JP2874690B2 - 機器筐体のケーブル防水構造 - Google Patents

機器筐体のケーブル防水構造

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JP2874690B2
JP2874690B2 JP9135408A JP13540897A JP2874690B2 JP 2874690 B2 JP2874690 B2 JP 2874690B2 JP 9135408 A JP9135408 A JP 9135408A JP 13540897 A JP13540897 A JP 13540897A JP 2874690 B2 JP2874690 B2 JP 2874690B2
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  • Cable Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は屋外に設置される通
信機器等の筐体に設けられる防水構造に関し、特に機器
筐体から外部に引き出されるケーブルの防水構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】屋外に設置される機器筐体では、機器筐
体の内部から外部にケーブルを引き出す場合に、ケーブ
ルを挿通させるために機器筐体に設けた開口から雨滴等
が筐体内部に侵入することを防止するための防水構造が
必要とされる。図7はこの種の防水構造の一例を示す断
面図であり、実開平5−11483号公報に記載した例
である。この防水構造は、機器筐体1に設けた開口部1
aに取着される円筒状の本体部4と、この本体部4の外
端部に取着されるキャップ部7と、これら本体部4とキ
ャップ部7との間に挟持されるパッキン8とで構成され
る。前記本体部は外周に設けられたフランジ4aと、内
端部に設けられたネジ部4bに螺合される環状ナット5
とでシールリング6を挟んで機器筐体1の開口部1aに
固定される。また、前記キャップ部7は、前記本体部4
の外端部に設けられたネジ部4cに螺合される。前記パ
ッキン8は円周一部にスリット有する円環状に形成さ
れ、その内部には両端にコネクタ3a,3bが取着され
たケーブル2が挿通されるとともに、その一側面にはテ
ーパ凸面8aが設けられ、前記本体部4の外端部に設け
られたテーパ凹面4dに当接される。
【0003】この防水構造では、ケーブル2はパッキン
8内に挿入され、このパッキン8と共に本体部4内に挿
通される。そして、外側からキャップ部7が挿通され、
このキャップ部7を本体部4に螺合させることで、パッ
キン8は本体部4とキャップ部7との間に圧縮挟持さ
れ、本体部4とキャップ部7との間を防水する。また、
このときの圧縮挟持力によってパッキン8はテーパ凸面
8aが本体部4のテーパ凹面4dに押圧されるため、楔
作用によって生じる縮径力によって縮径され、ケーブル
2の外面に密接されてケーブル2とパッキン8との間の
防水効果を高めることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来の防水構造で
は、パッキン8に対してコネクタ3a,3bが取着され
ているケーブル2を挿抜することが可能となり、特にケ
ーブル2を交換する際に有利なものとなる。しかしなが
ら、この従来の防水構造では、特にケーブル2とパッキ
ン8との間の防水性に問題が生じている。すなわち、パ
ッキン8に柔軟な材料を使用すると、本体部4とキャッ
プ部7との圧縮挟持力によってパッキン8は軸方向に圧
縮変形され易くなり、そのテーパ凸面8aと本体部4の
テーパ凹面4dとの間に生じる楔力が小さくなり、パッ
キン8が縮径され難くなってケーブル2とパッキン8と
の密接性が低下され、防水効果が低下されてしまう。ま
た、逆に、パッキン8に硬質な材料を使用すると、前記
したテーパ凸面8aとテーパ凹面4dによる楔力を大き
くすることはできるが、パッキン8自身の縮径方向の弾
性変形が行われ難くなり、ケーブル2とパッキン8との
密接性が低下され、防水効果が低下されてしまう。
【0005】本発明は、特にケーブルとパッキンとの間
の防水性を高めることを可能にしたケーブル防水構造を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のケーブル防水構
造は、機器筐体に設けられた開口部にその内端部が取着
される筒状の本体部と、前記本体部の外端部に取着され
るケーブル挿通穴を有するキャップ部と、前記機器筐体
の開口部から前記本体部の内部及び前記キャップ部のケ
ーブル挿通穴にわたって挿通されるケーブルの外周面に
密接した状態で前記本体部とキャップ部との間に挟持さ
れるパッキンとを備えており、前記パッキン前記ケ
ーブルよりも大径の内径穴を有して前記本体部とキャッ
プ部との間に圧縮挟持される大径環状の外パッキンと、
自身の内径穴内に前記ケーブルが密接状態に挿通され、
かつ前記外パッキンの前記内径穴内に密接状態に嵌入さ
れる小径環状の内パッキンとで構成されることを特徴と
する。特に、前記本体部はその外端部に内径面側にテー
パ凹面が設けられ、前記外パッキンには前記テーパ凹面
に当接されるテーパ凸面が設けられ、前記外パッキンは
前記本体部とキャップ部との間に軸方向に挟持されたと
きに前記テーパ凹面とテーパ凸面との間の楔作用によっ
て縮径力が加えられ、この縮径力を前記内パッキンに加
