JP2880772B2 - 桂皮酸エステル類の製造法 - Google Patents

桂皮酸エステル類の製造法

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 桂皮酸エステル類は、香料またはその原料として広く
用いられており、また農薬や感光性樹脂あるいはアミノ
酸であるフェニルアラニン類などの原料としても重要な
化合物である。
本発明は、スチレン類、一酸化炭素、アルコールおよ
び酸素を触媒の存在下に反応させて対応する桂皮酸エス
テル類を製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、桂皮酸はベンズアルデヒドと酢酸の誘導体を主
原料とする方法で生産されている。しかしながらこの方
法は高価な原料を使用するので製品も高価となり工業的
には好まし方法ではない。
より安価な原料を用いる方法として、スチレン類、一
酸化炭素、アルコールおよび酸素を反応させて桂皮酸エ
ステル類を製造しようとする方法があり、この反応のた
めの触媒系が種々提案されている。例えば、特開昭56−
15242号公報、特開昭57−21343、特開昭61−21730公
報、特開昭61−87643公報および特開昭62−29552公報な
どである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、スチレン類、一酸化炭素、アルコー
ルおよび酸素を原料とする桂皮酸エステル類の有利な工
業的製造法を提供すると、具体的には高い触媒活性を発
現させ、高い反応成績で桂皮酸エステル類を製造する方
法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を続け
てきたところ、スチレン類、一酸化炭素、アルコールお
よび酸素を、触媒としてパラジウム金属またはその化
合物および組成式 [MnCu2Cl2(OAc)(式中、OAcは酢酸根を、nは
正の整数を表わす)の錯体化合物またはその水和物の存
在下に、反応させると高い触媒活性で高い反応成績で対
応する桂皮酸エステル類が製造できることを見出し本発
明を完成した。
すなわち本発明は、触媒としてパラジウム金属また
はその化合物および組成式 [MnCu2Cl2(OAc)(式中、OAcは酢酸根を、nは
正の整数を表わす)の錯体化合物またはその水和物の存
在下に、スチレン類、一酸化炭素、アルコールおよび酸
素を反応させることを特徴とする対応する桂皮酸エステ
ル類の製造法である。好ましくは、触媒として、さらに
酢酸銅および/または酢酸マンガンの存在下に反応させ
ることを特徴とする対応する桂皮酸エステル類の製造法
である。
本発明の方法で使用されるスチレン類としては、スチ
レン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、α−
エチルスチレン、β−エチルスチレン、o−メチルスチ
レン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−
エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−ターシャリ
ーブチルスチレン、またはp−イソプロピル−β−メチ
ルスチレン等のスチレンのアルキル誘導体;あるいはp
−クロロスチレン、p−メトキシスチレンまたは、3,4
−ジメトキシスチレン等の反応を阻害しない置換基を芳
香環に有するスチレンの誘導体などが挙げられる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、ペンタノール、オクタノール、
シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどの脂肪族
アルコールであり、それらはハロゲンやアルコキシ基等
の反応を阻害しない置換基を有していてもよい。これら
のアルコールの使用量は、スチレン類1モルに対して0.
