JP2873682B2 - 遮音性排水管 - Google Patents
遮音性排水管Info
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- JP2873682B2 JP2873682B2 JP9091402A JP9140297A JP2873682B2 JP 2873682 B2 JP2873682 B2 JP 2873682B2 JP 9091402 A JP9091402 A JP 9091402A JP 9140297 A JP9140297 A JP 9140297A JP 2873682 B2 JP2873682 B2 JP 2873682B2
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16L—PIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16L55/00—Devices or appurtenances for use in, or in connection with, pipes or pipe systems
- F16L55/02—Energy absorbers; Noise absorbers
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Sink And Installation For Waste Water (AREA)
- Pipe Accessories (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅やビル等で排
水時に発生する騒音を外部に漏らさないようにした遮音
性排水管に関する。
水時に発生する騒音を外部に漏らさないようにした遮音
性排水管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅やビル等の排水管で発生する
音を遮断するために、排水管の外周にグラスウール、ロ
ックウール等の防音材やこれらの防音材からなる遮音シ
ートを巻き付け、針金等で固定することが行われてい
る。また、筒状に曲成した遮音シートの内周に軟質吸音
材を積層し、長手方向に亘って割り溝を設けた排水管用
遮音材も提案されている。(特開平4−11130号公
報) さらに、排水管自体を発泡プラスチック等からなる吸音
材層を有する複層構造として遮音性を持たせ、工事現場
での巻き付け作業を不要としたものとすることも、種々
提案されている。(特開平5−271429号公報、特
開平8−13564号公報)
音を遮断するために、排水管の外周にグラスウール、ロ
ックウール等の防音材やこれらの防音材からなる遮音シ
ートを巻き付け、針金等で固定することが行われてい
る。また、筒状に曲成した遮音シートの内周に軟質吸音
材を積層し、長手方向に亘って割り溝を設けた排水管用
遮音材も提案されている。(特開平4−11130号公
報) さらに、排水管自体を発泡プラスチック等からなる吸音
材層を有する複層構造として遮音性を持たせ、工事現場
での巻き付け作業を不要としたものとすることも、種々
提案されている。(特開平5−271429号公報、特
開平8−13564号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現場で
グラスウール等の防音材や遮音シートを排水管に巻き付
けて針金等で固定する方法は、施工に手間がかかり、ま
た遮音効果も充分なものとは言えない。また、筒状に曲
成し割り溝を設けた遮音材を形成するには、特別な工程
を必要としコストアップの要因となるという問題点があ
る。そして、複層構造を有する排水管を製造するには、
特殊な製造工程や製造設備を必要とし、得られる排水管
の遮音性も充分なものとはいえない。本発明はこれら従
来技術の問題点を解消し、特別な製造工程や施工工程を
必要とせず、しかも遮音効果に優れ、排水管の製造から
施工までのトータルコストを大幅に下げることのできる
遮音性排水管を提供することを目的とする。
グラスウール等の防音材や遮音シートを排水管に巻き付
けて針金等で固定する方法は、施工に手間がかかり、ま
た遮音効果も充分なものとは言えない。また、筒状に曲
成し割り溝を設けた遮音材を形成するには、特別な工程
を必要としコストアップの要因となるという問題点があ
る。そして、複層構造を有する排水管を製造するには、
特殊な製造工程や製造設備を必要とし、得られる排水管
の遮音性も充分なものとはいえない。本発明はこれら従
来技術の問題点を解消し、特別な製造工程や施工工程を
必要とせず、しかも遮音効果に優れ、排水管の製造から
