JPH103891A - ハロゲン電球の製造方法と該方法で製造された多層膜コーティング型ハロゲン電球 - Google Patents

ハロゲン電球の製造方法と該方法で製造された多層膜コーティング型ハロゲン電球

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JPH103891A
JPH103891A JP17432796A JP17432796A JPH103891A JP H103891 A JPH103891 A JP H103891A JP 17432796 A JP17432796 A JP 17432796A JP 17432796 A JP17432796 A JP 17432796A JP H103891 A JPH103891 A JP H103891A
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Yumiko Nishibori
裕美子 西堀
Mari Nishibori
真理 西堀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、封止時にマ
ウントに設けられたフィラメントの位置が外囲器の中心
軸に対してずれないようにする事が出来るハロゲン電球
の製造方法を開発することにある。 【構成】 外囲器本体(1H)と、その側部
に延長部(1F)を有する外囲器(1)に、被支持部(m)とフィ
ラメント(6)とを有するマウント(M)を挿入し、前記外囲
器(1)の延長部(1F)内にマウント(M)の前記被支持部(m)
を配設し、然る後、外囲器(1)の延長部(1F)の一部或い
は全部を加熱・軟化させて封止し、延長部(1F)の一部或
いは全部に封止部(13)を形成し、前記封止部(13)にマウ
ント(M)の一部を埋設するハロゲン電球(A)の製造方法で
あって、マウント(M)の被支持部(m)と、延長部(1F)前記
被支持部(m)との対応位置の少なくとも一カ所におい
て、外囲器(1)の延長部(1F)の前記対応位置における延
長部の内径と、被支持部(m)とのクリアランスがフィラ
メント(6)の外径(W)より小さい事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マウントに設けられた
フィラメントを外囲器の略中心軸に自動的に一致させて
固定出来るハロゲン電球の製造方法と、該製造方法にて
形成されたハロゲン電球に赤外線不透過のコーティング
層を施した多層膜コーティング型ハロゲン電球に関す
る。
【0002】
【従来の技術】白熱電球、例えばGLSと呼ばれるナス
型の一般照明用白熱電球、アルミニウムを蒸着したリフ
レクタ型白熱電球、シールドビーム型白熱電球、シャン
デリアに使用される白熱電球、ガラス球の内部にシリコ
ンをコーティングしたシリカ球など各種の白熱電球が、
エジソンの発明以来、世界中で広汎に利用されてきた。
処が、将来のエネルギ事情を睨み、米国ではいち早く省
エネルギ法案を可決成立させ、これに基づいて照明分野
でも一般照明用白熱電球(現状ではシールドビーム型と
リフレクタ型に関してのみ)の明るさを25%向上させ
る事が法定された。そしてこの流れを受けて韓国でも立
法化されており早晩世界的な潮流となってくる事は疑い
がない所である。
【0003】このような要請に応え得るものとしてハロ
ゲン電球がクローズ・アップされて来ている。即ち、ハ
ロゲン電球は、その発光効率が高く、前述のGLSと呼
ばれるナス型の一般照明用白熱電球に比べて同一消費電
力で明るさは30から40%増加し且つその寿命は約2
倍以上である。しかしながら、それでも尚不十分である
として、最近は赤外線を反射させて赤外線より波長の短
い光のみを透過させる多層膜コーティングが外囲器の表
面に施され、フィラメントから出る赤外線を前記多層膜
コーティング層で外囲器内に反射させ、反射赤外線でフ
ィラメントを加熱してフィラメントの熱損失を極力抑
え、最終的にはより多くの可視光線を放射させて発光効
率を向上させるという手法が採用されるようになって来
た。
【0004】この場合、反射赤外線がフィラメントを効
