JP2881520B2 - 地中掘削機用偏位計測装置および偏位計測方法 - Google Patents

地中掘削機用偏位計測装置および偏位計測方法

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JP2881520B2
JP2881520B2 JP3241261A JP24126191A JP2881520B2 JP 2881520 B2 JP2881520 B2 JP 2881520B2 JP 3241261 A JP3241261 A JP 3241261A JP 24126191 A JP24126191 A JP 24126191A JP 2881520 B2 JP2881520 B2 JP 2881520B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地下タンク、地下構造
物等の大深度連続地中壁を構築するのに適用される地中
掘削機用偏位計測装置および偏位計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地下タンク、地下構造物等の大深
度連続地中壁を構築する場合には、構築する範囲にレー
ルを敷設し、レール上に移動式の櫓を配設し、櫓の上部
からワイヤーにより掘削機を吊り下げ地中を掘削してい
る。この場合、掘削方向を鉛直に維持、管理することが
重要であり、そのために、櫓上部にワイヤーの偏位を計
測する傾斜計を取り付け、傾斜計の計測値により掘削方
向がずれた場合には、掘削機に設けた修正板を作動させ
て掘削方向を修正していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
櫓の代わりにキャタピラで移動可能なクローラクレーン
等の移動式クレーンを用いて掘削する方式が、優れた機
動性能、工期の面から採用されてきており、この場合、
傾斜計の取り付け方法に種々の問題を生じている。すな
わち、櫓に傾斜計を取り付ける方式においては、櫓の剛
性が高いために傾斜計の位置の変動がないが、クレーン
のブームは、揺れが激しいため傾斜計を取り付けること
ができず、そのため、掘削機の偏位を計測する専用のワ
イヤーを設け、このワイヤーの偏位を計測する傾斜計を
地上に設置することが考えられるが、掘削機は、ビット
の交換、泥水吸上用配管の接続のために頻繁に地上に上
げなければならないため、掘削機と傾斜計が干渉してし
まうという問題を有している。傾斜計の取り付け位置を
高くすればこの問題は解決するが、風の影響を受け易い
という問題を生じる。
【0004】本発明は、上記問題を解決するものであっ
て、クレーンを用いて地中を掘削する方式において、掘
削機と干渉することなく掘削機の偏位を計測することが
できる地中掘削機用偏位計測装置および偏位計測方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の地中掘削機用偏位計測装置は、クレーンに
より吊り下げられる掘削機1と、掘削機1の深度を計測
する深度計23と、掘削機1に着脱自在に取り付けられ
る滑車5と、掘削機1に配置される本体傾斜計7と、地
上部8において掘削穴9に対向して配設される2台の上
部傾斜計用架台10と、上部傾斜計用架台10に配設さ
れX、Y方向に移動可能に構成されるスライドベース1
6と、スライドベース16の一端に取り付けられる上部
傾斜計19と、上部傾斜計19を前記滑車5を介して連
結される測定用ワイヤー20とを備え、本体傾斜計7、
上部傾斜計19および深度計23の値に基づいて掘削機
1の偏位を演算することを特徴とする。
【0006】また、本発明の地中掘削機用偏位計測方法
は、前記装置を使用するに際し、上部傾斜計19を掘削
機1と干渉しない位置でスライドベース16の座標原点
を設定し、スライドベース16を移動させて測定用ワイ
ヤー20を掘削機1に取り付け、測定用ワイヤー20が
鉛直になった時点でスライドベース16の初期座標を設
定し、掘削機1の巻き上げ、巻き下げ時にスライドベー
ス16を移動させ測定用ワイヤー20を掘削機1から取
り外した場合には、前記座標原点および初期座標に戻す
ようにスライドベース16を移動させて測定用ワイヤー
20を掘削機1に取り付けることを特徴とする。なお、
上記構成に付加した番号は、理解を容易にするために図
面と対比させるためのもので、これにより本発明の構成
が何等限定されるものではない。
【0007】
【作用】本発明においては、例えば図5に示すように、
左右の上部傾斜計用架台10およびスライドベース16
を掘削機1と上部傾斜計19が干渉しない位置に固定
し、左右のスライドベース16のXY座標における原点
を設定し(図A、B)、掘削機1を巻き下げ(図C)、
左右のスライドベース16を移動させ、上部傾斜計19
