JP2884217B2 - 鳥害防止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は構築物の内外に鳩や雀
などの鳥が飛来したり、巣作りするのを防止する鳥害防
止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】野生の鳩や雀などの鳥は人家の近くに生
息することから、人家のベランダや駅構内、神社仏閣な
どの構築物に飛来して、所かまわずフンを排泄するた
め、フン公害として社会問題となっている。このため従
来では鳥が構築物内へ侵入できないよう防除網を張り囲
ぐらしたり、鳥が嫌う特殊な塗料を構築物に塗装して対
策しているが、構築物が駅構内や神社仏閣などの場合、
十分な効果は上っていない。

【０００３】また別の方法として、磁力を利用して鳩が
飛来するのを防止する「鳩飛来防止装置」が実公平４−
１０７８９号公報で提案されている。上記公報の鳩飛来
防止装置では、鳩が飛来してほしくない場所に張架用糸
線を架設して、この張架用糸線に磁石体を取付けたもの
で、磁石体より発生される磁力によって鳩のもつ生物磁
石を混乱させることにより、鳩を追い払うように構成さ
れている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記公報の鳩飛
来防止装置では、広い範囲に張架用糸線を張り囲ぐらさ
なければならないため、構築物が大きい場合、設備が大
掛りとなるため経費が嵩むと共に、駅構内などでは張架
用糸線が電車などの往来に邪魔になるため設置できない
などの不具合がある。この発明はかかる不具合を改善す
るためになされたもので、おどし効果により鳥が飛来し
たり、巣作りするのを防止する鳥害防止装置を提供する
ことを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項１記載の発明は、構築物の上面や下面に取付け自
在な回転アーム支持部材１に、放射方向に複数のアーム
を有し、かつ各アームに風受け羽根が突設された回転ア
ームを回転自在に支承し、また上記各アームの先端に
は、表裏面に互い違いとなるよう風受け羽根が突設さ
れ、かつ反射面と磁石体が設けられた回転反射板を回転
揺動手段を介して回転及び揺動自在に取付けると共に、
上記回転アームを回転自在に支承する回転アーム支持部
材の上面と、回転アームの中心部に設けられたボス部の
下面に、同極が互に対向する磁石体を埋設したものであ
る。また請求項２記載の発明は、回転反射板を回転及び
揺動自在に支承する回転揺動手段を、上記回転反射板の
外周部に突設された軸ピンが緩く嵌合する嵌合部と、こ
の嵌合部の上面に上記軸ピンを挟んで対向するように突
設され、かつ上記軸ピンの先端に突設された大径部の下
面を下方より支持する一対の突起より構成したものであ
る。

【０００６】

【作 用】上記構成により、回転アームの各アームよ
り突設された風受け羽根が風を受けると回転アームが回
転し、また回転アームの各アーム先端に取付けられた回
転反射板の風受け羽根が風を受けると回転反射板が揺動
しながら回転するため、風によって回転アームと回転反
射板が同時に回転するようになる。また磁石の反発力に
より回転アームを僅かに浮上させたことから、弱い風の
ときでも回転反射板が揺動しながら回転アームが回転す
るため、鳥追い効果が損なわないことがない。

【０００７】

【実 施 例】この発明は一実施例を図面を参照して詳
述する。図１及び図２において１は駅構内などの構築物
上に設置する回転アーム支持部材で、円筒形をなしてい
て、下端に円板状の取付け板１ａが設けられている。上
記取付け板１ａには底面の中央部に環状の磁石体２が埋
設されていて、構築物が鉄骨などの磁性体の場合は、こ
の磁石体２を構造物に吸着することにより、構造物に対
して回転アーム支持部材１が取付けられるようになって
いると共に、取付け板１ａの外周部側には、複数のビス
孔１ｂが形成されていて、構築物が木などの非磁性体の
場合は、これらビス孔１ｂに挿入したビスなどの固着具
により回転アーム支持部材１が構築物に取付けられるよ
うになっている。

