JP2877908B2 - 抗ヘルペスペンタペプチド類 - Google Patents

抗ヘルペスペンタペプチド類

Info

Publication number
JP2877908B2
JP2877908B2 JP2177198A JP17719890A JP2877908B2 JP 2877908 B2 JP2877908 B2 JP 2877908B2 JP 2177198 A JP2177198 A JP 2177198A JP 17719890 A JP17719890 A JP 17719890A JP 2877908 B2 JP2877908 B2 JP 2877908B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
alkyl
asp
phenyl
acceptable salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2177198A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03101696A (ja
Inventor
アダムス ジュリアン
ルイ ボーリウ ピエール
ラヴァレ ピエール
プラント レイモン
ラキット シューマナス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BEERINGAA INGERUHAIMU KANADA Ltd
Original Assignee
BEERINGAA INGERUHAIMU KANADA Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BEERINGAA INGERUHAIMU KANADA Ltd filed Critical BEERINGAA INGERUHAIMU KANADA Ltd
Publication of JPH03101696A publication Critical patent/JPH03101696A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2877908B2 publication Critical patent/JP2877908B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K5/00Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K5/04Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing only normal peptide links
    • C07K5/10Tetrapeptides
    • C07K5/1002Tetrapeptides with the first amino acid being neutral
    • C07K5/1005Tetrapeptides with the first amino acid being neutral and aliphatic
    • C07K5/101Tetrapeptides with the first amino acid being neutral and aliphatic the side chain containing 2 to 4 carbon atoms, e.g. Val, Ile, Leu
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/20Antivirals for DNA viruses
    • A61P31/22Antivirals for DNA viruses for herpes viruses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/005Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2710/00MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA dsDNA viruses
    • C12N2710/00011Details
    • C12N2710/16011Herpesviridae
    • C12N2710/16611Simplexvirus, e.g. human herpesvirus 1, 2
    • C12N2710/16622New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Virology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の利用分野 本発明は抗ウイルス特性を有するペプチド誘導体およ
び該誘導体のウイルス感染を治療するための使用方法に
関する。さらに詳細には、本発明はヘルペスウイルスに
対して活性を示すペプチド誘導体(以下、ペプチドと称
す)、該ペプチドを含む薬剤組成物、および該ペプチド
のヘルペス感染を治療するための使用方法に関する。
発明の背景 ヘルペスウイルス群はヒトおよび多くの重要な家畜を
悩ませる広範囲の感染症の原因となる。これらのウイル
スによって生ずる疾患は煩わしい単純ヘルペスから中枢
神経系の高破壊性感染症(脳炎)にまで及ぶ。この群の
より普通のメンバーには、単純ヘルペスおよび性器病変
の原因となる単純ヘルペスウイルス(タイプ1および
2);水痘および帯状疱疹を引き起す水痘帯状ヘルペス
ウイルス;および伝染性単核症を引き起すエズスティン
−パールウイルスがある。最近の10年間で抗ウイルス治
療において幾つかの著しい進歩はなされているものの、
ヘルペスウイルス感染症を治療するための有効で安全な
治療剤が求められている。この分野の流通している治療
剤の最近の論評については、M.C.Nahata,“Antiviral D
rugs:Pharmacokinetics,Adverse Effects and Therapeu
tic Use",J.Pharm.Techol.,,100(1987)を参照され
たい。
本出願はヘルペルウイルスに対して活性を有する一群
のペプチド誘導体を開示する。これらペプチドのヘルペ
スウイルスに対する比較的選択性の作用は、その大きい
安全性と共に、これらのペプチドをヘルペス感染症を撲
滅するための望ましい薬剤としている。
抗ヘルペス活性とペプチド類との関連はまれにしか開
示されてない。そのような関連の報告例には、B.M.Duti
a等、Nature、321、439(1986);E.A.Cohen等、Natur
e、321441(1986);1987年7月8日に公開されたJ.H.Su
bak−Sharpe等の英国特許出願第2185024号;1987年11月2
5日に公開されたE.A.Cohen等のヨーロッパ特許出願第24
6630号;1988年11月23日に公開されたR.Freidinger等の
ヨーロッパ特許出願第292255号;および1989年3月21日
