JP2001247311A - 不確定性原理に基づく低異方性高温超伝導体とその製造方法 - Google Patents

不確定性原理に基づく低異方性高温超伝導体とその製造方法

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英雄 伊原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】超伝導異方性が小さく、高い臨界電流密度(Jc)
と、大きい不可逆磁界(Hirr)、擬等方的な、層に垂直方
向(この方向をc軸方向、層面内をab軸とする)の長
いコヒーレンス長ξc をもち、且つ超伝導臨界温度( T
c ) が例えば100K以上の高温超伝導体を提供する。 【解決手段】電荷供給層と超伝導層の2次元的な層状構
造をもつ高温超伝導体において、電荷供給層を構成する
原子の一部を超伝導性をもつ原子と置き換えて電荷供給
層を金属化若しくは超伝導化すると共に、超伝導層の厚
さを大きくして超伝導異方性を低くしたことを特徴とす
る低異方性高温超伝導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超伝導異方性が小さ
く、高い臨界電流密度(Jc)と、高い不可逆磁界(Hirr)、
擬等方的な、層に垂直方向(この方向をc軸方向、層面
内をab軸とする)の長いコヒーレンス長ξc をもち、
且つ超伝導臨界温度( Tc ) が例えば100K以上の高温超
伝導体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、高Tc は高い超伝導異
方性(2次元性)と密接に関連していると考えられ、電
荷供給層と超伝導層の2次元的な層状構造をもつ高温超
伝導体としては、例えば銅酸化物超伝導体のY、Bi、Tl、Hg
系超伝導体が知られているに過ぎない。
【0003】しかも、これらの層状構造をもつ超伝導体
では電荷供給層が絶縁層又は非超伝導層であり、c軸方
向の超伝導結合が小さく、従って超伝導層間の相互作用
が小さいか、また超伝導層の厚さが薄かったため、超伝
導異方性γ(γはコヒーレンス長比、電子有効質量比の
平方根、または磁場侵入深さ比で、γ=ξab/ ξc =(m
c/mab)1/2= λcabと定義する。)が4〜5から300
程度と大きかった。
【0004】そのため、Jc, 特に高磁界下のJcや、電気
抵抗が発生するHirrが小さくなり、実用超伝導材料とし
ての線材、バルク材としては多くの問題がある。
【0005】また異方性が大きいためc軸方向のコヒー
レント長ξc が短く、超伝導素子材料として積層構造の
超伝導素子の特性、特にジョセフソン電流密度が不十分
であった。
【0006】なお、Hg系のHg-1201(HgBa2CuO4+n)や無限
層構造超伝導体(Sr1-xLaxCuO2)に関しては低異方性を主
張する報告もあるが、本願発明者らの研究によればこれ
らは低異方性超伝導体に該当しない。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、この発明では電荷供給層と超伝導層の2次元的な層
状構造をもつ高温超伝導体において、電荷供給層を構成
する原子の一部を超伝導性をもつ原子と置き換えて電荷
供給層を金属化若しくは超伝導化すると共に、不確定性
原理に基づいて超伝導層の厚さを大きくして超伝導異方
性を低くした低異方性高温超伝導体とその製造方法を提
案するものである。
【0008】本発明の低異方性高温超伝導体は、組成式
Cu1-xMx(Ba1-y Sry)2(Ca1-zLz)n-1CunO2n+4-w (式中、
M=Tl,L=Li,Na,Y,ランタニド系列元素の一元素又は複数
元素、0 <x < 0.7, 0≦y ≦1, 0≦z ≦1, 0≦w ≦4,
3≦n ≦16)で記述できる銅酸化物超伝導体であり、こ
の出願の原出願である特願平9−44521に係る発明
とは、M=Tlである点において一致するが、次の点におい
て相違する。 本願発明が0 <x < 0.7 であるのに対して、特願平9
−44521に係る発明では、0<x<1である。 本願発明では 3≦n ≦16であるのに対して、特願平9
−44521に係る発明では、 3≦n ≦16かつn=4を除
