JP2880214B2 - 加工機のパレット搬出入装置 - Google Patents

加工機のパレット搬出入装置

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JP2880214B2 JP33104189A JP33104189A JP2880214B2 JP 2880214 B2 JP2880214 B2 JP 2880214B2 JP 33104189 A JP33104189 A JP 33104189A JP 33104189 A JP33104189 A JP 33104189A JP 2880214 B2 JP2880214 B2 JP 2880214B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は,工作物を設置したパレットを加工機の加
工部位へ搬出入するための加工機のパレット搬出入装置
に関する。
〔従来の技術〕
一般に,ワイヤ放電加工機は,ワイヤ電極の垂直方向
に走行する部分を使用し,工作物とワイヤ電極との間で
放電を発生させて放電エネルギーによって工作物を加工
する。ワイヤ電極は,自動ワイヤ供給装置におけるテン
ションローラ,ブレーキローラ等の各種ローラに案内さ
れ且つ適宜のテンションを加えられてワイヤガイドを持
つワイヤヘッドに供給される。一方,工作物を取り付け
たX−Yテーブルは,NC装置からの指令で工作物の加工
状況に従ってX方向及びY方向に移動し,両者の移動が
合成され,ワイヤヘッドに供給されたワイヤ電極との間
で加工が進行し,加工中はワイヤ電極及びX−Yテーブ
ルはサーボ移動を繰り返し,両者の相対的運動によって
工作物は所定の加工形状に放電加工されている。
最近,ワイヤ放電加工機について,大物の工作物の加
工,順送り型の加工,自動化による無人加工等の加工を
達成するための装置が開示している。このようなワイヤ
放電加工を自動的に行う場合に,放電加工を行っている
走行中のワイヤ電極が無くなれば,ワイヤ電極を自動的
に交換するワイヤ電極交換装置が提供されている。例え
ば,特開昭63−139616号公報には,ワイヤ電極交換装置
が開示されている。また,ワイヤ放電加工機の自動ワイ
ヤ電極供給方法は,例えば,本出願人に係わる出願であ
る特願昭63−298396号(特開平2−145215号公報参照)
に開示されている。更に,工作物から中子を自動的に取
り出すワイヤ放電加工機は,例えば,本出願人に係わる
出願である特願平1−98878号に開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら,従来のワイヤ放電加工機では,工作物
をワイヤ放電加工機におけるX−Yテーブルに自動的に
設定して取り付けるものではなく,ワイヤ放電加工機を
完全自動化するについては障害となっている。そこで,
ワイヤ放電加工機を全自動装置にして構成し,昼夜に問
わずに工作物に対して無人化でワイヤ放電加工を連続し
て行うことが望まれている。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の目的は,上記の課題を解決することであ
り,ワイヤ放電加工機等の加工機に対してパレットチェ
ンジャーを設置すると共に,パレットに工作物を所定位
置に予め設定し,パレットチェンジャーによってパレッ
トを搬入部位,加工機への搬出入部位及び搬出部位の何
れかへ移動させ,更に,加工機におけるX−Yテーブル
等のテーブル上に基準となる加工台を設け,該加工台に
搬出入手段,基準設定手段,クランプ手段等を設け,該
加工台上に工作物を自動的に所定位置に設定可能に構成
し,該テーブルに対する工作物の設定を正確に且つ確実
に行って設定精度の信頼性を向上させ,工作物を順次加
工して加工精度を向上させ,工作物を加工した後に該工
作物を設定したパレットを加工台からパレットチェンジ
ャー側へ自動的に搬出し,上記各工程を繰り返すことに
よって工作物の搬入,設定,加工及び搬出の各工程を自
動的に且つ無人で連続して行うことができる加工機のパ
レット搬出入装置を提供することである。
この発明は,加工機のテーブル上に取り付けられた加
工台,工作物が所定の位置に設定されたパレット,前記
テーブル上に取り付けられた加工槽上に配置し且つ出入
口を開閉できるスライドカバーを備えた加工槽カバー装
置,前記パレットを前記加工台に対して引込みと押出し
とを行うため前記加工機に設けたパレット引込兼押出し
装置,前記加工台上に搬入された前記パレットを加工基
準部位に固定するため,前記加工台に設けたクランプを
備えた連結バーを上下動させるアクチュエータを有する
クランプ装置,及び前記加工台に隣接して設けられたパ
レットチェンジャーを具備し,前記パレットチェンジャ
ーは,前記パレットを搭載できる搬出側パレット支持部
と搬入側パレット支持部とが並列して設けられたパレッ
ト台,前記パレットを前記パレット台に搬出入するため
前記パレット台を機台上で往復移動させるパレット台移
動装置,及び前記パレットを前記パレット台と前記加工
台との間で搬入と搬出作動を行うため前記機台に設けた
パレット搬出入移動装置を備えていることから成る加工
機のパレット搬出入装置に関する。
この加工機のパレット搬出入装置は,前記加工槽カバ
ー装置の前記スライドカバーの開放状態に応答して前記
パレットを搬出入し且つ前記スライドカバーの閉鎖状態
に応答して前記加工機を稼働するコントローラを有する
ことから成る。
前記パレットは,ワイヤ電極を走行させるため中央部
に前記加工機の加工領域より広い切抜き孔,前記パレッ
トを前記加工台上の所定の位置に設定するため前記加工
台の加工基準部材に合致する基準手段,及び工作物を前
記パレット上の所定の位置に設定するため前記基準手段
から予め決定された位置で且つ前記加工機の加工領域外
側に設けた多数の基準孔を有する。
前記機台は,一端に前記パレットを前記パレット台へ
搬入する搬入部位,他端に前記パレットを前記パレット
台から搬出する搬出部位及び中央に前記パレット台と前
記加工台との間で前記パレットを搬出入する搬出入部位
を備え,また,前記パレット台移動装置は,前記搬入側
パレット支持部を前記搬入部位と前記搬出入部位との間
で且つ前記搬出側パレット支持部を搬出入部位と前記搬
出部位との間で往復移動させることから成る。
前記アクチュエータは,コントローラの指令で前記パ
レットの基準手段を前記加工台の基準手段に押し付けて
前記パレットを所定の位置に静止させた状態で作動する
ことから成る。
この加工機のパレット搬出入装置は,前記加工台の基
準部材の基準面と前記パレットの基準面とを清掃するた
め,前記加工機には基準面清掃装置が設けられているこ
とから成る。
〔作用〕
この発明による加工機のパレット搬出入装置は,上記
のように構成されており,加工機のX−Yテーブル上に
加工基準手段を備えた加工台を配置し,加工基準手段を
備えたパレット上に工作物を予め決められた位置に設定
しておけば,前記加工台上に搬入された前記パレットを
クランプ装置で加工基準部位に固定するだけで,加工機
の加工部位に前記工作物を正確に,迅速に且つ無人で設
定することができる。従って,搬入ストックの搬入部
位,加工機に対しての搬出入部位及び搬出ストックの搬
出部位の何れかの位置に,前記工作物を設定したパレッ
トをパレットチェンジャーを使用して移動させ,パレッ
ト搬出入移動装置によって前記加工台に対して搬出入作
動を行えば,前記パレットチェンジャーから前記加工機
の前記加工台の所定の位置に確実に,迅速に且つ無人で
工作物を自動的に設定でき,また,工作物に対する加工
後に自動的に且つ無人で前記加工機から前記パレットチ
ェンジャーへ搬出することができる。
しかも,前記加工機に設けたパレット引込兼押出し装
置によって前記パレットを前記加工台に対して引込みと
押出しとを行い,前記パレット引込兼押出し装置に連動
して前記クランプ装置を作動すれば,前記パレットを前
記加工台に対して位置設定するのに高度の精度を持って
設定することができる。
また,前記加工機の加工槽カバー装置の出入口を開閉
できるスライドカバーの作動に応答して,前記パレット
チェンジャー及び前記加工機の作動或いは稼働を制御す
れば,搬出入作動及び加工工程を所定の作動工程に従っ
て正確に且つ確実に,しかも極めて安全性に富んだ状態
で作動を行うことができる。従って,例えば,前記工作