5〜100モルであり、反応原料としてのみならず溶媒とし
て使用してもよい。
本発明の方法による反応では、原料のアルコールを実
質的に溶媒とすることができるが、反応を阻害しないも
のであれば他の溶媒を使用することもできる。
本発明の方法で使用される触媒の第1成分であるパラ
ジウム金属またはその化合物としては、例えばパラジウ
ム黒;パラジウム金属を活性炭、シリカゲル、アルミ
ナ、シリカアルミナ、マグネシア、ゼオライトまたはモ
レキュラーシーブスなどの担体に担持させたもの;パラ
ジウムのジベンジリデンアセトン錯体またはテトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような0価の
パラジウムの錯体;塩化パラジウム、硝酸パラジウムの
ようなパラジウムの無機酸塩;酢酸パラジウムまたは安
息香酸パラジウムなどのパラジウムの有機酸塩;もしく
はビス(アセチルアセトナート)パラジウム、シクロオ
クタジエンジクロロパラジウム、塩化パラジウムベンゾ
ニトリル錯体、塩化パラジウムピリジン錯体または塩化
パラジウムアンミン錯体などの2価のパラジウムの錯体
などが挙げられる。これらのパラジウム金属またはその
化合物は単独でもあるいは2種以上を混合して用いても
よい。
これらのパラジウム金属またはその化合物の使用量は
通常、パラジウム金属原子として原料のスチレン類1モ
ルに対して0.1グラム原子以下であり、好ましくは5×1
0-6ないし1×10-2グラム原子の範囲である。
本発明の方法における触媒の第2成分である組成式
[MnCu2Cl2(OAc)(式中、OAcは酢酸根を、nは
正の整数を表わす)の錯体化合物またはその水和物(以
降該錯体化合物と略称する。)は、マンガン、銅、塩素
および酢酸根を含む無水または含水の化合物の組合せを
有効な方法で接触させることで容易に得られ、その合成
法はとくに限定されるものではないが、とりわけ酢酸マ
ンガン、酢酸銅および塩素化合物を接触させることが好
ましい。例えば、上記組成の結晶として得たい場合に
は、酢酸マンガン、酢酸銅および塩素化合物を酢酸また
は含水酢酸中で加熱し、冷却および/または濃縮し結晶
を析出させて得ることができる。またこの該錯体化合物
を一部含む混合物の場合には、酢酸マンガン、酢酸銅
および塩素化合物を乳鉢などで擦り合わせ、必要なら乾
燥させる、酢酸マンガン、酢酸銅および塩素化合物を
適宜な溶媒中で必要なら酸化剤の存在下に加熱し濃縮乾
固する、触媒としてパラジウム金属またはその化合
物、酢酸マンガン、酢酸銅および塩素化合物もしくはパ
ラジウム金属またはその化合物および該錯体化合物の存
在下に、スチレン類、一酸化炭素、アルコールおよび酸
素を反応させて桂皮酸エステル類を製造した反応液から
分離された触媒成分を酸化剤の存在下に酢酸または含水
酢酸中で再生処理した後、濃縮乾固する、などの方法が
ある。またこの該錯体化合物を含む溶液が欲しい場合に
は、上記およびの方法で濃縮乾固を行なわずに溶液
としても良い。本発明にいう酢酸銅としては、酢酸第一
銅、酢酸第二銅、オキシ酢酸銅(II)およびそれらの水
和物などであり、また酢酸マンガンとしては、酢酸第一
マンガン、酢酸第二マンガンおよびそれらの水和物など
が挙げられる。同じく塩素化合物としては、塩素、塩化
水素およびそれらの溶液;三塩化燐、五塩化燐および塩
化ホスホリルなどの塩化燐またはオキシ塩化燐、塩化チ
オニルなどのオキシ塩化硫黄および四塩化テルルなどの
テルルの塩化物などの非金属元素の塩化物;塩化リチウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム
および塩化バリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ
土類金属の塩化物;塩化チタン、塩化ジルコニウム、オ
キシ三塩化バナジウム、塩化モリブデン、塩化マンガ
ン、塩化鉄、塩化銅および塩化亜鉛などの遷移金属のそ
の価数に応じた塩化物またはオキシ塩化物;塩化錫、塩
化アンチモンおよび塩化ビスマスなどの後遷移金属の塩
化物が挙げられ、さらにはホスゲンおよびクロロ蟻酸メ
チルなどの塩素原子を含む炭酸誘導体、塩化アセチルお
よび塩化ベンゾイルなどの酸塩化物もしくはターシャリ
ーブチルクロリドおよびクミルクロリドなどの3級塩素
化物などの塩素イオンを発生し易い有機塩素化合物など
が挙げられる。
該錯体化合物を反応に供するには、上述のようにして
得られた該錯体化合物またはそれを含有する混合物をそ
のまま、もしくは原料のアルコールまたは反応溶媒の溶
液にして用いてもよい。該錯体化合物の使用量は、通
常、含まれるマンガン原子として反応混合液の1あた
り0.0002ないし2グラム原子であり、好ましくは0.002
ないし0.2グラム原子であり、より好ましくは0.005ない
し0.1グラム原子である。
本発明の方法においては、触媒として、さらに酢酸銅
および/または酢酸マンガンの存在下に反応させると、
触媒の活性および反応成績が向上するので好ましい。こ
れらの化合物の使用量は、通常反応混合液1あたり0.
