JP2878070B2 - パーフルオロ共重合体の製造方法 - Google Patents

パーフルオロ共重合体の製造方法

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JP2878070B2 JP13077793A JP13077793A JP2878070B2 JP 2878070 B2 JP2878070 B2 JP 2878070B2 JP 13077793 A JP13077793 A JP 13077793A JP 13077793 A JP13077793 A JP 13077793A JP 2878070 B2 JP2878070 B2 JP 2878070B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パーフルオロ共重合体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラフルオロエチレンとパーフルオロ
アルキルビニルエーテルとの共重合体(以下、PFAと
称する。)は、耐薬品性、耐熱性、溶融成形性及び電気
特性の優れた含フッ素樹脂としてよく知られており、広
い産業分野において使用されている。しかしながら、P
FAは、そのコモノマーであるパーフルオロアルキルビ
ニルエーテルの製造工程が複雑であること、およびパー
フルオロアルキルビニルエーテルとテトラフルオロエチ
レンとの共重合性が悪いことにより、非常に高価なもの
となっている。
【0003】一方、特開平2−276808号公報に
は、エーテル結合の酸素原子に隣接する炭素に2個の水
素原子を有する含フッ素ビニルエーテルがテトラフルオ
ロエチレンとの共重合性が良好であり、溶液重合法を用
いれば、ほぼ仕込み組成と同じ組成を持つ含フッ素ビニ
ルエーテルとテトラフルオロエチレンとの共重合体を製
造できることが開示されている。また、上記公報及び、
特開平2−28206号公報には、同様の含フッ素ビニ
ルエーテルとテトラフルオロエチレンとの共重合体をフ
ッ素ガスによってフッ素化し、パーフルオロ共重合体を
製造する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、含フッ
素共重合体をフッ素ガスでフッ素化すると、理由は明か
ではないが、フッ素化によって得られるパーフルオロ共
重合体の物性がばらついたり、大きく低下するという現
象が観察された。
【0005】また、一般にフッ素ガスと含水素有機化合
物は、条件によってはかなり激しい反応を起こすことが
知られている。このために、粉状の含フッ素共重合体を
フッ素ガスと反応させて、パーフルオロ共重合体に変換
する気固反応の場合においては、必要により不活性ガス
で希釈したフッ素ガスを用いたり、フッ素ガス導入時に
反応器を冷却するといった工夫が必要となっている。し
かしながら、このような工夫を行っても、場合によって
は、含フッ素共重合体とフッ素ガスとの接触時、或いは
フッ素ガス導入後の反応初期に急激なフッ素化反応が進
行し、そのために生じる反応熱の除去が不十分となり、
含フッ素共重合体の一部が溶融したり、更にはその熱の
ために、含フッ素共重合体が炭化するといった異常反応
が観察されることがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
フッ素化反応を安定させ、且つ物性の大きな低下が無
く、バラツキの小さな再現性の良いパーフルオロ共重合
体を製造することを目的として鋭意研究を重ねてきた。
その結果、比表面積及び粒子径が特定の範囲にある含フ
ッ素共重合体を原料として用いることによって、反応初
期の異常反応を抑え、且つ物性の大きな低下が無く、再
現性良くパーフルオロ共重合体が得られることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、テトラフルオロエチレン
と下記一般式(1) RfCH2OCF=CF2 (1) (但し、Rfはハロゲン化炭化水素基である。)で示さ
れる含フッ素ビニルエーテルとの共重合体であって、比
表面積が7〜18m2/gで且つ粒子径が3mm以下で
ある粒子が全体の90重量%以上である含フッ素共重合
体をフッ素ガスでフッ素化することを特徴とするパーフ
ルオロ共重合体の製造方法である。
【0008】上記した特開平2−28206号公報およ
び特開平2−276808号公報には、得られるパーフ
ルオロ共重合体の物性がばらつくという課題自体が全く
開示されておらず、したがって、それを解決するための
