JP2884345B1 - ケーソン用掘削装置 - Google Patents

ケーソン用掘削装置

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JP2884345B1 JP9271098A JP9271098A JP2884345B1 JP 2884345 B1 JP2884345 B1 JP 2884345B1 JP 9271098 A JP9271098 A JP 9271098A JP 9271098 A JP9271098 A JP 9271098A JP 2884345 B1 JP2884345 B1 JP 2884345B1
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Abstract

【要約】 【課題】 ケーソンの刃口の直下地盤を効率良く掘
削できるケーソン用掘削装置を提供すること。 【解決手段】 ケーソン1の刃口2の内外両側面に
所定の間隔を隔てて棒体4群を設ける。掘削手段と排土
手段を具備する掘削機に、前記棒体4に係止して自走す
る走行用歯車20,20を装備させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種ケーソンの刃口
の直下地盤を掘削するケーソン用掘削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にケーソンを沈下させるには、ケー
ソン内に配置したバックホー等の掘削用重機を用いた
り、或いは地上側に配置したクラムシェルバケットなど
を用いて、刃口を除いたケーソン内側を掘削している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ケーソンの刃口近くを
作業者による手掘り或いはバックホー等による機械掘り
しているが、ケーソンの刃口近くは盤膨れを起こし易
く、大変に危険な作業であり、安全性確保の点で改善の
余地がある。
【0004】ケーソンは鉛直性及び水平性を保持した状
態で沈下させる必要があり、沈下の途中でケーソンが傾
倒すると、沈下が不能となるだけでなく、その修復に多
大の費用と時間がかかる。
【0005】ケーソンの鉛直性及び水平性を保持するた
めに従来は、ケーソンと地山間に水膜、或いはシート等
の絶縁層を介在してケーソンの周面摩擦抵抗を均一にし
たり、或いはケーソンの沈下の遅い箇所へ載荷重を集中
して負荷させる等の対策を講じている。このようにケー
ソンの鉛直性及び水平性を保持するための付帯設備に多
額の費用がかかるだけでなく、その運用に高度の熟練を
必要とする。
【0006】本発明は以上の点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、ケーソンの刃口の直下地
盤を効率良く掘削できるケーソン用掘削装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
ケーソンの刃口の直下地盤を掘削するケーソン用掘削装
置において、ケーソンの刃口の内外両側面に所定の間隔
で設けた棒体群と、ケーソンの刃口にケーソンの点対称
位置に配置した複数の掘削機とよりなり、前記掘削機
は、ケーソンの刃口に沿って移動する基板と、基板の走
行方向の両側に配備され、ケーソンの刃口直下の地盤を
掘削する掘削手段と、基板の走行方向の両側に配備さ
れ、削土をケーソン内側へ搬出する排土手段と、前記基
板に水平軸を中心に回転自在に枢支され、前記棒体群に
係合して走行する一対の走行用歯車とを具備することを
特徴とする、ケーソン用掘削装置である。請求項2に係
る発明は、請求項1に記載のケーソン用掘削装置におい
て、掘削手段が、基板の両端部に回転可能に配備した回
転カッタであり、排土手段が前記回転カッタの内側に回
転可能に配備した排土用スクリュー体と、前記排土用ス
クリュー体の内側に排土用スクリュー体と平行に形成し
た排土案内面とにより構成したことを特徴とする、ケー
ソン用掘削装置である。請求項3に係る発明は、請求項
1に記載のケーソン用掘削装置において、基板の走行方
向に対して両端部に基板の走行方向と直交する方向に向
けて複数の回転羽根を配置し、回転羽根を配置した基板
の内側に回転羽根の配列方向に沿って排土案内面を夫々
形成し、前記同一方向に回転する回転羽根と排土案内面
とにより掘削手段と排土手段を兼用させたことを特徴と
する、ケーソン用掘削装置である。
【0008】
【発明の実施の形態1】以下,図1〜図6を参照しなが