に発行されたR.Freidinger等の米国特許第4,814,432号
がある。従来の報告の対象ペプチドは本発明のペプチド
と特徴的構造および生物学的差異によって区別できる。
発明の内容 本発明のペプチドは、式1: XNR1−CH(R2)−C(O)−NH−CH(R3)−C(O)−NR4
−CH(CH2Y)−CO−NH−CH−〔CR5(R6)−COOH〕−C
(W)−NH−CH(R7)−Z 1 〔式中、Xは(1〜10C)アルカノイル;(1〜10C)
アルコキシカルボニル;ベンゾイル;ハロ、ヒドロキ
シ、低級アルキル、低級アルコキシ、フェニル、2−カ
ルボキシフェニルまたはベンジルから選ばれた置換基に
よってモノまたはジ置換されたベンゾイル;2,2−ジフェ
ニルアセチル;フェニル(2−10C)アルカノイル;ま
たはその芳香族部分でハロ、ヒドロキシ、低級アルキ
ル、低級アルコキシまたはフェニルから選ばれた置換基
でモノまたはジ置換されたフェニル(2〜10C)アルカ
ノイルであり; R1は低級アルキルまたはフェニル(低級)アルキルで
あり; R2は低級アルキルまたはヒドロキシ(低級)アルキル
であり; R3は水素、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキ
ル、メルカプト(低級)アルキル、メトキシ(低級アル
キル)、メチルチオ(低級)アルキル、低級シクロアル
キルまたは(低級シクロアルキル)メチルであり; R4、R5およびR6は各々個々に水素または低級アルキル
であり; R7は低級アルキルであり; Wはオキソまたはチオキソであり; Yはカルボキシ、カルバミルまたは5−1H−テトラゾ
リルであり;そして、 Zはカルボキシまたは5−1H−テトラゾリルである〕 またはその治療上許容し得る塩によって示される。
本発明のペプチドの好ましい群は、Xが(1〜10C)
アルカノイル;(1〜10C)アルカノイルカルボニル;
ベンゾイル;ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ア
ルコキシ、フェニル、2−カルボキシフェニルまたはベ
ンジルでモノ置換されたベンゾイル;2,2−ジフェニルア
セチル;フェニル(2〜10C)アルカノイルまたはその
芳香族部分でハロ、ヒドロキシ、低級アルキルまたは低
級アルコキシから選ばれた置換基でモノまたはジ置換さ
れたフェニル(2〜10C)アルカノールであり;R1
R2、R3、R4、R5、R6、R7、W、YおよびZが前記で定義
したとおりである式1またはその治療上許容し得る塩で
示される。
より好ましい群のペプチドはX、R1、R2およびR7が上
記好ましい場合で定義したとおりであり、R3が水素、低
級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、メトキシ
(低級)アルキル、低級シクロアルキルまたは(低級シ
クロアルキル)メチルであり;R4、R5およびR6が各々個
々に水素またはメチルであり;Yがカルバミルまたは5−
1H−テトラゾリルであり;Zがカルボキシまたは5−1H−
テトラゾリルである式1またはその治療上許容し得る塩
で示される。
最も好ましい群のペプチドはXがアセチル、4−メト
キシペンタノイル、ベンゾイル、2−ビフェニリルカル
ボニル、2−(フェニルメチル)ベンゾイル、2,2−ジ
フェニルアセチル、フェニルアセチル、フェニルプロピ
オニルまたは(4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル
であり;R1がメチル、エチル、2−メチルプロピルまた
は2−フェニルエチルであり;R2が1−メチルエチル、
1−メチルプロピルまたは1−ヒドロキシエチルであ
り;R3が低級アルキル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロ
キシエチル、1−メトキシエチル、シクロペンチルまた
はシクロヘキシルメチルであり;R4が水素またはメチル
であり、R5およびR6が水素であり;R7が2−メチルプロ
ピルであり;YおよびZがより好ましい場合で定義したと
おりである式1またはその治療上許容し得る塩で示され
る。
本発明の範囲には、抗ヘルペスウイルス的に有効量の
式1のペプチドまたはその治療上許容し得る塩、および
薬学上または獣医学上許容し得る担体とを含む医薬組成
物も包含される、 また、本発明の範囲には式1のペプチドまたはその治
療上許容し得る塩、および皮ふ適用に適する生理学上許
容し得る担体とを含む化粧用組成物も包含される。
本発明の重要な局面は哺乳動物に抗ヘルペスウイルス
的に有効量の式1のペプチドまたはその治療上許容し得
る塩を投与することによる哺乳動物のヘルペスウイルス
感染症の治療方法を含む。
他の重要な局面はヘルペスウイルスをヘルペスウイル
スリボヌクレオチドリダクターゼ抑制量の式Iのペプチ
ドまたはその治療上許容し得る塩と接触させることによ
るヘルペスウイルスの複製を抑制する方法を含む。
式Iのペプチドの調製方法は後述する。
別法として、式1は次のように示され得る: アミノ酸またはアミノ酸誘導体に関しての用語“残
基”とは相応するα−アミノ酸からそのカルボニル基の
ヒドロキシおよびα−アミノ基の1個の水素を削除する
ことによって誘導された基を意味する。
一般的には、アミノ酸および保護基を表示するために
本明細書で使用する略省形はIUPAC−IUM生化学命名委員
会の推契に基づくものであり、European Journal of Bi
ochemistry138、9(1984)を参照されたい。例えば、G
ly、Val、Thr、Ala、Ile、Asp、SerおよびLeuは、各
々、グリシン、L−バリン、L−スレオニン、L−アラ
ニン、L−イソロイシン、L−アスパラギン酸、L−セ
リンおよびL−ロイシンの残基を示す。
末端基を除く、式Iのペプチドの主直鎖軸(即ち、主
鎖)中に存在する不斉炭素原子はS配置を有する。末端
基中の側鎖を包含するアミノ酸または誘導アミノ酸残基
の側鎖中に存在する不斉炭素原子またはR配置も有し得
る。さらにまた、式1のペプチドのXにおいて定義した
ようなジ置換ベンゾイルおよびジ置換フェニル(1〜10
C)アルカノイルに関しては、これらの置換基は互いの
存在を干渉しないという論拠に基づいて選択する。
本明細書で使用するときの用語“ハロ”はブロモ、ク
ロロ、フルオロまたはイオドから選ばれたハロ基を意味
する。
本明細書で単独またはある基と組合せて使用するとき
の“低級アルキル”なる用語は1〜6個の炭素原子を含
有する直鎖のアルキル基および3〜6個の炭素原子を含
有する枝分れ鎖のアルキル基を意味し、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ヘキシル、1−メチルエチル、
1−メチルプロピル、2−メトキシプロピルおよび1,1
−ジメチルエチルを包含する。
本明細書において単独またはある基と組合せて使用す
るときの“低級シクロアルキル”なる用語は3〜6個の
炭素原子を含有する飽和環状炭化水素基を意味し、シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシク
ロヘキシルを包含する。
本明細書において使用するときの“低級アルコキシ”
なる用語は1〜4個の炭素原子を含有する直鎖アルコキ
シ基および3〜4個の炭素原子を含有する枝別れ鎖のア
ルコキシ基を意味し、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、1−メチルエトキシ、ブトキシおよび1,1−ジメチ
ルエトキシを包含する。最後の基は普通ターシャリーブ
チロキシとして知られている。
本明細書において単独またはある基と組合せて使用す
るときの“(1−10C)アルコキシ”なる用語は1〜10
個の炭素原子を含有する直鎖または枝別れ鎖のアルコキ
シ基を意味する。本明細書で使用するときの“(1−10
C)アルカノイル”なる用語は1〜10個の炭素原子を含
有する直鎖または枝別れ鎖の1−オキソアルキル基、例
えば、アセチル、4−メチル−1−オキソペンチル(ま
たは4−メチルペンタノイル)またはオキソオクチル
(またはオクタノイル)を意味する。本明細書で使用す
るときの“フェニル(2〜10C)アルカノイル”なる用
語はフェニル置換1−オキソアルキル基であってその1
−オキソアルキル部分が2〜10個の炭素原子を含有する
直鎖または枝別れの1−オキソアルキル基であるもの、
例えば、1−オキソ−3−フェニルプロピルおよび1−
オキソ−5−メチル−6−フェニルヘキシルを意味す
る。
2個のアミノ酸残基の3文字表示間で使用する記号
“Ψ〔CSNH〕は表示しているペプチド中のアミノ酸残基
間の通常のアミド結合がチオアミド結合で置き換ってい
ることを意味する。
本明細書で使用するときの“薬学上許容し得る担体”
または“獣医学上許容し得る担体”なる用語は活性成分
に悪影響を及ぼさない活性成分用の無毒の一般に不活性
なベヒクルを意味する。
本明細書で使用するときの“生理学上許容し得る担
体”なる用語は含有させた活性成分と反応しないあるい
は活性成分の有効性を低下させない1種以上の無毒の賦
形剤の許容し得る化粧用ベヒクルを意味する。
本明細書で使用するときの“獣医学上許容し得る担
体”なる用語は薬剤物質と反応せずあるいは薬剤物質の
有効性を低下させない1種以上の無毒の薬学上許容し得
る賦形剤を含む薬剤物質の家畜への投与のための生理学
上許容し得るベヒクルを意味する。
“有効量”なる用語は抗ウイルス剤の所定の抗ウイル
ス量、即ち、インビボでのウイルス生物に対して有効な
十分な抗ウイルス剤の量を意味する。
本明細書で使用するときの“カップリング剤”なる用
語はアミノ酸またはペプチドの遊離カルボキシ基と他の
アミノ酸またはペプチドの遊離アミノ基との脱水カップ
リングを行って反応物間でアミド結合を形成させ得る剤
を意味する。これらのカップリング剤はカルボキシル基
を活性化することによって脱水カップリングを促進また
は容易にする。そのようなカップリング剤および活性化
基の開示は一般的なペプチド化学の教科書、例えばE.Sc
hroderおよびK.L.Lubke著、“The Peptides"、ニューヨ
ーク州ニューヨークのAcademic Press社刊、1965、2−
128、およびK.D.Kopple著、“Peptides and Aminoacid
s"、ニューヨーク州ニューヨークのW.A.Benjamin社刊、
1966、33−51においてなされている。カップリング剤の
例には塩化チオニル、ジフェニルホスホリルアシド、1,
1′−カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド、N−ヒドロキシサクシンイミド、または
ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下での1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾールがある。極めて実際的で有用
なカップリング剤は、B.Castro等、Tetrahedron Letter
s、1219(1975)(D.Hudson,J.Org.Chem.,53、617(198
8)も参照されたい)に記載された単独または1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾールの存在下での(ベンゾトリア
ゾール−1−イロキシ)トリス(ジメチルアミノ)−ホ
スホニウムヘキサフルオロホスフェートである。
方法 式1のペプチドはアミノ酸残基および/またはペプチ
ドフラグメントの古典的な溶液カップリングのようなペ
プチド合成に普通に用いられる方法および必要に応じて
の固相法を用いる方法によって調製できる。そのような
方法は、例えば、上述のE.ScheroderおよびK.Lubke著、
参考書シリーズ“The Peptides:Analysis,Synthesis,Bi
ology",E.Gross等編、ニューヨーク州ニューヨークのAc
ademic Press社刊、1979−1987、Vol.1〜8;およびJ.M.S
tewartおよびJ.D.Young著、“Solid Phase Peptide Syn
thesis"、第2編、米国イリノイ州ロックフォードのPie
rce Chem.社刊、1984において記載されている。
これらペプチド合成法の共通の特徴は種々のアミノ酸
残基または誘導アミノ酸残基の反応性側鎖基の適当な保
護基による保護であり、これにより保護基を最終的に除
去するまでにその位置で化学反応が起るのを防止するこ
とである。また、通常は、アミノ酸またはフラグメント
上でのα−アミノ基をその存在がカルボキシ基位置で反
応する間保護し次いでα−アミノ保護基を選択的に除去
してその位置で次の反応を起させることも共通してい
る。通常のもう1つの共通の特徴は、存在するならばペ
プチドのC末端官能性となるべきアミノ酸残基またはペ
プチドフラグメントのC−末端カルボキシルの適当な保
護基による初期保護であり、これによりその保護基を所
望配列のペプチドが組み立てられたのち除去するまでに
その部位で化学反応が生ずるのを防止する。
従って、一般的には、式1のペプチドは必要に応じて
適当に保護したアミノ酸または誘導アミノ酸残基をペプ
チド配列の順序で段階的にカップリングし、存在する場
合のすべての保護基を段階的カップリング終了時に除去
して式1のペプチドを得ることによって調製できる。よ
り詳細な工程は後の実施例において述べる。
Zが5−1H−テトラゾリルである式1のペプチドの調
製においては、テトラゾールを含有する誘導アミノ酸残
基を次の如くして調製できる:例えば、Boc−Leu−NH2
を過剰のピリジンおよび触媒量の4−ジメチルアミノピ
リジンの存在下の二塩化メチレン中でのp−トルエンス
ルホニルクロリドによる処理によってその相応するニト
リル誘導体に転化した(FieserおよびFieser著、“Reag
ents for Organic Synthesis"、米国ニューヨーク州ニ
ューヨークのJohn Wileys and Sons社刊、Vol.1、118
3)。次いで、このニトリル誘導体をトリブチル錫アシ
