JP2001317446A - アキシャルピストン式油圧ポンプ - Google Patents

アキシャルピストン式油圧ポンプ

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JP2001317446A
JP2001317446A JP2000130745A JP2000130745A JP2001317446A JP 2001317446 A JP2001317446 A JP 2001317446A JP 2000130745 A JP2000130745 A JP 2000130745A JP 2000130745 A JP2000130745 A JP 2000130745A JP 2001317446 A JP2001317446 A JP 2001317446A
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cylinders
port
cylinder
cylinder block
hydraulic pump
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JP2000130745A
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Kazuhiro Numaguchi
和弘 沼口
Haruo Kokubu
晴雄 国分
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一のポンプによって複数の油圧系統にそれ
ぞれ圧油を供給できると共に、圧油の脈動による振動、
騒音等を低減できるようにする。 【解決手段】 弁板15には吸入ポート16および吐出
ポート17を設け、この吐出ポート17は、弁板15の
径方向に互いに離間して周方向に延びる外側ポート部1
8、内側ポート部19により構成する。また、シリンダ
ブロック6には、2N個(例えば4個)の第1シリンダ
7と、これら各第1シリンダ7間に1個ずつ交互に配置
された2N(例えば4個)の第2シリンダとにより構成
する。そして、油液の吐出行程時には第1シリンダ7、
第2シリンダをそれぞれ外側ポート部18、内側ポート
部19と連通させる。これにより、第1シリンダ7内、
第2シリンダ内に吸入した油液を、それぞれ外側ポート
部18、内側ポート部19から吐出通路21、吐出通路
22に向けて別々に吐出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば斜板式油圧
ポンプ、斜軸式油圧ポンプ等に用いて好適なアキシャル
ピストン式油圧ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アキシャルピストン式油圧ポン
プは、ケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設け
られた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記
ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に伸長
する複数のシリンダを有するシリンダブロックと、該シ
リンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された
複数のピストンと、前記シリンダブロックの端面に摺接
して前記ケーシング側に設けられ前記各シリンダと間欠
的に連通する吸入ポート,吐出ポートが穿設された弁板
とを備えている。
【0003】この種の従来技術によるアキシャルピスト
ン式油圧ポンプでは、シリンダブロックを回転駆動する
ことにより、各シリンダが回転軸を周回して弁板の吸入
ポートと吐出ポートに交互に連通すると共に、この連通
タイミングに対応して各シリンダ内でピストンが往復動
を行なうことによりポンプ作用を行なう。
【0004】即ち、各シリンダが吸入ポートと連通する
吸入行程では、ピストンがシリンダ内から伸長し、吸入
ポートから例えば作動油等をシリンダ内に吸入すると共
に、各シリンダが吐出ポートと連通する吐出行程では、
ピストンがシリンダ内に縮小し、吐出ポートから作動油
を吐出し、この作動油を外部に接続された油圧配管等に
圧油として供給する。
【0005】また、他の従来技術としては、1個の油圧
ポンプに対して2個の吐出ポートを独立に形成したスプ
リットフロータイプと呼ばれる形式のアキシャルピスト
ン式油圧ポンプが知られている(例えば、特開平1ー2
67367号公報、特開平1ー267368公報、特開
平4ー22770号公報等)。
