JP2870475B2 - 陳列用フック - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は陳列用フックに係
り、更に詳しくは、フックの高さ調整を任意に行うこと
ができるとともに、不使用時には陳列対象物の後に退避
させることのできる陳列用フックに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、文具等を始めとした各種小物
日用品の販売に際しては、陳列装置に棒状のフックを装
着する一方、陳列対象物をパッケージに収納して当該パ
ッケージの上端側をフックに係合させて陳列することが
行われている。

【０００３】図５及び図６には従来のフックを用いた陳
列装置が示されている。これらの図において、陳列装置
５０は左右一対の支柱５１と、これら支柱５１の後端面
間に配置された背面ボード５２と、前記支柱５１の前端
面に形成されたスリット５４に係合可能なブラケット５
５を介して掛け渡された支持部材５６と、この支持部材
５６に装着されたフック５７と、図示省略したベースと
を備えて構成されている。

【０００４】前記フック５７は、支持部材５６の上端面
を跨ぐことができるように側端面形状が略コ字状に設け
られた係合部材５７Ａと、この係合部材５７Ａの上端面
より手前側となる陳列空間に向けて突設されるととも
に、陳列対象物Ｗを吊り下げ保持可能なフック部材５７
Ｂとにより構成されている。ここで、係合部材５７Ａ
は、支持部材５６の軸方向に沿って移動可能に設けら
れ、左右方向における陳列レイアウトを適宜変更できる
ようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記陳
列装置５０におけるフック部材５７Ｂは、支持部材５６
若しくは係合部材５７Ａに対して上下方向に移動させる
ことが全く不可能であるため、図６に示されるように、
上下寸法が異なる異種の陳列対象物ｗを混在させた場合
に、これより下に位置するフック５７との間にデッドス
ペースＳを不可避的に生じさせるという不都合がある。

【０００６】

【発明の目的】本発明は、かかる従来例の不都合に着目
して案出されたものであり、その目的は、陳列対象物の
サイズに応じて陳列位置の変更を任意に設定でき、デッ
ドスペースの発生を防止して陳列空間を有効に利用する
ことのできる陳列用フックを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る陳列用フックは、支持部材に装着され
るフック支持体と、このフック支持体を通過して陳列空
間内に延出可能なフック部材とを備え、当該フック部材
はフック支持体に沿って延びるガイド部材に支持され、
前記陳列空間内に延出した状態でフック支持体の一部に
係止して移動規制される一方、陳列空間から退避可能に
設けられる、という構成を採っている。

【０００８】前記構成により、陳列対象物の寸法に対応
してフック部材の位置を調整することができ、当該フッ
ク部材よりも下方に位置するフック部材との間にデッド
スペースを発生させることなく陳列対象物を吊持するこ
とが可能となる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の好ましい態様としては、
一対の支柱間に掛け渡された支持部材に装着されるフッ
ク支持体と、このフック支持体に対して上下高さ位置を
ずらして支持される固定フック部材及び可動フック部材
とを備え、当該可動フック部材は前記フック支持体に沿
って延びるガイド部材に支持され、当該ガイド部材を介
して昇降可能且つ旋回可能に設けられ、前記フック支持
体を通過して陳列空間内に延出するとともに当該フック
支持体に形成されたストッパに係止して移動規制され
る、という構成が採用されている。ここで、前記支持部
材は、上下高さが異なる位置に複数本配置され、これら
の支持部材に複数のフックが係合構造等を介して装着さ
れる。各固定フック部材は陳列対象物が常時吊り下げで
きる位置に固定されている。従って、この固定フック部
材に吊り下げられる陳列対象物の上下寸法が大きいとき
は、可動フック部材を使用することなくこれを退避させ
ておくことができる。この一方、固定フック部材に吊り
下げられる陳列対象物の上下寸法が小さくて、下段の支
持部材側に位置する固定フック部材との間にデッドスペ
ースが発生するような場合には、前記可動フック部材を
陳列空間内に延出するよう移動させることで、当該可動
フック部材に陳列対象物を吊り下げることができる。

