JP2870536B1 - 系統連系装置およびその制御装置 - Google Patents

系統連系装置およびその制御装置

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JP2870536B1
JP2870536B1 JP10009071A JP907198A JP2870536B1 JP 2870536 B1 JP2870536 B1 JP 2870536B1 JP 10009071 A JP10009071 A JP 10009071A JP 907198 A JP907198 A JP 907198A JP 2870536 B1 JP2870536 B1 JP 2870536B1
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正邦 浅野
克夫 松原
憲昭 徳田
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Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

【要約】 【課題】 商用電源線25によって受電している受電母
線22と、自家発電装置27から給電が行われる自家発
母線23とのように、2つの電力系統間に介在される系
統連系装置21において、配電線26および商用電源線
25等の事故に対して、自家発電装置27が過負荷とな
ることによる停電を防止するとともに、重要負荷が接続
される配電線28の瞬時電圧低下を抑止する。 【解決手段】 系統連系装置21を、サイリスタTH1
〜TH4から成る単相整流回路と、限流作用を行う直流
リアクトルLとを備えて構成し、制御装置30は、TH
1,TH2をスイッチ動作させ、TH3,TH4をダイ
オード運転し、系統事故時に、TH1,TH2をOFF
駆動しても、素子故障によってOFFしないときには、
再度TH1,TH2をON駆動して直流リアクトルLの
磁界エネルギを消費する電流還流ループを形成した後、
TH3,TH4をOFF駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば商用電源
系と自家発電系とのようなそれぞれ1または複数の発電
装置と多数の負荷とを有する2つの電力系統を相互に連
系させるために用いられる系統連系装置と、その制御装
置とに関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、上述のような商用電源系と自家
発電系との基本的な連系の構成を説明するための図であ
る。需要家内に引込まれた商用電源線1は、受電母線2
に接続され、この受電母線2には、一般負荷に接続され
る多数の配電線3が接続されている。
【0003】一方、自家発母線5へは、自家発電装置6
と、たとえば自家発電容量の60〜70%を占める重要
負荷への配電線4が接続されている。前記受電母線2と
自家発母線5とは、遮断器7の介在された母線連絡線8
によって相互に接続されている。前記遮断器7は、短絡
や地絡等の事故が発生すると、図示しない継電器によっ
て遮断駆動される。
【0004】しかしながら、このような連系構造では、
前記事故が発生してから、実際に遮断器7が作動するま
でに、たとえば5〜10周期程度(50Hzで100〜
200msec)を要し、前記配電線4に接続されてい
る重要負荷に長時間の電圧降下が発生してしまうという
問題がある。また、このように遮断器7が作動するまで
に長時間を要するので、送電端の遮断器が開放される
と、自家発電装置6は、自己容量の数倍の一般需要家の
負荷が接続されたまま運転されることになり、該自家発
電装置6が過負荷となって停止し、最終的にはすべての
負荷が停電状態となる。
【0005】上述のような不具合を解決するために、図
8で示すような典型的な従来技術の系統連系装置11が
実用化されている。なお、この図8において、前述の図
7に類似し対応する部分には同一の参照符号を付して、
その説明を省略する。
【0006】この系統連系装置11は、相互に逆極性で
並列接続された2つのサイリスタ12,13から構成さ
れている。母線2,5間の連系時には、前記継電器から
の出力によって、これらのサイリスタ12,13のゲー
トが駆動され、該サイリスタ12,13は導通してお
り、前記事故時には、これらサイリスタ12,13のゲ
ートはブロックされ、該サイリスタ12,13は遮断す
る。
【0007】サイリスタ12,13の駆動にあたっての
前記事故の検知は、たとえば半周期で行われ、続く半周
