JP2874606B2 - 電子天びん - Google Patents

電子天びん

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JP2874606B2
JP2874606B2 JP22018595A JP22018595A JP2874606B2 JP 2874606 B2 JP2874606 B2 JP 2874606B2 JP 22018595 A JP22018595 A JP 22018595A JP 22018595 A JP22018595 A JP 22018595A JP 2874606 B2 JP2874606 B2 JP 2874606B2
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邦夫 島内
一夫 西林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁力発生型の電子
天びんに関し、更に詳しくは、皿に作用する被測定荷重
を天びん桿に伝達するとともに、その天びん桿の被測定
荷重による回動変位を無くするべく発生した電磁力の大
きさから、被測定荷重の大きさを測定する方式の電子天
びんに関する。
【0002】
【従来の技術】電磁力平衡型の電子天びんにおいては、
一般に、被測定荷重に抗して天びん機構をバランスさせ
るための電磁力を発生し、その発生電磁力の大きさから
被測定荷重の大きさを求める。
【0003】このような電磁力平衡型の電子天びんにお
いては、通常、被測定荷重が作用する皿を天びん桿の一
端部に係合させるとともに、その天びん桿の他端部に電
磁力発生装置を配置し、電磁力発生装置が発生する電磁
力を天びん桿のレバー比に応じた倍率で拡大して被測定
荷重に対向させるようなメカニズムが採用される。図1
にこのようなメカニズムを採用した電子天びんの要部構
成を平面図(A)および正面図(B)で例示する。この
例においては、皿10をロバーバル機構200の可動柱
20に支承するとともに、この可動柱20を天びん桿3
0の一端に連結し、その天びん桿30の他端部には電磁
力発生装置40および変位センサ50を配置している。
ロバーバル機構200は、互いに平行で両端部に可撓部
を備えた上下の梁21,22によって、可動柱20を天
びんベース60に支承した機構であり、この機構によっ
て可動柱20はその変位の方向が上下方向のみに規制さ
れる。
【0004】このような構成において、皿10への被測
定荷重の作用による天びん桿30の回動変位は変位セン
サ50によって検出され、その変位センサ50の出力に
基づくサーボ機構によって、電磁力発生装置40の電磁
コイルに流れる電流の大きさが決定され、天びん桿30
が所定位置にバランスするように制御される。そしてそ
のバランス状態において電磁コイルに流れる電流の大き
さから、皿10に作用する被測定荷重の大きさが求めら
れる。
【0005】天びん桿30は、図2に平面視で示すよう
に、桿の軸線Cに沿った桿部30aと、それに直交して
両側に伸びるアーム部30bとからなる全体として略十
字形をしており、天びんベース60に対しては、アーム
部30b上で軸線Cを中心としてその両側に所定距離だ
け離れた位置にそれぞれ固着された2つの支点バネ7
1,72を介して支承されている。また、天びん桿30
と可動柱20とは、これらの部材間で互いに対向する面
に両端が固着された1つの力点バネ8によって相互に連
結されている。
【0006】ここで、このような構成において、2つの
支点バネ71,72と力点バネ8をねじれや歪みのない
状態で各部材に取り付けなければ、ゼロ点ドリフトや感
度ドリフト、あるいはヒステリシスが発生するなど、天
びんとしての重要な性能を発揮できない。そのため、天
びん桿30と可動柱20および天びんベース60に対し
て各バネ71,72および8を取り付ける際には、従
来、図3に例示するように、各部材に基準面rを設定す
るとともに、専用治具を用意し、各基準面r・・rの全て
をその専用治具に当接・固定することによって各部材が
一定の位置関係を保つようにした状態で、各バネ71,
