JP2881765B2 - 感圧複写紙用塗布組成物 - Google Patents

感圧複写紙用塗布組成物

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JP2881765B2
JP2881765B2 JP63063021A JP6302188A JP2881765B2 JP 2881765 B2 JP2881765 B2 JP 2881765B2 JP 63063021 A JP63063021 A JP 63063021A JP 6302188 A JP6302188 A JP 6302188A JP 2881765 B2 JP2881765 B2 JP 2881765B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、特に発色性ならびに発色カブリの点で改良
された感圧複写紙用塗布組成物に関するものである。
[従来の技術] ノーカーボン複写紙と称される感圧複写紙としては、
たとえば、発色剤を内包するマイクロカプセル(以下、
「発色剤マイクロカプセル」という)を含む発色剤層と
顕色剤を含む顕色剤層とを、積重した2枚の支持体(通
常、紙)における上位の支持体の裏面および下位の支持
体の表面にそれぞれ形成したタイプのもの、あるいは下
位の支持体の表面上に発色剤マイクロカプセルと顕色剤
とを混合あるいは積層した記録層を形成したタイプのも
のなどが知られている。かかる感圧複写紙においては、
上位の支持体の表面において筆記具、タイプライタ、そ
の他各種の機械式プリンタなどによる衝撃的な圧力が加
えられると、これによって発色剤を内包しているマイク
ロカプセルが破壊され、カプセル内の発色剤が露出して
顕色剤と接触することによって発色し、複写記録が達成
される。
一般に、上述の発色剤層を構成するための塗布組成物
は、発色剤マイクロカプセル、保護剤(スティルト)、
バインダーおよびその他の添加剤から構成されている。
前記保護剤は、発色剤マイクロカプセルと混在すること
により、このマイクロカプセルが複写記録を目的としな
いときに加えられる不測の外力を直接的に受けて破壊さ
れることを防止する機能を有し、通常、発色剤マイクロ
カプセルよりやや大きい粒径を有する有機物質あるいは
無機物質の微粒子によって構成される。また、バインダ
ーは、発色剤マイクロカプセル、保護剤その他の添加剤
を結着して支持体に固定する機能を有し、従来、このよ
うなバインダーとして、ポリビニルアルコール、スター
チ、変性スターチ、カルボキシメチルセルロース、カゼ
イン等の水溶性高分子化合物が多く用いられている。
しかし、バインダーとして上述のような水溶性高分子
化合物を用いた塗布組成物においては、次のような問題
点がある。
感圧複写紙においていわゆる発色カブリを生じやす
い。
発色カブリとは、感圧複写紙の製造時あるいは貯蔵時
などの、複写記録を目的とする使用時以外の取扱時にお
いて加えられる機械的圧力、摩擦力あるいは熱などによ
って発色剤マイクロカプセルが破壊され、不要に発色す
る現象である。水溶性高分子化合物をバインダーに用い
た塗布組成物において、このような発色カブリが発生し
やすい理由のひとつとしては、一般に、水溶性高分子物
質によって形成される乾燥塗膜は強固ではあるが弾力性
に欠け、そのため塗膜に加えられた外力が吸収されずに
発色剤マイクロカプセルに直接的に伝達されてこれに作
用するためと考えられる。
保存性が低い。
水溶性高分子化合物は腐敗しやすく、したがって塗布
組成物を長期間にわたって変質のない状態で保存するこ
とが困難である。
塗工性が低い。
水溶性高分子化合物を用いたバインダーは、粘性が大
きいので塗工作業を効率よく円滑に行うことが難しく、
また優れた塗工性を得ようとすれば塗布組成物における
固形分の含有割合を小さくしなければならない不都合を
生じる。
上記における発色カブリの問題を解決するという点
よりすれば、保護剤の含有割合を大きくすることが有効
であるが、このようにすると、複写記録時において発色
剤層に加えられる筆圧、印字圧などの外力によっても発
色剤カプセルが破壊されにくくなり、その結果、感圧複
写紙の発色濃度が低下する問題を生じる。
これらの問題点を解消することを目的とした感圧複写
紙用の塗布組成物として、水溶性高分子化合物にかえ