ドと混合し(J.G.A.Luijten等、Rec.Trav.,81、202(19
62))、テトラゾール錫中間体を得た〔K.Sisido等、Jo
urnal of Organometallic chemistry,33、337(197
1)、およびJ.Dubois等、J.Med.Chem.,27,1230(1984)
参照〕。この中間体をジエチルエーテル中で塩化水素で
処理して所望のテトラゾール残基を塩酸塩、例えば、NH
2CH〔CH2CH(CH3)2〕−5−1H−テトラゾールジヒドロク
ロリドとして得た。このテトラゾール残基またはその塩
酸塩は適当なアミノ酸または保護フラグメントとのカッ
プリングに用いて所望の式1のペプチドを得た。
Yが5−1H−テトラゾリルである式1のペプチドの調
製においては、所定のテトラゾール含有誘導アミノ酸残
基、好ましくは、N−(ターシャリー−ブチロキシ−カ
ルボニル)−2(S)−アミノ−3−(5−1H−テトラ
ゾリル)−プロピオン酸ベンジルエステルを、商業的に
入手できるN−(ターシャリー−ブチロキシカルボニ
ル)−2(S)−アミノ−3−シアノプロピオン酸ベン
ジルエステルから出発して同様な形で調製した。また、
シアノメチル側鎖を有する誘導アミノ酸、例えば、N−
(ターシャリ−ブチロキシカルボニル)−2(S)−ア
ミノ−3−シアノプロピオン酸は他のアミノ酸残基とカ
ップリングさせて保護ペンタペプチド中間体を得ること
ができる。その後の該中間体のシアノ基のテトラゾール
への変換は該中間体をトリブチル錫アシドで処理するこ
とによって行う。その後、生成物の脱保護を行って相応
するYが5−1H−テトラゾリルである式1のペプチドと
する。
R1および/またはR4が低級アルキルまたはフェニル
(低級)アルキルである式1のペプチドの調製に必要な
N−アルキル化アミノ酸残基はN−(ターシャリ−ブチ
ロキシカルボニル)アルキルのように商業的に入手でき
るかあるいは公知の方法で調製できる。例えば、N−
(ターシャリープチロキシカルボニル)−N−(アルキ
ルまたはフェニルアルキル)−バリン残基はナトリウム
シアノボロハイドライド、L−バリンベンジルエステル
トシレートおよび相応するアルデヒドを用いる還元アミ
ノ化法を含むS.T.CheungおよびL.Benoiton,Can.J.Che
m.,55,916(1977)の方法によって調製できる。ターシ
ャリ−ブチロキシカルボニル−N−メチルアミノ酸もま
たメチルイオジドと酸化銀を用いるR.K.Olsen,J.Org.Ch
em.,35、1912(1970)の方法によって調製できる。
本発明の式1のペプチドは治療上許容し得る塩の形で
得ることができる。
特定のペプチドが塩基として機能する残基を有する場
合には、そのような塩の例は有機酸、例えば、酢酸、乳
酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸、メタンスルホン
酸またはp−トルエンスルホン酸、およびタンニン酸ま
たはカルボキシメチルセルロースのような高分子酸によ
る塩、並びにハロゲン化水素酸例えば塩酸、硫酸または
リン酸のような無機酸による塩である。必要ならば、特
定の酸付加塩は、R.A.Boissonnas等、Helv.Chim.Acta.,
43、1849(1960)に記載された方法における適当なイオ
ン交換樹脂による処理によって、無毒の薬学上許容し得
る塩のようなさらに別の酸付加塩に転化させる。
特定のペプチドが1個以上の遊離カルボキシ基を有す
る場合には、そのような塩の例はナトリウム、カリウ
ム、またはカルシウムの各カチオンによる塩あるいは強
有機塩基、例えば、トリエチルアミンまたはN−メチル
モルホリンによる塩である。
抗ヘルペス活性 式1のペプチドの抗ウイルス活性は単純ヘルペスウイ
ルス、タイプ1および2(HSV−1およびHSV−2、およ
び他のヘルペスウイルス、例えば、水痘ウイルス(VZ
V)、エプスティン−バールウイルス(EBV)、ウマヘル
ペスウイルス(EHV)およびサイトメガロウイルスの複
製に対しての各化合物の抑制効果を示す生化学、微生物
学および生物学的方法によって示すことができる。
注目すべきことは上記のウイルスのすべてがそれら独
自のリボヌクレオチドリダクターゼに依存してその複製
のためのデオキシリボヌクレオチドを合成しているとい
う事実である。このことは、本発明のペプチドで見い出
された抗ウイルス活性と直接結びつかないかもしれない
けれども、本発明の化合物がウイルス複製のためのDNA
を合成するのにリボヌクレオチドリダクターゼに依存す
るすべてのウイルスに対して抗ウイルス活性を有するこ
とをある程度まで示している。
後の実施例において、ヘルペスリボヌクレオチドリダ
クターゼに対しての抑制効果は式1の例示したペプチド
において記されている。ヘルペスリボヌクレオチドリダ
クターゼのこの特異的抑制に関連して、注目すべきこと
は健常細胞複製に必要な細胞リボヌクレオチドリダクタ
ーゼ活性に対してはこれらペプチドのそのような効果は
比較的小さいかあるいは効果がないことである。
ウイルス複製に対しての式1のペプチドの抑制効果を
示す方法は細胞培養技術である;例えば、T.Spector
等、Proc.Natl.Acod.Sci.USA,82、4254(1985)を参照
されたい。
本発明のペプチドの治療上の効果は、実験動物におい
て、例えば、E.R.Kern等、Antiviral Research,3,253
(1983)に記載されたスイスウェブスターマウス中での
性器ヘルペス感染に基づくアッセイを用いることによっ
て示すことができる。
本発明のペプチドまたはその治療上許容し得る塩の1
つを抗ウイルス剤として使用する場合、それら温血動
物、例えば、ヒト、ブタ、またはウマに1種以上の薬学
上許容し得る担体を含むベヒクル中で局所的または全身
的に投与し、その割合はペプチドの溶解性および化学的
性質、使用する投与経路、および標準の生物学的実際に
よって決定する。局所投与においは、本発明のペプチド
は0.1〜10%好ましくは0.5〜5%の活性成分を含有する
薬学上許容されたベヒクルとして処方できる。そのよう
な調製物は溶液、クリームまたはローションの形であり
得る。
全身的投与においては、式1のペプチドは静脈内、皮
下または筋肉内注射により薬学上許容し得るベヒクルま
たは担体を含む組成物として投与する。注射による投与
においては、本発明のペプチドは滅菌水性ベヒクル中の
溶液中で用いるのが好ましく、この溶液はバッファーま
たは防腐剤のような他の溶解物並びに溶液を等張にする
のに十分な量の薬学上許容できる塩またはグルコースも
含有し得る。
上記の調製物用の適当なベヒクルまたは担体は標準の
薬学参考書、例えば“Remington′s Pharmaceutical Sc
iences",第16版、ペンシルバニア州イーストンのMack P
ublishing社刊、1980に記載されている。
本発明のペプチドの投与量は投与形および使用する特
定の活性薬剤によって変動するであろう。さらにまた、
治療中の特定の宿主によっても変動するであろう。一般
的には、治療はその環境下での最適の効果が得られるま
