JP2880163B2 - ペロブスカイト型超電導部材 - Google Patents
ペロブスカイト型超電導部材Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、ペロブスカイト型超電導材及びこれを用い
た超電導部材に係り、特に高い超電導転移温度を有する
に好適なプロブスカイト型超電導材及び超電導部材に関
する。 〔従来の技術〕 従来、酸化物系の超電導材料及びその製法について
は、ツァイト シュリフト フューアフィジーク B64
(1987年)第189頁から第193頁(Zeitschfti fur Physi
k B64(1986)pp189−193)、サイエンス235(1987
年)第567頁から第569頁(Science,235(1987)pp567−
569)、及びフィジカル レヴュー レターズ58(1987
年)第908頁から第910頁(Physical Review Lerrers58
(1987)pp(908−910)などにおいて論じられている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来技術は、100K以上の超電導転移温度を有する
酸化物超電導材料及びその製法について配慮がなされて
おらず、これらの材料を超電導状態で使用する場合に
は、液体窒素温度(78K)レベルに冷却しなければなら
ないという問題があった。 本発明の目的は150K以上の超電導転移温度を有するペ
ロブスカイト型超電導材及びこれを用いた超電導部材を
得ることにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明に係る超電導材は、下式で示されるペロブスカ
イト状結晶構造を有し、式中のL元素、スカンジウム
(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)などのラ
ンタノイド元素、並びにI a族金属元素の群から選ばれ
た少なくとも一つの元素であり、式中のA元素はバリウ
ム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)な
どのアルカリ土類金属元素の群から選ばれた少なくとも
一つの元素であり、さらに酸素(O)、及び酸素空孔に
より形成される八面体結晶構造の中心部に位置する式中
のM元素は元素周期表のV a族元素であるバナジウム
(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、またはIV a族
元素であるチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニ
ウム(Hf)の群から選ばれた少なくとも一つの元素であ
るペロブスカイト型超電導部材において、前記酸素及び
酸素空孔の一部をふっ素(F)、塩素(Cl)あるいは窒
素(N)で構成するようにし、酸素とを含むペロブスカ
イト型超電導材の露出部分を酸素防壁膜、及び/または
バッシベーション膜にて被覆したことを特徴とするペロ
ブスカイト型超電導部材。 (LxA1-x)iMOj−δGk ……(1) 但し、この式で、 xは、0<x<1であり、 iは、i=1,3/2,または2であり、 j及びkは、i=1のとき j+k=3 i=3/2のとき j+k=7/2 i=2のとき j+k=4 である。 δは、酸素の欠損量、Gは、ふっ素(F)、塩素(C
l)あるいは窒素(N)である。 〔作用〕 上記ペロブスカイト状結晶構造を有する本発明の酸化
物超電導材料は、M元素であるV a族元素あるいはIV a
族元素の原子をその中心にもつ、6個の酸素原子の八面
体構造を基本構成とするもので、この材料は前記八面体
を構成する酸素の欠損、即ち酸素空孔が1つあるいは複
数個存在するので、その酸素の欠損により、温度150K以
上においても超電導電子対を形成するに必要な強い引力
相互作用が発生しているものと予想される。 また、本発明によれば、L元素,A元素及びM元素を所
定の化学量論組成比で含む混合物を真空中還元性あるい
は弱い酸化性雰囲気中で高温加熱し、反応させることに
より、前記混合物の非晶質または多結晶質の酸化物の粉
末を得、これを成形し、焼結することにより前記酸化物
の多結晶質あるいは結晶質の上記(1)または(2)式
に示すような酸化物超電導材料が得られる。 さらに、本発明の他の製法によれば、L元素、A元素
及びM元素を所定の化学量論組成比で含む膜を、テープ
上、または基板上に形成し、これを真空中、還元性ある
いは弱い酸化性雰囲気中で熱処理することにより反応さ
せ、多結晶質あるいは結晶質の上記(1)または(2)
式に示すような酸化物超電導材料が得られる。 V a族、IV a族元素は複数の価数を操り得る。価数が
多いもの(例えばNb2の如く酸素元素比率が多いもの)
は一般に安定であり、元素単体或いは低酸素化合物も酸
化雰囲気での加熱により通常は最も酸素の価数の多いも
のとなる。従って特に望ましい原料セラミクスはNbO,Ta
O,VO,ZrO,TiO,HfO等である。いずれにせよこれらの価数
のものがペロブスカイト成形体中に残存することによ
り、当該成形体中では価数の移動(例えば2価()5
価)が起こり、これが安定性を高めると推定される。 上記のように酸素と第1〜第3元素との価数合計を±
0.5の範囲で等しくすることが望ましいが、±0.5の意味
するところは酸素欠陥の若干の過不足は差し支えなく実
質的に等しくなれば良いということである。 上記(1)式中のMは更に(M′1-zM″z)(但し、
この式で、0≦z<1)で表わされ、M′元素は、元素
周期表のV a族元素であるバナジウム、ニオブ、タンタ
ル、またはIV aの族元素であるチタン、ジルコニウム、
ハフニウムの群から選ばれた一つの元素であり、M″元
素は、前記V a族元素、IV a族元素または銅(Cu)の中
から選ばれた少なくとも一つの元素であることを有効で
ある。また(1)式中のAは(A′1-dA″d)(但し、
この式で、0≦d<1)で表わされ、A′またはA″元
素はそれぞれバリウム、ストロンチウム、カルシウムな
どのアルカリ土類金属元素の群から選ばれた一つの元素
が有効である。 本発明による新材料を例示すれば次の通りである。 (LaxSr1-x)2M′CuzOy (0.6≦x<0.9) (LaxSr1-x)2M′1-zCuOy (0.4≦x≦0.6) (YxBa1-x)2M′1-zCuzOy (0.4≦x≦0.6) 所謂ABO3型としてLiBa3Nb3O7 所謂A2BO4型としてLiBaNbO 所謂A3B2O6型としてLiBa2Nb2O6 一方、F,Cl,N等の元素を併有する場合には望ましくは
上記の(3)式の構造を有し、M元素であるV a族元素
あるいはIV a族元素の原子をその中心にもつ、6個のイ
オン配置に、酸素原子,酸素欠損及びふつ素,塩素、あ
るいは窒素原子を配置させることにより、化学的に安定
で、かつ温度150K以上においても超電導電子対を形成す
るに必要な強い引力相互作用が発生できる。 〔実施例〕 以上説明した本発明は以下の実施例にて詳細が明らか
になる。但し、比較参考のため他の例も併記してある。 本発明の酸化物超電導材料は第1図,第2図に示すよ
うなペロブスカイト状結晶構造を有している。この図は
単位格子を示しており、その化学式は、 (LxA1-x)iMOy ……(1) で表わせる。この式で、xは0<x<1であり、iはi
=1,3/2,または2であり、yは、i=1のとき0<y≦
3,i=3/2または2のとき0<y≦4である。また、
(1)式中のL元素はスカンジウム(Sc)、イットリウ
ム(Y)、またはランタン(La)などのランタノイド元
素或いはリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム
(K)のI a族金属元素の中から選ばれた少なくとも一
つの元素であり、式中のA元素はバリウム(Ba)、スト
ロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)などのアルカリ土
類金属元素の中から選ばれた少なくとも一つの元素であ
り、さらに酸素(O)及び酸素空孔により形成される八
面体結晶構造の中心部に位置する式中のM元素は元素周
期表のV a族元素であるバナジウム(V)、ニオブ(N
b)、タンタル(Ta)、またはIV a族元素であるチタン
(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)の中か
ら選ばれた少なくとも一つの元素である。(1)式中の
Mには6個の酸素が図に示すように八面体形に配位して
いる。この6個の酸素のうち1個あるいは2個が抜ける
ことにより、Mをその面心にもつ4個の酸素の四角い
面、あるいは2個の酸素と2個の酸素空孔を作る四角い
面が複数層現われ、これらは2次元的に結晶体中でつな
がっている。この2次元的に連続した四角い面の発生に
伴い、超電導電子対を形成するに必要な強い引力相互作
用が発生し、こうして発生した超電導電子対は、前記2
次元的に連続した四角い面に沿って流れるものと予想さ
れる。ここでM元素として、V a族のバナジウム
(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)あるいはIV a族
のチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(H
f)の群から選ばれた1個あるいは複数の元素を含むよ
うにする。これによって、前記酸素の抜け、即ち酸素空
孔の形成が促進され、前記M元素をその面心にもつ酸素
の2次元的な四角い連続面が形成される。 (1)式中のM元素が二元系元素、即ち(M′1-zM″
z)(但しこの式で0≦z<1)で表わせる酸化物超電
導材料としてもよい。この場合、M′元素は、元素周期
表のV a族元素であるバナジウム、ニオブ、タンタル、
またはIV a族元素でありチタン、ジルコニウム、ハフニ
ウムの中から選ばれた一つの元素であり、M″元素は、
前記V a族元素またはIV a族元素の他に銅(Cu)を選択
することも可能である。 また、(1)式中のA元素が二元系元素、即ち(A′
1-dA″d)(但し、この式で、0≦d<0)で表わせる
酸化物超電導材料としてもよい。この場合、A′または
A″元素はそれぞれバリウム、ストロンチウム、カルシ
ウムなどのアルカリ土類金属元素の中から選ばれた一つ
の元素である。 上述した本実施例の酸化物超電導材料の好適な例とし
ては次の各式で表わせるものが挙げられる。 (LaxSr1-x)2M′1-zCuzOy (LaxSr1-x)M′1-zCuzOy (YxBa1-x)M′1-zCuzOy これら各式でxは、0.4≦x<0.6であることが望まし
く、特にx≒0.5が良い。 一方、化学式が上記(3)式で示されるものはL元
素、A元素共(1)、(2)式と同じ群から選ばれ、加
えて、酸素(O),酸素空孔及びふつ素(F),塩素
(Cl),窒素(N)の中から選ばれた一つの元素である
G元素より形成される八面体結晶構造の中心部に位置す
る式中のM元素は元素周期表のV a族元素であるバナジ
ウム(V),ニオブ(Nb),タンタル(Ta)、またはIV
a族元素であるタチン(Ti),ジルコニウム(Zr),ハ
フニウム(Hf)の群から選ばれた少なくとも一つの元素
である。(3)式中のMには6個の酸素,酸素欠損,G元
素が図に示すように八面体形に配位している。こうし
て、酸素とM元素の線が1次元的に結晶巾でつながるよ
うになる。この1次元的に連続した酸素とM元素の発生
に伴い、超電導電子対を形成するに必要な強い引力相互
作用が発生し、こうして発生した超電導電子対は、前記
1次元的に連続した線に沿って流れるものと予想され
る。ここで、M元素として、V a族のバナジウム
(V),ニオブ(Nb),タンタル(Ta)、またはIV a族
のタチン(Ti),ジルコニウム(Zr),ハフニウム(H
f)の群から選ばれた1個あるいは複数の元素を含むよ
うにする。ふつ素(F),塩素(Cl),窒素(N)の中
から選ばれたG元素を導入することにより、化学的に結
晶が安定化し、かつM元素と酸素の1次元的な連続が規
則的に形成される。 次に、本発明のペロブスカイト型超電導材料の製法に
ついての実施例を説明する。 (LaxSr1-x)2NbOyで表わせるペロブスカイト状結晶
構造を有する酸化物超電導材料の製法について説明す
る。酸化ランタン(La2O3)粉末、炭酸ストロンチウム
(SrCO3)粉末、および酸化ニオブ(NbO)または純金属
のニオブ(Nb)の粉末を所定の化学量論組成に秤量し、
その混合粉末を酸化性雰囲気中で約900〜1500℃で数時
間加熱して反応させる。この時、NbOを使用する場合は1
300〜1500℃ Nbを使用する場合は900〜1100℃が好まし
い。次に、その混合反応物を粉砕し、これを適当な形状
にプレス成形し、前記反応温度よりもやや高い温度で、
焼結することによって、所望の形状の酸化物超電導材料
を得ることができる。 なお、本実施例により製造された焼結体;(La0.5Sr
0.5)2NbO4をX線回折法で測定したところ、2θが24.6
゜、31.1゜、33.6゜、43.2゜、47.9゜、54.6゜、55.4
゜、65.4゜にピークを示し、結晶質化しており、かつ焼
結体の色調は黒色に近かった。 本発明の確認によれば、本発明系統の材料の2θは上
記(1)式がi=2の場合(所謂(L・A):M=2:1の
場合)は上記(La0.5Sr0.5)2NbO4と同様の2θが出
る。 (LaxSr1-x)2NbOyで表わせるペロブスカイト状結晶
構造を有する酸化物超電導材料の製法についても、上記
と同様に実施できる。一例としてこの製法で得られたLa
SrNbOy(yは4と推定される)のEPMA分析の結果を第3
図に示す。所定の2θ、後述の超電導特性、並びに第3
図の分析値より、本実施例に係る酸化物が上記組成のペ
ロブスカイト型超電導材であることが同定される。尚、
図中の(1)はLaLβ2.4583Å、(2)はLaLα2.6851
Å、(3)はLaLβ2.4583Å、(4)はNbLβ5.4914Å、
(5)はNbLα5.7235Å、(6)はSrLβ6.6234Å、
(7)はSrLα6.8624Å、(8)はLaLα2.6651Åを示
す。 このLaSrNbO4を例にとれば焼成直後の特性は第4図の
通りであり、第4図の測定の為一旦200Kまで試料温度を
下げたものを再度抵抗測定すれば、第5図の通りとな
り、再現性もあり、かつ比較的安定となる。第5図が示
す通り本実施例品は315Kで電気抵抗が下がり始め、300K
で電気抵抗がゼロとなり、測定上の若干のノイズ域をは
ずしても255Kで完全に抵抗ゼロとなる。一方各図にχ
(%)で示した通り、マイスナ効果も確認された。χは
帯磁率であり、完全超電導(Nb4.2K)基準に対する帯磁
性の比率であって、これが負を示せばすなわちマイスナ
効果を具備することになる。尚、電流条件は3mA/cm2で
ある。 尚、このように温度サイクルをかけることにより所定
の超電導特性を得るよう調整することも可能である。更
に所定の特性を示す温度域を限定して超電導応用機器を
使用することも可能であり、第5図の300Kの位置のよう
に完全抵抗ゼロに一時的にでもなる領域があればこの領
域での使用、あるいはこの領域を利用して(上温域・下
温域にて抵抗が変化することから)スイッチング材とし
ての使用も好ましい。 (YxBa1-x)NbOyで表わせるペロブスカイト状結晶構
造を有する酸化物超電導材料の製法の場合には、出発原
料粉末として酸化イットリウム(Y2O3)、炭酸バリウム
(BaCO3)、酸化ニオブ(Nb2O5)または純金属のニオブ
(Nb)を所定の組成に秤量し、これを混合後、高温で反
応熱処理を行う。こうして得られた反応混合物の粉末を
成形し、焼結することによって、酸化物超電導材料を得
ることができる。 なお、本実施例{(Y0.4Ba0.6)NbO3}により製造さ
れた焼結体をX線回折法で測定したところ、2θが22.7
゜、32.7゜、38.5゜、40.3゜、46.6゜、47.5゜、58.2
゜、58.9゜、68.9゜にピークを示し、結晶化しており、
かつ焼結体の色調は黒色に近かった。 本発明者の確認によれば、本実施例系統の材料の2θ
(上記(1)式のi=1の場合)は上記(YxBa1-x)NbO
yとほぼ同様に2θは32.6゜38.5゜、40.4゜、47.0゜、5
8.5゜などにピークを示し、結晶化しており、かつ焼結
体の色調は黒色に近かった。 L元素に2種以上用いても本発明のものが得られる。
例えば((ScaY1-a)bBa1-b))NbOx(xは7と推定)
である。ここでa,bは夫々0<a,b<1である。原料粉末
はこの場合、Sc2O3,Y2O3,BaCO3、並びにNbO或いは純Nb
(純Nbなら還元雰囲気での処理を要す)である。i=1
の場合の2θが得られる。 L元素にI a族の代表例としてLiを用いるにはLi相当
の原料粉末はLi2Oとすべきである。こうして得られたペ
ロブスカイトの代表例は、(LiaBa1-a)NbOであり、2
θはi=1の系と同様である。 (LaxSr1-x)ZrOyで表わせるペロブスカイト状結晶構
造を有する酸化物超電導材料の製法の場合には、出発原
料粉末として、La2O3,SrCO3,酸化ジルコニウム(ZrO2)
または純金属のジルコニウム(Zr)を所定の組成に秤量
し、これを混合後、高温で反応熱処理を行う。こうして
得られた反応混合物の粉末を形成し、焼結することによ
って、酸化物超電導材料を得ることができる。 (YxBa1-x)ZrOyで表わせるペロブスカイト状結晶構
造を有する酸化物超電導材料の製法の場合には出発原料
粉末としてY2O3、BaCO3、ZrOまたはZrを所定の組成に秤
量し、これを混合後、高温で反応熱処理を行う、こうし
て得られた反応混合物の粉末を成形し、焼結することに
よって、酸化物超電導材料を得ることができる。 (LaxSr1-x)TaOyで表わせるペロブスカイト状結晶構
造を有する酸化物超電導材料の製法の場合には、出発原
料粉末としてLa2O3、SrCO3、酸化タンタル(Ta2O3、Ta
O)または純金属のタンタル(Ta)を所定の組成に秤量
し、これを混合後、高温で反応熱処理を行う。こうして
得られた反応混合物の粉末を成形し、焼結することによ
って、酸化物超電導材料を得ることができる。 (YxBa1-x)TaOyで表わせるペロブスカイト状結晶構
造を有する酸化物超電導材料の製法の場合には、Y2O3、
BaCO3、Ta2O3またはTaOまたはTaの組合せで同様に製造
できる。 以上説明したことから、(LxA1-x)iMOyで表わされる
ペロブスカイト状結晶構造を有する酸化物超電導材料の