率よく再加熱するためにはフィラメントを外囲器の中心
軸に合致するように配置する必要がある。換言すれば、
フィラメントの位置が外囲器の中心軸から外れていると
反射赤外線はフィラメントを効果的に再加熱出来ず発光
効率向上の向上には貢献出来なかった。
【0005】従来のハロゲン電球(B')の製造手順を図1
3に従って簡単に説明すると、外囲器(1')内にマウント
(M')を挿入し、マウント(M')の両端をマウント固定装置
(図示せず)で固定し、外囲器(1')とマウント(M')の相
互位置を確定した上で外囲器(1')に不活性化ガスを流し
て外囲器(1')内を非酸化性雰囲気とし、この非酸化性雰
囲気内で外囲器(1')の端部を加熱して軟化させ、加熱軟
化部分をピンチングして封止部(13')を形成していた。
マウント(M')はジグ(図示せず)によって外囲器(1')の
中心に位置するように保持されて封止部(13')内にマウ
ント(M')の封止用箔(10')が埋設されるが、ピンチシー
ル時の押圧力や封止部(13')を形成すべき溶けたガラス
流の移動具合、更には軟化具合の不均一性により、封止
用箔(10')が封止部(13')内で位置ずれを起こし、外囲器
(1')の中心軸(CL')からマウント(M')のフィラメント
(6')がずれてしまうという問題があった。図13では、
中心軸(CL')に対してフィラメント(6')が斜めにずれて
いる場合を示すが、勿論これに限られず、平行にずれた
りその他各態様でずれが生じる。
【0006】図13の場合、フィラメント(6')が中心軸
(CL')からずれているために、多層膜コーティング層
(9')による反射赤外線が効率よくフィラメント(6')に戻
される事なくフィラメント(6')の側方を通過して再加熱
する事ができず効率の向上を達成する事が出来ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題の第
1は、封止時にマウントに設けられたフィラメントの位
置が外囲器の中心軸に対してずれないようにする事が出
来るハロゲン電球の製造方法を開発することにあり、第
2は該方法によって製造した多層膜コーティング型ハロ
ゲン電球を提供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】『請求項1』は本発明の
ハロゲン電球(A1)…の製造方法で『外囲器本体(1H)と、
その側部に延長部(1F)を有する外囲器(1)に、被支持部
(m)とフィラメント(6)とを有するマウント(M)を挿入
し、前記外囲器(1)の延長部(1F)内にマウント(M)の前記
被支持部(m)を配設し、然る後、外囲器(1)の延長部(1F)
の一部或いは全部を加熱・軟化させて封止し、延長部(1
F)の一部或いは全部に封止部(13)を形成し、前記封止部
(13)にマウント(M)の一部を埋設するハロゲン電球(A)の
製造方法であって、マウント(M)の被支持部(m)と、延長
部(1F)前記被支持部(m)との対応位置の少なくとも一カ
所において、外囲器(1)の延長部(1F)の前記対応位置に
おける延長部(1F)の内径(D)と、被支持部(m)とのクリア
ランスがフィラメント(6)の外径(W)より小さい』事を特
徴とする。
【0009】これによれば、封止時にたとえ封止部(13)
内で被支持部(m)が径方向にずれたとしてもフィラメン
ト(6)の外径が外囲器(1)の中心軸(CL)に一致して配設さ
れているフィラメント(6)の外径から外れる事がなく、
外囲器(1)の外周面に多層膜コーティング層(9)を形成し
て略赤外線領域の波長の光を外囲器(1)の中心軸(CL)に
向けて反射させた時に、反射光がフィラメント(6)から
外れずにフィラメント(6)を再加熱することになる。そ
の結果、従来ではフィラメント(6')に戻される事なく徒
に反射していた略赤外線領域の光を有効利用する事がで
き、ハロゲン電球(A1)…における大幅な省エルネギを達
成する事ができるようになる。なお、外囲器(1)の延長
部(1F)とマウント(M)の前記被支持部(m)との関係は、図
1、5、6に示すように外囲器本体(1H)の両側において
