JP2870026B2 - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子の製造方法

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JP2870026B2 JP19695389A JP19695389A JP2870026B2 JP 2870026 B2 JP2870026 B2 JP 2870026B2 JP 19695389 A JP19695389 A JP 19695389A JP 19695389 A JP19695389 A JP 19695389A JP 2870026 B2 JP2870026 B2 JP 2870026B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、液晶表示素子の製造方法に関するのであ
る。
[従来の技術] 液晶ディスプレイは、近年その低消費電力、低電圧駆
動等の特長を生かして各種家電製品、電卓、時計、ワー
ドプロセッサー、ハンドヘルドコンピューター、ポケッ
トTV等に広く利用されている。
ネマチック液晶は一対の電極付の基板間に挟持した構
造で、電圧の印加状態によって、液晶分子が基板面に垂
直に配列したり、ねじれて配列したりする。この光学的
な違いを利用して、一対の偏光板の間に挟持することに
より、表示を行うツイストネマチック(TN)型液晶表示
素子が通常使用されている。
一方、近年、液晶を樹脂マトリックス中に分散保持さ
せて液晶樹脂複合体を用いて、一対の電極付の基板間に
液晶樹脂複合体を挟持することが提案されてきている。
この場合、液晶樹脂複合体中でネマチック液晶が樹脂
マトリクス中に分散保持されるようにして、その樹脂マ
トリクスの屈折率が使用する液晶の常光屈折率(no)と
ほぼ一致するようにされる。
この液晶樹脂複合体は、そのままの状態、即ち電圧を
印加しない状態では、液晶が分散されている壁面にほぼ
平行に配列しているため、その屈折率が樹脂マトリクス
の屈折率と異なり、その界面で光が散乱するため、散乱
(白濁)して見える。
一対の電極付の基板間に電圧を印加すると、液晶が電
極面にほぼ垂直に立ち上がるので、樹脂マトリクスの屈
折率が使用する液晶の常光屈折率(no)とほぼ一致する
ことになり、光が透過状態となる。
この光学的な差を利用して各種表示が可能になる。
このような液晶樹脂複合体を用いた液晶表示素子は、
大面積の表示体が容易に製造できる利点があり、調光用
途に期待されている。また、偏光板を用いなくてもよい
ので、明るい表示が得られるという利点も有している。
[発明の解決しようとする課題] このような液晶樹脂複合体を用いた液晶表示素子は、
通常、ネマチック液晶と硬化性材料との混合物を使用
し、これを一方の電極付の基板上に供給し、他方の基板
を重ね合せる前か後に、硬化性材料を硬化させる。これ
により、ネマチック液晶が樹脂マトリクス中に分散保持
されるようになる。
具体的な例としては、ネマチック液晶とポリビニルア
ルコール水溶液を混合し、ネマチック液晶がポリビニル
アルコール水溶液中に分散した状態とした混合物を、一
方の電極付の基板上に留延供給し、水を蒸発させてポリ
ビニルアルコールを硬化させて、ポリビニルアルコール
マトリクス中にネマチック液晶が分散した液晶樹脂複合
体を形成し、その上に他方の基板を重ね合せて液晶表示
素子とする製造方法がある。
また、ネマチック液晶と光硬化性アクリル樹脂原料と
を混合して溶液状態とし、これを一方の電極付の基板上
に流延供給し、他方の基板を重ね合せて後、光照射によ
り光硬化性アクリル樹脂原料を硬化させて、アクリル樹
脂中にネマチック液晶が分散した液晶樹脂複合体を形成
し、液晶表示素子とする製造方法がある。
