JP2878539B2 - チタンクラッド鋼の溶接方法 - Google Patents
チタンクラッド鋼の溶接方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタンクラッド鋼とチ
タン板の重ね継手溶接方法に関し、特にチタンクラッド
鋼のチタン合材およびチタン板の極薄を対象とし、例え
ば土木建築や配管分野における構造物表面のライニング
に使用されるチタンクラッド鋼の溶接施工に利用され
る。
タン板の重ね継手溶接方法に関し、特にチタンクラッド
鋼のチタン合材およびチタン板の極薄を対象とし、例え
ば土木建築や配管分野における構造物表面のライニング
に使用されるチタンクラッド鋼の溶接施工に利用され
る。
【0002】
【従来の技術】チタン板はステンレス鋼に比べて特に耐
蝕性が優れた特性を有するため、近年土木建築や化学・
原子力プラントの配管分野など幅広い分野で使用される
ようになった。しかし、チタンは高価であるため鋼母材
に極薄(0.5mm以下)のチタンを接合したチタンクラ
ッド鋼として使用されることが多い。従ってこのような
チタンクラッド鋼を用いた構造物の溶接は非常に重要で
ある。
蝕性が優れた特性を有するため、近年土木建築や化学・
原子力プラントの配管分野など幅広い分野で使用される
ようになった。しかし、チタンは高価であるため鋼母材
に極薄(0.5mm以下)のチタンを接合したチタンクラ
ッド鋼として使用されることが多い。従ってこのような
チタンクラッド鋼を用いた構造物の溶接は非常に重要で
ある。
【0003】チタンクラッド鋼を接合して構造物に構成
する場合に、例えば図5に示すように接合用のチタン板
2を用い、これとチタンクラッド鋼1の接合部近傍にお
けるチタン合材5とを重ねて継手溶接6することが行わ
れている。図中9はTIG溶接用トーチを示す。しか
し、図5に示すように極薄のチタン合材5をプラズマあ
るいはTIG溶接などでアーク溶接すると、チタン合材
5を貫通しクラッド鋼母材4から鉄が混入し、接合部6
が脆くなるとともに耐蝕性も劣化して、汎用的なアーク
溶接は実用上困難を極めている。
する場合に、例えば図5に示すように接合用のチタン板
2を用い、これとチタンクラッド鋼1の接合部近傍にお
けるチタン合材5とを重ねて継手溶接6することが行わ
れている。図中9はTIG溶接用トーチを示す。しか
し、図5に示すように極薄のチタン合材5をプラズマあ
るいはTIG溶接などでアーク溶接すると、チタン合材
5を貫通しクラッド鋼母材4から鉄が混入し、接合部6
が脆くなるとともに耐蝕性も劣化して、汎用的なアーク
溶接は実用上困難を極めている。
【0004】また、図6に示すような鋼母材4を溶かす
ことがない現行のシーム抵抗溶接は、チタン合材5とチ
タン板2の間に隙間8が生じ構造物の使用環境によって
は、該隙間8に隙間腐食が生ずる。チタンは、表面を酸
化膜にて不動態化して極めて優れた耐蝕性を有している
が、前記のように隙間8部の酸化膜が損傷を受けると酸
素の補給が隙間のために制約され、酸化耐蝕膜が生成さ
れないため隙間腐蝕が進行する。
ことがない現行のシーム抵抗溶接は、チタン合材5とチ
タン板2の間に隙間8が生じ構造物の使用環境によって
は、該隙間8に隙間腐食が生ずる。チタンは、表面を酸
化膜にて不動態化して極めて優れた耐蝕性を有している
が、前記のように隙間8部の酸化膜が損傷を受けると酸
素の補給が隙間のために制約され、酸化耐蝕膜が生成さ
れないため隙間腐蝕が進行する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、鋼母材を
溶融することなく、かつ隙間を形成しない耐蝕性の良好
な接合部を能率良く得るためのチタンクラッド鋼の溶接
方法を提供することを目的とする。
溶融することなく、かつ隙間を形成しない耐蝕性の良好
な接合部を能率良く得るためのチタンクラッド鋼の溶接
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のチタンクラッ
ド鋼の溶接方法は、鋼母材4にチタンを接合させたチタ
ンクラッド鋼1のチタン合材5側にチタン板2を当て、
チタンクラッド鋼1とチタン板2との重ね継手溶接する