ら本発明の実施の形態について説明する。
【0009】〈イ〉ケーソン 図6はケーソン1を刃口2側から見た図で、ケーソン1
は公知のオープン式又は有底式等の公知の函体で、その
断面形状は図示した矩形の他に多角形や円形、楕円形を
含む。従来のケーソンは刃口を尖鋭に形成するが、本発
明ではケーソン1の刃口2の下端面が水平に形成してあ
る。
【0010】刃口2の下端には、断面コ字形に鋼板3が
覆われていて、この鋼板3の内外両側面に所定の間隔を
隔てて複数の棒体4が突設されている。これらの棒体4
群は後述する掘削機A1 〜A4 の走行手段が係止するた
めの直線歯車と同様に機能する突起体である。
【0011】〈ロ〉掘削機 図6に示すように刃口2の各辺には、各辺の刃口2の直
下地盤を掘削するための複数組の掘削機A1 〜A4 が配
備されている。掘削機A1 〜A4 は同一構造であるか
ら、その掘削機A1 について説明し、他の掘削機A2 〜
A4 については説明を省略する。
【0012】図1,図2に示す如く、掘削機A1 は刃口
2に沿って走行可能な基板5と、基板5の下面に回転可
能に設けられた掘削手段である複数組の回転カッタ6,
7と、回転カッタ6,7の間(内側)に回転可能に設け
られ、削土をケーソン1の内側に排出する排土手段であ
る複数の排土用スクリュー体8,9と、基板5を刃口2
に沿って走行させる走行手段とを具備している。
【0013】基板5は刃口2の断面幅より僅かに広い寸
法の剛性板で、その下面には各回転カッタ6,7及び排
土用スクリュー体8,9を回転可能に支承するブラケッ
ト10,11と、後述する排土手段を構成する排土案内
面26,26が設けられている。
【0014】〈ハ〉回転カッタ 回転カッタ6,7はその回転軸を基板5の走行方向に対
し直交方向に向けて基板5の最外側に配置され、歯車機
構やチェーン機構等を介して伝達される駆動源の回転力
を受けて回転することで、少なくともケーソンの躯体厚
さを掘削できるようになっている。
【0015】本例では図3,4に示すように各回転カッ
タ6,7が回転駆動軸12に複数のビット13を設けて
構成する場合について説明するが、掘削手段の構造はこ
れに限定されるものではなく、広く公知の掘削手段を適
用することができる。
【0016】〈ニ〉排土用スクリュー体 各排土用スクリュー体8,9は回転駆動軸12を基板5
の走行方向に対し直交方向に向けて配置され、歯車機構
やチェーン機構等を介して伝達される駆動源の回転力を
受けて両排土用スクリュー体8,9が回転するようにな
っている。また各排土用スクリュー体8,9の内側に
は、排土用スクリュー体8,9と平行に排土案内面2
6,26が夫々形成してあって、相互に羽根の形成方向
を異にした各排土用スクリュー体8,9を同一方向に回
転することで、削土をケーソン1の内側へ排出できるよ
うになっている。排土効率を高めるため、各排土用スク
リュー体8,9をハ字形に配置する場合もある。尚、排
土用スクリュー体8,9と排土案内面26,26の組み
合わせに代えて、相互に羽根の形成方向を異にした一対
の排土用スクリュー体を回転させて排土するようにして
も良い。
【0017】掘削機A1 は刃口2を往復移動して掘削す
るが、その移動方向が変わっても両排土用スクリュー体
8,9の回転方向は変わらない。
【0018】図1,2に示した回転カッタ6,7及び排
土用スクリュー体8,9の動力伝達機構について説明す
る。各回転カッタ6,7のケーソン内側には歯車6a,
7aが設けられていると共に、排土用スクリュー体8,
9のケーソン内側には内歯車8a,9a及び外歯車8
b,9bが設けられている。左方の回転カッタ6と排土
用スクリュー体8の内歯車6a,8aと、基板5に搭載
した駆動源14との間にチェーン15が巻回してあり、
駆動源14の駆動により回転カッタ6及び排土用スクリ
ュー体8が同一方向に回転するようになっている。
【0019】さらに左方の排土用スクリュー体8に設け
た外歯車8bと、基板5に回転自在に枢支した中間軸1
6に設けた外歯車16bとが噛合している。さらに中間
軸16の前記外歯車16bと一体に設けた内歯車16a
と、右方の排土用スクリュー体9の外歯車9bとの間に
チェーン17が巻回している。右方の排土用スクリュー
体9及び回転カッタ7の内歯車9a,7aとの間にチェ
ーン18が巻回してある。そして、左方の排土用スクリ
ュー体8の回転力を外歯車8b、16b、内歯車16
a、チェーン17を経由して右方の排土用スクリュー体