全面ベタの電極を用いた調光体の場合には、このよう
な製造方法により、大面積の液晶表示素子であっても極
めて生産性が良いという利点を有していた。
しかし、上下の基板の位置合せ精度が問題となるよう
な表示素子の用途に使用する場合には前記のような製造
方法は、位置合せがうまくゆかなく、ずれてしまうこと
が多く、問題点を有していた。
そこで、従来の通常のTN型液晶表示素子で用いられて
いるような、セルを形成し、その中に減圧注入する製造
方法の使用が考えられるが、単にそのまま減圧注入した
ので、所望の液晶表示素子の特性が得られにくいという
問題点を有していた。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであ
り、一対の電極付の基板を周辺でシールし、セルを製造
し、該セルを容器内に収容し、容器内を減圧状態にした
後、注入口を通じて液晶組成物をセル内外の気圧差を利
用して注入する液晶表示素子の製造方法において、減圧
状態の減圧度を0.5〜10mmHgとし、液晶組成物としてネ
マチック液晶と密閉雰囲気下で硬化する硬化性材料との
混合物を使用し、硬化性材料中に含まれる成分であって
5wt%以上含有される成分の沸点が、減圧時の減圧度に
おいて60℃以上とされ、該液晶組成物を注入後、硬化性
材料を硬化させて、ネマチック液晶が樹脂マトリクス中
に分散保持され、その樹脂マトリクスの屈折率が使用す
る液晶の常光屈折率(no)とほぼ一致するようにされた
液晶樹脂複合体を形成することを特徴とする液晶表示素
子の製造方法、及び、一対の電極付の基板を周辺でシー
ルし、セルを製造し、該セルを容器内に収容し、容器内
を減圧状態にした後、注入口を通じて液晶組成物をセル
内外の気圧差を利用して注入する液晶表示素子の製造方
法において、減圧状態の減圧度を0.5〜10mmHgとし、液
晶組成物としてネマチック液晶と密閉雰囲気下で硬化す
る硬化性材料との混合物を使用し、硬化性材料中に含ま
れる成分の内、低沸点の成分を含む材料を減圧時の容器
内に存在させ、該液晶組成物を注入後、硬化性材料を硬
化させて、ネマチック液晶が樹脂マトリクス中に分散保
持され、その樹脂マトリクスの屈折率が使用する液晶の
常光屈折率(no)とほぼ一致するようにされた液晶樹脂
複合体を形成することを特徴とする液晶表示素子の製造
方法、及び、その硬化性材料が、光硬化性ビニル系樹脂
であり、液晶と該硬化性材料とを均一に溶解した溶液の
状態でセルに注入し、その後に光照射し、硬化性材料を
硬化させて液晶樹脂複合体を形成することを特徴とする
液晶表示素子の製造方法を提供するものである。
本発明の液晶表示素子の製造方法では、予めセルを形
成するため、電極付の基板の位置合せが通常のTN型液晶
表示素子と同様に行えるので、かなり精密な位置合せが
可能になる。さらに、減圧度を低真空に設定しているの
で、注入混合物中の低沸点のモノマー等の揮発による樹
脂組成の変動を生じにくく、硬化した液晶樹脂複合体の
特性のバラツキを生じにくい。なお、本発明で減圧度と
は、容器内を排気したとき、容器内に残存している気体
の圧力に相当する意味で用いている。
本発明の製造方法により製造された液晶表示素子は、
配向処理を必要としないので、従来のTN型液晶表示素子
よりも生産性がよく、液晶樹脂複合体が硬化後はフィル
ム状になっているので、基板の加圧による基板間短絡や
スペーサーの移動による配向異常といった問題点も生じ
にくい。
本発明により製造された液晶表示素子は、一対の電極
付の基板間に、ネマチック液晶が樹脂マトリクス中に分
散保持され、その樹脂マトリクスの屈折率が使用する液
晶の常光屈折率(no)とほぼ一致するようにされた透過
−散乱型の液晶樹脂複合体を用いているため、明るい表
