JP2871372B2 - 二重化プロセッサ装置 - Google Patents

二重化プロセッサ装置

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JP2871372B2
JP2871372B2 JP5029238A JP2923893A JP2871372B2 JP 2871372 B2 JP2871372 B2 JP 2871372B2 JP 5029238 A JP5029238 A JP 5029238A JP 2923893 A JP2923893 A JP 2923893A JP 2871372 B2 JP2871372 B2 JP 2871372B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロセスの制御のため
に適用される二重化プロセッサ装置に関し、更に詳しく
は、二重化された2つのプロセッサ装置から、共通の入
出力装置(I/O装置)に対してアクセスを可能とする
二重化プロセッサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プロセス制御を行うプロセッサ装置にお
いては、信頼性を高めるためにプロセス制御演算を行う
プロセッサ装置を二重化構成とし、一方のプロセッサ装
置の故障に備えて他方のプロセッサ装置を待機させるよ
うに構成した二重化プロセッサ装置が広く実用化されて
いる。
【0003】この様な二重化プロセッサ装置としては、
例えば、特開昭57−86968号公報や、特開昭57
−86971号公報等に開示されているものがある。こ
れらは、いずれも2つのプロセッサ装置の間に二重化制
御のための手段を介在させるような構成となっている。
また、特開平2−264353号公報には、2つのプロ
セッサの間に二重化制御のための手段を介在させない二
重化プロセッサ装置が開示されている。
【0004】図3は、これらの従来装置の一例を示す構
成概念図である。ここでは、2つのプロセッサ装置PC
1,PC2の間に二重化制御手段DXCを設け、どちら
のプロセッサ装置を実作業につかせ、どちらの側を実作
業についているプロセッサ装置の故障に備えて待機させ
るかの二重化切替え制御を行うように構成したものであ
る。また、二重化構成とした入出力装置IO1,IO2
は、それぞれ対応するシステムバスSB1,SB2に接
続されていて、入出力装置IO1はプロセッサ装置PC
1からアクセスできるように、また、入出力装置IO2
はプロセッサ装置PC2からアクセスできるように構成
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この様な従来装置にお
いては、一つのプロセッサ装置は、信頼性を向上させる
ために二重化構成した入出力装置のうち、対応する一方
からしかアクセスできないような構成であった。本発明
は、この様な点に鑑みてなされたもので、二重化された
2つのプロセッサ装置において、どちらの側のプロセッ
サ装置が実作業に付いた場合(制御側になった場合)で
も、共通してアクセスできる入出力装置を設けることの
可能な二重化プロセッサ装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この様な目的を達成する
本発明は、互いに同期して同一の制御演算を行っている
第1,第2のプロセッサ装置をシステムバスで結合し、
一方のプロセッサ装置が実作業につき他方のプロセッサ
装置が実作業に関与せず待機する方式の二重化プロセッ
サ装置であって、第1のプロセッサ装置に動作電力を供
給する第1の電源装置と、第2のプロセッサ装置に動作
電力を供給する第2の電源装置と、前記第1,第2の各
プロセッサ装置にそれぞれ接続される二重化構成の第
1,第2のシステムバスと、第1のシステムバスに接続
されると共に、第1の電源装置から動作電力が供給され
る二重化構成の一方を構成する第1の入出力装置と、第
2のシステムバスに接続されると共に、第2の電源装置
から動作電力が供給される二重化構成の他方を構成する
第2の入出力装置と、第1または第2のシステムバスの
いずれかに接続されると共に、前記第1,第2の電源装
置の両方から動作電力が供給されて動作できるようにし
た共通の入出力装置とを備えた二重化プロセッサ装置で
ある。
【0007】
【作用】第1,第2の2つのプロセッサ装置において、
制御権を得ている一方のプロセッサ装置が制御側とな
り、システムバスを介して対応する入出力装置をアクセ
スする。他方のプロセッサ装置は、待機側となり、制御
側から必要なデータを得て、制御側と同一の制御演算を
