JP2874713B2 - Atm交換機システムおよびそのトラヒック制御方法 - Google Patents

Atm交換機システムおよびそのトラヒック制御方法

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JP2874713B2
JP2874713B2 JP21647496A JP21647496A JP2874713B2 JP 2874713 B2 JP2874713 B2 JP 2874713B2 JP 21647496 A JP21647496 A JP 21647496A JP 21647496 A JP21647496 A JP 21647496A JP 2874713 B2 JP2874713 B2 JP 2874713B2
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Nippon Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ATM(Asynchro
nous Transfer Mode:非同期転送モード)セル(以下で
は、単に“セル”と記す場合もある)を入出力回線間で
スイッチングするATM交換機システムに関し、特に、
交換容量を容易に増大させることが可能が交換機構成方
法、輻輳発生の抑制、実効スループットの増大、論理チ
ャネル(VC)間のスループット公平性を実現すること
が可能なATM交換機システムのトラヒック制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の交換容量が2.4Gbps程度の
小規模なATM交換機システムにおいては、図29に示
すように、ユーザ端末が利用可能な低速回線イタフェー
スを高速な時分割多重バスに直接収容する単純入出力バ
ッファ形式が主流である。
【0003】図29に示す第1の従来のATM交換機シ
ステムは、中核スイッチ部40´と、第1乃至第Mの入
力バッファモジュール部80−1,80−2,80−
3,…,80−Mとを有する。第1乃至第Mの入力バッ
ファモジュール部80−1〜80−Mは、それぞれ、第
1乃至第Mの入力回線91−1,91−2,91−3,
…,91−Mと、第1乃至第Mの中間回線92−1,9
2−2,92−3,…,92−Mとに接続されている。
中核スイッチ部40´は、第1乃至第Mの中間回線92
−1〜92−Mと第1乃至第Mの出力回線93−1,9
3−2,93−3,…,93−Mとに接続されている。
第1乃至第Mの入力回線91−1〜91−M,第1乃至
第Mの中間回線92−1〜92−M,および第1乃至第
Mの出力回線93−1〜93−Mの各々は、155Mb
psの伝送速度をもつ。
【0004】図30に示すように、各入力バッファモジ
ュール部80(添字省略)は、第1乃至第4のサービス
クラスユニット81−1,81−2,81−3,81−
4と、入力回線91(添字省略)に接続されたクラス/
回線別分離器82と、クラス間優先制御部83と、バッ
クプレッシャー受信部84とから構成される。第1乃至
第4のサービスクラスユニット81−1〜81−4は、
クラス/回線別分離器82とクラス間優先制御部83と
の間に配置されている。第1乃至第4のサービスクラス
ユニット81−1〜81−4は入力バッファとして働
く。
【0005】ここで、第1乃至第4のサービスクラスユ
ニット81−1〜81−4によって提供される第1乃至
第4のサービス(トラヒッククラス)は、それぞれ、固
定ビットレートサービス(Constant Bit Rate Service
:CBR)、可変ビットレートサービス(Variable Bi
t Rate Service :VBR)、アベーラブルビットレー
トサービス(Available Bit Rate Service:ABR)、
および無規定ビットレートサービス(Unspecified Bit
Rate Service:UBR)である。固定ビットレートサー
ビス(CBR)は、リアルタイム形の動画/音声サービ
スや、回線交換エミュレーションサービスに用いられる
もので、一定ビットレートで情報は伝送される。可変ビ
ットレートサービス(VBR)は、リアルタイム形の可
変レートビデオや音声を対象とし、公衆網におけるフリ
ーサービスのように、レートがあらかじめ規定できるノ
ンリアルタイム形データ通信サービスもこのクラスでサ
ポートできる。アベーラブルビットレートサービス(A
BR)は、現在存在するほとんどのLANアプリケーシ
ョンにあてはまるサービスである。TCP/IP(Tras
mission Control Protocol/Internet Protocol)などの
既存のデータアプリケーションを収容する場合、アベー
ラブルビットレートサービスでは帯域予約を行わずにデ
ータ転送を行う。また、アベーラブルビットレートサー
ビスは、リンクがすいていれば、空いているリンク帯域
全部を1コネクションで使用できるが、込んでくるとレ
ートを自動的に下げて転送する。無規定ビットレートサ
ービス(UBR)は、ABRと同様、ピークレートPC
Rしかコネクション設定時に申告しないが、帯域割り当
てもなく、またPCR以外は何の入力制御は行われな
い。したがって、無規定ビットレートサービスでは品質
保証規定もない。
【0006】第1乃至第4のサービスクラスユニット8
1−1〜81−4は同様の構成を有するので、以下で
は、第1のサービスクラスユニット81−1についての
み述べる。第1のサービスクラスユニット81−1は、
第1乃至第Mの出力回線93−1〜93−Mに対応する
M個の出力回線対応キュー88と、回転優先制御部89
とから構成される。各出力回線対応キュー88の入力端
は、クラス/回線別分離器82に接続され、その出力端
は回転優先制御部89の入力端に接続されている。回転
優先制御部89の出力端はクラス間優先制御部83の入
力端に接続されている。
【0007】図31に示すように、中核スイッチ部40
´は、第1乃至第Mの出力回線93−1〜93−Mにそ
れぞれ対応する第1乃至第Mの中核スイッチキュー41
−1,41−2,41−3,…,41−Mと、時分割多
重バス42と、バッファ占有量計数部43と、バックプ
レッシャー発信部44とを有する。時分割多重バス42
は、第1乃至第Nの中間回線92−1〜92−Mと第1
乃至第Mの中核スイッチキュー41−1〜41−Mとに
接続されている。第1乃至第Mの中核スイッチキュー4
1−1〜41−Mはそれぞれ第1乃至第Mの出力回線9
3−1〜93−Mに接続される。第1乃至第Mの中核ス
イッチキュー41−1〜41−Mは出力バッファとして
働く。
【0008】以下、図29〜31を参照して、第1の従
来のATM交換機システムのセルスイッチング動作につ
いて説明する。入力回線91(添字省略)から流入する
ATMセルは、クラス/回線別分離器82によりATM
セルの宛先出力回線とサービスクラス種別とを識別され
た上で、適切な出力回線対応キュー88に格納される。
回転優先制御部89は、同一サービスクラスに属する出
力回線対応キュー88間でセル送出権を周回的に持ち回
せる。クラス間優先制御部83は、あらかじめ決められ
た優先制御論理に従って異なるサービスクラス間のセル
送出要求の競合を制御する。回転優先制御部89とクラ
ス間優先制御部83との組み合わせ処理により選択され
た出力回線対応キュー88から取り出されたATMセル
は、中間回線92(添字省略)および時分割多重バス4
2を経由してその宛先出力回線に対応した中核スイッチ
キュー41(添字省略)に格納される。中核スイッチキ
ュー41では先頭のセルから順に出力回線93(添字省
略)に送出される。中核スイッチ部40´内のバッファ
占有量計数部43は、中核スイッチキュー41のキュー
長を観測する。バックプレッシャー発信部44は、バッ
ファ占有量計数部43の保有する中核スイッチキュー4
1のキュー長情報を参照し、キュー長がしきい値を越え
て輻輳状態になった中核スイッチキュー41が存在する
ことを検知すると、全ての入力バッファモジュール部8
0に対して輻輳状態にある出力回線を明記したバックプ
レッシャー信号101を発信する。入力バッファモジュ
ール部80内のバックプレッシャー受信部84は、受信
したバックプレッシャー信号101の情報からバックプ
レッシャー信号101を発した出力回線を特定し、その
出力回線に対応した出力回線対応キュー88からのセル
送出を禁止するよう回線優先制御部89に通知する。
【0009】このように、第1の従来のATM交換機シ
ステムにおける入出力バッファ間のトラヒック制御とし
ては、特定の出力回線が輻輳した場合にその出力バッフ
ァでのATMセルの損失を防ぐために、その出力回線へ
のセル出力を停止させることを命じるバックプレッシャ
ー信号101を全ての入力バッファに対して発生すると
いうような、単純なバックプレッシャー制御が存在する
だけである。
【0010】上述した第1の従来のATM交換機システ
ムには次に述べるような問題点がある。交換容量を増大
させるためには、より高速な時分割多重バスにより多く
の低速回線インタフェースを収容させる形式となるが、
時分割多重バス上での入出力信号数の増大にともないピ
ン数が足りなくなるなどLSI実装の観点から実現性に
困難をともなう。
【0011】図32に、交換容量の増大化が容易な、第
2の従来のATM交換機システムを示す。図示のATM
交換機システムは、中核スイッチ部40”と、第1乃至
第Nの拡張入力バッファモジュール部50´−1,50
´−2,50´−3,…,50´−Nと、第1乃至第N
の拡張出力バッファモジュール部60´−1,60´−
2,60´−3,…,60´−Nとを有する。図示の例
では、複数の拡張入力バッファモジュール部および複数
の拡張出力バッファモジュール部を有しているが、それ
ぞれ、1つでも良い。
【0012】第1乃至第Nの拡張入力バッファモジュー
ル部50´−1〜50´−Nの各々は4本の入力回線9
1に接続されると共に、第1乃至第Nの拡張入力バッフ
ァモジュール部50´−1〜50´−Nは、それぞれ、
第1乃至第Nの入力ポート71−1,71−2,71−
3,…,71−Nに接続されている。中核スイッチ部4
0”は、第1乃至第Nの入力ポート71−1〜71−N
と第1乃至第Nの出力ポート72−1,72−2,72
−3,…,72−Nとに接続されている。第1乃至第N
の拡張出力バッファモジュール部60´−1〜60´−
Nの各々は4本の出力回線93に接続されると共に、第
1乃至第Nの拡張出力バッファモジュール部60´−1
〜60´−Nは、それぞれ、第1乃至第Nの出力ポート
72−1〜72−Nに接続されている。入力回線91お
よび出力回線93の各々は155Mbpsの伝送速度を
もち、入力ポート71(添字省略)および出力ポート7
2(添字省略)の各々は620Mbpsの伝送速度をも
つ。
【0013】中核スイッチ部40”は高速な入出力ポー
ト間のATM交換機能を有する。各拡張入力バッファモ
ジュール部50´(添字省略)は、複数本(この例では
4本)の低速な入力回線91を多重して中核スイッチ部
40”の高速な入力ポート71(添字省略)への接続を
仲介し、出力ポート毎にキューイング可能としている。
各拡張出力バッファモジュール部60´(添字省略)
は、中核スイッチ部40”の高速な出力ポート72(添
字省略)からの出力を複数本(この例では4本)の低速
な出力回線93に分離する役目を担い、出力回線毎のキ
ューイングを可能としている。各拡張入力バッファモジ
ュール部50´では、ATMセルを宛先出力回線毎にか
つサービスクラス毎にキューイングを可能とする。各拡
張出力バッファモジュール部60´でも、ATMセルを
宛先出力回線毎かつサービスクラス毎にキューイングを
可能とする。
【0014】図33に示される様に、各拡張入力バッフ
ァモジュール部50´(添字省略)は、第1乃至第4の
サービスクラスユニット51−1,51−2,51−
3,51−4と、4本の入力回線91に接続されたクラ
ス/ポート別分離器52と、クラス間優先制御部53
と、バックプレッシャー受信部54´と、バッファ占有
量計数部55と、パケット受付制御部56と、リソース
管理(以下、RMと略称する)セル処理部57とから構
成される。第1乃至第4のサービスクラスユニット51
−1〜51−4は、クラス/ポート別分離器52とクラ
ス間優先制御部53との間に配置されている。第1乃至
第4のサービスクラスユニット51−1〜51−4は、
それぞれ、固定ビットレートサービス(CBR)、可変
ビットレートサービス(VBR)、アベーラブルビット
レートサービス(ABR)、および無規定ビットレート
サービス(UBR)を提供する第1乃至第4のサービス
クラス用である。第1乃至第4のサービスクラスユニッ
ト51−1〜51−4は入力バッファとして働く。
【0015】第1乃至第4のサービスクラスユニット5
1−1〜51−4は同様の構成を有するので、以下で
は、第1のサービスクラスユニット51−1についての
み述べる。第1のサービスクラスユニット51−1は、
第1乃至第Nの出力ポート72−1〜72−Nに対応す
