JP2883350B2 - 自動変速機の操作装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の属する技術分野） この発明は、シフトレバーをＰ（パーキング）レンジ
位置に操作した時にのみイグニッションキーの抜き差し
を可能にするキーインタロック装置と、シフトレバーを
Ｐレンジ位置からＲ（リバース）、Ｄ（ドライブ）、Ｓ
（セカンド）、Ｌ（ロー）レンジ位置にシフトする時、
ブレーキペダルを踏んだ状態でないとシフトレバーを操
作することができないシフトロック装置との両装置を互
に連係したような自動変速機の操作装置に関する。

（従来の技術） 従来、上述例の自動変速機の操作装置としては、例え
ば、実開昭59−176253号公報に記載の装置がある。

すなわち、ステアリングハンドル側に設けたキーイン
タロック装置と、コンソールボックス側に設けたシフト
ロック装置とをインタロックケーブル等で互に連係させ
た自動変速機の操作装置である。

このように上述のキーインタロック装置と、シフトロ
ック装置とがそれぞれ別々の箇所に設けられた場合に
は、これら両者をインタロックケーブルやワイヤ等で連
係させる必要があり、組付け時の調整が煩雑になるばか
りでなく、上述の両装置を別箇所に組付ける関係上、必
然的に部品点数が増大し、また装置のコンパクト化が困
難となる問題点を有していた。

（発明が解決しようとする課題） この発明の請求項１記載の発明は、キーインタロック
装置を構成するロックレバーの動きを規制する構造と成
すことで、キーインタロック装置のロックレバーをシフ
トロック装置のロック構造に兼用することができ、部品
点数の削減と装置のコンパクト化を図ることができる自
動変速機の操作装置の提供を目的とする。

この発明の請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の発明の目的と併せて、ロックレバーの規制を手動によ
り解除するマニアル解除手段を設けることで、例えば電
気系統フェイル時においてシフトロックの解除が不能と
なったような場合にあっても、シフトロックをマニアル
解除することができる自動変速機の操作装置の提供を目
的とする。

（課題を解決するための手段） この発明の請求項１記載の発明は、キーインタロック
装置と連係したシフトロック装置を備えた自動変速機の
操作装置であって、ステアリングコラムの側方に配設さ
れたシフトレバーに係合し、上記シフトレバーの操作に
伴い移動すると共に、上記シフトレバーがＰレンジ位置
にある時のみイグニッションキーのロック位置へ回動を
可能とするロックレバーと、該ロックレバーと係合して
該ロックレバーの移動を規制することにより上記シフト
レバーの操作を規制する移動規制位置と、上記ロックレ
バーの移動を許容する移動許容位置とを移動可能に構成
されたロックピンと、ブレーキペダルON信号、イグニッ
ションスイッチON信号、Ｐレンジ検出信号の論理和によ
り上記ロックピンを上記移動許容位置へ移動させるアク
チュエータとを備えた自動変速機の操作装置であること
を特徴とする。

この発明の請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の発明の構成と併せて、上記ロックレバーの規制を手動
により解除するマニアル解除手段が設けられた自動変速
機の操作装置であることを特徴とする。

（発明の効果） この発明の請求項１記載の発明によれば、キーインタ
ロック装置を構成するロックレバーの動きを上述のロッ
クピンの移動規制位置において規制する構造であるか
ら、キーインタロック装置のロックレバーをシフトロッ
ク装置のロック構造に兼用することができ、この結果、
部品点数の削減と装置のコンパクト化を図ることができ
る効果がある。

この発明の請求項２記載の発明によれば、上記請求項
１記載の発明の効果と併せて、上述のロックレバーの規
制を手動により解除するマニアル解除手段を設けたの
で、例えば電気系統のフェイルにより上記アクチュエー
タによるシフトロックの解除が不能となったような場合
にあっても、シフトロックをマニアル解除することがで
きる効果がある。

（実施例） この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。

図面は自動変速機の操作装置を示し、第１図、第２図
において、この自動変速機の操作装置は、ステアリング
シャフト１を保持するステアリングコラム２の左側方に
配設されたシフトロッド３と、このシフトロッド３を操
作する変速操作部４と、上述のシフトロッド３の駆動力
を自動変速機のセレクトバルブ（図示せず）に伝達する
リンク機構５と、上述のシフトロッド３を後述する各レ
ンジ位置に位置決めした状態で係止する位置決め部６
と、シフトロッド３の回動操作時にセット感を与えるた
めのディテント部７と、シフトレバー８をＰレンジ位置
に操作した時にのみイグニッションキーの抜き差しを可
能にするキーインタロック装置９と、上述のシフトレバ
ー８をＰレンジ位置からシフトする時、ブレーキペダル
を踏んだ状態でないとシフトレバー８を操作することが
できないように成したシフトロック装置10とを備えてい
る。