0008ないし4モルであり、好ましくは0.004ないし2モ
ルであり、より好ましくは0.002ないし1モルである。
本発明の方法における反応においては、触媒活性ある
いは反応成績を高めるためやその他の目的のために更に
種々の化合物を使用しても差し支えない。
本発明の方法における反応での気体の原料は、一酸化
炭素および酸素である。酸素源としては空気を用いるこ
ともできる。また反応系に二酸化炭素を存在させること
は、反応成績および触媒活性を高めるので好ましい。爆
発範囲を避けるためこれらの気体を、窒素またはアルゴ
ンなどの不活性気体で希釈して用いることもできる。一
酸化炭素、酸素および使用する場合の二酸化炭素もしく
は不活性気体は、必要量を反応器に一括して仕込んでも
良いし、必要な気体を連続的または間歇的に追加する方
法、もしくはそれらの混合気体を連続的または間歇的に
流通させる方法でも良い。これらのうち追加する方法や
流通させる方法はより好ましい方法である。反応に供す
る原料混合気体は常時それぞれ新規の気体から調製され
たものでもよいが、一度反応に使用し反応系外に排出さ
れた気体または残ガスを必要に応じた成分の調整を行っ
て反応に供しそれを繰返すこともできる。
本発明の方法における反応での一酸化炭素の分圧は好
ましくは50気圧(絶対圧、以下同様)以下であり、より
好ましくは0.005ないし40気圧の範囲である。酸素の分
圧は好ましくは50気圧以下であり、より好ましくは0.00
2ないし30気圧の範囲である。
本発明の方法は、反応形式としては、回分式または連
続流通式のいずれでも構わない。
本発明の方法における反応の全圧は、通常500気圧以
下であり、好ましくは1ないし300気圧である。反応温
度は、好ましくは室温ないし200℃、より好ましくは40
ないし160℃である。反応時間、好ましくは0.05ないし1
0時間である。
本発明の方法により反応させて得られた反応液からは
蒸留などの通常の方法で桂皮酸エステル類を分離して取
り出すことができる。
〔作用および発明の効果〕
本発明の方法によれば、スチレン類、一酸化炭素、ア
ルコールおよび酸素を、触媒としてパラジウム金属また
はその化合物および組成式[MnCu2Cl2(OAc)
錯体化合物またはその水和物の存在下に反応させること
により、触媒の高い活性を発現させ高い反応成績で桂皮
酸エステル類を得ることができ、工業的に有利な桂皮酸
エステル類の製造方法とすることができる。
〔実施例〕
実施例 1 無水酢酸第二銅18.0g(99.1mmol)および塩化リチウ
ム11.0g(259.5mmol)を酢酸300mlに溶解し、70℃に加
熱した。これに酢酸第一マンガン・4水塩58.0g(236.6
mmol)および塩化リチウム12.5グラム(294.9mmol)を
酢酸350mlに溶解した溶液と水17.3gを加え、70℃で2時
間撹拌を続けた。この後室温で一夜放置した。緑色の結
晶が析出しており、これを濾過しアセトンで洗浄し、減
圧下50℃で充分乾燥した。得られた結晶は26.71gであっ
た。元素分析では、Cu 22.71%、Mn 9.74%、Cu 12.65
%、C 17.09%、およびH 3.60%であり、また酢酸根の
分析ではCH3COOが42.50%であった。また熱天秤分析か
ら13.0%の水が含まれることが分かった。X線パウダー
パターン分析および遠赤外スペクトル(150〜500cm-1
の分析からは、このものは、塩化銅、酢酸銅、塩化マン
ガンまたは酢酸マンガンのいずれでもなく、またこれら
の混合物とも異なる錯体であることが確認できた。従っ
てこの錯体化合物は、[MnCu2Cl2(OAc)・4nH2O
の組成の錯体(以降該錯体と略称する)である。銅を基
準とした収率は96%であった、図1にリガク社製RINT−
1500でCu−Kのα線を用いて得られたX線パウダーパタ
ーン分析スペクトルを、図2に日本電子社製JIR−100で
ヌジョールを用いて得られた遠赤外線スペクトルを示
す。
ガラス製円筒容器に触媒としての塩化パラジウム28.4
mg(0.16mmol)および上記の該錯体5.52グラム(9.84mm
ol)、そしてスチレン166.65g(1600mmol)およびメタ
ノール256.3gをとり、この容器を1のオートクレーブ
内に挿入した。オートクレーブの撹拌翼は弗素樹脂製で
あり、温度測定管もガラスで保護してある。全圧を8.5
気圧に保ちながら、一酸化炭素:酸素:二酸化炭素の分