示が容易に得られるという特長を有している。
このネマチック液晶が樹脂マトリクス中に分散保持さ
れた液晶樹脂複合体は、細かな孔の多数形成された樹脂
マトリクスとその孔の部分に充填された液晶とからなれ
ばよく、マイクロカプセルのような液泡内に液晶が封じ
込められたような構造であってもよいし、個々のマイク
ロカプセルが完全に独立していなくてもよいし、多孔質
体のように個々の液晶の液泡が細隙を介して連通してい
てもよい。
本発明の液晶表示素子に用いる液晶樹脂複合体を構成
するための混合物は、ネマチック液晶と、樹脂マトリク
スを構成する硬化性材料とを混ぜ合わせて溶液状にして
おいて、これを光硬化、熱硬化、電子線硬化等により硬
化させて樹脂マトリクスを分離し、樹脂マトリクス中に
ネマチック液晶が分散した状態をとるようにすればよ
い。
この際、この硬化はセル内で注入口が封止された密閉
状態または、注入口は封止されていないがほぼ密閉され
た状態で行われるので、密閉雰囲気下で硬化する硬化性
材料が使用されればよい。具体的には、硬化に溶媒の除
去が必要なく、硬化時に悪影響を与える副生物やガスが
でないような材料であればよい。
特に、光硬化タイプの樹脂を用いることにより、熱に
よる影響を受けなく、短時間で硬化させることができ好
ましい。
また、これらの未硬化のネマチック液晶と樹脂マトリ
クス生成用の硬化性材料との混合物には、基板間隙制御
用のセラミック粒子、プラスチック粒子、ガラス繊維等
のスペーサー、顔料、色素、粘度調整剤、その他本発明
の性能に悪影響を与えない添加剤を添加してもよい。
本発明では、このネマチック液晶と樹脂マトリクス生
成用の硬化性材料との混合物とを減圧注入する。
この減圧注入には、液晶セルを内部に格納して、減圧
に耐える容器を用いる。この容器内に未注入の液晶セル
を配置し、容器内を減圧して最終的な減圧度を0.5〜10m
mHgとする。その後に、ネマチック液晶と硬化性材料と
の混合物を注入口に接触させ、容器の減圧状態を解除し
て、セル内外の気圧差を利用し、混合物を液晶セル内に
注入する。
この場合、容器内を排気中にも混合物を液晶セルの注
入口に接触させておいてもよいし、減圧の解除も完全に
解除しないでおいたり、逆に加圧気体を用いて大気圧よ
りも高い圧力にしてもよい。
これにより、液晶セル内にネマチック液晶と硬化性材
料との混合物が注入される。
この際、減圧度を0.5〜10mmHgとすることは重要であ
り、これを通常のTN型液晶表示素子の場合のように0.1m
mHgというような高真空にまで減圧すると、混合物中の
硬化性材料中の低沸点成分、具体的にはモノマーが揮発
し、硬化後の樹脂組成が変化し、樹脂マトリクスの屈折
率が変化してしまうことがあり、所望の透過−錯乱特性
が得られないことがある。
このため、硬化性材料中に含まれる成分であって、単
一成分で5wt%以上含有される成分は全てその沸点が、
減圧時の減圧度において60℃以上とされることが好まし
い。
また、容器内に、硬化性材料中に含まれる成分の内、
低沸点の成分を含む材料を別の容器に入れておいて存在
させるか、その気体を流し込みながら減圧することによ
り、硬化性材料中の低沸点の成分の揮発を抑止できる。
この別な容器を設ける場合には、その外気に接する表面
積を注入用の混合物の収容された容器の混合物が外気に
接する表面積よりも3倍以上大きい面積とすることが好
ましく、特には5倍以上大きい面積とすることが好まし
い。この表面積を広げるには、低沸点の成分を含む材料
を、これは注入用混合物と同じ組成としてもよいが、多
孔体や、織物、紙、不織布等の繊維状物といった表面積
の大きな支持体に染み込ませて用いてもよい。
このように本発明では減圧度を0.5〜10mmHgとするも
のである。このような低真空度では、セル中に気体が残