を掘削機1に近づけ、掘削機1の上端部に滑車5を取り
付け測定用ワイヤー20を連結し(図D)、左右のスラ
イドベース16を移動させ、上部傾斜計19が鉛直にな
った時点で、左右のスライドベース16の初期座標とし
(図E)、掘削を開始する。掘削中は掘削機1の偏位量
を計測し、この偏位量に基づいて修正板4(図1)を駆
動させ、掘削機1の掘削方向を修正する。所定深さ掘削
後、掘削機1を巻き上げ、掘削機1が上部傾斜計19に
接近した位置で巻き上げを停止し、滑車5および測定用
ワイヤー20を取り外した(図F)後、左右のスライド
ベース16を移動させ上部傾斜計19を退避させ(図
C)、次回の巻き下げ時には、前記座標原点および初期
座標に戻すようにスライドベース16を移動させて測定
用ワイヤー20を掘削機1に取り付ける。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は、本発明の地中掘削機用偏位計測装置の
1実施例を示す構成図、図2は上部傾斜計用架台を示
し、図Aは側面図、図Bは平面図である。
【0009】掘削機1は、4本の支持ワイヤー2を介し
て図示しないクレーンに吊り下げられている。掘削機1
の下部には、掘削用カッター3が設けられ、側面には複
数の修正板4が取り付けられ、修正板4を油圧シリンダ
により伸縮させることにより、掘削機1の掘削方向を修
正可能にしている。掘削機1の上部には、滑車5が着脱
自在に取り付けられると共に、泥水吸上用配管6が接続
される。掘削機1の内部には本体傾斜計7が配置され
る。地上部8には、掘削穴9に対向して2台の上部傾斜
計用架台10が配設される。この上部傾斜計用架台10
は、掘削すべき地中壁に沿ってクレーンとは独立にレー
ル上を走行可能に設けられる。
【0010】図2に詳細に示すように、上部傾斜計用架
台10は、車輪11を備える架台12と、架台12上に
立設される支柱13と、架台12上に配設され、電動モ
ータ14により駆動される巻取ドラム15と、支柱13
の上部に設けられX、Y方向に移動可能に構成されるス
ライドベース16と、スライドベース16をそれぞれ
X、Y方向に移動させるサーボモータ17、18と、ス
ライドベース16の一端にジンバル機構により傾斜可能
に取り付けられる上部傾斜計19とからなる。そして、
上部傾斜計19の下端には測定用ワイヤー20が固定さ
れ、測定用ワイヤー20は、掘削機1側の滑車5、スラ
イドベース16側のガイドローラ21、22を介して巻
取ドラム15に巻かれている。測定用ワイヤー20は、
巻取ドラム15により一定の張力がかけられ測定誤差を
小さくするようにしている。
【0011】図3は本発明に係わる演算処理装置の構成
図を示し、2つの上部傾斜計19、本体傾斜計7および
深度計23の計測信号は、CPU24に入力されここで
掘削機1の偏位が演算処理され、その結果がCRT画面
25およびプリンタ26に出力される。上部傾斜計19
および本体傾斜計7は、鉛直方向に対してX方向および
Y方向の傾斜角度の信号を出力している。そして、CR
T画面25に表示される掘削機1の偏位量に基づいて修
正板4を作動させる油圧シリンダを駆動させる。なお、
この油圧シリンダの駆動を自動制御するようにすること
も可能である。図4は本発明の偏位計測方法を説明する
ための図である。掘削機1の本体傾斜計7の深度をD、
図1で左側の上部傾斜計19のY方向の傾斜角度をθy
L 、本体傾斜計7のY方向の傾斜角度をΘy、掘削機1
の高さをH、掘削機1の先端部Gと鉛直方向とのY方向
の偏位量をYL とすると、 偏位量YL =DsinθyL +HsinΘy を求めることができる。同様にして、左側の上部傾斜計
19のX方向の偏位量、右側の上部傾斜計19のX方
向、Y方向の偏位量を求めることができる。
【0012】図5は本発明に係わる掘削工程を説明する
ための図で次の順序で行う。 先ず、図Aに示すように、左右の上部傾斜計用架台
10およびスライドベース16を掘削機1と上部傾斜計
19が干渉しない位置に固定し、図Bに示すように、左
右のスライドベース16のXY座標における原点L(x
L0,yL0)、R(xR0,yR0)を設定する。 図Cに示すように、掘削機1を巻き下げる。 図Dに示すように、左右のスライドベース16を移
動させ、上部傾斜計19を掘削機1に近づけ、掘削機1
の上端部に滑車5を取り付け測定用ワイヤー20(図
1)を連結する。 掘削機1を巻き下げ、個別手動操作で左右のスライ
ドベース16を移動させ、上部傾斜計19が鉛直になっ
た時点で、図Eに示すように、左右のスライドベース1
6の初期座標L(xL1,yL1)、R(xR1,yR1)とす
る。 掘削を開始する。掘削中は掘削機1の偏位量を計測
し、この偏位量に基づいて修正板4(図1)を駆動さ
せ、掘削機1の掘削方向を修正する。所定深さ掘削後、
