JP2652422B2 - 静油圧式無段変速機 - Google Patents

静油圧式無段変速機

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JP2652422B2
JP2652422B2 JP20783288A JP20783288A JP2652422B2 JP 2652422 B2 JP2652422 B2 JP 2652422B2 JP 20783288 A JP20783288 A JP 20783288A JP 20783288 A JP20783288 A JP 20783288A JP 2652422 B2 JP2652422 B2 JP 2652422B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、油圧ポンプ及び油圧モータ間を油圧閉回路
を介して接続してなる静油圧式無段変速機に関する。
(2) 従来の技術 本出願人は、油圧ポンプ及び油圧モータ間で作動油の
授受を確実に行い得て伝動効率の高い静油圧式無段変速
機として、油圧ポンプのシリンダ及び油圧モータのモー
タシリンダを相互に結合してシリンダブロックを構成
し、ポンプシリンダの環状に配列される多数のシリンダ
孔とモータシリンダの環状に配列された多数のシリンダ
孔との間に、環状の内側油路及び該油路を囲繞する環状
の外側油路を形成すると共に、半径方向外方位置及び内
方位置間を往復動してポンプシリンダの多数のシリンダ
孔をそれぞれ前記両油路に交互に連通される多数の第1
分配弁と、同じく半径方向外方位置及び内方位置間を往
復動してモータシリンダの多数のシリンダ孔をそれぞれ
前記両油路に交互に連通させる多数の第2分配弁とをそ
れぞれ放射状に配設し、各第1分配弁の外端には、シリ
ンダブロックと油圧ポンプの入力部材との相対回転に伴
い該分配弁に往復動を与える第1偏心輪を係合し、また
各第2分配弁の外端には、シリンダブロックの回転に伴
い該分配弁に往復動を与える第2偏心輪を係合し、ポン
プシリンダの各シリンダ孔を、その吐出行程では一方の
油路に、吸入行程では他方の油路に連通させ、またモー
タシリンダの各シリンダ孔を、その膨脹行程では前記一
方の油路に、収縮行程では前記他方の油路に連通させる
ようにしたものを、既に提案している(特開昭62−4963
号公報参照)。
(3) 発明が解決しようとする課題 上記のような静油圧式無段変速機の構成では、第1及
び第2分配弁を駆動する第1及び第2偏心輪はシリンダ
ブロックの外周に集中して配設されるので、シリンダブ
ロック周りが太くなり、これが変速機のコンパクト化を
図る上で障害となっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、伝動
効率が高く、しかもコンパクトな静油圧式無段変速機を
提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、油圧ポンプの
ポンプシリンダと油圧モータのモータシリンダとを結合
してシリンダブロックを構成し、このシリンダブロック
には、ポンプシリンダの環状に配列された多数のシリン
ダ孔とモータシリンダの環状に配列された多数のシリン
ダ孔との間において環状の内側油路及び該油路を囲繞す
る環状の外側油路を設けると共に、半径方向外方位置及
び内方位置間を往復動してポンプシリンダの多数のシリ
ンダ孔をそれぞれ前記両油路に交互に連通させる多数の
第1分配弁と、同じく半径方向外方位置及び内方位置間
を往復動してモータシリンダの多数のシリンダ孔をそれ
ぞれ前記両油路に交互に連通させる多数の第2分配弁と
をそれぞれ放射状に配設し、第1分配弁を駆動する第1
弁駆動手段及び第2分配弁を駆動する第2弁駆動手段の
一方をシリンダブロックの内側に、他方に外側にそれぞ
れ配設したことを特徴とする。
(2) 作用 油圧ポンプの回転に伴い第1弁駆動手段が第1分配弁
