JP2881622B2 - 磁気浮上式引き戸の開閉装置 - Google Patents

磁気浮上式引き戸の開閉装置

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JP2881622B2 JP2106521A JP10652190A JP2881622B2 JP 2881622 B2 JP2881622 B2 JP 2881622B2 JP 2106521 A JP2106521 A JP 2106521A JP 10652190 A JP10652190 A JP 10652190A JP 2881622 B2 JP2881622 B2 JP 2881622B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、無接触で、案内レールに沿って走行する磁
気浮上式引き戸の自動開閉装置に関する。
[従来の技術] 従来の磁気浮上式の引き戸装置は、家屋の構造部材等
に固着した案内支持部材に、扉本体の上部に設けた磁気
浮上手段を磁気作用させることにより、扉本体を案内支
持部材に対して磁気浮上させ、無接触状態で左右に移動
させるようになっている。
引き戸装置の開閉は、電動モータにより、索条やチエ
ーン等の引張り手段を介して、扉本体を駆動するもの、
または磁気浮上手段をリニアモータとし、このリニアモ
ータの推進力で、扉本体を駆動するもの等がある。
[発明が解決しようとする課題] 従来の磁気浮上式引き戸装置においては、扉本体を案
内支持部材等から磁気浮上させて、無接触としたとして
も、その扉本体を駆動する駆動モータや索条、チエーン
等の伝達部から、振動音や擦過音が発生するとともに、
駆動部の摩擦部分からの発塵もさけられなかった。
また、扉本体の駆動手段にリニアモータの原理を利用
すると、案内支持部材に、多数のコイルを埋設しなけれ
ばならず、構造が複雑になるとともに、制御も各コイル
単位で行なわなければならないため、高価なものとな
る。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、磁性材料からなる案内支持部材に、
扉本体の上部に設けた磁気浮上手段を電磁的に連係し、
扉本体を案内支持部材から浮上させて、左右方向に無接
触で移動させるようにした磁気浮上式引き戸装置におい
て、案内支持部材の一端を、水平軸線回りに回動自在に
枢支するとともに、同じく他端を、電動アクチュエータ
をもって上下に移動自在に支持し、この電動アクチュエ
ータで案内支持部材の傾斜角度を変化することにより、
扉本体を案内部材に沿って自走させて、引き戸の開閉を
行わせるようにすること。
また、磁性材料からなる案内支持部材に、扉本体の上
部に設けた磁気浮上手段を電磁的に連係し、扉本体を案
内支持部材から浮上させて、左右方向に無接触で移動さ
せるようにした磁気浮上式引き戸装置において、扉本体
の開閉移動方向の両側縁と、扉本体の開閉時に両側縁が
それぞれに当接する対応壁面との間に、永久磁石と電磁
石の組からなる電磁反発手段を設け、この電磁反発手段
の電磁反発力を制御することにより、扉本体が案内支持
部材に沿って自走する速度を加減速して、引き戸の開閉
を行わせるようにすること。
さらに、磁性材料からなる案内支持部材に、扉本体の
上部に設けた磁気浮上手段を電磁的に連係し、扉本体を
案内支持部材から浮上させて、左右方向に無接触で移動
させるようにした磁気浮上式引き戸装置において、案内
支持部材の一端を、水平軸線回りに回動自在に枢支する
とともに、同じく他端を、電動アクチュエータをもって
上下に移動自在に支持し、扉本体の開閉移動方向の両側
縁と、扉本体の開閉時に両側縁がそれぞれに当接する対
応壁面との間に、永久磁石と電磁石の組からなる電磁反
発手段を設け、前記電動アクチュエータで案内支持部材
の傾斜角度を変化させ、かつ前記電磁反発手段の電磁反
発力を制御することにより、扉本体が案内支持部材に沿
って自走する速度を加減速して、引き戸の開閉を行わせ
るようにすることにより、上述の課題は解決される。
[作用] 扉本体(1)は、磁気浮上手段(A)をもって、案内
支持杆(2)に対して、扉本体(1)を磁気浮上した接
触抵抗の無い状態にしておいてから、案内支持杆(2)
が傾斜させられるので、傾斜角度が小さくとも、静止摩
擦抵抗の影響を受けることなく、確実に傾斜方向に自走
する。
扉本体(1)が、どこの位置に停止していても、全開
もしくは全閉のいずれの方向にも、扉本体(1)に直接
力を加えることなく、案内支持杆(2)を傾斜させるだ
けで、扉本体(1)は自走する。また、慣性走行の運動
方向と案内支持杆(2)の傾斜方向を逆にすると、慣性
運動は制動される。
扉本体(1)が全開もしくは全閉の位置にあるときに