施工までのトータルコストを大幅に下げることのできる
遮音性排水管を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、排水管の外
周面に、リン酸化パルプ層(A)、及びリン酸化パルプ
層の外側に、遮音シート層(B)を設けることによって
遮音性排水管を構成する。このような構成をとることに
よって、優れた遮音効果を有する排水管を簡単に得るこ
とができる。
周面に、リン酸化パルプ層(A)、及びリン酸化パルプ
層の外側に、遮音シート層(B)を設けることによって
遮音性排水管を構成する。このような構成をとることに
よって、優れた遮音効果を有する排水管を簡単に得るこ
とができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
てさらに詳細に説明する。本発明の排水管を構成する材
料としては特に制限はなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン等の合成樹脂、鉄、鉛等の金属から成る通常のもの
が使用できる。排水管の外周面には、リン酸化パルプ層
(A)を形成し、さらにその外側に遮音シート層(B)
を設ける。リン酸化パルプは、製紙用の木材パルプに縮
合リン酸をエステル結合させたものであり、空気層を多
く含み軽量で吸音性と難燃性を有することから、壁紙、
化粧板、建具、包装用資材等として広く用いられている
ものである。本発明では、このリン酸化パルプ層(A)
を排水管と遮音シート層(B)との間に介在させること
によって、優れた遮音効果を得るものである。
てさらに詳細に説明する。本発明の排水管を構成する材
料としては特に制限はなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン等の合成樹脂、鉄、鉛等の金属から成る通常のもの
が使用できる。排水管の外周面には、リン酸化パルプ層
(A)を形成し、さらにその外側に遮音シート層(B)
を設ける。リン酸化パルプは、製紙用の木材パルプに縮
合リン酸をエステル結合させたものであり、空気層を多
く含み軽量で吸音性と難燃性を有することから、壁紙、
化粧板、建具、包装用資材等として広く用いられている
ものである。本発明では、このリン酸化パルプ層(A)
を排水管と遮音シート層(B)との間に介在させること
によって、優れた遮音効果を得るものである。
【0006】リン酸化パルプは、それ自体が吸音性を有
する材料であるとともに、リン酸化パルプ層(A)によ
り排水管と遮音シート層(B)との間に空気層による間
隙が形成され、空間音伝達上インピーダンス差を設ける
ことが可能となり、遮音シート層の透過損失値を効果的
に引き出す役目を果たす。したがって、従来の複層構造
を有する遮音性排水管に比較して、著しく遮音性を改善
することができる。
する材料であるとともに、リン酸化パルプ層(A)によ
り排水管と遮音シート層(B)との間に空気層による間
隙が形成され、空間音伝達上インピーダンス差を設ける
ことが可能となり、遮音シート層の透過損失値を効果的
に引き出す役目を果たす。したがって、従来の複層構造
を有する遮音性排水管に比較して、著しく遮音性を改善
することができる。
【0007】リン酸化パルプ層(A)の外側に設ける遮
音シート層(B)としては、特に制限はなく、通常排水
管用の遮音シートに用いられる材料は、いずれも使用す
ることができる。これらの材料は、単独の層として用い
ても、2層以上の積層シートとして用いてもよい。好ま
しい遮音シート層(B)としては、アスファルト100
重量部に熱可塑性ポリマー0〜100重量部、無機充填
剤100〜2000重量部を添加後均一に混合して得ら
れた制振遮音材層が挙げられる。なかでも、繊維シート
層(イ)上に、このような制振遮音材層(ロ)、繊維シ
ート層(ハ)を順次積層したものを使用することが特に
好ましい。熱可塑性ポリマーを添加する場合には、アス
ファルトとポリマーをあらかじめ混合したものに無機充
填剤を加えるようにしてもよい。
音シート層(B)としては、特に制限はなく、通常排水
管用の遮音シートに用いられる材料は、いずれも使用す
ることができる。これらの材料は、単独の層として用い
ても、2層以上の積層シートとして用いてもよい。好ま
しい遮音シート層(B)としては、アスファルト100
重量部に熱可塑性ポリマー0〜100重量部、無機充填
剤100〜2000重量部を添加後均一に混合して得ら
れた制振遮音材層が挙げられる。なかでも、繊維シート
層(イ)上に、このような制振遮音材層(ロ)、繊維シ
ート層(ハ)を順次積層したものを使用することが特に
好ましい。熱可塑性ポリマーを添加する場合には、アス
ファルトとポリマーをあらかじめ混合したものに無機充