くこと。 我々の認識では、本願発明は、特願平9−44521に
係る発明の範囲外の超伝導異方性を低くした低異方性高
温超伝導体が得られる点において、相違しており、両者
はその効果において相違するから、別発明であると確信
するものであります。さらに、結果として、我々が誤っ
て発表した文献:H.Ihara et al.,"How to enhance coh
erence length along c-axis(ζc) of High-Tc cuprate
superconductors", Advances in superconductivityIX
(Proceedings of the 9th international symposium on
superconductivity(ISS'96)),October 21-24, 1996,Sa
pporoには、M=Tlについて、記載されている。しかし、0
<x < 0.7において、組成式に関する具体的なデータは
一切記載いたしておりません。したがって、この文献に
は、x=0、n=4の場合が開示されているにすぎませ
ん。開示されていない組成式の超伝導体が、どのような
特性を示すかについては、当業者と雖も容易に予測でき
るものではありません。
【0009】この発明に係る低異方性高温超伝導体の製
造には、高圧合成法、ホットプレス法、HIP法(高温
静水圧処理法)、スパッタリング法、更にレーザアブレ
ーション法等の非平衡な製造法を利用する。スパッタリ
ング法におけるターゲットは、作製する膜物質と同じ組
成の燒結体を用いてもよく、各元素ごとのターゲットを
用いて原子層ごとに積層させてもよい。スパッタ法及び
レーザアブレーション法は、例えばSrTiO3,NdGaO3,LaAl
O3,YSZ(Y安定化ZrO2),LaSrGaO4単結晶基板を用い、基板
温度300 〜800 ℃、酸素ガス圧0.01〜1 Torrの条件で行
う。
【0010】この発明に係る低異方性高温超伝導体製造
の特徴は、低異方性高温超伝導体乃至これらの原料を上
述の単結晶基板乃至結晶配向膜基板上に堆積乃至塗布し
て、金、銀、或はインコネル、ハステロイ、アルミナ、
AlN 、BN等の耐酸化性金属、又はセラミックス製の容器
に封じ、少なくともa,c軸の2軸配向させた臨界電流
密度Jcの配向結晶又は単結晶の薄膜乃至厚膜とするもの
である。
【0011】また、低異方性高温超伝導体乃至これらの
原料を上述の単結晶基板乃至結晶配向膜基板上に乗せ、
金、銀、或はインコネル、ハステロイ、アルミナ、AlN
、BN等の耐酸化性金属、又はセラミックス製の容器に
封入し、一気圧以上の加圧下で少なくともa,c軸の2
軸配向させて高い臨界電流密度Jcの超伝導材料を合成す
るバルク又は単結晶とするものである。
【0012】
【作用】図1は、この発明に係る低異方性高温超伝導体
の結晶モデルの一例を示すものであるが、このように層
状構造超伝導体の超伝導層の厚さを厚くすることによ
り、c軸方向の超伝導電子の不確定性領域(厚さ)が広
がり、c軸方向のコヒーレンス長ξc を長くできるた
め、超伝導異方性γを極めて小さくすることができる。
【0013】更に、この発明では電荷供給層を構成する
原子の一部を超伝導性をもつ原子と置き換えて電荷供給
層を金属化若しくは超伝導化するが、不確定性原理によ
れば超伝導コヒーレンス長はフェルミ速度vFに比例する
ので、このように電荷供給層を金属化乃至超伝導化する
ことにより、c軸方向のvF成分を大きくし、コヒーレン
ス長ξc を長くすることになり、超伝導異方性を低くす
ることができる。
【0014】この発明の特に好ましい例としては、2次
元的な層状構造をもつ超伝導体が組成式 Cu1-xMx(Ba
1-y Sry)2(Ca1-zLz)n-1CunO2n+4-w (式中、M=Tl,Hg,B
i,Pb,Au,In,Sn,Ag,Mo,Re,Os,Cr,V,Fe, ランタニド系列
元素の一元素又は複数元素、L=Li,Na,Y,ランタニド系列
元素の一元素又は複数元素、0 ≦x <1, 0 ≦y ≦1, 0≦
z ≦1, 0≦w ≦4, 3≦n ≦16)で記述できる銅酸化物超
伝導体を挙げることができる。
【0015】この銅酸化物超伝導体の場合、超伝導層で