支持するようにしてもよいし、図7のように外囲器(1)
の一方の延長部(1F)で行うようにしても良い。この場
合、一方の延長部(1F)による被支持部(m)の支持長さが
長いので、被支持部(m)はフラフラしない。また、この
場合、マウント(M)の他端は外囲器(1)の中心軸(CL)に合
わせてホルダ(20)で支持されている。
【0010】『請求項2』はマウント(M)の一方を延長
部(1F)で位置決めし、他ををマウント(M)に取り付けた
保持部材(3)で位置決めする場合で『外囲器本体(1H)
と、その側部に延長部(1F)を有する外囲器(1)に、被支
持部(m)とフィラメント(6)とを有するマウント(M)を挿
入し、前記外囲器(1)の延長部(1F)内にマウント(M)の前
記被支持部(m)を配設し、然る後、外囲器(1)の延長部(1
F)を一部或いは全部を加熱・軟化させて封止し、延長部
(1F)の一部或いは全部に封止部(13)を形成し、前記封止
部(13)にマウント(M)の一部を埋設するハロゲン電球(A)
の製造方法であって、延長部(1F)が外囲器本体(1H)の一
側部分に設けられており、前記延長部(1F)にマウント
(M)の被支持部(m)が支持されており、両者の対応位置の
少なくとも一カ所において、外囲器(1)の延長部(1F)の
前記対応位置における延長部(1F)の内径(D)と、被支持
部(m)とのクリアランスがフィラメント(6)の外径(W)よ
り小さく且つマウント(M)に取着された保持部材(3)でマ
ウント(M)が外囲器(1)内に保持されている』事を特徴と
する。
【0011】『請求項3』は前記各方法にて形成された
多層膜コーティング型ハロゲン電球(A)に関するもの
で、『請求項1又は2に記載の製造方法にて形成された
ハロゲン電球(A1)…の外囲器(1)に多層膜コーティング
層(9)が形成されている』事を特徴とするものであり、
これにより、多層膜コーティング層(9)にて反射された
略可視光線領域より波長の長い光は外囲器(1)の中心軸
(CL)に略一致して配設されているフィラメント(6)に集
光して再加熱し、フィラメント(6)からの熱損失を極力
抑える事により最終的に可視光線領域の光の出力の大幅
アップを図る事が出来る。
【0012】『請求項4』は略赤外線領域の光をより効
果的にフィラメント(6)に戻すために取られた構造で
『外囲器本体(1H)の少なくとも一部が球面状に形成され
ている』事を特徴とする。
【0013】
【実施例】以下、図面に示す実施例に従って本発明を詳
細に説明する。本発明のハロゲン電球の第1実施例(A1)
は図3に示すようなダブルエンドタイプのものである。
外囲器(1)は石英ガラス製で、その両端に幅狭に形成さ
れた封止部(13)が形成され、内部にマウント(M)が配設
され、外囲器本体(1H)内にはフィラメント(6)が張設さ
れている。第1実施例(A1)の外囲器(1)の形状は、図1
に示すように実線で描かれた円筒状の外囲器本体(1H)
と、その両側に細径に形成され、その端部が開口(この
部分を開口端部(1a)とする。)している延長部(1F)と、
外囲器本体(1H)の中央に接続され、外囲器本体(1H)の内
部と連通するチップ管(18)とで構成されている。外囲器
本体(1H)の形状は円筒状に限られず、例えば仮想線で示
すように、球状或いはラグビー球のような楕円球状のも
の、その他適宜の形状でもよい。
【0014】マウント(M)は、フィラメント(6)とその両
端に溶接された封止用箔(10)並びに該封止用箔(10)の他
端に溶接された外部リード棒(8)とで構成されている。
フィラメント(6)はタングステン製のダブルコイル(或
いはシングルコイル)で、本実施例では両端のシングル
コイル部分に保護コイルを被せたリード部(21)が形成さ
れており、前記リード部(21)が封止用箔(10)に溶接され
ている。勿論、前記リード部(21)の形状は前記形状に限
られるものでなくフィラメント(6)のシングルコイル部
分をそのまま封止用箔(10)の端部に溶接してもよいし、
棒状の内部リード棒(図示せず)を介して封止用箔(10)
に接続してもよい。前記マウント(M)において、封止用