上述のリンク機構５は、第１図に示すように上端部が
第１レバー11を介してシフトロッド３に連結されたセレ
クトロッドアッパ12と、このセレクトロッドアッパ12の
下端部に調節部材13を介して遊端部が回動自在に連結さ
れた第２レバー14と、この第２レバー14の基端部にリン
クロッド15を介して基端部が回動自在に連結された第３
レバー16と、この第３レバー16の遊端部に前端部が回動
自在に連結されたセレクトロッドロア17と、このセレク
トロッドロア17の後端部に上端部が回動自在に連結され
ると共に、下端部が自動変速機のセレクトバルブに連結
された第４レバー18と、上述のリンクロッド15を支持す
る支持ブラケット19とにより構成している。

そして、上述のシフトロッド３が回動操作されること
により生じた駆動力が上述の各要素11〜17を介して第４
レバー18に伝達され、この第４レバー18が１レンジ位
置、２レンジ位置、Ｄレンジ位置、Ｎレンジ位置、Ｒレ
ンジ位置およびＰレンジ位置に操作されるようになって
いる。

上述のシフトロッド３は、第１図、第３図に示すよう
にその前端部が前部支持ブラケット20の軸受部21に保持
されることにより、この支持ブラケット20を介して車体
に支持され、かつ第１図、第２図に示すようにその後端
部が連結ブラケット22の軸受部23に保持され、この連結
ブラケット22を介してステアリングコラム２に連結され
ることにより、上述のステアリングコラム２と共に車体
に支持されるように構成している。

また、上述のシフトロッド３の中間部には第１図に示
すように衝突時に衝撃を吸収するための屈曲部3aが形成
され、かつ後端部には上述の変速操作部４に対する連結
部材としてのユニバーサルジョイント24を設けている。

このユニバーサルジョイント24は、チルト操作レバー
（図示せず）により傾動操作されるステアリングハンド
ル25のチルトセンタと同軸上に配設し、上述のユニバー
サルジョイント24の回動中心を支点といて変速操作部４
の設置角度を調節し得るように構成している。

上述の位置決め部６は、第３図および第４図に示すよ
うに、シフトロッド３の前部周面に突設したガイドピン
26と、上述の前部支持ブラケット20に取付けた曲面形状
のガイドプレート27とを備え、このガイドプレート27に
形成した位置決め孔28の前縁部の係合用段部に上述のガ
イドピン26が係合されることにより、シフトロッド３が
上述の各レンジ位置に対応した状態に位置決め係止され
るように構成している。

また、上述のディテント部７は、第５図および第６図
に示すように、連結ブラケット22の前方近傍に所定の間
隔を隔ててシフトロッド３に嵌合したディテントプレー
ト29と、このディテントプレート29の周面に対向配設し
た圧接部材30と、この圧接部材30を上述の連結ブラケッ
ト22に取付けるための取付ブラケット31とを備えてい
る。

そして上述の圧接部材30の端部に設けたボール32を圧
縮スプリング33によってディテントプレート29側に付勢
し、このディテントプレート29の周面に形成した軸方向
に伸びる多数の溝部34に対して上述のボール32を圧接さ
せることにより、シフトロッド３の回動操作時に摩擦抵
抗を生じさせてセット感を与えるように構成している。

上述の変速操作部４は、第５図に示すように後端部が
後部支持ブラケット35によりステアリングコラム２に支
持されたガイドバー36と、このガイドバー36に外嵌され
て摺動および回動自在に支持されたスライド部材37と、
このスライド部材37の後部外面に突設されＰレンジ位置
においてキーインタロック装置９に係合される係合ピン
38と、上述のユニバーサルジョイント24とガイドバー36
との間に張架されてこのユニバーサルジョイント24およ
びシフトロッド３を前方に付勢する圧縮スプリング39
と、上述のスライド部材37の外周部にセレーション結合
された筒体40と、この筒体40の後端部周面から斜交状に
左後方に向けて突設されたレバー支持部材41と、このレ
バー支持部材41にピン42を介して回動自在に連結した前
述のシフトレバー８とを備えている。

上述の筒体40の前方段部とスライド部材37の後方段部
との間には、上述の圧縮スプリング39よりバネ定数が大
で、上述のシフトレバー８から過大な駆動力が入力され
た時に収縮してこの駆動力を吸収する圧縮スプリング製
の吸収部材43を配設している。

