JP2874300B2 - 多連ピストンポンプ - Google Patents

多連ピストンポンプ

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JP2874300B2 JP2200134A JP20013490A JP2874300B2 JP 2874300 B2 JP2874300 B2 JP 2874300B2 JP 2200134 A JP2200134 A JP 2200134A JP 20013490 A JP20013490 A JP 20013490A JP 2874300 B2 JP2874300 B2 JP 2874300B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は多連ピストンポンプ、詳しくは、一つのポン
プにより2系統又はそれ以上の吐出系の吐出流量を同一
にできるようにした多連ピストンポンプに関する。
(従来の技術) 従来、一つのポンプにより2系統の吐出流量を得るこ
とができるようにした多連ピストンポンプは、特開平1
−267368号公報に示され、第5〜7図に示している通
り、シリンダブロック(A)の異なる同心円周上に、複
数のピストン孔(B)(C)を、前記シリンダブロック
(A)の径方向に位相をずらせて2列設けると共に、こ
れら2列のピストン孔(B)(C)に連通する内側キド
ニー(D)と外側キドニー(E)とを前記シリンダブロ
ック(A)に設ける一方、前記シリンダブロック(A)
の一端面に対接するバルブプレート(F)に、前記内側
及び外側キドニー(D)(E)に連通する一つの吸入ポ
ート(H)と、径方向に変位し前記内側キドニー(D)
と外側キドニー(E)とに個別に連通する二つの吐出ポ
ート(I)(J)とを設けて、前記2列のピストン孔
(B)(C)に往復動自由に内装するピストン(図示せ
ず)の往復動により各列のピストン孔(B)(C)との
み連通する前記吐出ポート(I)(J)から二つの独立
した吐出流量を取り出す如く成したものが提案されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 所で、前記した如く複数列のピストン孔(B)(C)
にピストンを往復動自由に内装し、これらピストンの往
復動により流体を吐出するようにしたピストンポンプに
おいては、ピストンを移動させる斜板との関係で、内側
列のピストン孔(B)に内装するピストンのストローク
が、外側列のピストン孔(C)に内装するピストンのス
トロークよりも短くなるため、各列のピストン孔(B)
(C)の径を同じにすると、2系統の吐出系の吐出流量
に差ができ、この2系統の吐出流量を同一にすることが
できないのである。また、この2系統の吐出系の吐出流
量を同一にするには、内側列のピストン孔径を外側列の
ピストン孔径よりも大径にして、同心円状に列設するピ
ストン孔(B)(C)のピッチ径と、ピストン孔(B)
(C)の孔径の二乗の積を同一にする必要があり、この
結果内側列のピストン孔(B)の孔径と外側列のピスト
ン孔(C)の孔系との大きさ及び各ピストン孔(B)
(C)の径方向位置とが決まってしまい、前記各ピスト
ン孔(B)(C)の孔径を自由に選択したり、径方向位
置を自由に選択したりできないのであって、それだけ設
計上の制約を受けることになる。従って、以上のように
吐出流量を同一にするには内側列のピストン孔径を外側
列のピストン孔径より大径にする必要があり、しかも、
各列の配列位置が制約されることから、油圧ショベル機
械の左右車輪を独立して駆動する場合など、2系統の吐
出流量を同一にできて、しかも所望の吐出流量が得られ
るようにするには、ポンプ全体が大形化し、重量アップ
になる問題があるし、更に、ピストンを既存のものと共
通化できなくてコスト高となる問題があった。
本発明は以上の問題点に鑑み発明したもので、目的
は、シリンダブロックの径方向に位相をずらせて設ける
複数列のピストン孔の孔径、ピッチ径或は配設位置に制
約を受けることなく、また、ポンプ全体を大形化するこ