【００１０】前記陳列用フックにおいて、前記フック支
持体は前記支持部材に係合して当該支持部材から下方へ
延出するストッパプレートを備え、前記ストッパは、前
記ストッパプレートの上下方向複数箇所に形成された切
欠部により構成されている。また、前記ガイド部材は前
記固定フック部材の後端から垂下するロッドにより構成
され、このロッドの軸回りに前記可動フック部材の基端
が相対移動可能に連結されている。これらの構成によ
り、可動フック部材はロッドの軸方向に沿って容易、且
つ、スムースなる昇降が可能になるとともに、軸回りへ
の旋回移動も容易となる。従って、可動フック部材を使
用しない時は、当該可動フック部材を陳列対象物の後側
となる位置に退避させておき、使用する時に手前側の陳
列空間側に旋回させる作業を極めて簡単に行うことがで
きる。そして、可動フック部材の使用時には適性な高さ
位置を選択して当該可動フック部材の一部を切欠部に係
止させることで、以後の自由な移動規制を行うことがで
きる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら説明する。

【００１２】図１には本実施例に係る陳列用フックを備
えた陳列装置の概略斜視図が示されている。この図にお
いて、陳列装置１０は上下方向に立設された左右一対の
支柱１１，１１と、これら支柱１１，１１の後端面間に
配置された背面ボード１２と、前記支柱１１，１１間に
掛け渡された中空角棒からなる支持部材１３と、この支
持部材１３に装着されたフック１５とを備えて構成され
ている。ここで、前記支柱１１の前端面１１Ａには、上
下方向に沿ってスリット１１Ｂが等ピッチで形成されて
おり、このスリット１１Ｂに支持部材１３の左右両端に
一体化されたブラケット１６が係合することによって当
該支持部材１３が支柱１１，１１間に掛け渡し可能とな
っている。

【００１３】前記フック１５は、図２及び図３にも示さ
れるように、上端側に鈎状部１７を有するストッパプレ
ート１８により構成されたフック支持体１９と、前記鈎
状部１７の上端面に溶接等の手段で固定されるととも
に、陳列装置１０の手前側となる陳列空間に向けて延出
された棒状の固定フック部材２０と、この固定フック部
材２０の後端から下方へ垂下したガイド部材としてのロ
ッド２１と、当該ロッド２１に相対移動可能に連結され
た棒状の可動フック部材２２とにより構成されている。
このフック１５は、前記鈎状部１７が支持部材１３に引
っ掛けられてこれに係合するとともに、当該鈎上部１７
は、支持部材１３の軸方向に沿って移動可能とされ、こ
れにより複数のフック１５の左右間隔を陳列対象物の左
右幅に対応して調整できるようになっている。

【００１４】前記ストッパプレート１８の幅方向一端縁
には、ストッパを構成する複数の切欠部２４が上下方向
に沿う等間隔位置にそれぞれ形成されている。各切欠部
２４において、それらの内側底縁は若干下方に落ち込む
形状に設けられており、可動フック部材２２の自重と陳
列対象物の重さによって可動フック部材の移動規制が可
能となっている。

【００１５】また、前記可動フック部材２２は、前記ロ
ッド２１と略平行となるように基端側がＬ字状に曲折さ
れた基端部２２Ａを備えており、この基端部２２Ａには
溶接等の手段を介して連結管２６が固定されている。連
結管２６は、その内径がロッド２１よりも僅かに大きく
設定され、これにより、連結管２６、ひいては可動フッ
ク部材２２がロッド２１の軸方向に沿って上下に昇降可
能になる一方、ロッド２１の軸回りを旋回可能となって
いる。なお、ロッド２１の下端側には、連結管２６の下
方への脱落を防止するストップリング２７が固定されて
いる。

【００１６】次に、本実施例に係るフック１５を用いた
陳列方法の一例について、図４をも参照しながら説明す
る。ここで、陳列対象物としては、説明の便宜上、上下
方向サイズが異なる二種の陳列対象物を用いることと
し、これらの参照符合をＷ１，Ｗ２として示す。