掘削機1を巻き上げる。 図Fに示すように、掘削機1が上部傾斜計19に接
近した位置で巻き上げを停止し、滑車5および測定用ワ
イヤー20(図1)を取り外した後、図Cに示すよう
に、左右のスライドベース16を移動させ上部傾斜計1
9を退避させる。図Aに示すように、掘削機1を巻き
上げビットの交換、泥水吸上用配管の接続等の作業を行
う。 一括自動操作でスライドベース16を図Bに示すよ
うに、原点L(xL0,yL0)、R(xR0,yR0)に戻し
た後、掘削機1を巻き下げ、図Eに示すように、左右の
スライドベース16を初期座標L(xL1,yL1)、R
(xR1,yR1)に戻す。以下上記工程〜を繰り返
す。
【0013】図6はCRT画面25における表示例を示
し、掘削機1の左右x、y方向の偏位量が、偏位量表示
部27において棒グラフで表示され、また、掘削機1の
掘削方向の修正履歴が履歴表示部28において折線グラ
フで表示される。
【0014】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、上部傾斜計を掘削機と干渉しない位置でスライ
ドベースの座標原点を設定し、前記スライドベースを移
動させて測定用ワイヤーを掘削機に取り付け、測定用ワ
イヤーが鉛直になった時点で前記スライドベースの初期
座標を設定し、掘削機の巻き上げ、巻き下げ時にスライ
ドベースを移動させ測定用ワイヤーを掘削機から取り外
した場合には、前記座標原点および初期座標に戻すよう
にスライドベースを移動させて測定用ワイヤーを掘削機
に取り付ける方法のため、クレーンを用いて地中を掘削
する方式において、掘削機と干渉することなく掘削機の
偏位を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地中掘削機用偏位計測装置の1実施例
を示す構成図
【図2】図1の上部傾斜計用架台を示し、図Aは側面
図、図Bは平面図
【図3】本発明に係わる演算処理装置の構成図
【図4】本発明の偏位計測方法を説明するための図
【図5】本発明の掘削工程を説明するための図
【図6】CRT画面における表示例を示す図
【符号の説明】
1…掘削機、5…滑車、7…本体傾斜計、8…地上部、
9…掘削穴 10…上部傾斜計用架台、16…スライドベース、19
…上部傾斜計 20…測定用ワイヤー、23…深度計
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02F 5/02 E21B 47/02 E21B 47/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クレーンにより吊り下げられる掘削機と、
    該掘削機の深度を計測する深度計と、前記掘削機に着脱
    自在に取り付けられる滑車と、前記掘削機に配置される
    本体傾斜計と、地上部において掘削穴に対向して配設さ
    れる2台の上部傾斜計用架台と、該上部傾斜計用架台に
    配設されX、Y方向に移動可能に構成されるスライドベ
    ースと、該スライドベースの一端に取り付けられる上部
    傾斜計と、該上部傾斜計を前記滑車を介して連結される
    測定用ワイヤーとを備え、前記本体傾斜計、上部傾斜計
    および深度計の値に基づいて掘削機の偏位を演算するこ
    とを特徴とする地中掘削機用偏位計測装置。
  2. 【請求項2】クレーンにより吊り下げられる掘削機と、
    該掘削機の深度を計測する深度計と、前記掘削機に着脱
    自在に取り付けられる滑車と、前記掘削機に配置される
    本体傾斜計と、地上部において掘削穴に対向して配設さ
    れる2台の上部傾斜計用架台と、該上部傾斜計用架台に
    配設されX、Y方向に移動可能に構成されるスライドベ
    ースと、該スライドベースの一端に取り付けられる上部
    傾斜計と、該上部傾斜計を前記滑車を介して連結される
    測定用ワイヤーとを備え、前記本体傾斜計、上部傾斜計
    および深度計の値に基づいて掘削機の偏位を演算する地
    中掘削機用偏位計測装置を使用するに際し、前記上部傾
    斜計を掘削機と干渉しない位置で前記スライドベースの
    座標原点を設定し、前記スライドベースを移動させて測
    定用ワイヤーを掘削機に取り付け、測定用ワイヤーが鉛
    直になった時点で前記スライドベースの初期座標を設定
    し、掘削機の巻き上げ、巻き下げ時にスライドベースを
    移動させ測定用ワイヤーを掘削機から取り外した場合に
    は、前記座標原点および初期座標に戻すようにスライド
    ベースを移動させて測定用ワイヤーを掘削機に取り付け
    ることを特徴とする地中掘削機用偏位計測方法。
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