ある(Ca1-zLz)n-1CunO2n層数nの増加、その超伝導層間
を結合する電荷供給層(Cu1-xMx)(Ba1-ySry)2O4-wの金属
化、更にはその電荷供給層の本来的な内因性の超伝導化
によって超伝導結合が強化される。
【0016】その結果、c軸方向の超伝導電子の不確定
性領域(厚さ)が拡大し、コヒーレンス長ξc を大きく
し、超伝導異方性を低下させる。
【0017】特に一部の銅酸化物超導電体の場合、コヒ
ーレンス長ξc は経験則より、ξc=0.32(n-1)nm、ξab
=1.6nm と表せるので超伝導異方性γ=ξab/ξc =5/
(n-1) となり、従ってnが3以上の超伝導体ではキャリ
ア濃度が十分であれば超伝導異方性γ<4が実現でき
る。
【0018】更に、上記の銅酸化物超伝導体ではCuの平
均価数がZ=2+(4-2w)/(n+1)<2+4/(n+1)と表すことがで
き、n=1 から16まではZが2.25以上となるので、酸素
空格子濃度wを下げることにより、超伝導異方性γ<4
を実現することができるに充分なキャリア供給が可能で
ある。
【0019】なお、この発明は単に銅酸化物超伝導体ば
かりでなく、他のあらゆる層状構造超伝導体に適用でき
る。
【0020】
【実施例】実施例1 Cu1-xTlxBa2Can-1CunO2n+4-wのうち最もTc が高いCu
1-xTlxBa2Ca3Cu4O12-w(Cu1-xTlx1234) について、系の
組成を変えた場合の電気抵抗の温度変化を図2に、組成
xでの最適キャリア濃度の試料に対する超伝導転移温度
との関係を図3にそれぞれ示す。
【0021】図2では燒結したままの高酸素濃度(高キ
ャリア濃度)の試料でTc =123Kアニールした最適キャ
リア濃度試料で最高Tc =126Kを示し、図3では全領域
でTc は118Kを示した。そして、図2及び図3に示すよ
うに0 ≦x ≦1 の範囲でTc=118 〜126Kを有する。更
に、図4に示すように超伝導異方性はγ<4とすること
ができる。なお、ここで示した異方性値は、Tc を高く
するために最適量のキャリアをドープした試料に対して
得られたものであり、キャリア濃度を高めれば更に低い
異方性を得ることができる。
【0022】Cu1-xTlx-1234 の試料の作製は前駆体Ba2C
a3Cu4O9 にCuO とTl2O3 を適量混合し、酸素濃度の制御
は還元剤としてCu2O, 酸化剤としてAgO を用い、3GPaの
圧力下で1〜3時間、900 〜1100℃で加熱処理すること
により作製できる。
【0023】実施例2 実施例1のCu1-xTlx-1234 とCu1-xTlx-1223 は生産性の
高い低圧力(〜0.1GPa) を用いるホットプレス法によっ
ても作製することができる。酸素濃度、キャリア濃度は
還元剤としてCu2Oと酸化剤としてAgO を適当量用いるこ
とによって調節する。組成x =0.25,0.4,0.5,0.6,0.75に
対してTc =110K〜125Kを示す燒結体を得ることができ
る。その異方性に関しては実施例1の高圧合成法と同様
にγ<4が得られることが期待される。
【0024】実施例3 Cu1-xTlx-1234 とCu1-xTlx-1223 の薄膜はBa2Ca2Cu4O8
又はBa2Ca3Cu5O10のスパッタリングターゲットを用い、
SrTiO3,NdGaO3,LaAlO3,YSZ(Y安定化ZrO2),LaSrGaO4単結
晶基板上に非晶質膜を堆積させ、それをTlx-1223又はTl
x-1234(x=0.1〜2)ペレットと共に、Au又はAg,インコネ
ル、ハステロイ、アルミナ、AlN 、BN等の密封容器中に
入れて700 〜920 ℃で0.5 分から10時間の間熱処理して
目的とする薄膜を作製する。その結晶性は図5に示すよ
うにc軸配向性、ab軸配向性共に共に良好である。ま
た、超伝導特性は図6に示すようにCu1-xTlx-1234 とCu
1- xTlx-1223 の薄膜でそれぞれTc=112K,115K を示す。
更に、薄膜の超伝導異方性についてはバルク同様にγ<
4が得られることが期待される。
【0025】実施例4 (Cu1-xTlx)(Ba1-ySry)Can-1CunO2n+4-w に関してはx=0.