えるように構成される。また、前記内パッキンは前記外
パッキンよりも柔軟な材料で形成されることが好まし
い。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の防水構造の一実施形
態の部分分解斜視図である。また、図2(a)はその組
立状態の断面図である。通信装置等の機器筐体1には開
口部1aが設けられ、この開口部1aに両端にコネクタ
3a,3bが接続されたケーブル2が挿通される。前記
開口部1aには、円筒状をした本体部4が挿通状態に固
定されている。この本体部4は筒軸方向のほぼ中央の外
周面にフランジ4aが形成されるとともに、その内端部
と外端部のそれぞれにネジ部4b,4cが形成されてい
る。また、前記外端部には、内径方向に向けて円錐型に
形成されたテーパ凹面4dが形成されている。そして、
前記内端部のネジ部4bは前記開口部1aに挿通され、
機器筐体1の内部から前記ネジ部4bに螺合される環状
ナット5により機器筐体1の開口部1aを挟持するよう
に取着される。なお、前記フランジ4aと機器筐体1と
の間にはシールリング6が介挿され、開口部1aと本体
部4の外周その間の防水が行われる。
【0008】一方、前記本体部4の外端部のネジ部4c
には、ケーブル挿通穴7aを有する円形浅皿状のキャッ
プ部7が前記ネジ部に螺合される。そして、前記本体部
4と前記キャップ部7との間にパッキン8が挟持され
る。このパッキン8は、図2(b),(c)に正面図を
示すように、その外径が前記本体部の内径よりも幾分大
径の円環状をした外パッキン9と、この外パッキン9の
内径穴9aよりも若干大径の外径を有する内パッキン1
0とで構成される。外パッキン9は比較的に硬質の材料
で形成されており、その一側面には円錐型をしたテーパ
凸面9bが形成されるとともに、その円周一部には径方
向のスリット9cが形成されている。また、前記内パッ
キン10は比較的に軟質の材料で形成されており、その
中心位置には前記ケーブル2の外径よりも幾分小径のケ
ーブル穴10aが開口されるとともに、その円周一部に
は径方向のスリット10bが形成されている。
【0009】この構成の防水構造では、図2の組立構造
を構成する手順としては、先に本体部4の内端部のネジ
部4bをシールリング6と共に機器筐体1の外部から開
口部1aに挿入し、機器筐体1の内部から環状ナット5
をネジ部4bに螺合させ、締結を行うことで固定され
る。また、ケーブル2はコネクタ3a,3bが接続され
た状態のまま、内パッキン10のスリット10bを通し
てケーブル穴10aに挿通させる。さらに、この内パッ
キン10を外パッキン9のスリット9cを通してその内
径穴9a内に嵌入する。その上で、ケーブル2を前記本
体部4に挿通させ、内パッキン10と外パッキン9とが
一体化されたパッキン8を本体部4の外端部側にに対向
位置させる。さらに、ケーブル2を挿通させたキャップ
部7を本体部4の外端部のネジ部4cに螺合させ、その
締結を行う。これにより、パッキン8は本体部4の外端
部とキャップ部7の内面との間に挟持され、その際の圧
縮挟持力によって本体部4とキャップ部7にそれぞれ密
接され、両者間を防水する。
【0010】このとき、パッキン8は、外パッキン9に
設けたテーパ凸面9bが本体部4のテーパ凹面4dに当
接されるため、楔力によって縮径方向の力が発生し、こ
の縮径力とスリット9cでの変形許容作用によって外パ
ッキン9は内径穴9aが縮径される。さらに、この縮径
力を受けて内パッキン10も同様に縮径され、ケーブル
穴10aにおいて内パッキン10とケーブル2との間の
密接性が高められ、防水効果が高められる。そして、こ
の実施形態の防水構造では、外パッキン10が比較的に
硬質の材料で形成されているため、本体部4とキャップ
部7との挟持力によってもその変形が抑制されるため、
テーパ凸面9bにおける楔力、およびこれによって生じ
る縮径力のそれぞれに大きなものが得られる。また、そ
の一方で、内パッキン10は比較的に柔軟な材料で形成
されているため、外パッキン9により生じた大きな縮径
力によって十分に圧縮変形され、ケーブル2との密接性
が高められ、ケーブル2との間の防水性が極めて高いも
のとされる。
【0011】ここで、本発明の防水構造では、内パッキ
ン10を異なる種類のものと交換することで、種々のケ
ーブルに対応できる。図3(a)は複数本のケーブルを
一括して機器筐体1の開口部1aに挿通して防水効果を
得る防水構造の断面図であり、本体部4、キャップ部
7、外パッキン9は前記したものがそのまま使用でき
る。一方、内パッキン10Aは、同図(b)の正面図の
ように、複数本、ここでは4本のケーブルに対応した小
径の4つのケーブル穴10cが放射状に配列される。そ
して、この実施形態では、各ケーブル穴10cの外周側
にそれぞれスリット10bが設けられ、このスリット1
0bを利用して各ケーブル穴10cにケーブル2を挿通
した後、この内パッキン10Aを外パッキン9の内径穴
9aに嵌入する。その後は、前記実施形態と同じであ
り、4本のケーブルを一括して防水することができる。
【0012】この構成においても、内パッキン10Aを
比較的に柔軟な材料で形成することで、内パッキン10
Aと複数本の各ケーブル2との密接性を高め、有効な防
水構造が得られる。また、各ケーブル2はコネクタ3
a,3bを接続した状態で内パッキン10A、および外
パッキン9に挿通でき、かつ機器筐体1に対する装着が
