JP2884211B2 - 白熱電球の製造方法 - Google Patents

白熱電球の製造方法

Info

Publication number
JP2884211B2
JP2884211B2 JP11924393A JP11924393A JP2884211B2 JP 2884211 B2 JP2884211 B2 JP 2884211B2 JP 11924393 A JP11924393 A JP 11924393A JP 11924393 A JP11924393 A JP 11924393A JP 2884211 B2 JP2884211 B2 JP 2884211B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
multilayer film
glass tube
manufacturing
incandescent lamp
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11924393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06310110A (ja
Inventor
正修 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koito Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Koito Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koito Manufacturing Co Ltd filed Critical Koito Manufacturing Co Ltd
Priority to JP11924393A priority Critical patent/JP2884211B2/ja
Publication of JPH06310110A publication Critical patent/JPH06310110A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2884211B2 publication Critical patent/JP2884211B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規は白熱電球の製造方
法に関する。詳しくは、特定の色の光を投光するため、
あるいは光源の発光効率を向上させるためにガラス球の
表面に多層膜が形成された白熱電球の製造方法に関し、
製造工数の低減を図ると共に多層膜の形成時に不良が発
生してもその損害を最小限に留めることができる新規な
白熱電球の製造方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】特定の色の光のみを投光するために、あ
るいは光源の発光効率の向上を目的にガラス球の表面に
多層膜を形成した白熱電球が知られている。
【0003】例えば、自動車用前照灯に使用される白熱
電球はその投光色が黄色になるようにするために多層膜
が形成され、また、医療用や撮影用のスポットランプに
使用される白熱電球はガラス球外へ赤外線が出射されな
いようにしてガラス球内の温度を上昇させ、フィラメン
トの発光効率を良くするために多層膜が形成される。
【0004】かかる多層膜としては、例えば、酸化けい
素(SiO2)と酸化チタン(TiO2)を交互に重ね
て形成し、その各層の層厚又は層数を適宜変えることに
より、上記着色や赤外線の反射を行うようにしたものが
ある。
【0005】このような多層膜が形成された白熱電球
は、一般に、次のようにして製造される。
【0006】先ず、円筒状のガラス素管を一定の方向に
回転させながら、その中間部をバーナーで加熱してこれ
が充分に軟化したところで、ガラス素管の上端部を固定
しておいて、下端部を下方へ引張る(自然下降でも良
い。)ことによって、ガラス素管の軟化していた中間部
分を引き伸ばして他の部分より径の細くなったネック部
を形成する。
【0007】それから、ガラス素管の下部内に予めフィ
ラメントを張設しておいたリード線を挿入しておき、そ
の状態でガラス素管の下端部をバーナーで良く加熱軟化
させ、これが充分に軟化したところで該下端部をピンチ
ヤーによって圧潰し、ピンチシール部を形成する。
【0008】その後、冷却工程を経て封入ガスをガラス
素管の上部からネック部を通してガラス素管の下部内に
満たし、これとネック部との境目を加熱軟化して切り離
すと同時にガラス素管の下部を閉塞し、上記ネック部が
排気封止部とされる。
【0009】次に、このようにして形成されたガラス球
に上述した多層膜を蒸着又はディッピング等により形成
する。
【0010】その後、用途に合わせた口金がガラス球の
ピンチシール部に取着されて白熱電球が製造される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように製造された
白熱電球は、そのガラス球をガラス素管の状態から縮径
し又は圧潰した部分(排気封止部、ピンチシール部)に
多層膜を形成した場合、該多層膜の層厚が不均一になり
易く、そのため、フィラメントを点灯したときに上記排
気封止部及びピンチシール部にいわゆる「色むら」が発
生するという問題がある。
【0012】そこで、従来、白熱電球の製造にあって
は、該白熱電球の排気封止部及びピンチシール部に多層
膜が形成されないようにするため、蒸着又はディッピン
グ等による多層膜の形成を行う前工程として、排気封止
部及びピンチシール部にマスクを施すマスク形成工程が
必要であった。
【0013】また、自動車用前照灯のすれ違いビーム用
の白熱電球の製造にあっては、該白熱電球からすれ違い
ビームの照射時に眩惑光が出射されないようにするた
め、ガラス球の先端部(排気封止部)に黒色の遮光膜を
形成するための遮光膜形成工程が必要であった。