となく、一つのポンプにより2系統又はそれ以上の吐出
系の吐出流量を同一にできるようにする点にある。
(課題を解決するための手段) しかして、本発明は、複数のピストン孔(31a、31b‥
‥)をもち、これらピストン孔(31a、31b‥‥)にピス
トン(6)(7)を摺動自由に内装したシリンダブロッ
ク(3)と、一つの吸入ポート(11)及び径方向に変位
した複数個の吐出ポート(12a、12b‥‥)をもつポンプ
本体(1)とを備えたピストンポンプにおいて、前記シ
リンダブロック(3)に、該ブロック(3)の径方向に
位相をずらせて複数列のピストン孔(31a、31b‥‥)を
設け、かつ、これら各列のピストン孔数を前記吐出ポー
ト(12a、12b‥‥)の整数倍として、径方向に隣り合う
各列のピストン孔(31a、31b‥‥)を1組として一つの
キドニー(13)に連通させて複数組のピストン孔群を形
成すると共に、これら複数組のピストン孔群を、前記吐
出ポート(12a、12b‥‥)と同数のグループに分けて、
これら各グループ間における各組のピストン孔群が周方
向に交互に隣接するように配置し、各組のピストン孔
(31a,31b)に連通する各キドニー(13)を、径方向に
変位した異なる吐出ポート(12a、12b‥‥)に交互に連
通するように配設したのである。
又、径方向に変位した2個の吐出ポート(12a、12b)
を備え吐出系を2系統とする場合には、シリンダブロッ
ク(3)には径方向に位相をずらせた2列のピストン孔
(31a、31b)を設け、周方向に隣り合う各組のピストン
孔(31a、31b)に連通する各キドニー(13)を、異なる
吐出ポート(12a、12b)に交互に連通するように配設す
るのが好ましい。
又、径方向に変位した3個の吐出ポート(12a)(12
b)(12c)を備え吐出系を3系統とする場合には、シリ
ンダブロック(3)には、径方向に位相をずらせた2列
のピストン孔(31a,31b)を備え径方向に隣り合う各列
のピストン孔(31a,31b)を1組とする複数組のピスト
ン孔群を3グループに分け、これら各グループにおける
各組のピストン孔群が周方向に交互に隣接するように配
置し、各組のピストン孔(31a,31b)に連通する3種の
キドニー(13)を、異なる吐出ポート(12a,12b,12c)
に交互に連通するように配設するのが好ましい。
又、径方向に変位した2個の吐出ポート(12a、12b)
を備え吐出系を2系統とする場合、シリンダブロック
(3)には、径方向に位相をずらせた3列以上のピスト
ン孔(31a、31b‥‥)を設けて、周方向に隣り合う各組
のピストン孔(31a、31b‥‥)を連通する各キドニー
(13)を、異なる吐出ポート(12a、12b)に交互に連通
するように配設してもよい。
(作用) 前記シリンダブロック(3)の回転により前記各キド
ニー(13)を介して径方向に隣り合う各組のピストン孔
(31a,31b)に流体が吸入されると共に、これらピスト
ン孔(31a,31b)に吸入された流体は、前記キドニー(1
3)を介して径方向に変位する吐出ポート(12a,12b)の
一つに吐出するのであって、周方向に交互に隣り合う各
組のピストン孔(31a,31b)は、互いに異なる吐出ポー
ト(12a)(12b)に連通するのであるから、前記各組に
おけるピストン孔(31a,31b)の孔径をそれぞれ同径と
し、同心円状に配列するだけで、各組のピストン孔(31
a,31b)が連通する各吐出ポート(12a,12b)から吐出さ
れる吐出流量を同一流量にできるのである。
従って、各組のピストン孔(31a)(31b)の孔径は必
要吐出量に対応して任意に選択できるし、ピッチ径も自
由に選択できるのであって、ピストン孔(31a)とピス
トン孔(31b)との孔径を、従来例のように、ピッチ径
との関係で一定の孔径に制約されたり、また、ピッチ径
がピストン孔径との関係で制約されたりすることはない
のであり、この結果、径方向に位相がずれた各列のピス
トン孔(31a、31b‥‥)の孔径、ピッチ径或は配列位置
に制約を受けることなく前記各吐出ポート(12a、12b‥