期の零クロス点で遮断駆動が可能となる。したがって、
直流オフセット電流を考慮すると、前記事故の発生から
1周期(前記50Hzで20msec)以内で、母線
2,5間を遮断することができる。しかし、この間、完
全短絡電流が流れ、大きな電圧降下を生じることは避け
られない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の系統連系装置1
1によれば、前述の遮断器7による連系に比べて、母線
2,5間の遮断に要する時間が短くなり、自家発電装置
6の停止は回避することができる。しかしながら、依然
として瞬時電圧低下が発生し、コンピュータ等の自家発
母線5に接続される重要な負荷に影響が生じる。
【0009】本発明の目的は、2つの電力系統を連系さ
せるにあたって、事故時における瞬時電圧低下を抑止す
ることができる系統連系装置およびその制御装置を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る系
統連系装置は、2つの電力系統間に介在され、両系統を
相互に連系させて電力の融通を行う系統連系装置におい
て、サイリスタ純ブリッジで構成され、前記2つの電力
系統にそれぞれ接続される交流端子のうち、いずれか一
方の交流端子側のサイリスタがダイオード運転され、い
ずれか他方の交流端子側のサイリスタがスイッチ動作さ
れる単相整流回路と、前記サイリスタ純ブリッジの2つ
の直流端子間に接続される直流リアクトルとを含むこと
を特徴とする。
【0011】上記の構成によれば、2つの電力系統間を
接続するにあたって、サイリスタ純ブリッジで構成され
る単相整流回路の直流端子間に直流リアクトルを接続
し、交流端子を2つの電力系統にそれぞれ接続する。
【0012】この回路で発揮できる機能としては、 i .定常運転時に、交流側から見たインピーダンスが殆
ど零であること。 ii.短絡事故発生時に、瞬時に高インピーダンスを呈
し、短絡電流を抑制できること。 iii .整流性スイッチング素子によって、両電力系統間
を高速で遮断できること。である。
【0013】上記i ,ii,iii に従って説明する。 i .前記直流リアクトルは、その電流減衰の時定数が系
統周波数周期の2.5倍以上に選ばれることによって、
定常時のインピーダンスを略零とすることができるとと
もに、事故発生時にのみ大きなインピーダンスを呈す
る。
【0014】ii.前記事故が発生しても、直流リアクト
ルによる電流保存作用によって、該直流リアクトルの端
子間電圧が上昇し、正常な系統側の重要な負荷への瞬時
の電源電圧の低下も抑えることができる。さらにまた、
前記直流リアクトルによる電流保存作用によって、前記
事故の発生している配電線に流れる事故電流を抑える限
流作用を実現することができ、双方の系統の短絡容量を
抑えることもできる。
【0015】iii .事故が発生すると、スイッチ動作さ
れている側のサイリスタが高速でOFFして、2つの系
統間が切離されることによって、正常な系統に設けられ
ている発電装置が過負荷となって停止してしまうような
ことはなく、停電を防止することができる。
【0016】類似装置として、後に詳述するように、単
相混合ブリッジ整流回路を限流装置に用いた例が、特開
昭49−50448号公報で示されている。この装置で
は、直流電源の作用によって、常時、サイリスタおよび
ダイオードに電流を流しておき、交流回路の電流がその
電流値以下であれば、交流側から見たインピーダンスは
零となり、前記電流値以上となれば、限流動作を行う回
路である。
【0017】かかる目的の直流電源を付加することは、
技術的・経済的に同発明の実現性を困難にしている。
【0018】そこで、さらに請求項2の発明に係る系統
連系装置は、前記直流リアクトルのリアクタンス成分お
よび抵抗成分ならびに単相整流回路から成る電流減衰時
定数を、系統周波数周期の2.5倍以上にすることによ
って、直流電源を削除している。
【0019】前記電流減衰時定数と系統連系装置の交流
端子間に生じる等価インピーダンスとの関係を示すと図
2のようになる。一般的には、系統短絡事故時の事故電
流を定格電流の3倍程度に抑制するように直流リアクタ
ンスを選定する。すなわち、定格電流ベースの33%の
インピーダンスを連系装置に持たせることになる。
【0020】一方、通常の運転状態では、前記等価イン
ピーダンスを極力小さくすることが好ましく、実用上
は、定格電流ベースで3%、すなわち図2に示す等価イ
ンピーダンスが直流リアクトルLの示す交流インピーダ