填剤を加えるようにしてもよい。
【0008】使用されるアスファルトとしては特に制限
はなく、一般にアスファルトと呼ばれるもの、例えば天
然アスファルト、ならびにストレートアスファルト、ブ
ローンアスファルト等の石油アスファルトが使用され
る。これらのアスファルトは単独で又は2種以上の混合
物として使用することができる。
はなく、一般にアスファルトと呼ばれるもの、例えば天
然アスファルト、ならびにストレートアスファルト、ブ
ローンアスファルト等の石油アスファルトが使用され
る。これらのアスファルトは単独で又は2種以上の混合
物として使用することができる。
【0009】熱可塑性ポリマーとしては、ポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、エチレン・酢酸ビニル
共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・
アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチ
ル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、天然ゴ
ム、天然ロジン、変性ロジン等を使用することができる
が、特にスチレン・ブタジエンブロック共重合体を使用
することが好ましい。
ン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、エチレン・酢酸ビニル
共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・
アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチ
ル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、天然ゴ
ム、天然ロジン、変性ロジン等を使用することができる
が、特にスチレン・ブタジエンブロック共重合体を使用
することが好ましい。
【0010】無機充填剤としては、鉄、銅、鉛、錫、亜
鉛、ニッケル、ステンレス鋼等の金属粉体、酸化鉄、三
二酸化鉄、四三酸化鉄、フェライト、酸化鉛、酸化錫、
酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム等の金属酸化物、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫酸アルミニ
ウム、亜硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸鉛、炭
酸バリウム、水酸化マグネシウム等の金属塩類、製鋼ス
ラグ、マイカ、クレー、タルク、亜鉛華、ウォラストナ
イト、けい藻土、けい砂、軽石粉等を使用することがで
き、これらは単独で又は2種以上を混合して使用するこ
とができる。
鉛、ニッケル、ステンレス鋼等の金属粉体、酸化鉄、三
二酸化鉄、四三酸化鉄、フェライト、酸化鉛、酸化錫、
酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム等の金属酸化物、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫酸アルミニ
ウム、亜硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸鉛、炭
酸バリウム、水酸化マグネシウム等の金属塩類、製鋼ス
ラグ、マイカ、クレー、タルク、亜鉛華、ウォラストナ
イト、けい藻土、けい砂、軽石粉等を使用することがで
き、これらは単独で又は2種以上を混合して使用するこ
とができる。
【0011】好ましい無機充填剤としては、鉄粉、各種
酸化鉄粉末、製鋼スラグ粉末、炭酸カルシウム、重炭酸
カルシウム等が挙げられ、これらは粒径0.5mm以
下、特に0.2mm以下の粉末として使用することがさ
らに好ましい。このように微粉末化された無機充填剤を
使用することにより、制振遮音材層を製造する際の成形
加工性を改善し、アスファルト基材中に多量の無機充填
剤を均一に分散配合することができ、制振遮音シート層
(ロ)の面密度を大きくすることが可能となるととも
に、制振遮音シート層(ロ)の感熱安定性を大きく向上
させることができる。制振遮音材層(ロ)の面密度は、
排水管の制振遮音効果と密接な関係を有し、面密度が大
きいほど制振遮音効果は優れたものとなるが、アスファ
ルト基材中に無機充填剤を多量に配合することはきわめ
て困難であり、従来のアスファルト基材を使用する制振
遮音材層では面密度の大きいものを得ることはできなか
った。本発明では、上記微粉末状の無機充填剤を使用す
