JP2875294B2 - 自由曲面生成方式 - Google Patents

自由曲面生成方式

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JP2875294B2 JP1218314A JP21831489A JP2875294B2 JP 2875294 B2 JP2875294 B2 JP 2875294B2 JP 1218314 A JP1218314 A JP 1218314A JP 21831489 A JP21831489 A JP 21831489A JP 2875294 B2 JP2875294 B2 JP 2875294B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、三次元立体形状処理装置に関し、より詳細
には、有理曲線を含む立体形状での自由曲面生成方式に
関する。
従来技術 計算機上で三次元形状を表現する場合、複雑な自由曲
面をどのようにモデル化するかが重要な課題となる。曲
面をモデル化する一つの手法として、最初に曲面の輪郭
を表す曲線モデルを作成し、その曲線モデルから面を内
挿する手法がある。例えば、自由曲面の特徴を抽出した
断面線を入力し、システムがその断面線の間に自由曲面
を生成する断面線入力法や、多面体で自由曲面を近似し
た形状を入力した後で、多面体から自由曲面を生成する
ポリゴン入力法がある。このような手法では、設計者は
最終形状の特徴を抽出した曲線だけを意識すればよく、
自由曲面の形状そのものを作成するよりも負担が少な
い。
設計者が自由に曲線モデルを作成する過程において、
メッシュに囲まれた面が三角形面や五角形面のような非
四辺形面になることがある。また、作成された曲線モデ
ルが、円柱面、円錐面、球面などの二次曲面形状を正確
に表現している場合もある。この二次曲面形状を正確に
表現するためには、境界曲線に有理曲線を用いなければ
ならない。このように、設計者が意図した形状を作成す
る過程では、不規則な境界曲線を持った曲線モデルが現
れ、かつその曲線モデルには有理曲線が使われることも
ある。不規則な曲線モデルをG1連続(G1は滑らかさの度
合を示し、再パラメータ化することによってC1になる状
態を示す。)になるように自由曲面で内挿する手法は、
曲線モデルが多項式で表わされている場合にのみ可能で
あった。しかしこの従来の手法では、有理曲線を含んだ
曲線モデルを自由曲面でG1連続になるように、内挿する
ことができなかった。
本発明に係る従来技術の文献としては以下のものがあ
る。
L Piegl and Wayne Tiller,“Curve and surface co
nstructions using rational B-splines",computeraide
d design,Vol.19,No.9,May,1987,pp201-212. 千代倉弘明著「ソリッドモデリング」(工業調査会発
行 昭60-4-30)。
このような従来技術では、境界曲線が有理曲線でない
ときに自由曲面を生成できた。
第6図(a),(b)に示されるような曲線メッシュ
で囲まれた領域が非四辺形のときや、曲線の節点が四つ
の曲線と接していないものを不規則な曲線モデルと呼
ぶ。特に、第7図のように一枚の面F1に二枚の面F2,F3
が接続されている場合、節点v1をT節点(T-node)と呼
ぶ。Bezierパッチを用いてG1連続となるように自由曲面
を生成するためには、曲線メッシュが規則正しくなけれ
ばいけないので、第6図や第7図に示される曲線メッシ
ュで囲まれた領域には自由曲面を生成できなかった。こ
の問題を解決するために、Gregoryパッチを用いた曲線
メッシュ内挿法によって、任意のBezier曲線で表わされ
た曲線モデルに対して、G1連続を保証した自由曲面を生
成する手法が提案されている。しかし、円柱面、円錐
面、球面のような二次曲面と自由曲面が混在するような
曲線モデルを作る場合には、曲線メッシュの一部に有理
曲線が使われる。この有理境界メッシュに対して、従来
のGregoryパッチを有理化した式からG1の条件式を導び
こうとすると、条件式が複雑になり容易に解くことがで