物に対するワイヤ放電加工を行う場合に,前記工作物の
前記加工機への搬入,設定,加工及び搬出の一連の作業
工程を自動的に無人で達成することができ,昼夜を問わ
ず加工機を稼働できる。
〔実施例〕
以下,図面を参照して,この発明による加工機のパレ
ット搬出入装置の実施例を説明する。第1図,第2図,
第3図及び第4図を参照して,この発明による加工機の
パレット搬出入装置の一実施例を概略を説明する。この
実施例では加工機はワイヤ放電加工機1に適用したもの
であるが,加工機は,ワイヤ放電加工機に限らず,工作
物を加工する加工機に適用でき,また,加工槽カバー装
置は,加工液,加工屑等の飛散防止のみならず,安全の
ためのガード等に利用でき,組み立て機械等に利用する
ことができる。また,ここでいう工作物は,被加工物の
みならず,加工が終了した加工物を指すものであり,加
工機自体は,加工のみならず組み立て,最終仕上げ加工
等を行うことができる。
パレット搬出入装置2は,ワイヤ放電加工機1に設け
たパレット引込兼押出し装置11及びクランプ装置7,並び
にワイヤ放電加工機1の正面に設置したパレットチェン
ジャー12を有する。ワイヤ放電加工機1は,従来のもの
と同様に,自動ワイヤ電極供給装置3,ワイヤ電極交換装
置,工作物から中子を自動的に取り出す装置等を設けて
いる。ワイヤ電極9は自動ワイヤ電極供給装置3におけ
るテンションローラ,ブレーキローラ等の各種ローラに
案内され且つ適正なテンションが加えられ,ヘッド6を
通じて垂直方向に走行し,ワイヤガイドを有するワイヤ
ヘッドに供給される。一方,工作物Wは各パレット10に
予め設定され,パレット10はX−Yテーブル4上に電気
的に絶縁状態に取り付けた治具ベース4Aに固定した加工
台17上にパレット搬出入装置2によって自動的に設置さ
れる。加工台17上にパレット10を設定した後,パレット
10上に固定した工作物Wとワイヤ電極9との間で放電を
発生させ,該放電エネルギーによって工作物Wを放電加
工する。XテーブルとYテーブルから成るX−Yテーブ
ル4は,NC装置からの指令で工作物Wの加工状況に従っ
てX方向及びY方向に移動し,両者の移動が合成され,
ワイヤヘッドに供給されたワイヤ電極9との間で加工が
進行し,加工中はワイヤ電極9及びテーブル4はサーボ
移動を繰り返し,両者の相対的運動によって工作物Wは
所定の加工形状に放電加工される。
ワイヤ放電加工機1には,パレット10をテーブル4に
取り付けるためテーブル4上の治具ベース4Aに固定した
加工台17に設けたクランプ装置7,治具ベース4A上の加工
槽8Aに設けた加工液の飛散防止のための開閉可能なスラ
イドカバー5付き加工槽カバー装置8,及びパレット10の
搬出入時にパレット10をテーブル4上の加工台17に引き
込むか又は加工台17上から押出すためのパレット引込兼
押出し装置11が設けられている。
パレットチェンジャー12は,第5図,第6図及び第7
図に示されている。第5図はパレットチェンジャーの正
面図,第6図は第5図の平面図,及び第7図はパレット
チェンジャーの搬出入部位を示す側断面図である。
パレットチェンジャー12は,機台36,機台36上に固定
されたレール37,レール37上を往復移動し且つパレット1
0を載置するパレット台29,パレット台29をレール37上を
往復移動させるためアクチュエータとなるエアシリンダ
13から成るパレット台移動装置41,及びパレット10をワ
イヤ放電加工機1の加工台17に対して搬出入するための
パレット搬出入移動装置38から構成されている。
機台36には,第6図に示すように,パレット搬入部位
A,パレット搬出入部位B及びパレット搬出部位Cが設け
られている。パレット台移動装置41は,機台36上のエア
シリンダ13の作動によってパレット台29を往復移動させ
るものであり,パレット台29には搬出側パレット支持部
39と搬入側パレット支持部40とが設けられている。搬出
側パレット支持部39は,ワイヤ放電加工機1の加工台17
から搬出されるパレット10を加工台17に対する搬出入部
位Bで受け取り,パレット10をパレット搬出部位Cにお
いてパレットチェンジャー12外の搬出ストックへ送り出
す機能として作用する。また,搬入側パレット支持部40
は,パレットチェンジャー12外の搬入ストックのパレッ
ト10をパレット搬入部位Aで受け入れ,パレット10を加
工台17に対する搬出入部位Bでワイヤ放電加工機1の加
工台17へ搬入する機能として作用する。更に,機台36に
は,パレット台29の搬入側パレット支持部40が搬入スト
ックの搬入部位Aに位置することを検出するパレット搬
入端センサー13A,及びパレット台29の搬出側パレット支
持部39が搬出ストックの搬出部位Cに位置することを検
出するパレット検出端センサー13Bが設けられている。
また,パレット台29には,パレット10をスムースに搬出
入するために,パレット10の両側面に対向する多数のガ
イドローラ59及びパレット10の下面に対向する多数のガ
イドローラ60が設けられている。
パレット搬出入移動装置38は,パレット10をパレット
台29から加工台17へ搬入する作動及び加工台17からパレ
ット台29へ搬出する作動を行うものである。パレット移
動装置38は,機台36を横断して機台36のフレーム100に
配置されたパレット搬出入用のエアシリンダ32,エアシ
リンダ32内を往復運動するピストン95,ピストン95の移
動に対応してエアシリンダ32の外面に摺動可能に取り付
けたスライド部材94,スライド部材94に固定したブラケ
ット35を配置したエアシリンダ33,エアシリンダ33によ
って上下動する押圧部材96,及びブラケット35の両端部
に設けたピン34から構成されている。更に,エアシリン
ダ32は非磁性材から製作され,ピストン95は磁性体で製
作され,且つスライド部材94は磁石を備えている。従っ
て,スライド部材94はピストン95を磁力によって吸着す
るので,エアシリンダ32へのエアの供給でピストン95が
移動することによってスライド部材94がエアシリンダ32
上を往復移動することになる。この場合,逆に,ピスト
ン95に磁石を設け,スライド部材94を磁性体に製作する
ことも可能である。また,ピストン95は,エアシリンダ
32内に供給される圧縮エアによって往復移動する。スラ
イド部材94は,パレット10に形成したピン孔28に係止す
るピン34を備えている。従って,エアシリンダ33が作動
してピン34が下降してパレット10のピン孔28に係止した
状態で,エアシリンダ32が作動すると,ピストン95がエ
アシリンダ32内を移動し,ピストン95の移動に伴ってス
ライド部材94が移動し,パレット10はパレット台29上を
第7図に実線で示す位置から破線で示す位置へとガイド
ローラ59,60に案内されて摺動移動し,パレット10はパ
レット台29からワイヤ放電加工機1の加工台17へと送り
出される状態になる。更に,パレットと搬出入移動装置
38には,スライド部材94が加工台17側へ移動した終端部
位を検出するための搬入端センサー32A,及びスライド部
材94がパレットチェンジャー12の反加工台17側の終端部
位を検出するための検出端センサー32Bを有している。
次に,パレット搬出入装置2を利用できる加工機であ
るワイヤ放電加工機1におけるテーブル4上に装着され
るクランプ装置7,加工槽カバー装置8,加工台17,パレッ
ト引込兼押出し装置11について,第8図,第9図及び第
10図を参照して全体的に説明する。第8図は加工機にお
けるX−Yテーブル上に取り付けた諸部品を示す平面
図,第9図は加工機におけるX−Yテーブル上に取り付
けた諸部品を示す正面図,及び第10図は第9図の側面図
である。
ワイヤ放電加工機1におけるX−Yテーブル4上には
治具ベース4Aが電気的に遮断状態で固定され,該治具ベ
ース4Aに加工槽8Aが取り付けられ,該加工槽8A内には加
工槽カバー装置8が設けられている。また,X−Yテーブ
ル4上の治具ベース4Aの上面には,位置基準手段となる
一対の加工台17が固定されている。加工台17は,治具ベ
ース4Aの両側に位置し,クランプ位置7及びパレット引
込兼押出装置11が固定されている。以下,これらの諸部
品について説明する。
加工槽カバー装置8は,第12図,第13図,第22図及び
第23図に示されている。第12図は加工槽カバー装置の平
面図,第13図は第12図の正面図,第22図は加工槽カバー