同期して実行するが、入出力装置に対するアクセスは行
わない。
【0008】一方のプロセッサ装置に異常が発生した場
合は、制御権の切替えが行われ、それまで待機側にあっ
た他方のプロセッサ装置が制御側となり、システムバス
を介して対応する入出力装置をアクセスする。この切替
えは、2つのプロセッサ装置が同一の制御演算を同期し
て行っていたのであるから、連続性を維持しながら行う
ことが可能となる。
【0009】共通の入出力装置は、システムバスの一方
を介して2つのプロセッサ装置のどちらが制御側になっ
たとしてもアクセス可能であり、また、2つの電源回路
のいずれかがダウンした場合にも、他方の電源回路から
電力を得て動作する。
【0010】
【実施例】以下図面を用いて本発明の一実施例を詳細に
説明する。図1は、本発明に係わる装置の基本的な機能
を示す機能ブロック図である。図において、PC1,P
C2は、単体で実行可能な二重化構成の第1,第2のプ
ロセッサ装置で、互いに二重化された第1,第2のシス
テムバスEB1,EB2により結合している。これらの
各プロセッサ装置PC1,PC2は、互いに同期して動
作するとともに、データベースが等値化されるように構
成されていて、一方のプロセッサ装置が実作業につき、
他方のプロセッサ装置が実作業に関与せず待機するよう
になっている。
【0011】RI1は二重化構成の一方を構成する第1
の入出力装置で、第1のシステムバスEB1に接続され
ている。また、RI2は二重化構成の他方を構成する第
2の入出力装置で、第2のシステムバスEB2に接続さ
れている。RS0は二重化されたシステムバスの一方
(ここでは第1)のシステムバスEB1に接続される共
通の(シングル構成の)入出力装置である。ここで、第
1,第2の入出力装置RI1,RI2は同一構成であっ
て、例えば、フィールドに設置した同じフィールド計器
からの信号を扱う二重化構成の入出力インターフェース
が相当する。また、共通の入出力装置RS0は、第1,
第2のプロセッサ装置PC1,PC2と図示していない
が他のプロセッサ装置等との間で規格化された信号(例
えば、RS232CやGPIB等)により通信を行うた
めの通信インターフェース等が相当している。
【0012】PS1は第1の電源装置で、第1のプロセ
ッサ装置PC1,第1の入出力装置RI1に動作電力を
供給すると共に、ダイオードD1を介して共通の入出力
装置RS0に動作電力を供給する。また、PS2は第2
の電源装置で、第2のプロセッサ装置PC2,第2の入
出力装置RI2に動作電力を供給すると共に、ダイオー
ドD2を介して共通の入出力装置RS0に動作電力を供
給する。第1,第2の各電源装置は、いずれも、バック
アップ用のバッテリィBATを備えている。
【0013】図2は、各プロセッサ装置PC1,PC2
の持つ機能を示した機能ブロック図である。図1の各部
分と対応する部分には同一の符号を付してある。各プロ
セッサ装置は、オペレーションシステム(OS)の管理
下で動作する汎用化された言語(例えばC言語)で記述
されたアプリケーションソフトウェアに従って、データ
の処理や制御を行うように構成されている。また、各プ
ロセッサ装置は、外部からの割り込み処理以外に、OS
による多重実行の発生はなく、アプリケーションプログ
ラムが連続に実行する処理を中断するのは、そのアプリ
ケーションプログラムがOSをコールするか、又は、O
Sが動作するような処理を実行した場合のみであり、ま
た、各プログラム間でのデータの授受および通信は、全
てOSを経由して行われるように構成されているものと
する。
【0014】各プロセッサ装置PC1,PC2におい
て、主記憶手段MEMには、OSを格納するOS実行メ
モリ部11と、アプリケーションプログラムを格納する
プログラム実行メモリ部12が設けられている。ここに
格納されているアプリケーションプログラムは、OSの
機能を使用しながら(システムコールを行いながら)動
作するもので、各種のアプリケーションに応じて用意さ
れるが、その設計あるいは作成は、二重化処理を意識す
ることなく行われる。プロセッサ装置内のCPUは、こ
の主記憶手段MEMに格納されている各プログラムに従
って、データの演算処理,各種の制御や通信処理などを
行うことになる。
【0015】13はそのプロセッサ装置自身が実作業に
関与しているとき、プログラム実行メモリ部12の内容
を、待機状態にある相手のプロセッサ装置内のプログラ
ム実行メモリ部に転送するデータ等値化手段である。こ
のデータ等値化手段13は、システムの立ち上げ時にお
いては、はじめに、シングル運転状態に入ったプロセッ