で小増分的に開始する。一般的には、本発明は何らの有
害なまたは有毒な副作用を生ずることなしに抗ウイルス
的に有効な結果を一般的に得る濃度値で投与するのが最
も望ましい。
局所的投与においては、本発明のペプチドは適当な局
所的調製物にて生体の感染領域、例えば、皮ふ、または
口腔または性器腔部に感染領域を被覆するのに十分な量
で経皮的に投与する。治療は、例えば、4〜6時間毎に
損傷が治癒するまで繰返すべきである。治癒は通常3〜
4日で得られる。禁忌は観察されていない。
全身的投与においては、式1のペプチドは10〜1000mc
g/kg体重/日の投与量で投与するが、上述の変動はある
であろう。しかしながら、約100〜500mcg/kg体重/日の
範囲の投与量が有効な効果を得るために最も望ましく使
用される。
本発明のもう1つの局面はヘルペスウイルス予防量の
式1のペプチドまたはその治療上許容し得る塩を生理学
上許容し得る担体と共に含む化粧用組成物を含む。追加
の成分、例えば、皮ふ軟化剤を調製剤中に含有させ得
る。本発明の化粧用組成物は予防的に用いて皮ふのヘル
ペス傷害の発生を阻止する。この組成物は皮ふの疑わし
い領域に夜に適用できる。一般的には、化粧用組成物は
相応する局所的投与用の薬剤組成物よりも少ない上記ペ
プチドを含有する。化粧用組成物中のペプチド量の好ま
しい範囲は0.01〜0.2重量%である。
上述の組成物はヘルペスウイルス感染症の治療の有効
な比較的安全な医薬であるけれども、これら組成物と有
益な結果を得るための他の抗ウイルス薬または剤との可
能な同時投与を排除するものではない。そのような他の
抗ウイルス薬または剤にはアシクロビア(acyclovir)
および1985年3月26日付の米国特許第4,507,281号にお
いてS.S.AsculaiおよびF.Rappにより開示されたものよ
うな抗ウイルス界面活性剤または抗ウイルスインターフ
ェロンがある。
実施例 以下、実施例により本発明をさらに具体的に示す。溶
液のパーセントまたは比は、特に断らない限り、容量対
容量の関係を示す。各実施例で用いた略号は次のとおり
である。Boc:t−ブチロキシカルボニル;BOP:(ベンゾト
リアゾール−1−イロキシ)トリス(ジメチルアミノ)
−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;iBU:2−メ
チルプロピル;Bzl:ベンジル:CH2Cl2:二塩化メチレン;
DAT:デスアミノチロシルまたは1−オキソ−3−(4−
ヒドロキシフェニル)プロピル;DIPEA:ジイソプロピル
エチルアミン;DCC:N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド;DMF:ジメチルホルムアミド;Et:エチル;Et2O*ジエ
チルエーテル;EtOH:エタノール;HOBt:1−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール;HPLC:高性能液体クロマトグラフィ
ー;Me:メチル;MeOH:メタノール;N−Me−Val:N−メチル
バリル残基、PhCH2CH2CO:1−オキソ−3−フェニルプロ
ピル;PhCH2CH2CO:1−オキソ−4−フェニルブチル;TF
A:トリフルオロ酢酸。温度はセッ氏を用いている。
実施例1 式1の固相調製の一般的手順 R.B.Merrifield,J.Am.Chem.Soc.,85,2149(1963)の
固相法の修正形を用い、好ましくは〔4−(2−クロロ
プロピオニル)フェノキシ〕アセトアミドメチル−コポ
リ(スチレン−1%ジビニルベンゼン)樹脂のようなBH
Aフォトレジン〔D.BellofおよびM.Mutter,Chemia,39,31
7(1985)参照〕を用いて各ペプチドを調製した。遊離
のカルボキシ基およびヒドロキシ基の保護はBzl保護基
で行った。典型的には、Boc−Leu−OHを上記のフォトレ
ジンに、K.Horiki等、Chem.Lett.,165(1978)のホスホ
ニウムフルオライド法により、9モル当量のKFと3.6モ
ル当量のBoc−Leu−OHを用いて、例えば、DMF中で70℃
で24時間結合させて〔4−{2−(Boc−ロイシン)−
プロピオニル}フェノキシ〕アセトアミドメチル−コポ
リ(スチレン−1%ジビニルベンゼン)樹脂を得た。乾
燥させたアミノ酸−固相支持体は、1つのアリコートを
脱保護し次いでピクリン酸滴定を行って測定したとき、
生成物において0.6〜0.8ミルモル/gのロイシン含有量を
典型的に示した〔B.F.Gisin,Anal.Chim.Acta,58、248
(1972)〕。このアミノ酸−固相支持体を用いて所望の
ペプチドの所定配列の単位(即ち、アミノ酸残基、誘導
アミノ酸残基)を固相法により構築した。2モル当量
(上記アミノ酸−固相支持体当り)の適当な各アミノ酸
残基を乾燥DMF中のN−メチルモルホリン(6モル当
量)の存在下にBOP(2モル当量)、またはBOP(2モル
当量)/HOBt(1モル当量)を用いて上記固相支持系に
順次カップリングさせた。カップリングの終了は陰性ニ
ンヒドリン試験により認定した〔E.Kaiser等、Anal Bio
chem.,34、595(1979)〕。必要なときは2重カップリ
ングを用いた。
保護ペプチドの固相支持体からの開裂はEtOH/DMF(1:
4)中で℃でアルゴン雰囲気下に6〜18時間330nmでの照
射により行った。存在する場合の保護基(Bzl)は標準
手法により5%または10%Pd/Cまたは20%Pd(OH)2/C上
での水素化分解により開裂生成物から除去した(実施例
1参照)。最終生成物の精製は逆相HPLCにより0.06%水
性TFA/アセトニトリル勾配を用いて行い95%均質性より
も良好にした。
より具体的な例示として、DAT−N−Me−Val−Ile−A
sn−Asp(OBzl)−Leu−OHを、上記の手順によりBOP−H
OBtをカップリング剤として用いてBHAフォトレンジ上に
組み立て次いで得られた保護ペプチド樹脂をアルゴン下
の−5℃、6時間の光分解により開裂させた。DMF:EtOH
(4:1)を光分解媒として用いた。開裂生成物の脱保護
は5%Pd/cを触媒として用いて水素化分解により行っ
た。生成物の精製はHPLCにより行い、生成物を0.1N希NH
4OH液に溶解し、溶液をpH6に0.1N希AcOH液で調整した。
ワットマン パーチシル(Whatman Partisil,登録商
標)100DS−3C−18カラム(2.2×50cm3)、10ミクロン
粒度を用いた。溶出はアセトニトリルと0.06%希TFA液
の勾配により行った。純フラクション(分析用HPLCで測
定したとき)をプールし親液性にしてDAT−N−Me−Val
−IIe−Asn−Asp−Leu−OHを得た。MS:735(M+H)+
上記の手順を用いて実施例5の表に挙げる各ペプチド
を調製した。商業的に入手できるBoc−アミノ酸を用い
た。非天然アミノ酸をそのBoc保護形で用いた;これら
アミノ酸は商業的に入手できるか、商業的に入手できる
相応するアミノ酸からジーターシャリーブチルカーボネ
ートとの反応により容易に調製するか、あるいは標準の
