JP2883245B2 - リードフレーム用部材 - Google Patents

リードフレーム用部材

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JP2883245B2 JP4184967A JP18496792A JP2883245B2 JP 2883245 B2 JP2883245 B2 JP 2883245B2 JP 4184967 A JP4184967 A JP 4184967A JP 18496792 A JP18496792 A JP 18496792A JP 2883245 B2 JP2883245 B2 JP 2883245B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ICパッケージ等の電子
部品に使用されるリードフレーム用部材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、ICのリードフレーム用材料として
は42Ni-Fe合金、50Ni-Fe合金、29Ni-17Co-Fe合金などの
Fe系合金あるいはCuや種々の元素を添加したCu合金等の
Cu系合金が用いられている。リードフレーム材には一般
に、(1)Siチップとの熱膨張整合性、(2)機械的強度、
(3)電気伝導性、(4)熱伝導性等が要求されるが、最近の
ICの、高速化、高集積化、大容量化に伴い動作中の発熱
およびリードフレームの電気的な応答遅延が素子の動作
特性を劣化または低下させることが問題となっている。
【0003】しかしながら、従来の上記Fe系合金は機械
的強度特性に優れるものの、電気伝導性、熱伝導性が小
さく、一方Cu系合金はFe系合金より、電気、熱の伝導性
に優れるもの強度的に問題がある等、各々一長一短があ
り、電気、熱伝導性と、機械的強度をバランス良く満足
するリードフレーム用部材の開発が要求されている。こ
のようなリードフレーム材料の要求に対して、Cu系合金
では各種の材料が開発されているが、これらは種々の強
化元素が添加されているために、電気、熱伝導性が犠牲
になっており、現在のところ市場ニーズを十分に満足さ
せるまでには至っていない。また、Fe系合金の改良につ
いてもいくつかの試みがあるが、Fe-Ni合金は電気伝導
性、熱伝導性がともに低いものである。このような単体
金属での特性向上の試みに対して、材料の複合化による
試みがあり、特開平3ー179768号ではFe-Ni合金とCuまた
はCu系合金を複合化することで、機械的特性と電気、熱
伝導性を兼ね備えたリードフレーム部材を提案してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、近
年のICの高集積化、大容量化に伴う素子の動作中の応答
性や発熱問題に対し、従来の材料の電気、熱伝導性を向
上させ、高速化および熱放散機能を持たせる方向で種々
の材料の開発が行われてきた。しかしながら、現在使用
されているFe-Ni系合金やFe-Ni-Co系合金では、主に素
材の高強度化または熱膨張係数の改良に関するものが多
く、電気、熱伝導性を効果的に改善したものは未だな
い。一方Cu系合金では各種材料が開発されているが、市
場ニーズを満足するに十分な特性改善には至っていな
い。Fe-Ni系合金とCuまたはCu系合金の複合化による試
みとして、前述の特開平3ー179768号があるが、高電気
伝導性を得るためには、中間層のCuまたはCu合金の板厚
比を大きくする必要があり、このため、複合体全体とし
ての機械的強度をある程度犠牲にせざるをえない問題が
ある。本発明は、複合体全体として、十分な機械的強度
と高い電気、熱伝導性をバランスよく満足する複合リー
ドフレーム用部材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題に対し、本発
明者は従来からリードフレーム材料として使用されてい
る高電気伝導、高熱伝導のCuまたはCu系合金と、通常の
Fe-Ni系またはFe-Ni-Co系合金よりもさらに高強度特性
を有するFe-Ni-Co系合金を複合化することにより、従来
得られなかった両特性を高度に、かつ、バランスよく具
備することができるリードフレーム用部材を提案するも
のである。すなわち、これらの複合化によるリードフレ