を駆動すると、油圧ポンプの吐出行程にあるシリンダ孔
は高圧の作動油を第1分配弁を介して一方の油路へ吐出
し、また吸入行程にあるシリンダ孔は他方の油路から作
動油を吸入する。
一方、油圧モータの回転に伴い第2弁駆動手段が第2
分配弁を駆動すると、油圧モータの膨脹行程にあるシリ
ンダ孔は前記一方の油路から高圧の作動油を供給され、
また収縮行程にあるシリンダ孔は膨脹仕事を終えた作動
油を前記他方の油路へ排出する。
こうして、油圧ポンプ及び油圧モータ間で作動油の授
受が繰返されて、油圧ポンプから油圧モータへの動力伝
達が行われる。
前記第1及び第2弁駆動手段は、一方がシリンダブロ
ックの内側に、他方が外側にそれぞれ配設されるので、
これらの集中配置が避けられる。
(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明す
る。先ず第9図において、Uは自動車用パワーユニット
で、エンジンE、本発明の静油圧式無段変速機T及び差
動装置DfをケーシングCに収容、支持して構成される。
エンジンEのクランク軸1と、その右端側に同軸配置
される無段変速機Tの入力軸2とはトルクダンパDを介
して連結される。また、無段変速機Tの出力部としての
出力歯車3は差動装置Dfのリングギヤと噛合される。差
動装置Dfの左右の駆動軸4,4′はクランク軸1及び入力
軸2と平行に配置され、図示しない左右の車軸を駆動す
るようになっている。
第1図及び第2図において、前記無段変速機Tは、入
力軸2周りに配設される定容量型の斜板式油圧ポンプP
と、その左側で入力軸2周りに配設される可変容量型の
斜板式油圧モータMとからなっている。
油圧ポンプPは、入力軸2を同心で囲繞するポンプシ
リンダ7と、このポンプシリンダ7にその回転中心を囲
むように設けられた環状配列の多数且つ奇数のシリンダ
孔8,8…にそれぞれ摺合される多数のポンププランジャ
9,9…と、これらポンププランジャ9,9…の外端に当接す
るポンプ斜板10と、このポンプ斜板10をポンプシリンダ
7の軸線と直交する仮想トラニオン軸線O1を中心にして
ポンプシリンダ7の軸線に対し一定角度傾斜させた状態
に保持すべく該斜板10の背面をスラストローラベアリン
グ11を介して支承するポンプ斜板ホルダ12とから構成さ
れる。ポンプシリンダ7はボールベアリング6を介して
ケーシングCに回転自在に支承されると共に、入力軸2
によってもニードルベアリング13を介して相対回転自在
に支承される。このポンプシリンダ7の外周に前記出力
歯車3がボールベアリング6に近接して固着される。ま
たポンプ斜板ホルダ12は、後述する補給ポンプ38を駆動
する駆動ギヤ39と共に入力軸2にスプライン結合され
る。
而して、ポンプ斜板10は、入力軸2の回転時、ポンプ
プランジャ9,9…に往復動を与えて吸入及び吐出行程を
繰返させることができる。
前記駆動ギヤ39のボスはケーシングCにボールベアリ
ング41を介して回転自在に支承されると共に、入力軸2
外周面に係止された二つ割コッタ36により軸方向外方へ
の動きを阻止される。
ポンププランジャ9のポンプ斜板10に対する追従性を
良くするために、ポンププランジャ9を伸張方向に付勢
するコイルばね15がシリンダ孔8に縮設される。
一方、油圧モータMは、入力軸2を同心で囲繞し、且
つポンプシリンダ7の左方に配置されるモータシリンダ
17と、このモータシリンダ17にその回転中心を囲むよう
に設けられた環状配列の多数且つ奇数のシリンダ孔18,1
8…にそれぞれ摺合される多数のモータプランジャ19,19
…と、これらモータプランジャ19,19…の外端に当接す
るモータ斜板20と、このモータ斜板20の背面を平坦面で
スラストローラベアリング21を介して支承する断面半月
状のトラニオン軸22と、更にこのトラニオン軸22の円筒
面を回転自在に支承する斜板アンカ23とから構成され
る。斜板アンカ23は、その右端に連なる筒状のシリンダ