は、扉本体(1)が当接している側の壁面(3a)(3b)
の電磁石(14)を、永久磁石(12)と反発するように励
磁することにより、扉本体(1)の慣性走行の初速が与
えるられる。
また、扉本体(1)が慣性走行によつて、壁面(3a)
(3b)へ衝突する直前に、その壁面(3a)(3b)の電磁
石(14)を、永久磁石(12)と反発するように励磁する
ことにより、扉本体(1)の慣性走行速度を制動し、か
つ電磁石(14)の電流を所要に制御することにより、扉
本体(1)を静かに停止させる。
さに、電磁石(14)の制動のための反発方向電流を止
めた後、永久磁石(12)は、励磁されていない電磁石
(14)の鉄心に吸着して、扉本体(1)と壁面(3a)
(3b)を係止する。
[実施例] (1)は、部屋の出入口や廊下等の通路を開閉する引
き戸装置における扉本体である。
(2)は、扉本体(1)の上方において、家屋の構造
体をなす壁(3)に両端が支持され、上面(2a)と下面
(2b)がほぼ平滑な平面で、かつ鉄等の磁性体からなる
案内支持杆である。
案内支持杆(2)の一端(4)は、壁3に固着された
軸受(5)によって、扉本体(1)の移動方向と直交す
る水平軸(6)回りに、回転自在に枢支されている。
案内支持杆(2)の他端(7)は、構造体における壁
(3)に基部(8a)が固着された減速器付きパルスモー
タ等の電動アクチュエータ(8)の出力軸に設けた送り
ねじ(8b)へ、案内支持杆(2)に端部(7)に固設さ
れたナット(9)を螺合させて、上下に移動自在に支持
されている。
扉本体(1)の上端部(1a)には、扉の移動方向の左
右端それぞれに、1対の磁気浮上手段(A)が設けられ
ている。
磁気浮上手段(A)は、一例として、鉄製の案内支持
杆(2)に吸着する電磁石(10)と、案内支持杆(2)
の下面(2b)と電磁石(10)の間隙を計るギャップセン
サ(11)とからなっている。
電磁石(10)は、それに流される電流値に応じて案内
支持杆(2)に吸着され、ギャップセンサ(11)は、案
内支持杆(2)の下面(2b)と電磁石(10)の間隙を常
に一定に保つように、電磁石(10)の電流値を制御して
いる。
このようにして扉本体(1)は、磁気浮上手段(A)
により、案内支持杆(2)に対して、無接触状態で懸垂
される。
なお、磁気浮上手段(A)は、上述以外の構造のもの
でもよい。
扉本体(1)の左右両側縁(1a)(1b)の上方と下方
には、永久磁石(12)が設けられている。
扉本体(1)が通路(13)を閉じているとき、もしく
は通路(13)を全開しているとき、左の側縁(1a)およ
び右の側縁(1b)が当接する壁面(3a)(3b)に、それ
ぞれ、各永久磁石(12)と対応する電磁石(14)を、各
鉄心の磁路を対向させて組にして、設けてある。
移動方向に沿った扉本体(1)の下方の床面(15)に
は、複数の扉検知センサ(16)群を設け、扉本体(1)
の位置を検出しうるようになっている。
なお、扉本体(1)上端左右に1対に設けられたロー
ラ(17)は、扉本体(1)の全開、および全閉位置にお
いて、磁気浮上手段(A)の磁気浮上作用を停止させた
とき、案内支持杆(2)の上面(2a)に当接して、扉本
体(1)を懸垂支持するものである。また、接触時の懸
垂支持部がローラ(17)となっているのは、停電時に扉
本体(1)を、手動で開閉しうるようにするためであ
る。
次に、扉本体(1)の開閉動作について説明する。
扉本体(1)が、図の左方にあって、通路(13)を閉
じているとき、その通路(13)を開くために、磁気浮上
手段(A)を作動させて、扉本体(1)を磁気浮上させ
るとともに、電動アクチュエータ(8)を作動して、案
内支持杆(2)を、扉本体(1)の開く方が下がるよう
に傾斜させる(図示では右下がり)。
この際、扉閉側の壁面(3a)の電磁石(14)には、永
久磁石(12)が、電磁石(14)の鉄心から離れる程度の
弱いの反発方向の磁界を発生する電流を流しておく。
扉本体(1)の磁気浮上が完了し、かつ案内支持杆
(2)が傾斜されると、扉本体(1)は、開方向に滑降
する。
扉本体(1)は、案内支持杆(2)の傾動だけでも自
走開閉が可能であるが、傾斜角度が小さいと、動き初め
の速度が小さく、開閉動作の速やかな反応が得られな
い。
そこで、磁気浮上を完了させ、かつ案内支持杆(2)
を傾斜させた時点で、電磁石(14)の発生する磁界が、
永久磁石(12)に対して強く反発するように、電磁石
(14)に急激に電流を増加し、壁面(3a)に対して固定
された電磁石(14)に対して扉本体(1)を反発させ
て、扉本体(1)に、慣性走行、及び斜面滑降の初速度
を与える。
扉本体(1)の移動位置や速度は、複数の扉検知セン
サ(16)群によって検出され、扉本体(1)が開側の壁
面(3b)に接近すると、案内支持杆(2)の傾斜を逆向
きにして、扉本体(1)の速度を制動して、静かに停止
させる。
この停止に際して、壁面(3b)の電磁石(14)に、永
久磁石(12)に対して反発する磁界を発生させる電流を
流して、壁面(3b)に突進してくる扉本体(1)の速度
を、制動させることもできる。
さらに、扉本体(1)の停止時の制動は、扉本体
(1)が壁面(3b)に近付いたとき、それを扉検知セン
サ(16)群で検出し、この扉検知センサ(16)の検出位
置に応じて電動アクチュエータ(8)を作動させ、案内
支持杆(2)の電動アクチュエータ(8)側の端部
(7)を、水平位置より高くし、案内支持杆(2)の傾
斜角度を逆に傾斜させることにより行なう。
扉本体(1)の自走力の制動には、案内支持杆(2)
の逆傾斜と、電磁石(14)の反発力作用の両方を、同時
に行なってもよい。
[効果] 扉本体(1)は、磁気浮上した状態で、案内支持杆
(2)に沿って左右に移動するので、振動音や擦過音等
の騒音を発生しない。
扉本体(1)を自走させるのに要する機械的擦過部
は、水平軸(6)やナット(9)等の極く一部分である
ため、発塵や擦過音の発生が少なく、かつシールドの容
易な部分でもあり、簡単な防塵や防音処理を施こすこと
ができる。
扉本体(1)の自走には、外力が加わらないので、人
や物が扉本体(1)と壁面(3)の間に挟まれても、危
険性は少ない。
停電などの無電源時には、容易に通常のローラ式懸垂
引き戸として、手動で簡単に開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
図は、本発明の一実施例を示す斜視図である。 (1)扉本体、(2)案内支持杆 (3)壁、(3a)(3b)壁面 (2a)上面、(2b)下面 (4)一端、(5)軸受 (6)水平軸、(7)他端 (8)電動アクチュエータ、(8a)基部 (8b)送りねじ、(9)ナット (10)電磁石、(11)ギャップセンサ (12)永久磁石、(3)通路 (14)電磁石、(15)床面 (16)扉検知センサ、(17)ローラ (A)磁気浮上手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E05F 15/18 H02K 41/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性材料からなる案内支持部材に、扉本体
    の上部に設けた磁気浮上手段を電磁的に連係し、扉本体
    を案内支持部材から浮上させて、左右方向に無接触で移
    動させるようにした磁気浮上式引き戸装置において、 案内支持部材の一端を、水平軸線回りに回動自在に枢支
    するとともに、同じく他端を、電動アクチュエータをも
    って上下に移動自在に支持し、この電動アクチュエータ
    で案内支持部材の傾斜角度を変化することにより、扉本
    体を案内部材に沿って自走させて、引き戸の開閉を行わ
    せるようにしたことを特徴とする磁気浮上式引き戸の開
    閉装置。
  2. 【請求項2】磁性材料からなる案内支持部材に、扉本体
    の上部に設けた磁気浮上手段を電磁的に連係し、扉本体
    を案内支持部材から浮上させて、左右方向に無接触で移
    動させるようにした磁気浮上式引き戸装置において、 扉本体の開閉移動方向の両側縁と、扉本体の開閉時に両
    側縁がそれぞれに当接する対応壁面との間に、永久磁石
    と電磁石の組からなる電磁反発手段を設け、この電磁反
    発手段の電磁反発力を制御することにより、扉本体が案
    内支持部材に沿って自走する速度を加減速して、引き戸
    の開閉を行わせるようにしたことを特徴とする磁気浮上
    式引き戸の開閉装置。
  3. 【請求項3】磁性材料からなる案内支持部材に、扉本体
    の上部に設けた磁気浮上手段を電磁的に連係し、扉本体
    を案内支持部材から浮上させて、左右方向に無接触で移
    動させるようにした磁気浮上式引き戸装置において、 案内支持部材の一端を、水平軸線回りに回動自在に枢支
    するとともに、同じく他端を、電動アクチュエータをも
    って上下に移動自在に支持し、扉本体の開閉移動方向の
    両側縁と、扉本体の開閉時に両側縁がそれぞれに当接す
    る対応壁面との間に、永久磁石と電磁石の組からなる電
    磁反発手段を設け、前記電動アクチュエータで案内支持
    部材の傾斜角度を変化させ、かつ前記電磁反発手段の電
    磁反発力を制御することにより、扉本体が案内支持部材
    に沿って自走する速度を加減速して、引き戸の開閉を行
    わせるようにしたことを特徴とする磁気浮上式引き戸の
    開閉装置。
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