方法において、該チタン板5最端部を連続シーム抵抗溶
接することを第1の発明の要旨とする。第2の発明は、
鋼母材4にチタンを接合させたチタンクラッド鋼1のチ
タン合材5側にチタン板2を当て、チタンクラッド鋼1
とチタン板5との重ね継手溶接する方法において、該チ
タン板2両最端部を同時に連続シーム抵抗溶接すること
を要旨とする。
ド鋼の溶接方法は、鋼母材4にチタンを接合させたチタ
ンクラッド鋼1のチタン合材5側にチタン板2を当て、
チタンクラッド鋼1とチタン板2との重ね継手溶接する
方法において、該チタン板5最端部を連続シーム抵抗溶
接することを第1の発明の要旨とする。第2の発明は、
鋼母材4にチタンを接合させたチタンクラッド鋼1のチ
タン合材5側にチタン板2を当て、チタンクラッド鋼1
とチタン板5との重ね継手溶接する方法において、該チ
タン板2両最端部を同時に連続シーム抵抗溶接すること
を要旨とする。
【0007】なお、シーム抵抗溶接方法としては、図1
に示すダイレクトシーム抵抗溶接方法または図2,図3
に示すインダイレクトシーム抵抗溶接方法により施工さ
れる。チタン板2上面のローラ電極3a,3cの給電部
はチタン板2の最端部を確実に加圧給電できるよう平坦
であることが好ましい。また、接合強度が要求される場
合は、図4に示すように鋼母材4の接合近傍におけるチ
タン合材5の縁部分を除去したのち、鋼母材4部をアー
ク溶接などで接合7してチタン合材5側にチタン板2を
当て、前記方法でシーム抵抗溶接をする。
に示すダイレクトシーム抵抗溶接方法または図2,図3
に示すインダイレクトシーム抵抗溶接方法により施工さ
れる。チタン板2上面のローラ電極3a,3cの給電部
はチタン板2の最端部を確実に加圧給電できるよう平坦
であることが好ましい。また、接合強度が要求される場
合は、図4に示すように鋼母材4の接合近傍におけるチ
タン合材5の縁部分を除去したのち、鋼母材4部をアー
ク溶接などで接合7してチタン合材5側にチタン板2を
当て、前記方法でシーム抵抗溶接をする。
【0008】
【作用】本発明方法においては、チタンクラッド鋼1の
チタン合材5側にチタン板2を当て、チタンクラッド鋼
1とチタン板2の重ね継手としチタン板2最端部をシー
ム抵抗溶接するので、チタンクラッド鋼1のチタン合材
5側とチタン板2のチタンクラッド鋼表面側の間に隙間
8ができず隙間腐食を生ずることがない。また、シーム
抵抗溶接することで鋼母材4を溶かすことがなく、接合
部6に鉄が混入しないので接合部6の靭性や耐蝕性が劣
化することはない。従って、耐蝕性良好な接合部6を得
ることができる。さらに、両最端面を同時に連続シーム
溶接することによりチタン板2の歪みがなくなるととも
に溶接能率も向上する。
チタン合材5側にチタン板2を当て、チタンクラッド鋼
1とチタン板2の重ね継手としチタン板2最端部をシー
ム抵抗溶接するので、チタンクラッド鋼1のチタン合材
5側とチタン板2のチタンクラッド鋼表面側の間に隙間
8ができず隙間腐食を生ずることがない。また、シーム
抵抗溶接することで鋼母材4を溶かすことがなく、接合
部6に鉄が混入しないので接合部6の靭性や耐蝕性が劣
化することはない。従って、耐蝕性良好な接合部6を得
ることができる。さらに、両最端面を同時に連続シーム
溶接することによりチタン板2の歪みがなくなるととも
に溶接能率も向上する。
【0009】
【実施例】以下、実施例により説明する。チタンクラッ
ド鋼1にチタン板2を当て、図1〜図6に示す各溶接方
法でチタンクラッド鋼1とチタン板2を接合した。表1
にチタンクラッド鋼1およびチタン板2のサイズと溶接
方法、溶接条件を示す。各試験の溶接が終了したのち、
接合部6への鉄の混入と、隙間8の有無を調べた。この
結果も表1に併記した。
ド鋼1にチタン板2を当て、図1〜図6に示す各溶接方
法でチタンクラッド鋼1とチタン板2を接合した。表1
にチタンクラッド鋼1およびチタン板2のサイズと溶接
方法、溶接条件を示す。各試験の溶接が終了したのち、
接合部6への鉄の混入と、隙間8の有無を調べた。この
結果も表1に併記した。
【0010】
【表1】
【0011】表1中、試験No.1〜4が本発明例で、試
験No.1は図1のダイレクトシーム抵抗溶接、試験No.
