JP2868569B2 - 環状オレフィン系ランダム共重合体の製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系ランダム共重合体の製造方法

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JP2868569B2 JP3209490A JP3209490A JP2868569B2 JP 2868569 B2 JP2868569 B2 JP 2868569B2 JP 3209490 A JP3209490 A JP 3209490A JP 3209490 A JP3209490 A JP 3209490A JP 2868569 B2 JP2868569 B2 JP 2868569B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、新規な高活性重合触媒の存在下におけるα
−オレフィンと環状オレフィンとを共重合させることに
よる環状オレフィン系ランダム共重合体の製造法に関す
る。さらに詳細には、本発明は、特定の遷移金属化合物
および有機アルミニウムオキシ化合物からなる触媒の存
在下にα−オレフィンと環状オレフィンとを共重合させ
て環状オレフィン系ランダム共重合体を製造するための
方法に関する。
発明の技術的背景 従来、エチレンなどのα−オレフィンと環状オレフィ
ンとを共重合させて環状オレフィン系ランダム共重合体
を製造する方法として、チタン化合物と有機アルミニウ
ム化合物とからなるチタン系触媒、あるいはバナジウム
化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム
系触媒を使用する方法が知られている。
これらの方法のうちで、チタン系触媒を使用した共重
合においては、環状オレフィンはエチレンなどのα−オ
レフィンに比べ反応性に乏しく、共重合効率が低い。そ
のため、α−オレフィンとの共重合体を期待するには、
重合系に大量の環状オレフィンを添加する必要がある。
しかしながら、大量の環状オレフィンが添加されると触
媒活性が損なわれ、さらに共重合体の分子量低下の原因
ともなり高分子量の共重合体が得難くなる。さらには、
環状オレフィンの開環重合反応等の副反応も伴い易く、
生成重合体の分子量分布が広いという問題点がある。他
方、バナジウム系触媒を私用した共重合では、チタン系
触媒に比べ環状オレフィンの共重合効率が高く、生成共
重合体の分子量分布も狭いが、一般に重合活性が小さ
く、また、高い重合温度では重合活性は低下し、共重合
効率も低下するという問題点がある。
また、オレフィンの重合法において新しい高活性重合
触媒として、遷移金属化合物およびアルミノオキサンか
らなる触媒が、特開昭58-19309号公報、特開昭59-95292
号公報、特開昭60-35005号公報、特開昭60-35006号公
報、特開昭60-35007号公報、特開昭60-35008号公報など
に提案されている。これらの先行技術のなかで、特開昭
58-19309号公報、特開昭60-35005号公報、特開昭60-350
06号公報、特開昭60-35007号公報、特開昭60-35008号公
報には、前記触媒系がエチレンとα−オレフィンの共重
合に適用できることが記載されている。また、環状オレ
フィン系ランダム共重合体を製造する方法に関しては、
特開昭61-221206号公報に、遷移金属化合物およびアル
ミノオキサンからなる触媒を用いたα−オレフィンと環
状オレフィンとの共重合についての記載があるが、重合
活性は低く、共重合体を優れた収量で得ることは困難で
あった。さらに、特開昭64-106号公報には、遷移金属化
合物およびアルミノオキサンからなる触媒の存在下、α
−オレフィンと環状オレフィンとの共重合を行うことが
記載されているが、環状オレフィン含量の高い共重合体
を得にくいという問題点があった。
従って、環状オレフィン系ランダム共重合体の製造に
関する分野においては、環状オレフィンの共重合性に優
れ、さらに重合活性に優れ、分子量分布の狭い環状オレ
フィン系ランダム共重合体を効率的に製造することので
きるような環状オレフィン系ランダム共重合体の製造方
法の出現が強く要望されている。
本発明者らは、環状オレフィン系ランダム共重合体の
製造分野における先行技術が前述の状況にあることを認
識し、高い重合温度においても環状オレフィンの共重合
性に優れ、さらに重合活性に優れ、しかも分子量分布の
狭い環状オレフィン系ランダム共重合体を製造すること
のできる方法を検討した結果、特定の多座配位性化合物
を配位子とする周期律表IVB族の遷移金属化合物および
有機アルミニウムオキシ化合物からなる触媒の存在下
に、α−オレフィンと環状オレフィンとを共重合するこ
とにより前記目的が達成できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであ
って、特定の遷移金属化合物および有機アルミニウムオ
キシ化合物からなる触媒の存在下にα−オレフィンと環
状オレフィンとを共重合することにより、高い重合温度
においても共重合性に優れ、さらに重合活性に優れ、し
かも分子量分布の狭い環状オレフィン系ランダム共重合
体の製造方法を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明によれば、 (A)少なくとも2個の共役シクロアルカジエニル基ま
たはその置換基がシリレン基または置換シリレン基を介
して結合した多座配位性化合物を配位子とする遷移金属
化合物、および (B)有機アルミニウムオキシ化合物、 から形成される触媒の存在下に、α−オレフィンと環
状オレフィンとを共重合させることを特徴とする環状オ
レフィン系ランダム共重合体の製法が提供される。
発明の具体的説明 以下本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体
の製造方法について具体的に説明する。
本発明では、α−オレフィンと環状オレフィンとを共
重合させるに際して、触媒として、(A)遷移金属化合
物および(B)有機アルミニウムオキシ化合物が用いら
れる。
第1図に、本発明に係るオレフィン重合用触媒につい
ての説明図を示す。
本発明で用いられる遷移金属化合物(A)は、少なく
とも2個のシクロアルカジエニル基またはその置換体が
シリレン基または置換シリレン基を介して結合した多座
配位性化合物を配位子とする遷移金属化合物である。
このような遷移金属化合物(A)は、たとえば、一般
式(I) 〔式中、Meは遷移金属であり、R0はシリレン基または
置換シリレン基であり、R1およびR2はシクロアルカジエ
ニル基またはその置換体であり、R3およびR4はシクロア
ルカジエニル基、アリール基、アルキル基、アラルキル
基、シクロアルキル基、ハロゲン、水素、ORa、SRb、NR
2 cまたはPR2 dであり、Ra、Rb、RcおよびRdはアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基など
の炭化水素基、またはシリル基であり、2個のRcおよび
Rdは連結して環を形成することもできる。〕 で表わされる化合物である。
上記式において、Meは遷移金属であるが、具体的に
は、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムあるいはク
ロム、バナジウムであることが好ましく、このうち特に
ジルコニウムおよびハフニウムが好ましい。