るN個の出力ポート対応キュー58と、回転優先制御部
59とから構成される。各出力ポート対応キュー58
は、仮想ソースキュー58−1と、レート制御部58−
2と、仮想スイッチ内部キュー58−3とから構成され
る。各仮想ソースキュー58−1の入力端は、クラス/
ポート別分離器52に接続され、その出力端はレート制
御部58−2を介して仮想スイッチ内部キュー58−3
の入力端に接続されている。仮想スイッチ内部キュー5
8−3の出力端は回転優先制御部59の入力端に接続さ
れている。すなわち、出力ポート対応キュー58は、レ
ート制御部58−2を間にはさむ仮想ソースキュー58
−1と仮想スイッチ内部キュー58−3の二重構成であ
る。回転優先制御部59の出力端はクラス間優先制御部
53の入力端に接続されている。
【0016】出力ポート対応キュー58をサービスクラ
ス毎に用意することによって、容易にマルチサービスク
ラス環境を提供することができる。バッファ占有量計数
部55は、各出力ポート対応キュー58において対応す
る出力ポートが収容する出力回線毎と論理チャネル(V
C)毎のバッファ占有量を観測する。パケット受付制御
部56は、計測されたバッファ占有量に基づいてパケッ
ト選択廃棄を制御する。RMセル処理部57は、ABR
クラスのバックワードRMセルへのER(Explicit Rat
e )値の書き込みを行う。
【0017】図34に示されるように、中核スイッチ部
40”は、第1乃至第Nの出力ポート72−1〜72−
Nにそれぞれ対応する第1乃至第Nの中核スイッチキュ
ー41−1,41−2,41−3,…,41−Nと、時
分割多重バス42と、バッファ占有量計数部43と、バ
ックプレッシャー発信部44とを有する。時分割多重バ
ス42は、第1乃至第Nの入力ポート71−1〜71−
Nと第1乃至第Nの中核スイッチキュー41−1〜41
−Nとに接続されている。第1乃至第Nの中核スイッチ
キュー41−1〜41−Nはそれぞれ第1乃至第Nの出
力ポート72−1〜72−Nに接続されている。第1乃
至第Nの中核スイッチキュー41−1〜41−Nは中間
バッファとして働く。
【0018】図35に示されるように、各拡張出力バッ
ファモジュール部60´(添字省略)は、第1乃至第4
のサービスクラスユニット61−1,61−2,61−
3,61−4と、入力ポート72(添字省略)に接続さ
れたクラス/回線別分離器62と、4本の出力回線93
に対応する4つのクラス間優先制御部63と、バッファ
占有量計測部65と、受付可能レート計算部66と、R
Mセル処理部67とから構成される。第1乃至第4のサ
ービスクラスユニット61−1〜61−4は、クラス/
回線別分離器62とクラス間優先制御部63との間に配
置されている。第1乃至第4のサービスクラスユニット
61−1〜61−4は、それぞれ、固定ビットレートサ
ービス(CBR)、可変ビットレートサービス(VB
R)、アベーラブルビットレートサービス(ABR)、
および無規定ビットレートサービス(UBR)を提供す
る第1乃至第4のサービスクラス用である。第1乃至第
4のサービスクラスユニット61−1〜61−4は出力
バッファとして働く。
【0019】第1乃至第4のサービスクラスユニット6
1−1〜61−4は同様の構成を有するので、以下で
は、第1のサービスクラスユニット61−1についての
み述べる。第1のサービスクラスユニット61−1は、
4本の出力回線93に対応する4個の出力回線対応キュ
ー68から構成される。各出力回線対応キュー68の入
力端は、クラス/回線別分離器62に接続され、その出
力端は対応のクラス間優先制御部63の入力端に接続さ
れている。
【0020】拡張入力バッファモジュール部50´と同
様に、拡張出力バッファモジュール部60´は、出力回
線対応キュー68をサービスクラス毎に用意することに
よって、容易にマルチサービスクラス環境を提供するこ
とができる。受付可能レート計算部66は、全ての拡張
入力バッファモジュール部50´に存在する出力ポート
対応キュー58のうち、同一ポート宛の出力ポート対応
キュー58の集合からなる仮想キュー(グローバルキュ
ー)における第1の受付可能レートと、拡張出力バッフ
ァモジュール部60´内に存在する出力回線対応キュー
68における第2の受付可能レートとを計算する。
【0021】拡張出力バッファモジュール部60´で
は、各論理キューがモジュール毎に用意された全バッフ
ァ容量を自由に使用できる完全共有バッファ方式を用い
る。拡張入力バッファモジュール部50´では、論理キ
ュー毎に上限値を設定して特定の論理キューが全て全バ
ッファ量を独占できない構成とする。
【0022】以下に、図32乃至図35を参照して、第
2の従来のATM交換機システムのセルスイッチング動
作について説明する。複数の入力回線91を収容する拡
張入力バッファモジュール部50´(添字省略)では、
入力回線91から流入するATMセルをクラス/ポート
別分離器52によりATMセルの宛先出力ポートとサー
ビスクラス種別とを識別した上で、適切な出力ポート対
応キュー58に格納する。出力ポート対応キュー58
は、前述したように、仮想ソースキュー58−1とレー
ト制御部58−2と仮想スイッチ内部キュー58−3と
により構成される。ATMセルは最初に仮想ソースキュ
ー58−1に格納されるが、レート制御部58−2によ
り提供される転送速度で仮想ソースキュー58−1から
仮想スイッチ内部キュー58−3へ移動する。回転優先
制御部59は、同一サービスクラスに属する仮想スイッ
チ内部キュー58−3間でセル送出権を周回的に持ち回
られる。クラス間優先制御部53は、あらかじめ決めれ
た優先制御論理に従って異なるサービスクラス間のセル
送出要求の競合を制御する。回転優先制御部59とクラ
ス間優先制御部53との組み合わせ処理により、その宛
先出力ポート72(添字省略)に対応した中核スイッチ
キュー41(添字省略)に格納される。
【0023】中核スイッチキュー41ではATMセルが
先頭のセルから順に出力ポート72に送出され、後続の
拡張出力バッファモジュール部60´(添字省略)に送
られる。
【0024】拡張出力バッファモジュール部60´で
は、クラス/回線別分離器62によりATMセルの宛先
出力回線とサービスクラス種別とを識別した上で、適切
な出力回線対応キュー68に格納する。出力回線毎に用
意されるクラス間優先制御部63は、同一出力回線行き
のセルを格納する各サービスクラスの出力回線対応キュ
ー68の中から、次にセルを送出すべきサービスクラス
をあらかじめ決められた優先制御論理に従って選択し、
その先頭セルを出力回線93に送出する。
【0025】このような構成の第2の従来のATM交換
機システムにおいては、中核スイッチ部40”で出力ポ
ート72(添字省略)毎に用意される中核スイッチキュ
ー41(添字省略)のキュー長がしきい値を越えた時
に、バックプレッシャー発信部44がバックプレッシャ
ー信号101を全ての拡張入力バッファモジュール部5
0´(添字省略)へ発生するだけである。また、各拡張
出力バッファモジュール部60´(添字省略)では、バ
ックプレッシャー制御を行わず、セル廃棄を行うのみで
ある。
【0026】このような第2の従来のATM交換機シス
テムの構成では、拡張出力バッファモジュール部60´
の出力バッファを有効に利用することができない。ま
た、このような構成の第2の従来のATM交換機システ
ムにおける入出力バッファ間のトラヒック制御として
は、特定の出力回線が輻輳した場合にその出力バッファ
でのセル損失を防ぐために、その出力回線へのセル出力
を停止させることを命じるバックプレッシャー信号を全
ての入力バッファに対して発生するというような、単純
なバックプレッシャー制御が存在するだけである。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上記第1および第2の
従来のATM交換機システムには次に述べるような共通
の問題点がある。複数の入力回線からのATMセルが同
一出力回線に同時到着することによる輻輳が頻繁に発生
し、それにともなって出力バッファでのセル損失を防ぐ
ためのバックプレッシャー信号が頻繁に発信される。基
本的に、バックプレッシャー制御は各入力回線からの同
一出力回線へのスループットを均一化させる作用があ
り、同一出力回線へ向かう論理チャネル(VC)の本数
に入力回線間でばらつきがある場合、同一出力回線を使
用するVC間でのスループット公平性を全く保証できな
いなど、第1および第2の従来のATM交換機システム
では頻繁なバックプレッシャー信号発生によってこのよ
うなスループット非公平性の問題が生じている。
【0028】本発明の目的は、ATM交換機システム内
部での輻輳発生を抑制して実効スループットを増大さ
せ、かつ同一出力回線を使用するVC間でのスループッ
ト公平性を保証するATM交換機システムおよびそのト
ラヒック制御方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明が適用されるAT
M交換機システムは、高速な入力ポートと高速な出力ポ
ートとの間のATM交換機能を有する出力バッファ型構
成の中核スイッチ部と、複数の低速な入力回線からのA
TMセルを高速な入力ポートへ多重する少なくとも1つ
の拡張入力バッファモジュール部と、高速な出力ポート
からの出力を複数の低速な出力回線に分離する、少なく
とも1つの拡張出力バッファモジュール部とを有する。
拡張入力バッファモジュール部では中核スイッチ部の出
力ポート毎かつサービスクラス毎にキューイングを可能
とし、拡張出力バッファモジュール部では自らが収容す
る出力回線毎かつサービスクラス毎にキューイングを可
能とする構成を有する。
【0030】本発明では、上記構成を有するATM交換
機システムにおいて、中核スイッチ部と拡張出力バッフ
ァモジュール部でのセル損失を防ぐための、バックプレ
ッシャー制御を行う。すなわち、中核スイッチ部は、そ
の出力ポート毎に用意される中核スイッチキューのキュ
ー長が予め定められた第1のしきい値を越えたときに、
第1のバックプレッシャー信号を全ての拡張入力バッフ
ァモジュール部へ発生する。また、拡張出力バッファモ
ジュール部は、その総バッファ占有量が予め定められた
第2のしきい値を越えたときに、第2のバックプレッシ
ャー信号を拡張入力バッファモジュール部へ発生し、お
よび/または、その総バッファ占有量が予め定められた
第3のしきい値を越えたときに、第3のバックプレッシ
ャー信号を中核スイッチ部へ発生する。拡張入力バッフ
ァモジュール部は、受信した第1のバックプレッシャー
信号または第2のバックプレッシャー信号を発生する出
力ポートへのセル出力を停止する。中核スイッチ部は、
受信した第3のバッファプレッシャー信号を発生する拡
張出力バッファモジュール部へのセル出力を停止する。
【0031】また、本発明では、上記構成を有するAT
M交換機システムにおいて、内部輻輳が頻繁に発生する
のを抑えて出力回線毎のスループットを増大させるとと
もに、同一出力回線を使用するVC間でのスループット
公平性の改善や拡張出力バッファモジュール部のバッフ
ァの有効利用を計るための制御を行う。そのために、全
ての拡張入力バッファモジュール部内の出力ポート対応
キューのうち、同一ポート行きの出力ポート対応キュー
の集合からなる仮想キュー(グローバルキュー)におけ
る第1の受付可能ルートと、拡張出力バッファモジュー
ル部内の出力回線対応キューにおける第2の受付可能ル
ートとを定期的に計算するレート計算手段を備える構成
としている。拡張入力バッファモジュール部内の出力ポ
ート対応キューを仮想ソースキューと仮想スイッチ内部
キューの二重構成としている。そして、仮想ソースキュ
ーから仮想スイッチ内部キューのセル転送を、グローバ
ルキューあるいは出力回線対応キューで計算される受付
可能レートに基づいて、仮想ソースキューと仮想スイッ
チ内部キューとの間に設けられたレート制御部により制
御する。
【0032】また、本発明では、上記構成を有するAT
M交換機システムにおいて、拡張入力バッファモジュー
ル部内のレート制御部でのレート制御を出力回線対応と
させるべく、拡張入力バッファモジュール部内の出力ポ
ート対応キューのバッファ占有量を出力回線毎と論理チ
ャネル(VC)毎の両方で観測しておき、パケットの先
頭セルが拡張入力バッファモジュール部内の出力ポート
対応キューに到着したとき、パケットの宛先出力回線に
よるバッファ占有量と論理チャネル(VC)によるバッ
ファ占有量がそれぞれのしきい値を越えているときに該
パケットを廃棄することとし、出力回線毎のバッファ占
有量と比較するしきい値を、拡張出力バッファモジュー
ル部内の出力回線対応キューで計算される受付可能レー
トと出力ポート対応キューにおけるアクティブVC数と
を考慮に入れて、動的に決定する。
【0033】さらに、本発明では、上記構成を有するA
TM交換機システムにおいて、ネットワークの輻輳度に
応じて適応的に送信レートを変えることが可能なABR
クラスのためのABRレート制御として、ABRクラス
のグローバルキューと拡張出力バッファモジュール部内