【0014】このように、多層膜を施した白熱電球を製
造するに当たっては、マスク形成工程及び/又は遮光膜
形成工程が必要であり、白熱電球の製造工程を複雑にす
るという問題があった。
【0015】更に、従来の白熱電球の製造方法にあって
は、多層膜の形成時にその層厚あるいは層数の不良が発
生したときは、既にフィラメント及びリード線をガラス
球の所定の位置に配置した状態なので、これら全てを不
良品として破棄しなければならず、これら部品及びそこ
までの製造工程の全てが無駄になるという問題があっ
た。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明白熱電球の製造方
法は、上記した課題を解決するために、多層膜をガラス
素管の状態で形成した後、該ガラス素管の封止予定部を
熱加工により封止部とすることにより、該封止部におけ
る表面に形成された多層膜を変状させフロスト面とした
ものである。
【0017】
【作用】従って、本発明白熱電球の製造方法によれば、
ガラス素管に多層膜を形成した後、該ガラス素管の封止
予定部を熱加工により封止部とするため、封止予定部の
の熱加工時に該封止予定部に形成された多層膜が変状し
て微小凹凸面と化し、これにより、熱加工が施された封
止部の表面がフロスト面にされ拡散部になるため、該部
分に色むらが発生することはなく、従って、医療用や撮
影用のスポットランプに使用される白熱電球の製造にあ
っては上記マスク形成工程を省略することができ、ま
た、白熱電球の先端部が拡散部とされるため、自動車用
前照灯用の白熱電球の製造にあっては、遮光膜を形成す
る必要がなく、遮光膜形成工程を省略することができ
る。
【0018】このように、多層膜を施した白熱電球を製
造するに当たって、マスク形成工程及び/又は遮光膜形
成工程を省略することができ、白熱電球の製造工程をよ
り簡略化することができる。
【0019】また、多層膜の形成時において不良が発生
したとき、かかる状態は、未だ、フィラメント及びリー
ド線をガラス管に配置していない状態であり、これを破
棄しても、その損失は多層膜の形成に関する部品又は工
程だけであり、損害を最小限に留めることができる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明白熱電球の製造方法の詳細を
図示した実施例に従って説明する。
【0021】尚、図1乃至図10に示す実施例は本発明
白熱電球の製造方法を自動車用前照灯のすれ違いビーム
用のハロゲン電球の製造に適用したものである。
【0022】図中1がハロゲン電球(尚、口金は省略し
てある。)であり、かかるハロゲン電球1は、次のよう
にして製造される。
【0023】先ず、適当な長さの円筒状をしたガラス素
管2を用意し、該ガラス素管2の表面に多層膜3を形成
する。
【0024】かかる多層膜3は、例えば、酸化けい素
(SiO2)と酸化チタン(TiO2)とを交互に蒸着
又はディッピングを行い、両者が交互に重なるようにし
て形成される。
【0025】尚、多層膜3の各層の層厚及び層数は該多
層膜3を形成する目的、即ち、自動車用前照灯用のハロ
ゲン電球のようにその投光色を黄色に着色する目的や医
療用、スタジオ用の白熱電球のようにガラス球内の温度
を上げて発光効率を高める目的等に合わせて適宜決定さ
れる。
【0026】次に、このようにして多層膜3が形成され
たガラス素管2を上記した従来の製造方法と同様な製造
方法により、熱加工して封止して、白熱電球を製造す
る。
【0027】即ち、先ず、多層膜3を形成したガラス素
管2を用意し、該ガラス素管2の両端を固定用治具4、
4にて保持する。
【0028】そして、ガラス素管2の中間部分5をバー
ナー等により加熱し、該部分5を軟化させ(図2参
照)、それから、一方の固定用治具4を図3の矢印で示
す方向へ移動させてガラス素管2の両端を引き離すよう
にする。
【0029】すると、加熱により軟化している中間部分
5が引き延ばされてその径が細くなり、そこが排気封止
予定部6となり、主部7と排気封止予定部6とが一体に
なったガラス管8が形成される(図4参照)。
【0030】ガラス素管2の中間部分5をバーナー炎に
より加熱すると、その表面に形成された多層膜3がその
熱により微小凹凸に変状され、これにより、上記排気封
止予定部6の表面がフロスト面9にされる。
【0031】次いで、リード線10、10の先端間にフ
ィラメント11を張設したものを用意し(図5参照)、
そのフィラメント11がガラス管8の主部7内の所定の
箇所に位置するように配置する(図6参照)。
【0032】そして、このようなガラス管8のピンチシ
ール予定部12をバーナー炎13等で加熱溶融させ(図
7参照)、この部分12をそれが未だ流動性を備えてい
る間に相対向する2つの圧着金型14、14により圧着
して、ピンチシール部15を形成する。
【0033】このとき、ピンチシール予定部12をバー
ナー炎13により加熱すると、上述した中間部分5と同
様に、その表面に形成された多層膜3がその熱により微
小凹凸に変状し、これにより、ピンチシール部15の表
面がフロスト面16にされる。
【0034】これによってピンチシール部15にリード
線10、10の中間部が埋設状に封着される(図8、図
9参照)。
【0035】次いで、排気封止予定部6を通して、主部
7内の排気、洗浄を行なった後、主部7内に所定のガス
等を充填して排気封止予定部6をチップオフして、該部
分を排気封止部17としてガラス球18が形成される
(図10参照)。
【0036】その後、口金(図示は省略する。)をガラ
ス球18のピンチシール部15に取着して図1に示すよ
うなハロゲン電球1が製造される。
【0037】しかして、このように製造されたハロゲン
電球1のフィラメント11を点灯すると、フィラメント
11から出射された光は、その大部分がガラス球18の
主部7から出射され、このとき、その出射光が上記主部
7に形成された多層膜3により黄色に着色される。
【0038】また、ガラス球18の排気封止部17及び
