JP2867742B2 - ファジィ推論による初沈汚泥引抜制御装置 - Google Patents
ファジィ推論による初沈汚泥引抜制御装置Info
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- JP2867742B2 JP2867742B2 JP3139865A JP13986591A JP2867742B2 JP 2867742 B2 JP2867742 B2 JP 2867742B2 JP 3139865 A JP3139865 A JP 3139865A JP 13986591 A JP13986591 A JP 13986591A JP 2867742 B2 JP2867742 B2 JP 2867742B2
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
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- Feedback Control In General (AREA)
- Flow Control (AREA)
- Control Of Non-Electrical Variables (AREA)
- Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
- Activated Sludge Processes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、下水処理等における
活性汚泥処理システムに係わり、特にファジィ推論によ
り初沈汚泥の引抜を制御する装置に関する。
活性汚泥処理システムに係わり、特にファジィ推論によ
り初沈汚泥の引抜を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、下水処理等における活性汚泥処
理システムでは、流入下水にばっ気処理を行うエアレー
ションタンクの前段に最初沈殿池によって流入下水から
浮遊物質(SS)成分を除去することによって、生物化
学的酸素要求量(BOD)を減少させる等、後段の処理
プロセス(エアレーションタンクその他)の負荷を軽減
している。
理システムでは、流入下水にばっ気処理を行うエアレー
ションタンクの前段に最初沈殿池によって流入下水から
浮遊物質(SS)成分を除去することによって、生物化
学的酸素要求量(BOD)を減少させる等、後段の処理
プロセス(エアレーションタンクその他)の負荷を軽減
している。
【0003】この最初沈殿池では、流入下水に含まれる
SS成分のうち、水よりも比重が大きいものが重力作用
によって沈殿・除去される。SS成分の除去率は、SS
成分の濃度、比重および沈殿時間等によって異なるが、
一般都市下水の場合、約2時間の沈殿時間で30〜70
%程度のSS成分が沈殿して汚泥となる。この沈殿汚泥
は、多量の土砂が混入した粘性の高い泥状有機物である
ので腐敗しやすい。このため沈殿汚泥は、沈殿後なるべ
く早く最初沈殿池から除去する必要がある。
SS成分のうち、水よりも比重が大きいものが重力作用
によって沈殿・除去される。SS成分の除去率は、SS
成分の濃度、比重および沈殿時間等によって異なるが、
一般都市下水の場合、約2時間の沈殿時間で30〜70
%程度のSS成分が沈殿して汚泥となる。この沈殿汚泥
は、多量の土砂が混入した粘性の高い泥状有機物である
ので腐敗しやすい。このため沈殿汚泥は、沈殿後なるべ
く早く最初沈殿池から除去する必要がある。
【0004】図2に示すように活性汚泥処理システムは
通常、沈砂池1に流入した下水を処理するために、複数
の処理系2−1,2−2…を有する。各処理系2−1,
2−2…は、それぞれ最初沈殿池3−1,3−2…を備
えている。各最初沈殿池3−1,3−2…には、それぞ
れ引抜弁4−1,4−2…が設けられている。これら引
抜弁4−1,4−2…の後段には、処理系共通の汚泥引
抜流路5が設けられている。この汚泥引抜流路5には、
汚泥引抜ポンプ6が設けられている。
通常、沈砂池1に流入した下水を処理するために、複数
の処理系2−1,2−2…を有する。各処理系2−1,
2−2…は、それぞれ最初沈殿池3−1,3−2…を備
えている。各最初沈殿池3−1,3−2…には、それぞ
れ引抜弁4−1,4−2…が設けられている。これら引