箔(10)が被支持部(m)となる。
【0015】封止用箔(10)は20〜30μmの薄いモリ
ブデン製のもので、図3の第1実施例(A1)では封止用箔
(10)並びに該封止用箔(10)に溶接されたリード部(21)及
び外部リード棒(8)の溶接部分の近傍部分が封止部(13)
内に埋設され、リード部(21)の残部が外囲器本体(1H)内
に伸び、外部リード棒(8)の残部が封止部(13)から外方
に突出している。
【0016】次に図1にて延長部(1F)の働きについて説
明すると、延長部(1F)はその一部又は全部が加熱・軟化
されて封止され、マウント(M)の一部を埋設する部分で
あり、またマウント(M)の被支持部(m)を支持する部分で
もある。次に、延長部(1F)の内径(D)、被支持部(m)とな
る封止用箔(10)の幅(d)及びフィラメント(6)の外径(W)
との関係に付いて述べる。本発明の目的の第1は、フィ
ラメント(6)が外囲器本体(1H)の中心軸(CL)に自動的に
略一致するように構成することである。このような条件
を満たすためには、マウント(M)の被支持部(m)と、延長
部(1F)の前記被支持部(m)との対応位置の少なくとも一
カ所において、外囲器(1)の延長部(1F)の前記対応位置
における延長部(1F)の内径(D)と、被支持部(m)とのクリ
アランスがフィラメント(6)の外径(W)より小さい事が必
要である。このようにしておけば、封止時に封止用箔(1
0)が封止部(13)内で径方向に少しずれたとしてもフィラ
メント(6)の外周は外囲器本体(1H)の中心軸(CL)に一致
して配設されたフィラメント(6)の外周から外れない。
又、ピンチ封止する場合には、フィラメント(6)が中心
軸(CL)からよりずれないようにするために、ピンチャ
(図示せず)の幅及び形状で封止部(13)を規制すること
も出来る。外囲器本体(1H)の外周面にコーティング層
(9)を形成して赤外線を外囲器本体(1H)の中心軸に向け
て反射させた場合、その大部分がフィラメント(6)に当
たってフィラメント(6)を再加熱するようになる。
【0017】次に、本発明方法の第1実施例(A1)の製造
手順について説明する。その変形例や他の実施例は、第
1実施例(A1)と相違する点についてのみ主として説明す
る。図1に示すように、両端が開口しており、外囲器本
体(1H)が太く、両延長部(1F)が細径となっている外囲器
(1)を用意し、マウント(M)を一方の開口端部(1a)から外
囲器(1)の内部に挿入する。
【0018】外囲器(1)に対してマウント(M)の軸方向の
位置が最適の位置で保持する。マウント(M)の支持手段
は図示せず。マウント(M)の被支持部(m)である封止用箔
(10)の幅(d)は、一般的には、開口端部(1a)の内径(D)に
略等しく形成されているので、マウント(M)は外囲器(1)
の中心軸(CL)にほぼ一致して保持される。このようにマ
ウント(M)と外囲器(1)の軸方向及び径方向の位置合わせ
が完了するとチップ管(18)から外囲器(1)内に窒素或い
はアルゴンガス等の不活性ガスを吹き込み、両開口端部
(1a)或いは一方の開口端部(1a)《この場合一般的には他
端は外部リード棒(8)を保持すると同時に略閉塞されて
いる》から吹き出させて外囲器(1)内及び開口端部(1a)
の吹き出し部分を不活性雰囲気に保つ。
【0019】続いてマウント(M)の一方側(又は両側)
の封止用箔(10)に一致している延長部(1F)の一部分或い
は延長部(1F)の全体を加熱・軟化させて封止する際、マ
ウント(M)が中心軸(CL)からずれる事なく延長部(1F)の
中央に安定して位置している。
【0020】延長部(1F)が加熱されて軟化するとその加
熱・軟化部分を一般的にはピンチングして封止用箔(10)
の全体を封止部(13)内に埋設し封止を完了する。前記封
止は両方一度に行ってもよいし、一方ずつ行ってもよ
い。封止が完了すると、チップ管(18)を通して外囲器
(1)内の空気を略真空状態まで排気し、続いて不活性ガ
スの給・排気を繰り返すウォッシングを行い、最後に必
要ガスを充填し、外囲器(1)を液体窒素で冷却しつつチ
ップ管(18)を封切する。