製法においては、上述した実施例のように、L元素とし
てその酸化物(Y2O3,La2O3,Sc2O3,Yb2O3,Er2O3,Ho2,O3,
Dy2O3)を用い、A元素としてその炭酸化物(BaCO3,SrC
O3,CaCO3)を、そしてM元素としては、その酸化物(V
O,Nbo,TaO,Ta2O3,TiO,TiO2,ZrO,ZrO2,HfO,HfO2等)或い
はその純金属粉末(V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hf)を使用すること
により製造できる。 (Lx(A′1-dA″d)i-x)iMOy(但し、0≦d<
1)で表わされるペロブスカイト状結晶構造において
は、前述した(LxA1-x)iMOyの中のA素を2元素系とす
るもので、例えば、(Lax(Sr1-dCad)i-x)iMOyの場合
は、La2O3,SrCO3,CaCO3の粉末、及びM元素の酸化物ま
たは純金属の粉末を所定の組成に秤量し、これと混合
後、高温で反応熱処理を行う。こうして得られた反応混
合物を成形し、焼結することにより酸化物超電導材料を
得ることができる。 (LxA1-x)iM′1-zM″zOyで表わされるペロブスカイ
ト状結晶構造においては、前述した(LxA1-x)iMOyの中
のM元素を2元素系とするもので、例えば、(LxA1-x)
iNb1-zZrzOyの場合は、L元素の酸化物の粉末、A元素
の炭酸化物の粉末、及びNbO,ZrO2(あるいはNb,Zr)の
粉末を所定の組成に秤量・混合し、これを高温で反応熱
処理を行う)。こうして、得られた反応混合物を成形
し、焼結することにより酸化物超電導材料を得ることが
できる。 (LaxSr1-x)2NbOj−δFkで表わせるペロブスカイト
状結晶構造を有するものについて説明する。酸化ランタ
ン(La2O3)粉末、ふつ化ストロンチウム(SrF2)粉
末、及び酸化ニオブ(NbO)粉末を所定の化学量論組成
に秤量し、その混合粉末を酸化性雰囲気中またはふつ素
ガスを含む酸化性雰囲気中で、800℃〜1000℃で数時間
加熱して反応させる。次に、その混合反応物を粉砕し、
これを適当な形状にプレス成形し、前記反応温度よりも
やや高い温度で、焼結することによって、所望の形状の
ペロブスカイト型超電導セラミクスを得ることができ
る。 (YxB1-x)2NbOj−δFkで表わせるペロブスカイト状
結晶構造を有するものの製法の場合には、出発原料粉末
として酸化イツトリウム(Y2O3),ふつ化バリウム(Ba
F2),酸化ニオブ(NbO)または純金属のニオブ(Nb)
を所定の組成に秤量し、これを混合後、高温で反応熱処
理を行う。こうして得られた反応粉末を成形し、焼結す
ることによって、ペルブスカイト型超電導セラミクスを
得ることができる。 (YxBa1-x)2NbOj−δFkで表わせるペロブスカイト
状結晶構造を有するものの製法の場合には、出発原料粉
末として酸化イツトリウム(Y2O3),塩化バリウム(Ba
Cl2),酸化ニオブ(NbO)を所定の組成に秤量し、これ
を混合後、高温で反応熱処理を行う。こうして、得られ
た反応粉末を成形し、焼結することによつて、ペルブス
カイト型超電導セラミクスを得ることができる。 以上説明したことから、(LxA1-x)iMOj−δGkで表
わせるペロブスカイト状結晶構造を有する超電導材料の
製法においては、上述した実施例のように、L元素とし
てその酸化物(Y2O3,La2O3,Sc2O3,Yb2O3,Er2O3,Ho2O3,D
y2O3,Gd2O3など)を用い、A元素としてはそのふつ化物
(BaF2,SrF2,CaF2)あるいはその塩化物(BaCl2,SrCl2,
CaCl2)を、そしてM元素としてはその酸化物(NbO,VO,
ZrO2,TiO2など)を使用することにより製造できる。ま
た、A元素としては、その炭酸化物(BaCO3,SrCO3,CaCO
3)とそのふつ化物あるいは塩化物の混合物でもよい。
また、M元素として、そのふつ化物,塩化物あるいは窒
化物を出発原料としてもよい。 ところで、原料混合粉末の反応温度、反応時間などの
反応雰囲気条件、その後の焼結条件は、使用元素の違
い、組成比の違い、粉末の状態などによって変化するの
で、適宜選択されなければならないことは言うまでもな
い。特に、M元素の純金属粉末を使用する場合、酸化性
雰囲気ではその反応が急激であるため、還元性雰囲気で
熱処理することが望ましい。また、雰囲気条件はG元素
がふつ素の場合にはふつ素を含む酸化性雰囲気、またG
元素が塩素の場合には塩素を含む酸化性雰囲気が望まし
い。 さて、焼結後には、G元素(F,Cl,N)が所望の組成比
より少ない場合には、後にイオンプランテーシヨンなど
により、G元素のイオンを注入してもよい。 上記の製法により得られた(LaxSr1-x)2NbOy,(ここ
で、0<y≦4,x=0.5)、及び(YxBa1-x)2NbOy,(こ
こで、x=0.5,0<y≦3)の焼結体の電気抵抗の温度
特性を第6図に示す。これらの特性は、化学量論組成比
熱処理条件(焼成温度パターン、焼成時の雰囲気、アニ
ール熱処理条件など)により大きく変化するので、第6
図は単なる例示にすぎない。電気抵抗は温度の減少に従
い、約280Kより急激に減少し、完全に電気抵抗が零にな
るのは約250Kである。即ち、約280Kから超電導状態にな
り始め、約250Kで完全に超電導状態へ転移したことにな
る。この場合、転移幅は30Kと非常に大きいが、焼結時
の熱処理条件や、焼結後のアニール熱処理により、更
に、転移幅を小さくすることができる。 原料混合粉末の反応温度や焼結時の熱処理温度は、
(LxA1-x)iM1-zCuzOy(但し、0<z<1)のように、
M元素をCuで置換することにより、低減できる。このと
き、超電導特性に大きな劣化はない。 上記の製法により得られたLa1Sr1NbO2−δF1及びY
0.5Ba0.5NbO2−δClの焼結体の電気抵抗の温度特性を
第7図に示す。これらの特性は、出発化学量論組成比,
熱処理条件(焼成温度パターン,焼成時の雰囲気,アニ
ール熱処理条件など)により、大きく変化するので、第
7図は単なる例示にすぎない。電気抵抗は、温度の減少
に従い、約320Kより急激に減少し、約300Kで完全に電気
抵抗が零になる。即ち、約300Kから超電導状態になり始
め、約300Kで完全に超電導状態へ転移したことになる。
この場合、転移幅は約20Kと大きいが、焼成時の熱処理
条件や、焼結後のアニール熱処理により、さらに転移幅
を小さくすることができる。また、これらの物質は、化
学的に充分安定であり、上記超電導特性は、経年変化は
ほとんどない。 次に、実施例のペロブスカイト型超電導材料の薄膜の
製造法の具体的な一例を説明する。上記焼結法により得
られたセラミクスをターゲツトとして用い、アルゴンガ
ス雰囲気中あるいは適当な酸素分圧及びふつ素あるいは
塩素分圧をもつアルゴンガス雰囲気中ではスパツタリン
グによつて、Al2O3単結晶あるいはAl2O3セラミクスの基
板上に、所望の形状及び厚みの膜を堆積できる。また、
微妙な膜厚調整,化学量論組成比の調整が必要な場合に
は、分子線エピタキシー法により膜を堆積できる。その
他、膜形成法として従来から知られている物理的方法,
化学的方法及び物理化学的方法を利用できることは言う
までもない。また、膜形成後、G元素の不足分は後でイ
オンプランテーションなどの方法により、補給できる。 前記、Cuを含む材料の具体的な製造方法のプロセスの
一例を第8図で説明する。L元素の酸化物粉末、A元素
の炭酸化物粉末及び第2酸化銅CuO粉末を所定の組成と
なるように秤量し、この混合粉末を酸化性雰囲気中にお
いて900〜1000℃で加熱反応させる。この反応混合粉末
に、M元素であるV a族元素(V,Nb,Ta)あるいはIV a族
元素(Ti,Zr,Hf)の中より選ばれた1つまたは複数の純
金属粉末を所望の化学量論的な量を秤量し、混合する。
このようにして得た前工程混合粉末を再度、真空中、還
元性あるいは弱い酸化性雰囲気(この場合の雰囲気は、
例えば2価のNbOが5価のNb2O5に酸化されない程度)中
で加熱反応処理を行うことにより、(LxA1-x)iM1-zCuz
Oyの粉末を得ることができる。こうして得られた最終反
応粉末をプレス成形し、焼結することにより、適当な形
状を有する酸化物超電導材料を製造できる。また、上記
の前工程反応混合粉末あるいは最終反応粉末を銅などの
金属管へ充填したり、金属テープに膜として付着させ
て、反応焼結することにより、本発明の酸化物超電導材
料で製作した超電導線を製造できる。尚、反応焼結熱処
理後は酸化性雰囲気中でアニール熱処理することが望ま
しい。 次に、本発明の酸化物超電材料の薄膜の形成法の具体
的な一例を説明する。上記の焼結法により得られた磁器
をターゲットとして用い、アルゴンガス雰囲気中あるい
は適当な酸素分圧をもつアルゴンガス雰囲気中でのスパ
ッタリングによって、Si単結晶、Al2O3単結晶、SiO2単
結晶、MgO単結晶、ZrO2単結晶、あるいはこれらの多結
晶体の基板上に本発明の酸化物超電導薄膜を直接、所望
の形状及び厚みの膜を堆積できる。また、微妙な膜厚調
整、化学量論組成比の調整が必要な場合には、分子線エ
ピタキシー法により膜を堆積できる。その他、膜形成法
として従来から知られている物理的方法、化学的方法も