‥)からの吐出流量を同一にできるのである。
又、吐出ポートを2個とし吐出系を2系統にする場
合、径方向に位相をずらせた2列のピストン孔(31a,31
b)を複数個として、径方向に隣り合う各列のピストン
(31a,31b)を1組として、周方向に隣り合う各組のピ
ストン孔(31a,31b)を径方向に変位した二つの吐出ポ
ート(12a,12b)に交互に連通することにより、前記同
様各ピストン孔(31a,31b)の孔径やピッチ径及び配列
位置に制約を受けることなく2系統の吐出流量を同一に
できるのである。
又、吐出ポートを3個とし吐出系を3系統にする場
合、ピストン孔を2列にして、径方向に隣り合う各列の
ピストン孔(31a,31b)を1組とする複数組のピストン
孔群を3グループに分け、これら各グループ間における
各組のピストン孔群が周方向に交互に隣接するように配
置し、各組のピストン孔(31a,31b)に連通する3種の
キドニー(13)を前記3個の吐出ポート(12a、12b、12
c)に交互に連通させることにより、径方向に位相をず
らせるピストン孔の列数を2列にしながら、その吐出系
を3系統にでき、かつ、前記同様吐出ポート(12a、12
b、12c)からの吐出流量を同一にできるのである。
又、吐出ポートを2個として吐出系を2系統にする場
合、ピストン孔(1)を3列以上とし、周方向に隣り合
う各組のピストン孔(31a、31b‥‥)に連通する各キド
ニー(13)を前記吐出ポート(12a、12b)に交互に連通
させることにより、ピストン孔(31a、31b‥‥)の孔径
を小径にできながら、所望の同じ吐出流量が得られるか
ら、シリンダブロック(3)におけるピストン孔の配列
の自由度が増し、それだけシリンダブロックを小形にで
きるのである。
(実施例) 第1、2図に示した多連ピストンポンプは、吐出系を
2系統とした斜板式アキシャルピストンポンプであっ
て、ポンプ本体(1)内に駆動軸(2)を介してシリン
ダブロック(3)を回転自由に支持すると共に、このシ
リンダブロック(3)に対し傾動可能な斜板(4)を設
ける一方、前記シリンダブロック(3)の一端面と対接
するバルブプレート(5)を前記ポンプ本体(1)内に
取付けている。尚、このバルブプレート(5)は前記ポ
ンプ本体(1)と一体であってもよい。そして、このバ
ルブプレート(5)には、一つの吸入通路(1a)に連通
する一つの吸入ポート(11)と、2本の吐出通路(1b)
に連通し径方向に変位した2個の吐出ポート(12a、12
b)とを設けている。尚、前記吸入ポート(11)は、前
記吐出ポート(12a,12b)に対応して2個設けてもよ
い。
又、前記シリンダブロック(3)には、第2図に示す
如くシリンダブロック(3)の径方向に位相をずらせて
2列のピストン孔(31a、31b)を設けて、これら各列の
ピストン孔(31a、31b)の数をそれぞれ前記吐出ポート
(12a、12b)の整数倍の例えば8個とし、径方向に隣り
合う各列のピストン孔(31a、31b)を1組として互いに
連通させると共に一つのキドニー(13)を連通させ、8
組のピストン孔(31a,31b)群を形成するのであり、ま
た、前記キドニー(13)は、ピストン孔群の組数と同じ
個数の8個設けて、これらキドニー(13)を周方向に沿
って径方向内側と外側とに交互に変位させて内側キドニ
ー(13)と外側キドニー(13)とを形成するのであり、
また、前記8組のピストン孔群を、前記吐出ポート(12
a)(12b)の同数の2グループに分けるのである。つま
り、前記内側キドニー(13)に連通する4組のピストン
孔(31a,31b)群から成る内側キドニーグループと、前
記外側キドニー(13)に連通する4組のピストン孔(31
a,31b)群から成る外側キドニーグループとの2グルー
プに分け、これら各グループ間における各組のピストン
孔(31a,31b)群が周方向に交互に隣接するように、換
言すると内側キドニーグループのピストン孔(31a,31
b)群が周方向に1つとびに位置し、外側キドニーグル