置換シリレン基として、ジメチルシリレン基、ジエチ
ルシリレン基、メチルエチルシリレン基、ジエトキシシ
リレン基、ジフェニルシリレン基などの置換シリレン基
を例示することができる。
シクロアルカジエニル基としては、たとえば、シクロ
ペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エ
チルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペンタジエ
ニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチル
シクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラヒドロ
インデニル基、フルオレニル基等を例示することができ
る。
アルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、オ
レイル基などを例示することができ、 アリール基としては、たとえば、フェニル基、トリル
基などを例示することができ、 アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ネオフ
ィル基などを例示することができ、 シクロアルキル基としては、たとえばシクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ノルボニル
基、ビシクロノニル基、およびこれらの基のアルキル置
換基を例示することができる。またR3およびR4は、ビニ
ル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、1
−ブテニル基などの不飽和脂肪族基あるいはシクロヘキ
セニル基などの不飽和脂環式基であってもよい。
ハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素などを例示する
ことができる。
以下、Meがジルコニウムである遷移金属化合物につい
て、具体的な化合物を例示する。
ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムモノクロリドモノハイドライド、 ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)メチル
ジルコニウムモノクロリド、 ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジメチ
ルジルコニウム、 ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジフェ
ニルジルコニウム、 シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、 シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコ
ニウム、 ジエチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、 ジエチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジメチ
ルジルコニウム、 ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジハイドライド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムモノ
クロリドモノハイドライド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)エトキシジルコニ
ウムクロリド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)ジメチルジルコニ
ウム、 ジメチルシリレンビス(インデニル)ジエチルジルコニ
ウム、 ジメチルシリレンビス(インデニル)ジフェニルジルコ
ニウム、 ジメチルシリレンビス(インデニル)ジベンジルジルコ
ニウム、 ジメチルシリレンビス(インデニル)メチルジルコニウ
ムモノブロミド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)エチルジルコニウ
ムモノクロリド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)ベンジルジルコニ
ウムモノクロリド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)メチルジルコニウ
ムモノクロリド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジブ
ロミド、 ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−
インデニル)ジメチルジルコニウム、 ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−
インデニル)エチルジルコニウムエトキシド、 ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−
インデニル)ジルコニウムジブロミド、 ジメチルシリレンビス(4−メチル−1−インデニル)
ジルコニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(5−メチル−1−インデニル)
ジルコニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(6−メチル−1−インデニル)
ジルコニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(7−メチル−1−インデニル)
ジルコニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(5−メトキシ−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(4,7−ジメチル−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(4,7−ジメトキシ−1−インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジメ
トキシド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジエ
トキシド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)メトキシジルコニ
ウムクロリド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)エトキシジルコニ
ウムクロリド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)メチルジルコニウ
ムエトキシド、 ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−
インデニル)ジルコニウムジメトキシド、 ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−
インデニル)ジルコニウムジエトキシド、 ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−