の出力回線対応キューで受付可能レートを計算し、AB
RクラスのVCが経由するグローバルキューと出力回線
対応キューの受付可能レートのうちどちらか小さいほう
の値をそのVCの受信端末から送信端末の方向へ送られ
るバックワードRMセルに記述する。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0035】図1を参照すると、本発明の一実施の形態
に係るATM交換機システムは、拡張入力バッファモジ
ュール部、中核スイッチ部、および拡張出力バッファモ
ジュール部が図32に示すそれらのものから後述するよ
うに変更されている。したがって、拡張入力バッファモ
ジュール部、中核スイッチ部、および拡張出力バッファ
モジュール部に、それぞれ、50(添字省略)、40、
および60(添字省略)の参照符号を付してある。
【0036】図32に示すATM交換機システムでは、
中核スイッチ部40”が第1のバックプレッシャー信号
101を全ての拡張入力バッファモジュール部50´
(添字省略)へ送出するだけである。これに対して、図
1に示すATM交換機システムでは、中核スイッチ部4
0が第1のバックプレッシャー信号101を全ての拡張
入力バッファモジュール部50へ送出するだけでなく、
拡張出力バッファモジュール部60が第2および第3の
バックプレッシャー信号102および103をそれぞれ
全ての拡張入力バッファモジュール部50および中核ス
イッチ部40へ送出している。尚、本実施の形態では、
拡張出力バッファモジュール部60が第2および第3の
バックプレッシャー信号102および103をそれぞれ
全ての拡張入力バッファモジュール部50および中核ス
イッチ部40へ送出しているが、拡張出力バッファモジ
ュール部60は、第2のバックプレッシャー信号102
のみを全ての拡張入力バッファモジュール部50へ送出
するようにしても良いし、または、第3のバックプレッ
シャー信号103のみを中核スイッチ部40へ送出する
ようにしても良い。
【0037】図2を参照すると、拡張入力バッファモジ
ュール部50(添字省略)は、バックプレッシャー受信
部が図33に示すものから変更されている点を除いて、
図33に示すものと同様の構成を有する。したがって、
バックプレッシャー受信部に54の参照符号を付すと共
に、図33に示すものと同様の機能を有するものには同
一の参照符号を付して、それらの説明を省略する。
【0038】バックプレッシャー受信部54は、第1の
パックプレッシャー信号101を中核スイッチ部40
(図1)から受信するばかりでなく、第2のバックプレ
ッシャー信号102を拡張出力バッファモジュール部6
0(添字省略)から受信して、後述するように回転優先
制御部59を制御する。
【0039】図3を参照すると、中核スイッチ部40
は、バックプレッシャー受信部45を有する点を除い
て、図34に示す中核スイッチ部40”と同様の構成を
有する。したがって、図34に示すものと同様の機能を
有するものには同一の参照符号を付して、それらの説明
を省略する。
【0040】バックプレッシャー受信部45は、拡張出
力バッファモジュール部60(添字省略)(図1)から
第3のバックプレッシャー信号103を受信して、後述
するように中核スイッチキュー41(添字省略)を制御
する。
【0041】図4を参照すると、拡張出力バッファモジ
ュール部60(添字省略)は、バックプレッシャー発信
部64を有する点を除いて、図35に示す拡張出力バッ
ファモジュール部60´と同様の構成を有する。したが
って、図35に示すものと同様の機能を有するものには
同一の参照符号を付して、それらの説明を省略する。
【0042】バッファプレッシャー発信部64は、後述
するようにバッファ占有量計数部65の内容を参照し
て、第2および第3のパックプレッシャー信号102お
よび103をそれぞれ全ての拡張入力バッファモジュー
ル部50(添字省略)(図1)および中核スイッチ部4
0へ送出する。
【0043】図5に拡張入力バッファモジュール部50
内のバッファ占有量計数部55が保有する情報内容(バ
ッファ占有量情報テーブル)200の一例を示す。拡張
入力バッファモジュール部50内のバッファ占有量計数
部55は、各サービスクラスの出力ポート対応キュー5
8における仮想ソースキュー58−1と仮想スイッチ内
部キュー58−3を含む全キュー長、仮想スイッチ内部
キュー58−3のキュー長、全キュー長の出力回線毎/
VC毎のバッファ占有量等を保有する。
【0044】図6に中核スイッチ部40内のバッファ占
有量計数部43が保有する情報内容(バッファ占有量情
報テーブル)201の一例を示す。中核スイッチ部40
内のバッファ占有量計数部43は、各中核スイッチ部4
1(添字省略)のキュー長を保有する。
【0045】図7に拡張出力バッファモジュール部60
内のバッファ占有量計数部65が保有する情報内容(バ
ッファ占有量情報テーブル)202および203の一例
を示す。拡張出力バッファモジュール部60内のバッフ
ァ占有量計数部65は、各サービスクラスの出力回線対
応キュー61(添字省略)におけるバッファ占有量およ
び拡張出力バッファモジュール部60宛のグローバルキ
ューを構成する各出力ポート対応キュー長を保存する。
【0046】
【実施例】図8は本発明によるATM交換機システムに
おけるバックプレッシャー制御の模式図である。図8で
は第1の拡張入力バッファモジュール部50−1および
第1の拡張出力バッファモジュール部60−1のみを図
示し、第2乃至第Nの拡張入力バッファモジュール部5
0−2〜50−Nおよび第2乃至第Nの拡張出力バッフ
ァモジュール部60−2〜60−Nの図示を省略してい
る。また、説明の簡略化のため、一つのサービスクラス
しか存在しない場合についての構成を示す。したがっ
て、第1の拡張入力バッファモジュール部50−1は1
つのサービスクラスユニット51のみを含み、第1の拡
張出力バッファモジュール部60−1は1つのサービス
クラスユニット61のみを含む。
【0047】中核スイッチ部40内において、出力ポー
ト72(添字省略)毎に用意される中核スイッチキュー
41(添字省略)のキュー長Qcsが第1のしきい値Q
th(bpcs)を越えると、バッファプレッシャー発信部44
は全ての拡張入力バッファモジュール部50(添字省
略)に対して第1のバックプレッシャー信号(BP
S)101を発信する。各拡張入力バッファモジュール
部50では、第1のバックプレッシャー信号(BP
S)101を受けたバックプレッシャー受信部54は、
第1のバックプレッシャー信号(BP CS)101を
発信した出力ポート行きのセル送出を停止させる。尚、
複数のサービスクラスが混在する環境では、サービスク
ラス毎に第1のしきい値Qth(bpcs)を用意するか、ある
いは一つのバックプレッシャー信号(BP CS)10
1を複数のサービスクラスに適用することで、多様なサ
ービスクラス品質要求に応じた制御が可能となる。
【0048】一方、拡張出力バッファモジュール部60
(添字省略)において、全バッファ使用量Qoxb が第2
のしきい値Qth(bpoxb low) を越えた場合、バックプレ
ッシャー発信部64は全ての拡張入力バッファモジュー
ル部50に対して第2のバックプレッシャー信号(BP
OXB LOW)102を発信する。各拡張入力バッ
ファモジュール部50では、第2のバックプレッシャー
信号(BP OXB LOW)102をバックプレッシャ
ー受信部54は、第2のバックプレッシャー信号(BP
OXB LOW)102を発信した出力ポート行きの
セル送出を停止する。サービスクラス毎に第2のしきい
値Qth(bpoxb low) を用意するか、あるいは第2のバッ
クプレッシャー信号(BP OXB LOW)102を
適用させるサービスクラスを限定することで、多様なサ
ービスクラス品質要求に応じた制御が可能となる。
【0049】また、拡張出力バッファモジュール部60
(添字省略)において、全バッファ使用量Qoxb が第3
のしきい値Qth(bpoxb high)を越えた場合、バックプレ
ッシャー発信部64は前段に位置する中核スイッチ部4
0に対して第3のバックプレッシャー信号(BP OX
HIGH)103を発信する。中核スイッチ部40
では、第3のバックプレッシャー信号(BP OXB
HIGH)103を受信したバックプレッシャー受信部
45は、第3のバックプレッシャー信号(BP OXB
HIGH)103を発信した後続の拡張出力バッファモ
ジュール部60へのセル出力を停止させる。
【0050】以上説明したように、上記実施例によれ
ば、大容量の交換容量を保有するATM交換機システム
を実現するために、低速回線インタフェースを時分割多
重バスに直接収容させる第1の従来のATM交換機シス
テム(図29)と、より高速なポートインタフェースを
直接収容させる本発明によるATM交換機システムとで
は、明らかに本発明によるATM交換機システムの方が
時分割多重バスに収容するインタフェース数が少ない。
その結果、LSI実装上のピン数不足などの問題発生を
抑えることが可能である。
【0051】また、拡張入力バッファモジュール部50
内の出力ポート対応キュー58をサビースクラス毎に用
意し、セル廃棄を防ぐために中核スイッチ部40や拡張
出力バッファモジュール部60から発信される第1およ
び第2のバックプレッシャー信号101および103の
適用をサービスクラス対応に細分化することにより、セ
ル廃棄率や遅延に関して多様なサービスクラス品質を提
供することが可能となる。
【0052】図9は受付可能レートの計算環境を示す。
図9でも図8と同様に、第1の拡張入力バッファモジュ
ール部50−1および第1の拡張出力バッファモジュー
ル部60−1のみを図示し、説明の簡略化のため、一つ
のサービスクラスしか存在しない場合についての構成を
示す。
【0053】各拡張出力バッファモジュール部60(添
字省略)に設置される受付可能レート計算部66は、全
ての拡張入力バッファモジュール部50(添字省略)内
の出力ポート対応キュー58のうち自らの収容されてい
る出力ポート行きの出力ポート対応キュー58の仮想ス
イッチ内部キュー58−3部分の集合体であるグローバ
ルキュー90やその拡張出力バッファモジュール部60
に収容している回線出力対応キュー68のキュー長の時
間変化をサービスクラス別に観察し、その変化傾向に基
づいてキュー長が時間的に安定するような受付可能レー
トを定期的に算出する。各拡張出力バッファモジュール
部60(添字省略)に設置される受付可能レート計算部
66がグローバルキュー長を把握できるように、スイッ
チ内部だけで往来するスイッチ内部制御用セルを用意す
る。各拡張入力バッファモジュール部50は出力ポート
対応キュー長を記述してスイッチ内部制御用セルを定期
的に送信する。スイッチ内部制御用セルを受信する拡張
出力バッファモジュール部60では、スイッチ内部制御
用セルの内容から出力ポート宛てのグローバルキュー長
を復元する。
【0054】拡張入力バッファモジュール部50内の出
力ポート対応キュー58のレート制御部58−2への送
信レート設定は、受付可能レート計算部66が受付可能
レートを計算する度に実行される。ある拡張入力バッフ
ァモジュール部50内のポート番号iの出力ポートに対
応した出力ポート対応キュー58のレート制御部58−
2に設定される送信レートR[i]は、ポート番号iの
出力ポートのグローバルキュー90で計算される受付可
能レートERg [i]とその出力ポート対応キュー58
における現時点の総アクティブVC数Nvc[i]の積、
あるいはポート番号iの出力ポートが収容する各出力回
線対応キュー68で計算される受付可能レートERline
[i,j](jは出力回線番号)とその出力ポート対応
キュー58における出力回線毎のアクティブVC数Nvc
[i,j](ここでNvc=ΣNvc[i,j])の各積の
総和のうち、どちらか小さい方を設定する。すなわち、
送信レートR[i]は下記の数式1で求められる。
【0055】
【数1】 アクティブVC数は、バッファ占有量計数部55が保有
する各出力ポート対応キュー58におけるVC毎のバッ
ファ占有量情報を参照して算出される。
【0056】以上説明したように、上記実施例によれ
ば、入力レートが出力レートよりも大きく輻輳の発生す
る箇所であるグローバルキュー90や拡張出力バッファ
モジュール部60内の出力回線対応キュー68におい
て、輻輳を発生することなく利用率を大きくとることが
可能な受付可能レートを計算し、拡張入力バッファモジ
ュール部50内の出力ポート対応キュー58を仮想ソー
スキュー58−1と仮想スイッチ内部キュー58−3の
二重構成として、仮想ソースキュー58−1から仮想ス
イッチ内部キュー58−3へのセル転送レートを、AT
M交換機システムの後方配置モジュールで計算される受
付可能レートに基づいて制御している。このことによ
り、ATM交換機システムの内部輻輳を引き起こす大き
な要因であるトラヒック特性を明示しない不明瞭な入力
トラヒックに対して、それらを仮想ソースキュー58−
1に一時保存してATM交換機内部への実質的な流入を
制限することが可能である。また、内部輻輳の発生頻度