ピンチシール部15の表面はフロスト面9、16に形成
されているため、それらから出射される光は拡散され、
これにより、これら部分において色むらが生ずることは
なく、また、これら部分から出射される光は強い光にな
らないため、眩惑光になることもない。
【0039】しかも、従来の自動車用前照灯のすれ違い
ビーム用のハロゲン電球にあってはガラス球の先端部に
黒色の遮光膜を形成していたため、フィラメントから出
射される光束のうち遮光膜に当たった光は遮光膜に吸収
されていまい損失となっていたが、当該ハロゲン電球に
おいては、強い光ではないが、ガラス球の先端部から前
方へ光を出射することができ、全体の光量を従来のそれ
に比べ多くすることができる。
【0040】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、本発明白熱電球の製造方法は、ガラス球の表面に多
層膜が形成された白熱電球の製造方法であって、多層膜
をガラス素管の状態で形成した後、該ガラス素管の封止
予定部を熱加工により封止部とすることにより、該封止
部における表面に形成された多層膜を変状させフロスト
面としたことを特徴とする。
【0041】従って、本発明白熱電球の製造方法によれ
ば、ガラス素管に多層膜を形成した後、該ガラス素管の
封止予定部を熱加工により封止部とするため、封止予定
部のの熱加工時に該封止予定部に形成された多層膜が変
状して微小凹凸面と化し、これにより、熱加工が施され
た封止部の表面がフロスト面にされ拡散部になるため、
該部分に色むらが発生することはなく、従って、医療用
や撮影用のスポットランプに使用される白熱電球の製造
にあっては上記マスク形成工程を省略することができ、
また、白熱電球の先端部が拡散部とされるため、自動車
用前照灯用の白熱電球の製造にあっては、遮光膜を形成
する必要がなく、遮光膜形成工程を省略することができ
る。
【0042】このように、多層膜を施した白熱電球を製
造するに当たって、マスク形成工程及び/又は遮光膜形
成工程を省略することができ、白熱電球の製造工程をよ
り簡略化することができる。
【0043】また、多層膜の形成時において不良が発生
したとき、かかる状態は、未だ、フィラメント及びリー
ド線をガラス管に配置していない状態であり、これを破
棄しても、その損失は多層膜の形成に関する部品又は工
程だけであり、損害を最小限に留めることができる。
【0044】尚、上記実施例においては、本発明白熱電
球の製造方法を自動車用前照灯のすれ違いビーム用のハ
ロゲン電球の製造方法に適用したものを示したが、これ
に限らず、多層膜を形成した各種の白熱電球、例えば、
医療用や撮影用のスポットランプに使用される白熱電球
等の製造方法に適用することができることは勿論であ
る。
【0045】この他、上記実施例に示したガラス球、ピ
ンチシール部、排気封止部その他各部の構造ないし形状
又はフィラメントの数等は本発明を実施するに当たって
の具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらに
よって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはなら
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明白熱電球の製造方法を自動車用前照灯の
すれ違いビーム用のハロゲン電球の製造方法に適用し、
かかる方法により製造した白熱電球の斜視図である。
【図2】ガラス素管の中間部分の加熱工程を示す図であ
る。
【図3】ガラス素管の中間部分の引き伸ばし工程を示す
図である。
【図4】ガラス素管の中間部分が引き伸ばされた状態を
示す図である。
【図5】フィラメントがリード線に張設された状態を示
す図である。
【図6】ガラス管内にフィラメントが位置された状態を
示す図である。
【図7】ガラス管のピンチシール予定部の加熱工程を示
す図である。
【図8】ピンチシール予定部を圧潰する直前の状態を示
す図である。
【図9】ピンチシール予定部を圧潰した状態を示す図で
ある。
【図10】排気封止予定部のチップオフ工程を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 ハロゲン電球(白熱電球) 2 ガラス素管 3 多層膜 6 排気封止予定部(封止予定部) 9 フロスト面 12 ピンチシール予定部(封止予定部) 15 ピンチシール部(封止部) 16 フロスト面 17 排気封止部(封止部)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス球の表面に多層膜が形成された白
    熱電球の製造方法であって、多層膜をガラス素管の状態
    で形成した後、該ガラス素管の封止予定部を熱加工によ
    り封止部とすることにより、該封止部における表面に形
    成された多層膜を変状させフロスト面としたことを特徴
    とする白熱電球の製造方法。
JP11924393A 1993-04-23 1993-04-23 白熱電球の製造方法 Expired - Fee Related JP2884211B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11924393A JP2884211B2 (ja) 1993-04-23 1993-04-23 白熱電球の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11924393A JP2884211B2 (ja) 1993-04-23 1993-04-23 白熱電球の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06310110A JPH06310110A (ja) 1994-11-04
JP2884211B2 true JP2884211B2 (ja) 1999-04-19