インデニル)メトキシジルコニウムクロリド、 ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−
インデニル)エトキシジルコニウムクロリド、 ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−
インデニル)メチルジルコニウムエトキシド、 ジエチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、 ジエチルシリレンビス(インデニル)ジメチルジルコニ
ウム、 ジエチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリド、 ジメチルシリレンビス(フルオレニル)ジメチルジルコ
ニウム、 ジメチルシリレンビス(フルオレニル)ジフェニルジル
コニウム、 ジメチルシリレンビス(フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリド、 ジメチルシリレンビス(フルオレニル)ジメチルジルコ
ニウム、 ジメチルシリレンビス(フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリド。
これらの遷移金属化合物の中で、2個のシクロペンタ
ジエニル基がシリレン基または置換シリレン基を介して
結合した二座配位性化合物を配位子とする遷移金属化合
物が好ましく用いられる。
本発明で用いられる[B]有機アルミニウムオキシ化
合物は、従来公知のアルミノオキサンであってもよく、
また本発明者らによって見出されたベンゼン不溶性の有
機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
上記のようなアルミノオキサンは、たとえば下記のよ
うな方法によって製造することができる。
(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方
法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を
作用させて炭化水素の溶液として回収する方法。
なお、該アルミノオキサンは、少量の有機金属成分を
含有してもよい。また回収された上記のアルミノオキサ
ンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合
物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解してもよい。
アルミノオキサンの溶液を製造する際に用いられる有
機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ
n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチル
アルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシ
ルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ト
リシクロオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアル
ミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、
ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルア
ルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライ
ド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジア
ルキルアルミニウムハイドライド、ジメチルアルミニウ
ムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどの
ジアルキルアルミニウムアルコキシド、ジエチルアルミ
ニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリ
ーロキシドなとが挙げられる。
これらのうち、特にトリアルキルアルミニウムが好ま
しい。
また、有機アルミニウム化合物として、一般式 (i-C4H9)xAly(C5H10)z (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わ
されるイソプレニルアルミニウムを用いることもでき
る。
上記のような有機アルミニウム化合物は、単独である
いは組合せて用いられる。
アルミノオキサンの溶液に用いられる溶媒としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの
芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン
などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環
族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油など石油留分あるい
は上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水
素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの
炭化水素溶媒が挙げられる。その他、エチルエーテル、
テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもで
きる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素が好まし
い。
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成
分がAl原子換算で10%以下好ましくは5%以下特に好ま
しくは2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性あるい
は難溶性である。
このような有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン
に対する溶解性は、100ミリグラム原子のAlに相当する
該有機アルミニウムオキシ化合物を100mlのベンゼンに
懸濁した後、攪拌下60℃で6時間混合した後、ジャケッ
ト付G−5ガラス製フィルターを用い、60℃で熱時濾過
を行ない、フィルター上に分離された固体部を60℃のベ
ンゼン50mlを用いて4回洗浄した後の全濾液中に存在す
るAl原子の存在量(xミリモル)を測定することにより
求められる(x%)。
また上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物を赤外分光法(IR)によって解析すると、
1220cm-1付近における吸光度(D1220)と、1260cm-1
近における吸光度(D1260)との比(D1260/D1220
は、0.09以下好ましくは0.08以下特に好ましくは0.04〜
0.07の範囲にあることが望ましい。
なお有機アルミニウムオキシ化合物の赤外分光分析
は、以下のようにして行なう。
まず窒素ボックス中で、有機アルミニウムオキシ化合
物とヌジョールとを、めのう乳針中で磨砕しぺースト状
にする。
次にぺースト状となった試料を、KBr板に挾み、窒素
雰囲気下で日本分光社製IR-810によってIRスペクトルを
測定する。
