JP2870464B2 - 可変遅延回路 - Google Patents

可変遅延回路

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JP2870464B2 JP8007941A JP794196A JP2870464B2 JP 2870464 B2 JP2870464 B2 JP 2870464B2 JP 8007941 A JP8007941 A JP 8007941A JP 794196 A JP794196 A JP 794196A JP 2870464 B2 JP2870464 B2 JP 2870464B2
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
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    • H03K5/13Arrangements having a single output and transforming input signals into pulses delivered at desired time intervals
    • H03K5/133Arrangements having a single output and transforming input signals into pulses delivered at desired time intervals using a chain of active delay devices

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遅延時間を容易に制
御可能な可変遅延回路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、集積回路を含む電子装置や機械
装置を制御するために電気的制御信号が用いられるが、
この種の電気的制御信号には時間軸変動要素、いわゆる
ジッタが存在するために、前記装置を高制度に制御する
ためには前記ジッタを除去するための時間軸補正を行う
必要があり、そのために可変遅延回路が用いられる。特
に、近年の集積回路に対しては、可変遅延回路は極めて
微小な遅延制御量、すなわち高分解能が要求されてい
る。また、近年の集積回路では低消費電力化の要求が高
められているため、これに伴って可変遅延回路にも低消
費電力化が可能なCMOS回路が主流とされている。
【0003】図3はこのような要求に基づいて提案され
ている従来の可変遅延回路の一例であり、特開昭61−
39721号公報に記載されているものである。この可
変遅延回路は、第1及び第2の第1導電型トランジスタ
(以下、PMOSトランジスタとする)21,22と、
第1及び第2の第2導電型トランジスタ(以下、NMO
Sトランジスタとする)23,24のソース・ドレイン
を縦続接続して第1の電源電位VDDと第2の電源電位
VSSとの間に接続し、第2のPMOSトランジスタ2
2と第1のNMOSトランジスタ23で構成されるCM
OS構成のインバータのゲートに入力端子VINを接続
し、かつ両トランジスタのソース、ドレインに出力端子
VOUTを接続している。また、第1のPMOSトラン
ジスタ21のゲートには第1のリファレンス入力端子V
R1が、第2のNMOSトランジスタ24のゲートには
第2のリファレンス入力端子VR2がそれぞれ接続され
ている。
【0004】この可変遅延回路では、入力端子VINに
は入力信号が印加され、出力端子VOUTからは出力信
号が出力され、また第1のリファレンス入力端子VR1
には第1の電源電位VDDより任意の固定電位VPだけ
低い電位が印加され、第2のリファレンス入力端子VR
2には第2の電源電位VSSより前記固定電位VPだけ
高い電位が印加される。
【0005】この回路において、前記固定電位VPを変
化させた場合、例えばVPを低く変化させた場合を考え
ると、第1のPMOSトランジスタ21のゲートとソー
ス間電位VDD−VPは低い値に変化し、第2のNMO
Sトランジスタ24のゲートとソース間電圧VSS+P
も低い値に変化する。この場合、前記PMOSトランジ
スタ21とNMOSトランジスタ24のオン抵抗は大き
くなり、PMOSトランジスタ22が前記第1の電源電