ホルダ24と共にケーシングCにボルト26で固着される。
モータシリンダ17は、上記シリンダホルダ24にボール
ベアリング25を介して回転自在に支承されると共に、そ
の中心部を貫通する入力軸2によってもニードルベアリ
ング14を介して相対回転自在に支承される。
トラニオン軸22の所定角度の回転を許容しつつその軸
方向移動を阻止するために、斜板アンカ23に穿設され
た、トラニオン軸22の軸線O2を中心とする円弧状長孔28
を通してボルト29がトラニオン軸22の一端面に固着され
る(第2図及び第8図参照)。
モータ斜板20は、モータシリンダ17の軸線に対し直角
となる直立位置と、或る角度で傾倒する最大傾斜位置と
の間をトラニオン軸22の回転によって作動されるように
なっており、その傾斜状態では、モータシリンダ17の回
転に伴いモータプランジャ19,19…に往復動を与えて膨
脹及び収縮行程を繰返させることができる。
モータプランジャ19のモータ斜板20に対する追従性を
良くするために、モータプランジャ19を伸長方向に付勢
するコイルばね30がシリンダ孔18に縮設される。
ポンプシリンダ7及びモータシリンダ17は相互に一体
化されてシリンダブロックBを構成する。このシリンダ
ブロックBは、入力軸2の外周に突設されたフランジ31
と、入力軸2の外周面に係止された座板33とに挟まれて
軸方向の動きを阻止される。これらフランジ31及び座板
33は入力軸2及びシリンダブロックBの相対回転を妨げ
ないよう、耐摩耗性及び潤滑性に富む表面処理が施さ
れ、またはフランジ31及び座板33とシリンダブロックB
との間にワッシャが介装される。
入力軸2の左端部はモータ斜板20、トラニオン軸22及
び斜板アンカ23を貫通するように延びており、この左端
部外周にスプライン結合され且つ2つ割コッタ44で固着
される支持筒45と斜板アンカ23との間には、斜板アンカ
23側からリテーナ46及びスラストローラベアリング47が
順次介装される。この入力軸2の左端部は、ニードルベ
アリング48及び前記リテーナ46を介して斜板アンカ23に
回転自在に支承される。
入力軸2には、ポンプ斜板10の内周面と相対的に全方
向傾動可能に係合する半球状の調心体50と、モータ斜板
20の内周面と相対的に全方向傾動可能に係合する半球状
の調心体51とが嵌合され、これらによってポンプ斜板10
及びモータ斜板20に調心作用が与えられる。
各斜板10,20の調心作用を強化し、しかもポンプ斜板1
0とポンププランジャ9,9…群、モータ斜板20とモータプ
ランジャ19,19…群の各間の回転方向の滑りを防止する
ために、各斜板10,20には、対応するプランジャ9,19の
球状端部9a,19aを係合させる球状凹部10a,20aがそれぞ
れ形成される。
油圧ポンプP及び油圧モータM間には、次のようにし
て油圧閉回路が形成される。
シリンダブロックBには、ポンプシリンダ7のシリン
ダ孔8,8…群とモータシリンダ17のシリンダ孔18,18…群
との間において、入力軸2を中心にして同心的に並ぶ環
状の内側油路52及び外側油路53と、両油路52,53間の環
状隔壁及び外側油路53の外周壁を放射状に貫通する、シ
リンダ孔8,8…及び18,18…とそれぞれ同数の第1弁孔5
4,54…及び第2弁孔55,55…と、相隣るシリンダ孔8,8…
及び第1弁孔54,54…を相互に連通する多数のポンプポ
ートa,a…と、相隣るシリンダ孔18,18…及び第2弁孔5
5,55…を相互に連通する多数のモータポートb,b…とが
設けられる。
前記内側油路52は、シリンダブロックB及び入力軸2
との各対向周面に環状溝として形成され、この内側油路
52からの漏油を防ぐために、内側油路52の左右両側で入
力軸2及びシリンダブロックB間に回転摺動型の一対の
シールリング43,43が介装される。
また、前記外側油路53は、シリンダブロックBの外周
に削成された環状溝として形成され、この環状溝の開放
面は、シリンダブロックBの外周面に溶接されるスリー