72および8を取り付けるような工夫がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
に専用治具を用いて各部材を位置決めした状態で各バネ
71,72および8を取り付けても、各部材の多くの部
分の加工精度を極めて高くしなければ各バネ71,72
および8にねじれや歪みが発生する。すなわち、図4
(A)に例示するように、天びん桿30の両側のアーム
部30bの支点バネ71,72の取り付け面が同一平面
上にない場合や、同図(B)に示すように天びん桿30
の力点バネ8の取り付け面と、各支点バネ71,72の
取り付け面の平行度が出ていない場合、あるいは同図
(C)に示すように、可動柱20の基準面rと力点バネ
8の取り付け面間の寸法xに誤差がある場合、更には、
同図(D)に示すように、可動柱20の力点バネ8の取
り付け面と、天びん桿30の力点バネ8の取り付け面と
の平行度が出ていない場合等においては、いずれも各バ
ネ71,72および8のいずれかにねじれや歪みが生
じ、全てのバネを理想的な状態で取り付けることは極め
て困難であるのが実情である。
【0008】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、従来の構造に比して、
より簡単に各支点バネおよび力点バネをねじれたり歪ま
せることなく取り付けることのできる構造を持つ電子天
びんを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの構成を、その実施の一形態を表す図5を参照しつつ
説明すると、本発明の電子天びんは、天びん桿3が、そ
の軸線Cに直交してその両側に広がる一様な平坦面P1
を備え、その平坦面P1に各支点バネ71,72が装着
され、かつ、その平坦面P1の各支点バネ装着部の中間
に、所定厚さのスペーサ9aを介して力点バネ8の一端
が装着されているとともに、可動柱2には、天びん桿3
の平坦面P1と同じ向きの平面P2が形成され、その平
面P2が天びん桿3の平坦面P1と同一平面上に位置し
た状態で、スペーサ9aと同じ厚さを持つスペーサ9b
を介して力点バネ8の他端が装着されていることによっ
て特徴づけられる。
【0010】
【作用】従来の構造において、ねじれや歪みを生じるこ
となく各バネ71,72および8の取り付けが困難な理
由は、主として、天びん桿30におけるこれらのバネの
取り付け面が、実質的に3つの平面に分割されており、
これら3つの平面の平行度と寸法精度の全てを満足する
必要がある点と、可動柱20における力点バネ8の取り
付け面が、天びん桿30における力点バネ8の取り付け
面と逆向きの面であるが故に、幾何学的な制約により、
専用治具による可動柱20の位置決めのための基準面r
を力点バネ8の取り付け面上に設定できず、従って可動
柱20の基準面rと力点バネ8の取り付け面間の平行度
と寸法精度の双方を満足する必要がある点にあり、これ
らの各部材の加工工程においてこれら全ての条件を満た
すことが困難なことにある。
【0011】本発明は、このような従来構造を見直し、
各バネ71,72および8がねじれ等を生じることなく
良好な状態で取り付けられるための各部材の加工精度上
の条件を少なくできる構造としたものである。
【0012】すなわち、本発明によれば、2つの支点バ
ネ71と72は、略T字形をした天びん桿3の一様な平
坦面P1に取り付けられ、また、その同じ平坦面P1に
スペーサ9aを介して力点バネ8の一端が取り付けられ
る。力点バネ8の他端は、その平坦面P1と同じ向きの
平面P2にスペーサ9bを介して可動柱2に取り付けら
れる。
【0013】このような本発明の構成においては、ま
ず、天びん桿3における2つの支点バネ71,72の取
り付け面が、連続する一様な平坦面P1であるが故に、
図4(A)に示したような支点バネ71,72の取り付
け面相互のずれが生じる恐れがない。そして、天びん桿
3に対して力点バネ8は、その同じ平坦面P1にスペー
サ9aを介して取り付けられるため、スペーサ9aの両
端面間の平行度さえ正確であれば、図4(B)に示した
ような支点バネ71,72と力点バネ8間の天びん桿3