【0006】そして、この他の従来技術による油圧ポン
プは、シリンダをシリンダブロックの周方向に間隔をお
いて例えば6個設けると共に、吐出ポートを弁板の径方
向に離間して2個独立に設ける構成としている。
【0007】そして、この2個の吐出ポートのうち一方
の吐出ポートには、6個のシリンダのうち例えば時計廻
りに数えて1番目,3番目,5番目のシリンダ(以下、
第1グループのシリンダという)が吐出行程で連通し、
他方の吐出ポートには、残りの2番目,4番目,6番目
のシリンダ(以下、第2グループのシリンダという)が
吐出行程で連通するように構成されている。
【0008】これにより、シリンダブロックが回転駆動
されると、3個の第1グループのシリンダと3個の第2
グループのシリンダとは、吸入行程で吸入した作動油等
を吐出行程で2個の吐出ポートからそれぞれ別個に吐出
する。
【0009】従って、スプリットフロータイプの油圧ポ
ンプは、1個の油圧ポンプにより2組の油圧系統に対し
て圧油を供給でき、吸入側に接続した1組の吸入系統
を、吐出側で独立した2組の吐出系統(油圧系統)に分
岐させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した他
の従来技術によるアキシャルピストン式油圧ポンプは、
弁板に設けた2個の吐出ポートからそれぞれ圧油が吐出
されるときに脈動が生じる。そして、このような圧油の
脈動に起因して両方の吐出ポート側ではそれぞれ振動、
騒音等が発生する。
【0011】特に、この従来技術にあっては、2個の吐
出ポートのうち一方の吐出ポートに連通する第1グルー
プのシリンダの個数と、他方の吐出ポートに連通する第
2グループのシリンダの個数とを、互いに同数でかつ奇
数個(3個)に設定する構成としている。
【0012】そして、このように第1,第2グループの
シリンダの個数を設定すると、一方の吐出ポートから吐
出される圧油の脈動の波形と他方の吐出ポートから吐出
される圧油の脈動の波形とがほぼ重なり合う。この結
果、各吐出ポート側でそれぞれ発生する振動が互いに共
振(共鳴)し、振動、騒音等が増大する原因になるとい
う問題がある。
【0013】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、単一のポンプによって複数の
油圧系統にそれぞれ圧油を供給できると共に、圧油の脈
動による振動、騒音等を低減できるようにしたアキシャ
ルピストン式油圧ポンプを提供することを目的としてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明によるアキシャルピストン式油圧ポンプ
は、ケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設けら
れた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケ
ーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に伸長す
る複数のシリンダが穿設されたシリンダブロックと、該
シリンダブロックの各シリンダ内に往復動可能に挿嵌さ
れた複数のピストンと、前記シリンダブロックの端面に
摺接してケーシング側に設けられ前記各シリンダと間欠
的に連通する吸入ポート,吐出ポートがそれぞれ穿設さ
れた弁板とを備え、前記吐出ポートは弁板の径方向に互
いに離間して周方向に延びる2個の吐出ポート部により
構成している。
【0015】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記弁板の吐出ポートは弁板の周方向に延び径
方向で互いに離間した第1,第2の吐出ポート部により
構成し、前記シリンダブロックには、合計4N個のシリ
ンダを2N個からなる第1,第2グループのシリンダに
互い違いに分けて設け、前記シリンダブロックには、該
第1グループのシリンダを前記第1の吐出ポート部に連
通する第1のシリンダポート部と前記第2グループのシ
リンダを前記第2の吐出ポート部に連通する第2のシリ
ンダポートとを径方向に互いに離間して設ける構成とし
たことにある。
【0016】このように構成したことにより、駆動軸を
回転駆動してシリンダブロックを回転させると、第1,
第2グループのシリンダ内でピストンが往復動を繰返
す。この結果、弁板に設けた吸入ポートから液体を第
1,第2グループのシリンダ内に吸入しつつ、これら第
1,第2グループのシリンダ内に吸入した液体を、それ
ぞれ第1,第2のシリンダポート部を通じて、吐出ポー
トを構成する第1,第2の吐出ポート部から外部に向け
て別々に吐出することができる。