【００１７】一対の支柱１１，１１間に複数本の支持部
材１３が掛け渡された状態において、各支持部材１３に
フック１５を装着しておく。陳列対象物Ｗ１は、図４に
示されるように、各フック１５の固定フック部材２０の
みを用いて吊り下げられ、可動フック部材２２は、陳列
対象物Ｗ１の後、すなわち、前記背面ボード１２と略平
行となる位置に退避させておく。この一方、陳列対象物
Ｗ２を吊持する場合には、固定フック部材２０と可動フ
ック部材２２の双方を用いる。この際、可動フック部材
２２の基部側部分は前記ストッパプレート１８の切欠部
２４の落ち込んだ部分に着座する位置となって移動規制
される。なお、陳列対象物のサイズが種々異なっている
場合には、全体的なレイアウトを想定した後に、最大効
率で陳列できるように各可動フック部材２２の高さ位置
を適宜変更したりすることで難なく対応することができ
る。

【００１８】従って、このような実施例によれば、陳列
対象物のサイズに応じて可動フック部材２２を使用すべ
きか否かの選択と、可動フック部材２２の高さ位置調整
によって、陳列空間を無駄なく利用することができる。

【００１９】なお、前記実施例においては、可動フック
部材２２が各一個となるフック１５を図示説明したが、
本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。例え
ば、前述したストッパプレート１８及び当該ストッパプ
レート１８と略平行に垂下するロッド２１の延出長さを
更に延ばし、このロッド２１に複数の可動フック部材２
２を支持させる構成としてもよい。この場合、支柱１１
間に掛け渡される支持部材１３の使用本数を削減するこ
とができる他、上下方向における陳列レイアウトの更な
る自由度を付与することができる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
可動フック部材の使用を任意に選択することができるよ
うにしたから、陳列空間にデッドスペースを生じさせる
ことがなく、小さな陳列空間でも最大限の利用が可能に
なる。しかも、可動フック部材は旋回可能に支持されて
いるため、不使用時にはこれを陳列空間から退避させて
おくことができ、不使用時に可動フック部材が邪魔にな
るという不利益も全くない。

【００２１】また、フック支持体の上下方向に沿って複
数の切欠部を設けたから、この切欠部に着座する態様で
可動フック部材を陳列空間に延出させたときに、当該可
動フック部材の移動規制が容易に行えることとなり、簡
易なる構成によって安定した陳列位置を常に保持させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る陳列用フックが陳列装置に適用さ
れた実施例の全体構成を示す斜視図である。

【図２】前記フックの側面図である。

【図３】前記フックの正面図である。

【図４】前記フックの使用態様を示す正面図である。

【図５】従来のフックを示す概略斜視図である。

【図６】従来のフックの使用態様を示す正面図である。

【符号の説明】

１５ フック １８ ストッパプレート １９ フック支持体 ２０ 固定フック部材 ２１ ガイド部材を構成するロッド ２２ 可動フック部材 ２４ ストッパを形成する切欠部

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持部材に装着されるフック支持体と、
   このフック支持体を通過して陳列空間内に延出可能な可
   動フック部材とを備え、当該可動フック部材はフック支
   持体に沿って延びるガイド部材に支持され、前記陳列空
   間内に延出した状態でフック支持体の一部に係止して移
   動規制される一方、陳列空間から退避可能に設けられて
   いることを特徴とする陳列用フック。
2. 【請求項２】 一対の支柱間に掛け渡された支持部材に
   装着されるフック支持体と、このフック支持体に対して
   上下高さ位置をずらして支持される固定フック部材及び
   可動フック部材とを備え、当該可動フック部材は前記フ
   ック支持体に沿って延びるガイド部材に支持され、当該
   ガイド部材を介して昇降可能且つ旋回可能に設けられ、
   前記フック支持体を通過して陳列空間内に延出するとと
   もに当該フック支持体に形成されたストッパに係止して
   移動規制されることを特徴とする陳列用フック。
3. 【請求項３】 前記フック支持体は前記支持部材に係合
   して当該支持部材から下方へ延出するストッパプレート
   を備え、前記ストッパは、前記ストッパプレートの上下
   方向複数箇所に形成された切欠部により構成されている
   ことを特徴とする請求項２記載の陳列用フック。
4. 【請求項４】 前記ガイド部材は前記固定フック部材の
   後端から垂下するロッドにより構成され、このロッドの
   軸回りに前記可動フック部材の基端が相対移動可能に連
   結されていることを特徴とする請求項３記載の陳列用フ
   ック。