存していることから、注入物が注入されない空間が残る
現象、いわゆる泡残りを生じやすい。
このような低真空でありながら本発明では、従来のTN
型液晶表示素子のように泡残りの問題はほとんど生じな
い。泡残りは通常セルの中心ではなく、周辺部、特に、
注入口の反対側の端に生じ易い。通常のTN型液晶表示素
子では、液晶は液体であるので、泡はセル内を移動す
る。このため、前記したように最初には泡が周辺部に形
成されたとしても、その後セル内を移動する。この泡が
表示部に移動してくると、電圧を印加しても表示が行な
われないという欠陥を生じることとなる。これに対し
て、本発明の液晶表示素子の製造方法のように、ネマチ
ック液晶と硬化性材料との混合物が注入された後に、硬
化性材料が硬化され、液晶樹脂複合体が形成されると、
たとえ泡が生成していても泡は移動しなくなる。このた
め、通常注入後直ちに硬化させれば、泡は周辺部に存在
しているので、表示部に影響を与える心配はない。さら
に確実を期すには、硬化直前に泡が表示部にないことを
確認した後、硬化させるようにすればよい。これによ
り、泡が存在していても、表示に関係ない周辺部で固定
され、表示に悪影響を生じない。
この注入後に必要に応じて注入口の封止を行なう。本
発明では、注入された混合物は硬化させられてフィルム
状の液晶樹脂複合体となるので、硬化後には注入口から
漏れ出してくることはない。このため、注入口の封止は
必要としないが、耐久性の点からみて外気の悪影響を無
くすためには、注入口を封止する方が好ましい。この注
入口の封止は、混合物の硬化前であってもよいし、硬化
後であってもよい。
注入後に、注入されたネマチック液晶と硬化性材料と
の混合物を硬化させる。具体的には、光硬化、熱硬化、
電子線硬化等により硬化させて樹脂マトリクスをネマチ
ック液晶から分離して、樹脂マトリクス中にネマチック
液晶が分散した液晶樹脂複合体を生成する。
これにより、電圧を印加していない状態または液晶が
立ち上がらない程度の低い電圧を印加した状態で、樹脂
マトリクス(硬化後)の屈折率が、樹脂マトリクスの壁
面にほぼ平行に配列している状態の液晶の屈折率と一致
しないので、光が散乱(白濁)することになる。これに
液晶が立ち上がるのに充分な電圧を印加すると、樹脂マ
トリクスの屈折率が、電極付の基板面にほぼ垂直に立ち
上がった液晶の常光屈折率(no)と一致するので光が透
過することになる。
これにより、電圧の印加状態により、透過−散乱状態
が変化し、樹脂マトリクスの屈折率と液晶の屈折率とが
一致した時に光が透過し、一致しない時に光が散乱(白
濁)することになり表示が可能になる。この素子の散乱
性は、従来のDSモードの液晶表示素子の場合よりも高
く、高いコントラスト比の表示が得られる。
このような本発明の液晶樹脂複合体を使用した液晶表
示素子の応答時間は、従来のTNモードの液晶表示素子よ
りも速く、その電圧−透過率の電気光学特性は、従来の
TNモードの液晶表示素子よりも比較的なだらかであり、
階調表示のための駆動も容易である。
使用する液晶の屈折率異方性Δn(=ne−no)は、無
電界時における散乱性に寄与し、高い散乱性を得るに
は、ある程度以上大きいことが好ましく、具体的にはΔ
n>0.18が好ましい条件である。また、使用する液晶の
常光屈折率noは樹脂マトリクスの屈折率npとほぼ一致す
ることが好ましく、この時電界印加時に高い透明性が得
られる。具体的にはno−0.03<np<no+0.05の関係を満
たすことが好ましい。
樹脂マトリクス中に分散保持される液晶の平均粒子径
は、0.1〜3μmの範囲内から使用目的に応じて選択使
用すればよい。
電極付の基板の間隙は、5〜50μm程度の範囲内とす
ればよく、散乱性、透過性、駆動電圧等を考慮して適宜
定めればよい。