抜弁4−1,4−2…の後段には、処理系共通の汚泥引
抜流路5が設けられている。この汚泥引抜流路5には、
汚泥引抜ポンプ6が設けられている。
【0005】従来、最初沈殿池3−1,3−2…の沈殿
汚泥(初沈汚泥)を除去するにあたっては、各最初沈殿
池3−1,3−2…の引抜時間を画一的・固定的に決定
しておき、引抜弁4−1,4−2…や汚泥引抜ポンプ6
を制御して各最初沈殿池3−1,3−2…からサイクリ
ックに順次引抜を行っていた。
汚泥(初沈汚泥)を除去するにあたっては、各最初沈殿
池3−1,3−2…の引抜時間を画一的・固定的に決定
しておき、引抜弁4−1,4−2…や汚泥引抜ポンプ6
を制御して各最初沈殿池3−1,3−2…からサイクリ
ックに順次引抜を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記の従
来の初沈汚泥引抜には、次のような問題点があった。
来の初沈汚泥引抜には、次のような問題点があった。
【0007】(1)各最初沈殿池には、構造的な要因に
より流量分布に不均衡が生じる。ところが引抜時間が各
最初沈殿池について画一的に決定されているため、上記
の不均衡が蓄積されてしまい、各最初沈殿池の汚泥分布
に大きなばらつきを生じる問題点があった。つまり、汚
泥分布の小さい最初沈殿池については、低濃度の汚泥が
引き抜かれて汚泥処理プロセスに送出されるため、汚泥
処理プロセスの負荷を増大させる不都合を生じる。逆
に、汚泥分布の大きい最初沈殿池については、沈殿汚泥
を引き抜ききれずに残留を生じ、この残留汚泥が腐敗し
て水質悪化を増長させる不都合がある。
より流量分布に不均衡が生じる。ところが引抜時間が各
最初沈殿池について画一的に決定されているため、上記
の不均衡が蓄積されてしまい、各最初沈殿池の汚泥分布
に大きなばらつきを生じる問題点があった。つまり、汚
泥分布の小さい最初沈殿池については、低濃度の汚泥が
引き抜かれて汚泥処理プロセスに送出されるため、汚泥
処理プロセスの負荷を増大させる不都合を生じる。逆
に、汚泥分布の大きい最初沈殿池については、沈殿汚泥
を引き抜ききれずに残留を生じ、この残留汚泥が腐敗し
て水質悪化を増長させる不都合がある。
【0008】(2)一般に流量下水の水質は、降雨状況
や水温などで変動する。これにもかかわらず、同一サイ
クルで引抜制御を行っているため、低濃度の汚泥を多量
に引き抜いてしまう等のおそれがあり非効率的であっ
た。
や水温などで変動する。これにもかかわらず、同一サイ
クルで引抜制御を行っているため、低濃度の汚泥を多量
に引き抜いてしまう等のおそれがあり非効率的であっ
た。
【0009】(3)下水の流入量が少ない等、引抜の不
要な状況の最初沈殿池に対しても引抜を行うおそれがあ
るなど、制御自体に柔軟性がなく、汚泥分布のばらつき
を補正することも困難であった。
要な状況の最初沈殿池に対しても引抜を行うおそれがあ
るなど、制御自体に柔軟性がなく、汚泥分布のばらつき
を補正することも困難であった。
【0010】この発明は、これらの問題点に鑑み、状況
に応じて引抜時間や引抜サイクルなどを変えて柔軟性に
富む引抜制御を行うことが可能な初沈汚泥引抜制御装置
を提供することを目的とする。
に応じて引抜時間や引抜サイクルなどを変えて柔軟性に
富む引抜制御を行うことが可能な初沈汚泥引抜制御装置
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、下水が流入する沈砂池と、この沈砂
池から送られる流入下水中の浮遊物質を最初沈殿池で沈
殿分離したうえで活性汚泥処理を行う複数の処理系と、
各処理系の最初沈殿池から沈殿汚泥を引き抜く手段とを
備えた活性汚泥処理システムにおける、前記沈殿汚泥の
引抜を制御する装置において、次の手段を備えたもので
ある。
を達成するために、下水が流入する沈砂池と、この沈砂
池から送られる流入下水中の浮遊物質を最初沈殿池で沈
殿分離したうえで活性汚泥処理を行う複数の処理系と、
各処理系の最初沈殿池から沈殿汚泥を引き抜く手段とを
備えた活性汚泥処理システムにおける、前記沈殿汚泥の
引抜を制御する装置において、次の手段を備えたもので
ある。
【0012】(1)沈砂池への下水流入量および各最初
沈殿池からの引抜汚泥流量・引抜汚泥濃度を測定する各
種測定部。
沈殿池からの引抜汚泥流量・引抜汚泥濃度を測定する各
種測定部。