ープのピストン孔(31a,31b)群が、内側キドニーグル
ープにおける各組のピストン孔(31a,31b)群の間に位
置して周方向に交互に隣り合うように配置し、そして、
これら各グループにおけるピストン孔群に連通する内側
キドニー(13)及び外側キドニー(13)を、径方向に変
位した前記吐出ポート(12a,12b)に交互に連通するよ
うに配設したものである。
尚、第2図では外側吐出ポート(12b)に連通する外
側キドニー(13)は、内側吐出ポート(12a)に連通す
る内側キドニー(13)よりも大きく形成して、周速が速
くなることによる自吸性の低下をなくしている。
又、前記各列のピストン孔(31a、31b)には、ピスト
ン(6)(7)を往復動自由に内装し、これら各ピスト
ン(6)(7)の一端を、シュー(8)を介して前記斜
板(4)に対接させ、前記シリンダブロック(3)の駆
動軸(2)による回転により前記各ピストン(6)
(7)を往復動させるようにしている。又、前記斜板
(4)の傾斜角を調製することにより、前記内側ピスト
ン(6)のストロークと、外側ピストン(7)のストロ
ークとを任意に調整できるようにしている。
しかして、以上の構成において、前記各列のピストン
孔(31a、31b)に内装したピストン(6)(7)の復動
による吸入行程時、前記一つの吸入ポート(11)から各
キドニー(13)を介してそれぞれ各組のピストン孔(31
a、31b)内に流体が吸込まれるのである。そして、前記
各ピストン(6)(7)の往動による吐出行程時、内側
キドニーグループに属するピストン孔群における各組の
ピストン孔(31a、31b)から吐出される流体は合流し、
内側キドニー(13)を介して内側吐出ポート(12a)
に、また、外側キドニーグループに属する各組のピスト
ン孔(31a、31b)から吐出される流体は合流し、外側キ
ドニー(13)を介して外側吐出ポート(12b)にそれぞ
れ吐出されるのである。このように各グループにおける
各組のピストン孔(31a、31b)から内側又は外側キドニ
ー(13)を介して二つの吐出ポート(12a、12b)に吐出
されるのであるから、各組におけるピストン孔(31a,31
b)の孔径を同径にし、同心円状に配列するだけで同一
流量にできるのである。従って、各列のピストン孔(31
a、31b)の孔径は、必要吐出量に対応して任意に選択で
きるしピッチ径も自由に選択できるのであって、ピッチ
径との関連で孔径が制約されたり、孔径との関連でピッ
チ径が制約されることなく前記二つの吐出ポート(12
a、12b)から同じ吐出流量を得ることができるのであ
り、また、ピッチ径の小さい内側列のピストン孔(31
a)径を小径とし、ピッチ径の大きい外側列のピストン
孔(31b)径を大径にしても所望の同じ吐出流量が得ら
れるからその配列が最適にでき、それだけポンプ全体を
小形にできると共に、軽量にできるのである。又、各列
のピストン孔(31a、31b)の孔径を自由に決めることが
できるので、特別のピストンを作らなくとも、既存のピ
ストンを使用でき、それだけポンプ全体のコストを低減
できるのである。
尚、以上説明した実施例では、径方向に変位する2個
の吐出ポート(12a、12b)と、2列のピストン孔(31
a、31b)とを設け、周方向に隣り合う各組のピストン孔
(31a、31b)に連通する各キドニー(13)を前記2個の
吐出ポート(12a、12b)に交互に連通させて、2系統の
吐出系の吐出流量を同一にできるように構成したが、そ
の他、第3図または第4図の如く構成してもよい。
第3図に示したものは、ピストン孔を2列としながら
吐出系を3系統としたもので、前記ポンプ本体(1)
に、一つの吸入ポート(11)と、径方向に変位する3個
の吐出ポート(12a、12b、12c)を設けると共に、前記
シリンダブロック(3)に2列のピストン孔(31a、31
b)を設け、これら各列のピストン孔(31a、31b)の数
を、前記吐出ポート(12a、12b、12c)の整数倍の9個
とし、径方向に隣り合う各列のピストン孔(31a、31b)
を1組として一つのキドニー(13)に連通させ、9組の