サ装置側(制御側)のOS実行メモリ部11とプログラ
ム実行メモリ手段12の内容を、待機側にあるプロセッ
サ装置に転送する機能や、制御側のプロセッサ装置が入
出力装置を介して取り込んだ入力データを、待機側に転
送する機能も備えている。
【0016】14は自身のプロセッサ装置が制御側にあ
るとき、入出力装置RI1,RI2またはRS0から割
り込みを受けた場合、待機側にある相手のプロセッサ装
置に対して、同様の割り込みを行うプロセス装置間割り
込み発生手段である。待機側プロセッサ装置は、制御側
のプロセス装置間割り込み発生手段14による割り込み
を受けると、自身のCPUに対して、疑似的な割り込み
を発生させ、制御側と同様の割り込み処理を行う。この
場合の割り込み処理は、通常はアプリケーションの動作
とは全く非同期に行われることになる。
【0017】15はアプリケーションプログラムがシス
テムコールを行った際、制御側プロセッサ装置と待機側
プロセッサ装置とで、その動作が同期するように待ち合
わせを行うための待ち合わせ手段である。2つのプロセ
ッサ装置PC1,PC2は、制御側も待機側もそれぞれ
のCPUによって独自に動作しているが、各プロセッサ
装置は、それらの動作が正常に行われているものとすれ
ば、互いの動作は同期したものとなる。しかしながら、
一方のプロセッサ装置において、割り込み処理などが発
生すると同期がとれなくなる。
【0018】従って、この装置においては、OSがコー
ルされるたびに、待ち合わせ手段15による同期のため
の待ち合わせが行われるように構成してある。待ち合わ
せが行われる場合としては、CPUから割り込みが発生
した場合、プロセッサ装置が自身の入出力装置に対して
アクセスを行った(この場合、制御側から待機側にデー
タ転送が行われる)場合、プログラム実行メモリで動作
するプログラムから入出力装置に対してアクセス要求を
行った場合等である。
【0019】16は制御演算機能を総括的に示すブロッ
クで、ここで、例えば二重化構成の入出力装置RI1,
RI2や共通入出力装置RS0を介して得た入力デー
タ、図示していないが上位計算機等から与えられる設定
値データを用いて、PID制御演算やシーケンス制御演
算が行われるように構成してある。この様に構成した装
置の動作を次に説明する。
【0020】第1,第2の2つのプロセッサ装置PC
1,PC2において、制御権を得ている一方のプロセッ
サ装置(例えばPC1)は制御側となり、第1のシステ
ムバスEB1を用いて、二重化構成の一方の入出力装置
RI1と共通の入出力装置RS0をアクセスする。他方
のプロセッサ装置PC2は、この状態では待機側とな
り、制御側から必要なデータをシステムバスを介して
得、制御側と同一の制御演算を同期して実行するが、各
入出力装置RI1,RI2,RS0に対するアクセスは
行わない。
【0021】一方のプロセッサ装置PC1あるいは第1
の電源装置PS1、第1の入出力装置RI1のいずれか
に異常が発生した場合は、制御権の切替えが行われる。
この制御権の切替えは、各プロセッサ装置に用意されて
いる公知の二重化制御手段(図示せず)により行われ
る。即ち、2つのプロセッサ装置は、互いに排他的な関
係を持つ二重化切替え制御信号を入出力しており、二重
化制御手段は、自分のプロセッサ装置、対応する電源装
置、対応する入出力装置からの動作状態を示すステータ
ス信号を監視していて、いずれかに異常が検出された場
合に、この排他的な関係にある二重化切替え信号を反転
させて、待機側にあったプロセッサ装置に制御権が切り
替えられるように制御する。
【0022】それまで待機側にあった他方のプロセッサ
装置PC2に制御権が渡されると、第2のプロセッサ装
置PC2が今度は制御側となり、第2のシステムバスE
B2を介して対応する第2の入出力装置RI2をアクセ
スする。また、共通の入出力装置RS0へのアクセス
は、第1のシステムバスES1を介して行う。この時の
制御権の切替えは、それまで待機側にあった他方のプロ
セッサ装置PC2が、プロセッサ装置PC1と同一の制
御演算を同期して行っていたのであるから、連続性を維
持しながら行れる。
【0023】本発明の装置においては、この様に、共通
の入出力装置RS0に関しては、第1,第2の2つのプ
ロセッサ装置のどちらが制御側になったとしても、二重
化構成の一方のシステムバス(この例ではEB1)を介
してアクセスすることが可能となっている。また、この
共通の入出力装置RS0には、第1,第2の2つの電源
回路PS1,PS2のいずれかがダウンした場合にも、
他方の電源回路から電力を得て動作する。
