JP2882235B2 - サンドイッチ成形品 - Google Patents

サンドイッチ成形品

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JP2882235B2
JP2882235B2 JP10154093A JP10154093A JP2882235B2 JP 2882235 B2 JP2882235 B2 JP 2882235B2 JP 10154093 A JP10154093 A JP 10154093A JP 10154093 A JP10154093 A JP 10154093A JP 2882235 B2 JP2882235 B2 JP 2882235B2
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貴彦 佐藤
浩 向井
正臣 後藤
順二 小泉
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • B29C45/1642Making multilayered or multicoloured articles having a "sandwich" structure

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サンドイッチ成形法に
より形成されるサンドイッチ成形品、例えば、自動車の
ボディの外側面に装着されるサイドモール等のサンドイ
ッチ成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用の樹脂製外装部品、例え
ば、ボディ外側面に装着されるサイドモールにおいて
は、異物が衝突しても表面に傷が付きにくいことや、熱
膨張量が少なく寸法安定性のよいこと等が要求される。
しかし、これらの要求を満たすサイドモールを、単一の
樹脂材料で形成することは困難である。例えば、スチレ
ン系熱可塑性エラストマーのみからなるサイドモールは
耐傷付性に優れるが、線膨張率が大きく寸法安定性が良
くない。逆に、線膨張率の小さな樹脂材料からなるサイ
ドモールは、耐傷付性が良くない。
【0003】そこで、前記スチレン系熱可塑性エラスト
マーの耐傷付性を生かしつつ、全体の線膨張を抑制する
ために、図4,5に示すような、スキン層22及びコア
層23からなるサンドイッチ構造のサイドモール21が
提案されている(例えば、特開平4−366635号公
報参照)。このサイドモール21では、スキン層22
が、結晶性ポリプロピレン樹脂を含むスチレン系熱可塑
性エラストマーによって形成されている。コア層23
が、線膨張率の小さな結晶性ポリプロピレン樹脂と、エ
チレン−αオレフィン共重合体とを含む混合物によって
形成されている。
【0004】上記構成のサイドモール21は、サンドイ
ッチ成形法によって形成されたものである。この方法は
射出成形法の一形態であり、金型のキャビティ内に最初
にスキン層形成用の溶融樹脂を射出し、少し遅れてコア
層形成用の溶融樹脂を射出し、その後、再び少量のスキ
ン層形成用の溶融樹脂を射出する方法である。この方法
では、キャビティ内に充填された二種類の溶融樹脂がほ
ぼ同時に冷却固化される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、前記した両方の要求(耐傷付性、寸法安定性)
を満足することができるものの、サンドイッチ成形時に
起こる不具合に関しては考慮されていない。そのため、
成形時において、コア層23の側縁部分と対応するスキ
ン層22の表面に直線状のひけ(凹み)24が生ずる場
合がある。
【0006】これは、キャビティ内の二種類の溶融樹脂
が冷却固化する際の、互いの収縮量の違いによるものと
考えられる。すなわち、スキン層22を形成する材料の
中で最も収縮量の大きなものは結晶性ポリプロピレン樹
脂である。同様に、コア層23を形成する材料の中で最
も収縮量の大きなものは結晶性ポリプロピレン樹脂であ
る。従って、スキン層形成用及びコア層形成用の各溶融
樹脂が冷却固化する際の収縮量は、いずれも結晶性ポリ
プロピレン樹脂の収縮量によって大きく左右される。こ
の結晶性ポリプロピレン樹脂は、通常220〜230℃
に加熱されると溶融し、約120〜130℃にまで冷却
されると結晶化する。そして、結晶性ポリプロピレン樹
脂は、結晶化の際に大きく収縮するという特性を有して
いる。
【0007】ここで、スキン層形成用及びコア層形成用
の各溶融樹脂の収縮量が同程度であれば、つまり、各層
22,23中の結晶性ポリプロピレン樹脂の収縮量が同
程度であれば、ひけ24の発生はないと考えられる。し
かし、実際には、金型のキャビティ内で二種類の溶融樹
脂が冷却固化するときに、コア層形成用の溶融樹脂の方
がスキン層形成用の溶融樹脂よりも多く収縮する。すな
わち、コア層23中の結晶性ポリプロピレン樹脂の方が
スキン層22中の結晶性ポリプロピレン樹脂よりも多く