ブ60により閉じられる。
前記第1弁孔54,54…にはスプール型の第1分配弁61,
61…が、また前記第2弁孔55,55…には同じくスプール
型の第2分配弁62,62…がそれぞれ摺合される。
第1分配弁61,61…の内端には、それらに囲繞される
ように入力軸2の中間部に形成された第1弁駆動手段と
しての偏心軸63が係合され、この係合を強制するため
に、偏心軸63と同心関係の強制輪67が第1分配弁61,61
…の外端に係合される。
また第2分配弁62,62…の外端にはそれらを囲繞する
第2弁駆動手段としての偏心輪64がボールベアリング66
を介して係合され、それらの係合を強制するために、第
2分配弁62,62…の外端部相互は偏心輪64と同心関係の
強制輪68によりそれぞれ連結される。
第3図に示すように、前記偏心軸63は、偏心方向線X1
に沿って入力軸2の中心から所定距離ε偏心した位置
を占める。上記偏心方向線X1は、ポンプ斜板10の仮想ト
ラニオン軸線O1から入力軸2の回転方向Rへ一定角度θ
遅角した位置に設定される。
而して、入力軸2とポンプシリンダ7間に相対回転が
生じると、各第1分配弁61は、偏心軸63により第1弁孔
54において偏心量εの2倍の距離をストロークとして
ポンプシリンダ7の半径方向内方位置及び外方位置間を
往復動される。
第6図において、油圧ポンプPの吐出領域をD、吸入
領域をSで示す。吐出領域Dでは、第1分配弁61は偏心
方向線X1と直交する位置N1(以下、偏心中立位置とい
う)から前記内方位置側を移動していて、対応するポン
プポートaを外側油路53に連通すると共に内側油路52と
不通にし、吐出行程中のポンププランジャ9によりシリ
ンダ孔8から外側油路53へ作動油が圧送される。
吸入領域Sでは、第1分配弁61が、偏心中立位置N1
ら前記外方位置側を移動していて、対応するポンプポー
トaを内側油路52に連通すると共に外側油路53と不通に
し、吸入行程中のポンププランジャ9により内側油路52
からシリンダ孔8に作動油が吸入される。
油圧ポンプPの吐出領域Dは、偏心方向線X1を仮想ト
ラニオン軸線O1に合致させた場合に比べ角度θだけ遅
角され、また吸入領域Sは吐出領域Dよりも広角に設定
される。
偏心輪64は、第1図、第2図及び第4図に示すよう
に、シリンダホルダ24に入力軸2と平行な枢軸76を介し
てクラッチオン位置nとクラッチオフ位置fとの間を揺
動し得るように連結される。
上記偏心輪64の偏心方向線X2は、トラニオン軸線O2
らモータシリンダ17の回転方向Rに一定角度θ進角さ
せた位置に設定され、その偏心量は、クラッチオン位置
nではεであり、クラッチオフ位置fではεより大
なるεである。
而して、偏心輪64がクラッチオン位置nを占めると
き、モータシリンダ17が回転すると、各第2分配弁62
は、偏心輪64により、第2弁孔55において偏心量ε
2倍の距離をストロークとしてモータシリンダ17の半径
方向内方位置及び外方位置間を往復動される。
第5図において、油圧モータMの膨脹領域をEx、収縮
領域をShで示す。膨脹領域Exでは、第2分配弁62は偏心
中立位置N2から前記内方位置側を移動していて、対応す
るモータポートbを外側油路53に連通すると共に内側油
路52を不通にし、外側油路53から膨脹行程中のモータプ
ランジャ19のシリンダ孔18に高圧の作動油が供給され
る。
収縮領域Shでは、第2分配弁62は偏心中立位置N2から
前記外方位置側を移動していて、対応するモータポート
bを内側油路52に連通すると共に外側油路53と不通に
し、収縮行程中のモータプランジャ19のシリンダ孔18か
ら内側油路52へ作動油が排出される。
また偏心中立位置N2では、第2分配弁62は対応するモ
ータポートbを両油路52,53と不通にする。
油圧モータMの膨脹領域Exは、偏心方向線X2をトラニ
オン軸線O2に合致させた場合に比べ角度θだけ進角さ
れ、また収縮領域Shは膨脹領域Exよりも広角に設定され