【0017】また、第1の吐出ポート部に連通する第1
グループのシリンダの個数と、第2の吐出ポート部に連
通する第2グループのシリンダの個数を互いに2N個、
即ち偶数個に設定したので、第1グループのシリンダ内
の圧油が第1の吐出ポート部から吐出されるときの脈動
波形と、第2グループのシリンダ内の圧油が第2の吐出
ポート部から吐出されるときの脈動波形とを互いに半波
長分だけずらし、これらの圧油の脈動による振動を互い
に打消し合って小さく抑えることができる。
【0018】また、請求項2の発明のように、第1グル
ープのシリンダと第2グループのシリンダは同一円周上
に一定の間隔をもって配置する構成とした場合には、第
1グループのシリンダと第2グループのシリンダを互い
に径方向に離間して配置した場合と比較して、シリンダ
ブロックを径方向に小型化して形成することができる。
【0019】さらに、請求項3の発明は、吸入ポート
を、第1,第2のシリンダポート部に同時に連通する単
一のポートにより構成している。これにより弁板には、
吸入ポートを第1,第2のシリンダポート部と対応した
位置に別々に分けて形成する必要がなくなり、単一の吸
入ポートのみを設けるだけでよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
アキシャルピストン式油圧ポンプを、可変容量型斜板式
油圧ポンプに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従っ
て詳細に説明する。
【0021】図中、1は当該油圧ポンプの外殻をなすケ
ーシングで、該ケーシング1は、段付筒状のケーシング
本体2と、該ケーシング本体2の前側を施蓋するフロン
トケーシング3と、ケーシング本体2の後側を施蓋する
リアケーシング4とによって構成されている。また、ケ
ーシング本体2には軸方向に2個のシリンダ穴2A,2
Bが形成されている。
【0022】5はケーシング1内に軸受等を介して回転
可能に設けられた回転軸で、該回転軸5は、その両端側
がフロントケーシング3、リアケーシング4に回転可能
に支持されている。そして、回転軸5は、フロントケー
シング3から外部に突出し、その突出端側にはディーゼ
ルエンジン等の原動機(図示せず)が連結され、これに
よって回転軸5は外部から回転駆動される。
【0023】6はケーシング本体2内に回転軸5を介し
て回転可能に設けられたシリンダブロックで、該シリン
ダブロック6は、回転軸5の外周側にスプライン結合し
て取付けられ、回転軸5と一体に回転駆動される。ま
た、シリンダブロック6には後述する第1,第2シリン
ダ7,9が穿設されると共に、シリンダブロック6の後
側端面は後述の弁板15に摺接する摺接面6Aとなって
いる。
【0024】7A,7B,7C,7Dはシリンダブロッ
ク6に周方向に離間して穿設された第1グループのシリ
ンダとなる第1シリンダ(以下、全体として第1シリン
ダ7という)で、該第1シリンダ7は、後述の第2シリ
ンダ9と共に合計4N個(N=1,2,3,…)のシリ
ンダを構成している。そして、この第1シリンダ7は、
図2中に点線で示す如く、回転軸5を中心とした基準円
R上に約π/2の中心角をもって等間隔に2N個(例え
ば4個)配置されている。
【0025】そして、第1シリンダ7は、シリンダブロ
ック6内を軸方向に伸長し、その一端側となる前端側は
シリンダブロック6の前側端面に開口している。また、
第1シリンダ7の他端側となる後端側は、シリンダブロ
ック6の摺接面6Aに開口する眉形状をなした第1のシ
リンダポート8となっている。
【0026】ここで、第1シリンダ7のシリンダポート
8は、後述の外側ポート部18に対応する曲率で円弧状
に湾曲して形成され、前記基準円Rよりも径方向外側に
偏心して配置されている。そして、各シリンダポート8
は後述する吐出ポート17の外側ポート部18に対して
連通可能となっている。
【0027】9A,9B,9C,9Dは第1シリンダ7
A〜7Dと互い違いに分けてシリンダブロック6に穿設
された第2グループのシリンダとなる第2シリンダ(以
下、全体として第2シリンダ9という)で、該第2シリ
ンダ9は、図2中に点線で示すように基準円R上に約π
/2の中心角をもって第1シリンダ7A〜7D間に1個
ずつ交互に2N個(例えば4個)配置されている。
【0028】そして、第2シリンダ9は、シリンダブロ
ック6内を軸方向に伸長し、その一端側となる前端側は
シリンダブロック6の端面に開口している。また、第2
シリンダ9の他端側となる後端側は、シリンダブロック
6の摺接面6Aに開口する眉形状をなした第2のシリン
ダポート10となっている。
【0029】ここで、第2シリンダ9のシリンダポート
