JP2884166B2 - 抗皮膚糸状菌剤 - Google Patents
抗皮膚糸状菌剤Info
- Publication number
- JP2884166B2 JP2884166B2 JP63286848A JP28684888A JP2884166B2 JP 2884166 B2 JP2884166 B2 JP 2884166B2 JP 63286848 A JP63286848 A JP 63286848A JP 28684888 A JP28684888 A JP 28684888A JP 2884166 B2 JP2884166 B2 JP 2884166B2
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- Japan
- Prior art keywords
- dermatophyte
- licorice
- extract
- acetate
- organic solvent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q17/00—Barrier preparations; Preparations brought into direct contact with the skin for affording protection against external influences, e.g. sunlight, X-rays or other harmful rays, corrosive materials, bacteria or insect stings
- A61Q17/005—Antimicrobial preparations
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/96—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing materials, or derivatives thereof of undetermined constitution
- A61K8/97—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing materials, or derivatives thereof of undetermined constitution from algae, fungi, lichens or plants; from derivatives thereof
- A61K8/9783—Angiosperms [Magnoliophyta]
- A61K8/9789—Magnoliopsida [dicotyledons]
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、甘草を原料とする抗皮膚糸状菌剤に関する
ものである。
ものである。
〔従来の技術〕 皮膚糸状菌は、皮膚およびその付属器官である毛髪、
爪などケラチン化した組織を冒す糸状菌であって、水胞
子菌属（ミクロスポラム属）、白癬菌属（トリコフィト
ン属）または表皮菌属（エピデルモフィトン属）に属し
ている。これら皮膚糸状菌に起因する疾病すなわち皮膚
糸状菌症は、一般には白癬と呼ばれることが多く、いわ
ゆる水虫やたむし等を含んでいる。
爪などケラチン化した組織を冒す糸状菌であって、水胞
子菌属（ミクロスポラム属）、白癬菌属（トリコフィト
ン属）または表皮菌属（エピデルモフィトン属）に属し
ている。これら皮膚糸状菌に起因する疾病すなわち皮膚
糸状菌症は、一般には白癬と呼ばれることが多く、いわ
ゆる水虫やたむし等を含んでいる。
皮膚糸状菌症に対しては、従来、多くの薬剤が内用薬
または外用剤として使われてきた。たとえば、チオカル
バミン酸系化合物、イミダゾール系化合物、およびトリ
アゾール系化合物等の合成品や抗生物質のほか、酢酸、
センブリ、ゴム油等の民間薬的なものまであるが、完治
するほど有効なものは無く、また、浸透性に難があった
り、副作用を生じる等の問題もあり、満足できるもので
はなかった。
または外用剤として使われてきた。たとえば、チオカル
バミン酸系化合物、イミダゾール系化合物、およびトリ
アゾール系化合物等の合成品や抗生物質のほか、酢酸、
センブリ、ゴム油等の民間薬的なものまであるが、完治
するほど有効なものは無く、また、浸透性に難があった
り、副作用を生じる等の問題もあり、満足できるもので
はなかった。
本発明の目的は、上述のような現状に鑑み、皮膚糸状
菌に対して強い抗菌活性を有し、しかも安全性の点でも
心配の無い、天然物系の抗皮膚糸状菌剤を提供すること
にある。
菌に対して強い抗菌活性を有し、しかも安全性の点でも
心配の無い、天然物系の抗皮膚糸状菌剤を提供すること
にある。
本発明が提供する抗皮膚糸状菌剤は、中間極性を有す
る有機溶媒またはこれと低級アルコールとの混合物に可
溶の甘草成分を有効成分とするものである。
る有機溶媒またはこれと低級アルコールとの混合物に可
溶の甘草成分を有効成分とするものである。
甘草は、マメ科Glycyrrhiza属に属する多年生植物の
根および根茎であって、昔から医薬原料として用いら
れ、また、その水抽出によるエキスはしょう油や味噌の
調味に使われてきた。甘草が抗菌成分を含有し、それを
有機溶媒で抽出することにより、食品および化粧品の保
存性向上に有用な抗菌剤が得られることも知られている
（たとえば特開昭59−46210）。しかしながら、甘草の
有機溶媒抽出物の抗菌作用について従来わかっていたこ
とは、グラム陽性菌に対するものであって、これが食品
等の保存性向上に関与するものとされている。カビ、酵