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物の
IRスペクトルを第2図に示す。
このようにして得られたIRスペクトルから、D1260/D
1220を求めるが、このD1260/D1220値は以下のようにし
て求める。
(イ)1280cm-1付近と1240cm-1付近の極大点を結び、こ
れをベースラインL1とする。
(ロ)1260cm-1付近の吸収極小点の透過率(T%)と、
この極小点から波数軸(横軸)に対して垂線を引き、こ
の垂線とベースラインL1との交点の透過率(T0%)を読
み取り、1260cm-1付近の吸光度D1260=log T0/T)を計
算する。
(ハ)同様に1280cm-1付近と1180cm-1付近の極大点を結
び、これをベースラインL2とする。
(ニ)1220cm-1付近の吸収極小点の透過率(T′%)
と、この極小点から波数軸(横軸)に対して垂線を引
き、この垂線とベースラインL2との交点の透過率(T′
o%)を読み取り、1220cm-1付近の吸光度D1220=log
T′o/T′)を計算する。
(ホ)これらの値からD1260/D1220を計算する。
なお従来公知のベンゼン可溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物のIRスペクトルを第3図に示す。この第3図
からもわかるように、ベンゼン可溶性の有機アルミニウ
ムオキシ化合物は、D1260/D1220値が、ほぼ0.10〜0.13
の間にあり、本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のベンゼン可溶
性の有機アルミニウムオキシ化合物とD1260/D1220値で
明らかに相違している。
上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物は、 [式中、R1は炭素数1〜12の炭化水素基である]で示
されるアルキルオキシアルミニウム単位を有すると推定
される。
上記のアルキルオキシアルミニウム単位において、R1
は、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロ
ヘキシル基、シクロオクチル基などが例示できる。これ
らの中でメチル基、エチル基が好ましく、とくにメチル
基が好ましい。
このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
は、 で表わされるアルキルオキシアルミニウム単位の他に で表わされるオキシアルミニウム単位[ここで、R1は上
記に同じであり、R2は、炭素数1〜12の炭化水素基、炭
素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキ
シ基、水酸基、ハロゲンまたは水素であり、R1およびR2
は互いに異なる基を表わす]を含有していてよい。その
場合には、アルキルオキシアルミニウム単位 を30モル%以上、好ましくは50モル%以上、特に好まし
くは70モル%以上の割合で含むアルキルオキシアルミニ
ウム単位を有する有機アルミニウムオキシ化合物が好ま
しい。
次に上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物の製造方法について具体的に説明する。
このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
は、アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有
化合物とを接触させることにより得られる。
活性水素含有化合物としては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパールなどのアルコー
ル類、エチレングリコール、ヒドロキノン等のジオール
類、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類等が用いられ
る。このうちアルコール類、ジオール類が好ましく、特
にアルコール類が好ましい。
アルミノオキサンの溶液と接触させる水または活性水
素含有化合物は、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの
炭化水素溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル溶
媒、トリエチルアミンなどのアミン溶媒などに溶解ある
いは分散させて、あるいは、蒸気または固体の状態で用
いることができる。また水として、塩化マグネシウム、
硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸ニ
ッケル、硫酸鉄、塩化第1セリウムなどの塩の結晶水あ
るいはシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの無
機化合物またはポリマーなどに吸着した吸着水などを用
いることもできる。
アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有化
合物との接触反応は、通常溶媒、たとえば炭化水素溶媒
中で行なわれる。この際用いられる溶媒としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香
族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンな
どの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環
族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分等の
炭化水素溶媒あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化
水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化
物、臭素化物などのハロゲン化炭化水素、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いること
もできる。これらの媒体のうちでは、芳香族炭化水素が
特に好ましい。
該接触反応に用いられる水または活性水素含有化合物
は、アルミノオキサンの溶液中のAl原子に対して0.1〜
5モル好ましくは0.2〜3モルの量で用いられる。反応
系内の濃度は、アルミニウム原子に換算して、通常1×
10-3〜5グラム原子/l好ましくは1×10-2〜3グラム原
子/lの範囲であることが望ましく、また反応系内の水の
濃度は、通常2×10-4〜5モル/l好ましくは2×10-3
3モル/lの濃度であることが望ましい。
アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有化
合物とを接触させるには、具体的には下記のようにすれ
ばよい。
(1)アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含
有化合物を含有した炭化水素溶媒とを接触させる方法。
(2)アルミノオキサンの溶液に、水または活性水素含
有化合物の蒸気を吹込むなどして、アルミノオキサンと
蒸気とを接触させる方法。
(3)アルミノオキサンの溶液と、水または氷あるいは
活性水素含有化合物を直接接触させる方法。
(4)アルミノオキサンの溶液と、吸着水含有化合物ま
たは結晶水含有化合物の炭化水素懸濁液あるいは活性水