装置の要部を説明する斜視図,及び第23図は加工槽カバ
ー装置の要部を説明する断面図である。
加工槽カバー装置8は,ワイヤ放電加工機1のX−Y
テーブル4上の治具ベース4Aに取り付けた加工槽8A内に
配置され,工作物Wをワイヤ放電加工する際に加工液,
加工屑等の飛散を防止,或いは完全性のためのガードと
して機能するものである。加工槽カバー装置8は,エア
シリンダ18,加工槽8Aに取り付けたカバー78,カバー78の
側面に配置し且つカバー78に枢着した手動開閉カバー7
9,及びカバー78に対して摺動可能に且つパレット10の搬
出入口を構成するスライドカバー5から構成されてい
る。加工槽カバー装置8は,工作物Wを設定したパレッ
ト10の出入口を開閉するためのスライドカバー5を摺動
させるアクチュエータであるエアシリンダ18を備えてい
る。エアシリンダ18は,複動シリンダであり,該シリン
ダは非磁性材料で構成されている。エアシリンダ18のシ
リンダ内には磁性材料から成るピストン72が配置され,
ピストン72はエアシンリダ18内のピストン72の何れかの
側にエアが供給されることによってエアシリンダ18内を
往復移動する。加工槽カバー装置8のスライドカバー5
は,パレットチェンジャー12のパレット搬出入移動装置
38に対向した側の面に位置している。加工槽カバー装置
8におけるスライドカバー5の往復移動の機構について
は,加工槽カバー装置8の下方にエアシリンダ18,エア
シリンダ18内に往復移動するピストン72が配置され,ピ
ストン72の往復移動は,エアシリンダ18の両端部に設け
られたエア通路77の何れか一方にエアが供給されること
によって達成される。カバー78には,カバーガイド75が
固定され,カバーガイド75にはガイドローラ76が取り付
けられている。また,スライドカバー5にはガイドレー
ル74が固定されており,ガイドレール74がガイドローラ
76が嵌合する。更に,スライドカバー5の下端部にはブ
ラケット73が固定され,ブラケット73の端部には磁石か
ら成るブラケット80が固定されている。ブラケット80
は,エアシリンダ18内を往復移動する磁性材料から成る
ピストン72を吸着し且つエアシリンダ18の外面に沿って
往復移動する。従って,ピストン72がシリンダ内を往復
移動すると,ピストン72を吸着しているブラケット80は
ピストン72の移動に従って移動する。ブラケット80が往
復移動すれば,ブラケット80を固定したブラケット73が
往復移動する。ブラケット73の往復移動は,ブラケット
73を固定したスライドカバー5がカバーガイド75に設け
たガイドローラ76に案内されて往復移動する。
加工槽カバー装置8において,スライドカバー5の開
閉状態を検出するため,スライドカバー5の開放状態を
検出する開端センサー18A及びスライドカバー5の閉鎖
状態を検出する閉端センサー18Bを備えている。開端セ
ンサー18A及び閉端センサー18Bは,カバー78,スライド
カバー5,或いは図示のように,エアシリンダ18に対して
設けることができる。そこで,開端センサー18Aによっ
てスライドカバー5が開放状態になっていることを検出
し,コントローラは該検出信号を受けて,パレット台29
上に位置するパレット10をワイヤ放電加工機1のX−Y
テーブル4に設けられた加工台17上に移動させるように
制御し,或いは,加工台17上のパレット10を加工台17か
らパレット台29に移動させる制御を行う。また,スライ
ドカバー5の閉鎖状態を閉端センサー18Bで検出し,コ
ントローラは該検出信号を受けてワイヤ放電加工機1の
稼働を行うように制御する。
パレット10は,第14図,第15図及び第16図に示されて
いる。第14図はワイヤ放電加工機に設定された状態のパ
レットを示す平面図,第15図はパレットを説明するため
の概略斜視図,及び第16図はパレットのクランプ状態を
示す概略斜視図である。
パレット10は,種々の工作物Wを所定に位置に予め設
定するものであり,ステンレススチール等の耐防錆材料
で製作することが好ましく,ワイヤ電極9を走行させる
ためワイヤ放電加工機1の加工領域よりも広い切抜き孔
19を中央部に有している。ワイヤ放電加工機1に対向す
る側のパレット10の端面22には,加工台17上の水平方向
の所定の位置に設定するため,ワイヤ放電加工機1に設
けた加工基準位置決め手段として,凸状基準面81を有す
る位置決めストッパ23に合致する基準手段としての凹状
基準面20,及び平らな位置決めストッパ24に合致する基
準手段としての平らな基準面82が形成されている。位置
決めストッパ23,24は,セラミックス,超硬材等の耐防
錆性材料で且つ耐摩耗性に富む材料で製作することが好
ましく,加工台17に対して取り替え可能に取り付けられ
ている。また,パレット10の下面には,加工台17に対す
るパレット10の上下方向の位置を設定するため,基準面
56(第11図,第18図参照)が形成されている。また,工
作物Wをパレット10上の所定位置に設定するため、基準
面20から予め決定された位置で且つワイヤ放電加工機1
の加工領域外側に多数の基準孔98が形成されている。即
ち,工作物Wのサイズ,形状に合わせて,工作物Wをパ
レット10を配置し,複数箇所の基準孔98にボルト等の固
定手段を通して工作物Wをパレット10に固定する。従っ
て,工作物Wの種類に応じて該工作物Wを固定するため
の基準孔98を予め決定しておけば,加工台17の基準とな
る位置決めストッパ23,24からの工作物Wの位置設定を
正確に達成することができる。第14図には,4個の工作物
Wのケースが鎖線で示されている。場合によっては,基
準ブロック105に工作物Wを押し付けて設定することも
できる。従って,パレット10の基準面20,82を加工台17
の位置決めストッパ23,24に当接させて固定するだけ
で,工作物Wに対して所定の加工形状を加工することが
できる。
パレット10は,ワイヤ放電加工機1の加工台17にクラ
ンプ装置7の複数個のクランプ15によって固定される
が,クランプ15によって押圧される両側部の縁部99に有
している。更に,パレット10の基準面20を加工台17に設
けた位置決めストッパ23,24に押し付けるため,パレッ
ト10の下面には,X−Yテーブル4或いは加工台17に設け
たパレット引込兼押出し装置11におけるエアシリンダ26
のピストンロッド端部に設けた係止部材27が係止する係
止穴25が形成されている。
更に,第5図に示すように,パレットチェンジャー12
におけるパレット台29上にパレット10を載置してパレッ
ト台移動装置41によってパレット台29を往復移動させる
時に,パレット台29上でパレット10が移動することを防
止するため,パレット10にはパレット台29側に設けたピ
ン30が下方から係合するピン孔28が複数個(第14図で
は,4個)形成されている。パレット台29からワイヤ放電
加工機1の加工台17の方向に,パレット搬出入移動装置
38によってパレット10を移動させる時に,パレット搬出
入用のエアシリンダ32上を往復運動するスライド部材94
に固定したブラケット35側に設けたピン34がピン孔28に
上方から係合するように構成されている。パレット搬出
入用のエアシリンダ32は,パレットチェンジャー12の機
台36に固定したフレーム100に取り付けられている。パ
レット台29に設けたピン30は,パレット台29に設けたエ
アシリンダ31によって押圧部材97を介して上下運動可能
である。エアシリンダ31の作動によって押圧部材97がパ
レット10を押圧すると孔28に対してパレット10の下面側
から挿入され,ピン30がピン孔28に係合される。また,
スライド部材94に固定したブラケット35に設けたピン34
は,ブラケット35に取り付けたエアシリンダ33によって
上下運動可能である。エアシリンダ33の作動によって押
圧部材96がパレット10を押圧すると共に,押圧部材96の
両端部に位置するピン34がパレット10に形成したピン孔
28に対してパレット10の上面側から挿入され,ピン34が
ピン孔28に係合される。更に,エアシリンダ31の作動に
よってピン30がピン孔28に係合又は離脱した状態を検出
するために,ピン係合センサー31A及びピン離脱センサ
ー31Bが設けられている。また,エアシリンダ33の作動
によってピン34がピン孔28に係合又は離脱した状態を検