また、無電界時の散乱性を向上させるには、液晶樹脂
複合体の動作可能な液晶の体積分率Φを増加させること
が有効であり、Φ>20%が好ましく、より高い散乱性を
有するにはΦ>35%が好ましい。一方Φがあまり大きく
なると、液晶樹脂複合体の構造安定性が悪くなるため、
Φ<70%が好ましい。
本発明の液晶表示素子は、電界が印加されていない場
合は、配列していない液晶と、樹脂マトリクスの屈折率
の違いにより、散乱状態(つまり白濁状態)を示す。こ
の液晶表示素子を投射型表示装置として用いる場合に
は、電極のない部分は光が散乱され、画素部分以外の部
分に遮光膜を設けなくても、光が投射スクリーンに到達
しないため黒く見える。このことにより、画素電極以外
の部分からの光の漏れを防止するために、画素電極以外
の部分を遮光膜等で遮光する必要がないこととなり、遮
光膜の形成工程が不要となる。
液晶表示素子の所望の画素または調光体の開倍には全
面に電界を印加する。この電界を印加された画素部分で
は、液晶が配列し、液晶の常光屈折率(no)と樹脂マト
リクスの屈折率(np)とが一致することにより透過状態
を示し、反対側が見えることになる。
これにより、白い背景(散乱)に、反対側の表示が透
過で見える、例えば反対側に絵が配置してあれば絵が見
え、青色の反射板が配置してあれば青く見えることにな
る。また、これを投射型表示装置として用いた場合に
は、当該所望の画素で光が透過することとなり、投射ス
クリーンに明るく表示され、暗い背景に明るい表示が得
られる。
この素子に、この硬化工程の際に特定の部分のみに充
分に高い電圧を印加した状態で硬化させることにより、
その部分を常に光透過状態とすることができるので、固
体表示したいものがある場合には、そのような常透過部
分を形成してもよい。
また、本発明の液晶表示素子は、カラーフィルターを
設けることによりカラー表示を行うこともできるし、各
画素にTFT、MIM素子、PINダイオード等の能動素子を配
置してアクティブマトリクス液晶表示素子とすることも
できる。
また、液晶樹脂複合体中に染料、顔料等を混入してお
くことにより、カラー表示を行うようにしてもよい。
本発明の液晶表示素子は、ITO(In2O3−SnO2)、SnO2
等の電極を設けたガラス、プラスチック等の基板を2枚
使用し、周辺部をシール材でシールして空セルを形成す
ればよい。
この際に、シール部の一部または基板に注入口を設け
ておき、そこから液晶組成物としてのネマチック液晶と
硬化性材料との混合物とを注入する。
基板に設けられる電極は、通常は前述したような透明
電極とされるが、用途によっては金属による反射電極を
設けたり、透明電極に金属の低抵抗のリードを並設した
りしてもよいし、前記したようにTFT、ダイオード、非
線形抵抗素子等の能動素子を設けてもよい。
このほか赤外線カットフィルター、紫外線カットフィ
ルター等を積層したり、文字、図形等を印刷したりして
もよいし、複数枚の液晶表示素子を用いたりするように
してもよい。
さらに、本発明では、この液晶表示素子の外側にガラ
ス板、プラスチック板等の保護板を積層してもよい。こ
れにより、その表面を加圧しても、破損する危険性が低
くなり、安全性が向上する。
本発明では、液晶樹脂複合体を構成する硬化性材料と
しては、密閉系内で硬化可能な樹脂原料が使用でき、
熱、光、電子線等により硬化をし、溶媒や副生ガスやそ
の他の副生物の除去が必要のないものであれば使用でき
る。
中でも生産性の点からみて光硬化性樹脂の使用が好ま
しく、そのモノマー、オリゴマー等を用いることができ
る。特に、光硬化性ビニル系樹脂の使用が好ましい。具
体的には、光硬化性アクリル系樹脂が例示され、特に、
光照射によって重合硬化するアクリルオリゴマーを含有
するものが好ましい。
また、この場合、光硬化開始剤も減圧時に揮発しにく
い材料とすることが好ましく、分子量が150以上の光硬
化開始剤を使用することが好ましい。具体的には、ベン
ジル(ジベンゾイル)、ベンゾイン、ベンゾインイソブ
チルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等がある。
本発明で使用される液晶は、正の誘電異方性を有する
ネマチック液晶であり、樹脂マトリクスの屈折率がその
液晶の常光屈折率(no)と一致するような液晶であり、
単独で用いても組成物を用いてもよいが、動作温度範
囲、動作電圧など種々の要求性能を満たすには組成物を
用いた方が有利といえる。
本発明の液晶表示素子は、液晶樹脂複合体を用いてい
るので、上下の透明電極が短絡する危険性が低く、泡が
発生しても移動しないので表示に影響を与えなく、か
つ、通常のTN型の表示素子のように配向や基板間隙を厳
密に制御する必要もなく、透過状態と散乱状態とを制御
しうる液晶表示素子を極めて生産性良く製造できる。
この液晶表示素子は、基板がプラスチックや薄いガラ
スの場合にはさらに保護のために、外側にプラスチック
やガラス等の保護板を積層することが好ましい。
[作用] 本発明の液晶表示素子の製造方法では、減圧状態の減
圧度を0.5〜10mmHgとし、液晶組成物としてネマチック
液晶と硬化性材料との混合物を使用し、該液晶組成物を
セル内外の気圧差を利用して注入する。
このため、予めセルを形成することになり、電極付の
基板の位置合せが通常のTN型液晶表示素子と同様に行え
るので、かなり精密な位置合せが可能になる。さらに、
減圧度を低真空に設定しているので、注入混合物中の低
沸点のモノマー等の揮発による樹脂組成の変動を生じに
くく、完成した液晶樹脂複合体の特性のバラツキを生じ
にくい。
また、配向処理を必要としないので、従来のTN型液晶
表示素子よりも生産性がよく、液晶樹脂複合体が硬化後
はフィルム状になっているので、基板の加圧による基板
間短絡やスペーサーの移動による配向異常といった問題
点も生じにくい。
さらに、従来のTN型液晶表示素子のような泡残りの問
題は低真空でありながらほとんど生じない。本発明で
は、硬化性材料が硬化され、液晶樹脂複合体が形成され
ると、たとえ泡が生成していても泡は移動しなくなり、
周辺部に生じた泡がセル内を移動して表示部に移り、表
示欠陥を生じることがない。
[実施例] 以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
実施例1 ガラス基板状にベタのITO電極を形成した同じガラス
基板を用いて、電極面が相対向するように配置して、内
部に直径約9.5μmのスペーサーを散布して、その周辺
を注入口部分を除き、エポキシ系のシール材でシールし
て、基板隙間9.5μmの空セルを製造した。
沸点が1mmHgにおいて60℃以上であるn−デシルアク
リレート19部及びアクリルオリゴマー(東亜合成化学
(株)製「M−1200」)19部、光硬化開始剤としてメル
ク社製「ダロキュアー1116」0.38部と液晶してBDH社製
「E−8」62部とを均一に溶解して液晶組成物とした。
前記のように製造した空セルと液晶組成物を収容した液
晶組成物収容台とを減圧に耐える容器内に配置し、1mmH
gになるまで容器内を排気した。次いで、空セルの注入
口を液晶組成物収容台の液晶組成物と接触させ、容器内
の減圧を解除して、セルの内外に気圧差を生ぜしめ、空
セル内に注入口から液晶組成物を注入し、紫外線照射装
置により60秒紫外線を照射して硬化性材料を硬化させ、
液晶表示素子を製造した。
この製造した液晶表示素子は、泡がなく、全面が白濁
した状態であった。この液晶表示素子に50Hz、50Vの交