方法で調製した。Zが5−1H−テトラゾリルである式1
の末端テトラゾリルペプチドおよびYが5−1H−テトラ
ゾリルである式1のテトラゾールペプチドの調製手順の
修正は次の2つの実施例で例示する。
実施例2 PhCH2CH2CO−N−Me−Val−Ile−Asn−Asp−NHCH〔CH2
−CH(CH3)2〕−5−1H−テトラゾールの調製 実施例1の修正手順を用いて、Boc−Asp(OBzl)−OH
を上記フォトレジンに結合させ、HOBt/DCCをBoc−Asn−
OHをカップリングさせるのに用いて、保護テトラペプチ
ドPdCH2CH2CO−N−Me−Val−Ile−Asn−Asp(OBzl)−
OHを組み立てた。DMF(15ml)中の上記テトラペプチド
(375mg、1.25ミリモル)と3−メチル−1(S)−
(5−1H−テトラゾリル)ブチルアミン(375mg、1.25
ミリモル)の溶液を0℃に冷却した。この溶液にDIPEA
(284mg)を次いでジフェニルホスホリルアジド(760m
g)を加えた。反応混合物を0℃で16時間撹拌し次いでE
t2Oと数滴の濃NH4OHを含有するH2O(pH=9.5)とに分配
した。水相を分離し、新しいEt2Oで洗浄し45m膜で濾過
した。濾液のpHをAcOHの添加によりpH6.5に調整し、再
び45m膜で濾過した。濾液をHPLC分離カラムに掛けた。
カラムをアセトニトリル中0.06%希TFAの連続勾配で溶
出させた。分析用HPLCにより決定した純フラクションを
混合し親液性にして標題化合物のAsp(OBzl)保護ペプ
チド(132mg)を得た。
この化合物(112mg)を1気圧下に室温で水素化分解
に供した{EtOH(30ml)中5%Pd/c(100mg)、16時
間〕。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下に濃縮乾燥さ
せた。残留物をアセトニトリルとH2Oに溶解させた。ア
セトニトリルを溶液から減圧蒸留により除去した。得ら
れた濃縮物の親液化により、標題化合物(88mg)を白色
粉末として得た。これは分析用HPLCで測定したとき90%
の純度であった。FAB/MS:743(M+1)+ 実施例3 PhCH2CH2CO−N−Me−Val−Ile−NHCH〔CH2−5−1H−
テトラゾール〕CO−Asp−Leu−OHの調製 中間体PhCH2CH2CO−N−Me−Val−Ile−NHCH(CH2CN)C
O−Asp−Leu−OHを実施例1の手順を追試し適当なBocア
ミノ酸(商業的に入手できるBoc−NHCH(CH2CN)COOHを包
含する)を用いて調製した。すべてのカップリングはBO
P/HOBtで行った。無水テトラヒドロフラン中の上記中間
体(40mg)とトリブチル錫アジド(100mg)を密閉チュ
ーブ中で80〜90℃で4日間加熱した。チューブを冷却し
開放した。溶媒を内容物から減圧下の蒸発によって除去
した。
残留物を無水Et2O中に懸濁させHClガスを混合物中に4
5分間バブリングさせた。Et2Oの蒸発後、固形残留物を
ヘキサンで粉末化し次いでEtOHに溶解した。溶液を濾過
し、濾液を蒸発させて35mgの白色固形物を得た。この固
形物をH2O−アセトニトチル(1:1、3.7ml)中に溶解
し、溶液をセミプレプ(semiprep)HPLC中に注入した。
0.06%希TFAとアセトニトリルの勾配による溶出により
標題化合物のAsp(OBzl)保護ペプチドを得た。実施例
2で記載した条件に従っての水素化分解により上記保護
ペプチドを脱保護して標題化合物(10.6mg)を得、これ
は分析用HPLCで測定したとき100%の純度であった。FAB
/MS:744(M+1)+ 実施例4 中間体Boc−Asp(OBzl)Ψ〔CSNH〕Leu−OBzlの調製 (Wがチオキソである式1のペプチドの調製用のチオ
アミド中間体を調製するために用いた手順の例) トルエン中Boc−Asp(OBzl)Leu−OBzl(2.90g、5.51
ミリモル)とラヴェッソン試薬(1.12g、2.7ミリモル)
(U.Pederson等、Tetrahedron、38、3267(1982)参
照)との撹拌混合物をリフラックス下に2時間加熱し
た。SiO2(3.5×30cm)によるカラムクロマトグラフィ
ーおよびCH2Cl2による溶出によって標題化合物(2.0
g)、MS:543(M+H)+を黄色油状物(主要フラクション)
として得た。
同類のチオアミドを同じ方法で調製し、式1の適当な
ペプチド中に通常の溶液相ペプチド合成により導入し
た。
実施例5 単純ヘルペスウイルス(HSV、タイプ1)リボヌクレオ
チドリダクターゼの抑制 a)酵素の調製 HSV−1リボヌクレオチドリダクターゼ(部分精製
物)を、E.A.Cohen等、J.Gen.Virol.,66733(1985)に
記載されているように、菌株FHSV−1ウイルスで10プラ
ーグ形成単位/細胞で感染させた静止BHK−21/C13細胞
から得た。
b)各例示ペプチドのアッセイと結果 P.Gaudreau等、J.Biol.Chem.,262、12413(1987)に
記載された手順を追試することによって、以下の表中に
示すアッセイ結果を得た。各ペプチドのアッセイ結果は
酵素活性の最高抑制の50%を生ずるペプチド濃度(I
C50)として表わした。各アッセイで用いた酵素調製物
の単位数は酵素調製物の比活性に基づいて一定であっ
た。結果はペプチドを含まない対照実験で得た活性に相
対しており、また互いに10%以内で変動した4回のアッ
セイの平均を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピエール ラヴァレ カナダ国 ジェイ7エイ 4ビー2 ケ ベック ローズメール デュ シュミノ 366 (72)発明者 レイモン プラント カナダ国 エイチ7エル 4ダブリュー 8 ケベック ラヴァル デュ ギュエ ピエール 2517 (72)発明者 シューマナス ラキット カナダ国 エイチ9エイ 2エイ5 ケ ベック ダラード ド オルモー テキ ュムセー 1277 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式1で表わされるペプチド又はその治療上
    許容される塩。 XNR1−CH(R2)−C(O)−NH−CH(R3)−C(O)−NR4
    −CH(CH2Y)−CO−NH−CH−[CR5(R6)−COOH]−C
    (W)−NH−CH(R7)−Z 1 〔式中、Xは(1〜10C)アルカノイル;(1〜10C)ア
    ルコキシカルボニル;ベンゾイル;ハロ、ヒドロキシ、
    低級アルキル、低級アルコキシ、フェニル、2−カルボ
    キシフェニルまたはベンジルから選ばれた置換基でモノ
    またはジ置換されたベンゾイル;2,2−ジフェニルアセチ
    ル;フェニル(2〜10C)アルカノイル;またはその芳
    香族部分でハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アル
    コキシまたはフェニルから選ばれた置換基でモノまたは
    ジ置換されたフェニル(2〜10C)アルカノイル)であ