位VDDから出力端子VOUTに向けて流そうとする電
流、及びNMOSトランジスタ23が出力端子VOUT
から第2の電源電位VSSに向けて流そうとする電流を
抑制する。すなわち、前記PMOSトランジスタ22に
よって得られる出力信号立ち上がり時間、及びNMOS
トランジスタ23によって得られる立ち下がり時間のそ
れぞれが大きい方向に変化する可変遅延値としてVP値
の変化によって制御されたことになり、可変遅延要素が
得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この従来の可変遅延回
路は、リファレンス入力端子に接続されたMOSトラン
ジスタのゲート・ソース間電圧を可変してオン抵抗を増
減させることにより、出力端子に接続された負荷に対す
るチャージ、ディスチャージ電流を変化させ、可変遅延
要素を得ている。しかしながら、この回路では、可変遅
延回路の分解能がプロセス依存性に大きく影響され、高
精度の分解能を得られないという問題がある。
【0007】すなわち、図3において、分解能を決定付
ける要素は2つのリファレンス入力端子VR1,VR2
に与えられる任意の固定電位と、その固定電位によって
制御されたMOSトランジスタのオン抵抗にあり、この
オン抵抗は次式によって与えられる。 オン抵抗(RON)=〔β×(VGS−VT)〕 (1)式 β=μ×Cox×(W/L) ここで、VGS=MOSトランジスタのゲート・ソース
間電圧 VT=MOSトランジスタのしきい値電圧 μ=MOSトランジスタの移動度 Cox=単位堆積当たりのゲート・チャネル間容量 W=MOSトランジスタのチャネル幅 L=MOSトランジスタのチャネル長
【0008】この式において、分解能、すなわちオン抵
抗が変動する要素は、MOSトランジスタにおいてはプ
ロセス依存性が最も大きく、特に依存性が顕著なものは
主に次の2つが挙げられる。第1は、MOSトランジス
タのチャネル長、すなわちゲート長Lのプロセス依存性
である。ゲート長Lのプロセス依存性はプロセス技術の
進化と共に低減するが、一般的な変動範囲はゲート長L
が0.5〜1.0μmのプロセスにおいて±10〜30
%である。
【0009】第2はMOSトランジスタのしきい値電圧
VT依存性である。チャネル長Lと同様プロセス依存性
はプロセス技術の進化と共に低減されるが、一般的な変
動範囲はしきい値電圧VTが0.5〜1.0Vの値に対
して±25〜35%である。また、このしきい値電圧V
Tのプロセス依存性はPMOSトランジスタとNMOS
トランジスタの依存性が均一ではなく、PMOSトラン
ジスタのみまたはNMOSトランジスタのみ依存性をも
つ場合、また、PMOSトランジスタとNMOSトラン
ジスタ双方の依存性が逆方向にばらつくことも珍しくは
ない。
【0010】したがって、前記した数値からも理解でき
るように、従来の可変遅延回路はプロセス依存性が大き
く、リファレンス入力電圧の可変遅延操作量に追従した
可変遅延制御量を得ることは困難であった。さらに、従
来の可変遅延回路は、入力信号の立ち上がりと立ち下が
りの変化に対し出力信号の立ち上がりと立ち下がり(ま
たはその逆)の双方に対して均一の分解能が要求される
が、前記したとおりしきい値電圧はプロセス的にPMO
SトランジスタとNMOSトランジスタとでは異なる依
存性をもつ。図3の回路では、出力立ち上がりの遅延操
作はPMOSトランジスタ22にて制御され、また出力
立ち下がりの遅延操作はNMOSトランジスタ23にて
制御される。したがって、この回路はプロセス依存性が
PMOSトランジスタ22とNMOSトランジスタ23
に対して相反する依存性を示した場合、可変遅延量に大
きく影響され、分解能の精度が極めて悪くなるという問
題がある。
【0011】また、2つのリファレンス入力端子には必
ず異なる任意の固定電位を印加しなければならず、リフ
ァレンス電位を出力するための回路が2つ必要となる。
この場合、リファレンス出力回路を搭載するための面積
や消費される電力は2倍以上に拡大することになる。
【0012】本発明の目的は、プロセス依存性を大幅に
低減することを可能にした可変遅延回路を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の可変遅延回路