【0021】然る後、このように形成されたハロゲン電
球(A1)の外囲器本体(1H)から封止部(13)にかけての部分
に略赤外線領域より波長の長い光を反射し、他を通過さ
せる多層膜コーティングを行い、コーティング層(9)を
形成する。これを図3に示す。多層膜コーティングは、
各種のものがあり、例えば高屈折率層と低屈折率層とを
交互に3〜100層を積層したもので、積層膜の種類と
しては、2種類又は3種類(一般的には2種類)のもの
がある。2種類の積層膜で構成する場合の例としては、
例えば酸化タンタル/シリカ、チタニア/シリカ、ニオ
ブ/シリカ、窒化珪素/シリカ等が挙げられる。多層膜
コーティングにあっては、赤外線領域の波長のみを反射
するコーティングを施す事が一般的であるが、必要に応
じて望ましくない可視光領域の波長を反射させるコーテ
ィングを施すことも可能である。
【0022】次に、多層膜コーティング型ハロゲン電球
(A)の第1実施例(A1)の作用について説明する。この作
用は他の実施例の場合にも共通するので、各実施例での
説明は割愛する。前述のように第1実施例(A1)ではフィ
ラメント(6)が外囲器本体(1H)の中心軸(CL)に略一致し
て配置されているので、第1実施例(A1)を点灯すると赤
熱されたフィラメント(6)から出た紫外線から赤外線に
至る各種波長の光の内、略赤外線領域より波長の長い光
は高い割合でコーティング層(9)にて反射される。外囲
器本体(1H)は円筒状であるから反射された光は外囲器本
体(1H)の中心軸に戻る。外囲器本体(1H)の略中心軸(CL)
にはフィラメント(6)が配置されているので、フィラメ
ント(6)は反射光によって再加熱されて最終的に光量を
増す事になる。
【0023】一方、コーティング層(9)を通過するのは
紫外線と可視光線並び若干の透過赤外線であり、第1実
施例(A1)から放出される熱エネルギは従来のものに比べ
て大幅に削減され、換言すれば、熱損失が抑制され、こ
れがフィラメント(6)の再加熱に利用される。その結
果、本来無駄に放出されていた赤外線の再利用が可能と
なり、省エネルギに役立つ。なお、外囲器(1)そのもの
は点灯時高温となるので、その温度に応じて外囲器(1)
自体から直接放出される熱エネルギのカットは出来な
い。
【0024】次に、ハロゲン電球の変形例(A2)…に付い
て説明する。第1実施例(A1)と重複する部分については
説明を割愛する。図5は第2実施例(A2)の製造時の断面
図で、外囲器(1)は全体が太い1本の筒で、封止用箔(1
0)の幅(d)は広く、外囲器(1)の両端の延長部(1F)の内径
(D)にほぼ等しく形成されている。
【0025】図6は第3実施例(A3)の製造時の断面図
で、外囲器(1)の両端は細径に形成された延長部(1F)を
有しており、マウント(M)は封止用箔(10)を使用しない
タイプである。この場合、外囲器(1)の材質は外部リー
ド棒(8)の熱膨張率とほぼ等しいハードガラスである。
細径に形成されている延長部(1F)の内径(D)は、外部リ
ード棒(8)の外径(d)とほぼ等しく、フィラメント(6)の
外径(W)は延長部(1F)の内径(D)より細径に形成されてい
る。
【0026】図7は第4実施例(A4)の製造時の断面図
で、外囲器(1)の一端が細径に形成され、他端が外囲器
本体(1H)と同じ太さで形成されている場合である。マウ
ント(M)は封止用箔(10)を使用しないタイプであり、外
囲器(1)の材質はハードガラスである。細径に形成され
ている延長部(1F)の内径(D)は、一般的には、被支持部
(m)となる外部リード棒(8)の外径(d)とほぼ等しい。マ
ウント(M)は広口の延長部(13b)の開口端(1a)から挿入さ
れるためフィラメント(6)の外径(W)は特に制限される事
はない。マウント(M)は外囲器(1)内に挿入され吊り下げ
られている。吊下手段は図示せず。なお、マウント(M)
の上端部分、すなわち外部リード棒(8)の上端部分は細
径に形成された支持長さの長い延長部(1F)にガイドされ
て吊り下げられているため、一方の延長部(1F)だけで保
持してもグラグラせず外囲器(1)の下端で支持しなくて