出するために,ピン係合センサー33A及び離脱センサー3
3Bが設けられている。
パレット10を加工台17の所定に位置に押し付け又は押
し出すためのパレット引込兼押出し装置11は,第10図,
第15図及び第17図に示されている。第17図はパレット引
込兼押出し装置を示す断面図である。
パレット引込兼押出し装置11は,パレット10の基準面
20を加工台17に設けた位置決めストッパ23,24を押し付
けるため加工台17に設けたエアシリンダ26を有してい
る。エアシリンダ26は,複動シリンダであり,エアシリ
ンダ26内で往復運動するピストン43の両側にはエア室5
4,55が形成され,何れかの側のエア室54,55にエア通路4
7,48を通じてエアが導入されることによって,ピストン
43がエアシリンダ26内を往復移動する。更に,エアシリ
ンダ26に対しては,ピストン43の往復移動の限界点を検
出するリードスイッチ等の引込センサー26A及び押出セ
ンサー26Bが設けられている。例えば,引込センサー26A
及び押出センサー26Bが設置された部位へピストン43が
移動して来た場合には,引込センサー26A及び押出セン
サー26Bはピストン43の位置を検出し,該検出信号をコ
ントローラに入力し,コントローラは次の作動工程に指
令を発するように構成する。
パレット引込兼押出し装置11において,ピストン43に
固定したピストンロッド42の端部には,係止部材27が設
けられ,係止部材27はパレット10の下面に形成された係
止穴25に係脱可能に構成されている。即ち,エアシリン
ダ26のピストンロッド42とは反対側の端部は,加工台17
に取り付けたブラケット45にピン等から成る枢支点44で
枢着されている。また,ピストンロッド42が伸び出す側
の端部には,ブラケット49が取り付けられている。ブラ
ケット49には,加工台17に取り付けたエアシリンダ50か
ら伸び出したピストロッド51が枢着されている。従っ
て,エアシリンダ26は一端をブラケット45で支持され且
つ他端をブラケット49を介してエアシリンダ50によって
支持されている。また,エアシリンダ50は,第11図又は
第18図に示すように,ブラケット61を介して加工台17に
取り付けられている。それ故,エアシリンダ50の作動に
よって,エアシリンダ26は枢支点44を中心に上下に揺動
運動することができ,それによって,エアシリンダ26の
ピストンロッド42端部に取り付けた係止部材27がパレッ
ト10に形成した係止穴25に系脱可能になる。押出センサ
ー26Bがピストン43を検出した時,エアシリンダ50を作
動して係止部材27を係止穴25に係脱するように制御し,
また,引込センサー26Aがピストン43を検出した時,エ
アシリンダ26を作動状態に維持してクランプ装置7を作
動するように制御することによってパレット10を加工台
17上に正確に且つ確実に設定することができる。パレッ
ト引込兼押出し装置11には,パレット10の係止穴25とパ
レット引込兼押出し装置11の係止部材27との係合状態又
は離脱状態を検出するため,パレット係合センサー50A
及びパレット離脱センサー50Bが設けられている。
次に,加工台17を,第9図,第11図,第14図及び第18
図を参照して説明する。加工台17は,パレット10の両端
部を支持できるように,パレット10の移動方向に伸びて
テーブル4にそれぞれ固定されている。第8図では,加
工台17は位置決め部材57の下方に位置している状態であ
る。加工台17とテーブル4との取付構造については,特
に限定されるものではないが,加工台17は,テーブル4
上の治具ベース4Aに固定され,NC装置によってサーボ移
動するテーブル4の水平方向の移動と共に移動するよう
に構成され,しかもワイヤ電極9が走行する走行路に対
して位置関係が予め決定されているものである。
加工台17に取り付けた連結バー14には,パレット10を
ガイドするため,パレット10の両側面に対向した多数の
ガイドローラ21が設けられている。ガイドローラ21は,
加工台17に対してパレット10をスムースに移動させる機
能を果たす。また,加工台17の上端部には,位置決め部
材57が設定されている。位置決め部材57の上部には,パ
レット10の移動方向に並んで多数のガイドボール58(第
8図には,左右に5個)が回転自在に配置されている。
ガイドボール58は,パレット10の搬出入の移動時には,
位置決め部材57の上面63から突出するように,スプリン
グ62によって上方へ付勢されている。
第11図では,2点鎖線でクランプ装置7が作動してパレ
ット10が加工台17上に固定された状態が示されている
が,ボール58はパレット10を介して押し下げられる前の
状態であり,スプリング62で突出した状態を実線で示
す。第18図では,パレット10が加工台17上に固定された
状態が示され,ボール58はパレット10を介して押し下げ
られた状態である。従って,パレット10をパレット台29
から加工台17に搬入する時,及び加工台17からパレット
台29へ搬出する時に,ガイドボール58はスプリング62の
ばね力で位置決め部材57の上面63から突出し,パレット
10をスムースに移動させる作用を果たす。パレット10を
加工台17上で設定し,クランプ装置7で固定した時に,
ガイドボール58はスプリング62のばね力に抗して押し込
められ,パレット10の下面の基準面56は,位置決め部材
57の基準面63に当接し,パレット10は加工台17に対して
所定の高さ方向に正確に且つ確実に位置設定される。
クランプ装置7は,第8図,第9図,第11図,第16
図,第19図,第20図及び第21図に示されている。第16図
はクランプ装置に示す概略斜視図,第19図はクランプ装
置によってパレットを加工台に固定した状態を示す断面
図,第20図,第19図の側断面図,及び第21図はクランプ
装置のエアシリンダを示す断面図である。
クランプ装置7は,各加工台17の側方にブラケット6
4,66を介してそれぞれ取り付けられ,パレット10の両側
面にそれぞれ対向位置してパレット10を加工台17上に固
定する機能を有している。クランプ装置7は,連結バー
14,該連結バー14の両端部に配置された一対のクランプ1
5,及び連結バー14の中央部に配置されたエアシリンダ16
から構成されている。更に,クランプ装置7には,エア
シリンダ16が作動してパレット10を加工台17上に固定又
は開放したことを検出するパレット固定センサー16A及
びパレット解放センサー16Bが設けられている。第19図
及び第20図を示すように,加工台17に固定されたブラケ
ット64には,ブシュ67を介して支持ロード65が摺動可能
に取り付けられている。支持ロッド65の上部には連結バ
ー14に形成された貫通孔が貫通し,連結バー14の上面に
クランプ15が配置され,クランプ15は支持ロッド65の上
端部に設けたねじ部に螺入して固定されている。更に,
クランプ15は,連結バー14にボルト68によって固定され
ている。
また,連結バー14を上下移動させるためのエアシリン
ダ16は,第10図に示すように,ブラケット66によって加
工台17に固定されている。エアシリンダ16内を往復移動
するピストン69を固定したピストンロッド70の上端部
は,連結バー14を貫通し,ピストンロッド70の先端部を
形成したねじ部にナット71を螺入することによって,連
結バー14をピストンロッド70に固定している。従って,
エアシリンダ16にエア通路101を通じてエアを導入すれ
ば,ピストン69は下方に移動してピストンロッド70は下
方に移動する。それ故,ピストロッド70に固定した連結
バー14は下方に移動する。連結バー14の下方への移動
は,連結バー14の両端部に固定されたクランプ15を下方
へ移動させ,パレット10を加工台17上に押し付けて,パ
レット10を加工台17に固定する。
加工台17上の水平方向の所定位置にパレット10を位置
決めする機構としての種々の実施例を,第24図〜第29図
を参照して説明する。各図面において,同一の機能を果
たす部材には同一の符号を付し,重複する説明は省略す
る。
まず,第24図において,パレット10の端面22には,90
度の形状で切欠かれた凹状基準面20,及び凹状基準面20
とは別の部位に平らな基準面82が形成されている。ま
た,ワイヤ放電加工機1の加工台17には,パレット10の
凹状基準面20に係合する90度の突出した凹状基準面81を