【0013】(2)各最初沈殿池について、前回の引抜
工程における引抜汚泥流量を積算して前回引抜汚泥流量
を求める流量積算部。
工程における引抜汚泥流量を積算して前回引抜汚泥流量
を求める流量積算部。
【0014】(3)同じく各最初沈殿池について、前回
の引抜工程における引抜汚泥濃度の平均をとって前回引
抜汚泥平均濃度を求める平均濃度演算部。
の引抜工程における引抜汚泥濃度の平均をとって前回引
抜汚泥平均濃度を求める平均濃度演算部。
【0015】(4)運転前の降雨および水温の傾向を示
す降雨情報および季節情報が設定される情報設定部。
す降雨情報および季節情報が設定される情報設定部。
【0016】(5)ファジィ推論により、各最初沈殿池
について引抜時間および引抜サイクル時間を求める処理
時間演算部。ファジィ推論では、前回引抜汚泥流量積算
値、前回引抜汚泥平均濃度、下水流入量、降雨情報およ
び季節情報を現象項目とし引抜時間および引抜サイクル
時間を原因項目とするファジィルールを使用する。
について引抜時間および引抜サイクル時間を求める処理
時間演算部。ファジィ推論では、前回引抜汚泥流量積算
値、前回引抜汚泥平均濃度、下水流入量、降雨情報およ
び季節情報を現象項目とし引抜時間および引抜サイクル
時間を原因項目とするファジィルールを使用する。
【0017】(6)同じくファジィ推論により、各最初
沈殿池について引抜汚泥流量目標値を求める流量目標値
演算部。ファジィ推論は、引抜汚泥濃度および引抜時間
を現象項目とし引抜汚泥流量目標値を原因項目とするフ
ァジィルールを使用する。
沈殿池について引抜汚泥流量目標値を求める流量目標値
演算部。ファジィ推論は、引抜汚泥濃度および引抜時間
を現象項目とし引抜汚泥流量目標値を原因項目とするフ
ァジィルールを使用する。
【0018】
【作用】この発明は、各最初沈殿池からの沈殿汚泥の引
抜工程を画一的かつサイクリックに行うのではなく、引
抜時間や引抜サイクル時間、引抜汚泥流量目標値を最初
沈殿池ごとに設定し、これらの値に基づいて引抜制御を
行う。
抜工程を画一的かつサイクリックに行うのではなく、引
抜時間や引抜サイクル時間、引抜汚泥流量目標値を最初
沈殿池ごとに設定し、これらの値に基づいて引抜制御を
行う。
【0019】たとえば、引抜工程中に各種測定部により
引抜汚泥の流量や濃度を監視し、流量積算部および平均
濃度演算部によりその工程における引抜汚泥流量を積算
すると共に引抜汚泥濃度の平均値を演算し、前回引抜汚
泥流量積算値および前回引抜汚泥平均濃度を求める。そ
して、この前回引抜汚泥流量や前回引抜汚泥濃度をベー
スとして処理時間演算部によりファジィ推論を行い、最
初沈殿池内の汚泥分布の状況を判定して引抜時間・引抜
サイクル時間を定める。この推論では、情報設定部によ
り設定された降雨情報や季節情報を参照し、水質の傾向
も含めて演算を行うことによって、より的確な処理時間
の設定を可能としている。さらに、引抜時間と引抜汚泥
濃度に基づいて流量目標値演算部によりファジィ推論を
行って引抜汚泥流量目標値を定め、状況に応じた引抜を
行う。
引抜汚泥の流量や濃度を監視し、流量積算部および平均
濃度演算部によりその工程における引抜汚泥流量を積算
すると共に引抜汚泥濃度の平均値を演算し、前回引抜汚
泥流量積算値および前回引抜汚泥平均濃度を求める。そ
して、この前回引抜汚泥流量や前回引抜汚泥濃度をベー
スとして処理時間演算部によりファジィ推論を行い、最
初沈殿池内の汚泥分布の状況を判定して引抜時間・引抜
サイクル時間を定める。この推論では、情報設定部によ
り設定された降雨情報や季節情報を参照し、水質の傾向
も含めて演算を行うことによって、より的確な処理時間
の設定を可能としている。さらに、引抜時間と引抜汚泥
濃度に基づいて流量目標値演算部によりファジィ推論を
行って引抜汚泥流量目標値を定め、状況に応じた引抜を
行う。
【0020】
【実施例】以下、図面に基づいて、この発明の実施例を
説明する。図1は、一実施例に係る初沈汚泥引抜システ
ムの概要を示す。従来と同じまたは相当する部分には同
じ符号を付している。
説明する。図1は、一実施例に係る初沈汚泥引抜システ
ムの概要を示す。従来と同じまたは相当する部分には同
じ符号を付している。
【0021】沈砂池1には、下水の流入量FINを検出
する流量計7が設けられている。また、汚泥引抜流路5
には、引抜汚泥の流量FDや濃度SDを検出する流量計