10は、後述の内側ポート部19に対応する曲率で円弧
状に湾曲して形成され、シリンダポート8に対して径方
向で離間するように基準円Rよりも径方向内側に偏心し
て配置されている。そして、各シリンダポート10は吐
出ポート17の内側ポート部19に対し連通可能となっ
ている。
【0030】11,11,…はシリンダブロック6の第
1シリンダ7内、第2シリンダ9内にそれぞれ摺動可能
に挿嵌された8個のピストンで、該ピストン11は、シ
リンダブロック6の回転に伴って第1,第2シリンダ
7,9内を往復動し、このときに後述の吸入通路20側
から第1,第2シリンダ7,9内に油液を吸入しつつ、
吸入した油液を高圧の圧油として後述の吐出通路21,
22側に吐出させるものである。
【0031】また、第1,第2シリンダ7,9から突出
する各ピストン11の端部にはシュー12がそれぞれ揺
動可能に装着され、該各シュー12は、後述のシュー押
え25等により斜板13に対して常に当接状態を保つよ
うに支持されている。
【0032】そして、第1,第2シリンダ7,9内を往
復動する各ピストン11は、図1、図2に示す如く回転
軸5の上側となる位置で上死点位置(T.D.C)とな
り、下側に位置したときには下死点位置(B.D.C)
となる。そして、シリンダブロック6が図2中に示す矢
示A方向へと時計廻りに1回転する間に、各ピストン1
1は、第1,第2シリンダ7,9内を上死点位置から下
死点位置に向けて摺動変位する油液の吸入行程と、下死
点位置から上死点位置に向けて摺動変位する油液の吐出
行程とを行なう。
【0033】13はケーシング1のフロントケーシング
3側に傾転可能に設けられた斜板で、該斜板13は、表
面側がシュー12に対する摺接面13Aとなり、裏面側
はフロントケーシング3との間に配設された傾転支持部
材14の凹湾曲面14Aに摺動可能に嵌合している。そ
して、斜板13は、シュー12が摺接面13A上を摺動
することによりピストン11を第1,第2シリンダ7,
9内でストロークさせるものである。
【0034】15はリアケーシング4側に固定して設け
られた弁板で、該弁板15は、円板状に形成され、シリ
ンダブロック6の摺接面6Aに摺接している。また、弁
板15には、基準円Rに沿って円弧状に延びる眉形状を
なした単一の吸入ポート16と、後述の吐出ポート17
とが穿設され、吸入ポート16はシリンダポート8,1
0に同時に連通するものである。
【0035】17は吸入ポート16と径方向で対向して
弁板15に穿設された吐出ポートで、該吐出ポート17
は、第1の吐出ポート部となる外側ポート部18と第2
の吐出ポート部となる内側ポート部19とにより構成さ
れている。
【0036】ここで、外側ポート部18と内側ポート部
19は、弁板15の径方向に互いに離間して周方向に延
びる眉形状の長穴として形成されている。また、外側ポ
ート部18は、第1シリンダ7のシリンダポート8と対
応して基準円Rよりも径方向外側に配置されると共に、
内側ポート部19は、第2シリンダ9のシリンダポート
10と対応して基準円Rよりも径方向内側に配置されて
いる。
【0037】そして、各ピストン11が第1,第2シリ
ンダ7,9内を上死点位置から下死点位置へとストロー
クする吸入行程では、両方のシリンダポート8,10が
吸入ポート16と連通し、吸入ポート16から第1,第
2シリンダ7,9内に油液が吸入まれる。
【0038】また、各ピストン11が第1,第2シリン
ダ7,9内を下死点位置から上死点位置へとストローク
する吐出行程では、シリンダポート8、シリンダポート
10がそれぞれ吐出ポート17の外側ポート部18、内
側ポート部19と個別に連通し、これにより第1,第2
シリンダ7,9内の油液はそれぞれ外側ポート部18、
内側ポート部19に向けて別々に吐出される。
【0039】20はリアケーシング4に設けられた1個
の吸入通路で、該吸入通路20は、一端側が吸入ポート
16と連通し、他端側は外部のタンクに配管(いずれも
図示せず)を介して接続されるものである。
【0040】21,22はリアケーシング4に設けられ
た2個の吐出通路で、該吐出通路21,22のうち一方
の吐出通路21は、一端側が吐出ポート17の外側ポー
ト部18と連通し、他端側は油圧アクチュエータに配管
(いずれも図示せず)等を介して接続されている。ま
た、他方の吐出通路22は、一端側が吐出ポート17の
内側ポート部19と連通し、他端側は他の油圧アクチュ
エータに配管(いずれも図示せず)等を介して接続され
ている。
【0041】なお、23,24はシリンダ穴2A,2B
内に摺動可能に挿嵌された傾転制御ピストンで、該傾転
制御ピストン23,24は、その先端側が斜板13に常