る。
また偏心輪64がクラッチオフ位置fを占めるとき、モ
ータシリンダ17が回転すると、第6図に示すように各第
2分配弁62は、偏心輪64により、第2弁孔55において偏
心量εの2倍の距離をストロークとしてモータシリン
ダ17の半径方向内方位置及び外方位置間を往復動され、
その内方及び外方位置では、第2分配弁62は外側油路53
をシリンダブロックB外に開放するようになっている。
前記ポンプポートaは、1本のシリンダ孔8につき一
対、第1分配弁61の摺動方向と直角の方向に並んで設け
られる。また前記モータポートbも、1本のシリンダ孔
18につき一対、第2分配弁62の摺動方向と直角の方向に
並んで設けられる。このようにすると、ポンプポートa
及びモータポートbの総合通路面積を大きく確保しつつ
各分配弁61,62の比較的短いストロークを以て対応する
ポートa,bの開閉が可能となる。
再び第4図において、偏心輪64には、その枢軸76と反
対側の周壁に当接板79がビス80で固着され、ケーシング
Cに軸支されるカム軸81がこの当接板79に、これを偏心
輪64のクラッチオフ位置fに向かって押動し得るように
係合される。このカム軸81の外端に固着されたクラッチ
レバー82に操作ワイヤ83が接続されると共にクラッチレ
バー82とケーシングC間に該レバー82の戻しばね84が縮
設される。また、偏心輪64はセットばね85によりクラッ
チオン位置n側に付勢される。上記セットばね85は、偏
心輪64の外周にビス86で固着されたリテーナ87と前記支
持環75との間に縮設される。以上において、カム軸81及
びセットばね85は、偏心輪64による第2分配弁62,62…
の往復動量を変える往復動量変換手段を構成する。
而して、偏心輪64は、通常はセットばね85の力により
クラッチオン位置nに保持されるが、操作ワイヤ83の牽
引操作によりカム軸81が矢印のように回動されるとクラ
ッチオフ位置fへ揺動される。
偏心輪64をクラッチオン位置nに保持した状態で入力
軸2から油圧ポンプPのポンプ斜板ホルダ12を回転する
と、ポンプ斜板10によりポンププランジャ9,9…に吐出
及び吸入行程が交互に与えられる。
そしてポンププランジャ9は、吐出領域Dを通過する
間、シリンダ孔8から外側油路53に作動油を圧送し、ま
た吸入領域Sを通過する間、内側油路52からシリンダ孔
8に作動油を吸入する。
外側油路53に送られた高圧の作動油は、油圧モータM
の膨脹領域Exに存するモータプランジャ19のシリンダ孔
18に供給される一方、収縮領域Shに存するモータプラン
ジャ19によりそのシリンダ孔18から内側油路52へ作動油
が排出される。
この間に、ポンプシリンダ7が吐出行程のポンププラ
ンジャ9を介してポンプ斜板10から受ける反動トルク
と、モータシリンダ17が膨脹行程のモータプランジャ19
を介してモータ斜板20から受ける反動トルクとの和によ
って、シリンダブロックBは回転され、その回転トルク
は出力歯車3から差動装置Dfへ伝達される。
その際、出力歯車3は、シリンダブロックBを支承す
るボールベアリング6に近接して配置されているから、
出力歯車3が作動装置Dfから受ける駆動反力をボールベ
アリング6を介してケーシングCに確実に支承させるこ
とができ、駆動反力によるシリンダブロックBの傾きを
防止し得る。
入力軸2に対する出力歯車3の変速比は次式によって
与えられる。
したがって、油圧モータMの容量を零から或る値に変
えれば、変速比を1から或る必要な値まで変えることが
できる。しかも、その油圧モータMの容量はモータプラ
ンジャ19のストロークにより決定されるので、モータ斜
板20の直立位置から或る傾斜位置まで傾動させることに
より変速比を1から或る値まで無段階に制御することが
できる。
ところで、油圧ポンプPにおいては、吸入領域Sを吐
出領域Dより広角に設定したので、吸入行程のポンププ
ランジャ9の背圧が吐出行程のポンププランジャ9のそ