    り; R1は低級アルキルまたはフェニル(低級)アルキルであ
    り; R2は低級アルキルまたはヒドロキシ(低級)アルキルで
    あり; R3は水素、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキ
    ル、メルカプト(低級)アルキル、メトキシ(低級)ア
    ルキル、メチルチオ(低級)アルキル、低級シクロアル
    キルまたは(低級シクロアルキル)メチルであり; R4、R5およびR6は各々個々に水素または低級アルキルで
    あり; R7は低級アルキルであり; Wはオキソまたはチオキソであり; Yはカルボキシ、カルバミルまたは5−1H−テトラゾリ
    ルであり; Zはカルボキシまたは5−1H−テトラゾリルである〕
  2. 【請求項2】Xが(1〜10C)アルカノイル;(1〜10
    C)アルコキシカルボニル;ベンゾイル;ハロ、ヒドロ
    キシ、低級アルキル、低級アルコキシ、フェニル、2−
    カルボキシフェニルまたはベンジルでモノ置換されたベ
    ンゾイル;2,2−ジフェニルアセチル;フェニル(2〜10
    C)アルカノイル;またはその芳香族部分でハロ、ヒド
    ロキシ、低級アルキルまたは低級アルコキシから選ばれ
    た置換基でモノまたはジ置換されたフェニル(2〜10
    C)アルカノイルであり;R1、R2、R3、R4、R5、R6
    R7、W、YおよびZが請求項1で定義したとおりである
    請求項1記載のペプチドまたはその治療上許容し得る
    塩。
  3. 【請求項3】X、R1、R2およびR7が請求項2で定義した
    とおりであり;R3が水素、低級アルキル、ヒドロキシ
    (低級)アルキル、メトキシ(低級)アルキル、低級シ
    クロアルキルまたは(低級シクロアルキル)メチルであ
    り;R4、R5およびR6が各々個々に水素またはメチルであ
    り;Yがカルバミルまたは5−1H−テトラゾリルであり;
    そして、Zがカルボキシまたは5−1H−テトラゾリルで
    ある請求項2記載の式1のペプチドまたはその治療上許
    容し得る塩。
  4. 【請求項4】Xがアセチル、4−メチルペンタノイル、
    ベンゾイル、2−ビスフェニリルカルボニル、2−(フ
    ェニルメチル)ベンゾイル、2,2−ジフェニルアセチ
    ル、フェニルアセチル、フェニルプロピオニルまたは
    (4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルであり;R1
    メチル、エチル、2−メチルプロピルまたは2−フェニ
    ルエチルであり;R2が1−メチルエチル、1−メチルプ
    ロピルまたは1−ヒドロキシエチルであり;R3が低級ア
    ルキル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、1
    −メトキシエチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシ
    ルメチルであり;R4が水素またはメチルであり、R5およ
    びR6が水素であり;R7が2−メチルプロピルであり;Yお
    よびZが請求項3で定義したとおりである請求項3記載
    の式1のペプチドまたはその治療上許容し得る塩。
  5. 【請求項5】DAT−N−Me−Val−Ile−Asn−Asp−Leu−
    OH CH3CO−(N−フェニルエチル−Val)−Ile−Asn−Asp
    −Leu−OH (CH3)2CHCH2CH2CO−N−Me−Val−Ile−Asn−Asp−Leu
    −OH 2−(ビフェニリル)カルボニル−N−Me−Val−Ile−
    Asn−Asp−Leu−OH 2−(フェニルメチル)ベンゾイル−N−Me−Val−Ile
    −Asn−Asp−Leu−OH PhCH2CH2CH2CO−N−Me−Val−Ile−Asn−Asp−Leu−OH PhCH2CH2CO−N−Me−Val−Ile−Asn−Asp−NHCH[CH2CH
    (CH3)2]−5−1H−テトラゾールおよび PhCH2CH2CO−N−Me−Val−Ile−NHCH[CH2−(5−1H
    −テトラゾリル)]−CO−Asp−Leu−OHからなる群より
    選ばれた請求項1記載の式1のペプチド。
  6. 【請求項6】請求項1記載のペプチドまたはその治療上
    許容し得る塩、および薬学上または獣医学上許容し得る
    担体とを含むヘルペスウィルス感染を治療するための医
    薬組成物。
  7. 【請求項7】請求項1記載のペプチドまたはその治療上
    許容し得る塩、および皮ふ適用に適用する生理学上許容
    し得る担体とを含む化粧用組成物。
  8. 【請求項8】請求項1記載のペプチドまたはその治療上
    許容し得る塩の調製方法において、 a)上記ペプチドのアミノ酸残基または誘導アミノ酸残
    基、またはフラグメントを、上記ペプチドの配列順序
    で、段階的にカップリングさせること、その場合、 i)上記残基またはフラグメントの反応性側鎖基を適当
    な保護基で保護して化学反応がその部位で上記段階的カ
    ップリング終了後に上記保護基を最終的に除去するまで
    に起るのを防止すること、 ii)カップリング反応物のα−アミノ基を、該反応物の
    遊離カルボキシ基が第2の反応物の遊離α−アミノ基と
    カップリングする間、α−アミノ保護基で保護するこ
    と;該α−アミノ保護基が選択的に除去できて次のカッ
    プリング段階を該アミノ基で生ぜしめ得るものであるこ
    と、および iii)存在する場合、上記保護ペプチドのC末端官能基
    となる上記アミノ酸残基またはペプチドフラグメントの
    C末端カルボキシを、上記ペプチドの所望のサミノ酸配
    列が組み立てられるまで、その部位で起る化学反応を防
    止する適当な保護基で保護すること;さらに、 b)カップリング終了時に、すべての保護基を除去して
    請求項1記載のペプチドを得ること、および必要に応じ
    て、該ペプチドを治療上許容し得る塩に転換すること、 を特徴とする上記方法。
JP2177198A 1989-07-07 1990-07-04 抗ヘルペスペンタペプチド類 Expired - Lifetime JP2877908B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CA605092 1989-07-07
CA000605092A CA1340684C (en) 1989-07-07 1989-07-07 Antiherpes pentapeptides

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03101696A JPH03101696A (ja) 1991-04-26
JP2877908B2 true JP2877908B2 (ja) 1999-04-05