素含有化合物が吸着された化合物の炭化水素懸濁液とを
混合して、アルミノオキサンと吸着水または結晶水とを
接触させる方法。
なお、上記のようなアルミノオキサンの溶液は、アル
ミノオキサンと水または活性水素含有化合物との反応に
悪影響を及ぼさない限り、他の成分を含んでいてもよ
い。
アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有化
合物との接触反応は、通常−50〜150℃好ましくは0〜1
20℃さらに好ましくは20〜100℃の温度で行なわれる。
また反応時間は、反応温度によっても大きく変わるが、
通常0.5〜300時間好ましくは1〜150時間程度である。
またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
は、上記のような有機アルミニウムと水とを接触させる
ことによって直接得ることもできる。この場合には、水
は、反応系内に溶解している有機アルミニウム原子が全
有機アルミニウム原子に対して20%以下となるような量
で用いられる。
有機アルミニウム化合物と接触させる水は、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素溶媒、テトラヒ
ドロフランなどのエーテル溶媒、トリエチルアミンなど
のアミン溶媒などに溶解または分散させて、あるいは水
蒸気または氷の状態で用いることができる。また水とし
て、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミ
ニウム、硫酸銅、硫酸ニッケル、硫酸鉄、塩化第1セリ
ウムなどの塩の結晶水あるいはシリカ、アルミナ、水酸
化アルミニウムなどの無機化合物あるいはポリマーなど
に吸着した吸着水などを用いることもできる。
有機アルミニウム化合物と水との接触反応は、通常、
炭化水素溶媒中で行なわれる。この際用いられる炭化水
素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメ
ン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデ
カン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペン
タン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロ
ヘキサンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油
などの石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭
化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物、とりわけ塩素
化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。その
他、エチルエーテルテトラヒドロフランなどのエーテル
類を用いることもできる。これらの媒体のうち、芳香族
炭化水素が特に好ましい。
反応系内の有機アルミニウム化合物の濃度は、アルミ
ニウム原子に換算して通常1×10-3〜5グラム原子/l好
ましくは1×10-2〜3グラム原子/lの範囲であることが
望ましく、また反応系内の水の濃度は、通常1×10-3
5モル/l好ましくは1×10-2〜3モル/lの濃度であるこ
とが望ましい。この際、反応系内に溶解している有機ア
ルミニウム原子が、全有機アルミニウム原子に対して20
%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは0〜5%
であることが望ましい。
有機アルミニウム化合物と水とを接触させるには、具
体的には下記のようにすればよい。
(1)有機アルミニウムの炭化水素溶液と水を含有した
炭化水素溶媒とを接触させる方法 (2)有機アルミニウムの炭化水素溶液に、水蒸気を吹
込むなどして、有機アルミニウムと水蒸気とを接触させ
る方法。
(3)有機アルミニウムの炭化水素溶液と、吸着水含有
化合物または結晶水含有化合物の炭化水素懸濁液とを混
合して、有機アルミニウムと吸着水または結晶水とを接
触させる方法。
(4)有機アルミニウムの炭化水素溶液と氷を接触させ
る方法。
なお、上記のような有機アルミニウムの炭化水素溶液
は、有機アルミニウムと水との反応に悪影響を及ぼさな
い限り、他の成分を含んでいてもよい。
有機アルミニウム化合物と水との接触反応は、通常−
100〜150℃好ましくは−70〜100℃さらに好ましくは−5
0〜80℃の温度で行なわれる。また反応時間は、反応温
度によっても大きく変わるが、通常1〜200時間好まし
くは2〜100時間程度である。
上記のような遷移金属化合物(A)および有機アルミ
ニウムオキシ化合物(B)は、そのままでも、あるいは
担体上に担持して用いてもよい。担体としては、シリ
カ、アルミナ等の無機化合物、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等の有機高分子化合物を例示することができる。
本発明において重合反応に供給されるα−オレフィン
としては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−
オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
センなどの炭素原子数が2ないし20のα−オレフィンを
例示することができる。このうち特にエチレンが好まし
い。
また、本発明において重合反応に供給される環状オレ
フィンとしては、具体的には、シクロプロペン、シクロ
ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチル
シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シ
クロデセン、シクロドデセン、シクロエイコセンなどの
モノシクロアルケン、ノルボルネン、5−メチル−2−
ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−イ
ソブチル−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル−2−ノ
ルボルネン、5,5,6−トリメチル−2−ノルボルネン、
2−ボルネンなどのビシクロアルケン、2,3,3a,7a−テ
トラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、3a,5,6,7a−
テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのトリ
シクロアルケン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,
8a−オクタヒドロナフタレンのほかに、2−メチル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−プロピル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ステアリ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メ
チル−3−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−クロロ−1,4,5,8
