JP2872533B2 - 静電荷像現像用現像剤、画像形成方法、画像形成装置及び装置ユニット - Google Patents

静電荷像現像用現像剤、画像形成方法、画像形成装置及び装置ユニット

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JP2872533B2
JP2872533B2 JP5147704A JP14770493A JP2872533B2 JP 2872533 B2 JP2872533 B2 JP 2872533B2 JP 5147704 A JP5147704 A JP 5147704A JP 14770493 A JP14770493 A JP 14770493A JP 2872533 B2 JP2872533 B2 JP 2872533B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷の如き画像形成法における静電荷像を可視化す
るための静電荷像現像用現像剤、画像形成方法、画像形
成装置及び装置ユニットに関する。
【0002】更に詳しくは、外部より電圧を印加した帯
電手段を静電荷像保持体に接触させて帯電を行う帯電工
程、該静電荷像保持体上に形成される静電荷潜像を現像
剤により現像して現像画像を形成する現像工程、外部よ
り電圧を印加した転写手段を静電荷像保持体に圧接させ
ながら転写材に現像画像を転写する転写工程を有する画
像形成方法及び該画像形成方法に用いられる静電荷像現
像用現像剤、該静電荷像現像用現像剤を有する画像形成
装置及び装置ユニットに関する。
【0003】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第2
297691号明細書、特公昭42−23910号公報
及び特公昭43−24748号公報に記載されている如
く多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質
を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形
成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応
じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱、
圧力、加熱加圧或は溶剤蒸気などにより定着し複写物を
得るものであり、そして感光体上に転写せずに残ったト
ナーは種々の方法で除去され、上述の工程が繰り返され
る。
【0004】近年、このような複写装置は、単なる原稿
を複写するための事務処理用複写機としてではなく、デ
ジタル技術の導入によって他の情報処理機と結びついた
情報出力機器として、或は多機能化によって画像情報の
加工や編集が容易になり新規なオリジナル原稿を作成す
るための複写機として、更に個人向けのパーソナルコピ
ーとして使われ始めた。
【0005】そのため、より高速化、より高画質化、よ
り小型軽量化が追求され、尚且、より高信頼性が厳しく
追求されてきている。
【0006】その様な中で、電子写真技術を用いたプリ
ンタや複写機において、(i)光導電体(静電荷像担持
体)表面を一様に帯電する手段として、及び(ii)光
導電体表面上の現像剤現像画像を転写する手段として、
コロナ放電器が一般に広く用いられてきたが、光導電体
表面に直接帯電部材を、接触あるいは押圧しながら外部
から電圧を印加して直接帯電及び転写する方法が研究開
発され、実用化されつつある。
【0007】このような方法として、例えば、特開昭6
3−149669号公報及び特開平2−123385号
公報が提案されている。これらは、接触帯電方法や接触
転写方法に関するものであるが、静電荷像担持体に導電
性弾性ローラーを当接し、該導電性ローラーに電圧を印
加しながら該静電荷像担持体を一様に帯電し、次いで露
光により静電荷像を形成し、現像工程によってトナー像
を得た後、該静電荷像担持体に、電圧を印加した別の導
電性弾性ローラーを押圧しながらその間に転写材を通過
させ、該静電荷像担持体上のトナー画像を転写材に転写
した後、定着工程を経て複写画像を得ている。
【0008】更に、該接触帯電方式及び接触転写方式を
有する画像形成方法の一例について、図4の概略構成図
を基に説明する。
【0009】101は回転ドラム型の静電荷像担持体
(以下、感光体と記す)であり、該感光体101はアル
ミニウムの如き導電性基層101bと、その外面に形成
した光導電層101aとを基本構成層とするものであ
り、図面上時計方向に所定の周速度(プロセススピー
ド)で回転される。
【0010】102は帯電ローラーであり、中心の芯金
102bとその外周を形成した導電性弾性層とを基本構
成とするものである。帯電ローラー102は、感光体1
面に押圧力をもって圧接され、感光体101の回転に伴
い従動回転する。103は帯電ローラー102に電圧を
印加するための帯電バイアス電源であり、帯電ローラー
103にバイアスが印加されることで感光体101の表
面が所定の極性・電位に帯電される。次いで画像露光1
04によって静電潜像が形成され、現像手段105によ
りトナー画像として順次可視化されていく。
【0011】106は転写ローラーであり、中心の芯金
106bとその外周を形成した導電性弾性層106aと
を基本構成とするものである。転写ローラー106は、
感光体101面に押圧力をもって圧接され、感光体10
1の周速度と等速度或は周速度に差をつけて回転させ
る。転写材108は感光体101と転写ローラー106
との間に搬送されると同時に、転写ローラー106にト
ナーと逆極性のバイアスを転写バイアス電源107から
印加することによって感光体101上のトナー画像が転
写材108の表面側に転写される。
【0012】次いで転写材112は、ハロゲンヒータを
内蔵させた加熱ローラー111aとこれと押圧力をもっ
て圧接された弾性体の加圧ローラー111bとを基本構
成とする定着器111へ搬送され、111aと111b
間を通過することによってトナー像が転写材108に定
着して画像形成物として排出される。
【0013】トナー画像転写後の感光体1面では転写残
りトナー等の付着汚染部質を、感光体101にカウンタ
ー方向に圧接した弾性クリーニングブレードを具備した
クリーニング装置で清浄面化され、更に除電露光装置1
10により除電されて、繰り返して作像される。
【0014】この様な接触帯電方式及び転写方式を有す
る画像形成装置では、コロナ帯電及びコロナ転写と比べ
て、比較的低電圧のバイアスで感光体の均一な帯電と十
分な転写が可能となるため、放電器自体の小型化、オゾ
ンの如きコロナ放電生成物の抑制の点で優れている。
【0015】しかしながら、該接触帯電及び接触転写を
有する画像形成装置に、結着樹脂及び磁性体の如き着色
剤からなるトナー粒子に、シリカの如き流動性付与剤を
含有した一般的な現像剤を用いた場合、転写後のクリー
ニング工程で僅かに除去出来なかった感光体上の残トナ
ー粒子が、感光体に圧接された帯電ローラーと転写ロー
ラーによって、該両ローラー上及び感光体上に固着し、
複写回数が増すにつれてより強固に固着及び堆積したト
ナー融着として悪化し、帯電不良、クリーニング不良、
転写不良となり、得られた画像には、画像濃度の低下と
ムラ、ベタ黒画像での白斑点模様、ベタ白画像での黒斑
点模様が発生しやすい問題がある。
【0016】感光体上の転写後の残トナーを除去する方
法としては、上述の様なブレード方式、ファーブラシ方
式、磁気ブラシ方式の如き種々の方法が知られている
が、これらの方法で、感光体上の転写後の残トナーを完
全に除去することは現状不可能である。
【0017】このトナーが感光体に固着する現象を回避
する目的で、特開昭48−47345号公報においてト
ナー中に摩擦減少物質と研磨物質の双方を添加すること
が提案されている。しかしながら、該摩擦減少物質は、
付着性析出膜物を形成する物質であるために、該トナー
を該接触帯電及び接触転写を有する画像形成装置に用い
ると、内蔵する帯電ローラーや転写ローラーに摩擦減少
物質による皮膜が形成され、著しい帯電不良、転写不良
が発生しやすいという問題点がある。
【0018】更に、複写装置の小型化、低コスト化のた
め中低速機に用いられる感光体としては、有機感光体
(有機光導電体)が一般的であるが、特に有機感光体の
表面層の摩耗を低減して、帯電特性の劣化を防止する目
的で特開昭63−30850号公報で該表面層にフッ素
系樹脂微粉体の如き潤滑剤を含有する有機感光体を提案
されている。しかしながら該潤滑剤を含有する有機感光
体では、確かに感光体自体の寿命は延びるものの逆に、
該潤滑剤の表面層を構成するポリカーボネートの如き結
着樹脂への分散が悪いため感光体表面の平滑性が低下
し、該感光体を接触帯電及び接触転写方式を有する画像
形成装置に用いると、現像後のトナーが該表面の凹部に
入り込み、転写後のクリーニングにおいて残トナーのク
リーニング性が著しく低下し、帯電ローラー、転写ロー
ラー上及び感光体上のトナー融着の現象が更に悪化しや
すい。
【0019】トナー画像を転写紙の如き転写材に定着す
る工程に関して、現在最も一般的な方法は、熱ローラー
による加熱加圧方式であり、所謂熱ロール定着方式であ
る。該熱ロール定着では、熱ローラーが所定の時間に達
するまでのウエイト時間が必要であるが、このウエイト
時間の短縮化や装置の高速化に伴い、転写材の瞬時の定
着化や転写材の通過に伴い加熱ローラーの温度低下によ
る定着不良が発生しやすい。さらに熱ローラー表面とト
ナー画像とが、トナーの溶融状態で接触するため、トナ
ー像の一部が定着ローラー表面に付着、転移し、次の転
写材にこれが再転移して、所謂オフセット現象が生じ易
い。
【0020】このため用いる現像剤の定着性の改良も進
められ、これ迄にトナーの低温定着性を改善する目的で
特公昭63−32182号公報が提案されている。該公
報では、トナーの結着樹脂成分として低分子量と高分子
量の各々の特定領域に少なくとも1つの極大値を有する
ビニル系重合体を含有するトナーを提案し、低分子量成
分を比較的多量に含有する事により、低温定着性の向上
を図っている。更に、特開平2−235069号公報で
は、結着樹脂の分子量分布において2つの極大値を有
し、該両極大値間の極小値を基点として低分子量領域と
高分子量領域のそれぞれの分散比を小さくすることによ
り、低温定着性と耐オフセット性を向上している。
【0021】しかしながら、上述の如きトナーでは定着
性に関しては改善が見られるものの、該トナーを接触帯
電及び接触転写方式を有する画像形成装置に用いると、
帯電ローラー、転写ローラー上及び感光体上のトナー融
着の現象が更に悪化しやすい問題点がある。
【0022】更に、紙などの転写材から発生する紙粉等
の汚染物質の帯電ローラー、転写ローラー上への付着を
防止するために、該両ローラーにフェルトパットや弾性
ブレードの如きクリーニング部材を当接しても、該トナ
ーの該両ローラーへのトナー融着は強固なものでありク
リーニング不良を軽減することは困難である。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
問題点を解決した静電荷像現像用現像剤、画像形成方
法、画像形成装置及び装置ユニットを提供することを目
的とする。
【0024】本発明は、接触帯電部材、接触転写部材及
び感光体上に、トナー融着が発生しない或いは発生する
ことの少ない静電荷像現像用現像剤、画像形成方法、画
像形成装置及び装置ユニットを提供することを目的とす
る。
【0025】本発明は、接触帯電部材及び接触転写部材
上に付着したトナーのクリーニング性を向上した静電荷
像現像用現像剤、画像形成方法、画像形成装置及び装置
ユニットを提供することを目的とする。
【0026】本発明は、接触帯電方式及び接触転写方式