れに比べて遥かに低くても、シリンダ孔8の吸入効率を
効果的に上げることができる。その結果、吐出領域Dを
多少犠牲にしても全体として油圧ポンプPの効率を向上
させることができる。
尚、その効率を極力高めるには、吸入領域Sを180゜
とすることが最も良い。
また、吐出領域Dは、偏心軸63の偏心方向線X1を仮想
トラニオン軸線O1に合致させた場合に比べて角度θ
け遅角させたので、ポンププランジャ9は最伸長点を過
ぎて或る量収縮したときからポンプ斜板10から大なる圧
縮荷重を受けることになる。その結果、ポンププランジ
ャ9に生じる最大曲げモーメントが減少するため、ポン
ププランジャ9とシリンダ孔8開口縁との間のこじり現
象が緩和され、その現象による摩擦損失が著しく減少す
る。
一方、油圧モータMにおいては、収縮領域Shを膨脹領
域Exより広角に設定したので、収縮行程中のモータプラ
ンジャ19の背圧を充分に下げることができ、膨脹領域Ex
を多少犠牲にしても、全体として油圧モータMの効率を
向上させることができる。
尚、その効率を極力高めるには、収縮領域Shを180゜
とすることが最も良い。
また、膨脹領域Exは、偏心輪64の偏心方向線X2をトラ
ニオン軸線O2に合致させた場合に比べ角度θだけ進角
させたので、膨脹行程のモータプランジャ19は最伸長点
に達する以前に早期にモータ斜板20のスラスト反力から
解放されることになる。その結果、モータプランジャ19
に生じる最大曲げモーメントが減少するため、モータプ
ランジャ19とシリンダ孔18開口縁との間のこじり現象が
緩和され、その現象による摩擦損失が著しく減少する。
このような運転中、偏心輪64をクラッチオフ位置fへ
揺動させれば、第2分配弁62により高圧の外側油路53が
シリンダブロックB外に開放されるので、油圧モータM
には高圧の作動油が供給されなくなり、油圧ポンプPと
油圧モータM間の動力伝達は遮断される。即ち、所謂ク
ラッチオフ状態が得られる。
油圧ポンプP及び油圧モータMの作動中、ポンプ斜板
10はポンププランジャ9,9…群から、またモータ斜板20
はモータプランジャ19,19…群からそれぞれ反対方向の
スラスト荷重を受けるが、ポンプ斜板10が受けるスラス
ト荷重はスラストローラベアリング11、ポンプ斜板ホル
ダ12、駆動ギヤ39及びコッタ36を介して入力軸2に支承
され、またモータ斜板20が受けるスラスト荷重はスラス
トローラベアリング21、トラニオン軸22、斜板アンカ2
3、スラストローラベアリング47、支持筒45及びコッタ4
4を介して同じく入力軸2に支承される。したがって、
上記スラスト荷重は、入力軸2に引張応力を生じさせる
だけで、該軸2を支持するケーシングCには全く作用し
ない。
このような静油圧式無段変速機Tにおいて、第1分配
弁61,61…を駆動する偏心軸63即ち第1弁駆動手段はシ
リンダブロックBの内側に、また第2分配弁62,62…を
駆動する偏心輪64即ち第2弁駆動手段はシリンダブロッ
クBの外側にそれぞれ配設されるので、両弁駆動手段の
集中配置が避けられ、変速機Tのコンパクト化を図るこ
とができる。
特に、偏心軸63は、シリンダブロックBを貫通する入
力軸2に形成されるので、シリンダブロックBのポンプ
シリンダ7側外周には広いスペースが確保され、そこに
出力歯車3等をコンパクトに配設することができ、変速
機Tのコンパクト化及びレイアウトの自由度向上に寄与
し得る。
第2図、第7図及び第8図において、前記トラニオン
軸22には、モータ斜板20の角度を制御するための変速制
御装置93が連結される。この変速制御装置93は、トラニ
オン軸22の他端にボルト94と一対のノックピン95,95と
により固着されたセクタギヤ96と、このセクタギヤ96に
噛合するウオームギヤ97と、このウオームギヤ97に駆動
軸98を連結する正,逆転可能の直流伝動モータ99とから
形成され、上記ウオームギヤ97は、ケーシングCにボル