て、アクリル酸エステル重合体ラテックスを用いたもの
(特開昭57−72891号公報)およびラテックスを用いた
もの(特開昭57−77589号公報、特開昭61−188184号公
報、特開昭61−211080号公報、特開昭62−202784号公
報)が提案されている。これらの塗布組成物において
は、バインダーとしてラテックスを用いるので上記の
保存性およびの塗工性については十分な改善がみられ
たが、上記の発色カブリの点においてはいまだ十分満
足すべき結果は得られていない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、発色カブリ、保存性ならびに塗工性におけ
る従来技術の問題点を総合的に解決し、特に、優れた発
色性を保有しながら発色剤マイクロカプセルの不要の破
壊による発色カブリの発生が十分に抑止された感圧複写
紙を形成することのできる感圧複写紙用塗布組成物を提
供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 前記問題点は、発色剤を内包するマイクロカプセルと
バインダーとを含有する感圧複写紙用塗布組成物におい
て、 前記バインダーが (A) イ)脂肪族共役ジエン 20〜60重量% ロ)エチレン性不飽和カルボン酸 0.5〜15重量% ハ)ロ)以外のエチレン性不飽和化合物 25〜79.5重量% を共重合させて得られる共重合体ラテックスと、 (B) イ)メタクリル酸 5〜50重量% ロ)イ)以外のエチレン性不飽和化合物 50〜95重量% を共重合させて得られるアルカリ増粘性共重合体ラテ
ックスとを混合し、 その混合割合が(A)成分と(B)成分との重量比
(A)/(B)で99/1〜80/20の範囲内にある共重合体
ラテックスの混合物であることを特徴とする感圧複写紙
用塗布組成物によって解決される。
すなわち、本発明の感圧複写紙用塗布組成物は、バイ
ンダーとして、(A)脂肪族共役ジエンおよびエチレン
性不飽和カルボン酸を特定の割合で含む単量体組成物の
重合によって得られる共重合体ラテックスと、(B)メ
タクリル酸を特定の割合で含む単量体組成物の重合によ
って得られるアルカリ増粘性共重合体ラテックスとを特
定の割合で混合したアルカリ増粘性を有する共重合体ラ
テックスの混合物を用い、このバインダーの他に、発色
剤マイクロカプセル、保護剤、その他必要に応じて加え
られる添加剤を分散させて構成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における(A)成分の共重合体ラテックスの製
造に用いることのできる脂肪族共役ジエンとしては、た
とえばブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3ブタ
ジエンなどを挙げることができ、特にブタジエンが好ま
しい。脂肪族共役ジエンの使用量は、単量体成分全体に
対して20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%である。
この使用量が20重量%未満であると、感圧複写紙におけ
る発色性が不十分となり、一方使用量が60重量%を越え
ると、感圧複写紙における加圧および摩擦に起因する発
色カブリが生じやすくなり、いずれも好ましくない。
(A)成分の製造に用いられるエチレン性不飽和カル
ボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、メタクロトン酸などのモノカルボン酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸などのジカルボン酸およびこ
れらジカルボン酸の無水物などの不飽和カルボン酸を用
いることができ、その使用量は単量体成分全体に対して
0.5〜15重量%、好ましくは2〜10重量%である。この
使用量が0.5重量%未満であると、塗布組成物の機械的
安定性が劣り、一方使用量が15重量%を越えると、共重
合体ラテックスの粘度が著しく高くなり、そして塗布組
成物の粘度が高くなるだけでなく、発色カブリが生じや
すくなり、いずれも好ましくない。
(A)成分の製造に用いられるエチレン性不飽和カル
ボン酸以外のエチレン性不飽和化合物としては、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ヒドロキシエチルなどのエチレン性
不飽和カルボン酸エステル、スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド等の不飽和カルボン酸のアルキルアミド、アクリロニ
トリルなどのシアン化ビニル、酢酸ビニルなどを挙げる
ことができ、これらは1種または2種以上を組合わせて
用いることができる。
本発明の(B)成分の共重合体ラテックスの製造に用
いられるメタクリル酸の使用量は、単量体成分全体に対
して5〜50重量%、好ましくは7〜40重量%である。こ
の使用量が5重量%未満であると、加圧および摩擦に起
因する発色カブリが生じやすく、一方使用量が50重量%
を越えると、共重合体ラテックスの安定性が悪くなって
製造が困難になり、いずれも好ましくない。
本発明における(B)成分の製造に用いることのでき
るメタクリル酸以外のエチレン性不飽和化合物として
は、アクリル酸、クロトン酸、メタクロトン酸などのモ
ノカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の
ジカルボン酸およびこれらジカルボン酸の無水物などの
不飽和カルボン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチル、メタクリル酸シフロヘキシル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキ
シエチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの
芳香族ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミドなどの不飽和カルボン酸の
アルキルアミド、アクリロニトリルなどのシアン化ビニ
ル、酢酸ビニルなどを挙げることができ、これらは1種
または2種以上を組合わせて用いることができる。
また、これらの単量体を重合して、共重合体ラテック
ス(A)および(B)を製造するに際し、単量体は重合
初期に一括して添加する方法(バッチ重合)でもよい
し、単量体の一部または全部を連続または分割して添加
する方法(インクレメント重合)および一部の単量体の
重合途中または完結した後に残りの単量体を一括、分割
または連続して添加し、重合を完結させる方法でもよ
い。
本発明における共重合体ラテックスの(A)成分と
(B)成分との重量比は、(A)/(B)=99/1〜80/2
0、好ましくは(A)/(B)=98/2〜85/15の範囲で使
用することが必要である。(B)成分が1重量%未満で
あると、静圧および摩擦に起因する発色カブリが生じや
すく、一方(B)成分が20重量%を越えると、加圧およ
び摩擦に起因する発色カブリに対する(B)成分の添加
効果は飽和するばかりでなく、むしろ低下し、また、塗
布組成物の粘度が高くなって塗工適性が劣る。
また、本発明においては、前記(A)成分と(B)成
分とからなる本発明の共重合体ラテックスを単独で用い
てもよいし、また必要に応じて他の共重合体ラテックス
を好ましくは20重量%以下の割合で混合して用いてもよ
い。このような他の共重合体ラテックスとしては、スチ
レン−ブタジエン系ラテックス、酢酸ビニル系ラテック
ス、アクリル系ラテックスなどが挙げられる。
本発明における共重合体ラテックスの使用量は、共重
合体成分(固形分)で換算して発色剤マイクロカプセル
100重量部に対し、好ましくは3〜50重量部、さらに好
ましくは5〜40重量部である。共重合体ラテックスの使
用量が3重量部未満では塗布組成物の支持体に対する接
着強度が不十分であり、一方、この使用量が50重量部を
越えると、塗布層中の発色剤マイクロカプセルが共重合
体成分によって厚く覆われた状態となり、その結果、感
圧複写紙における発色性が低下する。
本発明の共重合体ラテックスにおけるアルカリ増粘性
とは、共重合体ラテックスにアルカリ性物質を添加し、
pHを8以上にしたとき、粘度が高くなる性質をいう。好
ましいアルカリ増粘性とは、共重合体ラテックスにアル
カリ性物質を添加してpHを8以上としたとき、固形分濃
度(固形分は共重合体成分)30〜60重量%の範囲の共重
合体ラテックスの粘度が、アルカリ性物質添加前のpH6
以下の共重合体ラテックスに比べ、同一固形分濃度で5
倍以上、さらに好ましくは10倍以上となる粘度増大効果