収縮する。そして、この収縮量の差を吸収しようとし
て、コア層23の側縁部分と対応するスキン層22の表
面に過大な応力が加わり、直線状のひけ24が生ずるも
のと推定される。
【0008】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、成形時において、コア
層の側縁部分と対応するスキン層表面にひけが生ずるの
を防止し、外観品質の向上を図ることが可能なサンドイ
ッチ成形品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、結晶性ポリプロピレン樹脂を10重量%以
上含むオレフィン系熱可塑性エラストマー、又は結晶性
ポリプロピレン樹脂を10重量%以上含むスチレン系熱
可塑性エラストマーからなるスキン層と、少なくとも結
晶性ポリプロピレン樹脂及びエチレン−αオレフィン共
重合体を有する混合物、又は少なくとも結晶性ポリプロ
ピレン樹脂及びスチレン系エラストマーを有する混合物
からなり、前記スキン層により被覆されるコア層とを備
え、前記スキン層及びコア層をサンドイッチ成形法によ
り形成したサンドイッチ成形品において、前記コア層中
の結晶性樹脂の100℃〜180℃の範囲内における融
解熱量の総和と、前記スキン層中の結晶性樹脂の100
℃〜180℃の範囲内における融解熱量の総和との偏差
が7cal/g以下となる材質により、前記スキン層及
びコア層の収縮量を近似させ成形している。
【0010】ここで、スキン層を形成するオレフィン系
熱可塑性エラストマーとは、ハードセグメントがポリプ
ロピレン又はポリプロピレンとポリエチレンの混合物
で、ソフトセグメントがエチレン−プロピレンゴム(E
PM)又はエチレン−プロピレン−ジエン−ターポリマ
ー(EPDM)から構成され、EPM、EPDMは部分
的又は完全に架橋していてもよい。
【0011】また、前記スキン層を形成するスチレン系
熱可塑性エラストマーとは、ポリスチレン成分がハード
セグメントを構成し、かつ、ポリブタジエン、ポリイソ
プレン、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプ
レン等のエラストマー成分がソフトセグメントを構成す
る共重合体、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−
スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチ
レン−エチレン−プロピレン共重合体(SEP)、スチ
レン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SE
PS)を主成分としてポリプロピレンと混合したもので
ある。
【0012】前記オレフィン系又はスチレン系の熱可塑
性エラストマーに含有される結晶性ポリプロピレン樹脂
として、例えば、ホモポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。この結
晶性ポリプロピレン樹脂のスキン層における含有比率
は、10重量%以上である必要がある。10重量%未満
では、流動性、耐熱性に問題がある。
【0013】また、流動性、硬度、耐熱性、耐油性等を
調整するために、前記オレフィン系又はスチレン系の熱
可塑性エラストマー中に、結晶性の低密度ポリエチレン
(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDP
E)、高密度ポリエチレン(HDPE)、オイル、その
他、塗装性改良を目的とした、水酸基等を含有する変性
剤、及びこれらの混合物等を添加してもよい。
【0014】一方、コア層を形成する結晶性ポリプロピ
レン樹脂として、例えば、ホモポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレ
ンランダム共重合体及びこれらの混合物等が挙げられ
る。
【0015】エチレン−αオレフィン共重合体は、プロ
ピレン、ブテン−1、デセン−1、4−メチルブテン−
1等のαオレフィンとエチレンの共重合体であり、特
に、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)が好適に
用いられる。
【0016】スチレン系エラストマーとは、SEBS、
SBS、SIS、SEP、SEPS等、ポリスチレン部
がハードセグメントを構成し、それ以外の成分がソフト
セグメントを構成するものである。
【0017】また、寸法安定性、硬度、弾性率等を調整
するために、前記コア層中にタルク、マイカ、ワラスト
ナイト、クレー、ガラス繊維、ロックウール、硫酸マグ
ネシウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、炭
酸カルシウムウィスカー等の無機フィラーを添加しても
よい。
【0018】