Family

ID=14756513

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11924393A Expired - Fee Related JP2884211B2 (ja) 1993-04-23 1993-04-23 白熱電球の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2884211B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007008696B3 (de) * 2007-02-20 2008-10-02 Heraeus Noblelight Gmbh Infrarotstrahler mit opakem Reflektor und seine Herstellung

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06310110A (ja) 1994-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2544114A1 (en) Halogen incandescent lamp and method for its production
JPH02148603A (ja) 車両用ヘッドランプ
JP3256931B2 (ja) 自動車用放電ランプ
JP2884211B2 (ja) 白熱電球の製造方法
WO2001084596A1 (en) Halogen incandescent lamp for motor vehicles
CN101218656B (zh) 加工灯的方法和按照这种方法所加工的灯
US3636398A (en) Subminiature electric lamp having a composite envelope
JPH0680253U (ja) 白熱電球
US4178050A (en) Manufacture of halogen cycle incandescent lamps
US2447158A (en) Sealing-in method for lamps and similar devices
US5734227A (en) Incandescent lamps and process for producing the same
US6659829B2 (en) Single-ended halogen lamp with IR coating and method of making the same
JP2813848B2 (ja) 白熱電球
JP2892777B2 (ja) ハロゲン電球
JP2932031B2 (ja) 白熱電球の製造方法
JP3004783B2 (ja) 自動車用ヘッドランプ
JPS6372061A (ja) ハロゲン入り電球の製造方法
JP2002151015A (ja) 車両用電球及びその製造方法
JP3144008B2 (ja) 片封止形ランプの成形方法
JPH103891A (ja) ハロゲン電球の製造方法と該方法で製造された多層膜コーティング型ハロゲン電球
JPH03252045A (ja) 車両用白熱電球
Hume Tungsten halogen lamps
JPH1027581A (ja) 耐圧性外囲器とその製造方法並びに前記外囲器を使用したランプ
JPH10321183A (ja) 自動車用放電ランプ
JPH059811Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees