JP2870388B2

JP2870388B2 - ベルト式芝生送り出し装置

Info

Publication number: JP2870388B2
Application number: JP5289174A
Authority: JP
Inventors: 徹青柳; 保雄田中
Original assignee: OOBAYASHIGUMI KK
Current assignee: OOBAYASHIGUMI KK
Priority date: 1993-11-18
Filing date: 1993-11-18
Publication date: 1999-03-17
Anticipated expiration: 2014-03-17
Also published as: JPH07135818A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マット状に育成された
芝生を、巻き取った後に再び巻き出して地面に敷き詰め
るための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】芝生を育成した後回収し、他の場所へ移
植する作業などが容易なように、網状の敷物の上に土を
入れ、芝生種を蒔き、芝生をマット状に育成させた後、
この敷物を巻いて芝生を回収して別の場所に移植する技
術を、本出願人は既に出願している。また、細かな樹皮
薄片を敷き詰めたものをベースとし、その上に芝生を育
成してマット状にする技術も公開されている（特開昭５
３−７５０３５号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、巻き取
った芝生の取扱い、特に敷き詰め作業を効率良く行なう
ためには、何らかの工夫が必要であり、巻き取った芝生
を単に手作業で巻き出すというだけでは、面倒で手間が
かかる。また、巻き取りドラムの両端に歯車を設け、モ
ータにより巻き取りドラムを回転させることも考えられ
るが、モータや歯車の分だけ装置が複雑、かつ大型にな
ってしまう。

【０００４】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたもので、巻き取った芝生を巻き出して敷き詰め
る際に、別途にモータ等の動力源を設けることなく、ま
たあまり手作業に頼る必要のないベルト式芝生送り出し
装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するためになされたもので、請求項１の発明は、複
数の車輪によって移動する台車と、マット状の芝生をロ
ール状に巻き取る巻き取りドラムと、該巻き取りドラム
のドラム軸の両端を上下方向へ移動可能に支えるために
前記台車に上下方向に設けられたＵ型軸受と、リング状
に形成されたいずれかの前記車輪の内周に形成されたギ
ヤ歯と、このギヤ歯と噛み合うギヤが端部に設けられた
第一の長尺プーリーと、この第一の長尺プーリーとほぼ
同一の上下位置で平行に設けられた第二の長尺プーリー
と、これら第一と第二の長尺プーリーに巻き回されると
ともに、その上に前記巻き取りドラムに巻き取られた前
記マット状の芝生が載せられ、前記車輪の回転に従って
回動されて該マット状の芝生を送り出すエンドレスベル
トと、を備えたことを特徴とする。

【０００６】また、請求項２の発明は、請求項１の発明
のギヤの代わりにプーリーを用いるものである。

【０００７】

【作用】請求項１の発明では、車輪が回転するととも
に、２本の長尺プーリーに巻き回されたエンドレスベル
トが回動し、ロール状の芝生を回転させる。ロール状の
芝生は、この回転により巻き出されて地面へ送り出され
敷き詰められる。このとき、車輪、ギヤおよび第一の長
尺プーリーは、ほぼ同一の周速で回転するので、車輪に
よる台車の移動速度と長尺プーリーによる芝生の送り出
し速度は、ほぼ同一となる。

【０００８】請求項２の発明では、請求項１の発明のギ
ヤの代わりにプーリーが同一の作用を果たす。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図４にお
いて説明する。マット状の芝生１は、あらかじめ、芝生
面を外側にして、巻き取りドラム３に巻き取られてい
る。本実施例の装置の台車５は、ソリッドタイヤからな
る二対の車輪７、９を有し、移動できる。一対の車輪７
は、舵取り車輪となっており、舵取りハンドル１１によ
って方向が変えられ、舵取りができる。舵取りハンドル
１１は、直進状態つまりセンター位置において、ストッ
プノッチ付きのクリックにより、その位置を維持できる
ようになっている。台車５には図中右側にハンドル１３
が設けられ、このハンドル１３を作業員が牽引して移動
を行う。

【００１０】他の一対の車輪９は、車軸１５回りに設け
られる。この２つの車輪９はリング状をなし、内周面に
ギヤ歯１７が形成されている。リング状の厚み、即ち半
径方向の厚みｔは、後述するように、できるだけ小さい
ことが望ましい。このギヤ歯１７に対して、ギヤ１９が
噛み合っている。ギヤ１９は、第１の長尺プーリー２１
の両端に同軸に固定され、第１の長尺プーリー２１とほ
ぼ同一の径を有している。このようにして、車輪９と第
１の長尺プーリー２１は連動しほぼ同一の周速で回転す
るようになっている。

【００１１】この第１の長尺プーリー２１とほぼ同一上
下位置で平行な状態で、台車５に第２の長尺プーリー２
３が設けられる。これら２つの長尺プーリー２１、２３
には、エンドレスベルト２５が巻き回されている。ベル
ト２５は、２つの長尺プーリー２１、２３に対しスリッ
プを起こしにくいノンスリップ式のもので、しかも十分
な強度を有するものとする。十分な強度を有すること
で、ベルト２５の上に、重量の大きなロール状の芝生１
を載せることができる。このようなベルト２５の例とし
ては、ゴム系で、表面に摩擦を大きくするための多数の
凸部を有するものが挙げられる。

【００１２】前記第２の長尺プーリー２３は台車５に対
し図中右方向、即ち第１の長尺プーリー２１から離れる
方向にバネ２７により付勢されている。このバネ２７
は、付勢力を調整できるベルト張力調整機２９を構成す
る。この調整は、ねじ３１を回すことによって行われ
る。また、各長尺プーリー２１、２３は長手方向中央に
なるほど外径が少し大きくなっており、膨らんだ形とな
っている。この膨らんだ形により、前記エンドレスベル
ト２５が位置ずれを起こさずに回動できるようになって
いる。

【００１３】台車５の前後方向中央には、Ｕ型軸受３３
が設けられる。このＵ型軸受３３は、巻き取りドラム３
のドラム軸３５の両端を支えるためのものである。即
ち、ロール状の芝生１が巻き出され径が小さくなるに従
い、ドラム軸３５は上方から下方へ移動するが、このＵ
型軸受３３は、この移動を許容しつつ、ドラム軸３５の
両端を前後方向に動かないように支える。ドラム軸３５
の端部にはフランジが設けられ、Ｕ型軸受３３に受けら
れた状態で、左右方向に脱落しないようになっている。

【００１４】第２の長尺プーリー２３の端部には、スプ
ロケット３７が設けられ、チェーン３９を介して駆動装
置４１の駆動スプロケット４３により駆動力が伝達され
る。以下、本実施例の作用について説明する。芝生１の
敷き詰めを行う際には、駆動装置４１により、第２の長
尺プーリー２３、ベルト２５および第１の長尺プーリー
２１を介して、装置を図中左方向に移動させる。この移
動と同時に、図中左側の車輪９が反時計回りに回転す
る。そしてギヤ１９も反時計回りに回転し、従って、エ
ンドレスベルト２５および第２の長尺プーリー２３も、
反時計回りに回動する。このため、ベルト２５に載せら
れたロール状の芝生１は、時計回りに回転させられ、マ
ット状の芝生１が巻き出され、図中右側の車輪７の下へ
送り出される。送り出された芝生１はこの車輪７によっ
て地面４５に押し付けられ敷き詰められる。敷き詰めの
方向を変える時には、作業員が舵取りハンドル１１を動
かし装置の台車５の移動方向を変える。

【００１５】経年変化によりベルト２５が伸びると、重
量物であるロール状の芝生１を十分に支えきれなくなる
ので、この伸びを吸収するためにベルト張力調整機２９
のねじ３１を回して、２つの長尺プーリー２１、２３の
間の寸法を広げる。これによりベルト２５は、再びぴん
と張った状態となり、ロール状の芝生１を支えられるよ
うになる。

【００１６】以上のように本実施例によれば、駆動装置
４１により装置を移動させ、車輪９が回転することで、
同時にエンドレスベルト２５が回動し、自動的にロール
状の芝生１を回転させ、芝生１の送り出し敷き詰めを行
うことができるので、ロール状の芝生１を回転させるた
めにモーターなどを別途設ける必要がない。このため装
置のコストダウンを図れる。

【００１７】また、車輪９、ギヤ１９および第１の長尺
プーリー２１は、ほぼ同一の周速で回転するので、車輪
９による台車５の移動速度と、長尺プーリー２１、２３
およびベルト２５による芝生１の送り出し速度とは、ほ
ぼ同一となる。このため、送り出された芝生１に無理な
張力が働くことがなく、また逆に弛みや皺が生じたりす
ることも避けられる。

【００１８】また、車輪９が回転することでベルト２５
が回動し自動的に芝生１が巻き出されるので、手作業で
芝生１を送り出す必要がない。

【００１９】また、ロール状の芝生１は、ベルト２５に
より、広い面積によって柔軟に支えられるので、傷付き
にくい。また、ベルト２５からロール状の芝生１に伝え
られる力は、ロール状の芝生１の円周部分に働き、小さ
な力で大きな回転トルクを発生する。このため小さな力
でも容易に芝生１を回転させることができる。

【００２０】なお、以上の実施例においては、図中右の
車輪７は舵取り車輪となっていたが、他の装置において
は単に固定された車輪としても良い。その場合であって
もハンドル１３により装置全体を動かすことで、敷き詰
め方向を変えることができる。

【００２１】また、以上の実施例においては、車輪９と
第１の長尺プーリー２１を連動させるのは、ギヤ１９に
よるものであったが、他の実施例においてはギアの代わ
りにプーリーを用いてもよい。即ち、第１の長尺プーリ
ー２１の両端に設けたプーリーを、リング状の車輪９の
内周面に接して回転させてもよい。

【００２２】また、以上の実施例においては、車輪９の
厚さｔがあまり大きいと、車輪９の周速に対し、ギヤ１
９や第１の長尺プーリー２１の周速が小さくなる誤差を
生じてしまう。この誤差を補正するためには、ギヤ１９
の外径に対し第１の長尺プーリー２１の外径を少し大き
めにすれば良い。このようにして、台車５の移動速度と
芝生１の送り出し速度をほぼ完全に一致させることが可
能となる。

【００２３】また、以上の実施例においては、装置の移
動は駆動装置４１用いて行うものであったが、他の実施
例では、ハンドル１３を人力で押して移動を行ってもよ
い。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のベルト式
芝生送り出し装置によれば、台車の移動の際に行われる
車輪の回転に伴いエンドレスベルトが回動し、ロール状
の芝生を回転させ、送り出し敷き詰めるので、巻き出し
のためのモーターを別個に設ける必要がなく、かつ手作
業によらずに芝生の敷き詰めが行える。

【００２５】また、台車の移動速度と芝生の送り出し速
度がほぼ同一となるので、送り出される芝生に無理な張
力が加わらず、皺や弛みが生じにくい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るベルト式芝生送り出し
装置の側面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１の要部を示す拡大図である。

【図４】図３のＩＶ−ＩＶ縦断面図である。

【図５】図３のＶ−Ｖ縦断面図である。

【符号の説明】

１芝生３巻き取りドラ
ム５台車７、９車輪１１舵取りハンドル１３ハンドル１５車軸１７ギヤ歯１９ギヤ２１第１の長尺
プーリー２３第２の長尺プーリー２５エンドレス
のベルト２７バネ２９ベルト張力
調整機３１ねじ３３Ｕ型軸受３５ドラム軸３７スプロケッ
ト３９チェーン４１駆動装置４３駆動スプロケット

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01C 1/04 A01C 11/00 A01G 1/12

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】複数の車輪によって移動する台車と、マ
ット状の芝生をロール状に巻き取る巻き取りドラムと、
該巻き取りドラムのドラム軸の両端を上下方向へ移動可
能に支えるために前記台車に上下方向に設けられたＵ型
軸受と、リング状に形成されたいずれかの前記車輪の内
周に形成されたギヤ歯と、このギヤ歯と噛み合うギヤが
端部に設けられた第一の長尺プーリーと、この第一の長
尺プーリーとほぼ同一の上下位置で平行に設けられた第
二の長尺プーリーと、これら第一と第二の長尺プーリー
に巻き回されるとともに、その上に前記巻き取りドラム
に巻き取られた前記マット状の芝生が載せられ、前記車
輪の回転に従って回動されて該マット状の芝生を送り出
すエンドレスベルトと、を備えたことを特徴とするベル
ト式芝生送り出し装置。
【請求項２】複数の車輪によって移動する台車と、マ
ット状の芝生をロール状に巻き取る巻き取りドラムと、
該巻き取りドラムのドラム軸の両端を上下方向へ移動可
能に支えるために前記台車に上下方向に設けられたＵ型
軸受と、リング状に形成されたいずれかの前記車輪の内
周に接して回転するプーリーが端部に設けられた第一の
長尺プーリーと、この第一の長尺プーリーとほぼ同一の
上下位置で平行に設けられた第二の長尺プーリーと、こ
れら第一と第二の長尺プーリーに巻き回されるととも
に、その上に前記巻き取りドラムに巻き取られた前記マ
ット状の芝生が載せられ、前記車輪の回転に従って回動
されて該マット状の芝生を送り出すエンドレスベルト
と、を備えたことを特徴とするベルト式芝生送り出し装
置。