を有する画像形成方法を用いて多数枚のコピーを行った
場合にも画像欠陥の生じない或は生じることの少ないと
同時に、低温定着性及び耐オフセット性に優れた静電荷
像現像用現像剤、画像形成方法、画像形成装置及び装置
ユニットを提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、以下
の構成により前記目的を達成する。
【0028】本発明は、少なくとも結着樹脂成分100
重量部、低分子量ワックス成分0.1〜20重量部及び
磁性体50〜120重量部を含有している磁性トナー及
び添加剤を有する静電荷像現像用現像剤において、該結
着樹脂成分は、GPC(ゲルパーミエーションクロマト
グラフィ)によって測定されたクロマトグラムにおい
て、分子量500以上10万未満の低分子量領域の低分
子量成分を50〜90重量%、分子量10万以上30万
未満の中間分子量領域の中間分子量成分を20重量%以
下及び分子量50万以上の高分子量領域の高分子量成分
を5〜30重量%、THF可溶分基準で有しており、該
添加剤は、シリカ微粉末を0.1〜2重量%、金属酸化
物粉末を0.1〜4重量%及び含フッ素樹脂微粉末を
0.01〜1重量%、磁性トナーの重量基準で含有して
おり、かつ該シリカ微粉末の含有量は該含フッ素樹脂微
粉末の含有量よりも多いことを特徴とする静電荷像現像
用現像剤に関する。
【0029】本発明は、静電荷像担持体の表面に接触帯
電部材を圧接させてバイアス電圧を印加して該静電荷像
担持体を帯電し、帯電されている静電荷像担持体に潜像
形成手段により静電荷像を形成し、該静電荷像担持体が
担持している静電荷像を現像剤により現像し、現像によ
り形成された現像画像を転写材を介して静電荷像担持体
に接触する接触帯電部材により転写材に転写し、転写材
の現像画像を定着手段により定着する画像形成方法にお
いて、該現像剤は、少なくとも結着樹脂成分100重量
部、低分子量ワックス成分0.1〜20重量部及び磁性
体50〜120重量部を含有している磁性トナー、及び
添加剤を含有しており、該結着樹脂成分は、GPC(ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィ)によって測定さ
れたクロマトグラムにおいて、分子量500以上10万
未満の低分子量領域の低分子量成分を50〜90重量
%、分子量10万以上30万未満の中間分子量領域の中
間分子量成分を20重量%以下及び分子量50万以上の
高分子量領域の高分子量成分を5〜30重量%、THF
可溶分基準で有しており、該添加剤は、シリカ微粉末を
0.1〜2重量%、金属酸化物粉末を0.1〜4重量%
及び含フッ素樹脂微粉末を0.01〜1重量%、磁性ト
ナーの重量基準で含有しており、かつ該シリカ微粉末の
含有量は該含フッ素樹脂微粉末の含有量よりも多いこと
を特徴とする画像形成方法に関する。
【0030】本発明は、静電潜像を担持するための静電
荷像担持体;該静電荷像担持体の表面に圧接してバイア
ス電圧を印加することにより、該静電荷像担持体を帯電
するための接触帯電部材;帯電されている静電荷像担持
体に静電荷像を形成するための潜像形成手段;該静電荷
像担持体が担持している静電荷像を現像するための現像
手段;該静電荷像担持体に転写材を介して接触して、現
像手段により形成された現像画像を転写材に転写するた
めの接触転写部材;及び該転写材の現像画像を定着する
ための定着手段;を有する画像形成装置において、該現
像剤は、少なくとも結着樹脂成分100重量部、低分子
量ワックス成分0.1〜20重量部及び磁性体50〜1
20重量部を含有している磁性トナー、及び添加剤を含
有しており、該結着樹脂成分は、GPC(ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィ)によって測定されたクロマ
トグラムにおいて、分子量500以上10万未満の低分
子量領域の低分子量成分を50〜90重量%、分子量1
0万以上30万未満の中間分子量領域の中間分子量成分
を20重量%以下及び分子量50万以上の高分子量領域
の高分子量成分を5〜30重量%、THF可溶分基準で
有しており、該添加剤は、シリカ微粉末を0.1〜2重
量%、金属酸化物粉末を0.1〜4重量%及び含フッ素
樹脂微粉末を0.01〜1重量%、磁性トナーの重量基
準で含有しており、かつ該シリカ微粉末の含有量は該含
フッ素樹脂微粉末の含有量よりも多いことを特徴とする
画像形成装置に関する。
【0031】本発明は、(i)静電荷像を担持するため
の静電荷像担持体、及び(ii)該静電荷像担持体の表
面に圧接してバイアス電圧を印加することにより、該静
電荷像担持体を帯電するための接触帯電手段、の少なく
とも1つが、該静電荷像担持体に担持されている静電荷
像を現像するための現像手段と一体に支持されてユニッ
トを構成しており、該ユニットは、(iii)帯電され
ている静電荷像担持体に静電荷像を形成するための潜像
形成手段、(iv)該静電荷像担持体に転写材を介して
接触して現像手段により形成された現像画像を該転写材
に転写するための接触転写部材、及び(v)該転写材の
現像画像を定着するための定着手段を有する装置本体に
脱着自在に装置される装置ユニットにおいて、該現像剤
は、少なくとも結着樹脂成分100重量部、低分子量ワ
ックス成分0.1〜20重量部及び磁性体50〜120
重量部を含有している磁性トナー、及び添加剤を含有し
ており、該結着樹脂成分は、GPC(ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィ)によって測定されたクロマトグ
ラムにおいて、分子量500以上10万未満の低分子量
領域の低分子量成分を50〜90重量%、分子量10万
以上30万未満の中間分子量領域の中間分子量成分を2
0重量%以下及び分子量50万以上の高分子量領域の高
分子量成分を5〜30重量%、THF可溶分基準で有し
ており、該添加剤は、シリカ微粉末を0.1〜2重量
%、金属酸化物粉末を0.1〜4重量%及び含フッ素樹
脂微粉末を0.01〜1重量%、磁性トナーの重量基準
で含有しており、かつ該シリカ微粉末の含有量は該含フ
ッ素樹脂微粉末の含有量よりも多いことを特徴とする装
置ユニットに関する。
【0032】本発明者らは、現像剤に、優れた低温定着
性能と耐オフセット性能を保持させると同時に、該現像
剤を該接触帯電方式及び接触転写方式を有する画像形成
装置に適用しても帯電部材上、転写部材上及び感光体上
で十分な離型性を有し、帯電部材上及び転写部材上での
トナー付着に対しても十分な研磨性を有する性能を保持
させることが必要であるが、従来のトナーでは、帯電部
材上、転写部材上及び感光体上でのトナー融着の現象及
び帯電部材上及び転写部材上でのトナーのクリーニング
不良の現象が問題で有ると知見され、この点について究
明を行った結果、本発明に到達したのである。
【0033】本発明の静電荷像現像用現像剤(以下現像
剤と記す)が、前記目的を達成出来るのは、シリカ微粉
末を含有することによって、その極軽微な研磨性によっ
て転写材から発生する紙粉の接触帯電部材、接触転写部
材及び感光体への付着滞留を防止し、含フッ素樹脂微粉
末を含有することによって、トナー粒子が接触帯電部材
表面、接触転写部材表面及び感光体表面に直接に付着さ
せづらくすると共に該トナー粒子のそれらの表面に対す
る離型性を向上させてトナーの固着自体を防止し、更
に、金属酸化物粉末を含有することによって、トナー粒
子が接触帯電部材表面、接触転写部材表面及び感光体表
面に付着しても、該金属酸化物粉末の介在と接触帯電部
材及び接触転写部材の各々と該感光体間で生じる僅かな
摺擦によって発生する微小な摩擦力によって、トナー付
着位置が該接触帯電部材、接触転写部材及び感光体内又
はその間で常に移動し、同じ位置にとどまることがない
ためにトナー粒子が固着するまでに至らず、さらに、該
接触帯電部材及び接触転写部材にクリーニング部材を当
接した場合、その研磨性によって接触帯電部材表面、接
触転写部材表面に付着したトナー粒子のクリーニング性
が十分に向上され、トナーが含有する結着樹脂が低分子
量成分、中分子量成分及び高分子量成分の構成が、低温
定着性及び耐オフセット性の向上に寄与するものと考え
られる。
【0034】本発明の現像剤の磁性トナー中に含有する
結着樹脂成分は、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ)によって測定されたクロマトグラムにおい
て、分子量500〜10万未満の低分子領域の低分子量
成分が50〜90重量%であり、分子量10万〜30万
未満の中間分子領域の中間分子量成分が20重量%以下
であり、分子量50万以上の高分子量成分が5〜30重
量%、THF可溶分基準として有していることが必要で
ある。
【0035】ここで、結着樹脂成分のGPCによって測
定されたクロマトグラムに於て、分子量500〜10万
未満の低分子量領域の低分子量成分が50%未満になる
と或は分子量50万以上の高分子量成分が30重量%を
超えると低温定着性が悪化し、分子量500〜10万未
満の低分子量領域の低分子量成分が90重量%を超える
と或は分子量50万以上の高分子量成分が5重量%未満
であると耐オフセット性が悪化し、分子量10万〜30
万未満の中間分子領域の中間分子量成分が20重量%を
超えると、低温定着性と耐オフセット性のいずれか又は
その両方の性能が低下してくる。
【0036】本発明の如く現像剤の磁性トナー中に含有
する結着樹脂成分を、GPCによって測定されたクロマ
トグラムにおいて、分子量500〜10万未満の低分子
領域の低分子量成分が50〜90重量%で、分子量10
万〜30万未満の中間分子領域の中間分子量成分が20
重量%以下で、分子量50万以上の高分子量成分が5〜
30重量%にする方法に特に制限はないが、例えば、G
PCのクロマトグラムに於て分子量5000〜6万の領
域に分子量の極大値を有し且つ重量平均分子量(Mw)
/数平均分子量(Mn)が15以下である低分子量重合
体と、分子量30万〜100万の領域に分子量の極大値
を有し且つMw/Mnが40以下の高分子量重合体、及
び又は架橋重合体との2種又は3種の重合体を、予め各
重合体の量を調整して、該重合体の溶解出来る溶媒或は
膨潤出来る溶媒に溶解又は膨潤させ混合した後、溶媒を
除去して得た結着樹脂を用いて、トナー製造時の溶融混
練に於て該クロマトグラムが本発明の範囲になる様に調
整してもよいし、或は該重合体の各々の量を調整して、
トナー製造時の溶融混練に於て該クロマトグラムが本発
明の範囲になる様に調整してもよい。
【0037】該重合体の合成方法としては、塊状重合
法、溶液重合法、懸濁重合法及び乳化重合法のいずれで
も良いが、GPCのクロマトグラムに於て分子量500
0〜6万の領域に分子量の極大値を有し且つMw/Mn
が15以下である重合体を合成する方法としては、溶液
重合法や乳化重合法が好ましく、該重合体を合成するた
めの重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシ2−エ
チルヘキサンエート、t−ブチルパーオキシラウレー
ト、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジイ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メン
タンハイドロパーオキサイド、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチ
ロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル)の如きラジカル開始
剤が単独で又は混合して使用される。ラジカル重合開始
剤の使用量は、該重合体を構成する単量体に対して好ま
しくは0.1〜15重量%、より好ましくは1〜10重