利用できることは言うまでもない。いずれの場合におい
ても、膜成長条件を最適化することにより、第6図で示
したような超電導特性を得ることができる。 以上説明したような基板上に直接所望の化学量論組成
をもつ酸化物超電導薄膜を形成する方法以外に、第9図
に示すようにAl2O3単結晶などの基板1に先ずM元素の
金属薄膜2を成長させ、次にL元素及びA元素の適当な
化学量論組成比をもつ膜3を堆積させ、その後熱処理に
より金属薄膜2と膜3を反応させ、この膜2,3の部分の
一部または全部を本発明に係わる酸化物超電導薄膜4に
転化することができる。このとき、先にL元素及びA元
素の膜3を堆積し、次にM金属薄膜2を成長させて、熱
処理しても同様の効果が得られる。 基板上の電気配線に本発明の超電導材料の薄膜を使用
する場合、電気絶縁性のセラミクス基板の上に所望のパ
ターン形状の膜をスクリーン印刷し、これを焼付けるこ
とも可能である。同様に、多層配線されたセラミクス基
板を製作することもできる。 テープ状の酸化物超電導材料を製造する場合には、M
元素(V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hf)の金属テープ上に、L元素
(ランタノイド元素の群から選ばれた一つの元素)及び
A元素(Ba,Sr,Ca)の適当な化学量論組成LxA1-x、但
し、(0<x<1)の膜を、スパッタ法などの従来から
知られた膜堆積法や粉末塗布焼付法などで付着させ、そ
の後の熱処理工程により、M元素の金属テープの一部あ
るいは全部と反応させる方法がよい。この場合、銅、銅
合金あるいはステンレス鋼などの金属線をベース材料と
して、まずLxA1-xの膜をその表面に形成し、その上にM
元素の金属膜を堆積し、その後の熱処理工程により、反
応させることにより、本発明の酸化物超電導線を製造で
きる。このとき、LxA1-x膜とM元素の金属膜を交互に複
数層形成することにより、熱処理時の反応性を著しく向
上させることができる。 (LxA1-x)iM1-zCuzOyで表わせるペロブスカイト状結
晶構造を有する酸化物超電導薄膜を形成する場合には、
Al2O3単結晶などの基板上に、先ずM元素の金属膜を形
成し、この上に(LxA1-x)iCuOyの膜を不活性雰囲気中
で堆積し、その後真空中あるいは酸化物雰囲気中で熱処
理することにより、M元素の金属原子が拡散し、Cu原子
と置換する過程により達成される。そのため、前記2種
類の膜、即ちM元素の金属膜と(LxA1-x)iCuOyの酸化
物の膜を交互に複数層形成した後に、熱処理により、Cu
原子とM元素の原子の置換を高めることができる。ま
た、(LxA1-x)iCuOyの酸化物セラミクスを基板とし
て、M元素の金属膜を形成し、熱処理するなど、いろい
ろな手法であることは言うまでもない。 本発明によれば、いずれの実施例においても、超電導
転移温度が150K以上の酸化物超電導材料を得ることは容
易でり、200K以上の転移温度を示すもの、更には第6図
に示すように250K以上の転移温度を示す酸化物超電導材
料を容易に得ることができる。 尚、第8図においては熱処理雰囲気を還元性としてい
るが、真空中でも酸化性雰囲気でも差し支えない。但
し、酸化性雰囲気の場合は例えば原料のNbOがNb2O5にな
らない程度、すなわち原料IV a,V a族酸化組成分の酸化
数(価数、酸素比率)が高まらぬ範囲に止める必要があ
る。 製造されたペロブスカイトの構成成分の各価数の関係
は例示すると次表の通りである。 上記のように酸素の総価数と他元素の総分数が実質的
にバランスしていれば安定な(劣化にしくい)ものが得
られる。尚、この為には若干の酸素欠陥の過不足は差し
支えなくよって両総価数の差は±0.5の範囲ならば有効
となる。実際には得られるペロブスカイト中において同
じ元素内で異なる価数(Nbの場合は2価5価)間を相
互に移動する状態にあり、かつ少なくとも低価数(前記
の例では2価)のものを備えることが望ましい。 アニーリングとは酸化性雰囲気でも還元性雰囲気でも
良い。 この他得られる超電導材の劣化を防止すべく、原料の
適正な化学量論的組成比の選択と、イオン半径や電気的
中性についても配慮を要する。 第10図は本発明の一実施例に係る超電導部材であり、
上述の易酸化性の問題を解決すべく本例では酸素防止膜
5を用いている。即ち基板1上に配設した超電導薄膜4
の露出部分(即ち側面及び上面)全体に酸素防止膜5を
被覆する。酸素防止膜5の具体例としては銅や合成樹脂
等がなければ、要するに外部の酸素の侵入でペロブスカ
イト中の残留低価数原子が酸化されることを防止する機
能を具備する。応用例として本発明材料を線材化する際
のクラッド材(表面層、外側層)に酸素防壁膜を施こし
ても良い。 第11図は本発明の超電導材を薄膜化させたもの複数枚
の各間に絶縁シート7を介在させたものでこの絶縁シー
トは超電導材料同様、ペロブスカイト系のものが適す
る。これは両者の格子定数や結晶構造がペロブスカイト
という点で同一若しくは近似している為に界面状態が良
くなるからである。尚各シートの厚さは10〜20Åが適す
る。絶縁シートの具体例としてはSrTiO3やLiNbO3であ
り、特に後者は本発明超電導材として含Nb材を使用した
場合に親和性がある故有効である。 〔発明の効果〕 本発明によれば、超電導転移温度を150K以上とするこ
とができる酸化物超電導材料が得られるので、超電導状
態を保つのに、液体窒素温度レベルなどの極低温環境を
必要としない超電導材料が得られるという効果がある。
た超電導部材に係り、特に高い超電導転移温度を有する
に好適なプロブスカイト型超電導材及び超電導部材に関
する。 〔従来の技術〕 従来、酸化物系の超電導材料及びその製法について
は、ツァイト シュリフト フューアフィジーク B64
(1987年)第189頁から第193頁(Zeitschfti fur Physi
k B64(1986)pp189−193)、サイエンス235(1987
年)第567頁から第569頁(Science,235(1987)pp567−
569)、及びフィジカル レヴュー レターズ58(1987
年)第908頁から第910頁(Physical Review Lerrers58
(1987)pp(908−910)などにおいて論じられている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来技術は、100K以上の超電導転移温度を有する
酸化物超電導材料及びその製法について配慮がなされて
おらず、これらの材料を超電導状態で使用する場合に
は、液体窒素温度(78K)レベルに冷却しなければなら
ないという問題があった。 本発明の目的は150K以上の超電導転移温度を有するペ
ロブスカイト型超電導材及びこれを用いた超電導部材を
得ることにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明に係る超電導材は、下式で示されるペロブスカ
イト状結晶構造を有し、式中のL元素、スカンジウム
(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)などのラ
ンタノイド元素、並びにI a族金属元素の群から選ばれ
た少なくとも一つの元素であり、式中のA元素はバリウ
ム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)な
どのアルカリ土類金属元素の群から選ばれた少なくとも
一つの元素であり、さらに酸素(O)、及び酸素空孔に
より形成される八面体結晶構造の中心部に位置する式中
のM元素は元素周期表のV a族元素であるバナジウム
(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、またはIV a族
元素であるチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニ
ウム(Hf)の群から選ばれた少なくとも一つの元素であ
るペロブスカイト型超電導部材において、前記酸素及び
酸素空孔の一部をふっ素(F)、塩素(Cl)あるいは窒
素(N)で構成するようにし、酸素とを含むペロブスカ
イト型超電導材の露出部分を酸素防壁膜、及び/または
バッシベーション膜にて被覆したことを特徴とするペロ
ブスカイト型超電導部材。 (LxA1-x)iMOj−δGk ……(1) 但し、この式で、 xは、0<x<1であり、 iは、i=1,3/2,または2であり、 j及びkは、i=1のとき j+k=3 i=3/2のとき j+k=7/2 i=2のとき j+k=4 である。 δは、酸素の欠損量、Gは、ふっ素(F)、塩素(C
l)あるいは窒素(N)である。 〔作用〕 上記ペロブスカイト状結晶構造を有する本発明の酸化
物超電導材料は、M元素であるV a族元素あるいはIV a
族元素の原子をその中心にもつ、6個の酸素原子の八面
体構造を基本構成とするもので、この材料は前記八面体
を構成する酸素の欠損、即ち酸素空孔が1つあるいは複
数個存在するので、その酸素の欠損により、温度150K以
上においても超電導電子対を形成するに必要な強い引力
相互作用が発生しているものと予想される。 また、本発明によれば、L元素,A元素及びM元素を所
定の化学量論組成比で含む混合物を真空中還元性あるい
は弱い酸化性雰囲気中で高温加熱し、反応させることに
より、前記混合物の非晶質または多結晶質の酸化物の粉