【作用】サンドイッチ成形時においては、スキン層を形
成するための溶融樹脂と、コア層を形成するための溶融
樹脂とがほぼ同時に冷却される。この冷却の過程で、両
溶融樹脂がそれぞれ収縮する。スキン層を形成する材料
の中で最も収縮量の大きなものは結晶性樹脂である。同
様に、コア層を形成する材料の中で最も収縮量の大きな
ものは結晶性樹脂である。従って、スキン層形成用及び
コア層形成用の各溶融樹脂が冷却固化する際の収縮量
は、いずれも結晶性樹脂の収縮量によって大きく左右さ
れる。
【0019】一方、実験により、スキン層中に含有され
る結晶性樹脂(大部分が結晶性ポリプロピレン樹脂)の
融解熱量の総和と、コア層中に含有される結晶性樹脂
(大部分が結晶性ポリプロピレン樹脂)の融解熱量の総
和との偏差を求めると、この偏差が所定量(7cal/
g)以下である場合、スキン層表面にひけが発生しな
い。これは、以下の理由によるものと考えられる。スキ
ン層中に含有される結晶性樹脂の融解熱量の総和と、同
結晶性樹脂が溶融状態から結晶化する際の収縮量とが比
例関係にあり、コア層中に含有される結晶性樹脂の融解
熱量の総和と、同結晶性樹脂が溶融状態から結晶化する
際の収縮量とが比例関係にあるものと思われる。する
と、スキン層中の結晶性樹脂の融解熱量の総和と、コア
層中の結晶性樹脂の融解熱量の総和とが近似していると
(この場合、両融解熱量の総和の偏差が7cal/g以
下であると)、両層中の結晶性樹脂の収縮量も近似す
る。
【0020】このことは、スキン層形成用及びコア層形
成用の各溶融樹脂が冷却固化する際の収縮量が互いにほ
ぼ同程度となることを意味する。このため、サンドイッ
チ成形の冷却過程で、コア層の側縁部分に対応するスキ
ン層表面に過大な応力が加わらず、ひけの発生が抑制さ
れるものと考えられる。
【0021】
【実施例】
(実施例1〜5及び比較例1〜3)以下、本発明のサン
ドイッチ成形品を自動車用サイドモールに具体化した実
施例を比較例と対比して説明する。
【0022】図1,2に示すように、サイドモール1
は、自動車のボディの保護や装飾を目的として、同ボデ
ィの外側面に対し、両面テープ、接着剤、クリップ等に
よって装着されるものであり、全体が帯状をなしてい
る。サイドモール1は、断面略蒲鉾状をなす硬質のコア
層3と、そのコア層3の周囲を被覆する軟質のスキン層
2とから構成されている。
【0023】このサイドモール1は公知のサンドイッチ
成形法によって形成されたものである。サンドイッチ成
形法は射出成形法の一形態であり、この方法では、まず
金型のキャビティ内へスキン層形成用の溶融樹脂が射出
される。数秒経過後、スキン層形成用の溶融樹脂の射出
が停止されるとともに、コア層形成用の溶融樹脂が射出
される。スキン層形成用の溶融樹脂がコア層形成用の溶
融樹脂によって押されキャビティ内を流動する。両溶融
樹脂によってキャビティがほぼ充填されたところで、コ
ア層形成用の溶融樹脂の射出が停止され、再び、スキン
層形成用の溶融樹脂が射出される。そして、両溶融樹脂
が冷却固化すると、コア層3の周囲がスキン層2によっ
て被覆された目的のサイドモール1が得られる。
【0024】次に、前記サイドモール1における各層
2,3の材料構成と、サンドイッチ成形時におけるひけ
の発生との関連を調べるために、下記の材料及び配合比
率よりなる8種類のサイドモール1を製作した(表1参
照)。
【0025】
【表1】
【0026】(実施例1)スキン層2を形成する材料と
して、メルトフローレート(MFR)が30のエチレン
−プロピレン−ブロック共重合体(以下、PP(2)と
いう)30重量%と、スチレン含有量が33重量%であ
り、かつ20%トルエン溶液での溶融粘度が200cp
sのスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック
共重合体(以下、SEBSという)45重量%と、高密
度ポリエチレン(以下、HDPEという)15重量%
と、パラフィン系オイル(出光興産株式会社製 商品名
PW−90、以下、単にオイルという)10重量%とを
用いた。
【0027】コア層3を形成する材料として、MFRが
40のエチレン−プロピレン−ブロック共重合体(以
下、PP(3)という)45重量%と、ムーニー粘度M
1+4(100℃)が24であり、かつプロピレン含有
量が26重量%のエチレン−プロピレンランダム共重合
体(以下、EPR(2)という)30重量%と、タルク
25重量%とを用いた。 (実施例2)スキン層2を形成する材料として、MFR
が33のエチレン−プロピレン−ブロック共重合体(以
下、PP(1)という)50重量%と、SEBS40重
量%と、オイル10重量%とを用いた。
【0028】コア層3を形成する材料として、前記実施
例1と同一のものを用いた。 (実施例3)スキン層2を形成する材料として、PP
(1)30重量%と、SEBS45重量%と、低密度ポ
リエチレン(以下、LDPEという)15重量%と、オ