8や濃度計9が設けられている。
する流量計7が設けられている。また、汚泥引抜流路5
には、引抜汚泥の流量FDや濃度SDを検出する流量計
8や濃度計9が設けられている。
【0022】この実施例では初沈汚泥引抜制御装置10
は、各最初沈殿池3−1,3−2…について引抜時間や
引抜サイクル時間、引抜汚泥流量目標値を個別に定めて
逐次引抜を行っていく。すなわち、流量計7,8や濃度
計9は常時、下水流入量FINや引抜汚泥流量FD、引
抜汚泥濃度SDを監視している。引抜工程中、流量積算
部11はこの引抜汚泥流量FDを積算して前回引抜汚泥
積算値FQを求め、平均濃度演算部12は引抜汚泥濃度
の平均をとって前回引抜汚泥平均濃度DEを求める。ま
た、関数設定部13により降雨関数ARや季節関数AK
が設定される。オペレータがこれらの関数AR,AKを
適宜設定する。降雨関数ARは、運転日前の降雨状況を
示す関数である。季節関数AKは、運転日の季節を示す
関数であり、特に水温の傾向を示すものである。
は、各最初沈殿池3−1,3−2…について引抜時間や
引抜サイクル時間、引抜汚泥流量目標値を個別に定めて
逐次引抜を行っていく。すなわち、流量計7,8や濃度
計9は常時、下水流入量FINや引抜汚泥流量FD、引
抜汚泥濃度SDを監視している。引抜工程中、流量積算
部11はこの引抜汚泥流量FDを積算して前回引抜汚泥
積算値FQを求め、平均濃度演算部12は引抜汚泥濃度
の平均をとって前回引抜汚泥平均濃度DEを求める。ま
た、関数設定部13により降雨関数ARや季節関数AK
が設定される。オペレータがこれらの関数AR,AKを
適宜設定する。降雨関数ARは、運転日前の降雨状況を
示す関数である。季節関数AKは、運転日の季節を示す
関数であり、特に水温の傾向を示すものである。
【0023】そして上記の値FIN,FQ,DEや関数
AR,AKに基づいて処理時間演算部14がファジィ推
論を行い、各最初沈殿池についての引抜時間THや引抜
サイクル時間TSを求める。これら引抜時間THや引抜
サイクル時間TSに基づいて、初沈汚泥の引抜工程が逐
次行われる。つまり、引抜弁制御部15が所定の引抜弁
4−1,4−2…を選択的に開くと共に、PI制御部1
6が汚泥引抜ポンプ6をPI制御により駆動させること
によって、初沈汚泥の引抜が行われる。汚泥引抜ポンプ
6の制御に必要な引抜汚泥流量目標値SVは、流量目標
値演算部17がファジィ推論を行って求める。
AR,AKに基づいて処理時間演算部14がファジィ推
論を行い、各最初沈殿池についての引抜時間THや引抜
サイクル時間TSを求める。これら引抜時間THや引抜
サイクル時間TSに基づいて、初沈汚泥の引抜工程が逐
次行われる。つまり、引抜弁制御部15が所定の引抜弁
4−1,4−2…を選択的に開くと共に、PI制御部1
6が汚泥引抜ポンプ6をPI制御により駆動させること
によって、初沈汚泥の引抜が行われる。汚泥引抜ポンプ
6の制御に必要な引抜汚泥流量目標値SVは、流量目標
値演算部17がファジィ推論を行って求める。
【0024】引抜時間および引抜サイクル時間の推論に
使用されるファジィルールを表1に示す。
使用されるファジィルールを表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】各項目には、L(大きい),M(中位),
S(小さい)の3段階のメンバシップ関数が設定されて
いる。このファジィルールは、下水流入量FIN、前回
引抜汚泥流量積算値FQ、前回引抜汚泥平均濃度DE、
降雨関数ARおよび季節関数AKを現象項目とし、引抜
時間THおよび引抜サイクル時間TSを原因項目とす
る。たとえば表1の1行目のルールを記述すると、「も
し下水流入量FINが大きく、前回引抜汚泥流量積算値
FQが大きく、前回引抜汚泥平均濃度DEが小さく、降
雨関数ARが小さく、季節関数AKが中位であるなら
ば、引抜時間THを小さくし、引抜サイクル時間TSを
中位にする」となる。
S(小さい)の3段階のメンバシップ関数が設定されて
いる。このファジィルールは、下水流入量FIN、前回
引抜汚泥流量積算値FQ、前回引抜汚泥平均濃度DE、
降雨関数ARおよび季節関数AKを現象項目とし、引抜
時間THおよび引抜サイクル時間TSを原因項目とす
る。たとえば表1の1行目のルールを記述すると、「も
し下水流入量FINが大きく、前回引抜汚泥流量積算値
FQが大きく、前回引抜汚泥平均濃度DEが小さく、降