時押付けられた状態で当接している。そして、傾転制御
ピストン23,24は、シリンダ穴2A,2B内に外部
から傾転制御圧が給排されることにより、シリンダ穴2
A,2Bから斜板13側に向けて進退し、斜板13を傾
転駆動する構成となっている。また、25はシュー12
を斜板13に対して当接状態に保持するためのシュ−押
えである。
【0042】本実施の形態による可変容量型斜板式油圧
ポンプは上述の如き構成を有するもので、次にその作動
について説明する。
【0043】まず、原動機によって回転軸5を回転駆動
すると、シリンダブロック6が回転軸5と共に回転し、
ピストン11の先端に設けたシュー12が斜板13上を
摺動する。そして、このときに各ピストン11は、第
1,第2シリンダ7,9内を上死点位置から下死点位置
へとストロークする吸入行程と、第1,第2シリンダ
7,9内を下死点位置から上死点位置へとストロークす
る吐出行程とを繰返す。
【0044】この結果、タンク内の油液を、吸入通路2
0、吸入ポート16を通じてシリンダポート8,10か
ら第1,第2シリンダ7,9内に吸入つつ、この吸入し
た油液を、圧油として第1,第2シリンダ7,9内から
吐出ポート17(外側ポート部18、内側ポート部1
9)を通じて別々の吐出通路21,22に吐出させ、複
数の油圧アクチュエータを独立して作動させる。
【0045】また、当該油圧ポンプのポンプ容量(圧油
の吐出量)を調整する場合には、傾転制御ピストン2
3,24によって斜板13の傾転角を変更し、各ピスト
ン11のストローク量を増,減させることにより、ポン
プ容量を可変に制御する。
【0046】次に、前述の如く吐出ポート17の外側ポ
ート部18、内側ポート部19から圧油が吐出されると
きの圧油の脈動特性について、図4ないし図6を参照し
て説明する。
【0047】なお、図4ないし図6において、横軸は、
シリンダブロック6が図2に示す位置から矢示A方向へ
と時計廻りに回転したときの回転角を示している。ま
た、図4、図5において、縦軸は、第1,第2シリンダ
7,9から吐出ポート17に向けて吐出される圧油の吐
出流量を示し、図6において、縦軸は、吐出ポート17
側で圧油の脈動により発生する振動の大きさを示してい
る。
【0048】また、図4、図5中に細線で示す特性線F
A ,GA は、第1,第2シリンダ7A,9Aから吐出さ
れる圧油の脈動特性を示し、点線で示す特性線FB ,G
B は、第1,第2シリンダ7B,9Bから吐出される圧
油の脈動特性を示している。また、図4、図5中に一点
鎖線で示す特性線FC ,GC は、第1,第2シリンダ7
C,9Cから吐出される圧油の脈動特性を示し、二点鎖
線で示す特性線FD ,GD は、第1,第2シリンダ7
D,9Dから吐出される圧油の脈動特性を示している。
【0049】さらに、図4中に実線で示す特性線Fは、
特性線FA ,FB ,FC ,FD を合成したものであり、
図5中に実線で示す特性線Gは、特性線GA ,GB ,G
C ,GD を合成したものである。
【0050】そして、特性線Fからも明らかなように、
吐出ポート17の外側ポート部18から圧油が吐出され
るときには、一定の波長λ(λ=π/2)をもった脈動
が生じ、これに伴って、外側ポート部18側では図6中
に点線で示す特性線fの如く特性線Fと対応した振動が
発生する。また、内側ポート部19から圧油が吐出され
るときにも、特性線Gの如く一定の波長λをもった脈動
が生じ、内側ポート部19側では図6中に一点鎖線で示
す特性線gの如く特性線Gと対応した振動が発生する。
【0051】そこで、本実施の形態では、吐出ポート1
7の外側ポート部18と連通する第1シリンダ7の個数
と、内側ポート部19と連通する第2シリンダ9の個数
とを互いに同数で、かつ偶数個(2N個)に設定する構
成としている。これにより、図4、図5に示すように特
性線Fの波形と特性線Gの波形を、波長λの約半分(λ
/2)の位相差をもって互いにずらすことができる。
【0052】かくして、本実施の形態では、第1,第2
シリンダ7,9内の油液が吐出ポート17の外側ポート
部18、内側ポート部19から吐出されるときには、外
側ポート部18側で発生する特性線fによる振動と、内
側ポート部19側で発生する特性線gによる振動を互い
に打消し合い、図6中に実線で示す特性線hの如く小さ
く抑えることができる。
【0053】一方、図7に示す比較例のように、第1シ
リンダ7A′,7B′,7C′(以下、全体として第1
シリンダ7′という)の個数と、第2シリンダ9A′,
9B′,9C′(以下、全体として第2シリンダ9′と
いう)の個数をそれぞれ奇数個(3個)とし、これに対
応して第1,第2のシリンダポート8′,10′の個数