イル10重量%とを用いた。
【0029】コア層3を形成する材料として、PP
(1)45重量%と、EPR(2)30重量%と、タル
ク25重量%とを用いた。 (実施例4)スキン層2を形成する材料として、PP
(1)60重量%と、ムーニー粘度ML1+4 (100
℃)が70であり、かつプロピレン含有量が27重量%
のエチレン−プロピレンランダム共重合体(以下、EP
R(1)という)30重量%と、オイル10重量%とを
用いた。
【0030】コア層3を形成する材料として、前記実施
例1,2と同一のものを用いた。 (実施例5)スキン層2を形成する材料として、前記実
施例2と同一のものを用いた。
【0031】コア層3を形成する材料として、PP
(3)45重量%と、SEBS30重量%と、タルク2
5重量%とを用いた。 (比較例1)スキン層2を形成する材料として、前記実
施例3と同一のものを用いた。
【0032】コア層3を形成する材料として、前記実施
例1,2,4と同一のものを用いた。 (比較例2)スキン層2を形成する材料として、PP
(1)24重量%と、SEBS36重量%と、LDPE
12重量%と、オイル8%と、タルク20重量%とを用
いた。
【0033】コア層3を形成する材料として、前記実施
例1,2,4及び比較例1と同一のものを用いた。 (比較例3)スキン層2を形成する材料として、前記実
施例3及び比較例1と同一のものを用いた。
【0034】コア層3を形成する材料として、PP
(3)30重量%と、EPR(2)30重量%と、HD
PE15重量%と、タルク25重量%とを用いた。次
に、上記実施例1〜5及び比較例1〜3の材料よりなる
各サイドモール1に対して、スキン層2中の結晶性ポリ
プロピレン樹脂の含有量(以下、PP(S)という)
と、コア層3中の結晶性ポリプロピレン樹脂の含有量
(以下、PP(C)という)とを求めた。また、各サイ
ドモール1に対して、スキン層2中の結晶性樹脂の10
0℃〜180℃の範囲内における融解熱量の総和(以
下、Q(S)という)と、コア層3中の結晶性樹脂の1
00℃〜180℃の範囲内における融解熱量の総和(以
下、Q(C)という)とを求めた。上記Q(S),Q
(C)には、ポリエチレンの融解熱量も含まれている。
さらに、各サイドモール1に対して、スキン層2中の結
晶性ポリプロピレン樹脂の融点(以下、Mp(S)とい
う)と、コア層3中の結晶性ポリプロピレン樹脂の融点
(以下、Mp(C)という)とを求めた。
【0035】前記融解熱量及び融点の各測定には示差走
差熱量計(DSC)を用いた。そして、100℃、2時
間の条件下でアニール後のサンプルを3±0.1mg、
昇温速度20℃/分で、23℃から200℃の範囲につ
いて測定を行った。融解熱量の求め方を図3に示す。こ
の図の斜線部分の合計が融解熱量の総和(Q(S)ある
いはQ(C))に相当する。
【0036】なお、PP(S),PP(C)の単位は
「重量%」であり、Q(S),Q(C)の単位は「ca
l/g」であり、Mp(S),Mp(C)の単位は
「℃」である。
【0037】上記した各種値を用いて、PP(S)とP
P(C)との偏差の絶対値(|PP(S)−PP(C)
|)、Q(C)とQ(S)との偏差(Q(C)−Q
(S))、Mp(S)とMp(C)との偏差の絶対値
(|Mp(S)−Mp(C)|)をそれぞれ算出した。
【0038】各サイドモール1のスキン層2表面のひけ
の有無を目視で判定した。これらの算出結果及び判定結
果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2から、Q(C)−Q(S)と、ひけの
有無とが対応関係にあることがわかる。すなわち、Q
(C)−Q(S)が0.2〜6.3cal/gの範囲に
ある実施例1〜5ではひけが発生していない。これに対
し、Q(C)−Q(S)が7.4〜12.9cal/g
の範囲にある比較例1〜3ではひけが発生している。
【0041】前記のように、比較例1〜3ではひけが生
ずるのに、実施例1〜5のサイドモール1においてひけ
が生じないのは、サンドイッチ成形時において、キャビ
ティ内の二種類の溶融樹脂が冷却固化する際の、互いの
収縮量が近似しているためと考えられる。すなわち、ス
キン層2中及びコア層3中の各結晶性樹脂は、溶融状態
から冷却により結晶化する際に大きく収縮する特性を有
する。スキン層2を形成する材料の中で最も収縮量の大
きなものは、結晶性ポリプロピレン樹脂(PP(1),
PP(2))である。同様に、コア層3を形成する材料
の中で最も収縮量の大きなものは、結晶性ポリプロピレ
ン樹脂(PP(1),PP(2),PP(3))で、次
いで結晶性ポリエチレン樹脂(HDPE,LDPE)で
ある。従って、スキン層形成用及びコア層形成用の各溶
融樹脂が冷却固化する際の収縮量は、いずれもこれら結
晶性樹脂の収縮量の総和によって大きく左右される。
【0042】一方、スキン層2中に含有される結晶性樹
脂の融解熱量の総和Q(S)と、同結晶性樹脂が溶融状