は、第1導電型のMOSトランジスタと第2導電型のM
OSトランジスタとでインバータ構成のCMOS回路が
構成され、そのゲートが入力端子に接続され、ソース・
ドレインの接続点が出力端子に接続され、かつソース・
ドレインの各端が第1の電源と第2の電源との間に接続
され、さらに第1の電源とCMOS回路との間に可変電
圧制御手段が介挿されており、この可変電圧制御手段
は、ソース・ドレインが縦続接続されて前記第1の電源
とCMOS回路との間に接続される2つの第1導電型の
MOSトランジスタと、これと並列に前記第1の電源と
CMOS回路との間にコレクタ・エミッタが接続される
バイポーラトランジスタとを備えており、第1の電源側
のMOSトランジスタのゲートにはリファレンス入力端
子が、CMOS回路側のMOSトランジスタのゲートに
は第2の電源が接続され、かつこれらMOSトランジス
タのソース・ドレインの接続点にはバイポーラトランジ
スタのベースが接続される構成とされる。
【0014】また、本発明の可変遅延回路は、インバー
タ構成のCMOS回路と、第1及び第2の電源との間に
それぞれ第1及び第2の可変電圧制御手段が介挿されて
おり、各可変電圧制御手段は、前記と同様に、2つのM
OSトランジスタとバイポーラトランジスタとで構成さ
れる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態の回
路図である。同図において、入力端子VINと出力端子
VOUTの間には二段のCMOS回路からなるインバー
タが接続される。前段のCMOS回路は、第1のPMO
Sトランジスタ1と第1のNMOSトランジスタ2で構
成され、後段のCMOS回路は第2のPMOSトランジ
スタ3と第2のNMOSトランジスタ4で構成される。
これらのCMOS回路では、各トランジスタのソース・
ドレインが縦続接続され、各PMOSトランジスタ1,
3のソースは第1の電源VDDに接続されている可変電
圧制御回路VVCとの接続点である接点Aに、各NMO
Sトランジスタ2,4のソースは第2の電源VSS(接
地)にそれぞれ接続される。そして、第1のPMOSト
ランジスタ1とNMOSトランジスタ2のゲートに前記
入力端子VINが接続され、そのソース・ドレインの接
続端は第2のPMOSトランジスタ3とNMOSトラン
ジスタ4のゲートに接続され、かつこれらトランジスタ
3,4のソース・ドレインの接続端は、後述する第4の
NMOSトランジスタ8を介して出力端子VOUTに接
続される。
【0016】前記可変電圧制御回路VVCは、ソース・
ドレインが縦続接続されて第1の電源VDDと接点Aと
の間に接続される第3のPMOSトランジスタ5とNM
OSトランジスタ6と、これらトランジスタ5,6のソ
ース・ドレイン接続点にベースを接続し、第1の電源V
DDと接点Aとの間にコレクタ・エミッタを接続した第
1のNPNバイポーラトランジスタ7とで構成される。
そして、第3のPMOSトランジスタ5のゲートはリフ
ァレンス入力端子VREFに接続され、第3のNMOS
トランジスタ6のゲートは第2の電源(接地)に接続さ
れる。
【0017】また、前記後段のCMOS回路の出力端と
出力端子VOUTとの間には、第4のNMOSトランジ
スタ8のソース・ドレインが接続され、このトランジス
タ8のゲートは前記接点Aに接続される。また、第2段
のCMOS回路の出力端にはインバータ9が接続され、
このインバータ9はソース・ドレインを第1の電源VD
Dと出力端子VOUTとの間に接続した第4のPMOS
トランジスタ10のゲートに接続される。
【0018】この可変遅延回路では、接点Aの電位を可
変することによって可変遅延要素が得られる。この接点
Aの電位はリファレンス入力端子VREFに印加される
電位の変化によって制御することができる。いま、接点
Aの電位が降下した場合を考え、その電位降下分をVA
と仮定し、PMOSトランジスタ5のオン抵抗をRP
5、またPMOSトランジスタ6のオン抵抗をRP6、
またNPNトランジスタ7のベース・エミッタ間順方向
電圧をVF7とすると、接点Aの電位は電源電位VDD
に対し、以下に示す電圧降下VAが生じる。 電位降下(VA)=〔(RP5/RP6)+1〕×VF7 (2)式
【0019】いま、リファレンス入力端子VREFに印
加した電位をV1とすると、RP5とRP6は式(1)
