囲の目標値で同期引き込み状態にあるときの値に設
    定されていることを特徴とする請求項4記載の搬送波再
    生回路。
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