手段も開示されていない。実際、特開平2−28206
号公報では、重合反応によって得られた含フッ素共重合
体を溶媒および未反応モノマーから分離し、乾燥した後
そのままフッ素化反応に共している。また、特開平2−
276808号公報では、濾過、遠心分離、及び減圧下
での乾燥により含フッ素共重合体を溶媒および未反応モ
ノマーから分離している。このような方法によれば、粒
子径の大きな塊状の含フッ素共重合体の混入を避けるこ
とができない。従って、これらの含フッ素共重合体を用
いた場合、フッ素化反応は均一とは言い難い。
【0009】本発明において、フッ素ガスによるフッ素
化の原料としてテトラフルオロエチレンと前記一般式
(1)で示される含フッ素ビニルエーテルとの共重合体
が使用される。一般式(1)中、Rfで示される基はハ
ロゲン化炭化水素基であれば特に制限されないが、特に
本発明においては下記一般式 −Cabc(2a+1-b-c) (但し、Xは塩素原子または臭素原子であり、aは1以
上の整数であり、bは0〜2a+1の整数であり、cは
0又は1であり、且つ1≦b+c≦2a+1の関係を有
する。)で示される基が好適である。上記一般式におい
て、炭素数は特に制限はないが、原料の入手の容易さか
らaは1〜8の範囲が好ましい。
【0010】本発明で用いられる一般式(1)で示され
る含フッ素ビニルエーテルを具体的に例示すると、 CF2=CFOCH2CF3, CF2=CFOCH2CF2
CF3,CF2=CFOCH2CF2CF2H, CF2=C
FOCH2(CF22CF3,CF2=CFOCH2(CF
23CF3, CF2=CFOCH2(CF24CF3,C
2=CFOCH2(CF25CF3, CF2=CFOC
2(CF26CF3,CF2=CFOCH2(CF27
3, CF2=CFOCH2CF2Cl,CF2=CFO
CH2CF2Br, CF2=CFOCH2CF2CF2
l,CF2=CFOCH2CF2CF2Br, CF2=C
FOCH2(CF22CF2Cl,CF2=CFOCH
2(CF22CF2Br,CF2=CFOCH2(CF23
CF2Cl,CF2=CFOCH2(CF23CF2Br 等をあげることができる。
【0011】本発明において、テトラフルオロエチレン
と前記一般式(1)で示される含フッ素ビニルエーテル
との共重合によって得られる含フッ素共重合体の組成は
特に制限は無いが、後述するフッ素化反応によって得ら
れるパーフルオロ共重合体の物性が含フッ素共重合体の
物性とほぼ等しくなることから、含フッ素共重合体の溶
融粘度をあまり大きくせず、且つ軟化温度を適当な値に
維持して成形加工を容易にするために、前記一般式
(1)で示される含フッ素ビニルエーテルが0.5〜2
0mol%、テトラフルオロエチレンが99.5〜80
mol%の範囲であることが好ましい。
【0012】本発明においては、テトラフルオロエチレ
ンと含フッ素ビニルエーテルの共重合体の製造方法は特
に制限されず、公知の方法を採用すればよい。また、含
フッ素共重合体を製造するにあたって、分子量調節のた
めに連鎖移動剤を添加することもできる。更に、本発明
において使用される含フッ素共重合体は、改質を目的と
してヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデン等のフルオロオレフィンに基
づく単量体単位を5モル%以下で含んでいてもよい。
【0013】本発明においては、フッ素ガスによるフッ
素化に共する上記の含フッ素共重合体の比表面積が7〜
18m2/gの範囲でなければならず、8〜17m2/g
の範囲であることが好ましい。比表面積がこの範囲より
小さい場合は、フッ素化をおこなうことによって得られ
るパーフルオロ共重合体の物性が低下し、且つばらつく
ことが多くなる。逆に比表面積がこの範囲より大きな場
合は、フッ素ガス導入時、或いはフッ素化反応の初期に
おいて、急激なフッ素化反応が進行し、発生する反応熱
のために原料が溶融、或いは炭化するといった異常反応
が生起することがある。従って、異常反応を起こすこと
無く比表面積の大きな含フッ素共重合体のフッ素化を行
うためには、低濃度のフッ素ガスを用いたり、非常に低
温での冷却が必要となり、工業的には不利である。
【0014】更に本発明においては、フッ素ガスによる
フッ素化に共する上記の含フッ素共重合体は、粒子径が
3mm以下である粒子が全体の90重量%以上でなけれ
ばならない。粒子径が3mm以下である粒子が全体の9
0重量%未満のときは粗粒が多くなるためにフッ素化反
応が不均一になり、得られるパーフルオロ共重合体の物
性がばらつくために好ましくない。また、余りにも大き