雨関数ARが小さく、季節関数AKが中位であるなら
ば、引抜時間THを小さくし、引抜サイクル時間TSを
中位にする」となる。
【0027】処理時間演算部14は、各現象項目の値を
使用して各ファジィルールの成立度合を求める。さらに
最大最小法などの手法により非ファジィ化を行って、引
抜時間THおよび引抜サイクル時間TSを求める。つま
り、下水流入量FIN、前回引抜汚泥流量積算値FQお
よび前回引抜汚泥平均濃度DEに基づいて、最初沈殿池
内の汚泥分布の状況を把握し、これにより引抜時間TH
や引抜サイクル時間TSを定めることとしている。この
とき、降雨関数ARや季節関数AKを参照し、水質の傾
向も含めて推論を行うことによって、より的確な汚泥分
布状況の把握が可能となる。
使用して各ファジィルールの成立度合を求める。さらに
最大最小法などの手法により非ファジィ化を行って、引
抜時間THおよび引抜サイクル時間TSを求める。つま
り、下水流入量FIN、前回引抜汚泥流量積算値FQお
よび前回引抜汚泥平均濃度DEに基づいて、最初沈殿池
内の汚泥分布の状況を把握し、これにより引抜時間TH
や引抜サイクル時間TSを定めることとしている。この
とき、降雨関数ARや季節関数AKを参照し、水質の傾
向も含めて推論を行うことによって、より的確な汚泥分
布状況の把握が可能となる。
【0028】また、引抜汚泥流量目標値SVの推論で使
用するファジィルールを表2に示す。
用するファジィルールを表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】この表に示すように、このファジィルール
では、引抜汚泥の濃度SDおよび引抜時間THを現象項
目とし、引抜汚泥流量目標値SVを原因項目とする。こ
のルールを簡単に説明すると、基本的には、引抜時間T
Hが長い場合は引抜汚泥流量目標値SVを小さくし、他
の場合は引抜汚泥流量目標値SVを中位にする。ただ
し、引抜時間THが短く濃度SDが大きい場合は、引抜
汚泥流量目標値SVを大きくする必要がある、という具
合になる。
では、引抜汚泥の濃度SDおよび引抜時間THを現象項
目とし、引抜汚泥流量目標値SVを原因項目とする。こ
のルールを簡単に説明すると、基本的には、引抜時間T
Hが長い場合は引抜汚泥流量目標値SVを小さくし、他
の場合は引抜汚泥流量目標値SVを中位にする。ただ
し、引抜時間THが短く濃度SDが大きい場合は、引抜
汚泥流量目標値SVを大きくする必要がある、という具
合になる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
各種測定値等に基づいて引抜時間および引抜サイクル時
間、さらに引抜汚泥流量目標値を最初沈殿池ごとに設定
し、それらの値に従って引抜工程を制御するので、次の
ような効果を奏する。
各種測定値等に基づいて引抜時間および引抜サイクル時
間、さらに引抜汚泥流量目標値を最初沈殿池ごとに設定
し、それらの値に従って引抜工程を制御するので、次の
ような効果を奏する。
【0032】(1)各最初沈殿池の汚泥分布の状況を引
抜工程に反映できるので、汚泥分布を均等化できる。そ
れゆえ、汚泥分布の小さい最初沈殿池から低濃度の汚泥
を引き抜くことがなくなるので、後段の汚泥処理プロセ
ス等の負荷を軽減できる。また、汚泥分布の大きい最初
沈殿池に対しては沈殿汚泥が残留しないように引抜を行
えるので、残留汚泥の腐敗による水質悪化を防止でき
る。
抜工程に反映できるので、汚泥分布を均等化できる。そ
れゆえ、汚泥分布の小さい最初沈殿池から低濃度の汚泥
を引き抜くことがなくなるので、後段の汚泥処理プロセ
ス等の負荷を軽減できる。また、汚泥分布の大きい最初
沈殿池に対しては沈殿汚泥が残留しないように引抜を行
えるので、残留汚泥の腐敗による水質悪化を防止でき
る。
【0033】(2)さらに、降雨状況や水温などによる
流入下水の水質変動を考慮するので、低濃度汚泥の大量
引抜等を防止でき、効率的な引抜制御を行える。したが
って運転時間が短縮されると共に、引抜弁の動作回数が
低減される利点があり、さらにシステムの省電力化・長
寿命化を図れる利点がある。
流入下水の水質変動を考慮するので、低濃度汚泥の大量
引抜等を防止でき、効率的な引抜制御を行える。したが
って運転時間が短縮されると共に、引抜弁の動作回数が
低減される利点があり、さらにシステムの省電力化・長