より次の通りとなる。 オン抵抗(RP5)=〔β×(VDD−VTP−V1)〕 (3)式 オン抵抗(RP6)=〔β×(VDD−VTP)〕 (4)式 ただし (VDD−V1)>VTP VTP=PMOSトランジスタのしきい値電圧 すなわち、接点Aの電位降下VAは式(5)のように示
される。 VA=〔((VGP)/(VGP−V1))+1〕×VF7 (5)式 VGP=VDD−VTP
【0020】ここで、式(5)は従来の可変遅延回路で
プロセス依存性の対象となったゲート長Lは含まれず、
また、PMOSトランジスタ5のしきい値電圧VTの成
分は式(5)において分子、分母に含まれて互いに打ち
消しあう要素をもっている。これにより、PMOSトラ
ンジスタ5のプロセス依存性に対する影響が無視され、
可変遅延要素を得るための電位降下VAに与える影響が
なくなる。なお、式(5)にはNPNトランジスタ7の
ベース・エミッタ間順方向電圧VF7が含まれるが、N
PNトランジスタ7の順方向電圧は集積回路の基盤とな
る物性、例えばシリコンにて決定されており、そのプロ
セス依存性はMOSトランジスタ6のしきい値電圧に対
し15ないし20分の1程度であるため、電位降下VA
に与える影響は少ない。
【0021】次に、可変遅延要素により制御される制御
対象について説明すると、PMOSトランジスタ1は接
点Aをソースとし、NMOSトランジスタ2とのペアで
構成されるCMOS回路により前段インバータを構成し
ており、同様にPMOSトランジスタ3も接点Aをソー
スとし、NMOSトランジスタ4とのペアで構成される
CMOS回路により後段インバータを構成している。入
力端子VINには、他の回路によって零ないし電源電圧
VDDの振幅をもつ入力信号が与えられる。しかしなが
ら、前段インバータの出力信号はPMOSトランジスタ
1のソースに電源電位VDDからVAだけ降下された接
点Aの電位が与えられていることにより、振幅が零ない
しVDD−VAの電位まで降下する。同様に、前記後段
インバータにおいてもPMOSトランジスタ3のソース
に電源電位VDDからVAだけ降下した接点Aの電位が
与えられていることにより、その出力信号の振幅は零な
いしVDD−VAの値になる。ただし、後段インバータ
の入力信号の振幅は前段インバータの出力信号を受ける
ため、零ないしVDD−VAの値となる。
【0022】可変遅延制御対象はこの後段インバータで
あり、後段インバータのゲート電圧が前記可変電圧制御
回路VVCによって電源電位VDDからVDD−VA分
低下しただけ、後段インバータの遅延時間が大きくな
る。したがって、VAが大きい程、可変遅延時間は大き
くなり、その遅延時間は前記PMOSトランジスタ5の
オン抵抗を大きくすることから得られ、すなわちPMO
Sトランジスタ5のゲートに与えられる電圧VREFに
よって制御される。
【0023】ここで、本実施形態では、リファレンス入
力端子VREFは1端子のみであり、従来のような複数
のリファレンス発生回路を搭載する必要はない。また、
PMOSトランジスタ5とNMOSトランジスタ6のし
きい値電圧VTのプロセス依存性が逆方向にばらついた
場合でも、可変遅延量を決定付けるVAには無関係であ
るため影響を受けることはない。
【0024】また、後段インバータの出力信号は、振幅
がVDDからVA分降下しているため、もとの振幅、す
なわち入力端子VINに入力された零ないしVDDの振
幅に戻す必要がある。これは、PMOSトランジスタ1
0とインバータ9により実現される。いま、後段インバ
ータを構成するPMOSトランジスタ3がオンしている
とき、すなわち後段インバータの出力レベルがVDD−
VAを出力しているとすると、インバータ9の出力は接
地電位を出力する。このとき、PMOSトランジスタ1
0がオンし、出力端子VOUTのハイレベルの電位はV
DDまで上昇する。
【0025】NMOSトランジスタ8は出力端子VOU
TがハイレベルVDDを出力しているときに、後段イン
バータの出力電位VDD−VAを保持するために設けら
れている。すなわち、高電位である出力端子電圧VDD
から、低電位である後段インバータの出力端への電流流
れ込みを防止している。
【0026】図2は本発明の第2の実施形態の回路図で
あり、第1の実施形態の回路と等価な部分には同一符号