流電圧を印加したところ、全面が透過状態となり、電圧
の印加の制御により、透過と散乱の表示が可能であっ
た。
比較例1、比較例2 実施例1において、減圧度を20mmHg(比較例1)、減
圧度を0.1mmHg(比較例2)としたほかは同様にして液
晶表示素子を製造した。
比較例1の液晶表示素子は泡がかなり周辺部に残っ
た。比較例2の液晶表示素子は硬化性材料中のn−デシ
ルアクリレートが一部揮発して樹脂の組成が変化したた
め、屈折率の調整が不十分になり、透過−散乱の差が少
ないものであった。
比較例3 実施例1において、n−デシルアクリレートの代りに
n−ヘシルアクリレートとしたほかは同様にして液晶表
示素子を製造した。
この液晶表示素子は硬化性材料中のn−ヘキシルアク
リレートが一部揮発して樹脂の組成が変化したため、屈
折率の調整が不十分になり、透過−散乱の差が少ないも
のであった。
比較例4 実施例1において、光硬化開始剤を分子量が120のア
セトフェノンとしたほかは同様にして液晶表示素子を製
造した。
この液晶表示素子は光硬化が充分に進行しないため
か、散乱能が著しく低いものであった。
実施例2 実施例1において、n−デシルアクリレート19部の代
りに2−ヒドロキシエチルアクリレート9部、n−デシ
ルアクリレート9部を用い、減圧度を7mmHgとしたほか
は同様にして液晶表示素子を製造した。
この液晶表示素子は実施例1と同様の性能であった。
実施例3 実施例1の注入に用いた装置の減圧に耐える容器内
に、第2の収容台を配置することのみを変更して、液晶
表示素子を製造した。
実施例1のように製造した空セルと液晶組成物を収容
した液晶組成物収容台とを減圧に耐える容器内に配置
し、さらにn−デシルアクリレートを収容した第2の収
容台(液晶組成物収容台の5倍の開口面積を有する)を
配置して、1mmHgになるまで容器内を排気した。次い
で、実施例1と同様にして、セルの内外に気圧差を生ぜ
しめ、空セル内に注入口から液晶組成物を注入し、紫外
線照射装置により60秒紫外線を照射して硬化性材料を硬
化させ、液晶表示素子を製造した。
この液晶表示素子は実施例1と同様の性能を示した、 また、比較例3の液晶組成物を用いて、第2の容器内
にn−ヘキシルアクリレートを収容して製造したとこ
ろ、実施例1の液晶表示素子よりは性能が劣ったが、比
較例3よりは透過時の透過率が高く、散乱時の散乱度が
高い液晶表示素子が得られた。
実施例4 実施例1の注入に用いた装置のみを変更して、液晶表
示素子を製造した。
実施例1のように製造した空セルと液晶組成物を収容
したディスペンサーとを減圧に耐える容器内に配置し、
2mmHgになるまで容器内を排気した。次いで、上に向い
た空セルの注入口にディスペンサーから液晶組成物をた
らして、容器内の減圧を解除して、セルの内外に気圧差
を生ぜしめ、空セル内に注入口から液晶組成物を注入
し、紫外線照射装置により60秒紫外線を照射して硬化性
材料を硬化させ、液晶表示素子を製造した。
この液晶表示素子は実施例1と同様の性能を示した。
[発明の効果] 本発明の液晶表示素子の製造方法では、減圧状態の減
圧度を0.5〜10mmHgとし、液晶組成物としてネマチック
液晶と硬化性材料との混合物を使用し、硬化性材料中に
含まれる成分であって5wt%以上含有される成分の沸点
が、減圧時の減圧度において60℃以上とされるか、また
は、硬化性材料中に含まれる成分の内、低沸点の成分を
含む材料を減圧時の容器内に存在させ、該液晶組成物を
セル内外の気圧差を利用して注入する。
このため、予めセルを形成することができ、2枚の電
極付の基板の位置合せが通常のTN型液晶表示素子と同様
に行えるので、精密な位置合せが可能になる。
さらに、減圧度を0.5〜10mmHgと従来のTN型液晶表示
素子等に比して、低真空に設定しているので、注入混合