−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2−ブロモ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどのテトラシクロ
アルケン、ヘキサシクロ〔6,6,1,13,6,110,13,02,7,0
9,14〕ヘプタンデセン−4、ペンタシクロ〔8,8,12,9,1
4,7,111,18,0,03,8,012,17〕ヘンイコセン−5、オクタ
シクロ〔8,8,12,9,14,7,111,18,113,16,0,03,8,
012,17〕ドコセン−5などのポリシクロアルケンなどの
環状モノエン、ジシクロペンタジエン、5−メチレン−
2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8
−エンドメチレンヘキサヒドロナフタレン、アルキリデ
ンテトラヒドロインデンなどの環状ポリエンを例示する
ことができる。
以下好ましくは用いられる環状オレフィンについて具
体的に例示すると、このような環状オレフィンは、下記
式[I] (式中、nは0または1であり、mは0または正の整
数であり、 R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子または炭化水素基であり、R15〜R18は、互いに結合し
て単環または多環の基を形成していてもよく、かつ該単
環または多環は二重結合を有していてもよい。
また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい)。
上記式[I]で示される環状オレフィンは、シクロペ
ンタジエン類と対応するオレフィン類、あるいは環状オ
レフィン類とをディールス・アルダー反応により縮合さ
せることにより容易に製造することができる。
このような本発明において使用される上記式[I]で
表わされる環状オレフィンとしては、具体的には、 ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン誘導体、 テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ドデセン誘導
体、 ヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14]−4−
ヘプタデンセン誘導体、 オクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,113.16,03.8,0
12.17]−5−ドコセン誘導体、 ペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]−4−ヘキサ
デセン誘導体、 ヘプタシクロ−5−イコセン誘導体、 ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、 トリシクロ[4,3,0,12.5]−3−デセン誘導体、 トリシクロ[4,3,0,12.5]−3−ウンデセン誘導体、 ペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.7,09.13]−4−ペンタ
デセン誘導体、 ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、 ペンタシクロ[4,7,0,12.5,08.13,19.12]−3−ペンタ
デセン誘導体、 ペンタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.16,
112.15]−4−エイコセン誘導体、 および ノナシクロ[9,10,1,1,4.7,03.8,02.10,012.21,113.20,
014.19,115.18]−5−ペンタコセン誘導体を挙げるこ
とができる。
以下にこのような化合物の具体的な例を示す。
などのようなビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン誘
導体; などのテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ドデ
セン誘導体; などのヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,
09.14]−4−ヘプタデセン誘導体; などのオクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,1
13.16,03.8,012.17]−5−ドコセン誘導体; などのペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]−4
−ヘキサデセン誘導体; などのペンタシクロ−5−イコセン誘導体あるいはヘ
プタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体; などのトリシクロ[4,3,0,12.5]−3−デセン誘導
体; などのトリシクロ[4,4,0,12.5]−3−ウンデセン誘
導体; などのペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.7,09.13]−4
−ペンタデセン誘導体; などのジエン化合物; などのペンタシクロ[4,7,0,12.5,08.13,19.12]−3
−ペンタデセン誘導体; などのヘプタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,0
11.16,112.15]−4−エイコセン誘導体; などのノナシクロ[9,10,1,14.7,03.8,02.10,012.21,
113.20,014.19,115.18]−5−ペンタコセン誘導体を挙
げることができる。
そしてさらには、 を挙げることができる。
本発明の方法において、重合反応系に供給される原料
オレフィンは、上記のようなα−オレフィンおよび環状
オレフィンからなる混合物である。重合原料オレフィン
中の該α−オレフィンは、通常は1〜90モル%、好まし
くは2〜80モル%の量で用いられ、該環状オレフィン
は、通常は10〜99モル%、好ましくは20〜98モル%の量
で用いられる。
本発明では、α−オレフィンと環状オレフィンとの共
重合反応は、通常は炭化水素媒体中で実施される。炭化
水素媒体としては、具体的には、ブタン、イソブタン、
ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘ
キサデカン、オクタデカンなどの脂肪族系炭化水素、シ
クロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタンなどの脂環族系炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、ガソ
リン、灯油、軽油などの石油留分などが用いられるが、
原料のオレフィンも炭化水素媒体となる。これらの炭化
水素媒体の中で芳香族炭化水素が好ましい。
本発明では、共重合反応は、通常−50〜150℃、好ま
しくは−30〜100℃の温度で行われる。
上記のような共重合反応を液相重合法で実施する場合
には、遷移金属化合物(A)は、重合反応系内の遷移金
属原子の濃度として、通常は10-8〜10-2グラム原子/l、
好ましくは10-7〜10-3グラム原子/lの量で用いられる。
また、有機アルミニウムオキシ化合物は、重合反応系内
のアルミニウム原子の濃度として、通常は10-4〜10-1