25〜0.75,y=0.25,0.5,0.75の(Cu1-xTlx)-1223 及び(Cu
1-xTlx)-1234 において、(Ba1-ySry)2Ca2Cu3O7又は(Ba
1-ySry)2Ca3Cu4O9 の前駆体を用いてTl2O3 とCuO 又はC
u2O(Tl2O3が少ない場合は酸化剤としてAgO を用いる)
を適当量混合させることによって実施例1と同様の合成
法によって作製することができる。
【0026】実施例5 (Cu1-xTlx)Ba2(Ca1-zLiz)n-1CunO2n+4-wに関しては、x=
0,0.5,1.0,Z=0.1,0.2の(Cu1-xTlx)-1223 及びCu1-xTlx-
1234 に対してBa2(Ca1-zLiz)2Cu3O7 またはBa 2(Ca1-zLi
z)3Cu4O7 の前駆体にTl2O3 とCuO またはCu2Oを混合さ
せ、Tl2O3 が少ない場合にはAgO を酸化剤として添加す
ることによって作製することができる。Tc はLiの添加
によって多少低下するが、100K以上が得られる。LiのCa
サイトの置換はCuのTl置換と同様に反応促進、反応温度
の低下に効果があり、Tl濃度の低減に役立つ。
【0027】参考例1 (Cu1-xHgx)Ba2Can-1CunO2n+4-wに関してはCu1-xHgx-122
3,1234,1245 におけるx=0.25,0.5,0.75 の組成に対して
高圧合成を行い、Cu0.5Hg0.5-1223 に対してTc=120K,
γ=4.0 を得た。キャリア濃度の最適制御を行えば、更
にTc の向上と異方性の低下が期待できる。
【0028】参考例2 (Cu1-xMx)Ba2Can-1CunO2n+4-w のM =Tl,Hg以外のAg,Au,
Bi,Pb,In,Sn,B,C,N,S,V,Cr,Mo,Re,Os,Feに関してはn=3
及び4 に対してx<0.25の領域でほぼ単相が得られた。T
c はx=0 の場合の値に対して低下する。従って、これら
の置換元素は、磁束のピンどめ中心を作るために有効で
あり、実用的には重要である。
【0029】実施例6 請求項(2)の組成式のうちy=0 で、Cu1-xMx(Ba1-mRm)2
(Ca1-zLz)n-1Cun O2n+ 4-wのM=Tl,R=La,Pr,Ce,Nd,m<0.25
に対してはTc は何れもm=0 の場合に比べて低下す
る。これらの置換元素は磁束のピンどめ中心を作るため
に有効である。
【0030】参考例3 CuO2層数が5層のCuBa2Ca4Cu5O14-y(Cu-1245) はBa2Ca3
Cu5Oy 又は Ba2Ca4Cu5Oyの前駆体を適当量のAgO を混
ぜ、3 〜4.5GPa、1100〜1150℃で1〜5時間熱処理する
ことによって作製できる。得られた試料は図7に示すよ
うにCu-1245 相が主成分である。そのTc は115Kで、帯
磁率の比から測定した異方性は図8に示すようにγ=1.