有する位置決めストッパ23,及びパレット10の平らな基
準面82に当接する平らな基準面83を有する位置決めスト
ッパ24が設けられている。従って,パレット10をワイヤ
放電加工機1の加工台17上で押し込めば,凹状基準面20
と凸状基準面81とは係合し,且つ平らな基準面82と平ら
な基準面83とは当接する。それ故,パレット10は加工台
17上の所定に位置に位置決めされることになる。
又は,第25図に示すパレット10の水平方向位置決め機
構は,第24図に示すものと比較して,凹凸が逆の構造以
外は,同一の構造及び機能を有するものである。パレッ
ト10に凸状基準面84が形成され,位置決めストッパ23に
凹状基準面85が形成されている。
或いは,第26図に示すパレット10の水平方向位置決め
機構は,第24図に示すものと比較して,位置決めストッ
パ23に円筒平86が嵌合した構造以外は,同一の構造及び
機能を有するものである。パレット10の凹状基準面20に
円筒体86が係合した時,凹状基準面20に当接する円筒体
86の外周面が基準面87を構成するものである。
或いは,第27図に示すパレット10の水平方向位置決め
機構は,第26図に示すものと比較して,円筒体を逆に設
けた以外は,同一の構造及び機能を有するものである。
パレット10の端面22に円筒体88を嵌合する。位置決めス
トッパ23に形成した凹状基準面85に円筒体88が係合した
時,凹状基準面85に当接する円筒体88の外周面が基準面
89が構成するものである。
又は,第28図に示すパレット10の水平方向位置決め機
構は,第25図に示すものと比較して,位置決め部材が二
個の円筒体で構成される以外は,読一の構造及び機能を
有するものである。加工台17に位置決め部材として二個
の円筒体90を隔置状態にそれぞれ固定する。パレット10
の凸状基準面84が各円筒体90の間に挿入状態に嵌合する
ことによって係合し,パレット10の凸状基準面84が各円
筒体90に係合した時,凸状基準面84に当接する円筒体88
の外周面が基準面91を構成するものである。
或いは,第29図に示すパレット10の水平方向位置決め
機構は,第28図に示すものと比較して,二個の円筒体を
逆に設けた構造以外は,同一の構造及び機能を有するも
のである。パレット10に二個の円筒体92を隔置状態にそ
れぞれ固定する。位置決めストッパ23の凸状基準面81が
各円筒体92の間に挿入状態に勘合することによって係合
し,位置決めストッパ23の凸状基準面81が各円筒体92に
係合した時,凸状基準面81に当接する円筒体92の外周面
が基準面93を構成するものである。
更に,このパレット搬出入装置は,特に,加工台17上
に配置した基準部材即ち位置決め部材57の上面である基
準面63,パレット10の裏面に形成された基準面56,パレッ
ト10の端面22の基準面20,82,84,89,及び加工台17に設け
た位置決めストッパ23,24を形成した基準面81,83,85,8
7,92を清掃するため,基準面清掃装置が設けられてい
る。この基準面清掃装置は,清掃面に対して水を吹きつ
ける水噴射ノズル及びエアを吹きつけるエア吹付けノズ
ルから構成でき,ワイヤ放電加工機1によるワイヤ放電
加工時に発生した微細な加工屑を排除する。従って,各
基準面はパレット10の設定毎に或いは所定期間毎に常に
清掃できるので,パレット10の加工台17に対する設定は
常に信頼性に富み,加工精度に悪影響を及ぼすことがな
い。
この加工機のパレット搬出入装置は,上記のように構
成されているが,各エアシリンダを作動するエア回路
は,例えば,第30図に示すように構成されている。第30
図において,符号Eはワイヤ放電加工機1側に設けた各
エアシリンダに対するエア回路図であり,また,符号F
はパレットチェンジャー12側に設けた各エアシリンダに
対するエア回路図である。ワイヤ放電加工機1側に関し
ては,圧縮エア供給源104からのエアは,エア圧調節装
置102を通じてエア切換バルブ52を通じてエアシリンダ1
6,18,26,50に圧縮エアが供給される。また,パレットチ
ェンジャー12側に関しては,圧縮エア供給源104からの
エアは,エア圧調節装置103を通じてエア切換バルブ53
を通じてそれぞれのエアシリンダ13,31,32,33に圧縮エ
アが供給される。上記各エアシリンダに圧縮エアが供給
され,各エアシリンダ内のピストンが往復移動すること
によって各エアシリンダの作動状態が各センサーで検出
される。各センサーで検出された検出信号はコントロー
ラに入力され,該コントローラは各検出信号に応答して
シーケンスとして予め入力されている作動工程に応じて
指令に発し,ワイヤ放電加工機1及びパレットチェンジ
ャー12に作動し,パレット10をワイヤ放電加工機1に搬
出入し,パレットチェンジャー12に搬出入する。
ワイヤ放電加工機1側のエア回路において,符号G
は,加工槽カバー装置8のスライドカバー5を作動する
ためのエアシリンダ18を示しており,エアシリンダ18に
はエア切換バルブ18Gを通じて圧縮エアが供給され,エ
アシリンダ18の作動状態は開端センサー18A及び閉端セ
ンサー18Bで検出される。
符号Hは,加工台17の両側に設けられた各搬出入用パ
レットフック即ち係止部材27を作動するための各エアシ
リンダ50を示し,エアシリンダ50にはエア切換バルブ50
Hを通じて圧縮エアが供給され,エアシリンダ50の作動
状態はパレット係合センサー50Aとパレット離脱センサ
ー50Bで検出される。
符号Iは,加工台17の両側に設けられた各パレットク
ランプ15を作動するための各エアシリンダ16を示し,エ
アシリンダ16にはエア切換バルブ16Iを通じて圧縮エア
が供給され,エアシリンダ16の作動状態はパレット固定
センサー16A及びパレット解放センサー16Bで検出され
る。
符号Jは,加工台17の両側に設けられたパレット搬出
入用の各パレット引込兼押出し装置11を作動するための
各エアシリンダ26を示し,エアシリンダ26にはエア切換
バルブ26Jを通じて圧縮エアが供給され,エアシリンダ2
6の作動状態は引込センサー26Aと押出センサー26Bで検
出される。
パレットチェンジャー12側のエア回路について,符号
Kは,パレット10を加工台17とパレット台29との間で受
け渡しするパレット搬出入移動装置38を作動するための
エアシリンダ32を示し,エアシリンダ32にはエア切換バ
ルブ32Kを通じて圧縮エアが供給され,エアシリンダ32
の作動状態はパレット搬入端センサー32Aとパレット搬
出端センサー32Bで検出される。
符号Lは,パレット台29をパレット搬入部位A,パレッ
ト搬出入部位B及びパレット搬出部位C間を移動させる
パレット台移動装置を作動するためのエアシリンダ13を
示し,エアシリンダ13にはエア切換バルブ13Lを通じて
圧縮エアが供給され,エアシリンダ13の作動状態はパレ
ット搬入端センサー13Aとパレット搬出端センサー13Bで
検出される。
符号Mは,パレット台29のパレット10をロックするピ
ン34を作動するためのエアシリンダ33を示し,エアシリ
ンダ33にはエア切換バルブ33Mを通じて圧縮エアが供給
され,エアシリンダ33の作動状態はピン係合センサー33
Aとピン離脱センサー33Bで検出される。
符号N,Oは,パレット台29にパレット10をロックする
検出側パレット支持部39と搬入側パレット支持部40の各
ピン30を作動するためのエアシリンダ31,31が示され,
エア切換バルブ31N,31Oを通じて圧縮エアが供給され,
エアシリンダ31の作動状態はピン係合センサー31Aとピ
ン離脱センサー31Bで検出される。
次に,このパレット搬出入装置において,ワイヤ放電
加工機1とパレットチェンジャー12とのパレット10の搬
出入作動及びパレットチェンジャー12へのパレット10の
搬出入作動を説明するために,第31図を参照して説明す
る。第31図はこのパレット搬出入装置におけるパレット
チェンジャー12のパレット10の移動作動を説明する概略
説明図である。
まず,パレットチェンジャー12におけるパレット台移
動装置41を作動し,パレット台29の搬入側パレット支持
部40をパレット搬入部位Aに移動させる(ステップ
I)。パレット台29をこの位置で停止させ,搬出ストッ
クにストックされている工作物Wを設定したパレット10
を搬入側パレット支持部40にセットする(ステップI
I)。次いで,パレット台移動装置41を作動し,パレッ