ラム原子/l、好ましくは10-3〜5×10-2グラム原子/lの
量で用いられ、また重合反応系内の遷移金属原子に対す
るアルミニウム原子の比は、通常は4〜107、好ましく
は10〜106であることが望ましい。共重合体の分子量
は、反応系に水素を存在させるか、あるいは重合温度を
変化させることによって制御することができる。
本発明では、重合反応が終了した重合反応混合物を、
常法によって処理することにより環状オレフィン系ラン
ダム共重合体が得られる。このような環状オレフィン系
ランダム共重合体では、α−オレフィンから導かれる構
成単位は通常10〜99.9モル%、好ましくは20〜99.5モル
%の量で、また環状オレフィンから導かれる構成単位
は、通常0.1〜90モル%、好ましくは0.5〜80モル%の量
で存在していることが望ましい。また、該環状オレフィ
ン系ランダム共重合体の135℃のデカリン溶媒中で測定
した極限粘度〔η〕は、通常0.005〜20dl/g、好ましく
は0.01〜10dl/gの範囲にあり、またゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)によって測定した分子量
分布は、通常4以下、好ましくは3以下であることが望
ましい。
発明の効果 本発明の方法によれば、高い重合温度においても共重
合性に優れ、さらに重合活性に優れ、分子量分布が狭い
環状オレフィン系ランダム共重合体を効率的に製造する
ことができるという特徴がある。
〔実施例〕
次に、本発明の方法を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 〔有機アルミニウムオキシ化合物の調製〕 充分に窒素置換した400mlのフラスコにAl2(SO4)3・14
H2O 37.1gとトルエン133mlとを装入し、−5℃に冷却
後、トルエン152mlで希釈したトリメチルアルミニウム4
7.9mlを1時間かけて滴下した。その後0〜−5℃で1
時間反応させた後3時間かけて40℃まで昇温し、40℃で
さらに72時間反応させた。反応後濾過により固液分離を
行ない、さらに濾液よりトルエンを除去することによ
り、白色固体のベンゼン可溶性有機アルミニウムオキシ
化合物を得た。
上記で得られたベンゼン可溶性有機アルミニウムオキ
シ化合物をトルエンに再溶解(Al=2.57モル/l)したも
の58.4ml、トルエン90.5mlおよびテフロン製円柱(1.2m
m×2mmφ)25gを400mlのフラスコに装入した。系内の温
度を−5℃まで冷却した後、水1.08mlを20分かけて徐々
に滴下した。その際系内の温度を0〜−5℃に保った。
滴下終了後80℃まで30分かけて昇温し、80℃で3時間反
応させた。その後、32メッシュのフルイによりテフロン
製円柱を除去することにより60℃のベンゼンに対する溶
解度が0.4重量%であり、IRにより測定したD1260/D
1220の比が0.053であるベンゼン不溶性有機アルミニウ
ムオキシ化合物を得た。
〔ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの調製〕
充分に窒素置換した200mlのガラス製フラスコ中で四
塩化ジルコニウム4.7gを、ベンゼン10mlとテトラヒドロ
フラン10mlとでスラリーにし、0℃に冷却した。得られ
たスラリーに、テトラヒドロフラン50mlに溶解したビス
(シクロペンタジエニル)ジメチルシランのリチウム塩
20ミリモルを加え、室温で2時間攪拌を続けた。次い
で、溶媒を留去した後、クロロホルム150mlで触媒成分
を抽出した。抽出液から一部クロロホルムを留去した
後、冷却して固体が得られた。その固体を濾過し、減圧
下に乾燥した。1.5gのジメチルシリレンビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリドが得られた。
〔重合〕
充分に窒素置換した500mlのガラス製オートクレーブ
に精製トルエン250mlとテトラシクロドデセン15gとを装
入後、エチレンガスを10l/hで流通させ、80℃で10分間
保持した。続いて、アルミニウム原子換算で2.5ミリグ
ラム原子に相当する有機アルミニウムオキシ化合物、ジ
ルコニウム原子換算で2.5×10-2ミリグラム原子に相当
するトルエンに溶解したジメチルシリレンビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを装入し重合
を開始した。80℃で1時間、常圧で重合を行なった後、
イソプロパノールで重合を停止した。重合は、均一な溶
液状態で進行し、重合1時間後もエチレンの吸収は認め
られた。反応終了後、ポリマー溶液を多量のメタノール
に加え、ポリマーを析出させ1晩130℃で減圧乾燥し
た。乾燥後のポリマー収量は6.4gであり、単位ジルコニ
ウム当りの活性は、260gポリマー/ミリグラム原子Zr・
hrであった。なお、このポリマーのエチレン含量、
〔η〕、Mw/Mnはそれぞれ63モル%、0.15dl/g、2.33で
あった。
比較例 実施例1の重合において、ジメチルシリレンビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの代わり
にビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
トを用いた以外は、実施例1と同様に重合を行ったとこ
ろ、エチレン含量、〔η〕、Mw/Mnがそれぞれ92モル
%、1.46dl/g、2.13であるポリマーが3.3g得られた。単
位ジルコニウム当りの活性は、130gポリマー/ミリグラ
ム原子Zr・hrであった。
実施例2 充分に窒素置換した500mlのガラス製オートクレーブ
に精製トルエン250mlとテトラシクロドデセン7.5gとを
装入後、エチレンガスを10l/hで流通させ、60℃で10分
間保持した。続いて、アルミニウム原子換算で2.5ミリ
グラム原子に相当する有機アルミニウムオキシ化合物、
ジルコニウム原子換算で2.5×10-2ミリグラム原子に相
当するトルエンに溶解したジメチルシリレンビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを装入し重
合を開始した。60℃で10分間、常圧で重合を行なった
後、イソプロパノールで重合を停止した。重合は、均一
な溶液状態で進行し、重合10分後もエチレンの吸収は認
められた。反応終了後、ポリマー溶液を多量のメタノー
ルに加え、ポリマーを析出させ1晩130℃で減圧乾燥し
た。乾燥後のポリマー収量は0.71gであり、単位ジルコ
ニウム当りの活性は、170gポリマー/ミリグラム原子Zr
・hrであった。なお、このポリマーのエチレン含量、
〔η〕、Mw/Mnは、それぞれ66モル%、0.19dl/g、2.55
であった。
実施例3 〔ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドの調製〕 充分に窒素置換した200mlのガラス製フラスコ中で四
塩化ジルコニウム4.7gをベンゼン10mlとテトラヒドロフ
ラン10mlとでスラリーにし、0℃に冷却した。それにテ
トラヒドロフラン50mlに溶解したビス(メチルシクロペ
ンタジエニル)ジメチルシランのリチウム塩20ミリモル
を加え、2時間穏やかに還流した。次いで、溶媒を留去
した後、クロロホルム150mlで触媒成分を抽出した。抽
出液から一部クロロホルムを留去した後、冷却して固体
が得られた。その固体を濾過し、減圧下に乾燥した。1.
4gのジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドが得られた。
〔重合〕
充分に窒素置換した500mlのガラス製オートクレーブ
に精製トルエン250mlとテトラシクロドデセン7.5gとを
装入後、エチレンガスを10l/h、窒素ガスを40g/hで流通
させ、60℃で10分間保持した。続いて、アルミニウム原
子換算で2.5ミリグラム原子に相当する有機アルミニウ
ムオキシ化合物、ジルコニウム原子換算で2.5×10-2
リグラム原子に相当するトルエンに溶解したジメチルシ
リレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリドを装入し重合を開始した。60℃で1時間、
常圧で重合を行なった後、イソプロパノールで重合を停
止した。重合は、均一な溶液状態で進行し、重合1時間
後もエチレンの吸収は認められた。反応終了後、ポリマ
ー溶液を多量のメタノールに加え、ポリマーを析出させ
1晩130℃で減圧乾燥した。乾燥後のポリマー収量は5.5
gであり、単位ジルコニウム当りの活性は、220gポリマ
ー/ミリグラム原子Zr・hrであった。なお、このポリマ
ーのエチレン含量、〔η〕、Mw/Mnは、それぞれ73モル
%、0.41dl/g、2.14であった。
実施例4 充分に窒素置換した500mlのガラス製オートクレーブ
に精製トルエン250mlとテトラシクロドデセン7.5gとを
装入後、プロピレンガスを50l/hで流通させ、20℃で10
分間保持した。続いて、アルミニウム原子換算で2.5ミ
リグラム原子に相当する実施例1で調製した有機アルミ
ニウムオキシ化合物、ジルコニウム原子換算で2.5×10
-2ミリグラム原子に相当するトルエンに溶解した実施例
1で調製したジメチルシリレンビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリドを装入し重合を開始し
た。20℃で2時間、常圧で重合を行なった後、イソプロ
パノールで重合を停止した。重合は、均一な溶液状態で
進行し、重合2時間後もプロピレンの吸収は認められ
た。反応終了後、ポリマー溶液を多量のメタノールに加
え、ポリマーを析出させ1晩130℃で減圧乾燥した。乾
燥後のポリマー収量は0.37gであり、単位ジルコニウム
当りの活性は、15gポリマー/ミリグラム原子Zr・hrで
あった。得られた共重合体の示差走査熱量計によって測
定したガラス転移温度は78℃であり、極限粘度〔η〕は
0.09dl/gであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るオレフィン重合用触媒について
の説明図であり、 第2図は、ベンゼン不溶性アルミニウムオキシ化合物の
IRスペクトルであり、 第3図は、ベンゼン可溶性アルミニウムオキシ化合物の
IRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−45612(JP,A) 特開 平2−173112(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(I)で表される遷移金
    属化合物、 〔式中、Meはジルコニウム、チタンまたはハフニウムで
    あり、R0はシリレン基または置換シリレン基であり、R1
    およびR2はシクロペンタジエニル基または炭素原子数が
    1〜4のアルキル基で置換されたシクロペンタジエニル
    基であり、かつR1およびR2は互いに同一の基であり、R3
    およびR4はシクロアルカジエニル基、アリール基、アル
    キル基、アラルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン、
    水素、ORa、SRb、NRc 2またはPRd 2であり、Ra、Rb、Rc
    よびRdはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
    アラルキル基などの炭化水素基、またはシリル基であ
    り、2個のRcおよびRdは連結して環を形成することもで
    きる。〕 および (B)有機アルミニウムオキシ化合物 から形成される触媒の存在下に、α−オレフィンと環状
    オレフィンとを共重合させることを特徴とする環状オレ
    フィン系ランダム共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記炭素数が1〜4のアルキル基で置換さ
    れたシクロペンタジエニル基は、メチルシクロペンタジ
    エニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ブチルシク
    ロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基
    およびトリメチルシクロペンタジエニル基から選ばれる
    1種の基である請求項1に記載の環状オレフィン系ラン
    ダム共重合体の製造方法。
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