9へ伝達すると共に、右方の排土用スクリュー体9の回
転力を外歯車9b、チェーン18、内歯車9aを介して
右方の回転カッタ7へ伝達できるようになっている。
【0020】〈ホ〉走行手段 図1,図2,図5に基づいて掘削機A1 の走行手段につ
いて説明する。基板5の上面側には、基板5の走行方向
に対し直交方向に向けて配置され、回転可能に駆動軸1
9が枢支されている。駆動軸19の両端には走行用歯車
20,20が固着されている。各走行用歯車20の周面
には、前記した棒体4を収容可能で、かつ、棒体4の配
設ピッチと等しい間隔で複数の凹部20aが形成されて
いる。駆動軸19のケーソン内側短には歯車20bが固
着してある。図1に示す駆動源21と前記歯車20bと
の間にチェーン22が巻回してあって、駆動源21の正
転及び逆転力を左右一対の走行用歯車20,20へ伝達
して掘削機A1 に前進及び後進力を付与できるようにな
っている。
【0021】尚、既述した回転カッタ6,7及び排土用
スクリュー体8,9の動力伝達機構及び左右一対の走行
用歯車20,20の動力伝達機構は例示であり、これに
限定されるものではなく、公知の各種動力伝達機構を適
用できることは勿論である。
【0022】
【作用】つぎにケーソン1の刃口直下地盤の掘削方法に
ついて説明する。
【0023】〈イ〉掘削機のセット 図6に示すようにケーソン1の刃口2の各辺に、既述し
た掘削機A1 〜A4 をセットする。この際、刃口2の直
下地盤の全体を均等に掘削するため、各掘削機A1 〜A
4を刃口2の点対称位置に配置することが望ましい。
【0024】〈ロ〉掘削開始 各掘削機A1 〜A4 を一斉に稼働して掘削を開始すると
共に、対向する掘削機A1 ,A3 とA2 ,A4 をケーソ
ン1の刃口2に沿って等速度で往復走行させる。
【0025】すなわち、図5に示す如く走行用歯車2
0,20を回転させてケーソン1の両側面に設けた棒体
4,4に順次反力を得ながら掘削機を自走させる。この
間、図1〜図4に示した回転カッタ6,7を回転しなが
ら刃口2の直下地盤を均等に掘削しつつ、削土を各排土
用スクリュー8,9で以てケーソン1の内側へ排出す
る。
【0026】以上の作業を繰り返すことで、刃口2の直
下地盤を均等量づつ掘削してケーソン1を沈下させる。
また、任意の掘削機A1 〜A4 のみを自走させて部分的
な範囲を掘削してケーソン1の沈下量を修正するように
してもよい。
【0027】〈ハ〉掘削機の負担負荷について 掘削機A1 〜A4 にケーソン1の総重量が負荷するよう
に思われるが、以下の理由からケーソン1の総重量は作
用せず、各掘削機A1 〜A4 の負担荷重は小さなもので
済む。
【0028】すなわち、ケーソン1の刃口2の一辺だけ
を取り出して考えると、掘削機A1が掘削を開始する前
は、設置面積の多い刃口2の直下地盤が大部分の荷重を
負荷し、掘削機A1 が負担する荷重は直下地盤に比べて
極めて小さい。また掘削機A1 が刃口2の一辺の中央に
達したときに掘削機A1 の負担荷重が最も大きくなる
が、それでも半分は直下地盤が負担することになる。掘
削機A1 が刃口2の一辺の中央を越えると掘削機A1 の
出発地点側が沈下して直下地盤の負担割合が増してく
る。
【0029】このように直下地盤がケーソン1の重量を
常に支持することになるので、掘削機A1 〜A4 の負担
荷重は小さくて済む。しかも複数の掘削機A1 〜A4 に
分散されるので、各掘削機A1 〜A4 の負担荷重は益々
小さなものとなる。
【0030】
【発明の実施の形態2】以降の説明に際し、既述した実
施の形態1と同一の部位は同一の符号を付して説明を省
略する。図7,8に他の掘削手段と排土手段を具備させ
た他の実施の形態に係る掘削装置を示す。
【0031】図7はケーソン1の刃口2側から見た図を
示し、図8はその側面図を示す。本実施の形態は基板5
の走行方向に対して両端部に鉛直軸を中心に回転する複
数の回転羽根23を設け、該回転羽根23に掘削機能と
排土機能を併有させたものである。すなわち、基板5の
左右両端部には基板5の走行方向と直交する方向に向け
て複数の回転羽根23が配置されている。各回転羽根2
3は図8に示すようにドラム24と、ドラム24の周面
に放射状に設けた複数の羽根25とよりなり、各羽根2
5がドラム24の円周面の他にドラム24の下面も掘削
できるようになっている。
【0032】さらに回転羽根23を配置した基板5の内
側に回転羽根23の配列方向に沿った排土案内面26,
26が夫々形成してあって、各列の回転羽根23を同一