ト台29の搬入側パレット支持部40をパレット搬出入部位
Bに移動させる(ステップIII)。ここで,パレット台2
9を停止させ,パレット搬出入移動装置38を作動してパ
レット10をパレット台29からワイヤ放電加工機1の加工
台17へ移動させる(ステップIV)。次いで,パレット台
移動装置41を作動し,パレット台29の搬入側パレット支
持部40をパレット搬入部位Aに移動させる(ステップ
V)。パレット台29をこの位置で停止させ,搬出ストッ
クにストックされているパレット10を搬入側パレット支
持部40にセットすると共に,ワイヤ放電加工機1で加工
が終わった工作物Wを固定したパレット10を搬出するた
め,パレット搬出入移動装置38を作動してワイヤ放電加
工機1の加工台17上のパレット10をパレット台29の搬出
側パレット支持部39に載せる(ステップVI)。次いで,
パレット台移動装置41を作動し,パレット台29の搬入側
パレット支持部40上のパレット10をパレット搬出入部位
Bを移動させると共に,搬出側パレット支持部39上のパ
レット10をパレット搬出部位Cに移動させる(ステップ
VII)。ここで,パレット台29を停止させ,パレット搬
出入移動装置38を作動してパレット10をパレット台29の
搬入側パレット支持部40からワイヤ放電加工機1の加工
台17へ移動させると共に,搬出側パレット支持部39のパ
レット10を搬出ストックに搬出する(ステップVIII)。
再び,パレット台移動装置41を作動し,パレット台29の
搬入側パレット支持部40をパレット搬入部位Aに移動さ
せると共に,搬出側パレット支持部39をパレット搬出入
部位Bに移動させる(ステップV)。以上の各ステップ
を繰り返すことによって,パレットチェンジャー12によ
るパレット10の搬入作動,搬出入作動及び搬出作動を自
動的に行うことができる。
この加工機のパレット搬出入装置は,上記のように構
成され,パレット搬出入装置を作動する作動工程は.自
動モードと半自動モードで行うことができる。また,パ
レットチェンジャー12は,上記のように,パレット10を
搬出ストックでの搬出作動,加工台17に対する搬出入作
動及び搬入ストックでの搬入作動を行うことができるの
で,パレットチェンジャー12で使用してワイヤ放電加工
機1の連続した自動的な加工作動について説明する。
パレット搬出入装置2について,パレットチェンジャ
ー12は,ワイヤ放電加工機1の加工台17の正面に配置
し,パレットチェンジャー12によって工作物Wが予め所
定に位置に固定されたパレット10をワイヤ放電加工機1
の加工台17に搬出入し,連続的に工作物がワイヤ放電加
工される。パレット搬出入装置2は,搬入ストックに有
るパレット10をパレットチェンジャー12のパレット台29
の搬入側パレット支持部40に搬入部位Aで順次にセット
でき,更に,パレット台29の搬入側パレット支持部40に
セットしたパレット10を送込み兼受取り部位即ち搬出入
部位Bで加工台17に対して搬入し,次いで,ワイヤ放電
加工機1によって工作物をワイヤ放電加工した後に,再
びパレット10をパレット台29の搬出側パレット支持部39
上に搬出入部位Bで受け取り,更に,搬出側パレット支
持部39に載置したパレット10を搬出ストックに搬出部位
Cで搬出するという一連の工程を自動的に或いは半自動
的に行うことができる。従って,パレット搬出入装置2
を使用すれば,ワイヤ放電加工機1で工作物Wを連続的
に且つ自動的に搬入,設定,搬出の各工程を行うことが
でき,従って連続して無人で工作物Wにワイヤ放電加工
ができ,深夜の自動運転を可能にすると共に,作業の段
取り工数を低減することができ,ワイヤ放電加工機1の
稼働率を向上させることができる。
まず,自動モードの作動工程について,以下に説明す
る。
パレット搬出入装置1の作動モードについて,モード
切り換えスイッチを半自動モードに切り換える。パレッ
ト移動スイッチをオンし,パレット台移動装置41のエア
シリンダ13を作動する。エアシリンダ13の作動によって
パレット台29を移動させ,パレット台29の搬入側パレッ
ト支持部40をパレット搬入部位Aに移動させる。パレッ
ト搬入部位Aで搬入側パレット支持部40に工作物Wを予
め設定したパレット10を載置すると,エアシリンダ31が
作動してピン30が上昇し,ピン30がパレット10に形成し
たピン孔28に係合する。パレット29のピン孔28にパレッ
ト台29のピン30が係合することによって,パレット10の
取付け終了のスイッチがオンする。ここで,モード切り
換えスイッチを半自動モードから自動モードに切り換え
る。ワイヤ放電加工機1のNC装置を加工モードにしてオ
ンにする。ワイヤ放電加工機1のヘッド6が上昇してワ
イヤヘッドがZ軸の上端部へ移動する。テーブル4が移
動し,テーブル4がパレット10をテーブル4上の加工台
17へ搬入できる位置へ移動する。
ワイヤ放電加工機1の上記動作と共に,パレット搬出
入装置2は,パレットチェンジャー12におけるパレット
台移動装置41のエアシリンダ13が作動してパレット10が
載置されたパレット台29のパレット搬入側支持部40が,
パレット搬入部位Aから加工台17への搬出入部位Bへ移
動する。パレット台29の搬入側パレット支持部40が中間
位置の搬出入部位Bに到達すると,加工槽カバー装置8
のエアシリンダ18が作動し,スライドカバー5が摺動し
て出入口を開放する。同時に,エアシリンダ33が作動し
て,スライド部材94に固定したブラケット35の両端に取
り付けたピン34が下降し,パレット10のピン孔28に上方
から係止すると共に,エアシリンダ31が作動してピン30
が下降し,ピン30がパレット10に形成したピン孔28から
下方へ離脱する。次いで,パレット搬出入移動装置28の
エアシリンダ32が作動し,エアシリンダ32内を往復移動
するピストン95がワイヤ放電加工機1の加工台17の方向
に移動し,ピストン95にはスライド部材94に固定した磁
石が吸着しているので,ピストン95の移動に伴ってスラ
イド部材94が加工台17の方向へ移動する。スライド部材
94が移動すれば,パレット10はスライド部材94にピン34
によって係止しているので,パレット10が加工台17上へ
移動する。パレット10が所定の距離だけ移動した部位で
エアシリンダ32の作動は停止する。ここで,パレット引
込兼押出し装置11におけるエアシリンダ26の本体を上昇
させるためのエアシリンダ50が作動し,エアシリンダ26
を枢支点44を中心に枢動させ,エアシリンダ26の端部に
取り付けた係止部材27を上昇させる。係止部材27の上昇
によって,係止部材27はパレット10に形成された係止穴
25を係合すると共に,エアシリンダ33が作動してピン34
をパレット10のピン孔28から離脱させる。
次いで,エアシリンダ32が作動してスライド部材94は
元の位置へ戻ると共に,パレット引込兼押出し装置11の
エアシリンダ26が作動し,エアシリンダ26内を往復運動
するピストン43を加工台17側へ移動させ,ピストン43に
固定したピストンロッド42がエアシリンダ26内へ引き込
まれる。ピストンロッド42の引き込みによって係止部材
27はパレット10を引き込み,それによって,パレット10
の端面22に形成された凹状基準面10を位置決めストッパ
23の凸状基準面81へ当接させると共に,パレット10の端
面22に形成された平らな基準面82を位置決めストッパ24
の平らな基準面83へ当接させる。これによって,パレッ
ト10は加工台17上の所定の位置に位置設定される。この
状態で,クランプ装置7のエアシリンダ16を作動する。
エアシリンダ16の作動によって一対のクランプ爪15が下
降し,パレット10を加工台17上に固定する。次いで,エ
アシリンダ50が作動してパレット引込兼押出し装置11の
エアシリンダ16を枢支点44を中心に加工へ旋回させて係
止部材27を係止穴25から離脱させる。また,エアシリン
ダ32が作動してスライド部材94が元の位置へ戻った時,
加工槽カバー装置8のエアシリンダ18が作動し,ピスト
ン72が移動することによってスライドカバー5がガイド
ローラ76に案内されて摺動し,加工槽カバー装置の出入
口をスライドカバー5によって閉鎖する。
次いで,ワイヤ放電加工機1が作動し,自動ワイヤ供
給装置が作動すると共に,X−Yテーブル4が作動し,パ
レット10に予め設定固定された工作物Wに形成されたス