【０００８】また上記回転アーム支持部材１の上面は端
板１ｃにより閉塞されていて、この端板１ｃ上面に環状
の磁石体３が埋設されていると共に、端板１ｃの上面中
央部より上方へ突設された軸筒部１ｄに回転アーム４の
中心部に開口された嵌合孔４ａが上方より嵌合され、軸
筒部１ｄに圧入されたキャップ５の鍔部５ａにより抜け
外れないようになっている。上記回転アーム４は図１に
示すように、嵌合孔４ａが開口されたボス部４ｂの外周
部に複数、例えば３本のアーム４ｃが円周方向に等間隔
に突設されている。これらアーム４ｃは同じ長さに形成
されていて、先端側の上面に、〜状の風受け羽根４ｄが
突設されており、これら風受け羽根４ｄに風を受けるこ
とにより回転アーム支持部材１上で回転するようになっ
ていると共に、上記ボス部４ｂの下面には、回転アーム
支持部材１の上面中央に埋設された磁石体３と同極が対
向するよう環状の磁石体１１が埋設されていて、これら
磁石体３，１１の反発作用により回転アーム４側が僅か
に浮上されるようになっている。

【０００９】一方上記回転アーム４の各アーム４ｃ先端
には、ほぼＣ字形の嵌合部４ｅがそれぞれ形成されてい
て、これら嵌合部４ｅに回転反射板６の外周部に突設さ
れた軸ピン６ａが緩く嵌合され、大径部６ｂにより抜け
落ちないようになっていると共に、嵌合部４ｅの上面に
は、中心を挟んで対向する位置に一対の突起４ｆが突設
されていて、これら突起４ｆにより大径部６ｂの下面を
下方より支持することにより、回転反射板６が僅かな風
でも揺動して、おどし効果が高まるようになっている。
上記回転反射板６は、円板状をなしていて、遠赤外線や
放射線を放出する天然石の粉末を混入した樹脂により全
体が成形されている。

【００１０】また上記回転反射板６はおどし効果を高め
るため、全体が人の顔の形に形成されていて、表面に反
射シールや蒸着メッキなどにより反射面が形成されてい
ると共に、目に当る部分に環状の磁石体７が埋め込まれ
ている。上記磁石体７は強力な磁力線、例えば１５００
０ガウスの磁力線を発生する永久磁石により形成されて
いて、回転反射板６の目の位置に形成された円環状部６
ｃに後から嵌め込むことにより取付けられていると共
に、回転反射板６の鼻に当る部分はほぼ三角形に抜かれ
ている。そして口に当る部分には長方形状の角環状部６
ｄが形成されていて、この角環状部６ｄに上記目の部分
の磁石体７と同様な永久磁石よりなる板状の磁石体８が
嵌着されていると共に、口に当る部分の表裏面には反射
テープ１２が設けられている。

【００１１】上記反射テープ１２は表面が鏡面となった
短柵状のテープで、上端が止着具１３により鼻と口の間
に止着されていると共に、下端側は回転反射板６の下方
に垂下されていて、回転反射板６の回転に伴いヒラヒラ
と揺れ動くようになっている。そして上記回転反射板６
の耳に当る部分には、軸ピン６ａを中心に回転反射板６
を回転させる風受け羽根６ｅが、一方は表側に、そして
他方は裏側にそれぞれ突設されている。

【００１２】次に上記構成された鳥おどし装置の作用を
説明すると、駅構内など鳥が飛来したり、巣作りしては
困る場所の構築物上に回転アーム支持部材１の取付け板
１ａを磁石体２やビスなどの固着具により固定し、回転
アーム４が回転できる状態にする。この状態で風が吹く
と、回転アーム４に突設された風受け羽根４ｄが風を受
けて回転し、また回転反射板６の風受け羽根６ｅも風を
受けて回転反射板６も回転する。また回転アーム４は磁
石体３，１１の反発作用により図２に示すように僅かに
浮いた状態にあるため、弱い風でもよく回転すると共
に、回転反射板６は回転アーム４の嵌合部４ｅ上面に突
設された突起４ｆに大径部６ｂが支持されているため、
回転しながら揺動し、同時に反射テープ１２も揺れ動く
ようになる。

【００１３】これによって構築内に飛来した鳥をおどし
て追い払うことができると共に、回転反射板６の目や口
の部分に埋設された磁石体７，８、回転アーム支持部材
１や回転アーム４に埋設された磁石体３，１１より発せ
られる磁力により鳥の生体磁石が乱されるため、回転及
び揺れ動く回転反射板６のおどし効果と磁力の相乗効果
により鳥の飛来や巣作りを効果的に防止することができ
るようになる。