を付してある。可変遅延回路は比較的に大きな分解能が
必要される場合も少なくないため、この実施形態ではこ
の要求に応じた回路を構成した例を示している。前断及
び後段の各CMOS回路のNMOSトランジスタ2,4
のソースを接点Bに接続し、この接点Bと第2の電源
(接地)との間に、第2の可変電圧制御回路VVC2を
接続している。この第2の可変電圧制御回路VVC2
は、第1の実施形態の可変電圧制御回路VVCと同様な
構成であり、ソース・ドレインを縦続接続して前記接点
Bと第2の電源(接地)との間に接続した第5のPMO
Sトランジスタ11とNMOSトランジスタ12と、ベ
ースをそのソース・ドレインの接続点に接続し、コレク
タ・エミッタを接点Bと第2の電源との間に接続したN
PNトランジスタ13とで構成される。そして、第5の
PMOSトランジスタ11のゲートを第1の電源VDD
に接続し、NMOSトランジスタ12のゲートを前記リ
ファレンス入力端子VREFに接続する。また、出力端
子VOUTと第2の電源との間に第6のNMOSトラン
ジスタ14のソース・ドレインを接続し、このMOSト
ランジスタ14のゲートは前記インバータ9の出力端に
接続される。
【0027】この可変遅延回路では、可変遅延要素は2
つあり、1つは第1の実施形態と同様に接点Aの電位を
可変することによって得られる。他の1つは、接点Bの
電位を可変することによって得られる。この接点Aおよ
びBの電位はリファレンス入力端子VREFに印加され
る電位の変化によって制御することができる。なお、電
位変化、すなわち可変遅延操作量については第1の実施
形態で説明した通りである。
【0028】いま、接点Aの電位がVAだけ降下し、こ
れに伴って接点Bの電位がVBだけ上昇したと仮定する
と、接点Bにおける電源電位VDDに対する電位変動分
(すなわち電位縮小分)はVA+VBとなる。ここで、
接点Bの電位上昇VBは第1の実施形態と同様に次の式
で示される。 電位上昇(VB)=〔(RN11/RN12)+1〕×VF13 (6)式
【0029】いま、リファレンス入力端子VREFに印
加した電位をV2とすると、PMOSトランジスタ11
とNMOSトランジスタ12の各オン抵抗RN11とR
N12は(1)式より、次の通りとなる。 オン抵抗(RN11)=〔β×(VDD−VTN)〕 (7)式 オン抵抗(RN12)=〔β×(V2−VTN)〕 (8)式 ただし、 V2>VTN VTN=NMOSトランジスタのしきい値電圧 すなわち、接点Bの電位上昇VBは(9)式のように示
される。 VB=〔((V2−VTN)/(VDD−VTN))+1〕×VF13 (9) 式
【0030】ここで、(9)式には、従来の可変遅延回
路にてプロセス依存性の対象となったゲート長(チャネ
ル長)Lは含まれず、またNMOSトランジスタしきい
値電圧VTの成分は(9)式の分子、分母に含まれて互
いに打ち消しあう要素をもつこと、および(9)式には
NPNトランジスタ13のベース・エミッタ間順方向電
圧VF13が含まれるが、NPNトランジスタの順方向
電圧は集積回路の基盤となる物性にて決定されており、
そのプロセス依存性はMOSトランジスタのしきい値電
圧に対し15ないし20分の1程度であるため、VAに
与える影響が少なくなる。これは第1の実施形態の場合
と全く同じである。
【0031】すなわち、NMOSトランジスタのプロセ
ス依存性に対する影響が無視され、可変遅延要素を得る
ための電位上昇VBに与える影響がないことを意味して
いる。ここで、PMOSトランジスタ1は接点Aをソー
スとし、NMOSトランジスタ2とのペアで構成される
CMOS回路により前段インバータを構成しており、同
様にPMOSトランジスタ3も接点Aをソースとし、N
MOSトランジスタ4とのペアで構成されるCMOS回
路により後段インバータを構成している。入力端子VI
Nには、他の回路によって零ないし電源電圧VDDの振
幅をもつ入力信号が与えられる。しかしながら、前段イ
ンバータの出力信号は接点Aと接点Bの電位差VDD−
VA−VBまで降下し、同様に後段インバータにおいて
も出力信号の振幅はVDD−VA−VBの値になる。な
お、後段インバータの入力信号の振幅は前段インバータ
の出力信号を受けるため、VDD−VA−VBの振幅で
ある。
【0032】可変遅延制御対象はこの後段インバータで