また、上述のシフトレバー８は基端部外周には可撓性
のカバー44を配設すると共に、シフトレバー８の基端部
には球状体8aを形成している。

そして、この球状体8aは、上述のガイドバー36に形成
した貫通孔内に挿入された状態で支持されている。

而して、上述のシフトレバー８のノブを持って後方
（矢印ａ方向）に操作すると、上述球状体8aが貫通孔に
沿って第５図の右方に移動すると共に、この球状体8aを
支点として上述のピン42、レバー支持部材41および筒体
40がそれぞれ後退変位する。

また、上述の筒体40の後退に伴いスライド部材37が吸
収部材43に押されて上述の圧縮スプリング39を収縮させ
ながら後退することにより、上述のユニバーサルジョイ
ント24およびシフトロッド３が後方にスライド変位して
上述のガイドピン36（第３図参照）が位置決め孔28の係
合用段部から離間して係止状態が解除される。

したがって、ガイドピン26の係止解除状態下において
シフトレバー８を回動操作して、シフトロッド３を回転
駆動することにより、自動変速機のセレクトバルブを所
定のレンジ位置に操作することができ、斯る変速操作の
後に上述のシフトレバー８を離すと、吸収部材43による
押圧力が解放されるため圧縮スプリング39の付勢力によ
り、上述のユニバーサルジョイント24およびシフトロッ
ド３が前方にスライド変位し、上述のガイドピン26が位
置決め孔28の係合用段部に圧接係止される。

上述のキーインタロック装置９は、第２図、第７図、
第８図に示すように、左側の係合ピン38の配設位置近傍
に設けた係合レバー45と、右側のキーシリンダ46の配設
位置近傍に設けたロックレバー47と、これら左右に離間
配置した係合レバー45およびロックレバー47を連結する
車幅方向に延びる連結部材48と、上述の係合レバー45お
よびロックレバー47を同軸状に軸支する支軸49と、上述
の係合レバー45およびロックレバー47を一体的に第７
図、第８図の時計方向へバネ付勢するスパイラルスプリ
ング（図示せず）と、上述のロックレバー47の先端部に
取付けた作動杆50と、イグニッションキー（図示せず）
により駆動される上述のキーシリンダ46の内部機構を介
して昇降操作されるスライダ51とを備えている。

上述の係合レバー45の上端側には、係合ピン38が係合
される略Ｕ字状の係合溝52を形成し、第７図に示すよう
にシフトレバー８をＰレンジ位置に操作して、係合ピン
38、係合レバー45を介してロックレバー47を後方（図面
上、反時計方向）へ回動して作動杆50を後退させた時に
のみ、スライダ51の下動を許容してイグニッションキー
の抜き差し（アクセサリ位置からロック位置への回動）
を可能にすべく構成している。

上述のロックレバー47は、ステアリングコラム２の側
方に配設されたシフトレバー８に係合し、このシフトレ
バー８のレンジ位置間の操作に伴い移動（第７図、第８
図参照）すると共に、シフトレバー８がＰレンジ位置に
ある時にのみイグニッションキーのロック装置への回動
を可能とするものである。

上述のシフトロック装置10は第７図乃至第10図に示す
ように、上述のロックレバー47に穿設形成したピン孔53
と、ブラケット54に固定したガイドパイプ55内に軸動可
能に挿入され、Ｐレンジ位置におけるロックレバー47の
ピン孔53内に係入して、このロックレバー47の動きを規
制するロックピン56と、上述のブラケット54に取付けら
れたシフトロックアクチュエータとしてのソレノイド57
とを備え、このソレノイド57のプランジャ58と上述のロ
ックピン56の端部56aとをリンク59を介して互に連結し
ている。

上述のリンク95は、ガイドパイプ55に溶接固定したリ
ンクピンガイド60のリンクピン61に枢着すると共に、こ
のリンクピン61に巻回したリターンスプリング62の一端
により常時シフトロック方向へバネ付勢されている。

上述のソレノイド57はトータルワイヤリングシステム
63を介してアンド回路64に電気接続し、このアンド回路
64に入力されるブレーキペダルON信号ｂ、イグニッショ
ンスイッチON信号ｃ、インヒビタスイッチによるＰレン
ジ検出信号ｄの論理和により通電されて、上述のプラン
ジャ58を吸引する。