【００１４】なお上記実施例は構築物上に鳥おどし装置
を設置して使用する場合であるが、駅構内などの場合鉄
製の梁が多く存在することから、回転アーム支持部材１
を図７に示すように下向きに取付けるようにしてもよ
い。この場合、回転アーム支持部材１の端板１ｃより下
方へ突設した支軸１ｇに回転アーム４のボス部４ｂを回
転自在に支承して支軸１ｇの先端に係止円板１４を嵌合
し、スナップリングなどの止着具１５により支軸１ｇよ
り抜け外れないように係止する。そしてこの係止円板１
４と回転アーム４の対向面に、同極が対向するように磁
石体３，１１を埋設して、これら磁石体３，１１の反発
作用で回転アーム４を僅かに浮上させることにより、弱
い風でも回転アーム４がよく回転するようになってい
る。また回転反射板６の表裏面に取付けた反射テープ１
２の代りに、図８に示すように鼻の部分に紐状物１６を
通して、この紐状物１６に適当な長さの反射テープ１
２′を複数本結んだり、口の部分に反射テープ１２′を
通すことにより取付けるようにしてもよい。

【００１５】

【発明の効果】この発明は以上詳述したように、回転ア
ームの各アームより突設された風受け羽根が風を受ける
と回転アームが回転し、また回転反射板の風受け羽根が
受けると、回転反射板が揺動しながら回転するため、回
転アームと回転反射板は風によって同時に回転するよう
になる。 これによって回転反射板が複雑に動作するた
め、鳥追い効果が倍増すると共に、回転反射板の複雑な
動きによって、回転反射板の反射面で反射される光は、
予測できない方向へと拡散して鳥に強い不安感を与える
ことになり、同時に磁石体より発生される磁力線との相
乗効果により鳥おどし効果が増幅されて、鳥をより効率
よく追い払うことができるようになる。これによって駅
構内や住宅のベランダ、神社仏閣などに鳥が飛来するこ
とによる発生するフン公害などの鳥害を未然に防止する
ことができると共に、回転アーム支持部材を構築物の上
面や下面に取付けるだけで設置することができるため、
構築物に容易に設置することができる。また、回転アー
ムを磁石の反発力を利用して浮上させたことにより、風
の弱いときでも回転アームがよく回転すると共に、回転
反射板を回転及び揺動自在に支承する回転揺動手段を、
上記回転反射板の外周部に突設された軸ピンが緩く嵌合
する嵌合部と、この嵌合部の上面に上記軸ピンを挟んで
対向するように突設され、かつ上記軸ピンの先端に突設
された大径部の下面を下方より支持する一対の突起より
構成したことにより、回転アームを回転するのに必要な
強さの風が吹かなくても、回転反射板が揺動して、周囲
に反射光と磁力線を拡散するため、十分な鳥追い効果が
得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例になる鳥害防止装置の平面
図である。

【図２】この発明の一実施例になる鳥害防止装置の回転
アーム支持部材及び回転アームの断面図である。

【図３】この発明の一実施例になる鳥害防止装置の回転
アームの平面図である。

【図４】図２のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図５】図２のＢ方向からの拡大矢視図である。

【図６】図２のＣ−Ｃ線に沿う断面図である。

【図７】この発明の他の実施例になる鳥害防止装置の説
明図である。

【図８】反射テープの他の実施例を示す説明図である。

【符号の説明】 １…回転アーム支持部材、１ｃ…端板、２，３…磁石
体、４…回転アーム、４ｂ…ボス部、４ｃ…アーム、４
ｅ…嵌合部、４ｆ…突起、６…回転反射板、７，８，１
１…磁石体、１２…反射テープ。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 構築物の上面や下面に取付け自在な回転
   アーム支持部材１に、放射方向に複数のアーム４ｃを有
   し、かつ各アーム４ｃに風受け羽根４ｄが突設された回
   転アーム４を回転自在に支承し、また上記各アーム４ｃ
   の先端には、表裏面に互い違いとなるよう風受け羽根６
   ｅが突設され、かつ反射面と磁石体７，８が設けられた
   回転反射板６を回転揺動手段を介して回転及び揺動自在
   に取付けると共に、上記回転アーム４を回転自在に支承
   する回転アーム支持部材１の上面と、回転アーム４の中
   心部に設けられたボス部４ｂの下面に、同極が互に対向
   する磁石体３，１１を埋設したことを特徴とする鳥害防
   止装置。
2. 【請求項２】 回転反射板６を回転及び揺動自在に支承
   する回転揺動手段を、上記回転反射板６の外周部に突設
   された軸ピン６ａが緩く嵌合する嵌合部４ｅと、この嵌
   合部４ｅの上面に上記軸ピン６ａを挟んで対向するよう
   に突設され、かつ上記軸ピン６ａの先端に突設された大
   径部６ｂの下面を下方より支持する一対の突起４ｆより
   構成してなる請求項１記載の鳥害防止装置。