ることによって、面密度が2.0kg/m2/mm以
上、好ましくは2.5kg/m2/mm以上、さらに好
ましくは2.8kg/m2/mm以上のものを得ること
が可能となり、優れた制振遮音効果を有する制振遮音材
層を得、遮音性の優れた排水管を実現したものである。
酸化鉄粉末、製鋼スラグ粉末、炭酸カルシウム、重炭酸
カルシウム等が挙げられ、これらは粒径0.5mm以
下、特に0.2mm以下の粉末として使用することがさ
らに好ましい。このように微粉末化された無機充填剤を
使用することにより、制振遮音材層を製造する際の成形
加工性を改善し、アスファルト基材中に多量の無機充填
剤を均一に分散配合することができ、制振遮音シート層
(ロ)の面密度を大きくすることが可能となるととも
に、制振遮音シート層(ロ)の感熱安定性を大きく向上
させることができる。制振遮音材層(ロ)の面密度は、
排水管の制振遮音効果と密接な関係を有し、面密度が大
きいほど制振遮音効果は優れたものとなるが、アスファ
ルト基材中に無機充填剤を多量に配合することはきわめ
て困難であり、従来のアスファルト基材を使用する制振
遮音材層では面密度の大きいものを得ることはできなか
った。本発明では、上記微粉末状の無機充填剤を使用す
ることによって、面密度が2.0kg/m2/mm以
上、好ましくは2.5kg/m2/mm以上、さらに好
ましくは2.8kg/m2/mm以上のものを得ること
が可能となり、優れた制振遮音効果を有する制振遮音材
層を得、遮音性の優れた排水管を実現したものである。
【0012】無機充填剤は、アスファルト100重量部
に対して100〜2000重量部添加されるが、無機充
填剤の量が100重量部より少ない場合には充分な制
振、遮音効果が得られず、また、2000重量部を超え
る場合には全体がもろくなり成形加工性が低下する。本
発明で、三層構造を有する遮音シート層(B)を形成す
るには、例えばアスファルトに熱可塑性ポリマー及び無
機充填剤を添加し、加熱しながら均一に混合後制振遮音
材層を形成し、これを繊維シートと積層するか、加熱溶
融状態のアスファルト混合物により繊維シート層
(イ)、(ハ)間に直接制振遮音材層を形成する。この
際、必要に応じて各層間に接着剤層を設けてもよい。
に対して100〜2000重量部添加されるが、無機充
填剤の量が100重量部より少ない場合には充分な制
振、遮音効果が得られず、また、2000重量部を超え
る場合には全体がもろくなり成形加工性が低下する。本
発明で、三層構造を有する遮音シート層(B)を形成す
るには、例えばアスファルトに熱可塑性ポリマー及び無
機充填剤を添加し、加熱しながら均一に混合後制振遮音
材層を形成し、これを繊維シートと積層するか、加熱溶
融状態のアスファルト混合物により繊維シート層
(イ)、(ハ)間に直接制振遮音材層を形成する。この
際、必要に応じて各層間に接着剤層を設けてもよい。
【0013】このような遮音シート層(B)を構成する
(イ)及び(ハ)の繊維シート層としては、不織布、フ
ェルト、織布、紙、板紙等種々のものが使用できるが、
制振、遮音効果の点で不織布又はフェルトを使用するこ
とが好ましい。特に好ましいものの例としては、ポリエ
ステル等の合成繊維からなる不織布、無機質フェルト、
高質量の特殊紙にアスファルトを含浸させたアスファル
トフェルト、クラフト紙等が挙げられる。また、リン酸
化パルプ層(A)に繊維シート層の役割を果たさせ、繊
維シート層(イ)を省略し、リン酸化パルプ層(A)の
外側に、制振遮音材層(ロ)及び繊維シート層(ハ)を
積層する構成としてもよい。
(イ)及び(ハ)の繊維シート層としては、不織布、フ
ェルト、織布、紙、板紙等種々のものが使用できるが、
制振、遮音効果の点で不織布又はフェルトを使用するこ
とが好ましい。特に好ましいものの例としては、ポリエ
ステル等の合成繊維からなる不織布、無機質フェルト、
高質量の特殊紙にアスファルトを含浸させたアスファル
トフェルト、クラフト紙等が挙げられる。また、リン酸
化パルプ層(A)に繊維シート層の役割を果たさせ、繊
維シート層(イ)を省略し、リン酸化パルプ層(A)の
外側に、制振遮音材層(ロ)及び繊維シート層(ハ)を
積層する構成としてもよい。
【0014】本発明の遮音性排水管では、さらに遮音シ
ート層(B)の外側にリン酸化パルプ層(C)を設ける
ことができる。その際、リン酸化パルプ層(C)は、遮
音シート層(B)を構成する繊維シート層(ハ)の外側
に設けてもよく、繊維シート層(ハ)を省略し、直接制
振遮音材層(ロ)の外側に設けてもよい。アスファルト
に無機充填剤を添加した場合には、無機充填剤の添加量
が多くなると全体がもろくなり、成形加工性及び形状保