母に対しては、有効な場合と無効な場合とがあることが
知られている。そして、皮膚糸状菌に対する作用は全く
知られていなかった。
根および根茎であって、昔から医薬原料として用いら
れ、また、その水抽出によるエキスはしょう油や味噌の
調味に使われてきた。甘草が抗菌成分を含有し、それを
有機溶媒で抽出することにより、食品および化粧品の保
存性向上に有用な抗菌剤が得られることも知られている
（たとえば特開昭59−46210）。しかしながら、甘草の
有機溶媒抽出物の抗菌作用について従来わかっていたこ
とは、グラム陽性菌に対するものであって、これが食品
等の保存性向上に関与するものとされている。カビ、酵
母に対しては、有効な場合と無効な場合とがあることが
知られている。そして、皮膚糸状菌に対する作用は全く
知られていなかった。
本発明による抗皮膚糸状菌剤は、ミクロスポラム属、
トリコフィトン属、エピデルモフィトン属の糸状菌に起
因する皮膚糸状菌症の治療に有効な外用薬である。
トリコフィトン属、エピデルモフィトン属の糸状菌に起
因する皮膚糸状菌症の治療に有効な外用薬である。
この抗皮膚糸状菌剤は、甘草抽出物単独からなるもの
であってもよく、また、甘草抽出物と賦形剤、結合剤、
希釈剤等、任意の製剤化用補強成分との混合物であって
もよい。また、甘草抽出物は油溶性であって水に不溶で
あるから、液状の製剤とする場合は、適当な油脂、プロ
ピレングリコール、グリセリンモノステアレート等に溶
解させるか、エタノールに溶解させた後、界面活性剤を
用いて水中油型エマルジョンとする。剤形は、軟膏剤、
座剤、乳剤、クリームなど、任意のものが可能であり、
まったく限定されない。
であってもよく、また、甘草抽出物と賦形剤、結合剤、
希釈剤等、任意の製剤化用補強成分との混合物であって
もよい。また、甘草抽出物は油溶性であって水に不溶で
あるから、液状の製剤とする場合は、適当な油脂、プロ
ピレングリコール、グリセリンモノステアレート等に溶
解させるか、エタノールに溶解させた後、界面活性剤を
用いて水中油型エマルジョンとする。剤形は、軟膏剤、
座剤、乳剤、クリームなど、任意のものが可能であり、
まったく限定されない。
本発明の抗皮膚糸状菌剤の有効成分は、甘草またはそ
れから水抽出によりグリチルリチンを抽出した残渣を、
中間極性を有する有機溶媒で抽出処理し、抽出液から溶
媒を留去することにより得られる。好ましい抽出溶媒の
具体例としては、ベンゼン、エチルエーテル、クロロホ
ルム、酢酸ｎ−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ｎ−プロ
ピル、酢酸エチル、塩化メチレン、トリクレン、パーク
レンなどがある。これらの溶媒は、メタノール、エタノ
ール等の低級アルコールと混合して用いてもよい。上述
のような抽出溶媒を用いるほかは、抽出条件に特殊なも
のは不要である。たとえば、原料の甘草を約５倍量程度
の抽出溶媒に常温または加熱下に浸漬するだけでよい。
抽出液は、濾過または遠心分離により固形物を除去した
後、適当な方法で抽出溶媒を除去し、濃縮、乾燥する。
なお、抽出液の段階で、活性炭で脱色したり、合成高分
子吸着体等の樹脂処理により精製してもよいが、上記抗
皮膚糸状菌作用は、抽出物のままでも強く現れるので、
色、におい、安定性などの点で不都合がない限り、高度
の精製は通常不必要である。
れから水抽出によりグリチルリチンを抽出した残渣を、
中間極性を有する有機溶媒で抽出処理し、抽出液から溶
媒を留去することにより得られる。好ましい抽出溶媒の
具体例としては、ベンゼン、エチルエーテル、クロロホ
ルム、酢酸ｎ−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ｎ−プロ
ピル、酢酸エチル、塩化メチレン、トリクレン、パーク
レンなどがある。これらの溶媒は、メタノール、エタノ
ール等の低級アルコールと混合して用いてもよい。上述
のような抽出溶媒を用いるほかは、抽出条件に特殊なも
のは不要である。たとえば、原料の甘草を約５倍量程度
の抽出溶媒に常温または加熱下に浸漬するだけでよい。
抽出液は、濾過または遠心分離により固形物を除去した
後、適当な方法で抽出溶媒を除去し、濃縮、乾燥する。
なお、抽出液の段階で、活性炭で脱色したり、合成高分
子吸着体等の樹脂処理により精製してもよいが、上記抗
皮膚糸状菌作用は、抽出物のままでも強く現れるので、
色、におい、安定性などの点で不都合がない限り、高度
の精製は通常不必要である。
本発明の抗皮膚糸状菌剤の有効成分は、広いpH範囲で
安定であり、また、熱にも安定である。安全性の点でも
すぐれており、ICR系マウスを用いて腹腔内投与によりL
D50値（Litchfield Wilcoxon法による）を求めたとこ
ろ、1.9g/kgと、低毒性であることを示した。
安定であり、また、熱にも安定である。安全性の点でも
すぐれており、ICR系マウスを用いて腹腔内投与によりL
D50値（Litchfield Wilcoxon法による）を求めたとこ
ろ、1.9g/kgと、低毒性であることを示した。
本発明の抗皮膚糸状菌剤は、皮膚糸状菌に対する抗菌
作用が強く、皮膚糸状菌症に著効を奏する治療薬とな
る。一方、甘草を原料とするものであって安全性の点で
も有利なものである。したがって本発明の抗皮膚糸状菌
剤は、医薬として用いるほか、抗皮膚糸状菌作用が期待
される医薬部外品、化粧品などの主剤、添加剤として広
く利用可能な、優れたものである。
作用が強く、皮膚糸状菌症に著効を奏する治療薬とな
る。一方、甘草を原料とするものであって安全性の点で
も有利なものである。したがって本発明の抗皮膚糸状菌
剤は、医薬として用いるほか、抗皮膚糸状菌作用が期待