きない。同様に、規則正しい有理境界メッシュに対し
て、Bezierパッチを有理化した式から導いたG1連続の条
件式も複雑になるので、容易に解くことができない。第
8図は、曲線メッシュの一部に二次曲面やGregoryパッ
チが混在するような複数種類のパッチを示す図である。
このように、今まで存在していた曲面式では、有理境界
メッシュに対して、G1連続になるように曲面を内挿する
ことができなかった。
目的 本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもの
で、連続性を保ちながら三つ以上の有理曲線を含む境界
曲線を持つ面上に自由曲面を生成することができるよう
な自由曲面生成方式を提供することを目的としてなされ
たものである。
構成 本発明は、上記目的を達成するために、有理曲線で境
界を囲まれた面に対して、境界曲線と各境界曲線に繋が
る曲線から境界での連続性を判定する判定部と、該判定
部で求めた連続性から境界での接続条件を求める条件設
定部と、該条件設定部で求めた接続条件から面の内部制
御点を生成する生成部とによって自由曲面を発生させる
ことを特徴としたものである。
本発明の自由曲面生成方式では、曲面の表現式として
双三次有理境界Gregoryパッチを用いる。この曲面生成
方式を述べる前に、有理境界Gregoryパッチの特徴を説
明する。ここで有理境界Gregoryパッチは、特にことわ
らないかぎり双三次であるとする。有理境界Gregoryパ
ッチは、第9図に示されるように、20個の制御点で表現
される。境界曲線を定義している各制御点は、パッチの
パラメタu,vの各方向でそれぞれ異なった重みを持つ。
また、有理境界曲線上での微分ベクトルが簡単に定義で
きるので、有理曲線をはさんだパッチ間の接続の式を容
易に導くことができる。この有理境界Gregoryパッチの
制御点を Pi,j,k(i=0,…,3,j=0,…,3,k=0,1)と表すと曲面
の表現式は、以下のようになる。
とする。パッチの各制御点と各制御点での重みは、以
下のように表される。
このパッチ式は、以下のような特徴を持っている。
重みが0以上のときには、Gregoryパッチと同様に、
凸閉包性を持つ。これは、曲面上の任意の点は、曲面の
制御点で囲まれた領域の内部に存在するという性質であ
る。この性質から、曲面間の干渉についてのラフチェッ
クを高速に行うことができる。
双三次の有理境界Gregoryパッチの特別な場合が、双
三次の有理Bezierパッチである。有理境界Gregoryパッ
チの制御点P110とP111,P210とP211,P120とP121,P220とP
221がそれぞれ等しく、これらの各制御点での重みが等
しいときには、有理境界Gregoryパッチは、有理Bezier
パッチと等しくなる。
境界曲線を横切る微分ベクトル関数を独立に定義でき
る。いま、パラメタu方向 の微分ベクトル関数を次の
ように表わすことにする。
従って、境界曲線を横切る各微分ベクトル関数は、以
下のように定義される。
この性質が、局所的な曲面生成を可能にしている。
ここでは、二枚の有理境界GregoryパッチをG1連続に
なるように接続する手法について述べる。第10図は、接
続する二枚の有理境界GregoryパッチS(u,v),S′(u,
v)を表わしている。また、各パッチの制御点をPijk,
P′ijkとすれば、境界曲線上の制御点間ベクトルai,bi,
ciは、以下のように定義される。
ai=P3i1−P2i1 (i=0,…,3) bi=P′1i1−P′0i1 (i=0,…,3) ci=P′0,i+1,1−P′0i1 (i=0,…,2) また、二枚のパッチがG1連続になるように接続される
ためには、境界曲線上の任意の点における三つの微分ベ
クトルは、同一平面上にある必要がある。つまり、次の
式を満たさなければならない。
S′(0,v)=k(v)Su(1,v)+h(v)Sv(1,
v) (5) また、境界曲線上の微分ベクトルSv(1,v)は、以下
の式で表される。
ただし、関数T1,T2は、以下のように表される。
また、関数h(v),k(v)は、スカラー関数であると
する。