2は図2のインダイレクトシーム抵抗溶接、試験No.3
は図3のインダイレクトシーム抵抗溶接によるチタン板
2の両最端部同時に接合、試験No.4は図4に示すよう
に鋼母材4をアーク溶接したのち図2のインダイレクト
シーム抵抗溶接を行ったものである。これらはいずれも
チタンクラッド鋼1のチタン合材5部とチタン板2の接
合部6に鉄の混入がなく、かつ最端部が接合されて隙間
8がない極めて満足し得るものであった。
験No.1は図1のダイレクトシーム抵抗溶接、試験No.
2は図2のインダイレクトシーム抵抗溶接、試験No.3
は図3のインダイレクトシーム抵抗溶接によるチタン板
2の両最端部同時に接合、試験No.4は図4に示すよう
に鋼母材4をアーク溶接したのち図2のインダイレクト
シーム抵抗溶接を行ったものである。これらはいずれも
チタンクラッド鋼1のチタン合材5部とチタン板2の接
合部6に鉄の混入がなく、かつ最端部が接合されて隙間
8がない極めて満足し得るものであった。
【0012】比較例中、試験No.5は図5に示すTIG
溶接したものであるが、接合部6に鉄が混入した。試験
No.6は図6のようにダイレクトシーム抵抗溶接で、ロ
ーラ電極3aの狙い位置がチタン板2の端部ではないの
で隙間8が生じた。
溶接したものであるが、接合部6に鉄が混入した。試験
No.6は図6のようにダイレクトシーム抵抗溶接で、ロ
ーラ電極3aの狙い位置がチタン板2の端部ではないの
で隙間8が生じた。
【0013】
【発明の効果】この発明のチタンクラッド鋼の溶接方法
によれば、チタン板の最端部を確実に接合され、鋼母材
を溶融することがない。従って隙間を形成しない耐蝕性
の良好な接合部を能率良く得ることができる。
によれば、チタン板の最端部を確実に接合され、鋼母材
を溶融することがない。従って隙間を形成しない耐蝕性
の良好な接合部を能率良く得ることができる。
【図1】この発明を示すもので、ダイレクトシーム抵抗
溶接の例である。
溶接の例である。
【図2】この発明を示すもので、インダイレクトシーム
抵抗溶接の例である。
抵抗溶接の例である。
【図3】この発明を示すもので、インダイレクトシーム
抵抗溶接でチタン板両端面を同時に溶接する例である。
抵抗溶接でチタン板両端面を同時に溶接する例である。
【図4】チタンクラッド鋼同士をアーク溶接したのち、
チタン板を当てる例である。
チタン板を当てる例である。
【図5】従来技術において、TIG溶接で重ね継手溶接
をする例である。
をする例である。
【図6】従来技術において、ダイレクトシーム抵抗溶接
で隙間ができる例である。
で隙間ができる例である。
1 チタンクラッド鋼 2 チタン板 3a〜c ローラ電極 4 鋼母材 5 チタン合材 6 接合部 7 チタンクラッド鋼同士の接合部 8 隙間 9 TIG溶接用トーチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 添田 精一 東京都千代田区大手町2−6−3 新日 本製鐵株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 11/18
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼母材にチタンを接合させたチタンクラ
ッド鋼のチタン合材側にチタン板を当て、チタンクラッ
ド鋼とチタン板との重ね継手溶接する方法において、該
チタン板最端部を連続シーム抵抗溶接することを特徴と
するチタンクラッド鋼の溶接方法。 - 【請求項2】 鋼母材にチタンを接合させたチタンクラ
ッド鋼のチタン合材側にチタン板を当て、チタンクラッ
ド鋼とチタン板との重ね継手溶接する方法において、該
チタン板両最端部を同時に連続シーム抵抗溶接すること
を特徴とするチタンクラッド鋼の溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32817192A JP2878539B2 (ja) | 1992-12-08 | 1992-12-08 | チタンクラッド鋼の溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32817192A JP2878539B2 (ja) | 1992-12-08 | 1992-12-08 | チタンクラッド鋼の溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06198451A JPH06198451A (ja) | 1994-07-19 |
JP2878539B2 true JP2878539B2 (ja) | 1999-04-05 |
Family
ID=18207278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32817192A Expired - Fee Related JP2878539B2 (ja) | 1992-12-08 | 1992-12-08 | チタンクラッド鋼の溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2878539B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3707116B2 (ja) | 1995-10-26 | 2005-10-19 | ソニー株式会社 | 音声復号化方法及び装置 |
JP4754780B2 (ja) * | 2003-11-28 | 2011-08-24 | 日本冶金工業株式会社 | 金属板の溶接方法 |
JP4975948B2 (ja) * | 2003-11-28 | 2012-07-11 | Jfeスチール株式会社 | 厚金属基材表面への耐蝕性薄金属シートの溶接被覆方法 |
-
1992
- 1992-12-08 JP JP32817192A patent/JP2878539B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06198451A (ja) | 1994-07-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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