ト100で固着されたギヤボックス101にベアリング102,10
3を介して回転自在に支承される。また電動モータ99の
ステータはケーシングCの適所に固定される。
以上において、セクタギヤ96及びウオームギヤ97は、
駆動軸98の回転を減速してトラニオン軸22へ伝達し得る
が、トラニオン軸22から逆負荷を受けるとロック状態と
なる減速装置106を構成する。
而して、電動モータ99を正転または逆転させれば、そ
の回転はウオームギヤ97からセクタギヤ96へ減速されて
伝達し、さらにトラニオン軸22へ伝達して、これをモー
タ斜板20の起立方向または傾倒方向へ回転させることが
できる。
また、電動モータ99を停止してモータ斜板20を任意角
度に保持したとき、モータ斜板20がモータプランジャ1
9,19…群から起立または傾倒方向のモーメントを受け、
そのモーメントがトラニオン軸22を介してセクタギヤ96
に伝達しても、セクタギヤ96からウオームギヤ97を駆動
することはできないから、両ギヤ96,97はロック状態を
呈してトラニオン軸22の回転を許さず、したがってモー
タ斜板20はそのときの位置に確実に保持される。
電動モータ99によるモータ斜板20の直立位置及び傾倒
位置を規制するために、セクタギヤ96にはそれと同心の
円弧状の規制溝104が穿設されると共に、この規制溝104
に摺動自在に係合するストッパピン105が前記ギヤボッ
クス101に固着される。
再び第1図及び第2図において、入力軸2の中心部に
は、奥が行止まりとなった主油路108が穿設される。こ
の主油路108の開放端はオイルフィルタ109及び補給ポン
プ38を介してケーシングC底部の油溜110と連通され、
補給ポンプ38は前記駆動ギヤ39から駆動される。したが
って、入力軸2の回転中、常に油溜110内の油が補給ポ
ンプ38によりオイルフィルタ109を通して主油路108に給
送される。
主油路108に送られた油は、入力軸2に設けられた半
径方向の補給孔111を介して前記内側油路52へと送られ
る。こうして油圧ポンプP及び油圧モータM間の油圧閉
回路には作動油の漏洩分が補給される。
前記主油路108には、内側油路52からの油の逆流を阻
止する逆止弁112が設けられる。
而して、逆負荷運転時すなわちエンジンブレーキ時に
は、油圧モータMがポンプ作用を行い、油圧ポンプPが
モータ作用を行うようになるので、外側油路53が低圧
に、内側油路52が高圧に変わり、内側油路52から主油路
108へ作動油が逆流しようとするが、その逆流は逆止弁1
12によって阻止される。こうして、油圧モータMから油
圧ポンプPへ逆負荷が確実に伝達され、良好なエンジン
ブレーキ効果が得られる。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、油圧ポンプのポンプシ
リンダと油圧モータのモータシリンダとを結合してシリ
ンダブロックを構成し、このシリンダブロックには、ポ
ンプシリンダの環状に配列された多数のシリンダ孔とモ
ータシリンダの環状に配列された多数のシリンダ孔との
間において環状の内側油路及び該油路を囲繞する環状の
外側油路を設けると共に、半径方向外方位置及び内方位
置間を往復動してポンプシリンダの多数のシリンダ孔を
それぞれ前記両油路に交互に連通させる多数の第1分配
弁と、同じく半径方向外方位置及び内方位置間を往復動
してモータシリンダの多数のシリンダ孔をそれぞれ前記
両油路に交互に連通させる多数の第2分配弁とをそれぞ
れ放射状に配設し、第1分配弁を駆動する第1弁駆動手
段及び第2分配弁を駆動する第2弁駆動手段の一方をシ
リンダブロックの内側に、他方を外側にそれぞれ配設し
たので、ポンプシリンダ及びモータシリンダを相対回転
させることなく、油圧ポンプ及び油圧モータ間の作動油
の授受を行うことができ、しかも往復動する各分配弁で
は作動油の漏油が極めて少なく、高い伝動効率が得られ
る。その上、第1及び第2弁駆動手段の集中配置が避け