態から結晶化する際の収縮量とが比例関係にあり、コア
層3中に含有される結晶性樹脂の融解熱量の総和Q
(C)と、同結晶性樹脂が溶融状態から結晶化する際の
収縮量とが比例関係にあると思われる。すると、実施例
1〜5では、比較例1〜3に比較して、スキン層2中の
結晶性樹脂(大部分が結晶性ポリプロピレン樹脂)の融
解熱量の総和Q(S)と、コア層3中の結晶性樹脂(大
部分が結晶性ポリプロピレン樹脂)の融解熱量の総和Q
(C)とが近似していることから、両層2,3中の結晶
性樹脂の収縮量も近似する。
【0043】このことは、スキン層形成用及びコア層形
成用の各溶融樹脂が冷却固化する際の収縮量が互いにほ
ぼ同程度となることを意味する。このため、サンドイッ
チ成形の冷却過程で、コア層3の側縁部分に対応するス
キン層2の表面に過大な応力が加わらず、ひけの発生が
抑制され、外観品質の優れたサイドモール1が得られる
ものと考えられる。
【0044】ところで、前記表2より、Q(C)−Q
(S)≦7cal/gが満たされれば、スキン層2の表
面にひけが生じないことが推定される。さらに、|PP
(S)−PP(C)|≦10重量%、又は|Mp(S)
−Mp(C)|≦5℃の場合、外観品質が特に望まし
い。
【0045】なお、前記実施例1〜5の各サイドモール
1においては、外側部分のスキン層2により傷付きが防
止され、内側部分のコア層3により熱膨張が抑制されて
寸法安定性が良好に維持される。
【0046】本発明は前記実施例の構成に限定されるも
のではなく、例えば以下のように発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で任意に変更してもよい。 (1)本発明は自動車用のサイドモール1以外にも、ド
アとボディとの間をシールするためにドア下部に装着さ
れるドア下モールや、ボディにおいてフロントホイール
あるいはリヤホイールを覆うフェンダに装着されるオー
バフェンダ等の自動車用樹脂外装品に適用可能である。
また、自動車以外の分野で用いられるサンドイッチ成形
品にも適用可能である。
【0047】(2)前記実施例でのサイドモール1の形
状を適宜変更してもよい。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、成
形時において、コア層の側縁部分と対応するスキン層表
面にひけが生ずるのを防止し、外観品質の優れたサンド
イッチ成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例のサイドモールの
斜視図である。
【図2】一実施例のサイドモールの断面図である。
【図3】示差走差熱量計により測定された温度と熱量と
の関係を示す特性図である。
【図4】従来のサイドモールの斜視図である。
【図5】従来のサイドモールの断面図である。
【符号の説明】
1…サイドモール、2…スキン層、3…コア層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小泉 順二 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成 株式会社 内 (56)参考文献 特開 平4−35943(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B60R 13/00 - 13/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性ポリプロピレン樹脂を10重量%
    以上含むオレフィン系熱可塑性エラストマー、又は結晶
    性ポリプロピレン樹脂を10重量%以上含むスチレン系
    熱可塑性エラストマーからなるスキン層(2)と、 少なくとも結晶性ポリプロピレン樹脂及びエチレン−α
    オレフィン共重合体を有する混合物、又は少なくとも結
    晶性ポリプロピレン樹脂及びスチレン系エラストマーを
    有する混合物からなり、前記スキン層(2)により被覆
    されるコア層(3)とを備え、前記スキン層(2)及び
    コア層(3)をサンドイッチ成形法により形成したサン
    ドイッチ成形品において、 前記コア層(3)中の結晶性樹脂の100℃〜180℃
    の範囲内における融解熱量の総和と、前記スキン層
    (2)中の結晶性樹脂の100℃〜180℃の範囲内に
    おける融解熱量の総和との偏差が7cal/g以下とな
    る材質により、前記スキン層(2)及びコア層(3)
    収縮量を近似させ成形したことを特徴とするサンドイッ
    チ成形品。
JP10154093A 1993-04-27 1993-04-27 サンドイッチ成形品 Expired - Fee Related JP2882235B2 (ja)

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