を抑えて内部輻輳によるサービスクラス間の干渉を取り
除くことが可能である。
【0057】また、出力ポート72(添字省略)全体へ
のセル転送を制御することはできるが、その出力ポート
72が収容する出力回線93毎には制御できない拡張入
力バッファモジュール部50の出力ポート対応キュー5
8に対して、対応する宛先出力ポートが収容する出力回
線対応キュー68で計算される受付可能レートに、その
出力ポート対応キュー58における出力回線毎のアクテ
ィブVC数を乗じたものの総和をレート制御部58−2
に設定することを全ての拡張入力バッファモジュール部
50で行っている。このことにより、拡張入力バッファ
モジュール部50間で同一出力回線行きのVC数にばら
つきがある場合でも、各拡張入力バッファモジュール部
50が出力回線毎VC数を考慮して送信レートを自律的
に決定するので、同一出力回線行きのVC間で均等なス
ループットを保証することが可能である。
【0058】次に、ATMセルとパケットとの関係につ
いて説明する。周知のように、通信プロトコルは階層的
になっていて、各層はそれぞれが識別可能な情報ブロッ
クを下層に落としこみ、伝達を依頼する。一番上位のプ
ロトコル層がアプリケーション層であり、下位側のプロ
トコル層にATM層があって、アプリケーション層とA
TM層との間の種々の中間プロトコル層が存在する。
【0059】まず、アプリケーション層が伝達要求を発
生し、そのデータを下層の中間プロトコル層に渡す。中
間プロトコル層は、その層における特殊処理(セグメン
トヘッダ/トレーラ付加)した後、それをATM層に渡
す。ATM層は、落ちてきた中間プロトコル層の情報ブ
ロックをATMセルと呼ばれる固定長(53バイト)に
分割して、それぞれのATMセルの伝送を試みる。ここ
で、中間プロトコル層の情報ブロックがパケットに相当
する。したがって、パケットは複数個のATMセルに分
割される。換言すれば、パケットは複数個のATMセル
から構成される。
【0060】上位のプロトコル層にしてみれば、パケッ
ト単位で処理を行うので、それを構成するATMセルの
内何個落ちたとかには無関心である。要は、パケット丸
ごと伝達されるかされないかが、上位のプロトコル層に
とって重要である。パケット選択廃棄は、個々のセル情
報から同一のパケットに所属するセル群を識別し、パケ
ット単位でセル廃棄を行なう手法である。
【0061】次に、図10を参照して、拡張入力バッフ
ァモジュール部50(添字省略)内のパケット受付制御
部56によるパケット選択廃棄の処理について説明す
る。パケット受付制御部56は、パケットの先頭セル
が、ある拡張入力バッファモジュール部50内のポート
番号iの出力ポートに対応した出力ポート対応キュー5
8に到着する(ステップF1)と、キュー全体に対して
設定された固定しきい値Qth、ポート番号iの出力ポー
ト72−iに収容される各出力回線毎の受付可能レート
ERline[i,j](jは出力回線番号)、およびその
出力ポート対応キュー58における出力回線毎のアクテ
ィブVC数Nvc[i,j]から、下記の数式2のよう
に、しきい値Qth(line)を計算する(ステップF2)。
【0062】
【数2】 ここで、Aはパケットの宛先出力回線番号である。パケ
ット受付制御部56は、バッファ占有量計数部55にポ
ート番号iに出力ポートに対応して出力ポート対応キュ
ー58における出力回線毎の占有量Qline[i,j]
(jは出力回線番号)を計数させておき(ステップF
3)、パケットの宛先出力回線Aによる占有量Q
line[i,A]としきい値Qth(line)とを比較する(ス
テップF4)。もし占有量Qline[i,A]がしきい値
th(line)よりも小さいならば(Qline[i,A]<Q
th(line))、パケット受付制御部56はそのままパケッ
トを受信する(ステップF9)。一方、もし占有量Q
line[i,A]がしきい値Qth(line)以上ならば(Q
line[i,A]≧Qth(line))、パケット受付制御部5
6は、しきい値Qth(line)とポート番号iの出力ポート
72−iに対応した出力ポート対応キュー58における
出力回線A行きのアクティブVC数VC数Nvc[i,
A]と所定の係数Kとから、下記の数式3のように、し
きい値Qth(vc)を計算する(ステップF5)。
【0063】
【数3】 ここで、Kは制御パラメータで、交換機管理者が自由に
設定できるものである。パケット受付制御部56は、バ
ッファ占有量計数部55にそのパケットの所属VCによ
る占有量Qvcを計数させ(ステップF6)、占有量Qvc
としきい値Qth(vc)とを比較する(ステップF7)。も
し占有量Qvcがしきい値Qth(vc)よりも小さいならば
(Qvc<Qth(vc))、パケット受付制御部56はそのま
まパケットを受信する(ステップF9)。一方、もし占
有量Qvcがしきい値Qth(vc)以上ならば(Qvc≧Q
th(vc))、パケット受付制御部56はそのパケットを廃
棄する(ステップF8)。
【0064】以上説明したように、上記実施例では、拡
張入力バッファモジュール部50内の出力ポート対応キ
ュー58に到着するパケットの受信可否を、出力ポート
対応キュー58の対応する出力ポートが収容する出力回
線対応キュー68で計算される受付可能レートに、その
出力ポート対応キュー58における出力回線毎のアクテ
ィブVC数を乗じたものの総和のうちパケットの宛先出
力回線相当分が占める割合を考慮して算出するしきい値
と宛先出力回線によるバッファ占有量とを比較して決め
ている。このことにより、出力ポート対応キュー58内
部の出力回線毎のバッファ占有量をレート制御部58−
2に割り当てるレートの出力回線毎の比率と同一にする
ことが可能である。これは、出力回線93を一切区別で
きない出力ポート対応キュー58において、指定された
転送レートの出力回線比に応じて転送レートを制御する
のと同等の効果をもたらす。
【0065】さらに、パケットの受信可否を決定するさ
らなる条件として、パケットの所属するVCによるバッ
ファ占有量と比較するしきい値として、宛先出力回線用
に算出されたしきい値をその出力回線宛のアクティブV
C数で除算した値を用いることにより、同一出力回線を
経由する複数のVC間で公平なスループットを達成する
ことが可能である。
【0066】次に、拡張入力バッファモジュール部50
内のRMセル処理部57および拡張出力バッファモジュ
ール部60内のRMセル処理部67におけるRMセル処
理について説明する。
【0067】バックワードRMセルが拡張入力バッファ
モジュール部50に到着すると、そのバックワードRM
セルに対するフォワードRMセルはその拡張入力バッフ
ァモジュール部50と対をなす拡張出力バッファモジュ
ール部60を通過するはずなので、RMセル処理部57
は、対の拡張出力バッファモジュール部60の受付可能
レート計算部66から、その拡張出力バッファモジュー
ル部60宛のグローバルキュー90で計算される受付可
能レートとフォワードRMセルが経由する出力回線対応
キュー68で計算される受付可能レートとをもらいう
け、このうち小さいほうの値をバックワードRMセルに
書き込む。また、フォワートRMセルが拡張入力バッフ
ァモジュール部50に到着すると、RMセル処理部57
は、そのフォワードRMセルが格納されるABRクラス
の出力ポート対応キュー58の仮想スイッチ内部キュー
58−3の仮想スイッチ内部キュー長をフォワードRM
セルに書き込む。フォワードRMセルが拡張出力バッフ
ァモジュール部60に到着するときには、RMセル処理
部67がフォワードRMセル内に書き込まれた仮想スイ
ッチ内部キュー長を読み取り、その出力ポート宛のグロ
ーバルキュー長を復元する。
【0068】以上説明したように、上記実施例では、入
力レートが出力レートより大きいために輻輳の発生する
中核スイッチ部40内の中核スイッチキュー41(添字
省略)のキュー長と拡張出力バッファモジュール部60
内の出力回線対応キュー68のキュー長とから受付可能
レート計算部66が受付可能レートを計算して、それを
ABRクラスのトラヒックを発生する送信端末に通知/
反映させる。このことにより、ATM交換機システム内
部でABRクラスのトラヒックによる輻輳が発生するの
を抑えることが可能である。また、受付可能レート計算
部66は、グローバルキュー90における受付可能レー
トを計算するために、グローバルキュー長の時間変化を
把握しなければならず、各拡張入力バッファモジュール
部50は仮想スイッチ内部キュー58−3の仮想スイッ
チ内部キュー長を拡張出力バッファモジュール部60内
の受付可能レート計算部66に知らせる必要がある。A
BRクラスのグローバルキューに限っては、各拡張入力
バッファモジュール部50を通過するフォワードRMセ
ルに仮想スイッチ内部キュー長を書き込み、それを拡張
出力バッファモジュール部60側で読み取ってグローバ
ルキュー長を復元するようにすることにより、余計な信
号線や情報運搬セルを用意しなくてすむ。
【0069】次に具体的なケースについて、図11乃至
図28を参照して説明する。図11乃至図28において
はNが2の場合を図示している。
【0070】図11乃至図22においては、ポート/回
線数が2/8で、CBR/VBR/ABR/UBRクラ
スの4サービスクラスを提供可能な本発明によるATM
交換機システムにおいて、中核スイッチ部40からCB
R/VBR/ABR/UBRクラスを停止させるための
第1のバックプレッシャー信号(BP CS)を発信す
るための第1のしきい値Qth(bpcs)は、それぞれ80/
60/40/20セルとし、拡張出力バッファモジュー
ル部60(添字省略)から第2のバックプレッシャー信
号(BP OXB LOW)および第3のバックプレッ
シャー信号(BP OXB HIGH)を発信させるた
めの第2および第3のしきい値Qth(bpo xb low) および
th(bpoxb high)はそれぞれ8000セルおよび810
0セルとする。なお、第2のバックプレッシャー信号
(BP OXB LOW)により送出を止められるサー
ビスクラスはUBRのみとする。
【0071】最初に、図11乃至図16を参照して、入
出力回線間でATMセルをスイッチングするときの処理
手順について説明する。図11乃至図16は、本発明に
よるATM交換機システムにおいて、第1の拡張入力バ
ッファモジュール部50−1の第1の入力回線91(#
1)と第2の拡張出力バッファモジュール部60−2の
第4の出力回線93(#4)との間にUBRクラスのV
Cが張られている状態を示している。第1の拡張入力バ
ッファモジュール部50−1の第1の入力回線91(#
1)と第2の拡張出力バッファモジュール部60−2の
第4の出力回線93(#4)との間に設定されたUBR
クラスのVC1に属するATMセル300に対して入出
力回線間スイッチングする様子を説明する。
【0072】図11は上記VC1がATMセル#VC1
が第1の拡張入力バッファモジュール部50−1に到着
したときの状態を示す。
【0073】まず、図12に示すように、クラス/ポー
ト別分離器52は、そのATMセル300のコネクショ
ン情報を参照して宛先出力ポートおよびサービスクラス
種別がそれぞれ第2の出力ポート72−2およびUBR
クラスであることを認識し、そのATMセル300をU
BRクラス用の出力ポート72−2宛の出力ポート対応
キュー58の仮想ソースキュー58−1に格納する。
【0074】次に、図13に示すように、現時点でレー
ト制御部58−2に設定されている転送レート値は10
0Mbpsであるので、仮想ソースキュー58−1から
仮想スイッチ内部キュー58−3へのセル転送が100
Mbps程度になるように制御された上でATMセル3
00は仮想スイッチ内部キュー58−3に送られる。A
TMセル300よりも前に格納されたATMセルから順
に仮想スイッチ内部キュー58−3から送出されてい
き、ATMセル300が仮想スイッチ内部キュー58−
3の先頭に達する。
【0075】ここで、図14に示すように、パックプレ
ッシャー受信部54の保有するバックプレッシャー状況
301を参照すると、第2の出力ポート72−2の第2
の中核スイッチキュー41−2からのUBRクラスに適
用される第1のバックプレッシャー信号(BP CS)
101や第2の拡張出力バッファモジュール部60−2
からの第2のバックプレッシャー信号(BP OXB
LOW)102を受けていないので(バックプレッシャ
ー状況301中の“ON”は受信していることを、“O
FF”は受信してないことを表わす)、UBRクラス用
の回転優先制御部59が第2の出力ポート72−2宛の
出力ポート対応キュー58を選択し、かつクラス間優先
制御部53がUBRクラスを選択したとき、ATMセル
300は仮想スイッチ内部キュー58−3から取り出さ
れて、第1の入力ポート71−1および時分割多重バス
42を経由して第2の出力ポート72−2に対応した第
2の中核スイッチキュー41−2に格納される。ATM
セル300よりも前に格納されたATMセルから順に第
2の中核スイッチキュー41−2から送出されていき、