ピストン孔(31a,31b)群を形成すると共に、前記キド
ニー(13)も、ピストン孔群の組数と同じ9個設けて、
これらキドニー(13)を周方向に沿って径方向内側と外
側とに交互に変位させ、3種の内側キドニー(13)と中
間キドニー(13)及び外側キドニー(13)を形成するの
であり、また、前記9組のピストン孔群を吐出ポート
(12a,12b,12c)と同数の3グループに分けるのであ
る。
即ち、内側キドニー(13)に連通する3組のピストン
孔(31a,31b)群からなる内側キドニーグループと、外
側キドニー(13)に連通する3組のピストン孔(31a,31
b)群から成る外側キドニーグループ及び、中間キドニ
ー(13)に連通する3組のピストン孔(31a,31b)群か
ら成る中間キドニーグループとの3グループに分け、こ
れら各グループ間における各組の各ピストン孔(31a,31
n)群が周方向に交互に隣接するように、換言すると、
各グループのピストン孔群を二つとび毎に位置させ、各
グループの各ピストン孔群が周方向に隣接するように配
置し、そして、これら各グループにおけるピストン孔群
(G)に連通する内側・外側及び中間キドニー(13)
を、径方向に変位した前記3個の吐出ポート(12a、12
b、12c)を交互に連通させたのである。このように構成
することにより、2列のピストン孔(31a、31b)であり
ながら、吐出系を3系統にでき、かつ、各吐出系の吐出
流量を同一にできるのである。
又、第4図に示したものは、吐出系を2系統にした第
2図の実施例の変形で前記ポンプ本体(1)に、一つの
吸入ポート(11)と、径方向に変位する2個の吐出ポー
ト(12a、12b)を設けると共に、前記シリンダブロック
(3)に3列のピストン孔(31a、31b、31c)を設け、
これら各列におけるピストン孔(31a、31b、31c)の数
を、前記吐出ポート(12a、12b)の整数倍の8個とし、
径方向に隣り合う各列のピストン孔(31a、31b、31c)
を1組として一つのキドニー(13)に連通させ、8組の
ストン孔群を形成すると共に、前記キドニー(13)も、
ピストン孔の組数と同じ8個設けて、これらキドニー
(13)を径方向内側と外側とに交互に変位させると共
に、前記8組のピストン孔(31a,31b,31c)群を吐出ポ
ート(12a,12b)と同数の2グループに分け、これら各
グループ間におる各組のピストン孔(31a,31b,31c)群
が周方向に交互に隣接するように、つまり内側キドニー
(13)に連通する内側キドニーグループのピストン孔
(31a,31b,31c)群が周方向に一つとびに位置し、外側
キドニー(13)に連通する外側キドニーグループのピス
トン孔(31a,31b,31c)群が、前記内側キドニーグルー
プにおける各組のピストン孔(31a,31b,31c)群の間に
位置して周方向に交互に隣り合うように配置し、そし
て、これら各グループにおけるピストン孔群に連通する
キドニー(13)を、径方向に変位した前記2個の吐出ポ
ート(12a、12b)に交互に連通させたものである。この
ように構成することにより、第2図に示した実施例と同
じ吐出流量とした場合でも各組のピストン孔(31a,31b,
31c)の孔径を小径にできるから、各ピストン孔のシリ
ンダブロック(3)における配列をデッドスペース少な
く合理的に行え、吐出流量を増大する場合でも前記シリ
ンダブロック(3)が大形になるのを少なくできるので
ある。
尚、第4図に示したピストン孔(31a,31b,31c)は3
列としたが、3列より多い列数としてもよいのであっ
て、何れの場合でも、ピストン孔のシリンダブロック
(3)に対する配列を最適にできながら、2系統の吐出
系の吐出流量を同一にできるのである。
また、以上の実施例において第3図に示したものは、
2列のピストン孔(31a,31b)で吐出系を3系統とした
ものであるが、3列のピストン孔を設けて3系統として
もよいし、また、第4図に示したものは吐出系を2系統
としたものであるが、3系統以上にすることも可能であ