あり、後段インバータのゲート電圧が前記電圧制御手段
によって電源電位VDDからVDD−VA−VB分低下
しただけ、後段インバータの遅延時間が大きくなる。し
たがって、VA+VBが大きい程、可変遅延時間は大き
くなり、その遅延時間は前記PMOSトランジスタ5お
よびNMOSトランジスタ12のオン抵抗を大きくする
ことから得られ、すなわちPMOSトランジスタ5のゲ
ートおよびNMOSトランジスタ12のゲートに与えら
れる電圧VREFによって制御される。
【0033】第1実施形態と同様に、リファレンス入力
端子は1端子のみであり、従来のような複数のリファレ
ンス発生回路を搭載する必要はない。また、PMOSト
ランジスタとNMOSトランジスタのしきい値電圧VT
のプロセス依存性が逆方向にばらついた場合でも、可変
遅延量を決定付けるVAには無関係であるため影響を受
けることはない。
【0034】さらに、この実施形態は、第1の実施形態
に対し、リファレンス入力VREFに印加する電位は同
等でありながら、接点Bの電位VB分の変化量だけ分解
能を大きくすることが可能となる。すなわち、リファレ
ンス電位を出力する回路のリファレンス電位範囲を大き
くする必要はなくなる。
【0035】また、後段インバータの出力信号は、振幅
がVDDからVA+VB分降下しているため、もとの振
幅、すなわち入力端子VINに入力された零ないしVD
Dの振幅に戻す必要がある。これは、PMOSトランジ
スタ10とインバータ9とNMOSトランジスタ14に
より実現される。いま、後段インバータを構成するPM
OSトランジスタ3がオンしているとき、すなわち後段
インバータの出力レベルがVDD−VAを出力している
とすると、インバータ9の出力は接地電位を出力する。
このとき、PMOSトランジスタ10がオンでかつNM
OSトランジスタ14がオフし、出力端子VOUTのハ
イレベルの電位はVDDまで上昇する。また、後段イン
バータの出力ローレベルがVBを出力しているとする
と、インバータ9の出力は電源電位VDDを出力する。
このとき、PMOSトランジスタ10がオフでかつNM
OSトランジスタ14がオンし、出力端子VOUTのロ
ーレベルの電位は接地電位まで下降する。
【0036】なお、NMOSトランジスタ8は出力端子
VOUTがハイレベルVDDを出力しているときに、後
段インバータの出力電位VDD−VAを保持するために
設けられている。すなわち、高電位である出力端子電圧
VDDから、低電位である後段インバータの出力端への
電流流れ込みを防止している。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、入力端子
と出力端子との間に構成されたインバータ構成のCMO
S回路と第1の電源との間、或いはCMOS回路と第1
及び第2の電源の間に可変電圧制御手段を介挿し、この
可変電圧制御手段によるCMOS回路の印加電圧を制御
するように構成することにより、可変電圧制御手段に対
してMOSトランジスタのプロセス依存性が顕著である
ゲート長依存性およびしきい値電圧依存性を無視するこ
とができる。また、可変電圧制御手段はバイポーラトラ
ンジスタの順方向電圧の安定性を利用することによっ
て、従来技術のしきい値電圧依存性に対して15分の1
ないし20分の1に低減することができ、高分解能をも
つ可変遅延回路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変遅延回路の第1の実施形態の回路
図である。
【図2】本発明の可変遅延回路の第2の実施形態の回路
図である。
【図3】従来の可変遅延回路の一例の回路図である。
【符号の説明】
1,3,5,10,11 PMOSトランジスタ 2,4,6,8,12,14 NMOSトランジスタ 7,13 NPNトランジスタ VIN 入力端子 VOUT 出力端子 VREF リファレンス入力端子 VVC,VVC2 可変電圧制御回路

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型のMOSトランジスタと第2
    導電型のMOSトランジスタとでインバータ構成のCM
    OS回路が構成され、そのゲートが入力端子に接続さ
    れ、ソース・ドレインの接続点が出力端子に接続され、