を有するものである。
本発明における発色剤マイクロカプセルは、たとえば
以下に具体的に述べるコアセルベーション法、界面重合
法、In situ重合法などの各種方法によって製造される
ものを用いることができる。
コアセルベーション法 この方法は、たとえば米国特許第2800457号明細書、
同2800458号明細書において開示されているように、発
色剤を溶解した油性液体を、ゼラチン、アラビアゴム等
の親水性高分子物質の水溶液に微小油滴状に乳化分散さ
せ、この微小油滴の表面に前記親水性高分子物質のコロ
イドを相分離(コアセルベート)させ、これを硬化させ
て壁膜を形成し、マイクロカプセルを得るものである。
界面重合法 この方法は、たとえば特公昭44−27257号公報、同42
−771号公報、同46−18127号公報、同50−72507号公報
に開示されているように、親水性液体と疎水性液体の界
面において互いに反応して不溶性の被膜を形成する二種
類の物質を、それぞれ親水性液体および疎水性液体に溶
解して界面反応させることにより、たとえばポリアミド
のカプセル壁膜より構成されるマイクロカプセルを得る
ものである。
In situ重合法 この方法は、たとえば特公昭44−3495号公報に開示さ
れているように、芯材物質(発色剤を含む油滴)とリア
クタンクすなわちポリマーの形成に必要な単量体、プレ
ポリマーあるいは触媒などの反応系成分とが共存する分
散系において重合を行うことにより、芯材物質の粒子と
分散媒との界面でこれら両者に対して不溶のポリマーを
生成させ、これにより芯材物質の粒子表面にポリマーの
外殻を形成してマイクロカプセルを得るものである。こ
の方法によれば、カプセル壁膜がメラミン−ホルマリン
樹脂、尿素−ホルマリン樹脂などにより構成されたマイ
クロカプセルを得ることができる。
このようなIn situ法によるメラミン−ホルマリン樹
脂、尿素−ホルマリン樹脂などの壁膜によるマイクロカ
プセルは、耐熱性、耐溶剤性、耐水性、耐薬品性におい
て優れ、しかも当該マイクロカプセルは簡易なプロセス
によって安定に製造することができる点で本発明におけ
る発色剤マイクロカプセルとしては有利に用いることが
できる。
上記発色剤マイクロカプセルを構成する発色剤として
は通常用いられるものでよく、たとえばクリスタルバイ
オレットラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、
フルオラン類、スピロピラン類などを使用することがで
きる。
また、この発色剤と接触してこれを発色させるための
顕色剤としては、たとえば酸性白土、活性白土などの無
機系顕色剤、フェノール樹脂、サリチル酸誘導体塩など
の有機系顕色剤を使用することができる。
本発明において用いられる保護剤としては、通常用い
られているものでよく、たとえばデンプン、セルロース
などの有機物質あるいは無機物質の粉末が使用され、そ
の使用量は一般に発色剤マイクロカプセル100重量部に
対して20〜80重量部である。
本発明においては、さらに必要に応じて、消泡剤、耐
水化剤などの各種添加剤を含むことができる。また、バ
インダーとしては、本発明における共重合体ラテックス
の他に支持体に対する接着強度を補うために、必要に応
じて水溶性高分子、たとえば水溶性の変性デンプン、ポ
リビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなど
を併用することができる。
本発明の塗布組成物は、上述の各種材料を混合して調
整され、外塗布組成物中の固形分濃度は、一般に15〜50
重量%とされる。この塗布組成物は、通常の塗被紙製造
に使用されているブレードコータ、エアナイフコータ、
バーコータ、ロールコータ、サイズプレスコータなどの
塗被装置を備えたオンマシンコータによって原紙に塗被
されて感圧複写紙とされる。本発明の塗布組成物の好ま
しい塗布量は、原紙の単位面積あたり2〜5g/m2であ
る。原紙としては、酸性あるいはアルカリ性の抄紙によ
って得られる上質原紙、中質原紙などを使用することが
できる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、以下の記載にお
いて「部」および「%」は、それぞれ重量部および重量
%を示す。