持性がきわめて悪くなるが、本発明ではこのアスファル
トを含む制振遮音材層(ロ)を、繊維シート(イ)、
(ハ)間にサンドイッチ状に挟むことによって、その成
形加工性を著しく改善することが可能になった。繊維シ
ート層を省略し、リン酸化パルプ層(A)、(C)に同
様の役割を果たさせることによっても、同様に改善され
た成形加工性及び形状保持性を得ることができる。
ート層(B)の外側にリン酸化パルプ層(C)を設ける
ことができる。その際、リン酸化パルプ層(C)は、遮
音シート層(B)を構成する繊維シート層(ハ)の外側
に設けてもよく、繊維シート層(ハ)を省略し、直接制
振遮音材層(ロ)の外側に設けてもよい。アスファルト
に無機充填剤を添加した場合には、無機充填剤の添加量
が多くなると全体がもろくなり、成形加工性及び形状保
持性がきわめて悪くなるが、本発明ではこのアスファル
トを含む制振遮音材層(ロ)を、繊維シート(イ)、
(ハ)間にサンドイッチ状に挟むことによって、その成
形加工性を著しく改善することが可能になった。繊維シ
ート層を省略し、リン酸化パルプ層(A)、(C)に同
様の役割を果たさせることによっても、同様に改善され
た成形加工性及び形状保持性を得ることができる。
【0015】本発明の遮音性排水管を製造する方法には
特に制限はなく、例えばリン酸化パルプ層(A)を合成
樹脂製あるいは金属製の排水管の外周に被覆後、その外
側に遮音シート層(B)を被覆する。また、あらかじめ
リン酸化パルプ層(A)と遮音シート層(B)を積層
し、これを排水管外周に被覆することもできる。その際
にこのような積層材料として、内径寸法が排水管の外形
寸法に合致し、軸方向に二ツ割りにされた形状のものを
作成し、排水管を両側から挟んで被覆するようにしても
よい。
特に制限はなく、例えばリン酸化パルプ層(A)を合成
樹脂製あるいは金属製の排水管の外周に被覆後、その外
側に遮音シート層(B)を被覆する。また、あらかじめ
リン酸化パルプ層(A)と遮音シート層(B)を積層
し、これを排水管外周に被覆することもできる。その際
にこのような積層材料として、内径寸法が排水管の外形
寸法に合致し、軸方向に二ツ割りにされた形状のものを
作成し、排水管を両側から挟んで被覆するようにしても
よい。
【0016】リン酸化パルプは通常のパルプと同様に種
々の形状に成形加工することができるものである。した
がって、直管状の排水管だけではなく、排水管の継手部
分やT字管に対しても本発明を適用することが可能であ
る。例えば、継手やT字管等に合わせた形状の型を使用
してリン酸化パルプを常法により加工することによっ
て、継手やT字管等を二ツ割りにした形状の成形物を
得、この成形物の外側に加熱軟化状態のアスファルト混
合物を被覆して遮音シート層を形成する方法によって、
継手やT字管等にも適用可能な排水管被覆用成形物を得
ることができる。
々の形状に成形加工することができるものである。した
がって、直管状の排水管だけではなく、排水管の継手部
分やT字管に対しても本発明を適用することが可能であ
る。例えば、継手やT字管等に合わせた形状の型を使用
してリン酸化パルプを常法により加工することによっ
て、継手やT字管等を二ツ割りにした形状の成形物を
得、この成形物の外側に加熱軟化状態のアスファルト混
合物を被覆して遮音シート層を形成する方法によって、
継手やT字管等にも適用可能な排水管被覆用成形物を得
ることができる。
【0017】本発明の遮音性排水管は、通常はあらかじ
め排水管の外周面にリン酸化パルプ層(A)とさらにそ
の外側に遮音シート層(B)を設けた状態で製品として
出荷する。このような製品を使用すれば、現場では通常
の排水管と同様に施工することができるので、施工工程
をきわめて簡単にすることができる。また、例えばリン
酸化パルプ層(A)と遮音シート層(B)からなる排水
管を軸方向に二ツ割りにした形状の積層物を、現場で排
水管の外周に被覆施工することによって、遮音性排水管
を得るようにしてもよい。
め排水管の外周面にリン酸化パルプ層(A)とさらにそ
の外側に遮音シート層(B)を設けた状態で製品として
出荷する。このような製品を使用すれば、現場では通常
の排水管と同様に施工することができるので、施工工程
をきわめて簡単にすることができる。また、例えばリン
酸化パルプ層(A)と遮音シート層(B)からなる排水
管を軸方向に二ツ割りにした形状の積層物を、現場で排
水管の外周に被覆施工することによって、遮音性排水管
を得るようにしてもよい。
【0018】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
するが、本発明は実施例により限定されるものではな
い。 (実施例)図1は、本発明を排水管の管継手に適用した