な粒子径を有する塊が混入した場合、反応器への出し入
れの際、特別の配慮、器具等が必要となり工業的に有利
とは言えない。更に本発明においては、より均一なフッ
素化反応をおこなう為に、粒子径1mm以下である粒子
が全体の90重量%以上であることが好ましい。
【0015】このような含フッ素共重合体を得るための
方法は特に制限されないが、例えば、次のような方法で
製造することができる。重合反応によって得られた含フ
ッ素共重合体は、重合反応混合物から未反応モノマーお
よび溶媒等を分離して得られる。この分離操作におい
て、濾過、遠心分離、加熱または減圧等の公知の方法を
何等制限無く採用できる。この分離操作の種類によっ
て、含フッ素共重合体の比表面積はほぼ決定される。即
ち、濾過、遠心分離を採用した場合は、比較的比表面積
の小さな含フッ素共重合体が得られ、またスプレードラ
イ法、フリーズドライ法では比較的比表面積の大きな含
フッ素共重合体が得られ、薄膜蒸発乾燥法、加熱、減圧
による溶媒等の除去をおこなった場合は中程度の比表面
積を有する含フッ素共重合体が得られる。
【0016】ここで、上記分離方法においては、その条
件を制御することによって、ある程度比表面積を制御で
きる。採用する分離方法及び装置の種類によって条件が
異なるために一概には規定できないが、例えば、加熱ま
たは減圧による溶媒等の除去、或いは薄膜蒸発乾燥法、
スプレードライ法等、蒸発による溶媒等の除去方法で
は、処理量、処理温度及び溶媒等の蒸発速度を制御する
ことによって比表面積を制御することができる。また、
一旦固体として分離した含フッ素共重合体を溶媒に分散
させた後、前述したような方法によって再度溶媒を除去
して比表面積を調節することもできる。
【0017】また、粒子径が3mm以下である粒子が全
体の90重量%以上である含フッ素共重合体を得る方法
は、特に制限されないが、一般には篩による篩分け法、
風力分級機による分級法等を例示することができる。更
に溶媒より分離された含フッ素共重合体に大きな塊が混
入している場合は粉砕することによって、粒子径が3m
m以下、好ましくは1mm以下である粒子を全体の90
重量%以上にすれば良い。
【0018】フッ素ガスによるフッ素化方法は、必要に
より不活性ガスで希釈したフッ素で直接含フッ素共重合
体をフッ素化する気固反応が採用される。この場合、フ
ッ素ガスに対し耐蝕性を有する材質の反応器を用い、含
フッ素共重合体とフッ素ガスの接触を良くするために、
攪拌下、或いは振動下に反応をおこなうことが好まし
い。反応方法の例としては、含フッ素共重合体の存在す
る反応器にフッ素ガスを流通させつつフッ素化を行う流
通法、及び所定濃度のフッ素ガスを封じ込めてフッ素化
するバッチ法等を挙げることができる。
【0019】反応条件によっては、フッ素ガスと一般の
含水素有機化合物とはかなり激しい反応を起こすことが
知られている。従って、最初に反応器にフッ素ガスを導
入する場合は、一旦反応器を冷却し、フッ素ガスを充填
した後に反応温度まで昇温することが好ましい。バッチ
法の場合、一回のフッ素ガス導入量が含フッ素共重合体
をパーフルオロ共重合体に変換するのに十分な量でない
場合は、一定の反応時間経過後、反応器内のガスを排出
した後、新たにフッ素ガスを導入してもよい。この場合
も、一旦反応器を冷却してフッ素ガスを導入することが
好ましい。フッ素ガスの導入温度は、含フッ素共重合体
中の水素原子の量、あるいは反応形式等によって若干異
なるが、一般には室温以下であれば良い。また、反応途
中にフッ素ガスの入れ替えを行う場合、反応中の含フッ
素共重合体中に残存する水素原子の量によっては、最初
のフッ素ガス導入より高い温度でフッ素ガスを導入して
も良い。また、流通法の場合は、フッ素ガス導入開始時
に反応器を冷却することの他に、導入フッ素ガスの濃度
を低濃度から始め、濃度を徐々に上げて行くことも反応
を穏やかに行うためには有効である。
【0020】反応温度は、0℃〜200℃、好ましくは
0℃〜150℃であり、反応を効率的に行うためには、
上記温度範囲内で段階的、あるいは連続的に昇温するこ
とも有効である。導入するフッ素ガスは窒素、或いはヘ
リウム等の不活性ガスを用いてフッ素ガス濃度が10〜
100%、好ましくは50〜100%となるように無希
釈、或いは希釈して用いることが好ましい。また、フッ
素ガスの圧力には特に制限は無いが、反応の安全性の観
点から1〜20kg/cm2、好ましくは1〜10kg
/cm2の圧力下で反応を行うことが良い。更に反応時
間に関しては、反応条件によって一概には規定できない