実施例1〜9、比較例1〜7 (1)共重合体ラテックスA〜Gおよびa〜f (1)−1 (A)成分の共重合体ラテックス <共重合体ラテックスA> 水160部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3
部、炭酸水素ナトリウム0.6部および過硫酸カリウム0.5
部を容積100のオートクレーブに仕込んだ。ついで、
ブタジエン30部、イタコン酸2部、アクリル酸2部、ス
チレン51部、メチルメタクリレート10部、ヒドロキシエ
チルメタクリレート5部からなる単量体組成物を四塩化
炭素2部とともに一括添加し、撹拌しながら系を70℃ま
で加熱した。この状態で重合を20時間継続したところ、
重合転化率はほぼ100%に達した。このようにして得ら
れた共重合体ラテックスは、重合態様がよく、凝固物の
発生も少なかった。この共重合体ラテックスに水酸化ナ
トリウム水溶液を添加し、pHを5に調節した後、単量体
ストリッピングをし、さらに減圧蒸溜によりラテックス
を濃縮した。得られた共重合体ラテックスを「ラテック
スA」とする。
<共重合体ラテックスB〜G> 共重合体ラテックスAと同様な手順により、第1表に
示す単量体成分を用いて6種の共重合体ラテックスを得
た。これらの(A)成分の共重合体ラテックスを「ラテ
ックスB」〜「ラテックスG」とする。
なお、ラテックスD〜Gは比較用ラテックスであり、
ラテックスDは脂肪族共役ジエンの割合が過小の場合、
ラテックスEは脂肪族共役ジエンの割合が過大の場合、
ラテックスFは、エチレン性不飽和カルボン酸の割合が
過小な場合、ラテックスGは、エチレン性不飽和カルボ
ン酸の割合が過大の場合の例である。以上のラテックス
A〜Gの単量体組成をまとめて第1表に記載する。
(1)−2 (B)成分の共重合体テラックス <共重合体ラテックスa> 水400部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム3
部、炭酸水素ナトリウム0.6部および過硫酸カリウム0.5
部を容積100のオートクレーブに仕込んだ。ついで、
メタクリル酸20部、スチレン10部、メチルメタクリレー
ト10部、エチルアクリレート60部からなる単量体組成物
を一括添加し、撹拌しながら系を70℃まで加熱した。こ
の状態で重合を4時間継続したところ、重合転化率はほ
ぼ100%に達した。このようにして得られた共重合体ラ
テックスは重合態様がよく、凝固物の発生も少なかっ
た。得られた共重合体テラックスを「ラテックスa」と
する。
<共重合体ラテックスb〜f> 共重合体ラテックスaと同様な手順により、第1表に
示す単量体成分を用いて5種の共重合体ラテックスを得
た。これらの(B)成分の共重合体テラックスを「ラテ
ックスb」〜「ラテックスf」とする。ラテックスfは
重合態様が悪く、凝固物の発生が多く、塗布組成物の調
整ができなかった。
なお、ラテックスeおよびfは比較用ラテックスであ
り、ラテックスeはメタクリル酸の割合が過小な場合、
ラテックスfはメタクリル酸の割合が過大の場合の例で
ある。
以上のラテックスa〜fの単量体組成をまとめて第1
表に記載する。
このようにして得た(A)成分の共重合体ラテックス
と(B)成分の共重合体ラテックスを所定割合で混合す
ることにより、接着剤成分としてのアルカリ増粘性の共
重合体ラテックスを得ることができる。
(2)発色剤マイクロカプセルの製造 有機溶剤「SAS296」(日石(株)製)100部に対して
クリスタンバイオレットラクトン3.5部を溶解した発色
剤溶液をスチレン−無水マレイン酸共重合体4部を含む
水溶液に添加して乳化した。ついで、固形分15%のメラ
ミン−ホルマリン初期縮合物「SR613」(住友化学
(株)製)の水溶液60部を加えた後、70℃まで加熱し、
3時間にわたって反応させた。つぎにこの反応生成液を
pH9.0になるまで水酸化ナトリウム水溶液を添加し、発
色剤マイクロカプセルの分散体を作成した。このマイク
ロカプセルの平均粒径は4.5μmであった。
(3)塗布組成物の調製 以上のようにして得られた共重合体ラテックス(A)
成分および(B)成分ならびに発色剤マイクロカプセル
を用い、第2表に示す組成の各材料を混合し、固形分の
割合が25%の塗布組成物を、実施例につき9種および比
較例につき7種調製した。なお、塗布組成物のpHは9に
なるように調整した。