まず、二枚のパッチが接平面連続であるためには、頂
点v0,v1に接しているベクトルが同一平面上にある必要
がある。このことは、以下のように表わすことができ
る。
b0=k0a0+h0c0 b3=k1a3+h1c2 ただし、k0,k1,h0,h1は、スカラーである。ここで
(6)式について考えてみる。(6)式は、複雑である
のでこのままでは、G1連続となるように、パッチを接続
するのは、困難である。そこで、境界曲線での接続条件
に次のものを付加することによって、有理曲線をはさん
だ二枚の面を連続に接続することが可能となる。
頂点v0の周りの流れベクトルa0,b0と頂点v1のまわり
の流れベクトルa3,b3がそれぞれ同一直線上にあるとき
には、頂点のまわりで接続の式は、(5)式から、 S′(0,v)=k(v)Su(1,v) となる。従って二枚のパッチが接平面連続である条件
は、Suが高々二次式で、制御点間ベクトルが以下の式を
満たすことである。
パッチSとS′が接している稜線において、各制御点
での重みが次の関係を満たしているときには、(1)
式、(2)式、(6)式は、それぞれ、(7)式、
(8)式、(9)式のように変形できる。つまり、 w2j1=w3j1(j=0…3) w0j1=w1j1(j=0…3) ならば、境界曲線上の微分ベクトル関数は、以下のよ
うに表される。
これは、接している稜線が非有理曲線になる条件であ
る。(7)式、(8)式、(9)式を(5)式に代入
し、二枚のパッチがG1連続となる条件を導くと、次のよ
うになる。
以上の手続で二枚のパッチがG1連続となるように曲面
の内部制御点を決定できる。
また、微分ベクトル関数Su(1,v)は、高々二次の関
数であるので、まず三つのベクトルa0,q,a3で二次のBez
ier関数を定義する。この関数から、以下の式を使っ
て、流れベクトルa1,a2を決定する。
これまでは、有理境界GregoryパッチをG1連続に生成
するための手法を述べた。ここでは、第11図に示すよう
な面上にパッチを生成する過程を示す。
流れベクトル関数の定義 面F1は、Ei(i=0,…,5)の五本の有理境界曲線で囲
まれている。この境界曲線上に、二次の流れベクトル関
数(cross-boundary derivative)を定義する。この場
合、T節点v1に接している稜線E3,E4では、頂点v1は、
もともと一本の曲線で表されていた稜線を分割したもの
である。従って、T節点に接する曲線のまわりには、一
つの流れベクトル関数g3(t)が定義される。つまり、
T接点となっている頂点v1に接した稜線での流れベクト
ル関数g3(t)は、稜線E2,E3,E4,E5,E9,E10,E11から定
義される。もし、面F1と面F2がG1連続に接続されるとき
には、流れベクトル関数g1(t)は、稜線E1,E2,E5,E6,
E14から定義される。また、面F1と面F2がG1連続に接続
されるときには、面F1上に自由曲面を生成するときと、
面F2上に自由曲面を生成するときの流れベクトル関数g1
(t)は、同一のものとなる。
内部制御点の決定 面F1の境界曲線上に設定された流れベクトル関数は、
高々二次であるので、三次のベクトルa0j,a1j,a2j(j
=0,…,3)のBezier関数によって定義される。この三つ
のベクトルを前述した接続の式に適用することによっ
て、内部制御点を決定する流れベクトルが求められる。
ここで、面F1が一枚のパッチで表わせるときには、ここ
で求めた制御点がパッチそのものを定義しているので、
処理を終了する。
面の分割 第12図(a),(b)のように、面が非四辺形の場合
には、その面はいくつかの四辺形面に分割する。その後
で分割した各面に対して、有理境界Gregoryパッチを生
成する。その場合、境界曲線は有理曲線であるが、面を
分割している内部境界曲線は、非有理曲線とすれば、各
内部境界曲線のまわりでG1連続に接続できる。
以下、本発明の実施例に基づいて説明する。
第1図は、本発明による自由曲面生成方式の一実施例
を説明するための構成図で、図中、1は判定部、2は条
件設定部、3は生成部である。
判定部1は、有理曲線で境界を囲まれた面に対して、
境界曲線と各境界曲線に繋がる曲線から境界での連続性