ATMセル300が第2の中核スイッチキュー41−2
の先頭に達する。
【0076】ここで、図15に示すように、バックプレ
ッシャー受信部45の保有するバックプレッシャー受信
状況302を参照すると、第2の出力ポート72−2の
第2の拡張出力バッファモジュール部60−2からの第
3のバックプレッシャー信号(BP OXB HIG
H)を受けていないので、ATMセル300は第2の中
核スイッチキュー41−2から第2の出力ポート72−
2に送出され、後続の第2の拡張出力バッファモジュー
ル部60−2に送られる。第2の拡張出力バッファモジ
ュール部60−2では、クラス/回線別分離器62はそ
のATMセル300のコネクション情報を参照して、宛
先出力回線とサービスクラス種別がそれぞれ第4の出力
回線93(#4)、UBRクラスであること認識し、そ
のATMセル300をUBRクラス用の第4の出力回線
93(#4)宛の出力回線対応キュー68に格納する。
ATMセル300よりも前に格納されたATMセルから
順に出力回線対応キュー68から送出されていき、AT
Mセル300が出力回線対応キュー68の先頭に達す
る。
【0077】ここで、図16に示すように、第4の出力
回線93(#4)用のクラス間優先制御部63がUBR
クラスを選択すると、その先頭セルは第4の出力回線9
3(#4)に送出される。
【0078】次に、図17および図18を参照して、中
核スイッチキュー長が第1のパックプレッシャー信号
(BP CS)発生用しきい値以下である時に、複数の
ATMセルが同時に到着したときの処理手順について説
明する。図17は、第2の出力ポート72−2用の第2
の中核スイッチキュー41−2の中核スイッチキュー長
csがUBRクラス停止用の第1のバックプレッシャー
信号(BP CS)101を発信するための第1のしき
い値Qth(bpcs)(=20セル)以下である時に、複数の
ATMセル300が第2の出力ポート72−2用の第2
の中核スイッチキュー41−2に同時に到着したときの
状態を示している。このATMセル300を格納するこ
とで、第2の中核スイッチキュー41−2の中核スイッ
チキュー長Qcsが第1のしきい値Qth(bpcs)を越えてし
まう。そこで、図18に示すように、バックプレッシャ
ー発信部44は、このポート行きのUBRクラスセルを
送信停止させるための第1のバックプレッシャー信号
(BP CS)101を全ての拡張入力バッファモジュ
ール部50−1および50−2に対して発信する。各拡
張入力バッファモジュール部50−1および50−2で
は、バックプレッシャー受信部54がこの第1のバック
プレッシャー信号(BP CS)101を受信すると、
第2の出力ポート72−2行きのUBRララスセルの送
信を停止する。
【0079】同様に、中核スイッチキュー長Qcsが各サ
ービスクラス対応のしきい値Qth(bpcs)を越える場合に
は、その中核スイッチキュー宛の該当するサービスクラ
スのセル送信を停止するための第1のバックプレッシャ
ー信号(BP CS)101を全ての拡張入力バッファ
モジュール部50−1および50−2に対して発信す
る。本実施例では、各サービスクラス毎に適用する個別
のバックプレッシャー信号(BP CS)を用意した
が、一本の第1のバックプレッシャー信号(BP CS)
を複数のサービスクラスに適用させるように構成するこ
とも可能である。
【0080】図19および図20を参照して、拡張出力
バッファモジュール部60のバッファ占有量が第2のバ
ックプレッシャー信号(BP OXB LOW)発生用
しきい値以下である時に、ATMセルが到着したときの
処理手順について説明する。図19は第2の拡張出力バ
ッファモジュール部60−2のバッファ占有量Qobx
7999セルである時に、ATMセル300が第2の拡
張出力バッファモジュール部60−2に到着したときの
状態を示している。このATMセル300を格納するこ
とで、バッファ占有量Qobx が第2のバックプレッシャ
ー信号(BP OXB LOW)102を発信するための
第2のしきい値Qth(bpoxb low) (=8000セル)以
上になってしまう。そこで、図20に示すように、第2
の拡張出力バッファモジュール部60−2では、バック
プレッシャー発信部64は第2のバックプレッシャー信
号(BP OXB LOW)102を全ての拡張入力バ
ッファモジュール部50−1および50−2に対して発
信する。各拡張入力バッファモジュール部50−1およ
び50−2では、バックプレッシャ−受信部54はこの
第2のバックプレッシャー信号(BP OXB LO
W)102を受信すると、第2の出力ポート72−2行
きUBRクラスセルの送信を停止する。
【0081】本実施例では、第2のバックプレッシャー
信号(BP OXB LOW)102を適用するサービ
スクラスをUBRクラスだけとしたが、複数のサービス
クラスに適用するように構成することも可能である。
【0082】図21および図22を参照して、拡張出力
バッファモジュール部60のバッファ占有量が第3のバ
ックプレッシャー信号(BP OXB HIGH)発生
用しきい値以下である時に、ATMセルが到着したとき
の処理手順について説明する。図21は第2の拡張バッ
ファモジュール部60−2のバッファ占有量Qobx が8
099セルである時に、ATMセル300が第2の拡張
出力バッファモジュール部60−2に到着したときの状
態を示している。このATMセル300を格納すること
で、第3のバックプレッシャー信号(BP OXB
IGH)103を発信するための第3のしきい値Q
th(bpoxb high)(=8100)以上になってしまう。そ
こで、図22に示すように、第2の拡張バッファモジュ
ール部60−2では、バックプレッシャー発信部64が
第3のバックプレッシャー信号(BP OXB HIG
H)103を直前の中核スイッチ部40に対して発信す
る。中核スイッチ部40では、バックプレッシャー受信
部45はこの第3のバックプレッシャー信号(BP
XB HIGH)103を受信すると、第2の中核スイ
ッチキュー41−2に対して一切のセル送信を停止させ
る。
【0083】図23乃至図26は、本発明によるATM
交換機システムにおいて、第1の拡張入力バッファモジ
ュール部50−1の第1の入力回線91(#1)と第2
の拡張出力バッファモジュール部60−2の第4の出力
回線93(#4)との間にABRクラスのVCが張られ
ている状態を示している。第2の拡張出力バッファモジ
ュール部60−2の第4の出力回線93(#4)と対を
なす入力回線は、第2の拡張入力バッファモジュール部
50−2の第4の入力回線91(#4)であるので、V
C2のバックワードRMセルは第2の拡張入力バッファ
モジュール50−2の第4の入力回線91(#4)に到
着することになる。そして、第1の拡張出力バッファモ
ジュール部60−1の第1の出力回線93(#1)へと
流れていく。
【0084】図23および図24を参照して、フォワー
ドRMセルが拡張入力バッファモジュール部50内の出
力ポート対応キュー長を運搬して、拡張出力バッファモ
ジュール部60内のバッファ占有量計数部65がグロー
バルキュー長を認識する処理手順について説明する。図
23に示すように、第1の拡張入力バッファモジュール
部50−1の第1の入力回線91(#1)と第2の拡張
出力バッファモジュール部60−2の第4の出力回線9
3(#4)との間に設定されたABRクラスのVC2に
属するフォワードRMセル303が第1の拡張入力バッ
ファモジュール部50−1に到着すると、クラス/ポー
ト別分離器52は、そのフォワードRMセル303のコ
ネクション情報を参照して、宛先出力ポートとサービス
クラス種別がそれぞれ第2の出力ポート72−2、AB
Rクラスであることを認識し、そのフォワードRMセル
303をABRクラス用の第2の出力ポート72−2宛
の出力ポート対応キュー58の仮想ソースキュー58−
1に格納する。と同時に、RMセル処理部57はそのフ
ォワードRMセル303が格納されるABRクラス用キ
ューの仮想スイッチ内部キュー58−3の仮想スイッチ
内部キュー長をフォワードRMセル303内に書き込
む。このとき、格納されるABRクラス用キューの仮想
スイッチ内部キュー長は40セルであるので、フォワー
ドRMセル303内に40セルを記述する。
【0085】図24はVC2のフォワードRMセル30
3が第2の拡張出力バッファモジュール部60−2に到
着したときの状態を示している。クラス/回線別分離器
62はそのフォワードRMセル303のコネクション情
報を参照して、宛先出力回線とサービスクラス種別がそ
れぞれ第4の出力回線93(#4)、ABRクラスであ
ることを認識し、そのフォワードRMセル303をAB
Rクラス用の第4の出力回線93(#4)宛の出力回線
対応キュー63に格納する。と同時に、RMセル処理部
67は、そのフォワードRMセル内に記述されている第
1の拡張入力バッファモジュール部50−1におけるA
BRクラス用出力ポート対応キュー長を取り出し、バッ
ファ占有量計数部65に通知する。第2の拡張出力バッ
ファモジュール60−2のバッファ占有量計数部65で
は、グローバルキュー長をサービスクラス毎に認識する
ために、各拡張入力バッファモジュール部50に存在す
る同一出力ポート行きの出力ポート対応キュー長をサー
ビスクラス毎に保存しており、RMセル処理部67から
の通知により、そのフォワードRMセル303が通過し
てきた第1の拡張入力バッファモジュール50−1のA
BRクラス用の出力ポート対応キュー長をフォワードR
Mセル303の内容と置き換える。
【0086】本実施例では、第2の拡張出力バッファモ
ジュール60−2のバッファ占有量計数部65ははじ
め、第1の拡張入力バッファモジュール部50−1の第
2の出力ポート72−2宛のABRクラス用キューは1
0セルであると認識していたが、第1の拡張入力バッフ
ァモジュール部50−1からのフォワードRMセル30
3の到着により、これを40セルに変更している。本来
は、拡張入力バッファモジュール部50の出力ポート対
応キュー長を拡張出力バッファモジュール部60のバッ
ファ占有量計数部65に知らせるために、ATM交換機
システム内部でのみ使用する特別な情報運搬用セルを用
意する必要があるが、ABRクラスに限ってはフォワー
ドRMセルを利用することにより、余計な情報運搬用セ
ルや信号線を用意しなくてもすみ、その分だけハードウ
ェア実装量を軽減させることが可能である。また、ユー
ザのデータセルではないATM交換機システム制御のた
めの情報運搬用セルが引き起こす内部輻輳の発生頻度を
緩和させる効果をもたらす。
【0087】次に、図25および図26を参照して、グ
ローバルキューと拡張出力バッファモジュール部60内
の出力回線対応キュー68で計算するABRクラス用の
受付可能レートをバックワードRMセルに記述する処理
手順について説明する。図25に示すように、VC2の
バックワードRMセル304が第2の拡張入力バッファ
モジュール部50−2の第4の入力回線91(#4)に
到着すると、クラス/ポート別分離器52が宛先出力ポ
ートとセービスクラス種別を認識して、該当する仮想ソ
ースキュー58−1に格納する前に、RMセル処理部5
7はそのVC2が経由する第2の出力ポート72−2に
対応したグローバルキュー90と第2の拡張出力バッフ
ァモジュール部60−2の第4の出力回線93(#4)
に対応した出力回線対応キュー68における受付可能レ
ートを参照する。
【0088】図26に示すように、第2の出力ポート7
2−2に対応したグローバルキューにおける受付可能レ
ートは、40Mbps、一方第2の拡張出力バッファモ
ジュール部60−2の第4の出力回線93(#4)に対
応した出力回線対応キュー68における受付可能レート
は20Mbpsであるので、このうち小さいほうの値で
ある20MbpsのバックワードRMセル304の中に
書き込む。
【0089】図27を参照して、拡張入力バッファモジ
ュール部50内のレート制御部58−2に受付可能レー
トを設定する処理手順について説明する。図27は第1
の拡張入力バッファモジュール部50−1の第2の出力
ポート72−2に対応したあるサービスクラスの出力ポ
ート対応キュー58のレート制御部58−2に転送レー
トR[2]を設定するところを示している。受付可能レ
ート計算部66は、定期的に各キューでの受付可能レー
トを計算するが、計算実行の度にレート制御部58−2
にレートを設定する。最近のレート計算処理により、第
2の出力ポート72−2のグローバルキューにおける受
付可能レートERg [2}は80Mbps、第2の拡張
出力バッファモジュール部60−2に収容されている第
1乃至第4の出力回線93(#1,#2,#3,#4)
に対応して出力回線対応キューにおける受付可能レート
ERline[2,j](j=1,2,3,4)はそれぞれ
5Mbps,10Mbps,15Mbps,20Mbp
sである。この時点で、第1の拡張入力バッファモジュ
ール部50−1の第2の出力ポート72−2に対応した
出力ポート対応キュー58における総アクティブVC数