末を得、これを成形し、焼結することにより前記酸化物
の多結晶質あるいは結晶質の上記(1)または(2)式
に示すような酸化物超電導材料が得られる。 さらに、本発明の他の製法によれば、L元素、A元素
及びM元素を所定の化学量論組成比で含む膜を、テープ
上、または基板上に形成し、これを真空中、還元性ある
いは弱い酸化性雰囲気中で熱処理することにより反応さ
せ、多結晶質あるいは結晶質の上記(1)または(2)
式に示すような酸化物超電導材料が得られる。 V a族、IV a族元素は複数の価数を操り得る。価数が
多いもの(例えばNb2の如く酸素元素比率が多いもの)
は一般に安定であり、元素単体或いは低酸素化合物も酸
化雰囲気での加熱により通常は最も酸素の価数の多いも
のとなる。従って特に望ましい原料セラミクスはNbO,Ta
O,VO,ZrO,TiO,HfO等である。いずれにせよこれらの価数
のものがペロブスカイト成形体中に残存することによ
り、当該成形体中では価数の移動(例えば2価()5
価)が起こり、これが安定性を高めると推定される。 上記のように酸素と第1〜第3元素との価数合計を±
0.5の範囲で等しくすることが望ましいが、±0.5の意味
するところは酸素欠陥の若干の過不足は差し支えなく実
質的に等しくなれば良いということである。 上記(1)式中のMは更に(M′1-zM″z)(但し、
この式で、0≦z<1)で表わされ、M′元素は、元素
周期表のV a族元素であるバナジウム、ニオブ、タンタ
ル、またはIV aの族元素であるチタン、ジルコニウム、
ハフニウムの群から選ばれた一つの元素であり、M″元
素は、前記V a族元素、IV a族元素または銅(Cu)の中
から選ばれた少なくとも一つの元素であることを有効で
ある。また(1)式中のAは(A′1-dA″d)(但し、
この式で、0≦d<1)で表わされ、A′またはA″元
素はそれぞれバリウム、ストロンチウム、カルシウムな
どのアルカリ土類金属元素の群から選ばれた一つの元素
が有効である。 本発明による新材料を例示すれば次の通りである。 (LaxSr1-x)2M′CuzOy (0.6≦x<0.9) (LaxSr1-x)2M′1-zCuOy (0.4≦x≦0.6) (YxBa1-x)2M′1-zCuzOy (0.4≦x≦0.6) 所謂ABO3型としてLiBa3Nb3O7 所謂A2BO4型としてLiBaNbO 所謂A3B2O6型としてLiBa2Nb2O6 一方、F,Cl,N等の元素を併有する場合には望ましくは
上記の(3)式の構造を有し、M元素であるV a族元素
あるいはIV a族元素の原子をその中心にもつ、6個のイ
オン配置に、酸素原子,酸素欠損及びふつ素,塩素、あ
るいは窒素原子を配置させることにより、化学的に安定
で、かつ温度150K以上においても超電導電子対を形成す
るに必要な強い引力相互作用が発生できる。 〔実施例〕 以上説明した本発明は以下の実施例にて詳細が明らか
になる。但し、比較参考のため他の例も併記してある。 本発明の酸化物超電導材料は第1図,第2図に示すよ
うなペロブスカイト状結晶構造を有している。この図は
単位格子を示しており、その化学式は、 (LxA1-x)iMOy ……(1) で表わせる。この式で、xは0<x<1であり、iはi
=1,3/2,または2であり、yは、i=1のとき0<y≦
3,i=3/2または2のとき0<y≦4である。また、
(1)式中のL元素はスカンジウム(Sc)、イットリウ
ム(Y)、またはランタン(La)などのランタノイド元
素或いはリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム
(K)のI a族金属元素の中から選ばれた少なくとも一
つの元素であり、式中のA元素はバリウム(Ba)、スト
ロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)などのアルカリ土
類金属元素の中から選ばれた少なくとも一つの元素であ
り、さらに酸素(O)及び酸素空孔により形成される八
面体結晶構造の中心部に位置する式中のM元素は元素周
期表のV a族元素であるバナジウム(V)、ニオブ(N
b)、タンタル(Ta)、またはIV a族元素であるチタン
(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)の中か
ら選ばれた少なくとも一つの元素である。(1)式中の
Mには6個の酸素が図に示すように八面体形に配位して
いる。この6個の酸素のうち1個あるいは2個が抜ける
ことにより、Mをその面心にもつ4個の酸素の四角い
面、あるいは2個の酸素と2個の酸素空孔を作る四角い
面が複数層現われ、これらは2次元的に結晶体中でつな
がっている。この2次元的に連続した四角い面の発生に
伴い、超電導電子対を形成するに必要な強い引力相互作
用が発生し、こうして発生した超電導電子対は、前記2
次元的に連続した四角い面に沿って流れるものと予想さ
れる。ここでM元素として、V a族のバナジウム
(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)あるいはIV a族
のチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(H
f)の群から選ばれた1個あるいは複数の元素を含むよ
うにする。これによって、前記酸素の抜け、即ち酸素空
孔の形成が促進され、前記M元素をその面心にもつ酸素
の2次元的な四角い連続面が形成される。 (1)式中のM元素が二元系元素、即ち(M′1-zM″
z)(但しこの式で0≦z<1)で表わせる酸化物超電
導材料としてもよい。この場合、M′元素は、元素周期
表のV a族元素であるバナジウム、ニオブ、タンタル、
またはIV a族元素でありチタン、ジルコニウム、ハフニ
ウムの中から選ばれた一つの元素であり、M″元素は、
前記V a族元素またはIV a族元素の他に銅(Cu)を選択
することも可能である。 また、(1)式中のA元素が二元系元素、即ち(A′
1-dA″d)(但し、この式で、0≦d<0)で表わせる
酸化物超電導材料としてもよい。この場合、A′または
A″元素はそれぞれバリウム、ストロンチウム、カルシ
ウムなどのアルカリ土類金属元素の中から選ばれた一つ
の元素である。 上述した本実施例の酸化物超電導材料の好適な例とし
ては次の各式で表わせるものが挙げられる。 (LaxSr1-x)2M′1-zCuzOy (LaxSr1-x)M′1-zCuzOy (YxBa1-x)M′1-zCuzOy これら各式でxは、0.4≦x<0.6であることが望まし
く、特にx≒0.5が良い。 一方、化学式が上記(3)式で示されるものはL元
素、A元素共(1)、(2)式と同じ群から選ばれ、加
えて、酸素(O),酸素空孔及びふつ素(F),塩素
(Cl),窒素(N)の中から選ばれた一つの元素である
G元素より形成される八面体結晶構造の中心部に位置す
る式中のM元素は元素周期表のV a族元素であるバナジ
ウム(V),ニオブ(Nb),タンタル(Ta)、またはIV
a族元素であるタチン(Ti),ジルコニウム(Zr),ハ
フニウム(Hf)の群から選ばれた少なくとも一つの元素
である。(3)式中のMには6個の酸素,酸素欠損,G元
素が図に示すように八面体形に配位している。こうし
て、酸素とM元素の線が1次元的に結晶巾でつながるよ
うになる。この1次元的に連続した酸素とM元素の発生
に伴い、超電導電子対を形成するに必要な強い引力相互
作用が発生し、こうして発生した超電導電子対は、前記
1次元的に連続した線に沿って流れるものと予想され
る。ここで、M元素として、V a族のバナジウム
(V),ニオブ(Nb),タンタル(Ta)、またはIV a族
のタチン(Ti),ジルコニウム(Zr),ハフニウム(H
f)の群から選ばれた1個あるいは複数の元素を含むよ
うにする。ふつ素(F),塩素(Cl),窒素(N)の中
から選ばれたG元素を導入することにより、化学的に結
晶が安定化し、かつM元素と酸素の1次元的な連続が規
則的に形成される。 次に、本発明のペロブスカイト型超電導材料の製法に
ついての実施例を説明する。 (LaxSr1-x)2NbOyで表わせるペロブスカイト状結晶
構造を有する酸化物超電導材料の製法について説明す
る。酸化ランタン(La2O3)粉末、炭酸ストロンチウム
(SrCO3)粉末、および酸化ニオブ(NbO)または純金属
のニオブ(Nb)の粉末を所定の化学量論組成に秤量し、
その混合粉末を酸化性雰囲気中で約900〜1500℃で数時
間加熱して反応させる。この時、NbOを使用する場合は1
300〜1500℃ Nbを使用する場合は900〜1100℃が好まし
い。次に、その混合反応物を粉砕し、これを適当な形状
にプレス成形し、前記反応温度よりもやや高い温度で、
焼結することによって、所望の形状の酸化物超電導材料
を得ることができる。 なお、本実施例により製造された焼結体;(La0.5Sr
0.5)2NbO4をX線回折法で測定したところ、2θが24.6
゜、31.1゜、33.6゜、43.2゜、47.9゜、54.6゜、55.4
゜、65.4゜にピークを示し、結晶質化しており、かつ焼
結体の色調は黒色に近かった。 本発明の確認によれば、本発明系統の材料の2θは上
記(1)式がi=2の場合(所謂(L・A):M=2:1の
場合)は上記(La0.5Sr0.5)2NbO4と同様の2θが出