圧比が9.1:7.0:83.9の原料混合気体を、入口流量が2.74
/分(標準状態)となるよう反応混合液中に通じなが
ら撹拌を続け、100℃で6時間反応させた。この間、出
口ガスは還流冷却器を通して排出した。
反応終了後、冷却しオートクレーブを開放し、反応液
を、高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、ス
チレンが441.6mmol、桂皮酸メチルが857.6mmol含まれて
いた。スチレンの転化率は72.4%、桂皮酸メチルの収率
(仕込んだスチレンに対する収率、以降同様)は53.6%
であった。
比較例 1 実施例1の後半の桂皮酸エステル合成反応において触
媒の第2成分である該錯体を使用しなかったこと以外は
全く同様に反応させた。桂皮酸メチルは定量するほどに
は生成しなかった。
実施例 2 実施例1の後半の桂皮酸エステル合成反応において、
触媒成分としてさらに酢酸第一マンガン・4水塩9.36g
(38.2mmol)を用いた以外は全く同様にして反応させ
た。スチレンの転化率は82.7%で、桂皮酸メチルの収率
は63.7%であった。
実施例 3 実施例1の後半の桂皮酸エステル合成反応において、
触媒成分としてさらに酢酸第二銅・1水塩4.05g(20.3m
mol)を使用した以外は全く同様に反応させた。スチレ
ンの転化率は84.3%であり、桂皮酸メチルの収率は65.0
%であった。
実施例 4 実施例1の後半の桂皮酸エステル合成反応において、
触媒成分としてさらに酢酸第一マンガン・4水塩9.36g
(38.2mmol)および酢酸第二銅・1水塩4.05(20.3mmo
l)を使用した以外は全く同様に反応させた。スチレン
の転化率は98.6%であり、桂皮酸メチルの収率は84.1%
であった。
実施例 5 酢酸第一マンガン・4水塩11.76g(48.0mmol)および
酢酸第二銅・1水塩7.99g(40.0mmol)を60重量%酢酸
水溶液230.9gに溶解し、これに2.5規定の塩酸8mlを加え
て、空気中、95℃で3時間撹拌を続けた。その後減圧で
濃縮乾固し減圧下50℃で充分乾燥し緑色の固体を得た。
極少量を取りX線パウダーパターン分析を行なうと該錯
体の生成が認められた。
実施例1の後半の桂皮酸エステル合成反応において、
塩化パラジウムの代わりに酢酸パラジウム143.5mg(0.6
4mmol)および該錯体の代わりに上記の緑色固体すべて
を使用した以外は全く同様に反応させた。スチレンの転
化率は99.2%であり、桂皮酸メチルの収率は85.4%であ
った。
実施例 6 酢酸パラジウム143.5mg(0.64mmol)、塩化アセチル
1.57g(20.0mmol)、酢酸第一マンガン・4水塩11.76g
(48.0mmol)および酢酸第二銅・1水塩7.99g(40.0mmo
l)を60%酢酸水溶液230.9gに加えたのち、空気中95℃
で3時間撹拌を続けた。その後減圧で濃縮乾固し減圧下
50℃で充分乾燥し、緑色の固体を得た。X線パウダーパ
ターン分析は該錯体の生成を示した。
実施例1の後半の桂皮酸エステル合成反応において、
塩化パラジウムおよび該錯体の代わりに、上記の該錯体
を含有する固体のすべてを使用した以外は全く同様に反
応させた。スチレンの転化率は99.0%であり、桂皮酸メ
チルの収率は83.8%であった。
実施例 7〜9 表1に示す種類の化合物とその量を用いた以外は、実
施例6の前半の該錯体含有固体の合成と全く同様にして
該錯体含有固体を作り、実施例1の後半の桂皮酸エステ
ル合成反応における塩化パラジウムおよび該錯体の代わ
りにそれらの該錯体含有固体を使用した以外は全く同様
に反応させた。結果を実施例6とともに表1に示す。
実施例 10 実施例4と全く同様に反応させたあと、そのままの状
態で原料混合気体を止め、代わりに一酸化炭素:二酸化
炭素の分圧比9.8:90.2の混合気体を入口流量2.54/分
(標準状態)で1時間流した。冷却後オートクレーブを
開放し、反応液を分析したところ、スチレンの転化率9
8.8%であり、桂皮酸メチルの収率は84.9%であった。
反応液をフラスコに移しロータリーエバポレーターで濃
縮し、ほとんどのメタノールを除いた濃縮液を熱時に減
圧濾過し次いでトルエンで洗浄したのち、減圧で乾燥し
て固体の触媒成分を回収した。この回収触媒成分は、極
めて低い活性した持たないことが分かっている。
この固体に60重量%酢酸水溶液144gを加え、液中に0.