量%が適当である。
【0038】GPCのクロマトグラムに於て分子量30
万〜100万の領域に分子量の極大値を有し且つMw/
Mnが40以下の重合体を合成する方法としては、塊状
重合法、溶液重合法、懸濁重合法及び乳化重合法のいず
れでも良いが、分子量の調製のしやすい懸濁重合法が好
ましい。
【0039】単量体を重合させる開始剤としては、2官
能性のラジカル開始剤を用いるのが良く、例えば1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオ
キシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−
ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス
(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−
ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパ
ーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−
t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−
t−ブチルパーオキシα−メチルサクシネート、ジ−t
−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブ
チルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−
ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、ジエチレ
ングリコールビス(t−ブチルパーオキシカーボネー
ト)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート
の如き2官能性ラジカル重合開始剤があげられ、これら
は単独でまたは混合して使用され、さらに必要によって
は他のラジカル開始剤と併用して使用される。これらの
ラジカル重合開始剤の使用量は、該重合体を構成する単
量体に対して好ましくは0.05〜5重量%、より好ま
しくは0.1〜3重量%が適当である。
【0040】本発明に用いられる結着樹脂としては、ビ
ニル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が挙げら
れるが、なかでもビニル系樹脂が好ましく、特にスチレ
ン系重合体またはスチレン系共重合体が好ましい。
【0041】スチレン系重合体を合成するための単量体
としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、クロルスチレンの如きスチレン類が挙げら
れる。スチレン系共重合体を合成するための単量体とし
ては、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸n−テトラデシル、アクリル酸n−ヘキサデシ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチル
アミノエチルのなどのアクリル酸エステル類が挙げら
れ、同様にメタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタ
クリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸ステアリルなどのメタクリル酸エステル類が
挙げられる。また他のモノマーとしては例えばアクリロ
ニトリル、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、
ビニルカルバゾール、ビニルメチルエーテル、ブタジエ
ン、イソプレン、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイ
ン酸モノエステル類、マレイン酸ジエステル類、酢酸ビ
ニルなどが挙げられ、上記のスチレン類の単量体ととも
に、これらの単量体が単独もしくは2つ以上用いられ
る。
【0042】架橋重合体を合成する方法としては、塊状
重合法、溶液重合法、懸濁重合法及び乳化重合法のいず
れでも良いが、懸濁重合法が好ましく、上述の重合開始
剤及び単量体の他に更に架橋性単量体を添加することに
より合成でき、該架橋性単量体としては例えば、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル
化合物;エチレングリコールジアクリレート、1,3−
ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジ
オールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールアク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合
物のアクリレートをメタアクリレートに代えた化合物の
如きアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類;ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコール♯400ジアクリ
レート、ポリエチレングリコール♯600ジアクリレー
ト、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の
化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えた化合
物の如きエーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類;ポリオキシエチレン(2)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以
上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えた
もの化合物の如き芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で
結ばれたジアクリレート化合物類;商品名MANDA
(日本化薬)の如きポリエステル型ジアクリレート化合
物類が掲げられる。さらに、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラ
メチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステル
アクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタア
クリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、ト
リアリルトリメリテート;の如き多官能の架橋性単量体
を用いることもできる。
【0043】これらの架橋性単量体は、架橋重合体を構
成する他のモノマー成分100重量%に対して、好まし
くは0.01〜5重量%(更に好ましくは0.03〜3
重量%)用いることができる。
【0044】本発明に係る磁性トナー中には上記結着樹
脂成分の他に、該結着樹脂成分の含有量より少ない割合
で以下の化合物を含有させてもよい。例えばシリコーン
樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポ
キシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジ
ン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族
炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、
パラフィンワックスなどが挙げられる。
【0045】本発明の磁性トナーに含有される低分子量
ワックス成分としては次のものが挙げられる。低分子量
ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリ
スタリンワックス、パラフィンワックスの如き脂肪族炭
化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂
肪族炭化水素系ワックスの酸化物;それらのブロック共
重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタ
ン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分と
するワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エ
ステル類を一部または全部を脱酸化したワックス類;が
挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モ
ンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸;エレ
オステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;
ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニ
ルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコ
ール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソ
ルビトールの如き多価アルコール類、リノール酸アミ
ド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸
アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレン
ビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミ
ド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和
脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、
ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−ジオ
レイルアジピン酸アミド、N,N′−ジオレイルセバシ
ン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレン
ビスステアリン酸アミド、N,N′−ジステアリルイソ
フタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリ
ン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩
(一般に金属石けんといわれているもの);及び脂肪族
炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニ
ル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベ
ヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコール
の部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによっ
て得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合
物;が挙げられる。
【0046】本発明の磁性トナーは、低分子量ワックス
成分を、結着樹脂成分100重量部に対して好ましくは