ンスの0.09pu(=3%/33%)以下でその要求
を満たすことができるので、前記図2から、前記電流減
衰時定数が系統周波数周期の2.5倍以上あれば良いこ
とを利用している。
【0021】また、この請求項1で示す系統連系装置
は、サイリスタ純ブリッジで単相整流回路を構成してい
るので、ダイオードとサイリスタとの混合ブリッジで単
相整流回路を構成する場合に比べて、整流性素子の量産
効果が大きく、またダイオードとサイリスタとの絶縁耐
圧の違いによる素子数削減効果が大きく、特に特別高圧
系および高圧系に有利である。
【0022】さらにまた、請求項3の発明に係る系統連
系装置の制御装置は、請求項1または2記載の系統連系
装置に対して、事故発生時には、前記スイッチ動作され
るサイリスタをOFF駆動し、該OFF駆動によっても
事故電流が流れ続ける場合には、該OFF駆動したサイ
リスタをON駆動した後、ダイオード運転されていたサ
イリスタをOFF駆動する。
【0023】上記の構成によれば、事故が発生すると、
制御装置は、スイッチ動作されていたサイリスタをOF
F駆動し、2つの系統間を遮断する。この時、ダイオー
ド運転されているサイリスタによって、該サイリスタと
直流リアクトルとは電流還流ループを構成し、直流リア
クトルに蓄積されていた磁界エネルギが、該直流リアク
トルの抵抗成分で消費されてゆく。
【0024】これに対して、スイッチ動作されていたサ
イリスタに何らかの要因で導通故障が発生すると、系統
間の遮断を行うことができないので、制御装置は、ダイ
オード運転されていたサイリスタをOFF駆動すること
によって、2つの系統間を遮断する。ただしこの時、ダ
イオード運転されていたサイリスタをいきなりOFF駆
動すると、前記電流還流ループが形成されず、直流リア
クトルに過大な過電圧が発生し、絶縁破壊事故が発生す
る。このため、制御装置は、スイッチ動作されていたサ
イリスタを、再びON駆動して前記電流還流ループを形
成した後、ダイオード運転されていたサイリスタをOF
F駆動する。
【0025】これによって、確実に系統間の遮断を行う
ことができ、信頼性を向上することができるとともに、
前記絶縁破壊などの不所望な事故も防止することができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1〜図6に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0027】図1は、本発明の実施の一形態の系統連系
装置21とその制御装置30とを説明するための図であ
る。この系統連系装置21は、需要家内で、受電母線2
2と自家発母線23とを接続する母線連絡線24に介在
される。受電母線22には、商用電源線25が接続され
るとともに、多数の一般負荷のための配電線26が接続
されている。また、自家発母線23には、自家発電装置
27が接続されるとともに、コンピュータ等の重要負荷
が接続される配電線28が接続されている。
【0028】前記系統連系装置21は、サイリスタTH
1〜TH4の純ブリッジから成る単相整流回路と、直流
リアクトルLとを備えて構成されている。前記単相整流
回路において、前記母線連絡線24に接続される一対の
交流端子AC1,AC2の、いずれか一方側に接続され
る一対のサイリスタ、たとえば交流端子AC2側のサイ
リスタTH3,TH4はダイオード運転され、いずれか
他方側に接続される一対のサイリスタ、すなわち交流端
子AC1側のサイリスタTH1,TH2はスイッチ動作
される。また、この単相整流回路の直流端子DC1,D
C2間には、直流リアクトルLが接続される。
【0029】このように構成される系統連系装置21に
おいて、直流リアクトルLのリアクタンス成分および抵
抗成分ならびにサイリスタTH1〜TH4から成る単相
整流回路によって決定される電流減衰時定数と、系統側
から見た等価インピーダンスとの間には、図2で示すよ
うに、電流減衰時定数が大きくなる程、等価インピーダ
ンスが小さくなるという関係を有する。一方、定常動作
時の装置インピーダンスは極力小さいことが望ましい。
したがって本発明では、この図2から、前記電流減衰時
定数は、系統周波数周期の2.5倍以上に選ぶ。
【0030】上述のように構成された系統連系装置21
において、制御装置30によって、ダイオード運転され
るサイリスタTH3,TH4とともに、定常時には、ス
イッチ動作されるサイリスタTH1,TH2のゲートが
駆動され、全てのサイリスタTH1〜TH4が導通し、
参照符i1またはi2で示す経路で電流が流れている。