1例を表す模式断面図であり、図2は該管継手の製造工
程を示す斜視図である。図1、2において、符号1は遮
音性管継手、符号2は管継手本体、符号3はリン酸化パ
ルプ層、符号4は遮音シート層を表す。
するが、本発明は実施例により限定されるものではな
い。 (実施例)図1は、本発明を排水管の管継手に適用した
1例を表す模式断面図であり、図2は該管継手の製造工
程を示す斜視図である。図1、2において、符号1は遮
音性管継手、符号2は管継手本体、符号3はリン酸化パ
ルプ層、符号4は遮音シート層を表す。
【0019】管継手の外径と合致する内径寸法を有し、
該管継手を軸方向に二ツ割りした形状を有するリン酸化
パルプよりなる厚さ4mmの成形物を、通常の型成形に
より製造した。ストレートアスファルトにスチレン・ブ
タジエンブロック共重合体を9:1の割合で混合した改
質アスファルト15重量部、粒径0.5mm以下の酸化
鉄粉80重量部、200メッシュ以下の炭酸カルシウム
粉末5重量部を均一に混合した、面密度2.9kg/m
2 /mmの制振遮音材を加熱軟化させた状態で、リン酸
化パルプ成形物の外側に厚さ3mmに被覆し、図2に示
す左右一対の積層成形物を得た。この積層成形物では、
制振遮音材層の形状を保持するために、制振遮音材層の
外側に面密度50g/m2 のポリエステル不織布(図示
せず)を積層してある。この一対の積層成形物をポリ塩
化ビニル製の管継手の外周に接着剤で接着して、図1の
断面構造を有する管継手を得た。この際に、二つ割りし
た形状の端部のリン酸化パルプ層を円周方向に延長させ
て、左右一対の積層物を管継手の外周に接着する際に、
接合部がオーバーラップするように構成してもよい。こ
の例では、図に示す形状の遮音性管継手について説明し
たが、他の形状の管継手やT字管、直管状の遮音性排水
管も同様にして製造することができる。
該管継手を軸方向に二ツ割りした形状を有するリン酸化
パルプよりなる厚さ4mmの成形物を、通常の型成形に
より製造した。ストレートアスファルトにスチレン・ブ
タジエンブロック共重合体を9:1の割合で混合した改
質アスファルト15重量部、粒径0.5mm以下の酸化
鉄粉80重量部、200メッシュ以下の炭酸カルシウム
粉末5重量部を均一に混合した、面密度2.9kg/m
2 /mmの制振遮音材を加熱軟化させた状態で、リン酸
化パルプ成形物の外側に厚さ3mmに被覆し、図2に示
す左右一対の積層成形物を得た。この積層成形物では、
制振遮音材層の形状を保持するために、制振遮音材層の
外側に面密度50g/m2 のポリエステル不織布(図示
せず)を積層してある。この一対の積層成形物をポリ塩
化ビニル製の管継手の外周に接着剤で接着して、図1の
断面構造を有する管継手を得た。この際に、二つ割りし
た形状の端部のリン酸化パルプ層を円周方向に延長させ
て、左右一対の積層物を管継手の外周に接着する際に、
接合部がオーバーラップするように構成してもよい。こ
の例では、図に示す形状の遮音性管継手について説明し
たが、他の形状の管継手やT字管、直管状の遮音性排水
管も同様にして製造することができる。
【0020】このようにして得られた遮音性排水管を設
置した、2×4工法の二階建て住宅の二階のトイレを音
源室とし、下階の排水管のある一階を受音室として精密
騒音計を用いて、オクターブ分析器により騒音を解析し
た結果を図3に示す。図3において、横軸はオクターブ
バンド中心周波数(Hz)を、縦軸は音圧レベル(d
B)を表す。図3中、一点鎖線Bは通常のポリ塩化ビニ
ル製排水管を使用した場合の測定結果、実線Aは本発明
の遮音性排水管を使用した場合の測定結果を表す。この
結果から、通常のポリ塩化ビニル製排水管を使用した場
合には、N−65の線以下にあり等級N−65と判定さ
れるが、本発明の遮音性排水管を使用した場合には、N
−50の線以下にあり等級N−50と判定され、優れた
制振遮音効果を奏する。
置した、2×4工法の二階建て住宅の二階のトイレを音
源室とし、下階の排水管のある一階を受音室として精密
騒音計を用いて、オクターブ分析器により騒音を解析し
た結果を図3に示す。図3において、横軸はオクターブ
バンド中心周波数(Hz)を、縦軸は音圧レベル(d
B)を表す。図3中、一点鎖線Bは通常のポリ塩化ビニ
ル製排水管を使用した場合の測定結果、実線Aは本発明
の遮音性排水管を使用した場合の測定結果を表す。この
結果から、通常のポリ塩化ビニル製排水管を使用した場
合には、N−65の線以下にあり等級N−65と判定さ
れるが、本発明の遮音性排水管を使用した場合には、N
−50の線以下にあり等級N−50と判定され、優れた
制振遮音効果を奏する。
【0021】
【発明の効果】本発明の遮音性排水管は、以上説明した