0.1〜20重量部、更に好ましくは0.5〜10重量
部含有している。
【0047】これらの低分子量ワックスは、通常、結着
樹脂を溶剤に溶解し、樹脂溶解液温度を上げ、攪拌しな
がら添加混合する方法や、トナー製造の際トナー構成材
料の混練時に混合する方法で結着樹脂に含有される。
【0048】本発明に於いて、磁性トナー中に含有する
結着樹脂のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィ)によるクロマトグラムの分子量分布はTHF(テ
トラヒドロフラン)を溶媒として次の条件で測定され
る。
【0049】40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100
μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたって
は、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチ
レン標準試料により作成された検量線の対数値とカウン
ト数の関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチ
レン試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは昭和
電工社製の分子量が102乃至107程度のものを用い、
少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いる
のが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用
いる。カラムとしては、市販のポリスチレンゲルカラム
を複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製
のshodex GPC KF−801、802、80
3、804、805、806、807、800Pの組み
合わせや、東ソー社製のTSKge1 G1000H
(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H
(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H
(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H
(HXL)、TSKguardcolumnの組み合わせ
を挙げることができる。
【0050】本発明でGPC測定装置としては、LC−
GPC150C(ウォーターズ社製)及びカラムとして
は、shodex KF−801、802、803、8
04、805、806、807及び800P(昭和電工
社製)を用いた。
【0051】試料は以下のようにして作成する。結着樹
脂を含有した磁性トナーをTHF中に入れ、数時間放置
した後十分に振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体
がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このと
きTHF中への放置時間が24時間以上となるようにす
る。その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.4
5乃至0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−
25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲ
ルマン サイエンス ジャパン社製が利用できる)を通
過させたものを、GPCの試料とする。試料濃度は、樹
脂成分が3乃至7mg/mlとなるように調整する。
【0052】本発明における結着樹脂のGPC測定によ
る全体の分子量分布は、分子量500以上の測定による
分子量分布を意味する。
【0053】さらに本発明の磁性トナーは、着色剤の役
割を兼ねても良いが、磁性材料を含有している。本発明
の磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタ
イト、γ−酸化鉄フェライト、鉄過剰型フェライトの如
き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き金属或いはこ
れらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネ
シウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマ
ス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタ
ン、タングステン、バナジウムの如き金属との合金及び
その混合物が挙げられる。
【0054】これらの磁性材料は平均粒径が好ましくは
0.1〜1μm、より好ましくは0.1〜0.5μm程
度のものが良く、磁性トナー中に含有させる量としては
樹脂成分100重量部に対し好ましくは50〜120重
量部、より好ましくは65〜100重量部が良い。
【0055】本発明中の磁性トナーには荷電制御剤をト
ナー粒子に配合(内添)、またはトナー粒子と混合(外
添)して用いることが好ましい。荷電制御剤によって、
現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能
となり、特に本発明では結着樹脂と荷電とのバランスを
さらに安定したものとすることが可能である。正荷電制
御剤としては、ニグロシンおよび脂肪酸金属塩による変
性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキ
シ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニ
ウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム
塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイ
ド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノ
スズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルス
ズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオ
ルガノスズボレートを単独であるいは2種類以上組合せ
て用いることができる。これらの中でも、ニグロシン
系、四級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好まし
く用いられる。
【0056】
【外1】 [式中、R1はHまたはCH3を示し、R2およびR3は置
換または未置換のアルキル基(好ましくはC1〜C4)を
示す。]で表されるモノマーの単重合体;または前述し
たようなスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性
制御剤として用いることができ、この場合これらの荷電
制御剤は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用
をも有する。
【0057】本発明に用いることのできる負荷電性制御
剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効で、その例としてはアルミニウムアセチルアセトナー
ト、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジター
シャリーブチルサリチル酸クロム等がある。特にアセチ
ルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が
好ましい。特にサリチル酸系金属錯体(モノアルキル基
置換体またはジアルキル基置換体を包含)またはサリチ
ル酸系金属塩(モノアルキル基置換体及びジアルキル基
置換体を包含)が好ましい。
【0058】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には、4μm以下(更に好ましくは3μm以下)
が好ましい。
【0059】トナーに内添する際、このような荷電制御
剤は、結着樹脂100重量部に対して好ましくは0.1
乃至20重量部(更に好ましくは0.2乃至10重量
部)用いることが良い。
【0060】本発明に係る磁性トナーは、必要に応じて
種々の添加剤を内添あるいは外添混合してもよい。着色
剤としては従来より知られている染料及び顔料が使用可
能であり、通常、結着樹脂100重量部に対して好まし
くは0.5乃至20重量部使用することが良い。他の添
加剤としては、例えばステアリン酸亜鉛の如き滑剤;ケ
ーキング防止剤;カーボンブラック、酸化スズの如き導
電性付与剤が挙げられる。
【0061】本発明の磁性トナーを製造するには磁性酸
化鉄、低分子量ワックス含有の結着樹脂あるいは、低分
子量ワックスと結着樹脂、さらに、必要に応じて着色剤
としての顔料又は染料、荷電制御剤、その他の添加剤を
ボールミルの如き混合機により充分混合してから加熱ロ
ール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用
いて熔融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめ
た中に顔料又は染料を分散又は溶解せしめ、冷却固化後
粉砕及び分級をおこなって本発明に係るところの磁性ト
ナーを得ることが出来る。
【0062】本発明に係る現像剤は、磁性トナーに添加
剤としてシリカ微粉末、金属酸化物粉末及び含フッ素樹
脂微粉末を外添混合して含有する。
【0063】シリカ微粉末としては、乾式法および湿式
法で製造したシリカ微粉末をいずれも使用できるが、耐
フィルミング性、耐久性の点から乾式法によるシリカ微
粉末を用いることが好ましい。
【0064】ここで言う乾式法とは、ケイ素ハロゲン化
合物の蒸気相酸化により生成するシリカ微粉末の製造法
である。例えば四塩化ケイ素ガスの酸化水素中における
熱分解酸化反応を利用する方法で、基礎となる反応式は
次の様なものである。
【0065】 SiC14+2H2+O2→SiO2+4HC1 この製造工程において例えば、塩化アルミニウム、又は
塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロ
ゲン化合物と共に用いる事によってシリカと他の金属酸
化物の複合微粉末を得る事も可能であり、それらも包含
する。
【0066】本発明に用いられる、ケイ素ハロゲン化合
物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉末と
しては、例えば、以下の様な商品名で市販されているも
のがある。 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 OX50 TT600 MOX80 MOX170 COK84 Ca−O−SiL(CABOTO Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社)
【0067】一方、本発明に用いられるシリカ微粉末を
湿式法で製造する方法は、従来公知である種々の方法が
適用できる。たとえば、下記の一般反応式で示すケイ酸
ナトリウムの酸による分解が挙げられる。
【0068】 Na2 O・XSiO2 +HCl+H2 O→SiO2 ・nH2 O+NaCl その他、ケイ酸ナトリウムのアンモニア塩類またはアル
カリ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアルカリ土