したがって、直流リアクトルLに流れる電流の方向およ
び振幅は一定であり、該直流リアクトルLのインピーダ
ンスZ(=ωL)は零となって、リアクトル損失が発生
することはない。
【0031】これに対して、たとえば配電線26の短絡
や地絡等の事故が発生し、自家発母線23側から受電母
線22側に過電流が流れようとすると、直ちに、直流リ
アクトルLは、その性質上、端子間に流れる電流を一定
に保持しようとして、該直流リアクトルLの前記インピ
ーダンスZが大きくなって、端子間電圧を上昇する。
【0032】これによって、交流端子AC1,AC2側
から見たインピーダンスが増大することになり、母線連
絡線24を介して自家発母線23側から受電母線22側
へ流れる電流を抑制する限流作用を実現することがで
き、その間に、短絡や地絡継電器の出力に応答して制御
装置30がサイリスタTH1,TH2のゲートをブロッ
クし、自家発母線23が受電母線22から、1周期以内
の高速で、かつ確実に遮断されるので、自家発電装置2
7が過負荷となることを防止することができる。
【0033】このようにして、受電母線22側での事故
に対して、自家発電装置27が停止してしまうことを防
止することができ、停電を防止することができる。ま
た、前記直流リアクトルLの端子間電圧の上昇によっ
て、自家発母線23の瞬時電圧低下を抑えることもでき
る。こうして、自家発系統の運用の信頼性を向上するこ
とができる。また、前記限流作用が達成されることによ
って、自家発母線23側および受電母線22側の双方の
短絡容量を抑えることもできる。
【0034】ところで、前記の類似装置である単相混合
ブリッジ整流回路を限流装置に用いた例(特開昭49−
50448号公報)を、図3(a)に示す。この限流装
置31は、相互に並列に接続された混合ブリッジ整流回
路32と、限流リアクトルL2とが、交流線路33に直
列に介在されて構成されている。
【0035】混合ブリッジ整流回路32は、一対のサイ
リスタth1,th2と、一対のダイオードd1,d2
と、直流リアクトルL1と、前記直流リアクトルL1に
直列に接続される直流電源Bとを備えて構成されてい
る。注目すべきは、一方の交流端子AC1にはサイリス
タth1およびダイオードd1が接続され、他方の交流
端子AC2にはサイリスタth2およびダイオードd2
が接続されることである。したがって、直流端子DC1
にはサイリスタth1,th2が接続され、直流端子D
C2にはダイオードd1,d2が接続され、直流端子D
C1,DC2間には、前記直流リアクトルL1と直流電
源Bとの直列回路が接続されている。
【0036】このように構成された限流装置31では、
定常時には、サイリスタth1,th2が導通してお
り、限流リアクトルL2をバイパスして、混合ブリッジ
整流回路32を介して線路電流が流れている。これに対
して、事故時には、直流電源Bで設定された電流値以上
の電流が直流リアクトルL1によって抑制され、限流効
果が発揮される。この限流効果が発揮されている間に、
限流リアクトルL2に事故電流を転流させるためには、
サイリスタth1,th2を遮断する必要がある。ただ
し、サイリスタth1,th2を遮断することは、直流
リアクトルL1の磁界エネルギの放電を考えると不可能
であり、限流遮断を目的とする系統連系装置には適用す
ることができない。
【0037】上述のように構成される混合ブリッジ整流
回路32において、あえて限流リアクトルL2を削除
し、また直流リアクトルL1が作用する閾値電流を決定
する直流電源Bを削除して、本発明のように系統連系装
置に用いる場合を想定してみる。図3(b)に、そのよ
うにして構成した場合の系統連系装置41の構成を示
す。なお、この系統連系装置41において、本発明の系
統連系装置21に類似し対応する部分には、同一の参照
符号を付してその説明を省略する。
【0038】注目すべきは、この系統連系装置41で
は、一方の交流端子AC1にはサイリスタTH1aおよ
びダイオードD1aが接続され、他方の交流端子AC2
にはサイリスタTH2aおよびダイオードD2aが接続
されることである。したがって、直流端子DC1には一
対のサイリスタTH1a,TH2aが接続されることに
なり、直流端子DC2には一対のダイオードD1a,D
2aが接続されることになる。また、直流端子DC1,
DC2間には、直流リアクトルLが介在される。すなわ
ち、本発明の系統連系装置21において、ダイオード運
転される前記サイリスタTH3,TH4をダイオードと
みなし、スイッチ動作されるサイリスタTH1,TH2