される医薬部外品、化粧品などの主剤、添加剤として広
く利用可能な、優れたものである。
以下、実施例を示して本発明を説明する。
甘草抽出物製造例１ 酢酸エチル500mlに甘草粉砕物100gを加え、常温で５
時間浸漬し、抽出を行なった。得られた抽出液を濾過
し、残渣について同様の抽出処理を２回繰返し、抽出液
合計1200mlを得た。減圧濃縮して酢酸エチルを留去し、
乾燥物3.6g（抽出物Ａ）を得た。
時間浸漬し、抽出を行なった。得られた抽出液を濾過
し、残渣について同様の抽出処理を２回繰返し、抽出液
合計1200mlを得た。減圧濃縮して酢酸エチルを留去し、
乾燥物3.6g（抽出物Ａ）を得た。
甘草抽出物製造例２ 甘草粉砕物100gを１％アンモニア水１に浸漬してグ
リチルリチンを抽出したあとの残渣を乾燥し、500mlの
塩化メチレンを用いて２時間還流抽出した。抽出残渣に
ついて同様の操作を繰返し、合計7010mlの抽出液を得
た。減圧濃縮により塩化メチレンを留去し、乾燥物2.7g
（抽出物Ｂ）を得た。
リチルリチンを抽出したあとの残渣を乾燥し、500mlの
塩化メチレンを用いて２時間還流抽出した。抽出残渣に
ついて同様の操作を繰返し、合計7010mlの抽出液を得
た。減圧濃縮により塩化メチレンを留去し、乾燥物2.7g
（抽出物Ｂ）を得た。
実施例１ 抽出物A,Bについて、寒天培地希釈法により皮膚糸状
菌に対する最小成育阻止濃度（μg/ml）を求めた。基本
寒天培地としてはサブロー寒天培地（グルコース２％）
を用い、27℃で１週間培養した。結果は表１に示したと
おりであって、甘草抽出物は６〜25μg/mlで皮膚糸状菌
の成育を阻害するという、強い抗菌作用を示した。
菌に対する最小成育阻止濃度（μg/ml）を求めた。基本
寒天培地としてはサブロー寒天培地（グルコース２％）
を用い、27℃で１週間培養した。結果は表１に示したと
おりであって、甘草抽出物は６〜25μg/mlで皮膚糸状菌
の成育を阻害するという、強い抗菌作用を示した。
実施例２ 甘草抽出物Ａ ５ g 白色ワセリン 2.5 g ステアリルアルコール 22 g プロピレングリコール 12 g ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 g パラオキシ安息香酸メチル 0.02g パラオキシ安息香酸プロピル 0.02g 精製水 残量 合計 100 g 上記処方で親水軟膏を調製し、水虫患者およびいんき
ん患者の患部に朝夕直接塗布した試用結果は表２および
表３のとおりで、発赤、痛痒等の症状のすべてが改善さ
れた。
ん患者の患部に朝夕直接塗布した試用結果は表２および
表３のとおりで、発赤、痛痒等の症状のすべてが改善さ
れた。
Claims (2)
- 【請求項１】中間極性を有する有機溶媒またはこれと低
級アルコールとの混合物に可溶の甘草成分を有効成分と
して含有する抗皮膚糸状菌剤。 - 【請求項２】中間極性を有する有機溶媒がベンゼン、エ
チルエーテル、クロロホルム、酢酸ｎ−ブチル、酢酸イ
ソブチル、酢酸ｎ−プロピル、酢酸エチル、塩化メチレ
ン、トリクレン、パークレンであり、低級アルコールが
メタノールまたはエタノールである請求項１記載の抗皮
膚糸状菌剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63286848A JP2884166B2 (ja) | 1988-11-15 | 1988-11-15 | 抗皮膚糸状菌剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63286848A JP2884166B2 (ja) | 1988-11-15 | 1988-11-15 | 抗皮膚糸状菌剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02134324A JPH02134324A (ja) | 1990-05-23 |
| JP2884166B2 true JP2884166B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=17709815
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63286848A Expired - Lifetime JP2884166B2 (ja) | 1988-11-15 | 1988-11-15 | 抗皮膚糸状菌剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2884166B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CA2478934A1 (en) * | 2002-04-04 | 2003-10-16 | Kaneka Corporation | Process for producing oil and fat composition containing hydrophobic components of glycyrrhiza |
| CN104623041A (zh) * | 2015-02-12 | 2015-05-20 | 路贝贝 | 一种治疗脚气用中药 |
-
1988
- 1988-11-15 JP JP63286848A patent/JP2884166B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02134324A (ja) | 1990-05-23 |
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