を奇数個(3個)とした場合、吐出ポートから吐出され
る圧油の脈動特性について、図8ないし図10を参照し
て説明する。
【0054】なお、図8ないし図10において、横軸
は、シリンダブロック6′が図7に示す位置から矢示A
方向へと時計廻りに回転したときの回転角を示してい
る。また、図8、図9において、縦軸は、第1,第2シ
リンダ7′,9′から吐出ポートに向けて吐出される圧
油の吐出流量を示し、図10において、縦軸は、吐出ポ
ート側で圧油の脈動により発生する振動の大きさを示し
ている。
【0055】また、図8、図9中に点線で示す特性線I
A ,JA は、第1,第2シリンダ7A′,9A′から吐
出される圧油の脈動特性を示し、一点鎖線で示す特性線
IBJB は、第1,第2シリンダ7B′,9B′から吐
出される圧油の脈動特性を示している。また、図8、図
9中に二点鎖線で示す特性線IC ,JC は、第1,第2
シリンダ7C′,9C′から吐出される圧油の脈動特性
を示している。
【0056】さらに、図8中に実線で示す特性線Iは、
特性線IA ,IB ,IC を合成したもので、図9中に実
線で示す特性線Jは、特性線JA ,JB ,JC を合成し
たものである。
【0057】そして、この比較例では、シリンダポート
8′,10′の個数を、互いに同数でかつ奇数個(3
個)に設定しているため、図8、図9に示すように特性
線I,Jの波形は同一の波長λ′(λ′=π/3)を有
し、かつ互いの位相差がほぼ零に設定される。
【0058】この結果、外側ポート部側、内側ポート部
側では、それぞれ図10中に点線で示す特性線i,jの
如く特性線I,Jと対応した振動が発生し、これら特性
線i,jによる振動が互いに重なり合い、図10中に実
線で示す特性線kの如く振動が増大することになる。
【0059】従って、本実施の形態では、第1,第2シ
リンダ7,9の個数を偶数個の設定したから、比較例の
ように第1,第2シリンダ7′,9′の個数を奇数個に
設定した場合と比較して、低振動化、低騒音化を図るこ
とができ、当該油圧ポンプの性能を高めることができ
る。
【0060】なお、実施の形態では、第1,第2シリン
ダの個数をそれぞれ4個に設定する構成とした場合を例
に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、第1,第
2シリンダの個数を、例えば、2個、6個等に設定して
もよい。そして、この場合でも、吐出ポートの外側ポー
ト部側での圧油の脈動による波形と内側ポート部側での
圧油の脈動による波形とは、同一の波長を有し、かつこ
の波長の半分だけ位相を互いにずらすことができ、低騒
音化、低振動化を図ることができる。
【0061】また、実施の形態では、第1シリンダ7と
第2シリンダ9を互いに同一の基準円Rに沿って配置す
る場合を例に挙げて説明したが、これに替えて、例えば
第1シリンダ7を基準円Rに対して径方向外側(内側)
に偏心して配置し、第2シリンダ9を基準円Rに対して
径方向内側(外側)に偏心して配置する構成としてもよ
い。
【0062】さらに、実施の形態では、アキシャルピス
トン式油圧ポンプとして、斜板式油圧ポンプを例に挙げ
て説明したが、本発明はこれに限ることなく、例えば斜
軸式油圧ポンプに適用してもよい。
【0063】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に記載の発
明では、吐出ポートを径方向に互いに離間した第1,第
2の吐出ポート部により構成し、シリンダブロックには
合計4N個のシリンダを設け、これらのシリンダのうち
第1の吐出ポート部に連通する第1グループのシリンダ
の個数を2N個に設定し、第2の吐出ポート部に連通す
る第2グループのシリンダの個数を2N個に設定する構
成としたので、第1グループのピストンにより第1の吐
出ポート部から吐出される圧油の脈動波形と、第2グル
ープのピストンにより第2の吐出ポート部から吐出され
る圧油の脈動波形とを半波長分だけずらすことができ
る。
【0064】これにより、第1,第2の吐出ポート側で
それぞれ圧油の脈動に起因して生じる振動を互いに打消
し合い、低振動化、低騒音化を図ることができ、当該ア
キシャルピストン式油圧ポンプの性能を高めることがで
きる。
【0065】また、請求項2の発明のように、第1グル
ープのシリンダと第2グループのシリンダは同一円周上
に一定の間隔をもって配置する構成とした場合には、第
1グループのシリンダと第2グループのシリンダを互い
に径方向に離間して配置した場合と比較して、シリンダ
ブロックを径方向に小型化して形成することができる。
【0066】さらに、請求項3の発明のように、吸入ポ