類金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケイ酸と
する方法、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換樹脂によ
りケイ酸とする方法又は天然ケイ酸またはケイ酸塩を利
用する方法が挙げられる。
【0069】ここでいうシリカ微粉末には、無水二酸化
ケイ素(コロイド状シリカ)、その他、ケイ酸アルミニ
ウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグ
ネシウム、ケイ酸の如きケイ酸塩を適用できる。
【0070】湿式法で合成された市販のケイ酸微粉末と
しては、例えば、以下のような商品名で市販されている
ものがある。・カープレックス 塩野義製薬 ・ニープシール 日本シリカ ・トクシール、ファインシール 徳山曹達 ・ビタシール 多木製肥 ・シルトン、シルネックス 水沢化学 ・スタシール 神島化学 ・ヒメジール 愛媛薬品 ・サイロイド 富士デビソン化学 ・Hi−Sil ハイシール Pittsburgh Plate Glass.Co
(ピッツバーグ プレート グラス) ・Durosil(ドゥロシール) ・Ultorasil(ウルトラシール) Fiillstoff−Gesellschaft M
arquart(フュールストッフ・ゲゼールシャフト
マルクォルト) ・Manosil(マノシール) Hardman and Holden(ハードマン
アンド ホールデン) ・Hoesch(ヘッシュ) Chemische Fabrik Hoesch K
−G(ヒェミッシェ・ファブリーク・ヘッシュ) ・Sil−Stone(シルーストーン) Stoner Rubber Co.(ストーナー ラ
バー) ・Nalco(ナルコ) Nalco Chem.Co.(ナルコ ケミカル) ・Quso(クソ) Philadelphia Quartz Co.(フ
ィラデルフィア クォーツ) ・Imsil(イムシル) Illinois Minerals Co.(イリノ
イス ミネラル) ・Calcium Silikat(カルシウム ジリ
カート) Chemische Fabrik Hoesch.K
−G(ヒェミッシュ ファブリーク ヘッシュ) ・Calsil(カルジル) Fiillstoff−Gesellschaft M
arquart(フュールストッフ−ゲゼルシャフト
マルクォルト) Fortafil(フォルタフィル) Imperial Chemical Industr
ies.Ltd.(インペリアル ケミカル インダス
トリーズ) ・Microcal(ミクロカル) Joseph Crosfiels & Sons.L
td.(ジョセフ クロスフィールド アンド サン
ズ) ・Manosil(マノシール) Hardman and Holden(ハードマン
アンド ホールデン) ・Vulkasil(ブルカジール) Farbenfabriken Bryer,A.−
G.(ファルベンファブリーケンバーヤー) ・Tufknit(タフニット) Durham Chemicals.Ltd.(ドゥル
ハム ケミカルズ) シルモス 白石工業 スターレックス 神島化学 フリコシル 多木製肥 上記シリカ微粉末のうちで、BET法で測定した窒素吸
着による比表面積が30m2/g以上(特に50乃至4
00m2/g)の範囲内のものが良好な結果を与える。
さらに、磁性トナーは、磁性トナー100重量部に対し
てシリカ微粉末を0.1〜2.0重量部含有しているこ
とが必要であり、好ましくは0.2〜1.8重量部、含
有しているのが良い。
【0071】本発明に係る磁性トナーを正帯電性磁性ト
ナーとして用いる場合には、トナーの摩耗防止のために
添加するシリカ微粉末としても、負帯電性であるより
は、正帯電性シリカ微粉末を用いた方が帯電安定性を損
なうことがないため好ましい。
【0072】正帯電性シリカ微粉体を得る方法として
は、上述した未処理のシリカ微粉体を、側鎖に窒素原子
を少なくとも1つ以上有するオルガノ基を有するシリコ
ンオイルで処理する方法、あるいは窒素含有のシランカ
ップリング剤で処理する方法、またはこの両者で処理す
る方法がある。
【0073】本発明において正帯電性シリカとは、ブロ
ーオフ法で測定した時に、鉄粉キャリアーに対してプラ
スのトリボ電荷を有するものをいう。シリカ微粉末の処
理に用いる、側鎖に窒素原子を有するシリコンオイルと
しては、少なくとも下記式で表わされる部分構造を具備
するシリコンオイルが使用できる。
【0074】
【外2】 (式中、R1 は水素、アルキル基、アリール基又はアル
コキシ基を示し、R2はアルキレン基又はフェニレン基
を示し、R3 及びR4 は水素、アルキル基、又はアリー
ル基を示し、R5 は含窒素複素環基を示す。)
【0075】上記式中アルキル基、アリール基、アルキ
レン基、フェニレン基は窒素原子を有するオルガノ基を
有していても良いし、さらに帯電性を損ねない範囲でハ
ロゲンの如き置換基を有していても良い。
【0076】本発明で用いる含窒素シランカップリング
剤は、一般に下記式で示される構造を有する。
【0077】Rm −Si−Yn (Rは、アルコキシ基又はハロゲンを示し、Yはアミノ
基又は窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガノ基
を示し、m及びnは1乃至3の整数であってm+n=4
である。) 窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガノ基として
は、有機基を置換基として有するアミノ基又は含窒素複
素環基又は含窒素複素環基を有する基が例示される。含
窒素複素環基としては、不飽和複素環基又は飽和複素環
基があり、夫々公知のものが適用可能である。不飽和複
素環基としては、例えば、下記のものが例示される。
【0078】
【外3】
【0079】飽和複素環基としては、例えば下記のもの
が例示される。
【0080】
【外4】
【0081】本発明に使用される複素環基としては、安
定性を考慮すると五員環又は六員環のものが良い。
【0082】そのような処理剤の例としては、アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキ
シシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラ
ン、ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、ジプ
ロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルア
ミノプロピルジメトキシシラン、モノブチルアミノプロ
ピルトリエトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルト
リエトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラ
ン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリ
メトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメ
トキシシリル−γ−プロピルベンジルアミンがあり、さ
らに含窒素複素環基としては、前述の構造のものが使用
でき、そのような化合物の例としては、トリメトキシシ
リル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−
γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プ
ロピルイミダゾールがある。
【0083】これらの処理されたシリカ微粉末の適用量
は、磁性トナー重量基準で0.1〜2.0重量%のとき
に効果を発揮し、特に好ましくは0.2〜1.5重量%
添加した時に優れた効果を示す。ここでシリカ微粉末の
添加量が2重量%を超えると、現像剤の凝集性が低下し
過ぎて転写後のクリーニング工程においてトナー粒子の
クリーニング性が低下し、接触帯電部材・帯電転写部材
を汚しやすくなり、逆に、該シリカ微粉末の添加量が
0.1重量%未満であると、現像剤の研磨性が低下し、
転写材から発生する紙粉の接触帯電部材及び接触帯電転
写部材への付着滞留防止効果が十分でなくなり好ましく
ない。
【0084】上述の如き表面処理されたシリカ微粉末の
添加形態について好ましい態様を述べれば、磁性トナー
に対して、該シリカ微粉末が該トナー粒子表面に付着し
ている状態が良い。
【0085】本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要
に応じて疎水化の目的でシランカップリング剤、有機ケ
イ素化合物の如き処理剤で処理されていても良く、シリ
カ微粉体と反応あるいは物理吸着する上記処理剤で処理
される。有機ケイ素化合物としては、例えばヘキサメチ
ルシラン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラ
ン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラ
ン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシ
ラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチ
ルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、
α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチル
トリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラ
ン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリ
ルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビ
ニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシ
シラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニル
テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラ
メチルジシロキサン、および1分子当り2から12個の
シロキサン単位を有し、末端に位置する単位にそれぞれ
1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリ
シロキサンがある。これら1種あるいは2種以上の混合
物で用いられる。
【0086】含フッ素樹脂微粉末としては、例えば、テ
トラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ビニリ
デンフルオライド、フルオロエチレンの如き含フッ素単
量体の単独重合体及び共重合体の微粉末や、該単量体と
他のエチレン系単量体との共重合体の微粉末が挙げられ
る。この中で特に、ビニリデンフルオライド重合体の微
粉末が、磁性トナー粒子の接触帯電部材表面・接触転写
部材表面や感光体表面に対する付着防止や離型性向上に
優れている点で好ましい。
【0087】上述の如き含フッ素樹脂微粉末の添加形態
について好ましい態様は、磁性トナーに対して、該含フ
ッ素樹脂微粉末が該トナー粒子表面に付着している状態
が良い。
【0088】含フッ素樹脂微粉末の1次粒径は0.05
〜1.00μmであるのが好ましく、特に0.10〜
0.50μmが好ましい。該微粉末の1次粒径が、0.