をサイリスタとみなすと、単相ブリッジ整流回路におけ
るサイリスタとダイオードとの接続形態が異なってい
る。
【0039】これらの系統連系装置21と41との遮断
動作時における各部のシミュレーション波形の一例を、
図4および図5でそれぞれ示す。本例のシミュレーショ
ンの条件は、商用電源側の%インピーダンスを100と
し、その電源のリアクタンスを1.0puとし、電源周
波数を50Hzとし、直流リアクトルLのリアクタンス
を4.0puとしている。サイリスタTH1,TH1a
を流れる電流は、それぞれ図4(a)および図5(a)
で示されているように、交流端子AC1がハイレベルで
ある半周期が経過して、一旦、零クロスとなった時点で
消弧し、以後、該電流は、流れなくなっている。
【0040】これによって、サイリスタTH4に流れる
電流は、図4(c)において参照符α1で示す前記サイ
リスタTH1を流れる電流に対応した電流と、直流リア
クトルLの放出エネルギによる電流α2となるのに対し
て、ダイオードD2aを流れる電流は、図5(c)にお
いて参照符β1で示す前記サイリスタTH1aを流れる
電流に対応した電流と、参照符β2,β3,β4,…で
示すように、直流リアクトルLの放出エネルギによって
加算されてゆく電流となる。この現象は、図3(b)に
おいて参照符i3で示すように、前記サイリスタTH1
aが遮断することによって還流する電流によって、サイ
リスタTH2aがOFFすることができず、該電流が増
加してゆくために生じる。
【0041】したがって、サイリスタTH2を流れる電
流が図4(b)で示すように、交流端子AC2がハイレ
ベルとなる半周期だけでOFFするのに対して、該サイ
リスタTH2aを流れる電流は、図5(b)で示すよう
に、1周期毎に増加してゆくことになる。また、これに
よって、サイリスタTH3を流れる電流が、図4(d)
で示すように、前記図4(b)で示すサイリスタTH2
を流れる電流と、図4(c)において参照符α2で示す
直流リアクトルLの放出による電流との和となるのに対
して、ダイオードD1aを流れる電流は、図5(d)で
示すように、前記図5(c)で示すダイオードD2aを
流れる電流と同様に、1周期毎に増加してゆく。
【0042】また、これによって、系統連系装置21と
系統連系装置41とのそれぞれにおいて、直流リアクト
ルLを流れる電流を図4(e)および図5(e)で示
し、自家発母線23の電圧を図4(f)および図5
(f)で示し、受電母線22の電圧を図4(g)および
図5(g)で示し、自家発母線23側から受電母線22
側へ流れる事故電流を図4(h)および図5(h)で示
す。
【0043】本発明に従う系統連系装置21では、直流
リアクトルLを流れる電流が図4(e)で示すように、
ほぼ一定値で収束しているのに対して、系統連系装置4
1では、図5(e)で示すように、前記1周期毎に増加
してゆく。これに対応して、事故電流も、本発明の系統
連系装置21では、図4(h)で示すように、1周期
で、高速、かつ確実に遮断されているのに対して、系統
連系装置41では、図5(h)で示すように、1周期毎
に増加してゆく。
【0044】したがって、この系統連系装置41は、限
流装置としての機能は果たしているけれども、いずれか
一方のサイリスタTH1aまたはTH2aをOFFする
ことができず、したがって系統連系装置として使用する
ことが不可能である。
【0045】この点、本発明に従う系統連系装置21
は、事故発生時に直流リアクトルLによって限流動作を
行うとともに、サイリスタTH1,TH2を遮断するこ
とによって、確実に事故電流を遮断することができる。
これによって、瞬時電圧低下を大幅に改善することがで
き、コンピュータ等の重要な負荷に対して、従来個別に
設けられていた無停電電源の省略を可能とすることがで
きる。また、高速での遮断が可能となり、自家発電装置
27への悪影響を防止することができ、該自家発電装置
27の停止による停電や、急激な過負荷による発電機シ
ャフトへの過剰なトルク負担の発生等の不所望な事態を
確実に防止することができる。さらにまた、自家発母線
23側および受電母線22側の双方の短絡容量を小さく
抑えることも可能となる。
【0046】また、この系統連系装置21は、サイリス
タ純ブリッジで単相整流回路を構成しているので、ダイ
オードとサイリスタとの混合ブリッジで単相整流回路を
構成する場合に比べて、整流性素子の量産効果が大き
く、またダイオードとサイリスタとの絶縁耐圧の違いに
よる素子数削減効果が大きく、特に特別高圧系および高