る。 (LaxSr1-x)2NbOyで表わせるペロブスカイト状結晶
構造を有する酸化物超電導材料の製法についても、上記
と同様に実施できる。一例としてこの製法で得られたLa
SrNbOy(yは4と推定される)のEPMA分析の結果を第3
図に示す。所定の2θ、後述の超電導特性、並びに第3
図の分析値より、本実施例に係る酸化物が上記組成のペ
ロブスカイト型超電導材であることが同定される。尚、
図中の(1)はLaLβ2.4583Å、(2)はLaLα2.6851
Å、(3)はLaLβ2.4583Å、(4)はNbLβ5.4914Å、
(5)はNbLα5.7235Å、(6)はSrLβ6.6234Å、
(7)はSrLα6.8624Å、(8)はLaLα2.6651Åを示
す。 このLaSrNbO4を例にとれば焼成直後の特性は第4図の
通りであり、第4図の測定の為一旦200Kまで試料温度を
下げたものを再度抵抗測定すれば、第5図の通りとな
り、再現性もあり、かつ比較的安定となる。第5図が示
す通り本実施例品は315Kで電気抵抗が下がり始め、300K
で電気抵抗がゼロとなり、測定上の若干のノイズ域をは
ずしても255Kで完全に抵抗ゼロとなる。一方各図にχ
(%)で示した通り、マイスナ効果も確認された。χは
帯磁率であり、完全超電導(Nb4.2K)基準に対する帯磁
性の比率であって、これが負を示せばすなわちマイスナ
効果を具備することになる。尚、電流条件は3mA/cm2で
ある。 尚、このように温度サイクルをかけることにより所定
の超電導特性を得るよう調整することも可能である。更
に所定の特性を示す温度域を限定して超電導応用機器を
使用することも可能であり、第5図の300Kの位置のよう
に完全抵抗ゼロに一時的にでもなる領域があればこの領
域での使用、あるいはこの領域を利用して(上温域・下
温域にて抵抗が変化することから)スイッチング材とし
ての使用も好ましい。 (YxBa1-x)NbOyで表わせるペロブスカイト状結晶構
造を有する酸化物超電導材料の製法の場合には、出発原
料粉末として酸化イットリウム(Y2O3)、炭酸バリウム
(BaCO3)、酸化ニオブ(Nb2O5)または純金属のニオブ
(Nb)を所定の組成に秤量し、これを混合後、高温で反
応熱処理を行う。こうして得られた反応混合物の粉末を
成形し、焼結することによって、酸化物超電導材料を得
ることができる。 なお、本実施例{(Y0.4Ba0.6)NbO3}により製造さ
れた焼結体をX線回折法で測定したところ、2θが22.7
゜、32.7゜、38.5゜、40.3゜、46.6゜、47.5゜、58.2
゜、58.9゜、68.9゜にピークを示し、結晶化しており、
かつ焼結体の色調は黒色に近かった。 本発明者の確認によれば、本実施例系統の材料の2θ
(上記(1)式のi=1の場合)は上記(YxBa1-x)NbO
yとほぼ同様に2θは32.6゜38.5゜、40.4゜、47.0゜、5
8.5゜などにピークを示し、結晶化しており、かつ焼結
体の色調は黒色に近かった。 L元素に2種以上用いても本発明のものが得られる。
例えば((ScaY1-a)bBa1-b))NbOx(xは7と推定)
である。ここでa,bは夫々0<a,b<1である。原料粉末
はこの場合、Sc2O3,Y2O3,BaCO3、並びにNbO或いは純Nb
(純Nbなら還元雰囲気での処理を要す)である。i=1
の場合の2θが得られる。 L元素にI a族の代表例としてLiを用いるにはLi相当
の原料粉末はLi2Oとすべきである。こうして得られたペ
ロブスカイトの代表例は、(LiaBa1-a)NbOであり、2
θはi=1の系と同様である。 (LaxSr1-x)ZrOyで表わせるペロブスカイト状結晶構
造を有する酸化物超電導材料の製法の場合には、出発原
料粉末として、La2O3,SrCO3,酸化ジルコニウム(ZrO2)
または純金属のジルコニウム(Zr)を所定の組成に秤量
し、これを混合後、高温で反応熱処理を行う。こうして
得られた反応混合物の粉末を形成し、焼結することによ
って、酸化物超電導材料を得ることができる。 (YxBa1-x)ZrOyで表わせるペロブスカイト状結晶構
造を有する酸化物超電導材料の製法の場合には出発原料
粉末としてY2O3、BaCO3、ZrOまたはZrを所定の組成に秤
量し、これを混合後、高温で反応熱処理を行う、こうし
て得られた反応混合物の粉末を成形し、焼結することに
よって、酸化物超電導材料を得ることができる。 (LaxSr1-x)TaOyで表わせるペロブスカイト状結晶構
造を有する酸化物超電導材料の製法の場合には、出発原
料粉末としてLa2O3、SrCO3、酸化タンタル(Ta2O3、Ta
O)または純金属のタンタル(Ta)を所定の組成に秤量
し、これを混合後、高温で反応熱処理を行う。こうして
得られた反応混合物の粉末を成形し、焼結することによ
って、酸化物超電導材料を得ることができる。 (YxBa1-x)TaOyで表わせるペロブスカイト状結晶構
造を有する酸化物超電導材料の製法の場合には、Y2O3、
BaCO3、Ta2O3またはTaOまたはTaの組合せで同様に製造
できる。 以上説明したことから、(LxA1-x)iMOyで表わされる
ペロブスカイト状結晶構造を有する酸化物超電導材料の
製法においては、上述した実施例のように、L元素とし
てその酸化物(Y2O3,La2O3,Sc2O3,Yb2O3,Er2O3,Ho2,O3,
Dy2O3)を用い、A元素としてその炭酸化物(BaCO3,SrC
O3,CaCO3)を、そしてM元素としては、その酸化物(V
O,Nbo,TaO,Ta2O3,TiO,TiO2,ZrO,ZrO2,HfO,HfO2等)或い
はその純金属粉末(V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hf)を使用すること
により製造できる。 (Lx(A′1-dA″d)i-x)iMOy(但し、0≦d<
1)で表わされるペロブスカイト状結晶構造において
は、前述した(LxA1-x)iMOyの中のA素を2元素系とす
るもので、例えば、(Lax(Sr1-dCad)i-x)iMOyの場合
は、La2O3,SrCO3,CaCO3の粉末、及びM元素の酸化物ま
たは純金属の粉末を所定の組成に秤量し、これと混合
後、高温で反応熱処理を行う。こうして得られた反応混
合物を成形し、焼結することにより酸化物超電導材料を
得ることができる。 (LxA1-x)iM′1-zM″zOyで表わされるペロブスカイ
ト状結晶構造においては、前述した(LxA1-x)iMOyの中
のM元素を2元素系とするもので、例えば、(LxA1-x)
iNb1-zZrzOyの場合は、L元素の酸化物の粉末、A元素
の炭酸化物の粉末、及びNbO,ZrO2(あるいはNb,Zr)の
粉末を所定の組成に秤量・混合し、これを高温で反応熱
処理を行う)。こうして、得られた反応混合物を成形
し、焼結することにより酸化物超電導材料を得ることが
できる。 (LaxSr1-x)2NbOj−δFkで表わせるペロブスカイト
状結晶構造を有するものについて説明する。酸化ランタ
ン(La2O3)粉末、ふつ化ストロンチウム(SrF2)粉
末、及び酸化ニオブ(NbO)粉末を所定の化学量論組成
に秤量し、その混合粉末を酸化性雰囲気中またはふつ素
ガスを含む酸化性雰囲気中で、800℃〜1000℃で数時間
加熱して反応させる。次に、その混合反応物を粉砕し、
これを適当な形状にプレス成形し、前記反応温度よりも
やや高い温度で、焼結することによって、所望の形状の
ペロブスカイト型超電導セラミクスを得ることができ
る。 (YxB1-x)2NbOj−δFkで表わせるペロブスカイト状
結晶構造を有するものの製法の場合には、出発原料粉末
として酸化イツトリウム(Y2O3),ふつ化バリウム(Ba
F2),酸化ニオブ(NbO)または純金属のニオブ(Nb)
を所定の組成に秤量し、これを混合後、高温で反応熱処
理を行う。こうして得られた反応粉末を成形し、焼結す
ることによって、ペルブスカイト型超電導セラミクスを
得ることができる。 (YxBa1-x)2NbOj−δFkで表わせるペロブスカイト
状結晶構造を有するものの製法の場合には、出発原料粉
末として酸化イツトリウム(Y2O3),塩化バリウム(Ba
Cl2),酸化ニオブ(NbO)を所定の組成に秤量し、これ
を混合後、高温で反応熱処理を行う。こうして、得られ
た反応粉末を成形し、焼結することによつて、ペルブス
カイト型超電導セラミクスを得ることができる。 以上説明したことから、(LxA1-x)iMOj−δGkで表
わせるペロブスカイト状結晶構造を有する超電導材料の
製法においては、上述した実施例のように、L元素とし
てその酸化物(Y2O3,La2O3,Sc2O3,Yb2O3,Er2O3,Ho2O3,D
y2O3,Gd2O3など)を用い、A元素としてはそのふつ化物
(BaF2,SrF2,CaF2)あるいはその塩化物(BaCl2,SrCl2,
CaCl2)を、そしてM元素としてはその酸化物(NbO,VO,
ZrO2,TiO2など)を使用することにより製造できる。ま
た、A元素としては、その炭酸化物(BaCO3,SrCO3,CaCO
3)とそのふつ化物あるいは塩化物の混合物でもよい。
また、M元素として、そのふつ化物,塩化物あるいは窒
化物を出発原料としてもよい。 ところで、原料混合粉末の反応温度、反応時間などの
反応雰囲気条件、その後の焼結条件は、使用元素の違