ーム用部材は、機械的強度と、電気、熱伝導性とを、構
成材料にそれぞれ機能分担させるものであるが、本発明
のリードフレーム用部材は、機械的強度分担材料として
の両側材を、Fe-Ni-Co系材料、望ましくはこれらの元素
を特定量含有し、かつ特定の組織状態とすることによ
り、高強度化した材料によりこの機能分担の効果を高め
んとするものである。本発明にあたっては、種々構成比
率を変えた高強度Fe-Ni-Co系合金とCuまたはCu系合金の
組み合わせからなる複合材料の電気伝導度(%IACS)と引
張強さについて鋭意実験を行った。なお、熱伝導性は電
気伝導度とリニアな相関があることから、本発明では主
に電気伝導度(%IACS)の評価に絞って行った。
【0006】すなわち、本発明は板厚方向の両側層のFe
-Ni-Co系合金と、該両側層の間の中間層のCuまたはCu系
合金が複合された複合体でなり、前記両側層のFe-Ni-Co
系合金は、組成が重量%で、Ni 15〜32.5%、Co 0.5〜2
2.0%、但しCo12%以上では52%≦(2Ni+Co)≦74%、Co12
%未満では20≦Ni≦32.5%を満足し、残部は不純物を除
き実質的にFeからなり、組織が少なくとも逆変態オース
テナイト相(残留オーステナイト相を伴うことを得)お
よびマルテンサイト相を含むものであり、前記複合体全
体での引張強さTが50kgf/mm2以上、かつ該引張強さT
(kgf/mm2)と電気伝導度C(%IACS)の関係が4C+13T≧9
10であるリードフレーム用部材である。好ましくは、複
合体全体での引張強さが70kg/mm2である。また、望まし
くは中間層であるCuまたはCu基合金の複合体全体に対す
る板厚比を30〜90%とする。
【0007】
【作用】本発明の重要な点は、両側材として通常のFe-N
i系合金よりも高強度特性を有するFe-Ni-Co系合金を使
用して、複合材全体として、機械的強度を向上したこと
およびその結果として中間層の板厚比向上が可能とな
り、電気、熱伝導性を高水準に維持したことである。本
発明のリードフレーム用部材は、複合体全体としての引
張強さTが50kgf/mm2以上、かつ該引張強さT(kgf/mm2)
と電気伝導度C(%IACS)の関係が4C+13T≧910である
ものとした。引張強さTが50kgf/mm2未満では、複合用
素材単体の42%Ni-Feやコバールを代表とする従来のNi-F
e系合金の引張強さ 約65kgf/mm2に比し、電気伝導度が
改善されたとはいえ、強度的遜色が大きく実用性に乏し
い。また、本発明の4C+13T≧910の領域は、上記従来
のコバールやNi-Fe系合金等の複合用素材とCuまたはCu
合金との組合せで達成できる領域を越えた高強度、高電
気、熱伝導性領域であり、この領域未満では、本発明部
材採用の魅力を失う。
【0008】本発明において、特にFe-Ni-Co系合金を組
織変態により高強度化することにより、特に有利とな
る。すなわち、この高強度化は、Fe-Ni-Co系の準安定組
成を利用し、燒鈍および冷間圧延時のマルテンサイト変
態と、その後の最終燒鈍により逆変態オーステナイトを
時効析出させることで高強度特性を得るものであり、そ
の高強度化が可能な最適組織はNi,Co量で決まる。ここ
で下記組成範囲より低Ni,Coのものは、オーステナイト
が不安定になり過ぎ、また、下記範囲より高Ni,Coのも
のは逆にオーステナイトが安定になり過ぎるため、所望
の変態強化機構が使えないため下記のNi,Co組成に限定
する。 Ni 15.0 〜 32.5wt% Co 0.5〜 22.0wt% 但し、Co≧12.0wt% 52.0wt%≦(2Ni+Co)≦74.0wt% Co<12.0wt% 20.0wt%≦Ni≦32.5wt%
【0009】また、このような高強度合金で中間層のCu
またはCu系合金を挟み複合化する場合、中間層のCuまた
はCu系合金の板厚比が30%未満では強度が十分得られる
ものの電気伝導度(%IACS)の向上幅が小さくなり、また
板厚比90%を越えると逆に良好な熱伝導特性が得られる
反面、強度 50kgf/mm2を達成できなくなるため、中間層
のCu合金の板厚比は30%〜90%の範囲とするのがよい。な
お、板厚比は以下に定義されるものとする。 TR1=(T1/(T1+T21+T22))×100(%)、TR2=(T21+T22/(T1+