(4)特性テスト 上記(3)で得られた各塗布組成物をロッドを用いて
塗布量が3.0g/m2となるようそれぞれ原紙に塗布し、感
圧複写紙用の上用紙を得た。これらの上用紙と市販の下
用紙「NeR」(三菱製紙(株)製)とをそれぞれ重ね合
わせて感圧複写紙のサンプルを形成し、以下の3項目に
ついてテストを行った。
発色性 各サンプルをタイプライターによって印字し、30分後
における下用紙の発色濃度をハンター比色光度計によっ
て測定し、白色度(%)を求めた。白色度の値が小さい
ほど発色性は良好である。
耐圧性(加圧による発色カブリの発生状態) 各サンプルを圧力50kg/cm2で5分間にわたって加圧し
た後、下用紙の白色度をハンター比色光度計によって測
定した。白色度の値が大きいほど発色カブリの発生が少
なく、耐圧性は良好である。
耐摩擦性(摩擦による発色カブリの発生状態) 各サンプルの下用紙を上側にし、その上に重さ3kgの
おもりを載せてこれを一定の距離(30cm)にわたって滑
らせた後、下用紙の白色度をハンター比色光度計によっ
て測定した。白色度の値が大きいほど発色カブリの発生
が少なく、耐摩擦性は良好である。
以上の特性テストの結果を第2表に示す。
第2表に示す結果より明らかなように、本発明の実施
例においては、各特性テストにおいて実用上十分満足す
べき結果が得られたが、比較例においては特性の全般に
わたって良好な結果を得ることができなかった。
[発明の効果] 本発明の感圧複写紙用塗布組成物は、バインダーとし
て、特定の単量体成分を特定の割合で含む単量体組成物
の重合によって得られる共重合体ラテックスを用いてお
り、以下の作用効果を有する。
(1)塗工性が優れている 本発明の塗布組成物は、バインダーとして特定の共重
合体ラテックスを用い、粘度の大きい水溶性高分子化合
物を用いなくともよく、あるいは用いたとしてもその使
用量はわずかでよいため、アルカリ増粘性ではあるが、
比較的粘性が低く、したがって、塗工作業を円滑に行う
ことができる。また、塗布組成物の固形分濃度を大きく
することができるので、塗工生産性の点で有利である。
(2)保存性が優れている。
本発明の塗布組成物は、バインダーとして特定の共重
合体ラテックスを用い、腐敗しやすい水溶性高分子化合
物を用いなくともよくあるいは用いたとしてもその使用
量はわずかでよいため、保存性が良好で長期間にわたっ
て品質の低下を招くことがない。
(3)発色性ならびに発色カブリの点で優れた感圧複写
紙を得ることができる。
本発明の塗布組成物は、バインダーとして共重合体ラ
テックスを用いているので、塗膜(発色剤層)に適度な
弾性を付与することができる。その結果、感圧複写紙に
使用時以外に作用する外力、たとえば製造時、貯蔵時な
どにおいて必然的もしくは偶発的に作用する比較的小さ
な押圧力、摩擦力などに対してはこれを十分に吸収し、
発色剤カプセルに使用する力を弱めることができるの
で、使用時における発色機能を阻害することなく、発色
カブリの発生を効果的に防止できることができる。
フロントページの続き (72)発明者 新ヶ江 滋 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−49678(JP,A) 特開 昭62−176876(JP,A) 特開 昭50−84641(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発色剤を内包するマイクロカプセルとバイ
    ンダーとを含有する感圧複写紙用塗布組成物において、 前記バインダーが、 (A) イ)脂肪族共役ジエン 20〜60重量% ロ)エチレン性不飽和カルボン酸 0.5〜15重量% ハ)ロ)以外のエチレン性不飽和化合物 25〜79.5重量% を共重合させて得られる共重合体ラテックスと、 (B) イ)メタクリル酸 5〜50重量% ロ)イ)以外のエチレン性不飽和化合物 50〜95重量% を共重合させて得られるアルカリ増粘性共重合体ラテッ
    クスとを混合し、 その混合割合が(A)成分と(B)成分との重量比
    (A)/(B)で99/1〜80/20の範囲内にある共重合体
    ラテックスの混合物であることを特徴とする感圧複写紙
    用塗布組成物。
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