9 を示した。この値は予測値1.3 よりも高いが、酸素濃
度を上げ、キャリア濃度を上げることにより更に異方性
を下げることが期待できる。
【0031】
【発明の効果】この発明によれば従来不可能であった異
方性γが4以下で、更には1に近い擬等方的な低異方性
の高温超伝導体が得られるが、これにより従来不可能で
あった高Jcの材料、高い不可逆磁界Hirr材料、面内で等
方的な積層型接合ジョセフソン素子用材料として最適
な、ξc =1nm以上の長いコヒーレンス長の高温超伝導材
料が開発でき、有望な線材、バルク材、素子材料を得る
ことができる。
【0032】また従来、高Tc は高い超伝導異方性(2
次元性)と密接に関連性があることが常識化していた
が、この発明によれば等方性に近い低異方性の高温超伝
導体が得られるので、これらの常識が破られ、学術的に
大きなインパクトを与えると同時に、超伝導機構の解明
に対して重要な指針を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る低異方性高温超伝導体の結晶
モデルの一例を示す図
【図2】 Cu1-xTlxBa2Ca3Cu4O12-y(Cu1-xTlx-1234) 系
の組成を変えた場合の電気抵抗の温度変化を示す図
【図3】 最適キャリア濃度のCu1-xTlx-1234 系試料に
おける組成xに対する超伝導転移温度を示す図
【図4】 Cu1-xTlx系における帯磁率の比から求めた超
伝導異方性(γ=χ cab)と温度の関係を示す図
【図5】 Cu1-xTlx-1223 とCu1-xTlx-1234 薄膜の配向
特性を示すX線回折図で、(a)と(b)はc軸配向を
示し、(c)はCu1-xTlx-1234 薄膜のa,b軸配向を示
す図
【図6】 Cu1-xTlx-1223 とCu1-xTlx-1234 薄膜の電気
抵抗の温度変化を示す図
【図7】 Cu-1245 粉末のc軸配向させた試料のX線回
析図
【図8】 Cu-1245 のc軸配向試料における帯磁率の比
から求めた超伝導異方性と温度の関係を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 39/24 ZAA H01L 39/24 ZAAB

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元的な層状構造をもつ超伝導体が組
    成式Cu1-xMx(Ba1-ySry)2(Ca1-zLz)n-1CunO2n+4-w (式
    中、M=Tl,L=Li,Na,Y,ランタニド系列元素の一元素又は
    複数元素、0 <x < 0.7, 0≦y ≦1, 0≦z ≦1, 0≦w
    ≦4, 3≦n ≦16)で記述できる銅酸化物超伝導体である
    低異方性高温超伝導体。
  2. 【請求項2】 請求項1のCu1-xMx(Ba1-y Sry)2(Ca1-zL
    z)n-1CunO2n+4-w 中、Ba をランタニド系列元素で一部置
    換したCu1-xMx(Ba1-y-m SryRm)2(Ca1-zLz)n- 1CunO
    2n+4-w (式中、0 ≦m ≦1, 0≦y+m ≦1 ) の組成式で
    表される低異方性高温超伝導体。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至2項の超伝導体又はその原
    料を単結晶基板又は結晶配向基板上に堆積乃至塗布して
    金、銀、耐酸化性金属、又はセラミックス製の容器に封
    じ、高圧合成法、ホットプレス法、HIP法(高温静水
    圧処理法)、スパッタリング法、レーザアブレーション
    法のいずれか一つを用いて、少なくともa,c軸の2軸
    配向させた高い臨界電流密度Jcの配向結晶又は単結晶の
    薄膜乃至厚膜とすることを特徴とする低異方性高温超伝
    導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至2項の超伝導体又はその原
    料を単結晶基板又は結晶配向基板上に乗せ、金、銀、耐
    酸化性金属、又はセラミックス製容器に封入して、高圧
    合成法、ホットプレス法、HIP法(高温静水圧処理
    法)、スパッタリング法、レーザアブレーション法のい
    ずれか一つを用いて、一気圧以上の加圧下で少なくとも
    a,c軸の2軸配向させて高い臨界電流密度Jcのバルク
    又は単結晶とすることを特徴とする低異方性高温超伝導
    体の製造方法。
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JP2009507358A (ja) * 2005-07-29 2009-02-19 アメリカン・スーパーコンダクター・コーポレーション 高温超電導ワイヤ及びコイル
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