T21+T22))×100(%)、ただし、TR1:中間層の板厚比、TR
2:両側層の板厚比、T1:中間層の板厚、T21,T22:両側層
それぞれの板厚。また、実際に上記構成のリードフレー
ム部材を用いてICを搭載し、パッケージング後、各種確
性試験を行った結果、引張強さ50kgf/mm2以上、4C+13
T≧910の特性で、従来のリードフレームより良好な総
合特性が得られ、十分使用環境に耐えうることを確認し
た。本発明のリードフレーム用部材は、周知の冷間クラ
ッド圧延方法により製造することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。両
側層用に表1のNo.1〜5の5種のFe-Ni-Co系合金材とFe
-42Ni材を、また、中間層用には、無酸素銅とCu-0.15Sn
-0.003Pの2種を準備し、各々表1の中間層板厚比欄に
示す板厚比となるように組合せ、これらの材料を冷間圧
延により圧着して、総厚さ 0.375mmの複合材料を得、こ
れを900℃の燒鈍と60%の冷間圧延とにより、その両側層
を加工誘起マルテンサイト変態させ、さらに最終570℃
の燒鈍でこのマルテンサイトの一部を逆変態オーステナ
イトに時効析出させて、最終板厚0.15mm,板幅45mmの仕
上複合供試材を得た。表1には、本実施例に用いた各ク
ラッド前素材をそれぞれ単体で、該実施例と同条件の加
工、熱処理履歴となるようそれぞれ処理したもの単体、
ならびに上記により得られた複合供試材それぞれについ
ての電気伝導度C、引張強さTおよびこのC,Tから計
算した4C+13Tの値を示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1より、本発明の部材は、いずれの材料
の組合せも、引張強さ 50kgf/mm2以上、かつ4C+13T
が910以上であり、高強度、高電気、熱伝導性がバラン
スよく達成されていることがわかる。これに対し、両側
層として42Ni-Fe材を用いた比較材では、中間層として
無酸素銅とCu-0.15Sn-0.003Pのいずれを用いたものも、
引張強さが50kgf/mm2以下、かつ4C+13Tも910未満で
あることがわかる。
【0013】
【発明の効果】以上の説明のように本発明の複合リード
フレーム材は、複合体全体として、十分な機械的強度
と、高い電気、熱伝導性をバランスよく兼備しており、
ICの高集積化、高容量化に伴う素子の応答性や発熱問
題に対し有効に機能するものである。
フロントページの続き (72)発明者 塚本 健人 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 審査官 坂本 薫昭 (56)参考文献 特開 平3−173155(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 23/50

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚方向の両側層のFe-Ni-Co系合金と、
    該両側層の間の中間層のCuまたはCu系合金が複合された
    複合体でなり、前記両側層のFe-Ni-Co系合金は、組成が
    重量%で、Ni 15〜32.5%、Co 0.5〜22.0%、但しCo12
    %以上では52%≦(2Ni+Co)≦74%、Co12%未満では20≦Ni
    ≦32.5%を満足し、残部は不純物を除き実質的にFeから
    なり、組織が少なくとも逆変態オーステナイト相(残留
    オーステナイト相を伴うことを得)およびマルテンサイ
    ト相を含むものであり、前記複合体全体での引張強さT
    が50kgf/mm2以上、かつ該引張強さT(kgf/mm2)と電気伝
    導度C(%IACS)の関係が4C+13T≧910であることを特
    徴とするリードフレーム用部材。
  2. 【請求項2】 複合体全体での引張強さが70kgf/mm2
    上である請求項1のリードフレーム用部材。
  3. 【請求項3】 中間層のCuまたはCu系合金の複合体全体
    に対する板厚比が30〜90%であることを特徴とする請求
    項1または2のリードフレーム用部材。
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