タートホールの位置をワイヤ電極9の供給部位へ移動さ
れる。次いで,ワイヤヘッドが下降すると共に,ワイヤ
電極供給パイプが下降し,ワイヤ電極9を工作物Wのス
タートホールに貫通させる。以後,ワイヤ放電加工機1
によって工作物Wに対して通常の放電加工が実行され
る。次いで,工作物Wに対して所定の加工形状を放電加
工した後に,ワイヤ電極9は切断され,パレット10に固
定された工作物Wをワイヤ放電加工機1外へ搬出する作
動へ移る。
ところで,エアシリンダ32が作動してスライド部材94
が元の位置へ戻った時に,ワイヤ放電加工機1では,加
工台17上の所定位置に設定された工作物Wに対してワイ
ヤ放電加工が実行されているが,パレットチェンジャー
12では,パレット台29の搬入側パレット支持部40をパレ
ット搬入部位Aへ戻すと共に,パレット台29の搬出側パ
レット支持部39を加工台17に対向する搬出入部位Bへセ
ットする作動が行われる。パレット台29の搬入側パレッ
ト支持部40がパレット搬入部位Aへ戻った時に,新しい
パレット10を搬入側パレット支持部40にセットする作動
を行う。次いで,ワイヤ放電加工機1が工作物Wに対し
て所定の加工形状を放電加工して加工が終了すると,コ
ントローラからの指令によってワイヤ放電加工機1から
パレット10をパレットチェンジャー12のパレット台29へ
搬出する作動が開始する。
まず,X−Yテーブル4が作動してX−Yテーブル4上
の治具ベース4Aに固定した加工台17をパレット10の搬出
位置へ移動させる。エアシリンダ18が作動してスライド
カバー5が摺動し,加工槽カバー装置8の出入口を開放
する。また,クランプ装置7のエアシリンダ16が作動し
て加工台17に対するパレット10の固定状態を解放すると
共に,パレット引込兼押出し装置11のエアシリンダ50が
作動してエアシリンダ26を枢支点44を中心に旋回させて
係止部材27を係止穴25に係合させる。係止部材27が係止
25に係合した状態で,エアシリンダ26が作動し,加工台
17上のパレット10をパレットチェンジャー12におけるパ
レット台29の搬出側パレット支持部39の方向へ移動させ
る。同時に,エアシリンダ32を作動してスライド部材94
を加工台17の方向へ移動させる。所定の位置までパレッ
ト10を移動させた時,スライド部材94に設けたエアシリ
ンダ33を作動し,スライド部材94のブラケット35に取り
付けたピン34をパレット10のピン孔28に係合させると共
に,エアシリンダ50を作動してパレット引込兼押出し装
置11のエアシリンダ26を枢支点44を中心に旋回させて係
止部材27を係止穴25から離脱させる。次いで,エアシリ
ンダ32を作動したスライド部材94をパレット台29の搬出
側パレット支持部39の方向へ移動させ,パレット10をパ
レット台29の半周側パレット支持部39にサーチする。次
いで,エアシリンダ31を作動してピン30を上昇させ,パ
レット10のピン孔28へピン30を係合させると共に,エア
シリンダ33を作動してブラケット35を上昇させ,パレッ
ト10のピン孔28からピン34を離脱させる。パレット10の
ピン孔28からピン34が離脱した時,パレット台移動装置
41のエアシリンダ13を作動し,パレット台29を移動させ
て,パレット台29の搬出側パレット支持部39を搬出スト
ックのパレット搬出部位Cへ位置させると共に,パレッ
ト台29の搬入側パレット支持部40を加工台17に対向した
搬出入部位Bへ位置させる。
パレットチェンジャー12を上記のように作動した時,
パレット台29の搬入側パレット支持部40上にセットされ
ているパレット10は,ワイヤ放電加工機1の加工台17へ
セットするため,上記と同様の工程によって,パレット
10を加工台17上に設定する。これに対して,パレット台
29の搬出側パレット支持部39上にセットされているパレ
ット10については,エアシリンダ31を作動してピン30を
下降させ,パレット10のピン孔28からピン30を離脱さ
せ,パレット台29上からパレット10を搬出ストックに搬
出する。パレット台29の搬入側パレット支持部40にセッ
トしたパレット10を加工台17へ送り込んだ後に,エアシ
リンダ13を作動して,パレットチェンジャー12のパレッ
ト台29を元の位置に移動させる。即ち,パレット台29の
搬入側パレット支持部40をパレット搬入部位Aへ且つパ
レット台29の搬出側パレット支持部39を加工台17を対向
する排出入部位Bへ移動させる。搬出側パレット支持部
39は現在ワイヤ放電加工されている工作物Wをセットし
たパレット10を受け入れるために,パレット搬出入部位
Bで待機し,また,搬入側パレット支持部40は更に新し
いパレット10をセットするため,パレット搬入部位Aで
待機する。
以上,この加工機のパレット搬出入装置の作動の一例
について説明したが,上記作動工程を繰り返すことによ
って,パレット10上にセットされた工作物Wをワイヤ放
電加工機1に連続して搬入作動,設定作動及び搬出作動
を行うことができ,ワイヤ放電加工機1で工作物Wを自
動的に且つ無人で放電加工することができる。
次に,この加工機のパレット搬出入装置を半自動的に
作動する場合について,説明する。パレット搬出入装置
を半自動運転する時には,半自動モードのスイッチをオ
ンし,作業者がスイッチ操作を行うことによって,パレ
ットチェンジャー12のパレット台29とワイヤ放電加工機
1の加工台17との間の搬出入動作を行うことができる。
即ち,パレット10に工作物Wをセットして工作物セット
完了のスイッチをオンにする。次いで,パレット10を加
工台へ搬入するスイッチをオンする。上記と同様の作動
工程が実行され,パレット台29の搬入側パレット支持部
40上のパレット10がワイヤ放電加工機1の加工台17上に
セットされる。ワイヤ放電加工機1によって工作物Wに
対する所定の加工形状にワイヤ放電加工が行われて終了
すると,作業者はパレット10を加工台17から搬出するた
めの搬出スイッチをオンする。上記と同様の作動工程が
実行され,加工台17上のパレット10がパレットチェンジ
ャー12のパレット台29の搬出側パレット支持部39上に搬
出され,次いで放電加工が行われたパレット10をパレッ
ト搬出部位Cへ移動させる。
〔発明の効果〕
この発明による加工機のパレット搬出入装置は,上記
のように構成されているので,工作物を予め決められた
位置に固定したパレットを搭載したパレット台を,パレ
ットチェンジャーのパレット台移動装置の作動で前記パ
レットの搬入部位,搬出入部位及び搬出部位間で移動さ
せることができ,次いで,前記パレット搬出入移動装置
によって前記パレットチェンジャーから加工台へ前記パ
レートを自動的に且つ確実に加工機の前記加工台上に高
度の精度で自動的に設定することができる。また,前記
パレットを基準部材に押し付けた状態で前記パレットは
前記加工台へ固定され,工作物の加工位置を前記加工台
に対して正確に且つ確実に設定でき,前記クランプ装置
による前記パレットの固定信号を受けて直ちに工作物に
対する加工を行うことができ,しかも加工精度に悪影響
を及ぼすことがない。このパレット搬出入移動装置は,
前記加工台から前記パレットチェンジャーの前記パレッ
ト台へ自動的に搬出することができる。しかも,工作物
は前記パレットに予め所定の位置に設定されているの
で.前記パレットを前記加工機の前記加工台に所定の工
程で前記パレット引込兼押出し装置の作動の下で前記ク
ランプ装置を作動して固定するだけで,正確に且つ確実
に前記加工機の前記加工台上に対して設定で,放電加工
等の加工工程に入ることができる。
また,前記加工機には,出入口を開放できる前記スラ
イドカバーを備えた前記加工槽カバー装置を設けている
ので,前記加工槽カバー装置は加工液,加工屑等の飛散
を防止し,安全ガードとして機能すると共に,前記スラ
イドカバーの作動に応答して前記加工機の作動の制御を
行うことができる。それ故に,前記パレットチェンジャ
ーを使用することによって前記パレットチェンジャーか
ら前記加工機の前記加工台の所定の位置に確実に且つ正
確に工作物を自動的に且つ無人で設定できる。工作物に
対する加工を行う場合に,工作物の前記加工機への搬
入,設定,加工及び搬出の一連の作業工程を自動的に且
つ無人で行うことができる。
前記加工槽カバー装置の前記スライドカバーの開放状
態に応答して前記パレットを搬出入し且つ前記スライド