方向に回転することで、掘削作業をしつつ、削土を各回
転羽根23で以て排土案内面26に沿わせてケーソン内
側へ向けて搬送できるようになっている。尚、ケーソン
の両側面に設けた棒体4と掘削機の走行用歯車20,2
0による自走手段は既述した実施の形態と同様である。
【0033】本例にあっては、回転羽根23に掘削機能
と排土機能を併有させたことで、構造の簡略化を図るこ
とができる。
【0034】
【発明の実施の形態3】既述した実施の形態では複数の
掘削機A1 〜A4 を往復走行させて掘削する場合につい
て説明したが、複数の掘削機を一定方向に向けて走行さ
せて掘削するようにしても良い。本例は、ケーソンの平
面形が円形の場合に好適である。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上説明したようになるから次
のような効果を得ることができる。 〈イ〉 ケーソンの刃口直下地盤を直接掘削できるの
で、ケーソン内部に作業者が入る必要がなくなり、作業
者の安全を確保してケーソンを沈下することができる。 〈ロ〉 従来はケーソンの刃口直下を掘削せずに沈下さ
せるため、鉛直性及び水平性を保持するための付帯設備
が必要であった。これに対して本発明は、ケーソンの刃
口直下地盤を直接掘削してケーソンを沈下させるので、
従来の付帯設備を省略することができる。 〈ハ〉 ケーソンの両側面に棒体を設け、これらの棒体
から反力を得て掘削機を自走させることができると共
に、自走構造が簡単で故障し難い。 〈ニ〉 基板の両側に装備させた鉛直軸を中心に回転す
る複数の回転羽根で、掘削と排土を行うことができ、装
置の簡略化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 掘削機を装備したケーソンを刃口側から見た
矢視図
【図2】 ケーソンを内側から見た刃口部の側面図
【図3】 図1におけるIII −III の断面図
【図4】 図3におけるIV−IVの断面図
【図5】 図2におけるV−Vの断面図
【図6】 複数組の掘削機を装備したケーソンを刃口側
から見た矢視図
【図7】 他の掘削機を装備したケーソンを刃口側から
見た矢視図
【図8】 その側面図
【符号の説明】
A1 〜A4 掘削機 1 ケーソン 2 ケーソンの刃口 3 鋼板 4 棒体 5 基板 6,7 回転カッタ 8,9 排土用スクリュー体 10,11 ブラケット 12 回転駆動軸 13 ビット 20,20 走行用歯車 23 回転羽根

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーソンの刃口の直下地盤を掘削する
    ケーソン用掘削装置において、 ケーソンの刃口の内外両側面に所定の間隔で設けた棒体
    群と、 ケーソンの刃口にケーソンの点対称位置に配置した複数
    の掘削機とよりなり、 前記掘削機は、ケーソンの刃口に沿って移動する基板
    と、 基板の走行方向の両側に配備され、ケーソンの刃口直下
    の地盤を掘削する掘削手段と、 基板の走行方向の両側に配備され、削土をケーソン内側
    へ搬出する排土手段と、 前記基板に水平軸を中心に回
    転自在に枢支され、前記棒体群に係合して走行する一対
    の走行用歯車とを具備することを特徴とする、 ケーソン用掘削装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のケーソン用掘削装置
    において、掘削手段が、基板の両端部に回転可能に配備
    した回転カッタであり、排土手段が前記回転カッタの内
    側に回転可能に配備した排土用スクリュー体と、前記排
    土用スクリュー体の内側に排土用スクリュー体と平行に
    形成した排土案内面とにより構成したことを特徴とす
    る、ケーソン用掘削装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のケーソン用掘削装置
    において、基板の走行方向に対して両端部に基板の走行
    方向と直交する方向に向けて複数の回転羽根を配置し、
    回転羽根を配置した基板の内側に回転羽根の配列方向に
    沿って排土案内面を夫々形成し、前記同一方向に回転す
    る回転羽根と排土案内面とにより掘削手段と排土手段を
    兼用させたことを特徴とする、ケーソン用掘削装置。
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