    かつソース・ドレインの各端が第1の電源と第2の電源
    との間に接続され、さらに前記第1の電源と前記CMO
    S回路との間に可変電圧制御手段が介挿されており、こ
    の可変電圧制御手段は、ソース・ドレインが縦続接続さ
    れて前記第1の電源と前記CMOS回路との間に接続さ
    れる2つの第1導電型のMOSトランジスタと、これと
    並列に前記第1の電源とCMOS回路との間にコレクタ
    ・エミッタが接続されるバイポーラトランジスタとを備
    え、前記第1の電源側のMOSトランジスタのゲートに
    はリファレンス入力端子が、CMOS回路側のMOSト
    ランジスタのゲートには第2の電源が接続され、かつこ
    れらMOSトランジスタのソース・ドレインの接続点に
    は前記バイポーラトランジスタのベースが接続されるこ
    とを特徴とする可変遅延回路
  2. 【請求項2】 第1導電型のMOSトランジスタと第2
    導電型のMOSトランジスタとでインバータ構成のCM
    OS回路が構成され、そのゲートが入力端子に接続さ
    れ、ソース・ドレインの接続点が出力端子に接続され、
    かつソース・ドレインの各端が第1の電源と第2の電源
    との間に接続され、さらに前記第1の電源と前記CMO
    S回路との間、及び前記CMOS回路と第2の電源との
    間にそれぞれ第1及び第2の可変電圧制御手段が介挿さ
    れており、前記第1の可変電圧制御手段は、ソース・ド
    レインが縦続接続されて前記第1の電源と前記CMOS
    回路との間に接続される2つの第1導電型のMOSトラ
    ンジスタと、これと並列に前記第1の電源とCMOS回
    路との間にコレクタ・エミッタが接続されるバイポーラ
    トランジスタとを備え、前記第1の電源側のMOSトラ
    ンジスタのゲートにはリファレンス入力端子が、CMO
    S回路側のMOSトランジスタのゲートには第2の電源
    がそれぞれ接続され、かつこれらMOSトランジスタの
    ソース・ドレインの接続点には前記バイポーラトランジ
    スタのベースが接続され、前記第2の可変電圧制御手段
    は、ソース・ドレインが縦続接続されて前記CMOS回
    路と第2の電源との間に接続される2つの第2導電型の
    MOSトランジスタと、これと並列に前記CMOS回路
    と第2の電源との間にコレクタ・エミッタが接続される
    バイポーラトランジスタとを備え、前記CMOS回路側
    のMOSトランジスタのゲートには第1の電源が、第2
    の電源側のMOSトランジスタのゲートには前記リファ
    レンス入力端子が接続され、かつこれらMOSトランジ
    スタのソース・ドレインの接続点には前記バイポーラト
    ランジスタのベースが接続されることを特徴とする可変
    遅延回路
  3. 【請求項3】 出力端子と第1の電源との間には第1導
    電型のMOSトランジスタのソース・ドレインが接続さ
    れ、そのゲートはインバータを介して前記CMOS回路
    の出力端に接続される請求項1の可変遅延回路。
  4. 【請求項4】 出力端子と第1の電源との間には第1導
    電型のMOSトランジスタのソース・ドレインが接続さ
    れ、出力端子と第2の電源との間には第2導電型のMO
    Sトランジスタのソース・ドレインが接続され、これら
    のMOSトランジスタの各ゲートはインバータを介して
    前記CMOS回路の出力端に接続される請求項2の可変
    遅延回路。
  5. 【請求項5】 CMOS回路は入力端子と出力端子との
    間に直列接続された前段CMOS回路と後段CMOS回
    路とで2段に構成される請求項1ないし4のいずれかの
    可変遅延回路
  6. 【請求項6】 CMOS回路と出力端子との間にはMO
    Sトランジスタのソース・ドレインが接続され、そのゲ
    ートは前記第1の電源側に接続される可変電圧制御手段
    とCMOS回路との接続点に接続されてなる請求項1な
    いし5のいずれかの可変遅延回路。
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