JP2884012B2 - ベーカリー製品 - Google Patents

ベーカリー製品

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はベーカリー製品、更に詳細には、電子レンジ
で再加熱しても硬化することなく美味しく食べることが
できるベーカリー製品に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
近年、食生活の変化に伴い、室温、冷蔵又は冷凍保存
した食品を、用事電子レンジで加熱処理して食用に供す
ることが多くなってきた。
しかしながら、パン類、ケーキ類、中華まんじゅう、
ピザ、タコ焼き等の穀粉類を主原料とし、焙焼、蒸し等
によって製造されるベーカリー製品は電子レンジで再加
熱すると硬くなり、食感が著しく低下するため、電子レ
ンジ用食品とすることには問題があった。
そこで、この問題を解決するために、従来、多量の
乳化剤を添加する方法(特開平2−222639号)、多量
の油脂類を添加する方法(特開平1−47334号)、α
化澱粉を添加して含水量を増大させる方法(特開昭58−
50735号、同59−175845号)等が提案されている。
しかしながら、の方法は、味が悪くなる、高価な乳
化剤を使用するため原料コストが上昇する等の難点があ
る。の方法は、元来多量の油脂を使用しない食品の場
合に、その食品の本来の食感、風味が完全に変ってしま
うという欠点がある。またの方法は、α化澱粉が老化
し易いため保存性が低下すると共に、電子レンジ再加熱
後のベーカリー製品に特徴的なゴム質化(ひきが強くな
る現象)に対して効果がないという問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
斯かる実情において、本発明者は上記欠点を解決せん
と鋭意研究を行った結果、馬鈴薯から澱粉質を分離した
残渣(本明細書において「馬鈴薯澱粉粕」と称する)を
添加した穀粉類を用いて製造したベーカリー製品は、電
子レンジで再加熱しても硬くならず、またひきも強くな
りにくいことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、穀粉類に対して、馬鈴薯澱粉粕
を乾物換算にて0.5〜10重量%添加して製造されたベー
カリー製品を提供するものである。
本発明において、ベーカリー製品とはパン類、菓子
類、中華まんじゅう、ピザ、タコ焼等の穀粉類を主原料
とし、焼成、蒸し等によって製造されるものを指称す
る。穀粉類としては小麦粉、とうもろこし粉、米粉、ラ
イ麦粉、大豆粉、各種澱粉類等が挙げられる。
馬鈴薯澱粉粕の添加量は、穀粉類に対し、乾物換算
で、0.5〜10重量%であり、0.5%未満であると上記効果
が充分に得られず、また10%を超えるとベーカリー製品
の脹らみが充分に得られないと共に、味が悪くなる。
本発明のベーカリー製品は、穀粉類に馬鈴薯澱粉粕を
添加する以外は常法によって製造される。
〔作用及び発明の効果〕
本発明における馬鈴薯澱粉粕の添加効果は、馬鈴薯
澱粉粕は食物繊維を40%以上含有しているため保水力が
高く、電子レンジでの再加熱によっても水分の蒸発が抑
制されて硬化が防止され、またベーカリー製品を電子
レンジで再加熱すると澱粉粒からアミロースが溶出し、
溶出したアミロースのゲル化がゴム質化の原因の一つと
考えられているが、馬鈴薯澱粉粕の添加によってアミロ
ースの溶出が抑制されることによるものと考えられる。
而して、本発明の斯かる効果は馬鈴薯澱粉粕に特異的で
あり、後述の実施例に示す如く、例えば特公昭61−1477
9号の甘藷澱粉粕では本発明の効果は得られない。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて説明する。
実施例1 (i)馬鈴薯約10Kgの皮をむき、適当な大きさにスライ
スした後、水を加え、ブレンダーで粉砕した。これを10
0メッシュのふるい上に取り出し、上から多量の水を流
しながら充分洗い、澱粉を取り除いた。ふるい上に残っ
た残渣を凍結乾燥後、粉砕し、約100gの馬鈴薯澱粉粕を
得た。この馬鈴薯澱粉粕の一般成分は蛋白質2.6%、脂
質0.4%、灰分1.6%、水分6.0%、炭水化物89.4%(内
食物繊維51.3%)。また、甘藷から同様にして甘藷澱粉
粕を得た。
(ii)表1に示す配合の原料を用い、家庭用自動パン焼
機(日立ホームベーカリーHB−AI型)によってパンを製
造した。
出き上ったパンは、充分冷えた後、10cm×10cm、厚さ
2cmに切り、1つずつ電子レンジ(東芝ERO−J2100型)
に入れ、30秒間、500Wで加熱した。10分後、各パンの硬
さをテンシプレッサー(タケモト電機(株)製)で測定
した。測定には、直径20mmのプランジャーを用い、5mm
の厚さまで押すのに必要な仕事量(kg・W)を求めた。
結果は表2に示すとおりであり、数値が大きい程パンが
硬いことを示す。
実施例2 実施例1と同様にして得た馬鈴薯澱粉粕を用いて表3
の配合でホットケーキを製造した。ホットケーキは直径
約20cmとなるようにし、160℃のホットプレート上で表
3分、裏2分焼くことにより製造した。
各ホットケーキを充分に冷却した後、電子レンジに入
れ、500Wで1分間加熱し、食感を調べた。その結果、対
照品2は硬く、ゴム質化していたが、発明品6は柔らか
で、ゴム質化は認められなかった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】穀粉類に対して、馬鈴薯澱粉粕を乾物換算
    にて0.5〜10重量%添加して製造されたベーカリー製
    品。
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