可能となることは前記実施形態と同じである。
【0013】さらに、本発明では、図4(a)及び
(b)に断面図と正面図を示すように、ケーブル穴があ
けられていない内パッキン10Bを用いることにより、
ケーブルを挿通する必要がない場合に、機器筐体1の開
口部1aを閉塞することも可能である。この場合でも、
内パッキン10Bと外パッキン9との密接性が高めら
れ、有効な防水効果が得られる。
【0014】なお、前記実施形態では外パッキンと内パ
ッキンを異なる材料で形成しているが、同一の材料を用
いた場合でも、外パッキンと内パッキンを別体に構成す
ることで、各パッキンにおける変形動作が個別なものと
なるため、図5に示した一体構成のパッキンに比較し
て、外パッキンにおける縮径力を大きくでき、かつ内パ
ッキンにおけるケーブルへの密接性を高めることがで
き、少なくとも図5の防水構造よりもその防水効果を高
めることは可能である。
【0015】また、外パッキンと内パッキンとを別体と
したことにより、ケーブルを交換する場合には、外パッ
キンをそのまま利用して内パッキンのみを交換すればよ
く、図5の構成に比較して、交換するパッキンを小型に
形成できるため、材料コストを低減し、保管スペースを
縮小することが可能となる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、本体部と
キャップ部との間に挟持されてケーブルに密接されるパ
ッキンを、本体部とキャップ部との間に挟持される大径
環状の外パッキンと、前記外パッキンの内径穴に密接状
態で嵌入される小径環状の内パッキンとで構成している
ので、内パッキンのみを交換すれば外パッキンはそのま
までも異なる径寸法のケーブルの防水が可能となる。ま
た、内径穴の存在しない内パッキンを用いることで、ケ
ーブルを挿通しない場合でも開口部を閉じた状態にする
こともできる。さらに、外パッキンにスリットを設ける
ことで、両端にコネクタが接続されたケーブルを内パッ
キンと共に交換することができ、ケーブル交換の作業性
を高めることができるとともに、交換されたケーブルの
防水効果を確保することができる。また、外パッキンに
より生じる縮径力によって内パッキンとケーブルとの密
接性を高めることができるため、防水効果を格段に高め
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケーブル防水構造の要部の部分分解斜
視図である。
【図2】図1のケーブル防水構造の組立状態の断面図と
パッキンの正面図である。
【図3】異なるケーブルを装着した状態の断面図とその
パッキンの正面図である。
【図4】ケーブルを装着しない状態の断面図とそのパッ
キンの正面図である。
【図5】従来のケーブル防水構造の一例の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 機器筐体 1a 開口部 2 ケーブル 3a,3b コネクタ 4 本体部 4d テーパ凹面 5 環状ナット 6 シールリング 7 キャップ部 8 パッキン 9 外パッキン 10,10A,10B 内パッキン

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機器筐体に設けられた開口部にその内端
    部が取着される筒状の本体部と、前記本体部の外端部に
    取着されるケーブル挿通穴を有するキャップ部と、前記
    機器筐体の開口部から前記本体部の内部及び前記キャッ
    プ部のケーブル挿通穴にわたって挿通されるケーブルの
    外周面に密接した状態で前記本体部とキャップ部との間
    に挟持されるパッキンとを備える機器筐体のケーブル防
    水構造において、前記パッキン前記ケーブルよりも
    大径の内径穴を有して前記本体部とキャップ部との間に
    圧縮挟持される大径環状の外パッキンと、自身の内径穴
    内に前記ケーブルが密接状態に挿通され、かつ前記外パ
    ッキンの前記内径穴内に密接状態に嵌入される小径環状
    内パッキンとで構成されることを特徴とするケーブル
    防水構造。
  2. 【請求項2】 前記本体部はその外端部に内径面側にテ
    ーパ凹面が設けられ、前記外パッキンには前記テーパ凹
    面に当接されるテーパ凸面が設けられ、前記外パッキン
    は前記本体部と前記キャップ部との間に軸方向に挟持さ
    れたときに前記テーパ凹面と前記テーパ凸面との間の楔
    作用によって縮径力が加えられ、この縮径力を前記内パ
    ッキンに加えるように構成されている請求項1に記載の
    ケーブル防水構造。
  3. 【請求項3】 前記外パッキンには、円周一部に径方向
    のスリットが形成されている請求項2に記載のケーブル
    防水構造。
  4. 【請求項4】 前記内パッキンは、挿通するケーブルの
    径寸法やケーブル本数に対応したケーブル穴が開設さ
    れ、かつ円周一部には前記ケーブル穴に連通するスリッ
    トが形成され、このスリットを通して前記ケーブルを挿
    通可能とされる請求項2または3に記載のケーブル防水
    構造。
  5. 【請求項5】 前記内パッキンは前記外パッキンよりも
    柔軟な材料で形成されている請求項1ないし4のいずれ
    かに記載のケーブル防水構造。
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