JP2875572B2 - 強靭鋼製造における均熱化処理方法 - Google Patents

強靭鋼製造における均熱化処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は鋳造後の鋼中偏析元素を拡散させ、強靭鋼を
製造するための均熱化処理方法に関するものである。
(従来の技術) 高強度かつ低温靭性にすぐれた鋼の製造過程において
は、鋼中偏析元素を拡散させ靭性の向上を計るために、
前処理として高温、長時間の均熱化処理を行う場合があ
る。かかるプロセスは、例えば特公昭56−52088号公報
などに開示されている。
しかしながら、これらの先行技術は偏析の解消にのみ
注目していたり、鋳造や均熱化処理中の鋼中の析出物や
金属組織の粗大化を抑止しようとしていない。
このため次行程である再加熱時に、オーステナイトが
粗大化し易いという靭性向上にとって好ましくない問題
点を含んでいる。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は鋳造−均熱化処理−再加熱−制御圧延−制御
冷却により強靭鋼を製造するに際し、従来法に見られる
再加熱時のオーステナイトの粗大化を防止しながらも、
鋳造の鋼中偏析元素を拡散させ、靭性の向上を計る均熱
化処理方法を提供することを目的としてなされた。
(課題を解決するための手段) 本発明の特徴とするところは、重量比で、C:0.03〜0.
2%、Si:0.03〜0.5%、Mn:0.3〜2.0%、Ti:0.003〜0.10
%、N:0.002〜0.01%、残部:Feおよび不可避的不純物か
らなる鋼を鋳造まま或いは圧延を行って、1300℃から40
0℃までを1000秒以内で冷却し、その後400℃から1000秒
以内に1000℃以上1300℃以下の温度まで昇温し、2時間
以上10時間以下の保持を行い、再び1000秒以内で400℃
まで冷却すること及び重量比で、C:0.03〜0.2%、Si:0.
03〜0.5%、Mn:0.3〜2.0%、Ti:0.003〜0.10%、N:0.00
2〜0.01%を含有しさらに、Ni≦10%、Mo≦2%、Co≦
2%、Cr≦2%、B≦0.005%、Cu≦2%、の1種また
は2種以上を含みまた、Al≦0.05%を含有しさらに、Nb
±0.05%、V≦0.1%の1種または2種を含み、残部:Fe
および不可避的不純物からなる鋼を、鋳造まま或いは圧
延後少なくとも1300℃から400℃までを1000秒以内で冷
却し、次いで少なくとも400℃から1000℃以上1300℃の
温度域まで2000℃以内で昇温して2時間以上10時間以下
保持し、然る後400℃以下まで1000秒以内に冷却するこ
とを特徴とする強靭鋼製造における均熱化処理方法であ
る。
これにより、鋳造後の鋼中偏析元素の均一化を行いな
がらも、再加熱後のオーステナイト粒の粗大化を抑制す
ることが可能となり、優れた靭性を有する高張力鋼を製
造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては前記成分の鋼を、鋳造後の強制冷却
およびそれに続く均熱化処理温度までを急速加熱、冷却
することによって、鋼中窒化物TiNの析出、粗大化を抑
止する。
従来法では鋳造後の自然冷却によってTiNは既に析
出、粗大化してしまい均熱化処理中には、粗大化する一
方であるが、本発明によってTiNは均熱化処理中に析出
し、続く再加熱時にはオーステナイトの成長を抑制する
に十分な程に微細であり、これに基づき変態後の金属組
織も微細化することができる。しかも均一化により偏析
の解消も行われているので、極めて良い靭性を得ること
ができる。
次に成分および製造法の限定理由について述べる。
Cは鋼を強化するために不可欠な元素であって、0.03
%未満では所用の強度が得られず、0.2%超では母材お
よび溶接部の靭性が損なわれるので0.03%以上0.2%以
下とした。
Siは脱酸元素および鋼の強化元素として有効であり0.