を判定する。
条件設定部2は、該判定部1で求めた連続性から境界
の接続条件を求める。
生成部3は、該条件設定部2で求めた接続条件から面
の内部制御点を生成する。
第2図は、本発明による自由曲面生成方式のフローチ
ャートを示す図である。以下、各stepに従って順に説明
する。step1 ;面を構成する全ての境界曲線の制御点を記憶装
置に蓄える。同時に、各境界曲線の端点に繋がっている
曲線の内で、隣の面を構成している曲線の制御点を記憶
装置に蓄える。境界曲線上の制御点については、第3図
に示してある。step2 ;step1で蓄えた曲線の制御点を使って、境界曲線
をはさんだ隣の面との連続性を判定し、接続条件を記憶
装置に蓄える。step3-1,3-2 ; step2で得られた接続条件から境界曲線上の制御点と
面の重心方向へ向かう流れベクトルを求め、記憶装置に
蓄える。面の重心方向への流れベクトルについては、第
4図に示してある。面の内部制御点は、曲線上の制御点
と流れベクトルから計算する。ここで、面が四角形面で
あるときには処理を終了する。step4 ;step3-1あるいはstep3-2で得られた境界曲線上の
制御点と面の重心方向へ向かう流れベクトルから、非四
辺形面を内挿する。内挿結果については、第5図に示し
てある。
第13図は、T節点を含んだ曲線モデルの例である。面
F1は、二つのT節点v1とv2を持っている。第14図は、面
F1をG1連続に接続し、断面線を表示したものである。第
14図において、例えばb,c,d,eによって構成される面A
(面F1)は、g,h,iによって構成される面B、あるいは
a,f,eによって構成される面C、a,b,fによって構成され
る面DとG1連続に接続されている。また、第15図は、有
理曲線を含んだ不規則な曲線モデルの例である。第16図
は、第15図の面F1をG1連続に接続し、断面線を表示した
ものである。
効果 以上の説明から明らかなように、本発明によると、連
続性を保ちながら有理境界曲線を持つ面上に自由曲面を
生成することができる。つまり、第8図のように曲線メ
ッシュが現われている曲面の一部に二次曲面やGregory
パッチがあってもG1連続に内挿が可能である。これによ
り、有理曲線を含む立体形状において自由曲面を扱うこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による自由曲面生成方式の一実施例を
説明するための構成図、第2図は、そのフローチャート
を示す図、第3図は、境界曲線上の制御点を示す図、第
4図は、面の重心方向への流れベクトルを示す図、第5
図は、内挿結果を示す図、第6図(a),(b)は、不
規則な曲線モデルを示す図、第7図は、T節点を含んだ
曲線モデルを示す図、第8図は、複数種類のパッチを示
す図、第9図は、有理境界Gregoryパッチの制御点を示
す図、第10図は、有理境界Gregoryパッチの接続を示す
図、第11図は、有理境界曲線と微分ベクトル関数を示す
図、第12図(a),(b)は、曲面の分割を示す図、第
13図は、T節点を含んだ曲線モデルを示す図、第14図
は、第13図の断面線図を示す図、第15図は、有理曲線を
含んだ不規則な曲線モデルを示す図、第16図は、第15図
の断面線図を示す図である。 1……判定部、2……条件設定部、3……生成部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有理曲線を含む何本かの曲線で境界を囲ま
    れた面に対して、境界曲線と各境界曲線に繋がる曲線か
    ら境界での連続性を判定する判定部と、該判定部で求め
    た連続性から境界での接続条件を求める条件設定部と、
    該条件設定部で求めた接続条件から面の内部制御点を生
    成する生成部とによって自由曲面を発生させることを特
    徴とする自由曲面生成方式。
JP1218314A 1989-08-24 1989-08-24 自由曲面生成方式 Expired - Lifetime JP2875294B2 (ja)

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