圧系に有利である。
【0047】ところで、前記図3(a)にその構成を示
す特開昭49−50448号の公報において、前記単相
整流回路をサイリスタ純ブリッジで構成してもよいこと
が記載されているけれども、本系統連系装置21のよう
に、直流リアクトルLのリアクタンス成分および抵抗成
分ならびに単相整流回路から成る電流減衰時定数を、系
統周波数周期の2.5倍以上に選び、直流電源を削除す
ることは全く示唆されておらず、このような構成での実
用化は極めて困難である。
【0048】図6は、制御装置30の制御アルゴリズム
を説明するための図である。ステップS1で、事故の発
生が検出されると、ステップS2で、スイッチ動作され
ていたサイリスタTH1,TH2がOFF駆動される。
【0049】ステップS3では、前記OFF駆動に対し
て、サイリスタTH1,TH2に電流が流れているか否
かのアンサーバックが行われる。具体的には、たとえば
各サイリスタTH1,TH2を流れる電流がCT(電流
変成器)で検出され、または各サイリスタTH1,TH
2の端子間の電圧がPT(電圧変成器)で検出される。
【0050】ステップS4では、前記ステップS3での
検出結果から、事故電流が流れ続けているか否かが判断
され、依然として事故電流が流れ続けているときにはス
テップS5に移る。すなわち、前記CTによって電流が
検出されると、または前記PTによって電圧が検出され
ないと、サイリスタTH1,TH2がOFFしておら
ず、事故電流が流れ続けていると判定することができ
る。
【0051】ステップS5では、前記ステップS2にお
いて一旦OFF駆動されたサイリスタTH1,TH2が
再度ON駆動され、これに代えてステップS6では、ダ
イオード運転されていたサイリスタTH3,TH4がO
FF駆動されて、ステップS7で系統間が解列となる。
前記ステップS4において事故電流が流れ続けていない
ときには、サイリスタTH1,TH2はいずれも正常に
OFFしており、直接ステップS7に移って、系統間が
解列となる。
【0052】したがって、サイリスタTH1,TH2に
導通破壊故障が発生しても、前記1周期に次の半周期を
加えた1.5周期の、依然として高速で、かつ確実に、
系統間の遮断を行うことができ、信頼性を向上すること
ができる。
【0053】また、系統間の遮断にあたって、ダイオー
ド運転されていたサイリスタTH3,TH4をいきなり
OFF駆動するのではなく、一旦OFF駆動したサイリ
スタTH1,TH2を再度ON駆動して、該サイリスタ
TH1,TH2と直流リアクトルLとで電流還流ループ
を構成した後に、前記サイリスタTH3,TH4をOF
F駆動する。
【0054】これによって、前記図3(a)に示す特開
昭49−50448号の公報の構成の単相整流回路をサ
イリスタ純ブリッジで構成した場合には、直流電源Bに
よる直流バイアスでサイリスタの電流が零にならず、O
FFできないのに対して、本発明の制御回路30では、
そのような不具合はなく、不所望な事故を防止すること
ができる。
【0055】
【発明の効果】請求項1の発明に係る系統連系装置は、
以上のように、2つの電力系統間に介在され、両系統を
相互に連系させて電力の融通を行う系統連系装置を、サ
イリスタ純ブリッジから成る単相整流回路と、その直流
端子間に接続される直流リアクトルとを含んで構成し、
電力系統に接続される2つの交流端子のうち、いずれか
一方の交流端子側のサイリスタをダイオード運転し、い
ずれか他方の交流端子側のサイリスタをスイッチ動作さ
せる。
【0056】それゆえ、事故が発生すると、スイッチ動
作されていたサイリスタが高速で遮断して、2つの電力
系統間を切離すことができ、正常な系統に設けられてい
る発電装置が過負荷となって停止してしまうようなこと
はなく、停電を防止することができる。また、前記事故
が発生しても、直流リアクトルによる電流保存作用によ
って、該直流リアクトルの端子間電圧が上昇し、前記正
常な系統側の重要な負荷への瞬時の電源電圧の低下も抑
えることができる。さらにまた、前記直流リアクトルに
よる電流保存作用によって、前記事故の発生している配
電線に流れる事故電流を抑える限流作用を実現すること
ができ、双方の系統の短絡容量を抑えることもできる。
【0057】また、サイリスタ純ブリッジで単相整流回
路を構成しているので、ダイオードとサイリスタとの混
合ブリッジで単相整流回路を構成する場合に比べて、整
流性素子の量産効果が大きく、またダイオードとサイリ
スタとの絶縁耐圧の違いによる素子数削減効果が大き
く、特に特別高圧系および高圧系に有利である。