が、一般には1〜100時間、好ましくは5〜50時間
フッ素化すれば良い。
【0021】
【発明の効果】以上の説明により理解されるように、本
発明によれば特定の比表面積及び、粒子径を有する含フ
ッ素共重合体を用いることによって、フッ素ガスとの反
応を穏やかに、且つ物性の低下が少なく、再現性良くパ
ーフルオロ共重合体を製造することができる。また、反
応の条件によっては、分子鎖末端に存在する−COF
基、−COOH基等の不安定末端基の非常に少ないパー
フルオロ共重合体を製造することもできる。
【0022】本発明によって製造されるパーフルオロ共
重合体は熱安定性、耐薬品性、電気特性等、フッ素樹脂
としての特性が要求される産業分野において使用でき
る。
【0023】
【実施例】本発明を更に詳細に説明するために以下に実
施例を示すが、本発明はこれら実施例によって何等制限
をうけるものではない。
【0024】なお、測定値は次のようにして求めた。
【0025】1.比表面積の測定 柴田科学器械工業(株)製、迅速表面積測定装置SA−
1000を用いて、BET簡便法による一点式窒素吸着
によって求めた。
【0026】2.引張破断強度の測定 本発明で得られたパーフルオロ共重合体、及びその原料
である含フッ素共重合体を350℃の温度で溶融し、加
圧下冷却することによって、約1mm厚のシートを作成
した。このサンプルをJIS K−7113に準拠して
引張破断強度を測定した。
【0027】3.比溶融粘度の測定 高化式フローテスターを用いた。直径1mm、長さ10
mmのダイスを用い、温度372℃で13.14kgの
荷重で測定した。
【0028】製造例1 攪拌機を有したステンレス製の3L反応器に予め蒸留に
より精製した1,1,2-トリクロロトリフルオロエタン
3.0kgを入れた後、内部を脱気した。その後、18
℃に温度制御されたステンレス製の100mLの容器に
入った2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルトリフルオロ
ビニルエーテル中に、6kg/cm2−Gの圧力下にお
いて、テトラフルオロエチレンをバブリングすることに
より2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルトリフルオロビ
ニルエーテルの濃度が3.1モル%の2,2,3,3,3-ペンタ
フルオロプロピルトリフルオロビニルエーテルとテトラ
フルオロエチレンとの混合ガスを調製し、この混合ガス
を反応器に導入して大気圧とした後、反応器内にメタノ
ール0.94gを入れ、次いで攪拌モーターの回転数を
800回転とし、上記モノマー混合ガスを導入し6kg
/cm2−Gにした。この時、反応器内に存在するモノ
マーに対するメタノールの濃度は0.65モル%であっ
た。
【0029】ここで、反応器内は22℃に保ちつつ(C
37CO22の1,1,2-トリクロロトリフルオロエタン溶
液(5wt%)3.62g(反応器内の液相に存在する
モノマーに対して0.010モル%)を導入して重合を
開始した。重合中、重合温度を22℃に保ち、圧力は上
記モノマー混合ガスを導入することによって6kg/c
2−Gに保った。反応開始80分後、上記モノマー混
合ガスの導入量が170gになったところで反応器内の
圧力を放出した後、反応器から反応混合液500mLを
取りだし、1,1,2-トリクロロトリフルオロエタンで5倍
に希釈した。その後反応器を冷却トラップを介し真空ポ
ンプに接続し攪拌しつつ減圧にし、溶媒、未反応モノマ
ー等の低沸点成分をトラップ内に回収した。留出後、反
応器を解体し、共重合体を取り出し150℃で12時間
真空乾燥した。次にこの共重合体の一部を粉砕して含フ
ッ素共重合体(1)を得た。この含フッ素共重合体
(1)を篩を用い分画したところ、1mm以下の粒子径
を有する粒子が全体の94重量%であった。更にこの含
フッ素共重合体(1)の比表面積は14.9m2/gで
あり、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルトリフルオロ
ビニルエーテルに由来する単量体単位が3.1モル%含
まれており、372℃で測定した比溶融粘度は2.8×
105ポアズであり、引張破断強度は510kg/cm2
であった。
【0030】乾燥後、未粉砕含フッ素共重合体(2)を
篩を用いて分画したところ、3mm以下の粒子径を有す
る粒子は全体の83重量%であった。次にこの含フッ素
共重合体(2)の分析をおこなったところ比表面積が1
3.2m2/gである他は含フッ素共重合体と同じであ
った。