カバーの閉鎖状態に応答して前記加工機を稼働するコン
トローラを有するので,前記パレットチェンジャーから
の前記パレットの搬出入作動を正確に且つ確実に行うこ
とができ,しかも前記加工機の作動も前記加工台に工作
物が設定されない状態では稼働することがなく,安全性
に富んだ自動搬出入兼設定の装置を提供できる。
また,前記パレットは,ワイヤ電極を走行させるため
中央部に前記加工機の加工領域より広い切抜き孔,前記
パレットを前記加工台上の所定の位置に設定するため前
記加工台の加工基準部材に合致する基準手段,及び工作
物を前記パレット上の所定の位置に設定するため前記基
準手段から予め決定された位置で且つ前記加工機の加工
領域外側に設けた多数の基準孔を有するので,工作物に
対する種々の加工形状に直ちに適合して対応することが
でき,しかも工作物を前記加工機の加工部位に正確に且
つ確実に設定することができ,工作物に対する加工精度
を向上できる。
更に,前記パレットチェンジャーにおいて,前記パレ
ット台は前記パレットの搬入側パレット支持部と搬出側
パレット支持部を有するので,前記パレットチェンジャ
ーに対して指定の位置をパレット搬入部位,前記加工機
に対するパレット搬出入部位及びパレット搬出領域に設
定し,自動的に連続して前記加工機の前記加工台に対し
て前記パレットを搬出入することができる。また,前記
加工機の工作物の加工時及びパレットの前記加工機への
搬出時に,前記搬入側パレット支持部に前記パレットを
搬入することができ,更に,前記パレットの前記加工機
への搬入時及び前記加工機の工作物の加工時に,前記搬
出側パレット支持部から前記パレットを搬出することが
でき,前記パレットの搬出入作動を効率的に行うことが
でき,加工効率を向上できる。
更に,前記加工台の基準部材を基準面と前記パレット
の基準面とを清掃するための基準面清掃装置を設けたの
で,前記パレットを設定する前記加工台の基準面,前記
パレットの基準面をパレット設定毎に或いは所定期間毎
に清掃でき,前記パレットを常に正確に且つ確実に前記
加工台にセットでき,工作物に対する加工の精度を向上
する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による加工機のパレット搬出入装置の
一実施例を示す概略平面図,第2図は第1図の概略側面
図,第3図は第1図において加工機のヘッドを排除した
状態を示す概略平面図,第4図は第3図の概略側面図,
第5図は第1図のパレット搬出入装置の正面図,第6図
は第5図の平面図,第7図は第5図の側面図,第8図は
加工機のパレット載置部位を示す平面図,第9図は加工
機の正面図,第10図は加工機の側面図,第11図は第9図
の加工台に対するクランプ装置,パレット等の関係を示
す拡大正面図,第12図は加工槽カバー装置の一例を示す
平面図,第13図は第12図の正面図,第14図はこのパレッ
ト搬出入装置におけるパレット,クランプ装置及び位置
決め装置を示す平面図,第15図は第14図の斜視図,第16
図はクランプ装置を示す斜視図,第17図はこのパレット
搬出入装置におけるパレット引込兼押出し装置を示す側
面図,第18図は第1図の加工台の機構を示す側面図,第
19図は第16図のクランプ装置の一部断面の正面図,第20
図はクランプ装置の一部断面の側面図,第21図はクラン
プ装置のエアシリンダを示す一部断面の側面図,第22図
は加工槽カバー装置の一例を示す斜視図,第23図は第22
図の断面図,第24図,第25図,第26図,第27図,第28図
及び第29図はパレットの加工台上への位置決め機構の種
々の例を示す説明図,台30図はこの加工機のパレット搬
出入装置に設けた各エアシリンダの作動を示すエア回路
図,並びに第31図はこの加工機のパレット搬出入装置の
パレットの移動作動を説明する説明図である。 1……ワイヤ放電加工機,2……パレット搬出入装置,4…
…X−Yテーブル,5……スライドカバー,7……クランプ
装置,8……加工槽カバー装置,10……パレット,11……パ
レット引込兼押出し装置,12……パレットチェンジャー,
14……連結バー,15……クランプ,17……加工台,23,24…
…位置決めストッパ,29……パレット台,36……機台,38
……パレット搬出入移動装置,39……搬出側パレット支
持部,40……搬入側パレット支持部,41……パレット台移
動装置,A……搬入部位,B……搬出入部位,C……搬出部
位,W……工作物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−292342(JP,A) 特開 昭61−297064(JP,A) 実開 昭63−158730(JP,U) 実開 平1−81254(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23Q 7/00 B23H 7/00 - 7/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工機のテーブル上に取り付けられた加工
    台,工作物が所定の位置に設定されたパレット,前記テ
    ーブル上に取り付けられた加工槽上に配置し且つ出入口
    を開閉できるスライドカバーを備えた加工槽カバー装
    置,前記パレットを前記加工台に対して引込みと押出し
    とを行うため前記加工機に設けたパレット引込兼押出し
    装置,前記加工台上に搬入された前記パレットを加工基
    準部位に固定するため,前記加工台に設けたクランプを
    備えた連結バーを上下動させるアクチュエータを有する
    クランプ装置,及び前記加工台に隣接して設けられたパ
    レットチェンジャーを具備し,前記パレットチェンジャ
    ーは,前記パレットを搭載できる搬出側パレット支持部
    と搬入側パレット支持部とが並列して設けられたパレッ
    ト台,前記パレットを前記パレット台に搬出入するため
    前記パレット台を機台上で往復移動させるパレット台移
    動装置,及び前記パレットを前記パレット台と前記加工
    台との間で搬入と搬出作動を行うため前記機台に設けた
    パレット搬出入移動装置を備えていることから成る加工
    機のパレット搬出入装置。
  2. 【請求項2】前記加工槽カバー装置の前記スライドカバ
    ーの開放状態に応答して前記パレットを搬出入し且つ前
    記スライドカバーの閉鎖状態に応答して前記加工機を稼
    働するコントローラを有することから成る請求項1に記
    載の加工機のパレット搬出入装置。
  3. 【請求項3】前記パレットは,ワイヤ電極を走行させる
    ため中央部に前記加工機の加工領域より広い切抜き孔,
    前記パレットを前記加工台上の所定の位置に設定するた
    め前記加工台の加工基準部材に合致する基準手段,及び
    工作物を前記パレット上の所定の位置に設定するため前
    記基準手段から予め決定された位置で且つ前記加工機の
    加工領域外側に設けた多数の基準孔を有することから成
    る請求項1に記載の加工機のパレット搬出入装置。
  4. 【請求項4】前記機台は一端に前記パレットを前記パレ
    ット台へ搬入する搬入部位,他端に前記パレットを前記
    パレット台から搬出する搬出部位及び中央に前記パレッ
    ト台と前記加工台との間で前記パレットを搬出入する搬
    出入部位を備え,前記パレット台移動装置は,前記搬入
    側パレット支持部と前記搬入部位と前記搬出入部位との
    間で且つ前記搬出側パレット支持部を搬出入部位と前記
    搬出部位との間で往復移動させることから成る請求項1
    に記載の加工機のパレット搬出入装置。
  5. 【請求項5】前記アクチュエータはコントローラの指令
    で前記パレットの基準手段を前記加工台の基準手段に押
    し付けて前記パレットを所定の位置に静止させた状態で
    作動することから成る請求項1に記載の加工機のパレッ
    ト搬出入装置。
  6. 【請求項6】前記加工台の基準部材の基準面と前記パレ
    ットの基準面とを清掃するため,前記加工機には基準面
    清掃装置が設けられていることから成る請求項1に記載
    の加工機のパレット搬出入装置。
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