5/分の流量で空気を吹込みながら95℃で3時間撹拌
を続け、触媒の再生処理をした。処理液を濾過し、濾液
を80℃で約30mmHgの圧力下で濃縮乾固した。16.1gの緑
色固体の再生触媒が得られた。X線パウダーパターン分
析は該錯体を含むことを示した。元素分析では、最初の
反応に仕込んだそれぞれの量に対し、パラジウムが91.2
%、マンガンが98.4%、銅が94.0%および塩素が98.5%
の回収率を示した。
反応の触媒としこの再生触媒を用い、パラジウムおよ
び塩素の不足分はそれぞれ塩化パラジウムおよび該錯体
で補い、未だ不足するマンガンおよび銅はそれぞれ酢酸
第一マンガン・4水塩および酢酸第二銅・1水塩で補っ
て、それ以外は実施例1の後半の桂皮酸エステル合成反
応と全く同様にして反応させた。スチレンの転化率は9
9.4%、桂皮酸メチルの収率は87.9%であった。
実施例 11 塩化パラジウム28.4mg(0.16mmol)、酢酸第一マンガ
ン・4水塩11.76g(48.0mmol)、酢酸第二銅5.48g(30.
16mmol)および塩化第二銅1.32g(9.84mmol)を秤取
し、めのう乳鉢で充分摺り合わせた。この固体のX線パ
ウダーパターンは該錯体を含有することを示した。
この該錯体含有固体を触媒として用いた以外は実施例
1の後半の桂皮酸エステル合成反応と全く同様にして反
応させた。スチレンの転化率は98.3%、桂皮酸メチルの
収率は84.5%であった。
実施例 12 塩化パラジウム、酢酸第一マンガン・4水塩、酢酸第
二銅・1水塩および塩化第二銅のモル比が順に0.16:48.
00:30.16:9.84となるよう秤取してメタノールに加え、
パラジウムの濃度が2.08×10-5グラム原子/である溶
液を作った。数時間おいた後、1mmのUVセルを用いてこ
の溶液のUV吸収スペクトルを測定した。この溶液のスペ
クトルは、加えた4試薬の比と濃度を合わせたそれぞれ
単品のスペクトルを加算して得られるスペクトルとは異
なっており、化学変化が起こっていることが分かった。
該錯体は酢酸第一マンガン、酢酸第二銅および塩化第二
銅が1:1:1で反応して生成し、その分塩化第二銅は無く
なり酢酸第一マンガンおよび酢酸第二銅は減少する。こ
の時の塩化パラジウム、酢酸第一マンガン、酢酸第二銅
および該錯体のモル比は順に0.16:38.16:20.32:9.84と
なる。このモル比と濃度を合わせた溶液を、各3種の試
薬と実施例1で合成した該錯体から作り、そのUVスペク
トルを測定すると、両溶液のスペクトルは全く一致し
た。
最初の溶液と同様の比率になるように、改めて塩化パ
ラジウム、酢酸第一マンガン・4水塩、酢酸第二銅・1
水塩および塩化第二銅をそれぞれ順に0.16mmol、48.00m
mol、30.16mmol、9.84mmol秤取してメタノール324mlに
加え、充分撹拌した。これにさらにスチレン166.64グラ
ム(1.600mol)を加えた。この時液は約500mlであっ
た。この液を用いた以外は実施例1の後半の桂皮酸エス
テル合成反応と全く同様にして反応させた。スチレンの
転化率は98.0%であり、桂皮酸メチルの収率は85.2%で
あった。
実施例 13 実施例12の後半の桂皮酸エステル合成反応において、
塩化パラジウムの量を0.64mmolとした以外は全く同様に
反応させた。スチレンの転化率は99.7%、桂皮酸メチル
の収率は86.8%であった。
実施例 14 塩化パラジウムの代わりに、酢酸パラジウムを143.5m
g(0.64mmol)用いた以外は実施例13と全く同様に反応
させた。スチレンの転化率は99.3%であり、桂皮酸エス
テルの収率は87.6%であった。
実施例 15 塩化パラジウム、酢酸第一マンガン・4水塩、酢酸第
二銅・1水塩および塩化第一マンガンのモル比が順に0.