ートを、第1,第2のシリンダポート部に同時に連通す
る単一のポートにより構成した場合には、弁板には、吸
入ポートを第1,第2のシリンダポート部と対応した位
置に別々に分けて形成する必要がなくなり、弁板の加工
性等を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による可変容量型斜板式油
圧ポンプを示す縦断面図である。
【図2】回転軸、シリンダブロックおよび第1,第2の
シリンダポートを図1中の矢示II−II方向から拡大して
みた横断面図である。
【図3】回転軸、弁板を図1中の矢示III −III 方向か
ら拡大してみた横断面図である。
【図4】実施の形態によるシリンダブロックの回転角と
第1シリンダからの圧油の吐出流量との関係を示す特性
線図である。
【図5】実施の形態によるシリンダブロックの回転角と
第2シリンダからの圧油の吐出流量との関係を示す特性
線図である。
【図6】実施の形態によるシリンダブロックの回転角と
吐出ポート側で発生する振動との関係を示す特性線図で
ある。
【図7】比較例による回転軸、シリンダブロックおよび
第1,第2のシリンダポートを図2と同様位置からみた
横断面図である。
【図8】比較例によるシリンダブロックの回転角と第1
シリンダからの圧油の吐出流量との関係を示す特性線図
である。
【図9】比較例によるシリンダブロックの回転角と第2
シリンダからの圧油の吐出流量との関係を示す特性線図
である。
【図10】比較例によるシリンダブロックの回転角と吐
出ポート側で発生する振動との関係を示す特性線図であ
る。
【符号の説明】
1 ケーシング 5 回転軸 6 シリンダブロック 7 第1シリンダ(第1グループのシリンダ) 8 第1のシリンダポート 9 第2シリンダ(第2グループのシリンダ) 10 第2のシリンダポート 11 ピストン 15 弁板 16 吸入ポート 17 吐出ポート 18 外側ポート部(第1の吐出ポート部) 19 内側ポート部(第2の吐出ポート部) R 基準円
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H070 AA01 BB04 CC03 CC37 DD01 DD11 DD68 3H071 AA03 BB01 CC23 CC47 DD01 DD06 DD11 DD32 DD35

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシング内に回転可
    能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するよ
    うに前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方
    向に伸長する複数のシリンダを有するシリンダブロック
    と、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿
    嵌された複数のピストンと、前記シリンダブロックの端
    面に摺接して前記ケーシング側に設けられ前記各シリン
    ダと間欠的に連通する吸入ポート,吐出ポートが穿設さ
    れた弁板とを備えてなるアキシャルピストン式油圧ポン
    プにおいて、 前記弁板の吐出ポートは弁板の周方向に延び径方向で互
    いに離間した第1,第2の吐出ポート部により構成し、 前記シリンダブロックには、合計4N個のシリンダを2
    N個からなる第1,第2グループのシリンダに互い違い
    に分けて設け、 前記シリンダブロックには、該第1グループのシリンダ
    を前記第1の吐出ポート部に連通する第1のシリンダポ
    ート部と前記第2グループのシリンダを前記第2の吐出
    ポート部に連通する第2のシリンダポートとを径方向に
    互いに離間して設ける構成としたことを特徴とするアキ
    シャルピストン式油圧ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記第1グループのシリンダと第2グル
    ープのシリンダは同一円周上に一定の間隔をもって配置
    する構成としてなる請求項1に記載のアキシャルピスト
    ン式油圧ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記吸入ポートは、前記第1,第2のシ
    リンダポート部に同時に連通する単一のポートにより構
    成してなる請求項1または2に記載のアキシャルピスト
    ン式油圧ポンプ。
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