【0024】なお、共通の入出力装置RS0か、この入
出力装置RS0が接続されているシステムバスが故障し
た場合は、いずれのプロセッサ装置からもアクセスする
ことが不可能となる。この場合は、故障した部分をシス
テムから切り離して動作を継続することになる。
【0025】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明
は、二重化構成としたプロセッサ装置に対してそれぞれ
接続される二重化構成のシステムバスの一方に、共通の
入出力装置を接続する構成とすると共に、その入出力装
置に二重化構成とした各電源装置から、突き合わせダイ
オードを介して電力を供給するような構成としたもので
ある。
【0026】従って、本発明によれば、2つのプロセッ
サ装置のどちらが制御側となった場合でも、シングル構
成の共通の入出力装置RS0に対して制御側のプロセッ
サ装置からアクセスが行えるようになり、二重化構成と
する必要のないような入出力装置と二重化構成の入出力
装置とを混在させた二重化プロセッサ装置を実現するこ
とができる。
【0027】また、同一の制御演算を行う2つのプロセ
ッサ装置が同期をとる動作を、システムコールを行うと
き、割り込み処理やI/O処理において行うようにする
ことで、大がかりなシステムを構築しなくとも、制御側
がダウンしたような場合における待機側プロセツサ装置
への制御動作の切替えを、継続性を維持しながら迅速に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる装置の基本的な構成を示す機能
ブロック図である。
【図2】各プロセッサ装置PC1,PC2の持つ機能を
示した機能ブロック図である。
【図3】従来装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
PC1,PC2 第1,第2のプロセッサ装置 PS1,PS2 第1,第2の電源装置 EB1,EB2 第1,第2のシステムバス RI1,RI2 第1,第2の入出力装置 RS0 共通の入出力装置 D1,D2 突き合わせダイオード 11 OS実行メモリ部 12 プログラム実行メモリ部 13 データ等値化手段 14 プロセッサ装置間割り込み発生手段 15 待ち合わせ手段である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−291708(JP,A) 特開 昭59−69823(JP,A) 特開 昭57−164318(JP,A) 特開 昭59−157759(JP,A) 実開 平1−160548(JP,U) 特公 昭56−27896(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06F 1/26 - 1/32 G06F 11/18 310 G06F 15/16 470

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに同期して同一の制御演算を行ってい
    る第1,第2のプロセッサ装置をシステムバスで結合
    し、一方のプロセッサ装置が実作業につき他方のプロセ
    ッサ装置が実作業に関与せず待機する方式の二重化プロ
    セッサ装置であって、 第1のプロセッサ装置に動作電力を供給する第1の電源
    装置と、 第2のプロセッサ装置に動作電力を供給する第2の電源
    装置と、 前記第1,第2の各プロセッサ装置にそれぞれ接続され
    る二重化構成の第1,第2のシステムバスと、 第1のシステムバスに接続されると共に、第1の電源装
    置から動作電力が供給される二重化構成の一方を構成す
    る第1の入出力装置と、 第2のシステムバスに接続されると共に、第2の電源装
    置から動作電力が供給される二重化構成の他方を構成す
    る第2の入出力装置と、 第1または第2のシステムバスのいずれかに接続される
    と共に、前記第1,第2の電源装置の両方から動作電力
    が供給されて動作できるようにした共通の入出力装置と
    を備えた二重化プロセッサ装置。
  2. 【請求項2】第1,第2の入出力装置は、フィールドに
    設置したフィールド計器からの信号を扱う二重化構成の
    入出力インターフェースであり、共通の入出力装置は、
    第1,第2のプロセッサ装置との間で規格化された信号
    により通信を行うための通信インターフェースである請
    求項1の二重化プロセッサ装置。
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