05μm未満であると該微粉末が磁性トナー表面上の凹
部内に入り込みやすく、現像剤の接触帯電部材表面・接
触転写部材表面や感光体表面に対する付着防止や離型性
の効果が低下し、1.00μmを超えると該含フッ素樹
脂微粉末がトナー表面から脱離しやすくなり同様に現像
剤の付着防止や離型性の効果が低下して好ましくない。
含フッ素樹脂微粉末の1次粒径の測定方法は、含フッ素
樹脂微粉末を走査型電子顕微鏡を用いて2万倍の写真か
ら、1次粒子の直径を30個以上測定して平均値を算出
して1次粒径を求めた。
【0089】本発明の現像剤に於て、該含フッ素樹脂微
粉末の適用量は、磁性トナー重量基準で0.01〜1重
量%のときに効果を発揮し、特に好ましくは0.05〜
0.8重量%のときに優れた効果を発揮する。更に、該
含フッ素樹脂微粉末の添加量は、本発明に用いるシリカ
微粉末の添加量よりも少なくするのが好ましい。
【0090】ここで含フッ素樹脂微粉末の添加量が、磁
性トナー重量基準で0.01重量%未満であると現像剤
の接触帯電部材表面・接触転写部材表面や感光体表面に
対する付着防止や離型性の効果が低下し、逆に、1重量
%を超えると、現像手段において画像にカブリが生じや
すくなり好ましくない。更に、該含フッ素樹脂微粉末の
添加量が、本発明に用いるシリカ微粉末の添加量よりも
多いと、現像剤の研磨性が低下し、転写材から発生する
紙粉等の接触帯電部材・接触転写部材への付着滞留防止
効果が十分に発揮しずらくなり好ましくない。
【0091】本発明に用いられる金属酸化物粉末として
は、マグネシウム、亜鉛、セリウム、アルミニウム、コ
バルト、鉄、ジルコニウム、マンガン、クロム、ストロ
ンチウム等の酸化物及びチタン酸カルシウム、チタン酸
マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリ
ウム等の複合金属酸化物などが挙げられる。なかでも、
酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、チタン酸
ストロンチウムが好適で、特にチタン酸ストロンチウム
の粉末が好ましい。
【0092】金属酸化物粉末は、その粒度分布において
重量平均粒径(D4)が0.5〜5μmであり、個数平
均粒径(D1)が0.5〜4μmであり、D4/D1比が
1.0〜2.4であることが好ましい。
【0093】更に、上述の如き金属酸化物粉末の添加形
態について好ましい態様は、磁性トナーに対して、該金
属酸化物粉末が該トナー粒子表面から遊離し、トナー粒
子間に存在している状態が良い。
【0094】本発明の現像剤は、該金属酸化物粉末を含
有することによって、トナー粒子が接触帯電部材表面、
接触転写部材表面や感光体表面に付着しても、該金属酸
化物粉末の介在と接触帯電部材、接触転写部材の各々と
該感光体間で生じる僅かな摺擦によって発生する微小な
摩擦力によって、該表面のトナー付着位置が接触帯電部
材、接触転写部材、感光体内又はその間で常に移動し、
同じ位置にとどまることがないためにトナー粒子が固着
するまでに至らしめない性能、及び接触帯電部材又は接
触転写部材にクリーニング部材を当接した場合、その研
磨性によって接触帯電部材表面又は接触転写部材表面に
付着したトナー粒子のクリーニング性が十分に向上させ
る性能を有する。
【0095】本発明に於て、D4が5μmよりも大きい
金属酸化物粉末を用いると、現像剤の現像時に該金属酸
化物粉末が磁性トナー粒子と共に現像されにくく消費さ
れずに、現像器中に蓄積されてゆき画像濃度の低下を引
き起こしやすい。D4が0.5μmよりも小さい場合
は、感光体に当接するクリーニング手段に於て、該金属
酸化物粉末のすり抜ける量が増大し過ぎ、接触帯電部材
表面・接触転写部材表面に蓄積するまでに至りやすくな
り好ましくない。D4/D1の比が2.4よりも大きい
と、粒度分布が広くなり過ぎて、粒径の細か過ぎるもの
や、粗過ぎるものを多く含む様になり、好ましくない。
【0096】本発明の現像剤に於て、該金属酸化物粉末
の適用量は、磁性トナー重量基準で0.1〜4重量%の
ときに効果を発揮し、特に好ましくは0.2〜2.5重
量%のときに優れた効果を発揮する。
【0097】金属酸化物粉末の添加量が、磁性トナー重
量基準で0.1重量%未満では、現像剤の接触帯電部材
表面、接触転写部材表面や感光体表面に対するトナー粒
子の固着防止の効果やトナー粒子のクリーニング性が低
下し、4重量%を超えると、感光体に当接するクリーニ
ング手段に於て、該金属酸化物粉末のすり抜ける量が増
大し過ぎ、接触帯電部材表面・接触転写部材表面に蓄積
するまでに至りやすくなり好ましくない。
【0098】〈粒度分布の測定〉粒度分布については、
種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコ
ールターカウンターのマルチサイザーを用いて行った。
【0099】すなわち、測定装置としてはコールターカ
ウンターのマルチサイザーII型(コールター社製)を
用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス
(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピューター
(キヤノン製)を接続し、電解液は特級または1級塩化
ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。測
定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分
散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンス
ルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2
〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散
器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウ
ンターのマルチサイザーII型により、アパーチャーと
して、トナー粒径を測定するときは、100μmアパー
チャーを用い、無機微粉末粒径を測定するときは13μ
mアパーチャーを用いて測定する。トナー及び金属酸化
物粉末の体積、個数を測定して、体積分布と、個数分布
とを算出した。それから本発明に係わるところの体積分
布から求めた重量基準の重量平均径を体積分布から求め
る。
【0100】本発明に於て画像形成方法を実施するため
に用いることができる具体的な画像形成装置の一例を図
1を用いて説明する。
【0101】1は静電荷像担持体としての回転ドラム型
の感光体であり、該感光体1はアルミニウムの如き導電
性基層1bと、その外面に形成した光導電層1aとを基
本構成層とするものであり、該光導電層1aの表層部
は、電荷輸送物質とフッ素系樹脂微粉末を8重量%含有
するポリカーボネート樹脂から構成されている。図面上
時計方向に周速度200mm/sで回転駆動される。
【0102】2は接触帯電部材としての帯電ローラーで
あり、中心の芯金2bとその外周をカーボンブラックを
含むエピクロルヒドリンゴムで形成した導電性弾性層2
aとを基本構成としている。
【0103】帯電ローラー2は、感光体1面に線圧40
g/cmの押圧力をもって圧接され、感光体1の回転に
伴い従動回転する。更に、帯電ローラー2には、クリー
ニング部材12としてフエルトパットが当接されてい
る。
【0104】3は帯電ローラー2に電圧を印加するため
の帯電バイアス電源であり、帯電ローラー3に直流−
1.4kVのバイアスが印加されることで感光体1の表
面が約−700Vの極性・電位に帯電される。
【0105】次いで潜像形成手段として画像露光4によ
って静電潜像が形成され、現像手段5に保有されている
現像剤により静電潜像が現像されてトナー画像として順
次可視化されていく。6は接触転写部材としての転写ロ
ーラーであり、中心の芯金6bとその外周をカーボンブ
ラックを含むエチレン−プロピレン−ブタジエン共重合
体で形成した導電性弾性層6aとを基本構成とするもの
である。
【0106】転写ローラー6は、感光体1面に線圧20
g/cmの押圧力をもって圧接され、感光体1の周速度
と等速度で回転域する。更に、転写ローラー6にはクリ
ーニング部材13としてフエルトパットが当接されてい
る。
【0107】転写材8としてはA4サイズの紙を用い、
これを感光体1と転写ローラー6との間に搬送すると同
時に、転写ローラー6にトナーと逆極性の直流−5kV
のバイアスを転写バイアス電源7から印加することによ
って感光体1上のトナー画像が転写材8の表面側に転写
される。従って転写時には転写ローラー6は転写材8を
介して感光体1に圧接されている。
【0108】次いで転写材8は、ハロゲンヒータを内蔵
させた定着ローラー11aとこれと押圧力をもって圧接
された弾性体の加圧ローラー11bとを基本構成とする
定着手段としての定着器11へ搬送され、定着ローラー
11aと加圧ローラー11b間を通過することによって
トナー像が転写材8に定着して画像形成物として排出さ
れる。
【0109】トナー画像転写後の感光体1面では転写残
りトナー等の付着汚染物質を、感光体1にカウンター方
向に線圧25g/cmで圧接したポリウレタンゴムを基
本材料とする弾性クリーニングブレードを具備したクリ
ーニング装置9で清浄面化し、更に除電露光装置10に
より除電されて、繰り返して作像する。
【0110】画像形成装置として、上述の静電荷像担持
体、現像手段、帯電手段、およびクリーニング手段の如
き構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一
体に結合して構成し、この装置ユニットを装置本体に対
して着脱自在に装着する構成にしても良い。例えば、帯
電手段、静電荷像担持体およびクリーニング手段からな
るグループの内少なくとも1つを現像手段とともに一体
に支持してユニットを形成し、装着本体に着脱自在の装
置ユニットとして、装置本体のレールの如き案内手段を
用いて着脱自在に装着する構成にしても良い。このと
き、上記の装置本体のほうに上記グループから選択しな