vc[2]は4、第2の拡張出力バッファモジュール部
60−2の第1乃至第4の出力回線93(#1,#2,
#3,#4)宛の総アクティブVC数Nvc[2,j]
(j=1,2,3,4)はそれぞれ2,1,0,1であ
り、出力ポート対応キュー58に設定する転送レートR
[2]は、下記の数式4で表わされる。
【0090】
【数4】 第1の拡張入力バッファモジュール部50−1の第2の
出力ポート72−2に対応した出力ポート対応キュー5
8のレート制御部58−2に40Mbpsを設定する。
このレート設定処理は、各サービスクラス毎にそのサー
ビスクラス用の受付可能レートを用いて実施する。
【0091】次に、図28を参照して、パケットの先頭
セルが拡張入力バッファモジュール部50に到着したと
きのパケット受信可否判断の処理手順について説明す
る。図28は、本発明によるATM交換機システムにお
いて、第1の拡張入力バッファモジュール部50−1の
第1の入力回線91(#1)と第2の拡張出力バッファ
モジュール部60−2の第4の出力回線93(#4)と
の間にUBRクラスのVC7が張られており、そのVC
7に属するパケットの先頭セルが到着したときの状態を
示している。キューに設定される固定しきい値Qthは5
00セルである。
【0092】図28において、第2の拡張バッファモジ
ュール部60−2に収容されている第1乃至第4の出力
回線93(#1,#2,#3,#4)に対応した出力回
線対応キュー68における受付可能レートER
line[2,j]はそれぞれ5Mbps,10Mbps,
15Mbps,20Mbpsである。第1の拡張入力バ
ッファモジュール部50−1の第2の出力ポート72−
2に対応した出力ポート対応キュー58における、第2
の拡張出力バッファモジュール部60−2の第1乃至第
4の出力回線93(#1,#2,#3,#4)宛の総ア
クティブVC数Nvc[2,j](j=1,2,3,4)
はそれぞれ2,1,0,1であり、出力回線毎のバッフ
ァ占有量と比較するしきい値Qth(line)は、下記の数式
5で表わされる。
【0093】
【数5】 この時点で、第1の拡張入力バッファモジュール部50
−1の第2の出力ポート72−2に対応した出力ポート
対応キュー58におけるVC7の宛先出力回線(第4の
出力回線93(#4))によるバッファ占有量は300
セルで上記しきい値Qth(line)を越えているので、VC
毎の占有量と比較するしきい値Qth(vc)を下記の数式6
にしたがって計算する。
【0094】
【数6】 ここで、制御パラメータKの値として1.0を用いた
が、これは交換機管理者が自由に設定できる値である。
VC7によるバッファ占有量は300セルで上記しきい
値Qth(vc)を越えているので、このセルを先頭とするパ
ケットを廃棄すると決定し、パケット受付制御部56は
この先頭セルおよびこのパケットの最終セルが到着する
までに到着するVC7の全てのセルを廃棄するように制
御する。ここで、もし宛先出力回線によるバッファ占有
量もしくはVC7によるバッファ占有量のどちらかが上
記しきい値よりも小さいのであれば、このセルを先頭と
するパケットを受信すると決定する。
【0095】以上、本明細書および図面で詳細に示した
実施例は本発明を限定するものではない。本発明の主旨
および特許請求の範囲内での種々の変形は本発明の範囲
内である。
【0096】
【発明の効果】本発明には次に述べるような効果があ
る。大容量の交換容量を保有するATM交換機システム
を実現するために、低速回線インタフェースを時分割多
重バスに直接収容させる従来方式と、より高速なポート
インタフェースを直接収容させる本発明のスイッチ構成
とでは、明らかに本発明によるスイッチ構成の方が時分
割多重バスに収容するインタフェース数が少なく、LS
I実装上のピン数不足などの問題発生を抑えることが可
能である。また、拡張入力バッファモジュール部内の出
力ポート対応キューをサービスクラス毎に用意し、セル
廃棄を防ぐために中核スイッチ部や拡張出力バッファモ
ジュール部から発信されたバックプレッシャー信号の適
用をサービスクラス対応に細分化することにより、セル
廃棄率や遅延に関して多様なサービスクラス品質を提供
することが容易に可能となる。
【0097】また、本発明では、入力レートが出力レー
トよりも大きく輻輳の発生する箇所であるグローバルキ
ューや拡張出力バッファモジュール部内の出力回線対応
キューにおいて、輻輳を発生することなく利用率を大き
くとることが可能な受付可能レートを計算し、拡張入力
バッファモジュール部内の出力ポート対応キューを仮想
ソースキューと仮想スイッチ内部キューとの二重構成と
して、仮想ソースキューから仮想スイッチ内部キューへ
のセル転送レートを、ATM交換機システムの後方配置
モジュールで計算される受付可能レートに基づいて制御
することにより、ATM交換機システムの内部輻輳を引
き起こす大きな要因であるトラヒック特性を明示しない
不明瞭な入力トラヒックに対して、それらを仮想ソース
キューに一時保存してATM交換機内部への実質的な流
入を制限して内部輻輳の発生頻度を抑えることが可能で
あり、内部輻輳によるサービスクラス間の干渉を取り除
くことが可能である。
【0098】また、出力ポート全体へのセル転送を制御
することはできるがその出力ポートが収容する出力回線
毎には制御できな拡張入力バッファモジュール部の出力
ポート対応キューに対して、対応する宛先出力ポートが
収容する出力回線対応キューで計算される受付可能レー
トに、その出力ポート対応キューにおける出力回線毎の
アクティブVC数を乗じたものの総和をレート制御部に
設定することを全ての拡張入力バッファモジュール部で
行うことにより、拡張入力バッファモジュール部間で同
一出力回線行きのVC数にばらつきがある場合でも、各
拡張入力バッファモジュール部が出力回線毎VC数を考
慮して送信レートを自律的に決定するので、同一出力回
線行きのVC間で均等なスループットを保証することが
可能である。
【0099】拡張入力バッファモジュール部内の出力ポ
ート対応キューに到着するパケットの受信可否を、出力
ポート対応キューの対応する出力ポートが収容する出力
回線対応キューで計算される受付可能レートに、その出
力ポート対応キューにおける出力回線毎のアクティブV
C数を乗じたものの総和のうちパケットの宛先出力回線
相当分が占める割合を考慮して算出するしきい値と宛先
出力回線によるバッファ占有量とを比較して決めること
により、出力ポート対応キュー内部の出力回線毎のバッ
ファ占有量をレート制御部に割り当てるレートの出力回
線毎の比率と同一にすることが可能であり、出力回線を
一切区別できない出力ポート対応キューにおいて、これ
は指定された転送レートの出力回線比に応じて転送レー
トを制御すると同等の効果をもたらす。
【0100】さらに、パケットの受信可否を決定するさ
らなる条件として、パケットの所属するVCによるバッ
ファ占有量と比較するしきい値を、宛先出力回線用に算
出されたしきい値をその出力回線宛のアクティブVC数
で除算して求めることにより、同一出力回線を経由する
複数のVC間で公平なスループットを達成することが可
能である。
【0101】入力レートが出力レートより大きいために
輻輳の発生する中核スイッチキューと拡張出力バッファ
モジュール部内の出力回線対応キューで受付可能レート
を計算して、それをABRクラスのトラヒックを発生す
る送信端末に通知/反映させることにより、ATM交換
機システム内部でABRクラスのトラヒックによる輻輳
が発生するのを抑えることが可能である。また、受付可
能レート計算部は、グローバルキューにおける受付可能
レートを計算するためにグローバルキュー長の時間変化
を把握しなければならず、各拡張入力バッファモジュー
ル部は仮想スイッチ内部キュー長を拡張出力バッファモ
ジュール部内の受付可能計算部に知らせる必要がある。
ABRクラスのグローバルキューに限っては、各拡張入
力バッファモジュール部を通過するフォワードRMセル
に仮想スイッチ内部キュー長を書き込み、それを拡張出
力バッファモジュール部側で読み取ってグローバルキュ
ー長を復元するようにすることにより、余計が信号線や
情報運搬セルを用意しなくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるATM交換機シス
テムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したATM交換機システムに使用され
る拡張入力バッファモジュール部の構成を示すブロック
図である。
【図3】図1に示したATM交換機システムに使用され
る中核スイッチ部の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示したATM交換機システムに使用され
る拡張出力バッファモジュール部の構成を示すブロック
図である。
【図5】図1に示したATM交換機システムの拡張入力
バッファモジュール部のバッファ占有量計数部が保存す
るバッファ占有量情報テーブルの構成を示す図である。
【図6】図1に示したATM交換機システムの中核スイ
ッチ部のバッファ占有量計数部が保存するバッファ占有
量情報テーブルの構成を示す図である。
【図7】図1に示したATM交換機システムの拡張出力
バッファモジュール部のバッファ占有量計数部が保存す
るバッファ占有量情報テーブルの構成を示す図である。
【図8】図1に示したATM交換機システムにおけるバ
ックプレシャー制御の形態図である。
【図9】図1に示したATM交換機システムにおける受
付可能レート計算環境の形態図である。
【図10】図1に示したATM交換機システムにおける
ペケット選択廃棄の処理流れ図である。
【図11】図1に示したATM交換機システムにおい
て、入出力回線間でATMセルをスイッチングするとき
の処理手順の最初(第1)の段階を説明する状態図であ
る。
【図12】同処理手順の第2の段階を説明する状態図で
ある。
【図13】同処理手順の第3の段階を説明する状態図で
ある。
【図14】同処理手順の第4の段階を説明する状態図で
ある。
【図15】同処理手順の第5の段階を説明する状態図で
ある。
【図16】同処理手順の第6(最後)の段階を説明する
状態図である。
【図17】図1に示したATM交換機システムにおい
て、中核スイッチキュー長が第1のパックプレッシャー
信号発生用しきい値以下である時に、複数のATMセル
が同時に到着したときの処理手順の前半部を説明するた
めの状態図である。
【図18】同処理手順の後半部を説明するための状態図
である。
【図19】図1に示したATM交換機システムにおい
て、拡張出力バッファモジュール部のバッファ占有量が
第2のバックプレッシャー信号発生用しきい値以下であ
る時に、ATMセルが到着したときの処理手順の前半部
を説明するための図である。
【図20】同処理手順の後半部を説明するための図であ
る。
【図21】図1に示したATM交換機システムにおい
て、拡張出力バッファモジュール部のバッファ占有量が
第3のバックプレッシャー信号発生用しきい値以下であ
る時に、ATMセルが到着したときの処理手順の前半部
を説明するための図である。
【図22】同処理手順の後半部を説明するための図であ
る。
【図23】図1に示したATM交換機システムにおい
て、フォワードRMセルが拡張入力バッファモジュール
部内の出力ポート対応キュー長を運搬して、拡張出力バ
ッファモジュール部内のバッファ占有量計数部がグロー
バルキュー長を認識する処理手順の前半部を説明するた
めの図である。
【図24】同処理手順の後半部を説明するための図であ
る。
【図25】図1に示したATM交換機システムにおい
て、グローバルキューと拡張出力バッファモジュール部
内の出力回線対応キューで計算するABRクラス用の受
付可能レートをバックワードRMセルに記述する処理手
順の前半部を説明する状態図である。
【図26】同処理手順の後半部を説明するための図であ
る。
【図27】図1に示したATM交換機システムにおい
て、拡張入力バッファモジュール部内のレート制御部に
受付可能レートを設定する処理手順を説明するための状
態図である。
【図28】図1に示したATM交換機システムにおい
て、パケットの先頭セルが拡張入力バッファモジュール
部に到着したときのパケット受信可否判断の処理手順を
説明するための状態図である。
【図29】第1の従来のATM交換機システムの構成を
示すブロック図である。
【図30】図29に示したATM交換機システムに使用
される入力バッファモジュール部の構成を示すブロック
図である。
【図31】図29に示したATM交換機システムに使用
される中核スイッチ部の構成を示すブロック図である。
【図32】第2の従来のATM交換機システムの構成を
示すブロック図である。
【図33】図32に示したATM交換機システムに使用
される拡張入力バッファモジュール部の構成を示すブロ
ック図である。
【図34】図32に示したATM交換機システムに使用
される中核スイッチ部の構成を示すブロック図である。
【図35】図32に示したATM交換機システムに使用