もマウント(M)は外囲器(1)の略中心軸(CL)に一致する
が、封止時の中心位置保持の安定性を増すためにはマウ
ント(M)の他端を外囲器(1)の中心軸(CL)に合わせてホル
ダ(20)で支持するようにした方がよい。
【0027】図8は第5実施例(A5)の製造時の断面図
で、外囲器(1)の一端が細径に形成され、他端も細径に
形成され且つ閉塞端部(1b)となっており、マウント(M)
の外部リード棒(8)に保持部材(3)《本実施例(A5)では螺
旋状に金属ワイヤが外部リード棒(8)の適所に巻着され
ている。》が巻着されて、マウント(M)が延長部(1F)内
に吊り下げられる場合である。なお、より確実にマウン
ト(M)の位置を確定するために、フィラメント(6)のリー
ド部(21)にも保持部材(3)を装着してもよい。この場合
は、保持部材(3)の作用でマウント(M)の図中上側が延長
部(1F)の中央に位置するため、図中上側の封止用箔(10
a)の幅は特に図中上側の延長部(1F)の内径(D)に略等し
く形成される必要はなく、少なくとも図中下側の閉塞端
部(1b)の延長部(1F')の内径(D)と、延長部(1F')内の封
止用箔(10)の幅(d)とが略等しければ足る。
【0028】図9は第6実施例(A6)の製造時の断面図
で、外囲器(1)の一端が細径に形成され、他端が外囲器
本体(1H)と同じ太さで形成されている場合で且つマウン
ト(M)に封止用箔(10)を使用したタイプである。この場
合、保持部材(3)はマウント(M)の1乃至複数の適所《本
実施例(A6)ではリード部(21)に設けられている。》に設
けられ、外囲器(1)内に吊り下げられている。吊下手段
は図示せず。細径に形成された延長部(1F)の内径(D)
は、一般的には、封止用箔(10)の幅(d)とほぼ等しい。
マウント(M)は広口の延長部(13b)から挿入されるためフ
ィラメント(6)の外径(W)は特に制限される事はない。図
10は第6実施例で製造されたハロゲン電球(A6)の断面
図である。
【0029】図11は第7実施例(A7)の断面図で、この
場合は外部リード棒(8)を使用しないタイプのマウント
(M)で、外囲器(1)の両端から封止用箔(10)が突出してい
るタイプである。仮想線で示すように封止用箔(10)を外
囲器本体(1H)内に突出させるようにしてもよい。
【0030】以上の各実施例は本発明における例示に過
ぎないが、これらを総合すると、外囲器(1)の材質は石
英ガラスやハードガラスのみに限られないし、やマウン
ト(M)の被支持部(m)の材質も特にモリブデン金属箔に限
定されるものでなく、例えば被支持部(m)の材質がタン
グステンである場合にはタングステンガラスを使用する
など、マウント(M)の被支持部(m)と外囲器(1)の封止部
(13)との熱膨張率がほぼ等しいか、熱膨張がほとんど無
視できる程度の厚さに加工された封止用箔(10)が使用さ
れていればよいという事になる。また、外囲器(1)の形
状も両端が細径に形成されたもの、一端だけが細径に形
成されたもの、図1の仮想線で示すように、細径に形成
されている部分から先の部分が更に広がっているもの、
両端が細径に形成されておらず、単なる円筒状のもの、
一端が閉塞され、他端が開放しているもの、外囲器本体
(1H)が円筒状のもの、球状或いはラグビー球のような楕
円球状のもの、チップ管(18)のあるもの或いはないもの
などあらゆる種類の組み合わせの形状のものが適用され
る。
【0031】また、マウント(M)でも、封止用箔(10)を
使用するもの或いは使用しないもの、外部リード棒(8)
を使用するもの或いは使用しないもの、保持部材(3)を
使用するもの或いは使用しないもの、モリブデン製の外
部リード棒(8)にタングステンフィラメントを直接溶接
したものなどあらゆる形式のものが適用される。
【0032】図12は、前記実施例で形成された多層膜
コーティング型ハロゲン電球(A)を立てて一般白熱電球
用のアウタバルブ(2)内に設置した例(勿論、横に寝か
せて使用したり、異なる形状のアウタバルブ(2)に収納
して使用する事も可能である)である。アウタバルブ
(2)の螺子筒部取付部(7)の内側にはステム(4)が一体的