【0058】また、請求項2で示す系統連系装置は、以
上のように、前記直流リアクトルのリアクタンス成分お
よび抵抗成分ならびに単相整流回路から成る電流減衰時
定数を系統周波数周期の2.5倍以上とし、定常時の直
流電流に対してのインピーダンスを略零とし、事故発生
時にのみ大きなインピーダンスを発生させる。
【0059】それゆえ、定常時における損失をほぼ零と
することができる。
【0060】さらにまた、請求項3の発明に係る系統連
系装置の制御装置は、請求項1または2記載の系統連系
装置に対して、事故発生時には、直流リアクトルで電圧
分担して電流を限流し、その限流効果が発揮されている
間に、前記スイッチ動作されるサイリスタをOFF駆動
し、該OFF駆動によっても事故電流が流れ続ける場合
には、該OFF駆動したサイリスタを再びON駆動して
直流リアクトルに蓄積されていた磁界エネルギを消費す
る電流還流ループを形成した後、ダイオード運転されて
いたサイリスタをOFF駆動して系統間の遮断を行う。
【0061】それゆえ、スイッチ動作されていたサイリ
スタに素子故障が発生しても、ダイオード運転されてい
たサイリスタによって確実に系統間の遮断を行うことが
でき、信頼性を向上することができるとともに、直流リ
アクトルに蓄積されていた磁界エネルギを緩やかに放出
させることができ、絶縁破壊などの不所望な事故も防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の系統連系装置とその制
御装置とを説明するための図である。
【図2】交流電源周期に対する電流減衰時定数と等価イ
ンピーダンスとの関係を示すグラフである。
【図3】限流装置と、それを系統連系装置に用いる場合
に考えられる構成例を示す図である。
【図4】図1で示す系統連系装置の動作を説明するため
の波形図である。
【図5】図3で示す系統連系装置の動作を説明するため
の波形図である。
【図6】図1で示す系統連系装置の制御装置の制御アル
ゴリズムを説明するための図である。
【図7】系統連系の基本的構成を説明するための図であ
る。
【図8】典型的な従来技術の系統連系装置を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
21 系統連系装置 22 受電母線(電力系統) 23 自家発母線(電力系統) 24 母線連絡線 25 商用電源線 26 配電線 27 自家発電装置 28 配電線 30 制御装置 AC1,AC2 交流端子 DC1,DC2 直流端子 TH1〜TH4 サイリスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02M 7/06 H02M 7/06 G (56)参考文献 特開 昭56−81039(JP,A) 特開 昭51−48138(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02J 3/00 - 5/00 H02J 9/06 H02H 9/00 - 9/04 H02M 1/08 H02M 7/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの電力系統間に介在され、両系統を相
    互に連系させて電力の融通を行う系統連系装置におい
    て、 サイリスタ純ブリッジで構成され、前記2つの電力系統
    にそれぞれ接続される交流端子のうち、いずれか一方の
    交流端子側のサイリスタがダイオード運転され、いずれ
    か他方の交流端子側のサイリスタがスイッチ動作される
    単相整流回路と、 前記サイリスタ純ブリッジの2つの直流端子間に接続さ
    れる直流リアクトルとを含むことを特徴とする系統連系
    装置。
  2. 【請求項2】前記直流リアクトルのリアクタンス成分お
    よび抵抗成分ならびに単相整流回路から成る電流減衰時
    定数が、系統周波数周期の2.5倍以上であることを特
    徴とする請求項1記載の系統連系装置。
  3. 【請求項3】事故発生時には、前記スイッチ動作される
    サイリスタをOFF駆動し、該OFF駆動によっても事
    故電流が流れ続ける場合には、該OFF駆動したサイリ
    スタをON駆動した後、ダイオード運転されていたサイ
    リスタをOFF駆動することを特徴とする請求項1また
    は2記載の系統連系装置の制御装置。
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