される拡張出力バッファモジュール部の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
40 中核スイッチ部 50−1〜50−N 拡張入力バッファモジュール部 60−1〜60−N 拡張出力バッファモジュール部 71−1〜71−N 入力ポート 72−1〜72−N 出力ポート 91 入力回線 93 出力回線 101〜103 バックプレッシャー信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04L 12/56 H04L 12/28

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の低速な入力回線と複数の低速な出
    力回線間でATMセルを交換するATM交換システムで
    あって、高速な入力ポートと高速な出力ポートとの間の
    ATM交換機能を有する出力バッファ型構成の中核スイ
    ッチ部と、前記複数の低速な入力回線からのATMセル
    を前記高速な入力ポートへ多重する少なくとも1つの拡
    張入力バッファモジュール部と、前記高速な出力ポート
    からの出力を前記複数の低速な出力回線に分離する少な
    くとも1つの拡張出力バッファモジュール部と有し、前
    記拡張入力バッファモジュール部ではATMセルを宛先
    出力ポート毎にかつサービスクラス毎にキューイングを
    可能とし、前記拡張出力バッファモジュール部では宛先
    出力回線毎にかつサービスクラス毎にキューイングを可
    能とするATM交換機システムにおいて、 前記中核スイッチ部は、出力ポート毎に用意される中核
    スイッチキューのキュー長が第1のしきい値を越えた時
    に、第1のバックプレッシャー信号を全ての前記拡張入
    力バッファモジュール部へ発生する手段を含み、 前記拡張出力バッファモジュール部は、その総バッファ
    占有量が第2のしきい値を越えた時に、第2のバックプ
    レッシャー信号を全ての前記拡張入力バッファモジュー
    ル部へ発生する手段を含み、 前記拡張入力バッファモジュール部は、前記第1のバッ
    クプレッシャー信号に応答してそれを発信する出力ポー
    トへのセル出力を停止する手段と、前記第2のバックプ
    レッシャー信号に応答してそれを発信する出力ポートへ
    のセル出力を停止する手段とを含むことを特徴とするA
    TM交換機システム。
  2. 【請求項2】 複数の低速な入力回線と複数の低速な出
    力回線間でATMセルを交換するATM交換システムで
    あって、高速な入力ポートと高速な出力ポートとの間の
    ATM交換機能を有する出力バッファ型構成の中核スイ
    ッチ部と、前記複数の低速な入力回線からのATMセル
    を前記高速な入力ポートへ多重する少なくとも1つの拡
    張入力バッファモジュール部と、前記高速な出力ポート
    からの出力を前記複数の低速な出力回線に分離する少な
    くとも1つの拡張出力バッファモジュール部と有し、前
    記拡張入力バッファモジュール部ではATMセルを宛先
    出力ポート毎にかつサービスクラス毎にキューイングを
    可能とし、前記拡張出力バッファモジュール部では宛先
    出力回線毎にかつサービスクラス毎にキューイングを可
    能とするATM交換システムにおいて、 前記中核スイッチ部は、出力ポート毎に用意される中核
    スイッチキューのキュー長が第1のしきい値を越えた時
    に、第1のバックプレッシャー信号を全ての前記拡張入
    力バッファモジュール部へ発生する手段を含み、 前記拡張出力バッファモジュール部は、その総バッファ
    占有量が第2のしきい値を越えた時に、第2のバックプ
    レッシャー信号を前記中核スイッチ部へ発生する手段を
    含み、 前記拡張入力バッファモジュール部は、前記第1のバッ
    クプレッシャー信号に応答してそれを発信する出力ポー
    トへのセル出力を停止する手段を含み、 前記中核スイッチ部は、前記第2のバックプレッシャー
    信号に応答してそれを発信する該拡張出力バッファモジ
    ュール部へのセル出力を停止する手段を含むことを特徴
    とするATM交換機システム。
  3. 【請求項3】 複数の低速な入力回線と複数の低速な出
    力回線間でATMセルを交換するATM交換システムで
    あって、高速な入力ポートと高速な出力ポートとの間の
    ATM交換機能を有する出力バッファ型構成の中核スイ
    ッチ部と、前記複数の低速な入力回線からのATMセル
    を前記高速な入力ポートへ多重する少なくとも1つの拡
    張入力バッファモジュール部と、前記高速な出力ポート
    からの出力を前記複数の低速な出力回線に分離する少な
    くとも1つの拡張出力バッファモジュール部と有し、前
    記拡張入力バッファモジュール部ではATMセルを宛先
    出力ポート毎にかつサービスクラス毎にキューイングを
    可能とし、前記拡張出力バッファモジュール部では宛先
    出力回線毎にかつサービスクラス毎にキューイングを可
    能とするATM交換機システムにおいて、 前記中核スイッチ部は、出力ポート毎に用意される中核
    スイッチキューのキュー長が第1のしきい値を越えた時
    に、第1のバックプレッシャー信号を全ての前記拡張入
    力バッファモジュール部へ発生する手段を含み、 前記拡張出力バッファモジュール部は、その総バッファ
    占有量が第2のしきい値を越えた時に、第2のバックプ
    レッシャー信号を全ての前記拡張入力バッファモジュー
    ル部へ発生する手段と、前記総バッファ占有量が第3の
    しきい値を越えた時に、第3のバックプレッシャー信号
    を前記中核スイッチ部へ発生する手段とを含み、 前記拡張入力バッファモジュール部は、前記第1のバッ
    クプレッシャー信号に応答してそれを発信する出力ポー
    トへのセル出力を停止する手段と、前記第2のバックプ
    レッシャー信号に応答してそれを発信する出力ポートへ
    のセル出力を停止する手段とを含み、 前記中核スイッチ部は、第3のバックプレッシャー信号
    に応答してそれを発信する該拡張出力バッファモジュー
    ル部へのセル出力を停止する手段を含むことを特徴とす
    るATM交換機システム。
  4. 【請求項4】 前記拡張出力バッファモジュール部は、
    全ての前記拡張入力バッファモジュール部内に存在する
    出力ポート対応キューのうち同一出力宛のキューの集合
    からなる仮想キュー(グローバルキュー)における第1
    の受付可能レートと、前記拡張出力バッファモジュール
    部内に存在する出力回線対応キューにおける第2の受付
    可能レートとを定期的に計算するレート計算手段を備え
    たこと、を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに
    記載のATM交換機システム。
  5. 【請求項5】 各拡張入力バッファモジュール部は、出
    力ポート対応キュー長を記述した特別なスイッチ内部制
    御用セルを定期的に送信する手段を有し、各拡張出力バ
    ッファモジュール部は、到達する前記スイッチ内部制御
    用セルの内容を元にグローバルキュー長を復元する手段
    を有し、これによって前記レート計算手段がグローバル
    キュー長を把握することを可能としたこと、を特徴とす
    る請求項4に記載のATM交換機システム。
  6. 【請求項6】 前記サービスクラスの1つとしてネット
    ワークの輻輳度に応じて適応的に送信レートを変えるこ
    とが可能なアベーラブルビットレートサービス(AB
    R)クラスを有し、該ABRクラスに対しては、送信端
    末からの受信端末の方向に送られるフォワードRMセル
    が前記拡張入力バッファモジュール部を通過する際にA
    BRクラスの出力ポート対応キュー長を記述し、前記拡
    張出力バッファモジュール部が前記フォワードRMセル
    を受信する際に前記フォワードRMセル内に記述された
    出力ポート対応キュー長からABRクラスのグローバル
    キューの全体キュー長を復元すること、を特徴とする請
    求項5に記載のATM交換システム。
  7. 【請求項7】 前記サービスクラスの1つとしてネット
    ワークの輻輳度に応じて適応的に送信レートを変えるこ
    とが可能なアベーラブルビットレートサービス(AB
    R)クラスを有し、 前記拡張出力バッファモジュール部は、前記ABRクラ
    ス用のグローバルキューあるいは前記拡張出力バッファ
    モジュール部の出力回線対応キューの状態時間変化から
    定期的に受付可能レートを計算する手段を有し、 前記拡張入力バッファモジュール部は、前記ABRクラ
    スの論理チャネル(VC)に対して、それが経由するグ
    ローバルキューと出力回線対応キューの提示する受付可
    能レートとのうち小さいほうの値を該論理チャネル(V
    C)の受付端末から送信端末の方向に送られるバックワ
    ードRMセルの中に記述する手段を有すること、を特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のATM交
    換機システム。
  8. 【請求項8】 前記拡張出力バッファモジュール部は、
    サービスクラス別のグローバルキューあるいは出力回線
    対応キューの状態時間変化から定期的にサービスクラス
    毎の受付可能レートを計算する手段を有し、 前記拡張入力バッファモジュール部は、その受付可能レ
    ートに基づいて各出力ポート宛てのセル出力を制御する
    内部レート制御手段を備えたこと、を特徴する請求項1
    乃至3のいずれか1つに記載のATM交換機システム。
  9. 【請求項9】 前記拡張入力バッファモジュール部に設
    置される出力ポート対応キューは、仮想ソースキュー
    と、仮想スイッチ内部キューと、前記仮想ソールキュー
    と前記仮想スイッチ内部キューとの間に設けられたレー
    ト制御部とから構成され、前記レート制御部は、前記仮
    想ソースキューからのセル転送を、グローバルキューあ
    るいは出力回線対応キューで計算される受付可能レート
    に基づいて制御すること、を特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1つに記載のATM交換機システム。
  10. 【請求項10】 前記レート制御部に設定される転送レ
    ートとして、前記出力ポート対応キューが対応している
    出力ポート宛のグローバルキューで計算される受付可能
    レートと現時点で該出力ポート対応キューにセルが蓄積
    されている論理チャネル数(アクティブ論理チャネル
    数)の積、あるいは前記出力ポート対応キューが対応し
    ている出力ポートが収容する各出力回線対応キューで計
    算される出力回線毎の受付可能レートと前記出力ポート
    対応キューにおける出力回線毎のアクティブ論理チャネ
    ル数の各積の総和のうち、どちらか小さい方を用いるこ
    と、を特徴とする請求項9に記載のATM交換機システ
    ム。
  11. 【請求項11】 前記拡張入力バッファモジュール部
    は、その内の出力ポート対応キューのバッファ占有量を
    出力回線毎と論理チャネル(VC)毎の両方で観測して
    おき、パケットの先頭セルが前記出力ポート対応キュー
    に到着したときに、前記出力ポート対応キューにおける
    前記パケットの宛先出力回線によるバッファ占有量とそ
    の論理チャネル(VC)によるバッファ占有量がそれぞ
    れのしきい値を越えているときに該パケットを廃棄する
    手段を含むこと、を特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か1つに記載のATM交換機システム。
  12. 【請求項12】 前記出力ポート対応キューにおける該
    パケットの宛先出力回線によるバッファ占有量と比較す
    るしきい値として、該パケットの宛先出力ポートの拡張
    出力バッファモジュール部内の出力回線対応キュー毎に
    計算された受付可能レートと該出力ポート対応キューに
    おける出力回線毎のアクティブ論理チャネル数の総和の
    うち、該パケットの宛先出力回線相当分が占める割合を
    該出力ポート対応キュー全体に設定された固定しきい値
    に乗じた値を用い、 該出力ポート対応キューにおける該パケットの論理チャ
    ネル(VC)によるバッファ占有量と比較する値とし
    て、上記により計算した値を該出力ポート対応キューに
    おける該パケットの宛先出力回線行きのアクティブ論理