に取り付けてあり、外面側には従来のナス型一般白熱電
球と同じサイズの螺子筒部(5)が接着されている。螺子
筒部(5)の中央に絶縁物(16)を介して配設された中央接
点(17)と一方のステム側リード棒(14)の延長リード線と
が接続され、前記螺子筒部(5)には他方のステム側リー
ド棒(14)が接続されている。これにより、従来のナス型
一般ハロゲン電球用ソケットにそのまま装着する事がで
きる。
【0033】アウタバルブ(2)の材質はガラスでもよい
し樹脂でもよい。また、透明体でもよいし磨りガラス状
の半透明でもよい。また、その形状は特に限定されるも
のでなく前述のナス型を始め各種のものを採用する事が
できる。アウタバルブ(2)内の雰囲気は特に限定され
ず、不活性ガスによる不活性雰囲気としてもよいし、加
圧或いは減圧状態としてもよいし、又は空気を充填して
もよい。
【0034】また、ハロゲン電球(A)の周囲を囲繞する
ように防爆用部材(12)を配設してもよい。防爆用部材(1
2)は、例えば細いワイヤを編んだ筒状網やパンチングメ
タルやラス網を筒状に丸めたものなどが考えられる。こ
の防爆用部材(12)は、一方のリード棒(14)に直接又は間
接的に固着されている。これによれば、インナバルブで
あるハロゲン電球(A)がたとえ何らかの理由で破裂した
としても防爆用部材(12)でその破片の飛散を防止出来、
破裂による2次的事故を防止する事が出来る。
【0035】
【発明の効果】本発明のハロゲン電球の製造方法によれ
ば、フィラメントは外囲器の略中心軸に設置する事がで
きるため、外囲器の外周面にコーティング層を形成して
赤外線領域の波長の光を外囲器の中心軸に向けて反射さ
せた時に、反射光がフィラメントから外れずにフィラメ
ントを再加熱することにより、極力フィラメントからの
熱損失を防ぐ事になる。換言すれば、外囲器の中心軸に
からフィラメントの中心軸がフィラメントの直径より大
きく外れた場合、反射赤外線の有効利用率「=反射赤外
線によりフィラメントが再加熱される割合」が急減す
る。その結果、従来ではそのまま徒にフィラメントに戻
される事なく反射させられていた略赤外線領域の波長よ
り長い光を有効利用する事ができ、ハロゲン電球におけ
る大幅な省エルネギを達成する事ができるようになる。
なお、外囲器本体の形状も球状或いはラグビー球状にす
ることによって、フィラメントにより効果的に反射光を
就航する事が出来、最終的には光の利用効率を大幅に向
上させる事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、両端が細径に形成された両端
開放型外囲器の両端を同時に加熱している状態の正断面
【図2】バーナを省略した図1の平面図
【図3】図1の方法で形成された本発明の多層膜コーテ
ィングタイプのダブルエンド型ハロゲン電球の第1実施
例の正断面図
【図4】図3の平断面図
【図5】本発明において、両端開放型の円筒状外囲器の
両端を同時に加熱している状態の正断面図
【図6】本発明において、両端が細径に形成された両端
開放型外囲器と、封止用箔不使用タイプのマウントとを
使用した正断面図
【図7】本発明において、両端開放型で一端が細径に形
成されており、他端が外囲器本体と同じ太さである外囲
器と、封止用箔不使用タイプのマウントとを使用した正
断面図
【図8】本発明において、一端開放他端閉塞型で両端が
細径に形成されている外囲器と、封止用箔使用タイプの
マウントとを使用し、閉塞端部を加熱している状態の正
断面図
【図9】本発明において、両端開放型で一端が細径に形
成されており、他端が外囲器本体と同じ太さである外囲
器と、封止用箔と保持部材使用タイプのマウントとを使
用した正断面図
【図10】図9の方法で形成された多層膜コーティング
型ハロゲン電球の正断面図
【図11】外部リード棒を使用しないマウントを用いた
場合の本発明の第7実施例のダブルエンド型ハロゲン電
球の正断面図
【図12】本発明のハロゲン電球をナス型アウタバルブ
に収納した場合の一部切欠正面図
【図13】従来のハロゲン電球の正断面図
【符号の説明】