寿命化を図れる利点がある。
【0034】(3)引抜時間などの演算をファジィ推論
で行うので、柔軟なアルゴリズムの構成が可能であり、
そのルールの変更・修正なども容易に行える。
で行うので、柔軟なアルゴリズムの構成が可能であり、
そのルールの変更・修正なども容易に行える。
【図1】この発明の一実施例に係る初沈汚泥引抜システ
ムの概要を示すブロック図。
ムの概要を示すブロック図。
【図2】一般的な初沈汚泥引抜システムの概要を示すブ
ロック図。
ロック図。
1…沈砂池 2−1,2−2…処理系 3−1,3−2…最初沈殿池 4−1,4−2…引抜弁 5…汚泥引抜流路 6…初沈汚泥引抜ポンプ 7…下水流入量を測定する流量計 8…引抜汚泥流量を測定する流量計 9…濃度計 10…初沈汚泥引抜制御装置 11…流量積算部 12…平均濃度演算部 13…関数設定部 14…処理時間演算部 17…流量目標値演算部
Claims (1)
- 【請求項1】 下水が流入する沈砂池と、この沈砂池か
ら送られる流入下水中の浮遊物質を最初沈殿池で沈殿分
離したうえで活性汚泥処理を行う複数の処理系と、各処
理系の最初沈殿池から沈殿汚泥を引き抜く手段とを備え
た活性汚泥処理システムにおける、前記沈殿汚泥の引抜
を制御する装置において、沈砂池への下水流入量および
各最初沈殿池からの引抜汚泥流量・引抜汚泥濃度を測定
する各種測定部と、各最初沈殿池について、前回の引抜
工程における引抜汚泥流量を積算して前回引抜汚泥流量
を求める流量積算部と、同じく各最初沈殿池について、
前回の引抜工程における引抜汚泥濃度の平均をとって前
回引抜汚泥平均濃度を求める平均濃度演算部と、運転前
の降雨および水温の傾向を示す降雨情報および季節情報
が設定される情報設定部と、各最初沈殿池について引抜
時間および引抜サイクル時間を求めるものであって、前
回引抜汚泥流量積算値、前回引抜汚泥平均濃度、下水流
入量、降雨情報および季節情報を現象項目とし引抜時間
および引抜サイクル時間を原因項目とするファジィルー
ルを使用してファジィ推論を行う処理時間演算部と、各
最初沈殿池について引抜汚泥流量目標値を求めるもので
あって、引抜汚泥濃度および引抜時間を現象項目とし引
抜汚泥流量目標値を原因項目とするファジィルールを使
用してファジィ推論を行う流量目標値演算部とを備えた
ことを特徴とするファジィ推論による初沈汚泥引抜制御
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3139865A JP2867742B2 (ja) | 1991-06-12 | 1991-06-12 | ファジィ推論による初沈汚泥引抜制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3139865A JP2867742B2 (ja) | 1991-06-12 | 1991-06-12 | ファジィ推論による初沈汚泥引抜制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04364507A JPH04364507A (ja) | 1992-12-16 |
JP2867742B2 true JP2867742B2 (ja) | 1999-03-10 |
Family
ID=15255352
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JP3139865A Expired - Fee Related JP2867742B2 (ja) | 1991-06-12 | 1991-06-12 | ファジィ推論による初沈汚泥引抜制御装置 |
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JP (1) | JP2867742B2 (ja) |
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1991
- 1991-06-12 JP JP3139865A patent/JP2867742B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH04364507A (ja) | 1992-12-16 |
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