【0031】製造例2 製造例1と同様に重合した後の希釈した反応混合液から
スプレードライヤーを用いて含フッ素共重合体を分離し
た後、粒子径1mm以下の粒子が99重量%含まれる含
フッ素共重合体(3)を得た。この含フッ素共重合体
(3)の比表面積は22.4m2/gであり、2,2,3,3,3
-ペンタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル
に由来する単量体単位が3.1モル%含まれており、3
72℃で測定した比溶融粘度は2.8×105ポアズで
あり、引張破断強度は510kg/cm2であった。
【0032】製造例3 製造例1と同様に重合した後の希釈した反応混合液をビ
ーカーに入れ、静置したまま溶媒を蒸発させ、その後1
50℃で12時間乾燥した。次にこの含フッ素共重合体
を粉砕した、粒子径1mm以下の粒子を98重量%含む
含フッ素共重合体(4)を得た。この含フッ素共重合体
(4)の比表面積は5.2m2/gであり、2,2,3,3,3-
ペンタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテルに
由来する単量体単位が3.1モル%含まれており、37
2℃で測定した比溶融粘度は2.8×105ポアズであ
り、引張破断強度は510kg/cm2であった。
【0033】製造例4 製造例1、2、3と同様な操作をおこない、それぞれの
製造例に対応して比表面積が16.8m2/gの含フッ
素共重合体(5)、28.6m2/gの含フッ素共重合
体(6)、及び3.0m2/gの含フッ素共重合体
(7)を製造した。尚、何れの含フッ素共重合体も2,2,
3,3,3-ペンタフルオロプロピルトリフルオロビニルエー
テルに由来する単量体単位が6.1モル%含まれてお
り、372℃で測定した比溶融粘度は0.55×105
ポアズであり、引張破断強度は510kg/cm2であ
った。また各含フッ素共重合体に含まれる粒子径1mm
以下の粒子の含有率は94重量%(含フッ素共重合体
(5))、98重量%(含フッ素共重合体(6))、9
3重量%(含フッ素共重合体(7))であった。
【0034】製造例5 含フッ素ビニルエーテルとして2,2,3,3-テトラフルオロ
プロピルトリフルオロビニルエーテルを用いた他は製造
例1と同様にして重合をおこなった。得られた反応混合
液を希釈した後、スプレードライヤーの運転条件を制御
することで含フッ素共重合体(8)(比表面積8.5m
2/g)および含フッ素共重合体(9)(比表面積1
9.3m2/g)を得た。これらの共重合体を分析した
ところ、何れも2,2,3,3-テトラフルオロプロピルトリフ
ルオロビニルエーテルに由来する単量体単位が3.0モ
ル%含まれており、372℃で測定した比溶融粘度が
1.6×105ポアズであり、引張破断強度は500k
g/cm2であった。また各含フッ素共重合体に含まれ
る粒子径1mm以下の粒子の含有率は95重量%(含フ
ッ素共重合体(8))、98重量%(含フッ素共重合体
(9))であった。
【0035】実施例1 モーターで回転できるようにした内容積120mLのニ
ッケル製反応器に製造例1で得られた含フッ素共重合体
(1)(比表面積14.9m2/g)を20g入れ、反
応器内を十分脱気した後、氷冷下窒素で希釈した75容
量%のフッ素ガスを2kg/cm2−Gまで導入した。
次に反応器を10℃のオイルバスに入れ、回転しながら
オイルバスの温度を1℃/分の速度で95℃まで昇温し
た。95℃で2時間反応を行った後、内部を窒素を置換
した。次に反応器を氷冷した後、同様なフッ素ガス導
入、昇温操作を繰り返し、95℃で2時間、95℃で9
時間、135℃で9時間反応を行った。反応終了後、反
応器内部を十分窒素置換し、反応生成物20gを白色粉
体として取りだした。
【0036】この白色粉体を330℃でフィルム化して
IRを測定したところ側鎖であるパーフルオロプロポキ
シ基はパーフルオロプロピルビニルエーテルに換算して
2.6モル%含まれていることがわかった。372℃で
測定した比溶融粘度は2.4×105ポアズであり、引
張破断強度は505kg/cm2であった。
【0037】比較例1 モーターで回転できるようにした内容積120mLのニ
ッケル製反応器に製造例2で得られた含フッ素共重合体
(3)(比表面積22.4m2/g)を20g入れ、反
応器内を十分脱気した後、氷冷下窒素で希釈した75容
量%のフッ素ガスの導入を開始した。反応器内の圧力が
0.5kg/cm2−Gになったところで急激に圧力が
上昇しだしたので、フッ素ガスの導入を停止した。反応
器の圧力は3kg/cm2−Gまで上昇し、すぐに0.