い、組成比の違い、粉末の状態などによって変化するの
で、適宜選択されなければならないことは言うまでもな
い。特に、M元素の純金属粉末を使用する場合、酸化性
雰囲気ではその反応が急激であるため、還元性雰囲気で
熱処理することが望ましい。また、雰囲気条件はG元素
がふつ素の場合にはふつ素を含む酸化性雰囲気、またG
元素が塩素の場合には塩素を含む酸化性雰囲気が望まし
い。 さて、焼結後には、G元素(F,Cl,N)が所望の組成比
より少ない場合には、後にイオンプランテーシヨンなど
により、G元素のイオンを注入してもよい。 上記の製法により得られた(LaxSr1-x)2NbOy,(ここ
で、0<y≦4,x=0.5)、及び(YxBa1-x)2NbOy,(こ
こで、x=0.5,0<y≦3)の焼結体の電気抵抗の温度
特性を第6図に示す。これらの特性は、化学量論組成比
熱処理条件(焼成温度パターン、焼成時の雰囲気、アニ
ール熱処理条件など)により大きく変化するので、第6
図は単なる例示にすぎない。電気抵抗は温度の減少に従
い、約280Kより急激に減少し、完全に電気抵抗が零にな
るのは約250Kである。即ち、約280Kから超電導状態にな
り始め、約250Kで完全に超電導状態へ転移したことにな
る。この場合、転移幅は30Kと非常に大きいが、焼結時
の熱処理条件や、焼結後のアニール熱処理により、更
に、転移幅を小さくすることができる。 原料混合粉末の反応温度や焼結時の熱処理温度は、
(LxA1-x)iM1-zCuzOy(但し、0<z<1)のように、
M元素をCuで置換することにより、低減できる。このと
き、超電導特性に大きな劣化はない。 上記の製法により得られたLa1Sr1NbO2−δF1及びY
0.5Ba0.5NbO2−δClの焼結体の電気抵抗の温度特性を
第7図に示す。これらの特性は、出発化学量論組成比,
熱処理条件(焼成温度パターン,焼成時の雰囲気,アニ
ール熱処理条件など)により、大きく変化するので、第
7図は単なる例示にすぎない。電気抵抗は、温度の減少
に従い、約320Kより急激に減少し、約300Kで完全に電気
抵抗が零になる。即ち、約300Kから超電導状態になり始
め、約300Kで完全に超電導状態へ転移したことになる。
この場合、転移幅は約20Kと大きいが、焼成時の熱処理
条件や、焼結後のアニール熱処理により、さらに転移幅
を小さくすることができる。また、これらの物質は、化
学的に充分安定であり、上記超電導特性は、経年変化は
ほとんどない。 次に、実施例のペロブスカイト型超電導材料の薄膜の
製造法の具体的な一例を説明する。上記焼結法により得
られたセラミクスをターゲツトとして用い、アルゴンガ
ス雰囲気中あるいは適当な酸素分圧及びふつ素あるいは
塩素分圧をもつアルゴンガス雰囲気中ではスパツタリン
グによつて、Al2O3単結晶あるいはAl2O3セラミクスの基
板上に、所望の形状及び厚みの膜を堆積できる。また、
微妙な膜厚調整,化学量論組成比の調整が必要な場合に
は、分子線エピタキシー法により膜を堆積できる。その
他、膜形成法として従来から知られている物理的方法,
化学的方法及び物理化学的方法を利用できることは言う
までもない。また、膜形成後、G元素の不足分は後でイ
オンプランテーションなどの方法により、補給できる。 前記、Cuを含む材料の具体的な製造方法のプロセスの
一例を第8図で説明する。L元素の酸化物粉末、A元素
の炭酸化物粉末及び第2酸化銅CuO粉末を所定の組成と
なるように秤量し、この混合粉末を酸化性雰囲気中にお
いて900〜1000℃で加熱反応させる。この反応混合粉末
に、M元素であるV a族元素(V,Nb,Ta)あるいはIV a族
元素(Ti,Zr,Hf)の中より選ばれた1つまたは複数の純
金属粉末を所望の化学量論的な量を秤量し、混合する。
このようにして得た前工程混合粉末を再度、真空中、還
元性あるいは弱い酸化性雰囲気(この場合の雰囲気は、
例えば2価のNbOが5価のNb2O5に酸化されない程度)中
で加熱反応処理を行うことにより、(LxA1-x)iM1-zCuz
Oyの粉末を得ることができる。こうして得られた最終反
応粉末をプレス成形し、焼結することにより、適当な形
状を有する酸化物超電導材料を製造できる。また、上記
の前工程反応混合粉末あるいは最終反応粉末を銅などの
金属管へ充填したり、金属テープに膜として付着させ
て、反応焼結することにより、本発明の酸化物超電導材
料で製作した超電導線を製造できる。尚、反応焼結熱処
理後は酸化性雰囲気中でアニール熱処理することが望ま
しい。 次に、本発明の酸化物超電材料の薄膜の形成法の具体
的な一例を説明する。上記の焼結法により得られた磁器
をターゲットとして用い、アルゴンガス雰囲気中あるい
は適当な酸素分圧をもつアルゴンガス雰囲気中でのスパ
ッタリングによって、Si単結晶、Al2O3単結晶、SiO2単
結晶、MgO単結晶、ZrO2単結晶、あるいはこれらの多結
晶体の基板上に本発明の酸化物超電導薄膜を直接、所望
の形状及び厚みの膜を堆積できる。また、微妙な膜厚調
整、化学量論組成比の調整が必要な場合には、分子線エ
ピタキシー法により膜を堆積できる。その他、膜形成法
として従来から知られている物理的方法、化学的方法も
利用できることは言うまでもない。いずれの場合におい
ても、膜成長条件を最適化することにより、第6図で示
したような超電導特性を得ることができる。 以上説明したような基板上に直接所望の化学量論組成
をもつ酸化物超電導薄膜を形成する方法以外に、第9図
に示すようにAl2O3単結晶などの基板1に先ずM元素の
金属薄膜2を成長させ、次にL元素及びA元素の適当な
化学量論組成比をもつ膜3を堆積させ、その後熱処理に
より金属薄膜2と膜3を反応させ、この膜2,3の部分の
一部または全部を本発明に係わる酸化物超電導薄膜4に
転化することができる。このとき、先にL元素及びA元
素の膜3を堆積し、次にM金属薄膜2を成長させて、熱
処理しても同様の効果が得られる。 基板上の電気配線に本発明の超電導材料の薄膜を使用
する場合、電気絶縁性のセラミクス基板の上に所望のパ
ターン形状の膜をスクリーン印刷し、これを焼付けるこ
とも可能である。同様に、多層配線されたセラミクス基
板を製作することもできる。 テープ状の酸化物超電導材料を製造する場合には、M
元素(V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hf)の金属テープ上に、L元素
(ランタノイド元素の群から選ばれた一つの元素)及び
A元素(Ba,Sr,Ca)の適当な化学量論組成LxA1-x、但
し、(0<x<1)の膜を、スパッタ法などの従来から
知られた膜堆積法や粉末塗布焼付法などで付着させ、そ
の後の熱処理工程により、M元素の金属テープの一部あ
るいは全部と反応させる方法がよい。この場合、銅、銅
合金あるいはステンレス鋼などの金属線をベース材料と
して、まずLxA1-xの膜をその表面に形成し、その上にM
元素の金属膜を堆積し、その後の熱処理工程により、反
応させることにより、本発明の酸化物超電導線を製造で
きる。このとき、LxA1-x膜とM元素の金属膜を交互に複
数層形成することにより、熱処理時の反応性を著しく向
上させることができる。 (LxA1-x)iM1-zCuzOyで表わせるペロブスカイト状結
晶構造を有する酸化物超電導薄膜を形成する場合には、
Al2O3単結晶などの基板上に、先ずM元素の金属膜を形
成し、この上に(LxA1-x)iCuOyの膜を不活性雰囲気中
で堆積し、その後真空中あるいは酸化物雰囲気中で熱処
理することにより、M元素の金属原子が拡散し、Cu原子
と置換する過程により達成される。そのため、前記2種
類の膜、即ちM元素の金属膜と(LxA1-x)iCuOyの酸化
物の膜を交互に複数層形成した後に、熱処理により、Cu
原子とM元素の原子の置換を高めることができる。ま
た、(LxA1-x)iCuOyの酸化物セラミクスを基板とし
て、M元素の金属膜を形成し、熱処理するなど、いろい
ろな手法であることは言うまでもない。 本発明によれば、いずれの実施例においても、超電導
転移温度が150K以上の酸化物超電導材料を得ることは容
易でり、200K以上の転移温度を示すもの、更には第6図
に示すように250K以上の転移温度を示す酸化物超電導材
料を容易に得ることができる。 尚、第8図においては熱処理雰囲気を還元性としてい
るが、真空中でも酸化性雰囲気でも差し支えない。但
し、酸化性雰囲気の場合は例えば原料のNbOがNb2O5にな
らない程度、すなわち原料IV a,V a族酸化組成分の酸化
数(価数、酸素比率)が高まらぬ範囲に止める必要があ
る。 製造されたペロブスカイトの構成成分の各価数の関係
は例示すると次表の通りである。 上記のように酸素の総価数と他元素の総分数が実質的
にバランスしていれば安定な(劣化にしくい)ものが得
られる。尚、この為には若干の酸素欠陥の過不足は差し
支えなくよって両総価数の差は±0.5の範囲ならば有効
となる。実際には得られるペロブスカイト中において同
じ元素内で異なる価数(Nbの場合は2価5価)間を相
互に移動する状態にあり、かつ少なくとも低価数(前記
の例では2価)のものを備えることが望ましい。 アニーリングとは酸化性雰囲気でも還元性雰囲気でも
良い。 この他得られる超電導材の劣化を防止すべく、原料の
適正な化学量論的組成比の選択と、イオン半径や電気的