物中の低沸点のモノマー等の揮発による樹脂組成の変動
を生じにくく、完成した液晶樹脂複合体の特性のバラツ
キを生じにくいし、減圧に要する設備も簡便なものです
む。
さらには、従来のTN型液晶表示素子の泡残りの問題は
低真空でありながらほとんど生じない。これは、本発明
では、硬化性材料が硬化され、液晶樹脂複合体が形成さ
れると、たとえ泡が生成していても、液晶樹脂複合体が
分散系となっているため、泡が目立ちにくくなるととも
に、泡は移動しなくなり、周辺部に生じた泡がセル内を
移動して表示部に移り、表示欠陥を生じることがないた
めである。
また、この液晶表示素子は配向処理を必要としないの
で、従来のTN型液晶表示素子よりも生産性がよく、基板
間に挟持された液晶樹脂複合体が硬化後はフィルム状に
なっているので、基板の加圧による基板間短絡やスペー
サの移動によるギズを生じたり、配向異常といった問題
点も生じない。
本発明は、この外、本発明の効果を損しない範囲内で
種々の応用が可能である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の電極付の基板を周辺でシールし、セ
    ルを製造し、該セルを容器内に収容し、容器内を減圧状
    態にした後、注入口を通じて液晶組成物をセル内外の気
    圧差を利用して注入する液晶表示素子の製造方法におい
    て、減圧状態の減圧度を0.5〜10mmHgとし、液晶組成物
    としてネマチック液晶と密閉雰囲気下で硬化する硬化性
    材料との混合物を使用し、硬化性材料中に含まれる成分
    であって5wt%以上含有される成分の沸点が、減圧時の
    減圧度において60℃以上とされ、該液晶組成物を注入
    後、硬化性材料を硬化させて、ネマチック液晶が樹脂マ
    トリクス中に分散保持され、その樹脂マトリクスの屈折
    率が使用する液晶の常光屈折率(no)とほぼ一致するよ
    うにされた液晶樹脂複合体を形成することを特徴とする
    液晶表示素子の製造方法。
  2. 【請求項2】一対の電極付の基板を周辺でシールし、セ
    ルを製造し、該セルを容器内に収容し、容器内を減圧状
    態にした後、注入口を通じて液晶組成物をセル内外の気
    圧差を利用して注入する液晶表示素子の製造方法におい
    て、減圧状態の減圧度を0.5〜10mmHgとし、液晶組成物
    としてネマチック液晶と密閉雰囲気下で硬化する硬化性
    材料との混合物を使用し、硬化性材料中に含まれる成分
    の内、低沸点の成分を含む材料を減圧時の容器内に存在
    させ、該液晶組成物を注入後、硬化性材料を硬化させ
    て、ネマチック液晶が樹脂マトリクス中に分散保持さ
    れ、その樹脂マトリクスの屈折率が使用する液晶の常光
    屈折率(no)とほぼ一致するようにされた液晶樹脂複合
    体を形成することを特徴とする液晶表示素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】硬化性材料中に含まれる成分であって5wt
    %以上含有される成分の沸点が、減圧時の減圧度におい
    て60℃以上とされることを特徴とする請求項2に記載の
    液晶表示素子の製造方法。
  4. 【請求項4】硬化性材料が、光硬化性ビニル系樹脂であ
    り、液晶と該硬化性材料とを均一に溶解した溶液の状態
    でセルに注入し、その後に光照射し、硬化性材料を硬化
    させて液晶樹脂複合体を形成することを特徴とする請求
    項1、2または3に記載の液晶表示素子の製造方法。
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