すなわち、上述のシフトロック装置10は、車両停止後
においてシフトレバー８をＰレンジ位置にシフトする
と、ロックレバー47が第７図の状態になり、リターンス
プリング62のバネ力でロックピン56が第９図に示すよう
にピン孔53内に係入してシフトロック状態となり、シフ
トレバー８の他のレンジ位置へのシフトが不可能となる
一方、イグニッションキーをON操作し、ブレーキペダル
を踏むと、アンド回路64からの論理和出力によりソレノ
イド57が励磁され、プランジャ58の第９図矢印方向への
吸引動がリンク59を介してロックピン56に伝達され、こ
のロックピン56がロックレバー47のピン孔53から第９図
矢印方向へ抜け出ることによりシフトアンロック状態と
なり、シフトレバー８の他のレンジ位置へのシフトが可
能となる。

つまり、上述のロックピン56は、ロックレバー47と係
合して該ロックレバー47の移動を規制することにより上
述のシフトレバー８の操作を規制する移動規制位置（第
９図参照）と、上述のロックレバー47の移動を許容する
移動許容位置（各要素58,56の第９図の矢印方向への移
動時参照）とを移動可能に構成されたものである。

またアクチュエータとしてのソレノイド57は、ブレー
キペダルON信号ｂ、イグニッションスイッチON信号ｃ、
Ｐレンジ検出信号ｄの論理和により上述のロックピン56
を上記移動許容位置へ移動させるものである。

さらに、上述のリンク59と対向するステアリングコラ
ムカバーにはシフトロック手動解除用の孔（マニアル解
除手段）を設け、例えば電気系統フェイル時においてブ
レーキペダルを踏んでもシフトロックの解除が不能とな
った場合、この孔から指でリンク59を押圧することで、
シフトロックをマニアル解除すべく構成している。

このように、上述のキーインタロック装置９を構成す
るロックレバー47の動きをロックピン56の移動規制位置
（第９図参照）においてアンロック可能に規制（ロッ
ク）する構造と成したので、キーインタロック装置９の
ロックレバー47をシフトロック装置10のロック構造に兼
用することができ、この結果、部品点数の削減と装置の
コンパクト化を図ることができる効果がある。

またロックレバー47とロックピン56とソレノイド57と
を互に近傍位置に設けることで、キーインタロック装置
９とシフトロック装置10とを１箇所に集約して配設（１
箇所に集中配置）したので、従来装置のようなインタロ
ックケーブルやワイヤ等による複雑な連係が不要とな
り、この結果、組付け時の煩雑な調整を省略することが
できる効果がある。

加えて、上述の両装置9,10を１箇所に集約（集中配
置）することで、部品点数の削減と装置の小型コンパク
ト化を図ることができる効果がある。

なお、上述のシフトアンロック時（ソレノイド通電
時）におけるソレノイド57の発熱を防止する目的で、ソ
レノイド57への通電をデューティコントロールすべく構
成してもよい。

この発明の構成と、上述の実施例との対応において、 この発明のアクチュエータは、実施例のソレノイド57
に対応するも、 この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるも
のではない。

例えば、上述の実施例においては右ハンドル車を例示
したが、この操作装置は左ハンドル車に適用してもよ
い。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し、 第１図は自動変速機の操作位置を示す概略側面図、 第２図は第１図の要部概略平面図、 第３図は位置決め部の側面図、 第４図は位置決め部の正面図、 第５図は変速操作部の説明図、 第６図はディテント部の説明図、 第７図はキーインタロック装置およびシフトロック装置
のロック状態を示す側面図、 第８図はキーインタロック装置およびシフトロック装置
のアンロック状態を示す側面図、 第９図はシフトロック装置の通電系統図、 第10図はシフトロック装置の側面図である。 ２……ステアリングコラム ８……シフトレバー ９……キーインタロック装置 10……シフトロック装置 47……ロックレバー 56……ロックピン 57……ソレノイド（アクチュエータ）

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】キーインタロック装置と連係したシフトロ
   ック装置を備えた自動変速機の操作装置であって、 ステアリングコラムの側方に配設されたシフトレバーに
   係合し、上記シフトレバーの操作に伴い移動すると共
   に、上記シフトレバーがＰレンジ位置にある時にのみイ
   グニッションキーのロック位置への回動を可能とするロ
   ックレバーと、 該ロックレバーと係合して該ロックレバーの移動を規制
   することにより上記シフトレバーの操作を規制する移動
   規制位置と、上記ロックレバーの移動を許容する移動許
   容位置とを移動可能に構成されたロックピンと、 ブレーキペダルON信号、イグニッションスイッチON信
   号、Ｐレンジ検出信号の論理和により上記ロックピンを
   上記移動許容位置へ移動させるアクチュエータとを備え
   た 自動変速機の操作装置。
2. 【請求項２】上記ロックレバーの規制を手動により解除
   するマニアル解除手段が設けられた 請求項１記載の 自動変速機の操作装置。