03%以上添加するが、0.5%超では加工性および表面性
状の劣化を生じる。
Mnは鋼の強化に有効であるが0.3%超では効果が無
く、2.0%超では加工性が劣化するために0.3%以上2.0
%以下とした。
Tiはオーステナイト中に主にTiNを形成し、再加熱時
のオーステナイトの成長を抑制することによって変態後
の金属組織を微細にするために0.003%以上必要である
が、過度の添加は変態後の金属組織中での析出による靭
性の劣化を生じさせるので0.1%以下とした。
NはTiNを形成する元素であり、0.002%以上添加する
ことにより上記のように有効に作用するが、0.01%超の
添加ではTiNが凝集、粗大化し易くなるとともに、溶接
部の靭性を劣化させるので0.002%以上0.01%以下とす
る。
Ni,Mo,Cr,B,Cuは、鋼の強度を高めるのに有効な元素
である。
Niは、鋼の強度を高めさらに靭性を向上させる元素で
ある。しかし、10%を超えて添加しても効果は飽和し、
コストを著しく高くする。
Mo,Co,Cr,Bは、鋼の焼入れ性を高め鋼を強化するのに
有効な元素である。しかし、Mo,Co,Crについてはそれぞ
れ2%を超えて添加するとまた、Bについては0.005%
を超えて添加すると、鋼の変態時に熱間割れを招く。
Cuは、鋼の強度を高めるのみならず、耐食性の向上に
も有効な元素である。しかし、2%を超えて添加する
と、溶接金属の熱間割れを惹起する。
Alは、鋼の脱酸剤として機能する。しかし、0.05%を
超えて添加しても、効果は飽和する。
Nb,Vは、鋼の圧延中或いは圧延後の冷却過程におい
て、微細な炭窒化物として析出し、鋼を強靭化するのに
有効な元素である。しかし、Nbについては0.05%、Vに
ついては0.1%を超えて添加すると、母材および溶接継
手部の靭性を損なう。
次に製造方法について述べる。
本発明の均一化処理においては、以上述べたような成
分条件を満たした溶鋼を鋳造まま或いは圧延を行って、
1300℃から400℃までを1000秒以内で冷却し、その後400
℃から1000秒以内に1000℃以上1300℃以下の温度まで加
熱し、2時間以上10時間以下の保持を行い、再び1000秒
以内で400℃まで冷却する。
この過程を通して1000℃以上1300℃以下の保持時間中
に、鋼中偏析元素の均一化とTiN微細析出がなされ、再
加熱時のオーステナイトの成長を抑制、これを微細化で
きるので圧延冷却後の変態組織の微細化が得られるので
ある。
以下に製造法の限定理由について述べる。
まず、鋳造後1300℃から400℃までを1000秒以内に冷
却するのは、鋳造後の冷却過程においてTiNが析出する
ことを抑止するためである。ここで析出が生じると後の
均熱化処理中にTiNが粗大化し、再加熱時に有効に作用
しない。
TiNの析出は1300℃以上では平衡固溶量が小さく、400
℃以下では拡散速度が遅いためにほとんど進行しないの
で、この間の通過時間を1000秒以内と限定した。
また、均熱化処理の昇温過程において、400℃から100
0℃以上1300℃以下の保持温度までを2000秒以内で加熱
するのは同様の理由からである。
また、保持温度を1000℃以上1300℃以下としたのは、
1000℃以下では偏析元素の拡散速度が小さく時間的効率
が悪いからであり、1300℃以上ではTiNの析出も少な
く、オーステナイトの粗大化も著しいからである。
さらに、均熱化処理後の冷却時間を1000秒以内とした
のは保持中に析出したTiNが冷却中に粗大化することを
抑制するためである。
(実 施 例) 第1表に示す成分の本発明鋼および比較鋼について行
った実験の結果を第2表に示す。
なお、表中でアンダーラインで示したものについて本
発明の条件に合致しないものである。
第1表における鋼A〜Eは本発明鋼でありF〜Kは比
較鋼である。
鋼FはC量が不足しており、鋼GはSi量が過剰であ
る。鋼HはMn量が不足しており、鋼Iは本発明に不可欠
なTiNを形成するNがほとんど含まれていない。また鋼
JはTiが過剰であり、鋼KはBが過剰である。
製造条件では第2表の番号で1,2,4,6,7,9,10,12,14は
本発明鋼であり、いずれも良好な強度、靭性を示してい
る。
一方、比較鋼である3,5,11はそれぞれ鋳造後の冷却時
間(冷却時間1)、均熱化温度までの昇温時間、均熱化
温度からの冷却時間(冷却時間2)が長すぎるためTiN
が粗大化してしまい、再加熱時にオーステナイトの成長
を抑制できなかった結果として変態後フェライト組織が
細粒化されず靭性に劣る。また、8は均熱化時間が長す
ぎるためTiNおよびオーステナイト組織の粗大化が生じ
たためにやはり同様に変態後フェライト組織が細粒化さ
れず靭性が劣る。13は均一化温度が高すぎたためにTiN
が少なく、しかも粗大であったため同様に靭性が劣る。
15は均熱化温度が低すぎたために偏析元素の拡散が十分
に行われなかたっために靭性が劣る。16,18はそれぞれ
C,Mn量が不足しており強度が不足であるとともにAr2
が高いために一部に加工されたフェライトがあり靭性も
それ程良くない。17はSiの過剰添加により靭性が劣る。
19はNがほとんど含まれていない本発明に不可欠なTiN
が形成されず、再加熱時にオーステナイトの成長を抑制
できなかった結果として変態後フェライト組織が細粒化
されず靭性が劣る。20,21はそれぞれTi,Bの過剰添加に
より靭性が劣る。
以上のように本発明の均一化処理を適用した鋼では良
好な強度、靭性が得られているのに対し、本発明で規定
した成分、製造条件を一つでも満たさない場合には本発
明の目的が達成されないことが判る。
(発明の効果) 本発明によれば、優れた特性を有する鋼板を製造する
ことができるので産業上極めて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 藤田 崇史 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式会社第三技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭50−130624(JP,A) 特開 昭62−182220(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 6/00 C21D 8/00 - 8/02 C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で、 C :0.03〜0.2%、 Si :0.03〜0.5%、 Mn :0.3〜2.0%、 Ti :0.003〜0.10%、 N :0.002〜0.01% 残部:Feおよび不可避的不純物からなる鋼を鋳造まま或
    いは圧延を行って、1300℃から400℃までを1000秒以内
    で冷却し、その後400℃から1000秒以内に1000℃以上130
    0℃以下の温度まで昇温し、2時間以上10時間以下の保
    持を行い、再び1000秒以内で400℃まで冷却することを
    特徴とする強靭鋼製造における均熱化処理方法。
  2. 【請求項2】重量比で、 Ni≦10%、 Mo≦2%、 Co≦2%、 Cr≦2%、 B ≦0.005%、 Cu≦2% の1種または2種以上を含みまた、 Al≦0.05% を含有しさらに、 Nb≦0.05%、 V ≦0.1% の1種または2種を含む鋼である請求項1記載の強靭鋼
    製造における均熱化処理方法。
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