かった構成要素、例えば帯電手段および/またはクリー
ニング手段を伴って構成しても良い。
【0111】本発明の画像形成装置を、ファクシミリの
プリンターとして使用する場合には、潜像形成手段とし
ての画像露光4は受信データをプリントするためのレー
ザー光によるデジタル露光である。この場合の一具体例
を図2のブロック図に示す。
【0112】コントローラ211は画像読取部210と
プリンター219を制御する。コントローラ211の全
体はCPU217により制御されている。画像読取部か
らの読取データは、送信回路213を通して相手局に送
信される。相手局から受けたデータは受信回路212を
通してプリンター219に送られる。画像メモリには所
定の画像データが記憶される。プリンタコントロール2
18はプリンター219を制御している。214は電話
である。
【0113】回線215から受信された画像(回線を介
して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信
回路212で復調された後、CPU217によって画像
情報の復合処理を行い、順次画像メモリ216に格納さ
れる。少なくとも1ページの画像がメモリ216に格納
されると、そのページの画像記録を行う。CPU217
は、メモリ216により1ページの画像情報を読み出し
プリンタコントローラ218に復号化された1ページの
画像情報を送出する。プリンタコントローラ218は、
CPU218からの1ページの画像情報を受け取るとそ
のページの画像情報記録を行うべく、プリンタ219を
制御する。
【0114】CPU217は、プリンタ219による記
録中に、次のページの受信を行っている。
【0115】以上本発明の基本的な構成と特色を述べた
が、以下本発明を実施例により具体的に説明する。しか
しながら、これは本発明をなんら限定するものではな
い。以下の配合における部数は重量部である。
【0116】
【実施例】
(樹脂合成例1)窒素ガス導入管、コンデンサー、攪拌
機、温度計を具備した4つ口のフラスコにキシレン80
0部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌昇温し92℃に保
ち、スチレン84部、n−ブチルアクリレート16部、
開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド(DTB
P)4.4部の混合物を、連続滴下装置を用いて6時間
かけて滴下し重合を行なった後、脱溶剤し重合体Aを得
た。該重合体Aの分子量分布をGPCで測定したとこ
ろ、分子量1.15万に極大値を有し、Mw/Mnが
2.4であった。
【0117】(樹脂合成例2)上述の重合装置に、ポリ
ビニルアルコールの0.1%水溶液300部に、スチレ
ン86部、ブタジエン14部、開始剤としてベンゾイル
パーオキサイド(BP0)2.5部の混合物を仕込み重
合温度90℃にて24時間で重合を行った。その後、冷
却、水洗い、乾燥し、重合体Bを得た。該重合体Bの分
子量分布をGPCで測定したところ、分子量2.09万
に極大値を有し、Mw/Mnが10.5であった。
【0118】(樹脂合成例3)樹脂合成例1の重合装置
にポリビニルアルコールの0.1%水溶液300部に、
スチレン86部、n−ブチルアクリレート14部、開始
剤として1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニ
ル)シクロヘキサン(HTP)0.4部の混合物を仕込
み重合温度90℃にて24時間で重合を行った。その
後、冷却、水洗い、乾燥し、重合体Cを得た。該重合体
Cの分子量分布をGPCで測定したところ、分子量69
万に極大値を有し、Mw/Mnが10.4であった。
【0119】(磁性トナーの製造例1)上記重合体Aを
56部、重合体Bを20部、重合体Cを24部と低分子
量ポリプロピレン(Mw=約1万)4部、四三酸化鉄
(平均粒径=0.2μm)を80部、及びニグロシンを
2部とを、ブレンダーで十分に混合させた。
【0120】その後、120℃に設定した2軸混練押出
機にて溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッタ
ーミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機
を用いて微粉砕し、得られた微粉砕粉をコアンダ効果を
利用した多分割分級機を用いて分級して、重量平均粒径
(D4)8.5μmの磁性トナーを得た。
【0121】磁性トナーの結着樹脂成分の分子量分布
を以下のGPC測定条件に基づいて測定した。
【0122】・GPC測定条件 装置:LC−GPC 150C(ウォーターズ社) カラム:ショーデックスKF−801、802、80
3、804、805、806及び807、KF−800
P(昭和電工社) 温度:40℃ 溶媒:テトラヒドロフラン(THF) 流速:1.0ml/分 試料:3〜7mg/ml(THF)の試料濃度の液試料
を0.1ml注入 その結果、分子量500〜10万未満の低分子領域の低
分子量成分が75重量%で、分子量10万〜30万未満
の中間分子領域の中間分子量成分が9.5重量%で、分
子量50万以上の高分子量成分が10.6重量%であっ
た。GPCクロマトグラムを図3に示す。
【0123】(磁性トナーの製造例2)磁性トナーの製
造例1で、重合体Aを32部、重合体Bを20部、重合
体Cを48部にすることを除いては磁性トナーの製造例
1と同様にして磁性トナーを得た。該トナーのD4
8.9μであり、結着樹脂成分の分子量分布は、分子量
500〜10万未満の低分子領域の低分子量成分が45
重量%で、分子量10万〜30万未満の中間分子領域の
中間分子量成分が21重量%で、分子量50万以上の高
分子量成分が35重量%であった。
【0124】(磁性トナーの製造例3)磁性トナーの製
造例1で、重合体Aを90部、重合体Bを3部、重合体
Cを7部にすることを除いて磁性トナーの製造例1と同
様にして磁性トナーを得た。該トナーのD4は8.0
μであり、結着樹脂成分の分子量分布は、分子量500
〜10万未満の低分子領域の低分子量成分が92重量%
で、分子量10万〜30万未満の中間分子領域の中間分
子量成分が5重量%で、分子量50万以上の高分子量成
分が4重量%であった。
【0125】(実施例1)磁性トナー100部に、シ
リカ微粉末として正帯電性疎水性乾式シリカ(BET比
表面積:130m2/g)0.6部、含フッ素樹脂微粉
末としてビニリデンフルオライド重合体の微粉末(1次
粒径:0.30μm)0.2部、金属酸化物粉末とし
て、チタン酸ストロンチウムの粉末(D1:1.1μ
m、D4:1.9μm、D4/D1:1.7)1.0部を
加えて、ヘンシェルミキサーで混合し、正帯電性の現像
剤とした。
【0126】図1に示す画像形成装置において、この現
像剤を適用して、連続2万枚の複写耐久を行った。その
結果、耐久後の帯電ローラー/転写ローラー上にトナー
の固着や紙粉の汚れは見当たらず、帯電不良及び転写不
良がなく、さらに感光体表面も同様に良好であり、得ら
れた画像は全く良好であった。
【0127】更に、該画像形成装置の定着器を取りはず
して、紙上に未定着画像を作成し、一方、電子写真複写
機GP55(キヤノン社)から取りはずした定着器を改
造して温度可変の熱ローラー外部定着器とし、これを用
いて該未定着画像の定着試験、及びオフセット試験を行
った。
【0128】外部定着器のニップを5.0mm、定着ス
ピード200mm/sに設定し、150℃〜255℃の
温度範囲で5℃おきに温調して、各々の温度で未定着画
像の定着を行い、得られた定着画像を50g/cm2
加重をかけたシルボン紙で摺擦し、摺擦前後の画像濃度
低下率が5%以下となる定着温度を定着開始温度とし
た。その結果、定着開始温度は170℃と低く、低温定
着性に優れたものであった。また、オフセット開始温度
250℃と高く、耐オフセット性に優れたものであっ
た。
【0129】以上の結果を表1に示す。
【0130】(比較例1)実施例1で、ビニリデンフル
オライド重合体の微粉末及びチタン酸ストロンチウムの
粉末を用いないことを除いては実施例1と同様に現像剤
を調製し、実施例1と同様に評価した。その結果、実施
例1と比較すると定着性とオフセット性に関しては良好
であったが、耐久画像において、全面に黒ポチ模様が発
生し、画像濃度ムラが生じた。更に、帯電ローラー、転
写ローラー及び感光体の表面を観察すると、いずれの部
材の全面にトナーの固着が見られた。結果を表2に示
す。
【0131】(比較例2)実施例1で、ビニリデンフル
オライド重合体の微粉末を用いないことを除いては実施
例1と同様に現像剤を調製し、実施例1と同様に評価し
た。結果を表2に示す。
【0132】(比較例3)実施例1で、チタン酸ストロ
ンチウムの粉末を用いないことを除いては実施例1と同
様に現像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。結果
を表2に示す。
【0133】(比較例4)実施例1で、正帯電性疎水性
乾式シリカを0.4部、ビニリデンフルオライド重合体
の微粉末を0.5部にすることを除いては、実施例1と
同様に現像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。
【0134】その結果、帯電ローラー、転写ローラー及
び感光体の表面上にトナーの固着自体は全くないが、該
表面上に紙粉による汚染が発生しており、得られた画像
には濃度ムラが見られた。結果を表2に示す。
【0135】(比較例5)実施例1で、正帯電性疎水性
乾式シリカを用いないことを除いては実施例1と同様に
現像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。結果を表
2に示す。
【0136】(実施例2)実施例1で、1次粒径が0.
30μmのビニリデンフルオライド重合体の微粉末を、
1次粒径が0.09μmであるビニリデンフルオライド
重合体の微粉末、に変えて用いることを除いては実施例
1と同様に現像剤を調製し、実施例1と同様に評価し
た。結果を表1に示す。
【0137】(実施例3)実施例1で、1次粒径が0.