って、ピストン孔の配列数及び吐出系数は任意に選択で
きるのである。
更に、以上の実施例では、斜板式アキシャルピストン
ポンプについて説明したが、その他斜軸式アシシャルピ
ストンポンプであってもよいし、又、他の構造のピスト
ンポンプであってもよい。
(発明の効果) 以上の如く本発明は、径方向に位相をずらせて設ける
複数列のピストン孔(12a、12b‥‥)の数を、径方向に
変位した複数個の吐出ポート(12a、12b‥‥)の整数倍
として、径方向に隣り合う各列のピストン孔(31a、31b
‥‥)を1組として、一つのキドニー(13)に連通させ
て複数組のピストン孔群を形成すると共に、これら複数
組のピストン孔群を、前記吐出ポート(12a、12b‥‥)
と同数のグループに分けて、これら各グループ間におけ
る各組のピストン孔群が周方向に交互に隣接するように
配置し、各組のピストン孔(31a,31b)に連通する各キ
ドニー(13)を、径方向に変位した異なる吐出ポート
(12a、12b‥‥)に交互に連通するように配設している
から、前記各列のピストン孔(31a、31b‥‥)の孔径、
ピッチ径或は配設位置に制約を受けることなく、複数系
統の吐出系の吐出流量を同一にできるのである。従っ
て、各列のピストン孔(31a)(31b)の孔径は任意に選
択できるのであって、従来例のように径方向内側のピス
トン孔を外側ピストン孔の孔径より大径にする必要はな
く、しかも、各列のピストン孔(31a)(31b)の孔径と
ピッチ径とは何ら関連づける必要がないのであるから、
シリンダブロック(3)に対応するピストン孔(31a)
(31b)の配列が自由となりデッドスペース少なく合理
的な配列が可能となるから、所望の同一吐出流量をを得
る場合でも大形にする必要はなく、ポンプ全体の軽量化
及び小形化ができると共に、特別のピストンを作らなく
とも、既存のピストンを使用することもできるのであっ
て、全体としてコストダウンを図ることができるのであ
る。
又、吐出ポートを2個として吐出系を2系統にする場
合ピストン孔を2列にし、周方向に隣り合う各組のピス
トン孔(31a、31b)に連通する各キドニー(13)を前記
吐出ポート(12a、12b)に交互に連通させることによ
り、前記した効果が得られながら、2系統の吐出系の吐
出流量を同一にできるのである。
又、吐出ポートを3個として吐出系を3系統とする場
合、ピストン孔を2列にすると共に、径方向に隣り合う
各列のピストン孔(31a,31b)を1組とする複数組のピ
ストン孔群を3グループ分け、これら各グループ間にお
ける各組のピストン孔群が周方向に交互に隣接するよう
に配置し、各組のピストン孔(31a,31b)に連通する3
種のキドニー(13)を前記3個の吐出ポート(12a、12
b、12c)に交互に連通させることにより、2列のピスト
ン孔(31a、31b)とし、そのピストン孔の構成を簡単に
でき、しかも、前記した効果が得られながら、3系統の
吐出系の吐出流量を同一にできるのである。
又、吐出ポートを2個として吐出系を2系統とする場
合、ピストン孔を3列以上にし、周方向に隣り合う各組
のピストン孔(31a、31b‥‥)に連通する各キドニー
(13)を前記吐出ポート(12a、12b)に交互に連通させ
ることにより、各列のピストン孔(31a、31b‥‥)の孔
径を小径にでき、これらピストン孔のシリンダブロック
に対する配列を最適にでき、従って、所望の吐出流量が
得られ、かつ、2系統の吐出系の吐出流量を同一にでき
ながら、ポンプ全体をより軽量・小形化することが可能
となるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明ポンプの一実施例を示す縦断面図、第2
図は第1図II−II線における一部省略の拡大断面図、第
3図及び第4図は別の実施例を示す第2図に対応した拡
大断面図、第5図は従来例の断面図、第6図は同シリン
ダブロックのみの側面図、第7図は同バルブプレートの