16:38.16:40.00:9.84となるよう秤取してメタノールに
加え、パラジウムの濃度が2.08×10-5グラム原子/で
ある溶液を作った。この溶液のUV吸収スペクトルは、塩
化パラジウム、酢酸第一マンガン、酢酸第二銅および該
錯体のモル比が順に0.16:38.16:20.32:9.84となるよう
各3種の試薬と実施例1で合成した該錯体を濃度を合わ
せてメタノールに溶解して作った溶液のスペクトルと全
く一致した。
最初の溶液と同様の比率になるように、改めて塩化パ
ラジウム、酢酸第一マンガン・4水塩、酢酸第二銅・1
水塩および塩化第一マンガンをそれぞれ順に0.16mmol、
38.16mmol、40.0mmol、9.84mmol秤取してメタノール325
mlに加えた。充分撹拌した後、さらにスチレン166.64g
(1600mol)を加えた。この時液は約500mlであった。こ
の液を用いた以外は実施例1の後半の桂皮酸エステル合
成反応と全く同様にして反応させた。スチレンの転化率
は98.3%であり、桂皮酸メチルの収率は85.5%であっ
た。
実施例 16 実施例13と全く同様に反応させたあと、実施例10と同
様の処理をして固体の触媒成分を回収した。この固体中
の元素分析を行い、次の触媒再生処理をする前に、反応
仕込みに対して不足したパラジウムおよび塩素は塩化パ
ラジウムおよび塩化第二銅で補い、未だ不足するマンガ
ンおよび銅は酢酸第一マンガン・4水塩および酢酸第二
銅・1水塩で補った。
この混合物を実施例10と同様の処理をして再生触媒を
得た。X線パウダーパターン分析は該錯体を含むことを
示した。
反応の触媒としてこの再生触媒を用いた以外は実施例
1の後半の桂皮酸エステル合成反応と全く同様にして反
応させた。スチレンの転化率は99.7%で、桂皮酸メチル
の収率は89.8%であった。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明に係わる〔MnCu2Cl2(OAc)・4nH2O
錯体のX線パウダーパターン分析スペクトルであり、縦
軸は単位時間当りのカウント数を表わし、横軸は角度を
表わす。また、図2はその遠赤外線スペクトルであり、
縦軸は透過率を表わし、横軸は波数を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭61−205233(JP,A) 特開 昭61−21730(JP,A) 特開 昭57−70836(JP,A) 特開 昭56−22750(JP,A) 特開 昭63−238040(JP,A) 特開 昭62−240646(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/618 C07C 67/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒としてパラジウム金属またはその化
    合物および組成式[MnCu2Cl2(OAc)(式中、O
    Acは酢酸根を、nは正の整数を表わす。)の錯体化合物
    またはその水和物の存在下に、スチレン類、一酸化炭
    素、アルコールおよび酸素を反応させることを特徴とす
    る対応する桂皮酸エステル類の製造法。
  2. 【請求項2】触媒として、さらに酢酸銅および/または
    酢酸マンガンの存在下に反応させることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の方法。
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