30μmのビニリデンフルオライド重合体の微粉末を、
1次粒径が0.92μmであるビニリデンフルオライド
重合体の微粉末に変えて用いることを除いては実施例1
と同様に現像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。
結果を表1に示す。
【0138】(実施例4)実施例1で、D1:1.1μ
m、D4:1.9μm、D4/D1:1.7であるチタン
酸ストロンチウムの粉末を、D1:0.8μm、D4
1.0μm、D4/D1:1.3であるチタン酸ストロン
チウムの粉末に変えて用いることを除いては実施例1と
同様に現像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。結
果を表1に示す。
【0139】(実施例5)実施例1で、D1:1.1μ
m、D4:1.9μm、D4/D1:1.7であるチタン
酸ストロンチウムの粉末を、D1:3.0μm、D4
5.9μm、D4/D1:3.0であるチタン酸ストロン
チウムの粉末に変えて用いることを除いては実施例1と
同様に現像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。結
果を表1に示す。
【0140】(実施例6)実施例1で、正帯電性疎水性
乾式シリカを1.5部、チタン酸ストロンチウムの粉末
を3.5部に変えることを除いては実施例1と同様に現
像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1
に示す。
【0141】(実施例7)実施例1で、正帯電性疎水性
乾式シリカを0.2部、チタン酸ストロンチウムの粉末
を0.3部に変えることを除いては実施例1と同様に現
像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1
に示す。
【0142】(実施例8)実施例1で、正帯電性疎水性
乾式シリカを1.2部、ビニリデンフルオライド重合体
の微粉末を0.9部に変えることを除いては実施例1と
同様に現像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。結
果を表1に示す。
【0143】(実施例9)実施例1で、正帯電性疎水性
乾式シリカを0.4部、ビニリデンフルオライド重合体
の微粉末を0.05部に変えることを除いては実施例1
と同様に現像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。
結果を表1に示す。
【0144】(比較例6)実施例1で、正帯電性疎水性
乾式シリカを2.5部に変えることを除いては実施例1
と同様に現像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示す。
【0145】(比較例7)実施例1で、チタン酸ストロ
ンチウムの粉末を5.0部に変えることを除いては実施
例1と同様に現像剤を調製し、実施例1と同様に評価し
た。結果を表2に示す。
【0146】(比較例8)実施例1で、ビニリデンフル
オライド重合体の微粉末を1.6部に変えることを除い
ては実施例1と同様に現像剤を調製し、実施例1と同様
に評価した。結果を表2に示す。
【0147】(比較例9)実施例1で、磁性トナーを
磁性トナーに変えることを除いては実施例1と同様に
現像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。2万枚耐
久後の画像特性は良好であったが、定着開始温度が19
5℃に上昇し低温定着性能が低下した。結果を表2に示
す。
【0148】(比較例10)実施例1で、磁性トナー
を磁性トナーに変えることを除いては実施例1と同様
に現像剤を調製し、実施例1と同様に評価した。2万枚
耐久後の画像特性は良好であったが、オフセット開始温
度が220℃に低下してしまった。結果を表2に示す。
【0149】
【表1】
【0150】
【表2】
【0151】
【発明の効果】本発明によれば、特定の結着樹脂成分及
び低分子量ワックス成分を含有する磁性トナーと、シリ
カ微粉末、金属酸化物粉末及び含フッ素樹脂微粉末を所
定量併用した外添剤とにより構成されるため、接触帯電
方式及び接触転写方式を有する画像形成方法を用いて多
数のコピーを行った場合にも、接触帯電部材や接触転写
部材へのトナーの融着が抑えられ、画像欠陥が生じず、
低温定着性や耐オフセットに優れた画像を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接触帯電方式及び接触転写方式を用い
た画像形成方法及び画像形成装置を説明するための概略
構成図を示す。
【図2】本発明の画像形成装置をファクシミリ装置のプ
リンターとして用いた場合のファクシミリ装置のブロッ
ク図を示す。
【図3】GPCのクロマトグラムを示す図を示す。
【図4】従来公知の接触帯電方式及び接触転写方式を用
いた画像形成装置の概略構成図を示す。
【符号の説明】
1 静電荷像担持体(感光体) 2 接触帯電部材 3 帯電バイアス印加電源 4 潜像形成手段 5 現像手段 6 接触転写部材 7 転写バイアス印加電源 8 転写材 9 クリーニング手段 10 除電露光 11 定着手段 12 帯電ローラークリーニング手段 13 転写ローラークリーニング手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 9/08 375 (72)発明者 萩原 和義 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 下條 稔 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−190244(JP,A) 特開 平5−281780(JP,A) 特開 平4−307553(JP,A) 特開 昭61−59452(JP,A) 特開 平4−191863(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂成分100重量部、
    低分子量ワックス成分0.1〜20重量部及び磁性体5
    0〜120重量部を含有している磁性トナー及び添加剤
    を有する静電荷像現像用現像剤において、 該結着樹脂成分は、GPC(ゲルパーミエーションクロ
    マトグラフィ)によって測定されたクロマトグラムにお
    いて、分子量500以上10万未満の低分子量領域の低
    分子量成分を50〜90重量%、分子量10万以上30
    万未満の中間分子量領域の中間分子量成分を20重量%
    以下及び分子量50万以上の高分子量領域の高分子量成
    分を5〜30重量%、THF可溶分基準で有しており、 該添加剤は、シリカ微粉末を0.1〜2重量%、金属酸
    化物粉末を0.1〜4重量%及び含フッ素樹脂微粉末を
    0.01〜1重量%、磁性トナーの重量基準で含有して
    おり、かつ該シリカ微粉末の含有量は該含フッ素樹脂微
    粉末の含有量よりも多いことを特徴とする静電荷像現像
    用現像剤。
  2. 【請求項2】 静電荷像担持体の表面に接触帯電部材を
    圧接させてバイアス電圧を印加して該静電荷像担持体を
    帯電し、帯電されている静電荷像担持体に潜像形成手段
    により静電荷像を形成し、該静電荷像担持体が担持して
    いる静電荷像を現像剤により現像し、現像により形成さ
    れた現像画像を転写材を介して静電荷像担持体に接触す
    る接触帯電部材により転写材に転写し、転写材の現像画
    像を定着手段により定着する画像形成方法において、 該現像剤は、少なくとも結着樹脂成分100重量部、低
    分子量ワックス成分0.1〜20重量部及び磁性体50
    〜120重量部を含有している磁性トナー、及び添加剤
    を含有しており、 該結着樹脂成分は、GPC(ゲルパーミエーションクロ
    マトグラフィ)によって測定されたクロマトグラムにお
    いて、分子量500以上10万未満の低分子量領域の低
    分子量成分を50〜90重量%、分子量10万以上30
    万未満の中間分子量領域の中間分子量成分を20重量%
    以下及び分子量50万以上の高分子量領域の高分子量成
    分を5〜30重量%、THF可溶分基準で有しており、 該添加剤は、シリカ微粉末を0.1〜2重量%、金属酸
    化物粉末を0.1〜4重量%及び含フッ素樹脂微粉末を
    0.01〜1重量%、磁性トナーの重量基準で含有して
    おり、かつ該シリカ微粉末の含有量は該含フッ素樹脂微
    粉末の含有量よりも多いことを特徴とする画像形成方
    法。
  3. 【請求項3】 静電潜像を担持するための静電荷像担持
    体;該静電荷像担持体の表面に圧接してバイアス電圧を
    印加することにより、該静電荷像担持体を帯電するため
    の接触帯電部材;帯電されている静電荷像担持体に静電
    荷像を形成するための潜像形成手段;該静電荷像担持体
    が担持している静電荷像を現像するための現像手段;該
    静電荷像担持体に転写材を介して接触して、現像手段に
    より形成された現像画像を転写材に転写するための接触
    転写部材;及び該転写材の現像画像を定着するための定
    着手段;を有する画像形成装置において、 該現像剤は、少なくとも結着樹脂成分100重量部、低
    分子量ワックス成分0.1〜20重量部及び磁性体50
    〜120重量部を含有している磁性トナー、及び添加剤
    を含有しており、 該結着樹脂成分は、GPC(ゲルパーミエーションクロ
    マトグラフィ)によって測定されたクロマトグラムにお
    いて、分子量500以上10万未満の低分子量領域の低
    分子量成分を50〜90重量%、分子量10万以上30
    万未満の中間分子量領域の中間分子量成分を20重量%
    以下及び分子量50万以上の高分子量領域の高分子量成
    分を5〜30重量%、THF可溶分基準で有しており、 該添加剤は、シリカ微粉末を0.1〜2重量%、金属酸
    化物粉末を0.1〜4重量%及び含フッ素樹脂微粉末を
    0.01〜1重量%、磁性トナーの重量基準で含有して
    おり、かつ該シリカ微粉末の含有量は該含フッ素樹脂微
    粉末の含有量よりも多いことを特徴とする画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 (i)静電荷像を担持するための静電荷
    像担持体、及び(ii)該静電荷像担持体の表面に圧接
    してバイアス電圧を印加することにより、該静電荷像担
    持体を帯電するための接触帯電手段、の少なくとも1つ
    が、該静電荷像担持体に担持されている静電荷像を現像
    するための現像手段と一体に支持されてユニットを構成
    しており、該ユニットは、(iii)帯電されている静
    電荷像担持体に静電荷像を形成するための潜像形成手
    段、(iv)該静電荷像担持体に転写材を介して接触し
    て現像手段により形成された現像画像を該転写材に転写
    するための接触転写部材、及び(v)該転写材の現像画
    像を定着するための定着手段を有する装置本体に脱着自
    在に装置される装置ユニットにおいて、 該現像剤は、少なくとも結着樹脂成分100重量部、低
    分子量ワックス成分0.1〜20重量部及び磁性体50
    〜120重量部を含有している磁性トナー、及び添加剤
    を含有しており、 該結着樹脂成分は、GPC(ゲルパーミエーションクロ
    マトグラフィ)によって測定されたクロマトグラムにお
    いて、分子量500以上10万未満の低分子量領域の低
    分子量成分を50〜90重量%、分子量10万以上30
    万未満の中間分子量領域の中間分子量成分を20重量%
    以下及び分子量50万以上の高分子量領域の高分子量成
    分を5〜30重量%、THF可溶分基準で有しており、 該添加剤は、シリカ微粉末を0.1〜2重量%、金属酸
    化物粉末を0.1〜4重量%及び含フッ素樹脂微粉末を
    0.01〜1重量%、磁性トナーの重量基準で含有して
    おり、かつ該シリカ微粉末の含有量は該含フッ素樹脂微
    粉末の含有量よりも多いことを特徴とする装置ユニッ
    ト。
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