    チャネル数で除算して値を用いること、を特徴とする請
    求項11に記載のATM交換機システム。
  13. 【請求項13】 複数の低速な入力回線と複数の低速な
    出力回線間でATMセルを交換するATM交換システム
    におけるトラヒック制御方法であって、前記ATM交換
    システムは高速な入力ポートと高速な出力ポートとの間
    のATM交換機能を有する出力バッファ型構成の中核ス
    イッチ部と、前記複数の低速な入力回線からのATMセ
    ルを前記高速な入力ポートへ多重する少なくとも1つの
    拡張入力バッファモジュール部と、前記高速な出力ポー
    トからの出力を前記複数の低速な出力回線に分離する少
    なくとも1つの拡張出力バッファモジュール部と有し、
    前記拡張入力バッファモジュール部ではATMセルを宛
    先出力ポート毎にかつサービスクラス毎にキューイング
    を可能とし、前記拡張出力バッファモジュール部では宛
    先出力回線毎にかつサービスクラス毎にキューイングを
    可能とするATM交換機システムのトラヒック制御方法
    において、 前記中核スイッチ部で、出力ポート毎に用意される中核
    スイッチキューのキュー長が第1のしきい値を越えた時
    に、第1のバックプレッシャー信号を全ての前記拡張入
    力バッファモジュール部へ発生し、 前記拡張入力バッファモジュール部で、前記第1のバッ
    クプレッシャー信号を受信したときに、それを発信する
    出力ポートへのセル出力を停止し、 前記拡張出力バッファモジュール部で、その総バッファ
    占有量が第2のしきい値を越えた時に、第2のバックプ
    レッシャー信号を全ての前記拡張入力バッファモジュー
    ル部へ発生し、 前記拡張入力バッファモジュール部で、前記第2のバッ
    クプレッシャー信号を受信したときに、それを発信する
    出力ポートへのセル出力を停止するステップを含むこと
    を特徴とするATM交換機システムのトラヒック制御方
    法。
  14. 【請求項14】 複数の低速な入力回線と複数の低速な
    出力回線間でATMセルを交換するATM交換システム
    におけるトラヒック制御方法であって、前記ATM交換
    システムは、高速な入力ポートと高速な出力ポートとの
    間のATM交換機能を有する出力バッファ型構成の中核
    スイッチ部と、前記複数の低速な入力回線からのATM
    セルを前記高速な入力ポートへ多重する拡張入力バッフ
    ァモジュール部と、前記高速な出力ポートからの出力を
    前記複数の低速な出力回線に分離する拡張出力バッファ
    モジュール部と有し、前記拡張入力バッファモジュール
    部ではATMセルを宛先出力ポート毎にかつサービスク
    ラス毎にキューイングを可能とし、前記拡張出力バッフ
    ァモジュール部では宛先出力回線毎にかつサービスクラ
    ス毎にキューイングを可能とするATM交換システムの
    トラヒック制御方法において、 前記中核スイッチ部で、出力ポート毎に用意される中核
    スイッチキューのキュー長が第1のしきい値を越えた時
    に、第1のバックプレッシャー信号を全ての前記拡張入
    力バッファモジュール部へ発生し、 前記拡張入力バッファモジュール部で、前記第1のバッ
    クプレッシャー信号を受信したときに、それを発信する
    出力ポートへのセル出力を停止し、 前記拡張出力バッファモジュール部で、その総バッファ
    占有量が第2のしきい値を越えた時に、第2のバックプ
    レッシャー信号を前記中核スイッチ部へ発生し、 前記中核スイッチ部で、前記第2のバックプレッシャー
    信号を受信したときに、それを発信する該拡張出力バッ
    ファモジュール部へのセル出力を停止するステップを含
    むことを特徴とするATM交換機システムのトラヒック
    制御方法。
  15. 【請求項15】 複数の低速な入力回線と複数の低速な
    出力回線間でATMセルを交換するATM交換システム
    におけるトラヒック制御方法であって、前記ATM交換
    システムは、高速な入力ポートと高速な出力ポートとの
    間のATM交換機能を有する出力バッファ型構成の中核
    スイッチ部と、前記複数の低速な入力回線からのATM
    セルを前記高速な入力ポートへ多重する少なくとも1つ
    の拡張入力バッファモジュール部と、前記高速な出力ポ
    ートからの出力を前記複数の低速な出力回線に分離する
    少なくとも1つの拡張出力バッファモジュール部と有
    し、前記拡張入力バッファモジュール部ではATMセル
    を宛先出力ポート毎にかつサービスクラス毎にキューイ
    ングを可能とし、前記拡張出力バッファモジュール部で
    は宛先出力回線毎にかつサービスクラス毎にキューイン
    グを可能とするATM交換機システムのトラヒック制御
    方法において、 前記中核スイッチ部で、出力ポート毎に用意される中核
    スイッチキューのキュー長が第1のしきい値を越えた時
    に、第1のバックプレッシャー信号を全ての前記拡張入
    力バッファモジュール部へ発生し、 前記拡張入力バッファモジュール部で、前記第1のバッ
    クプレッシャー信号を受信したときに、それを発信する
    出力ポートへのセル出力を停止し、 前記拡張出力バッファモジュール部で、その総バッファ
    占有量が第2のしきい値を越えた時に、第2のバックプ
    レッシャー信号を全ての前記拡張入力バッファモジュー
    ル部へ発生し、 前記拡張入力バッファモジュール部で、前記第2のバッ
    クプレッシャー信号を受信したときに、それを発信する
    出力ポートへのセル出力を停止し、 前記拡張出力バッファモジュール部で、前記総バッファ
    占有量が第3のしきい値を越えた時に、第3のバックプ
    レッシャー信号を前記中核スイッチ部へ発生し、 前記中核スイッチ部で、前記第3のバックプレッシャー
    信号を受信してときに、それを発信する該拡張出力バッ
    ファモジュール部へのセル出力を停止するステップを含
    むことを特徴とするATM交換機システムのトラヒック
    制御方法。
  16. 【請求項16】 前記拡張出力バッファモジュール部
    で、全ての前記拡張入力バッファモジュール部内に存在
    する出力ポート対応キューのうち同一出力宛のキューの
    集合からなる仮想キュー(グローバルキュー)における
    第1の受付可能レートと、前記拡張出力バッファモジュ
    ール部内に存在する出力回線対応キューにおける第2の
    受付可能レートとを定期的に計算するステップをさらに
    含むこと、を特徴とする請求項13乃至15のいずれか
    1つに記載のATM交換機システムのトラヒック制御方
    法。
  17. 【請求項17】 各拡張入力バッファモジュール部で、
    出力ポート対応キュー長を記述した特別なスイッチ内部
    制御用セルを定期的に送信し、 各拡張出力バッファモジュール部で、到達する前記スイ
    ッチ内部制御用セルの内容を元にグローバルキュー長を
    復元するステップとをさらに含むこと、を特徴とする請
    求項16に記載のATM交換機システムのトラヒック制
    御方法。
  18. 【請求項18】 前記サービスクラスの1つとしてネッ
    トワークの輻輳度に応じて適応的に送信レートを変える
    ことが可能なアベーラブルビットレートサービス(AB
    R)クラスを有し、 該ABRクラスに対して、送信端末からの受信端末の方
    向に送られるフォワードRMセルが前記拡張入力バッフ
    ァモジュール部を通過する際にABRクラスの出力ポー
    ト対応キュー長を記述し、 前記拡張出力バッファモジュール部が前記フォワード
    Mセルを受信する際に前記フォワードRMセル内に記述
    された出力ポート対応キュー長からABRクラスのグロ
    ーバルキューの全体キュー長を復元するステップをさら
    に含むこと、を特徴とする請求項17に記載のATM交
    換システムのトラヒック制御方法。
  19. 【請求項19】 前記サービスクラスの1つとしてネッ
    トワークの輻輳度に応じて適応的に送信レートを変える
    ことが可能なアベーラブルビットレートサービス(AB
    R)クラスを有し、 前記拡張出力バッファモジュール部で、前記ABRクラ
    ス用のグローバルキューあるいは前記拡張出力バッファ
    モジュール部の出力回線対応キューの状態時間変化から
    定期的に受付可能レートを計算し、 前記拡張入力バッファモジュール部で、前記ABRクラ
    スの論理チャネル(VC)に対して、それが経由するグ
    ローバルキューと出力回線対応キューの提示する受付可
    能レートとのうち小さいほうの値を該論理チャネル(V
    C)の受付端末から送信端末の方向に送られるバックワ
    ードRMセルの中に記述するステップをさらに含むこ
    と、を特徴とする請求項13乃至15のいずれか1つに
    記載のATM交換機システムのトラヒック制御方法。
  20. 【請求項20】 前記拡張出力バッファモジュール部
    で、サービスクラス別のグローバルキューあるいは出力
    回線対応キューの状態時間変化から定期的にサービスク
    ラス毎の受付可能レートを計算し、 前記拡張入力バッファモジュール部で、その受付可能レ
    ートに基づいて各出力ポート宛てのセル出力を制御する
    ステップとをさらに含むこと、を特徴とする請求項13
    乃至15のいずれか1つに記載のATM交換機システム
    のトラヒック制御方法。
  21. 【請求項21】 前記拡張入力バッファモジュール部に
    設置される出力ポート対応キューを仮想ソースキューと
    仮想スイッチ内部キューとの二重構成とし、 前記仮想ソースキューからのセル転送を、グローバルキ
    ューあるいは出力回線対応キューで計算される受付可能
    レートに基づいて、前記仮想ソールキューと前記仮想ス
    イッチ内部キューとの間に設けられたレート制御部によ
    り制御するステップをさらに含むこと、を特徴とする請
    求項13乃至15のいずれか1つに記載のATM交換機
    システムのトラヒック制御方法。
  22. 【請求項22】 前記レート制御部に設定される転送レ
    ートとして、前記出力ポート対応キューが対応している
    出力ポート宛のグローバルキューで計算される受付可能
    レートと現時点で該出力ポート対応キューにセルが蓄積
    されている論理チャネル数(アクティブ論理チャネル
    数)の積、あるいは前記出力ポート対応キューが対応し
    ている出力ポートが収容する各出力回線対応キューで計
    算される出力回線毎の受付可能レートと前記出力ポート
    対応キューにおける出力回線毎のアクティブ論理チャネ
    ル数の各積の総和のうち、どちらか小さい方を用いるこ
    と、を特徴とする請求項21に記載のATM交換機シス
    テムのトラヒック制御方法。
  23. 【請求項23】 前記拡張入力バッファモジュール部
    で、その内の出力ポート対応キューのバッファ占有量を
    出力回線毎と論理チャネル(VC)毎の両方で観測して
    おき、パケットの先頭セルが前記出力ポート対応キュー
    に到着したときに、前記出力ポート対応キューにおける
    前記パケットの宛先出力回線によるバッファ占有量とそ
    の論理チャネル(VC)によるバッファ占有量がそれぞ
    れのしきい値を越えているときに該パケットを廃棄する
    ステップをさらに含むこと、を特徴とする請求項13乃
    至15のいずれか1つに記載のATM交換機システムの
    トラヒック制御方法。
  24. 【請求項24】 前記出力ポート対応キューにおける該
    パケットの宛先出力回線によるバッファ占有量と比較す
    るしきい値として、該パケットの宛先出力ポートの拡張
    出力バッファモジュール部内の出力回線対応キュー毎に
    計算された受付可能レートと該出力ポート対応キューに
    おける出力回線毎のアクティブ論理チャネル数の総和の
    うち、該パケットの宛先出力回線相当分が占める割合を
    該出力ポート対応キュー全体に設定された固定しきい値
    に乗じた値を用い、 該出力ポート対応キューにおける該パケットの論理チャ
    ネル(VC)によるバッファ占有量と比較する値とし
    て、上記により計算した値を該出力ポート対応キューに
    おける該パケットの宛先出力回線行きのアクティブ論理
    チャネル数で除算して値を用いること、を特徴とする請
    求項23に記載のATM交換機システムのトラヒック制
    御方法。
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