(A)…ハロゲン電球 (B')…従来のハロゲン電球 (A1)〜(A7)…ハロゲン電球の第1〜7実施例 (M)…マウント (m)…被支持部 (d)…被支持部の幅 (1)…外囲器 (1a)…開口端部 (1b)…閉塞端部 (1H)…外囲器本体 (C
L)…外囲器の中心軸 (D)…延長部の内径 (1F)…延長部 (2)…アウタバルブ (3)…保持部材 (4)…ステム (5)…螺子筒部 (6)…フィラメント (W)…フィラメントの直径 (10)…封止用箔 (10a)…幅狭封止用箔 (13)…封止部 (14)…リード棒 (18)…チップ管 (18a)…封切跡 (21)…リード部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外囲器本体と、その側部に延長部
    を有する外囲器に、被支持部とフィラメントとを有する
    マウントを挿入し、前記外囲器の延長部内にマウントの
    前記被支持部を配設し、然る後、外囲器の延長部を加熱
    ・軟化させて封止し、延長部の一部或いは全部に封止部
    を形成し、前記封止部にマウントの一部を埋設するハロ
    ゲン電球の製造方法であって、 マウントの被支持部と、延長部の前記被支持部との対応
    位置の少なくとも一カ所において、 外囲器の延長部の前記対応位置における延長部の内径
    と、被支持部とのクリアランスがフィラメントの外径よ
    り小さい事を特徴とするハロゲン電球の製造方法。
  2. 【請求項2】 外囲器本体と、その側部に延長部
    を有する外囲器に、被支持部とフィラメントとを有する
    マウントを挿入し、前記外囲器の延長部内にマウントの
    前記被支持部を配設し、然る後、外囲器の延長部の一部
    或いは全部を加熱・軟化させて封止し、延長部の一部或
    いは全部に封止部を形成し、前記封止部にマウントの一
    部を埋設するハロゲン電球の製造方法であって、 延長部が外囲器本体の一側部分に設けられており、前記
    延長部にマウントの被支持部が支持されており、両者の
    対応位置の少なくとも一カ所において、 外囲器の延長部の前記対応位置における延長部の内径
    と、被支持部とのクリアランスがフィラメントの外径よ
    り小さく形成されており且つマウントに取着された保持
    部材でマウントが外囲器内に保持されている事を特徴と
    するハロゲン電球の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のハロゲン
    電球の製造方法にて形成されたハロゲン電球の外囲器に
    多層膜コーティング層が形成されている事を特徴とする
    多層膜コーティング型ハロゲン電球。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の多層膜コーティ
    ング型ハロゲン電球ハロゲン電球において、 外囲器本体の少なくとも一部が球面状に形成されている
    事を特徴とする多層膜コーティング型ハロゲン電球。
JP17432796A 1996-06-12 1996-06-12 ハロゲン電球の製造方法と該方法で製造された多層膜コーティング型ハロゲン電球 Pending JPH103891A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005052987A1 (ja) * 2003-11-25 2005-06-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. エネルギ変換装置およびその製造方法
US7081767B2 (en) 2001-07-02 2006-07-25 Nhk Spring Co., Ltd. Electroconductive contact unit
WO2007072692A1 (ja) * 2005-12-22 2007-06-28 Harison Toshiba Lighting Corp. ヒータランプ

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