中性についても配慮を要する。 第10図は本発明の一実施例に係る超電導部材であり、
上述の易酸化性の問題を解決すべく本例では酸素防止膜
5を用いている。即ち基板1上に配設した超電導薄膜4
の露出部分(即ち側面及び上面)全体に酸素防止膜5を
被覆する。酸素防止膜5の具体例としては銅や合成樹脂
等がなければ、要するに外部の酸素の侵入でペロブスカ
イト中の残留低価数原子が酸化されることを防止する機
能を具備する。応用例として本発明材料を線材化する際
のクラッド材(表面層、外側層)に酸素防壁膜を施こし
ても良い。 第11図は本発明の超電導材を薄膜化させたもの複数枚
の各間に絶縁シート7を介在させたものでこの絶縁シー
トは超電導材料同様、ペロブスカイト系のものが適す
る。これは両者の格子定数や結晶構造がペロブスカイト
という点で同一若しくは近似している為に界面状態が良
くなるからである。尚各シートの厚さは10〜20Åが適す
る。絶縁シートの具体例としてはSrTiO3やLiNbO3であ
り、特に後者は本発明超電導材として含Nb材を使用した
場合に親和性がある故有効である。 〔発明の効果〕 本発明によれば、超電導転移温度を150K以上とするこ
とができる酸化物超電導材料が得られるので、超電導状
態を保つのに、液体窒素温度レベルなどの極低温環境を
必要としない超電導材料が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図は夫々本発明材料の結晶構造を示す図、
第3図は本発明材料の一例のEPMA分析のデータを示す特
性図、第4図、第5図、第6図、第7図は夫々本発明材
料の実施例による電気抵抗〜温度関係の特性図、第8
図、第9図は夫々本発明の製法例を示す工程図、第10
図、第11図は夫々本発明部材の実施例断面図である。 1……基板、4……超電導薄膜、5……酸素防壁膜。
第3図は本発明材料の一例のEPMA分析のデータを示す特
性図、第4図、第5図、第6図、第7図は夫々本発明材
料の実施例による電気抵抗〜温度関係の特性図、第8
図、第9図は夫々本発明の製法例を示す工程図、第10
図、第11図は夫々本発明部材の実施例断面図である。 1……基板、4……超電導薄膜、5……酸素防壁膜。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C01G 35/00 ZAA C01G 35/00 ZAAZ
H01B 12/00 ZAA H01B 12/00 ZAA
(72)発明者 尾形 久直
茨城県土浦市神立町502番地 株式会社
日立製作所機械研究所内
(56)参考文献 特開 昭64−3015(JP,A)
特開 昭63−236748(JP,A)
特開 昭64−3061(JP,A)
特開 昭61−55804(JP,A)
日経超電導,1992年9月28日付(日経
BP社発行)p.6〜20
化学,第48巻第2号(1993年)p.28
〜81
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.下式で示されるペロブスカイト状結晶構造を有し、
式中のL元素、スカンジウム(Sc)、イットリウム
(Y)、ランタン(La)などのランタノイド元素、並び
にI a族金属元素の群から選ばれた少なくとも一つの元
素であり、式中のA元素はバリウム(Ba)、ストロンチ
ウム(Sr)、カルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属
元素の群から選ばれた少なくとも一つの元素であり、さ
らに酸素(O)、及び酸素空孔により形成される八面体
結晶構造の中心部に位置する式中のM元素は元素周期表
のV a族元素であるバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、
タンタル(Ta)、またはIV a族元素であるチタン(T
i)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)の群から
選ばれた少なくとも一つの元素であるペロブスカイト型
超電導部材において、前記酸素及び酸素空孔の一部をふ
っ素(F)、塩素(Cl)あるいは窒素(N)で構成する
ようにし、酸素とを含むペロブスカイト型超電導材の露
出部分を酸素防壁膜、及び/またはバッシベーション膜
にて被覆したことを特徴とするペロブスカイト型超電導
部材。 (LxA1-x)iMOj−δGk ……(1) 但し、この式で、 xは、0<x<1であり、 iは、i=1,3/2,または2であり、 j及びkは、i=1のとき j+k=3 i=3/2のとき j+k=7/2 i=2のとき j+k=4 である。 δは、酸素の欠損量、Gは、ふっ素(F)、塩素(Cl)
あるいは窒素(N)である。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62206359A JP2880163B2 (ja) | 1987-05-18 | 1987-08-21 | ペロブスカイト型超電導部材 |
DE3850800T DE3850800T2 (de) | 1987-04-13 | 1988-04-12 | Supraleitendes Material und Verfahren zu dessen Herstellung. |
EP88303270A EP0287325B1 (en) | 1987-04-13 | 1988-04-12 | Superconducting material and process for producing the same |
US07/181,097 US4892862A (en) | 1987-04-13 | 1988-04-13 | Process for producing superconducting material |
US07/727,310 US5183799A (en) | 1987-04-13 | 1991-07-10 | Superconducting materials including La-Sr-Nb-O, Y-Ba-Nb-O, La-Sr-Nb-Cu-O, and Y-Ba-Nb-Cu-O |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11884687 | 1987-05-18 | ||
JP62-118846 | 1987-05-18 | ||
JP62206359A JP2880163B2 (ja) | 1987-05-18 | 1987-08-21 | ペロブスカイト型超電導部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6476902A JPS6476902A (en) | 1989-03-23 |
JP2880163B2 true JP2880163B2 (ja) | 1999-04-05 |
Family
ID=26456700
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP62206359A Expired - Lifetime JP2880163B2 (ja) | 1987-04-13 | 1987-08-21 | ペロブスカイト型超電導部材 |
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---|---|
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01157420A (ja) * | 1987-09-29 | 1989-06-20 | Kyocera Corp | 酸化物超電導体及びその製法 |
JPH01145329A (ja) * | 1987-11-30 | 1989-06-07 | Kyocera Corp | 酸化物超電導体 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6155804A (ja) * | 1984-08-25 | 1986-03-20 | 京セラ株式会社 | 誘電体磁器組成物 |
JPS63236748A (ja) * | 1987-03-25 | 1988-10-03 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | 新規超伝導材料組成物 |
JPS643015A (en) * | 1987-03-28 | 1989-01-06 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Superconducting material and production thereof |
-
1987
- 1987-08-21 JP JP62206359A patent/JP2880163B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
化学,第48巻第2号(1993年)p.28〜81 |
日経超電導,1992年9月28日付(日経BP社発行)p.6〜20 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6476902A (en) | 1989-03-23 |
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