みの側面図である。 (1)……ポンプ本体 (11)……吸入ポート (12a、12b、12c)……吐出ポート (13)……キドニー (3)……シリンダブロック (31a、31b、31c)……ピストン孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭52−90705(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04B 1/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のピストン孔(31a、31b‥‥)をも
    ち、これらピストン孔(31a、31b‥‥)をピストン
    (6)(7)を摺動自由に内装したシリンダブロック
    (3)と、一つの吸入通路(1a)に連通する吸入ポート
    (11)及び複数の吐出通路(1b)に連通し径方向に変位
    した複数個の吐出ポート(12a、12b‥‥)をもつポンプ
    本体(1)とを備えたピストンポンプにおいて、前記シ
    リンダブロック(3)に、該ブロック(3)の径方向に
    位相をずらせて複数列のピストン孔(31a、31b‥‥)を
    設け、かつ、これら各列のピストン孔数を前記吐出ポー
    ト(12a、12b‥‥)の整数倍として、径方向に隣り合う
    各列のピストン孔(31a、31b‥‥)を1組として一つの
    キドニー(13)に連通させて複数組のピストン孔群を形
    成すると共に、これら複数組のピストン孔群を、前記吐
    出ポート(12a、12b‥‥)と同数のグループに分けて、
    これら各グループ間における各組のピストン孔群が周方
    向に交互に隣接するように配置し、各組のピストン孔
    (31a,31b)に連通する各キドニー(13)を、径方向に
    変位した異なる吐出ポート(12a、12b‥‥)に連通する
    ように配設していることを特徴とする多連ピストンポン
    プ。
  2. 【請求項2】径方向に変位した2個の吐出ポート(12
    a、12b)を備え、シリンダブロック(3)には径方向に
    位相をずらせた2列のピストン孔(31a、31b)を備え、
    周方向に隣り合う各組のピストン孔(31a、31b)に連通
    する各キドニー(13)を、異なる吐出ポート(12a、12
    b)に交互に連通するように配設している請求項1記載
    の多連ピストンポンプ。
  3. 【請求項3】径方向に変位した3個の吐出ポート(12
    a)(12b)(12c)を備え、シリンダブロック(3)に
    は、径方向に位相をずらせた2列のピストン孔(31a,31
    b)を備え、径方向に隣り合う各列のピストン孔(31a,3
    1b)を1組とする複数組のピストン孔群を3グループに
    分け、これら各グループ間における各組のピストン孔群
    が周方向に交互に隣接するように配置し、各組のピスト
    ン孔(31a,31b)に連通する3種のキドニー(13)を、
    異なる吐出ポート(12a,12b,12c)に交互に連通するよ
    うに配設している請求項1記載の多連ピストンポンプ。
  4. 【請求項4】径方向に変位した2個の吐出ポート(12
    a、12b)を備え、シリンダブロック(3)には、径方向
    に位相をずらせた3列以上のピストン孔(31a、31b‥
    ‥)を備え、周方向に隣り合う各組のピストン孔(31
    a、31b‥‥)に連通する各キドニー(13)を、異なる吐
    出ポート(12a、12b)に交互に連通するように配設して
    いる請求項1記載の多連ピストンポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7406911B2 (en) 2001-03-06 2008-08-05 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Expander

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