ように排水管と遮音シート層(B)の間にリン酸化パル
プ層(A)を有することにより、優れた制振遮音性を有
するとともに、製造や施工が容易であり、排水管の製造
から施工までのトータルコストを大幅に下げることがで
き、きわめて実用的価値の高いものである。
ように排水管と遮音シート層(B)の間にリン酸化パル
プ層(A)を有することにより、優れた制振遮音性を有
するとともに、製造や施工が容易であり、排水管の製造
から施工までのトータルコストを大幅に下げることがで
き、きわめて実用的価値の高いものである。
【図1】本発明を管継手に適用した1例を表す模式断面
図である。
図である。
【図2】図1の管継手の製造工程を示す斜視図である。
【図3】本発明の遮音性排水管の制振遮音性能を測定し
た結果を示す図である。
た結果を示す図である。
1 遮音性管継手 2 管継手 3 リン酸化パルプ層 4 遮音シート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 三郎 香川県善通寺市金蔵寺町180番地 七王 工業株式会社内 (72)発明者 石井 偉永 東京都葛飾区堀切7丁目25番13号 石井 商事株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16L 55/02 E03C 1/12
Claims (6)
- 【請求項1】 排水管の外周面に、(A)リン酸化パル
プ層、及びリン酸化パルプ層の外側に(B)遮音シート
層が設けられていることを特徴とする遮音性排水管。 - 【請求項2】 (B)遮音シート層が、アスファルト1
00重量部に熱可塑性ポリマー0〜100重量部、無機
充填剤100〜2000重量部を添加後均一に混合して
得られた制振遮音材層であることを特徴とする請求項1
に記載の遮音性排水管。 - 【請求項3】 (B)遮音シート層が、(イ)繊維シー
ト層上に、(ロ)制振遮音材層、(ハ)繊維シート層を
順次積層したものであることを特徴とする請求項2に記
載の遮音性排水管。 - 【請求項4】 無機充填剤が、0.5mm以下の粒径を
有する、金属、金属酸化物及び金属塩から成る群から選
ばれた1種又は2種以上のものであることを特徴とする
請求項2又は3に記載の遮音性排水管。 - 【請求項5】 (ロ)制振遮音材層の面密度が2.0k
g/m2/mm以上であることを特徴とする請求項2〜
4のいずれか1項に記載の遮音性排水管。 - 【請求項6】 さらに、(B)遮音シート層の外側に、
(C)リン酸化パルプ層が設けられていることを特徴と
する請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮音性排水
管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9091402A JP2873682B2 (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 遮音性排水管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9091402A JP2873682B2 (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 遮音性排水管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10274386A JPH10274386A (ja) | 1998-10-13 |
JP2873682B2 true JP2873682B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=14025396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9091402A Expired - Lifetime JP2873682B2 (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 遮音性排水管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2873682B2 (ja) |
-
1997
- 1997-03-27 JP JP9091402A patent/JP2873682B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10274386A (ja) | 1998-10-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19981124 |