5kg/cm2−Gまで下がった。反応器内部を十分窒
素置換した後、反応器を開放して内容物を取りだしたと
ころ、粉体中に表面の一部が炭化した円盤状の塊があっ
た。その塊は一旦溶融した後に固化した樹脂と良く似て
いた。
【0038】実施例2および比較例2 実施例1と同様な操作を行い、製造例1〜5で得られた
各種の比表面積を有する含フッ素共重合体のフッ素化
を、それぞれの含フッ素共重合体について5回ずつおこ
ない、異常反応が生じた回数を表1に示した。その結
果、比表面積が18m2/g以下の含フッ素共重合体で
は、フッ素ガスとの接触時、或いはフッ素ガス導入後の
反応初期に急激なフッ素化反応が進行して、共重合体の
一部が溶融したり、或いは炭化するといった異常反応は
観察されなかった。
【0039】また、含フッ素共重合体の比表面積、粒子
径1mm以下の粒子の含有率、得られたパーフルオロ共
重合体及びその原料である含フッ素共重合体の比溶融粘
度、引張破断強度、共重合体中に含まれる単量体単位
(パーフルオロ共重合体に付いてはパーフルオロアルキ
ルビニルエーテルに換算した単量体単位)、及びパーフ
ルオロ共重合体の比溶融粘度、引張破断強度、単量体単
位の変動係数(標準偏差を平均値で除して100を乗じ
た値、単位%)を表2に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】実施例3および比較例3 実施例1と同様な操作を行い、製造例1で得られた粒子
径の異なる含フッ素共重合体のフッ素化を、それぞれの
含フッ素共重合体について5回ずつおこなった。含フッ
素共重合体の比表面積、粒子径1mm以下の粒子の含有
率、得られたパーフルオロ共重合体及びその原料である
含フッ素共重合体の比溶融粘度、引張破断強度、共重合
体中に含まれる単量体単位(パーフルオロ共重合体に付
いてはパーフルオロアルキルビニルエーテルに換算した
単量体単位)、及びパーフルオロ共重合体の比溶融粘
度、引張破断強度、単量体単位の変動係数(標準偏差を
平均値で除して100を乗じた値、単位%)を表3に示
した。
【0043】
【表3】
【0044】実施例4 製造例1と同様にして表4に示した各種の含フッ素ビニ
ルエーテルを使用して含フッ素共重合体を製造し、実施
例1と同様な方法でフッ素化を行った。重合に用いた含
フッ素モノマー、含フッ素共重合体の比表面積、粒子径
1mm以下の粒子の含有率、及び含フッ素共重合体、並
びにパーフルオロ共重合体中に含まれる単量体単位(パ
ーフルオロ共重合体に付いてはパーフルオロアルキルビ
ニルエーテルに換算した単量体単位)、溶融粘度、及び
引張破断強度、更にはこれらの変動係数(標準偏差を平
均値で除して100を乗じた値、単位%)、及び異常反
応の有無を表4に示した。
【0045】
【表4】
【0046】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テトラフルオロエチレンと下記一般式 RfCH2OCF=CF2 (但し、Rfはハロゲン化炭化水素基である。)で示さ
    れる含フッ素ビニルエーテルとの共重合体であって、比
    表面積が7〜18m2/gで且つ粒子径が3mm以下で
    ある粒子が全体の90重量%以上である含フッ素共重合
    体をフッ素ガスでフッ素化することを特徴とするパーフ
    ルオロ共重合体の製造方法。
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