られるから、変速機のコンパクト化を図ることができる
と共に、各弁駆動手段の設計の自由度が大きい。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は静油圧
式無段変速機の縦断平面図、第2図は第1図の縦断背面
図、第3図は第1図のIII−III線断面図、第4図は第1
図のIV−IV線断面図、第5図は第1図のV−V線断面図
(クラッチオン状態)、第6図は第5図の作動図(クラ
ッチオフ状態)、第7図は第2図のVII−VII線断面図、
第8図は第2図のVIII矢視図、第9図は前記静油圧式無
段変速機を備える自動車用パワーユニットの要部の縦断
背面図である。 B……シリンダブロック、E……エンジン、M……油圧
モータ、P……油圧ポンプ、T……静油圧式無段変速
機、 1……クランク軸、2……入力軸、3……出力部として
の出力歯車、7……ポンプシリンダ、8……同シリンダ
孔、9……ポンププランジャ、10……ポンプ斜板、12…
…ポンプ斜板ホルダ、17……モータシリンダ、18……同
シリンダ孔、19……モータプランジャ、20……モータ斜
板、52……内側油路、53……外側油路、54……第1弁
孔、55……第2弁孔、61……第1分配弁、62……第2分
配弁、63……第1弁駆動手段としての偏心軸、64……第
2弁駆動手段としての偏心輪、81,85……往復動量変換
手段を構成するカム軸及びセットばね

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧ポンプのポンプシリンダと油圧モータ
    のモータシリンダとを結合してシリンダブロックを構成
    し、このシリンダブロックには、ポンプシリンダの環状
    に配列された多数のシリンダ孔とモータシリンダの環状
    に配列された多数のシリンダ孔との間において環状の内
    側油路及び該油路を囲繞する環状の外側油路を設けると
    共に、半径方向外方位置及び内方位置間を往復動してポ
    ンプシリンダの多数のシリンダ孔をそれぞれ前記両油路
    に交互に連通させる多数の第1分配弁と、同じく半径方
    向外方位置及び内方位置間を往復動してモータシリンダ
    の多数のシリンダ孔をそれぞれ前記両油路に交互に連通
    させる多数の第2分配弁とをそれぞれ放射状に配設し、
    第1分配弁を駆動する第1弁駆動手段及び第2分配弁を
    駆動する第2弁駆動手段の一方をシリンダブロックの内
    側に、他方を外側にそれぞれ配設したことを特徴とす
    る、静油圧式無段変速機。
  2. 【請求項2】第(1)項記載のものにおいて、シリンダ
    ブロックの中心部に、それと相対回転して油圧ポンプを
    駆動する入力軸を配設し、この入力軸に形成された偏心
    軸を多数の第1分配弁の内端に係合して第1弁駆動手段
    を構成したことを特徴とする、静油圧式無段変速機。
  3. 【請求項3】第(1)項記載のものにおいて、第2弁駆
    動手段には、該第2弁駆動手段による第2分配弁の往復
    動量を変え得る往復動量変換手段を連結したことを特徴
    とする、静油圧式無段変速機。
  4. 【請求項4】第(2)項記載のものにおいて、シリンダ
    ブロックに出力部を形成したことを特徴とする、静油圧
    式無段変速機。
  5. 【請求項5】第(1)項記載のものにおいて、第1弁駆
    動手段による第1分配弁の往復動量は不変である、静油
    圧式無段変速機。
  6. 【請求項6】第(1)項記載のものにおいて、第1弁駆
    動手段による第1分配弁の往復動量は不変であり、第2
    弁駆動手段には、該第2弁駆動手段による第2分配弁の
    往復動量を変え得る往復動量変換手段を連結したことを
    特徴とする、静油圧式無段変速機。
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