への取り付け状態のねじれが生じない。
【0014】また、可動柱2に対して力点バネ8は、支
点バネ71,72の取り付け面と同じ向きの面である平
面P2にスペーサ9bを介して取り付けられるため、天
びん桿3と可動柱2間の位置決めのための専用治具によ
る可動柱2上での基準面を、その平面P2に設定するこ
とが可能となる。このことは、その平面P2と平坦面P
1を同一面上に位置させることが容易となることを意味
する。そして、平面P2と平坦面P1が同一面上に位置
していれば、スペーサ9a,9bの両端面間の平行度と
寸法が正確でさえあれば、図4(C)および(D)に示
したような力点バネ8自体の歪みやねじれが生じない。
【0015】
【発明の実施の形態】図5は本発明の好適な実施の一形
態の要部構成図で、(A)は天びん桿3と各支点バネ7
1,72を抽出して示す平面図で、(B)は更に可動柱
2、天びんベース60、スペーサ9a,9b、および力
点バネ8を加えた状態で示す正面図である。
【0016】天びん桿3は平面視で略T字形をしてお
り、棒状の桿部3aと、その桿部3aの一端部において
その軸線Cの両側に伸びるアーム部3bによって構成さ
れている。天びん桿3の一端面を形成するアーム部3b
の一側面は、天びん桿3の軸線Cに直交する平坦面P1
となっており、この平坦面P1に2つの支点バネ71,
72の一端が固着されている。これらの支点バネ71,
72の他端は、天びんベース60に形成された一様な鉛
直面P3に固着されている。なお、この天びん桿3の他
端部には、従来と同様に変位センサおよび電磁力発生装
置(いずれも図示せず)が配置される。
【0017】皿(図示せず)を支承するための可動柱2
は、従来と同様に天びんベース60に対して上下の梁2
1,22によって支承されてその変位方向が上下方向に
規制されているが、この可動柱2は、鉛直の柱部2a
と、その柱部2aの下端部近傍において天びんベース6
0側に水平に伸びる持ち出し部2bを備えるとともに、
その持ち出し部2bの先端部は鉛直に立ち上がり、その
立ち上がり部には、天びん桿3の平坦面P1と同じ向き
の平面P2が形成されている。なお、2cは、柱部2a
上で平面P2に隣接する位置に形成された貫通孔であ
り、後述する組み立て作業において専用治具Jを貫通さ
せたり、あるいは力点バネ8の可動柱2への固着時にお
いてビス等の装着作業のために必要である。
【0018】力点バネ8は、その一端が天びん桿3の平
坦面P1に対してスペーサ9aを介して固着され、他端
は可動柱2の平面P2に対してスペーサ9bを介して固
着されている。各スペーサ9a,9bは、それぞれ両端
面間の寸法が同一であり、天びん桿3の平坦面P1と可
動柱2の平面P2は、互いに同一面上に位置決めされた
状態で、スペーサ9aないしは9bを介して力点バネ8
が固着される。
【0019】以上の本発明の実施の形態を組み立てるに
は、図6に示すように、天びん桿3の平坦面P1、天び
んベース60の鉛直面P3、および可動柱2の平面P2
のそれぞれが同一面上に位置決めされるよう、各面P1
〜P3の各バネの取り付け部近傍に当接可能な、一平面
上に揃った面R1〜R3を有する専用治具Jが用いら
れ、その治具Jの各面を面P1〜P3を当接させてその
治具Jに各部材をネジ止めした状態で、2つの支点バネ
71,72と、スペーサ9a,9bおよびおよび力点バ
ネ8を所要位置に固着する。
【0020】このような本発明の実施の形態によれば、
2つの支点バネ71,72は天びん桿3に形成された連
続した一様な平坦面P1にそれぞれの一端が固着され、
他端はその平坦面P1に対して専用治具Jによって同一
面上に位置決めされた天びんベース60の鉛直面P3に
固着されるため、平坦面P1および鉛直面P3自体の平
坦度さえ正確であれば、個々のバネ71,72のねじれ
や歪みが生じにくく、各バネ71,72間のねじれや位
置ずれ等も生じない。
【0021】また、力点バネ8は、その一端が支点バネ
71,72の固着面と同一の平坦面P1上にスペーサ9
aを介して固着され、他端はその平坦面P1に対して専
用治具Jによって同一面上に位置決めされた平面P2上
にスペーサ9bを介して固着されるため、スペーサ9a