Family

ID=4140318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2177198A Expired - Lifetime JP2877908B2 (ja) 1989-07-07 1990-07-04 抗ヘルペスペンタペプチド類

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP0408973B1 (ja)
JP (1) JP2877908B2 (ja)
AT (1) ATE144534T1 (ja)
AU (1) AU644085B2 (ja)
CA (1) CA1340684C (ja)
DE (1) DE69028953T2 (ja)
IL (1) IL94979A (ja)
NZ (1) NZ234374A (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1340682C (en) * 1989-07-07 1999-07-27 Pierre Lavallee Antiviral peptides having a 2-oxoalkyl amino acid side chain
SG42995A1 (en) 1992-03-12 1997-10-17 Bio Mega Boehringer Ingelheim Isosteric antiherpes peptide derivatives
US5846941A (en) * 1992-03-12 1998-12-08 Boehringer Ingelheim (Canada) Ltd. Isosteric antiherpes peptide derivatives II
AU2019339777B2 (en) 2018-09-12 2022-09-01 Novartis Ag Antiviral pyridopyrazinedione compounds
JP7417715B2 (ja) 2019-09-26 2024-01-18 ノバルティス アーゲー 抗ウイルスピラゾロピリジノン化合物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4795740A (en) * 1986-05-20 1989-01-03 Cohen Eric A Antiviral peptides and means for treating herpes infections
EP0292255A3 (en) * 1987-05-22 1990-08-22 Merck & Co. Inc. Inhibitor of ribonucleotide reductase

Also Published As

Publication number Publication date
AU644085B2 (en) 1993-12-02
NZ234374A (en) 1997-06-24
AU5877890A (en) 1991-01-10
CA1340684C (en) 1999-07-27
DE69028953T2 (de) 1997-02-20
DE69028953D1 (de) 1996-11-28
JPH03101696A (ja) 1991-04-26
IL94979A (en) 1995-03-30
IL94979A0 (en) 1991-06-10
EP0408973B1 (en) 1996-10-23
EP0408973A1 (en) 1991-01-23
ATE144534T1 (de) 1996-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3494624B2 (ja) 新規な環状テトラペプチド誘導体とその医薬用途
RU2060998C1 (ru) Способ получения пептидов, пептиды, иммуномодулирующая композиция и способ регуляции недостаточной или избыточной функции т-клеток у пациента
CA2131755A1 (en) Nucleic acid-binding oligomers possessing n-branching for therapy and diagnostics
CA2113156A1 (en) Lipid conjugates of therapeutic peptides and protease inhibitors
JP2511159B2 (ja) 免疫欠損状態の治療のための医薬製剤
JP2638666B2 (ja) 血液調節ペプチド
US5763406A (en) Method for the treatment of conditions caused by herpes virus infections
EP1309613B1 (en) Pharmaceutical composition comprising an analgesic peptide
JP2877908B2 (ja) 抗ヘルペスペンタペプチド類
JP2877910B2 (ja) 2―オキソアルキル側鎖を有する抗ウイルスペプチド
JP3209552B2 (ja) ヘルペス感染治療用医薬組成物
US6313095B1 (en) Antiherpes tetrapeptide derivatives having a substituted aspartic acid side chain
JP2877909B2 (ja) 置換アスパラギン酸側鎖を有する抗ヘルペスペンタペプチド誘導体
CA2134119A1 (en) Treatment of herpesvirus infection
JP2879799B2 (ja) 置換アスパラギン酸側鎖を有する抗ヘルペステトラペプチド誘導体
US5502036A (en) Antiherpes pentapeptide derivatives having a substituted aspartic acid side chain
JPH08507760A (ja) ヘルペスウイルスのリボヌクレオチド還元酵素のインヒビター
CA2122024A1 (en) Pharmaceutical lysine-containing polypeptide compositions and methods of use thereof
US5648337A (en) Antiherpes pentapeptides
JPH03181498A (ja) ペプチド抗ウイルス剤
SK85794A3 (en) Peptides with organoprotective activity, process for their preparation and their use
JPS62289597A (ja) 抗ウイルス性ペプチド及びヘルペス感染治療法
WO1993012810A1 (en) Pharmaceutical pentapeptide compositions and methods of use thereof