および9bの各両端間の平行度と寸法さえ正確に加工す
れば、支点バネ71,72に対するねじれ、および、力
点バネ8自体のねじれや歪みが生じることがない。
【0022】ここで、天びん桿3の平坦面P1および天
びんベース60の鉛直面P3は、それぞれ一様な連続面
であるため、高い精度で平坦に加工することが容易であ
り、また、スペーサ9a,9bの両端間の平行度および
寸法精度についても、単純な形状をしているが故に高精
度の加工をするのは容易であり、従って本発明の実施の
形態によれば、簡単な部品の加工工程と、簡単な組み立
て工程によって、支点バネ71,72および力点バネ8
をねじれたり歪ませることなく各部材に取り付けること
が可能である。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、2つの
支点バネは天びん桿に形成された連続する一様な平坦面
に固着され、また、力点バネは、天びん桿に対してはそ
の平坦面にスペーサを介して、可動柱にはその平坦面と
同じ向きの平面にスペーサを介して固着されるため、比
較的容易に高精度の加工が可能な一様平坦面の平坦度と
各スペーサの両端間の平行度並びに寸法さえ正確であれ
ば、適当な専用治具を用いて各部材を簡単に位置決めす
ることによって、各支点バネおよび力点バネを、ねじれ
や歪みを生じさせることなく取り付けることができ、も
って比較的安価にゼロドリフトや感度ドリフトおよびヒ
ステリシスの少ない高精度の電子天びんを得ることが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】天びん桿を備えた従来の電磁力平衡型の電子天
びんの要部構成図で、(A)は平面図、(B)は正面図
【図2】図1の構成における天びん桿30の平面図
【図3】図1の天びんのメカニズムを組み立てる際の各
部材の基準面rの説明図
【図4】従来の電子天びんにおける支点バネ71,72
および力点バネ8の組付け不良の例の説明図
【図5】本発明の実施の形態の要部構成図で、(A)は
天びん桿3と各支点バネ71,72および力点バネ8を
抽出して示す平面図で、(B)は更に可動柱2および天
びんベース60の一部を加えた状態で示す正面図
【図6】図5の本発明の実施の形態の組み立て方法の説
明図
【符号の説明】
2 可動柱 2a 柱部 2b 持ち出し部 P2 平面 3 天びん桿 3a 桿部 3b アーム部 P1 平坦面 60 天びんベース P3 鉛直面 71,72 支点バネ 8 力点バネ J 専用治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01G 21/18 G01G 23/01

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皿に作用する被測定荷重が、当該皿を支
    承して上下方向に可動の可動柱を介して天びん桿の一端
    部に伝達され、天びん桿の他端部には、被測定荷重によ
    る天びん桿の回動変位に抗して当該天びん桿をバランス
    させるための電磁力を発生する電磁力発生装置が配設さ
    れているとともに、その天びん桿は、可動柱に対して力
    点バネを介して連結され、かつ、当該天びん桿の軸線を
    中心としてその両側に所定距離を隔てた2箇所において
    それぞれ支点バネを介して天びんベースに支承された電
    子天びんにおいて、上記天びん桿は、当該天びん桿の軸
    線に直交してその両側に広がる一様な平坦面を備え、そ
    の平坦面に上記各支点バネが装着され、かつ、その平坦
    面の各支点バネ装着部の中間に、所定厚さのスペーサを
    介して上記力点バネの一端が装着されているとともに、
    上記可動柱には、天びん桿の平坦面と同じ向きの平面が
    形成され、その平面が上記平坦面と同一面上に位置した
    状態で、上記スペーサと同じ厚さを持つスペーサを介し
    て上記力点バネの他端が装着されていることを特徴とす
    る電子天びん。
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